JP2005258176A - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スペーサに起因する表示色のずれやばらつきを低減することのできる電気光学装置の構成を提供する。
【解決手段】 本発明の電気光学装置100は、一対の基板120,140の間に電気光学材料167が配置され、異なる色相を呈する複数種類の画素R,G,Bが所定の色配列パターンにて繰り返し配列されてなり、一対の基板のうち少なくとも一方の基板120上に、他方の基板140に向けて突出するスペーサ125を備えた電気光学装置において、所定の色配列パターンにおける所定の配列方向Xには複数種類の画素R,G,Bのうち少なくとも2種類以上の画素が所定の色配列パターン周期で繰り返し配列され、スペーサ125は、所定の配列方向Xに沿って色配列パターン周期と異なる形成周期で配列されていることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、電気光学装置及び電子機器に係り、特に、フォトリソグラフィ処理等といったパターン形成法を用いて形成される複数のスペーサを有する電気光学装置に適用する場合に好適な構造に関する。
電気光学装置の1種類である従来の液晶表示装置は、一対の基板をシール材で貼り合わせ、これらの一対の基板及びシール材の内側に液晶を封入してなるパネル構造を有する。このパネル構造においては、一対の基板の内面上にそれぞれ複数の電極が配列形成され、各電極が液晶を介して対向配置されることにより個々の画素が構成され、これらの画素は電極の配列構成に対応して配列される。
ここで、液晶表示装置でカラー画像を形成する場合には、上記の画素毎に所定の色相を呈する着色層が配置されたカラーフィルタが用いられる。このカラーフィルタは、異なる色相を呈する複数種類の着色層を所定の色配列パターンになるように配列させたものであり、例えば赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色の着色層を所定の順序で繰り返し配列させた色配列パターンが構成される。このような色配列パターンとしては、ストライプ配列、デルタ配列、ダイアゴナル(斜めモザイク)配列などの周知のパターンが表示画像の種類に応じて適宜に選定される。
一方、液晶表示装置において一対の基板の間隔を一定に保持するために、一般的には、一対の基板間におけるシール材の内側に絶縁材料で構成されたスペーサをランダムに分散配置させることにより基板間隔を規制するようにしているが、このスペーサは画素内にも配置されることがあるため、スペーサが液晶分子の配向を乱すなどの理由により表示品位が低下する場合がある。そこで、これを防止するために、少なくとも一方の基板の内面上の画素間領域に絶縁材料からなる多数の柱状スペーサを形成し、これらのスペーサを他方の基板に当接させることによって基板間隔を規制するようにしたものが考案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
特開2001−296529 特開2001−296530
ところで、上記従来のスペーサを備えた液晶表示装置では、スペーサを画素間領域に形成した場合でも、画素内の表示品位への影響を完全に防止することができないという問題点を有している。例えば、スペーサの周囲近傍にある液晶分子はスペーサの表面により配向方向が乱されるため、スペーサを画素間領域に形成しても、画素内のスペーサに隣接する部分では液晶分子の配向不良が発生しやすく、光抜けなどに起因する表示品位(コントラストなど)が低下する。また、スペーサを形成した基板上に配向膜を形成し、この配向膜にラビング処理を施す場合には、スペーサのラビング方向下流側にラビング処理が不十分となる領域が形成されやすいので、ラビング処理により付与される初期配向能が当該領域において弱くなり、これによっても表示品位の低下が生じる。
特に、カラーフィルタを有する液晶表示装置のように、異なる色相を呈する複数種類の画素が配列されている場合には、上記のスペーサによる表示への影響が画素の色相別に異なることにより、カラー表示の色合い(明度)が設計時において想定したものと異なったり、製品毎に表示色がばらついたりするという問題点がある。また、液晶表示装置の高精細化に伴って個々の画素面積も小さくなるため、画素数に対するスペーサの数密度も低下しつつあり、全画素に対応させてスペーサを形成するといったこともなくなりつつあるため、スペーサの位置による表示色のずれやばらつきも大きくなっている。
上記のスペーサに起因する表示品位の低下は、スペーサの断面積を小さくするなどスペーサの面積密度を低下させることによって或る程度抑制することができる。しかし、スペーサの面積密度を低下させると、スペーサの支持強度が低下することにより、基板間隔のばらつきが大きくなることによる表示品位の劣化が生じやすくなり、また、パネルの剛性が低下して耐圧性能が悪化するという問題点がある。例えば、支持剛性が不足したパネルの温度が低下すると、基板と液晶の収縮率の差によって液晶封入領域内に気泡が発生する場合がある。
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、スペーサに起因する表示色のずれやばらつきを低減することのできる電気光学装置の構成を提供することにある。
上記問題点を解決するために、本発明の電気光学装置は、一対の基板の間に電気光学材料と、前記一対の基板の間隔を規定するスペーサが配置され、前記一対の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に、異なる色相を呈する複数種類の画素が所定の色配列パターンにて繰り返し配列されてなる電気光学装置において、前記所定の色配列パターンにおける所定の配列方向には、前記複数種類の画素のうち少なくとも2種類以上の前記画素が所定の色配列パターン周期で繰り返し配列され、前記スペーサは、前記所定の配列方向に沿って前記色配列パターン周期及び1画素周期のいずれとも異なる形成周期で配列されていることを特徴とする。
また、本発明の別の電気光学装置は、一対の基板の間に電気光学材料が配置され、前記一対の基板の間隔を規定するスペーサが配置され、前記一対の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に、異なる色相を呈する複数種類の画素が所定の色配列パターンにて繰り返し配列されてなる電気光学装置において、前記所定の色配列パターンにおける所定の配列方向には前記複数種類の画素のうち少なくとも2種類以上の前記画素が所定の色配列パターン周期で繰り返し配列され、前記所定の色配列パターンにおける所定の配列方向には、複数の前記スペーサからなり、少なくとも1つの前記スペーサ同士の間隔が、少なくとも1画素の間隔を開けて配置されてなるスペーサパターンが繰り返し配列され、前記スペーサパターンは、前記所定の配列方向に沿って前記色配列パターン周期と異なる形成周期で配列されていることを特徴とする。
上記の各発明によれば、色配列パターンにおける所定の配列方向のスペーサ若しくはスペーサパターンの形成周期が、当該配列方向の色配列パターン周期と異なることにより、色配列パターン内において所定の配列方向のスペーサの形成位置が当該配列方向の色配列パターンに対して少しずつずれることになるため、各色の画素に対するスペーサの影響を均一化することができることから、スペーサに起因する表示色のずれやばらつきを低減することができる。
本発明において、前記形成周期は、前記所定の配列方向に沿った画素周期を最小単位として設定されていることが好ましい。これによれば、所定の配列方向に見たスペーサの形成位置が常に各画素に対して一定の位置に設定できるので、スペーサによる表示品位への影響のばらつきが少なくなり、これによって表示色のずれやばらつきの程度をさらに抑制することができるとともに、スペーサの表示品位への影響そのものを全体として低減することができる。
本発明において、前記スペーサの前記所定の配列方向の形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、前記色配列パターンは、前記所定の配列方向と直交する方向に見て、前記所定の配列方向に伸びる画素ラインに関してMライン周期(Mは任意の数)のパターン配列を有し、前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期はN×M画素周期であることが好ましい。これによれば、所定の配列方向と直交する方向のスペーサの形成周期が、所定の配列方向のスペーサの形成周期Nと、当該直交する方向の色配列パターンのライン周期Mとの積となっていることにより、所定の配列方向と直交する方向に見て、ライン周期に整合した一定態様でスペーサを配列することができる。
ここで、一般にNは高精細になるほど数が多くなる。また、Nは所定の配列方向に順次に繰り返し配列された画素の色種類の数の倍数を除く数である。さらに、Mは色配列パターンによって異なる任意の数であるが、通常、1、2、3のいずれかの数である。また、N×M画素周期内の複数の画素ライン間では、スペーサの形成位置が所定の配列方向と直交する方向から所定の配列方向にN画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。このずれ量は、色配列パターンの各ライン間における色配列パターン周期のずれとは異なることが望ましい。
本発明において、前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるストライプ配列パターンであり、前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは任意の数)であり、前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期はN画素周期であることが好ましい。ストライプ配列パターンにおいては、一般に、所定の配列方向と直交する方向に同種類の画素が配列しているため、当該直交する方向のライン周期Mは1画素周期であり、スペーサの所定の配列方向の形成周期と、所定の配列方向と直交する方向の形成周期のいずれもがN画素周期となるので、色配列パターン全体に亘って特定色に偏ることなく均一にスペーサを分散配置できる。
本発明において、前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるデルタ配列パターンであり、前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期は2×N画素周期であることが好ましい。これによれば、デルタ配列パターンでは、一般に、所定の配列方向に沿って画素が配列されてなる画素ラインと、所定の配列方向と直交する方向に隣接する画素ラインとの間には、1画素より小さい量だけずれた画素配列態様を有し、所定の配列方向及びこれに直交する方向に隣接する3つの画素間が常に異なる色相となっている。そして、画素ラインの色配列パターンは、所定の配列方向と直交する方向のライン周期Mが2画素周期であり、スペーサの所定の配列方向と直交する方向の形成周期を2×N画素周期とすることにより、色配列パターン全体に亘って特定色に偏ることなく均一にスペーサを分散配置できる。
本発明において、前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿ってL種類(Lは任意の数)の前記画素が順次に繰り返し配列され、前記所定の配列方向と直交する方向に沿って前記L種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるダイアゴナル配列パターンであり、前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期はL×N画素周期であることが好ましい。これによれば、ダイアゴナル配列パターン(斜めモザイク配列パターン)では、画素ラインの色配列パターンは、所定の配列方向と直交する方向のライン周期がLであり、スペーサの所定の配列方向と直交する方向の形成周期をL×N画素周期とすることにより、色配列パターン全体に亘って特定色に偏ることなく均一にスペーサを分散配置できる。
本発明において、前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるペンタイル配列パターンであり、前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、前記スペーサの前記所定の配列方向と交差する方向の形成周期は2×N画素周期であることが好ましい。これによれば、ペンタイル配列パターンでは、画素ラインの色配列パターンは、所定の配列方向と直交する方向のライン周期Mが2画素周期であり、スペーサの所定の配列方向と直交する方向の形成周期を2×N画素周期とすることにより、色配列パターン全体に亘って特定色に偏ることなく均一にスペーサを分散配置できる。
本発明において、前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるペンタゴナル配列パターンであり、前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、前記スペーサの前記所定の配列方向と交差する方向の形成周期は2×N画素周期であることが好ましい。これによれば、ペンタゴナル配列パターンでは、画素ラインの色配列パターンは、所定の配列方向と直交する方向のライン周期Mが2画素周期であり、スペーサの所定の配列方向と直交する方向の形成周期を2×N画素周期とすることにより、色配列パターン全体に亘って特定色に偏ることなく均一にスペーサを分散配置できる。
本発明において、前記スペーサは前記画素間の遮光領域に少なくとも一部が重なる位置に形成されていることが好ましい。本発明のスペーサは、上記条件さえ満たしていれば、画素内や画素間のいずれの領域の任意の場所に形成することができる。しかし、スペーサの少なくとも一部が画素間の遮光領域に形成されていることにより、スペーサによる表示への影響を低減することができる。ここで、スペーサの全てが遮光領域内に配置されていることがより望ましい。
本発明において、前記画素毎にスイッチング機能を有する能動素子を有し、前記スペーサは前記能動素子の形成領域に少なくとも一部が重なる位置に配置されていることが好ましい。本発明のスペーサは、上記条件さえ満たしていれば、画素内や画素間のいずれの領域の任意の場所に形成することができる。しかし、スペーサの少なくとも一部が能動素子の形成領域に重なる位置に形成されていることにより、スペーサによる表示への影響を低減することができる。能動素子の形成領域は比較的広い面積を有する場合が多いので、スペーサの形成位置としては最も望ましい。ここで、スペーサの全てが能動素子の形成領域内に配置されていることがより望ましい。
次に、本発明の電子機器は、上記のいずれかに記載の電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする。この電子機器において、電気光学装置は、例えば電子機器に関する種々の表示を行う際に用いられる。これによれば、配線間の電気的短絡及び配線の腐食を防止することができるので、電子機器の電気的信頼性を高めることができる。このような電子機器としては、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、デジタルスチルカメラ、腕時計型情報機器、PDA(Personal Digital Assistant)、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワークステーション、テレビ電話、POS端末器等が考えられる。
なお、上記のスペーサは、前記一対の基板の間隔を規制するためのものであり、例えば、感光性樹脂を塗布して露光・現像を行うフォトリソグラフィ法など、絶縁材料の配置段階とパターニング段階とを有する工程によって形成することができる。一般に、スペーサは一対の基板の間隔を規制するためのものであるため、充分な高さ(例えば1〜10μm程度)を有する。また、上述のN,M,Lは、画素領域を基準とする既定の位置にスペーサを配置する上で自然数であることが好ましいが、自然数以外の任意の数であっても構わない。
次に、添付図面を参照して本発明に係る電気光学装置、電子機器及び電気光学装置の製造方法の実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
<全体構成> 図1は本発明に係る第1実施形態の液晶表示装置100のパネル構造を模式的に示す概略平面図である。図2は図1に示す領域IIの電極構造を示す拡大平面図、図3は図1に示す領域IIのカラーフィルタ構造を示す拡大平面図、図4は各画素の能動素子の構造を示す拡大斜視図、図5は、図1に示すV−V線に沿って切断した断面の一部を拡大して模式的に示す概略拡大断面図である。なお、本明細書に添付された図面において、作図の都合上、各構造部の大きさ、配線幅、厚さなどはあくまでも模式的に描いてあり、実際の寸法を反映していたり、実際の寸法比を示したりするものではない。
この液晶表示装置100は、図1に示すように、素子基板120と、対向基板140とをシール材162を介して貼り合わせることによって形成され、その内側に液晶167(図5参照)を封入したものである。また、素子基板120は対向基板140の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部120aを有し、この基板張出部120a上に半導体チップ172、174、176が実装されている。これら半導体チップ172、174、176は基板張出部120aの端部に形成された入力端子129に導電接続されている。また、素子基板120と対向基板140のそれぞれの外面上には、図5に示すように、偏光板131、133及び1/4波長板132、134がそれぞれ貼着されている。
図1及び図2に示すように、素子基板120の内面(対向基板140に対向する側の面)には複数の配線122が形成されている。そして、この配線122に沿って配列される画素毎に、配線122に導電接続されるTFD素子123及びこのTFD素子123に導電接続される画素電極124が設けられている。複数の配線122は画素が配列されてなる駆動領域A内を相互に平行に伸び、駆動領域Aからその周囲に設けられた周辺領域Bに引き出され、さらにシール材162の配置領域を越えてその外側に伸びている。これらの配線122は、基板張出部120a上において半導体チップ172の図示しない端子にそれぞれ導電接続されている。
一方、対向基板140の内面(素子基板120に対向する面)には、上記駆動領域A内において上記配線122と交差する方向に伸びる複数の電極144が形成されている。この電極144は駆動領域Aからその両側の周辺領域Bに延在して配線144aとなり、この配線144aはシール材162の配置領域まで伸びている。
シール材162は図示しない多数の導電性粒子を混入してなる導電異方性シール材である。この導電性粒子は、シール材162を介して素子基板120と対向基板140とを貼り合わせたとき、シール材の厚さ方向には導電性を有するが、平面方向には導電性を有しないものとなっている。また、この導電性粒子は、シール材162の内部において基板間隔を規制するスペーサとしての機能をも有している。
上記の複数の配線144aはシール材162を介して素子基板120上に設けられた複数の配線124aのそれぞれに導電接続されている。すなわち、この実施形態では、シール材162のうち配線144aが伸びる先にある両側の部分(直線状部分)が、対向基板140上の配線144aを素子基板120上の配線124aに導電接続させる上下導通部となっている。素子基板120上の複数の配線124aは、シール材162の配置領域を通過して基板張出部120aに引き出され、上記半導体チップ174,176の各端子にそれぞれ導電接続されている。
図4に示すように、TFD素子123は第1TFD要素123aと第2TFD要素123bとを直列に接続することによって形成されている。このTFD素子123は、例えば、次のように形成される。まず、基板120上にはTa等で構成された密着性改善及び汚染防止用の下地層120aが形成される。次に、この下地層120aの上に、スパッタリング法やフォトリソグラフィ技術等を用いて、金属Ta(タルタル)等によって構成される配線122の第1金属層122A及びTFD素子123の第1金属層123Aを形成する。次に、これら第1金属層122A、123Aの表面を陽極酸化処理等よって酸化して、Ta等で構成される配線122の絶縁膜123B及びTFD素子123の絶縁膜123Bを形成する。次に、これら絶縁膜122B及び123B上にCr(クロム)等を積層することによって配線122の第2金属層122C及びTFD素子123の第2金属層123C、123Dを形成する。
ここで、第1金属層122A、絶縁膜122B及び第2金属層122Cによって配線122が構成される。また、第1金属層123A、絶縁膜123B及び第2金属層123Cによって第1TFD要素213aが構成され、第1金属層123A、絶縁膜123B及び第2金属層123Dによって第2TFD要素123bが構成される。そして、第1TFD要素123aの第2金属層123Cは配線122の第2金属層122Cから延びている。また、第2TFD要素123bの第2金属層123Dはその先端が画素電極124に重なるように形成され、導電接続されている。なお、画素電極124は、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体で構成されている。
上記TFD素子123により配線122から画素電極124に流れる電流は、第1TFD要素123aでは、第2金属層123C、絶縁膜123B、第1金属層123Aの順に進み、第2TFD要素123bでは、第1金属層123A、絶縁膜123B、第2金属層123Dの順に進む。つまり、TFD素子123においては、電気的に逆向きの一対のTFD要素が互いに直列に接続されている。このような構造は、一般に、バック・ツー・バック(Back-to-Back)構造と呼ばれており、この構造のTFD素子は、TFD素子を1個のTFD要素だけによって構成する場合に比べて安定した特性を得られることが知られている。
上記配線層122、TFD素子123及び画素電極124の上には、図5に示すように、絶縁材料で構成されたスペーサ(柱状スペーサ或いは支持突起)125が形成され、さらにその上に配向膜127が形成されている。スペーサ125は、素子基板120と対向基板140の間の基板間隔、いわゆるセルギャップをシール材162の内側の駆動領域Aにおいてほぼ一定になるように規制するためのものである。スペーサ125は、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ技術によって形成される。スペーサ125の形状は、円錐台、角錐台、円柱、その他の任意の形状とすることができる。なお、スペーサ125は、上記の画素電極124と対向電極144との重なり領域である画素領域内ではなく、画素間領域に配置されていることが好ましい。これにより、スペーサ125による液晶分子の配向の乱れが表示に影響する程度を小さくすることができる。なお、本実施形態において、スペーサ125は素子基板120にのみ形成されているが、対向基板140上にのみ形成してもよく、或いは、両基板120,140の双方に形成しても構わない。
一方、対向基板140上には、図5に示すように、その素子基板120に対向する側に、反射層141、カラーフィルタ142、保護層143、透明電極144及び配向膜147が順次積層されている。このように、本実施形態では、対向基板140がカラーフィルタ142を備えたカラーフィルタ基板となっている。ただし、カラーフィルタは素子基板120上に形成しても構わない。
上記の反射層141はAl、Ag、Crあるいはこれらの合金などから構成されている。ただし、液晶表示装置100を透過型パネル構造とする場合には反射層は不要である。また、上記画素領域毎に反射層141に図示しない開口部を設けることにより、半透過反射型の液晶表示パネルを構成することができる。いずれにしても、本発明の電気光学装置は反射型、透過型、半透過反射型のいずれかに限定されるものではない。本実施形態では、反射層141の基板側に樹脂層140Aが形成され、この樹脂層140Aの表面が図示しない微細な凹凸形状となるように構成され、反射層141は下地面となる上記樹脂層140Aの微細な凹凸表面を反映して光散乱性の反射面を有するように構成されることが好ましい。これによって、パネル内に入射した外光が散乱されるので、光源による幻惑や背景の写りこみを防止することができるとともに、反射型表示の明るさを増大させることができる。
本実施形態において、カラーフィルタ142は、図3に示すように、所定の配列方向(図示左右方向)に複数種類の着色層142(B),142(G),142(R)が順次に繰り返し配列され、所定の配列方向と直交する方向(図示上下方向)に同じ色相の着色層が配列されてなるストライプ配列の色配列パターンを備えている。なお、図中において着色層142(B)が配置されてなる画素Pを単に「B」で示し、着色層142(G)が配置されてなる画素Pを単に「G」で示し、着色層142(R)が配置されてなる画素Pを「R」で示し、以下、上記のそれぞれの画素Pを、画素B,画素G、画素Rということとする。
カラーフィルタ142は、赤(R)、緑(G)、青(B)などの着色層142(R)、142(G)、142(B)をストライプ配列以外の、デルタ配列、斜めモザイク配列などの適宜の色配列パターンにて形成してもよい。カラーフィルタ142はフォトリソグラフィ技術によって各色事に繰り返しパターニングすることによって構成されている。なお、図5においては、青(B)の着色層142(B)が各画素Pに形成されている断面部分のみが図示されているが、実際には、図5の紙面と直交する方向には、赤(R)の着色層124(R)の形成されている画素や緑(G)の着色層124(G)の形成されている画素Pが配列されている。
また、各画素Pの間には複数の着色層を積層してなる遮光領域Kが設けられている。この遮光領域Kは、Crなどの金属層やブラックマトリクスなどの樹脂層によって構成されていてもよい。保護層143はカラーフィルタ142の表面を平坦化するとともに、不純物などから着色層を保護するためのものであり、例えば、透明なアクリル樹脂などで構成できる。
電極144は帯状に形成され、対向基板140に亘って多数の透明電極144がストライプ状に配列されている。電極144はITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体によって構成されている。また、この電極144には、同じ透明導電体で構成された上記の配線144aが接続されている。
以上説明した構造を有する液晶表示装置100では、外部から供給される制御信号が入力端子129に与えられると、これに対応して半導体チップ172、174、176から駆動信号が配線122、124aに出力される。配線122に出力される駆動信号はTFD素子123に印加されて画素電極124に所定の電位を与える。また、配線124aに出力される駆動信号はシール材162に混入された導電性粒子162を介して配線144aに送られ、電極144に印加される。そして、画素電極124と電極144との間に印加される電圧に応じて画素領域毎に液晶分子が所定状態に配向制御され、所定の光変調状態を実現するようになっている。
上記実施形態において、スペーサ125は画素間領域でもある遮光領域Kにスペーサ125が配置されていることが、スペーサ125による液晶分子の配向不良に起因する光漏れを防止する上で好ましい。スペーサ125は、その少なくとも一部が上記画素間領域或いは遮光領域Kに重なるように配置されていればよいが、スペーサ125が全て上記画素間領域或いは遮光領域K内に配置されるように構成されることがより望ましい。
また、画素間領域のうち上記TFD123の形成領域にスペーサ125が配置されていることが、スペーサ125の配置面積を充分に確保できる点で好ましい。スペーサ125は、その少なくとも一部が上記TFD123の形成領域に重なるように配置されていればよいが、スペーサ125が全て上記形成領域内に配置されるように構成されることがより望ましい。また、遮光領域Kが能動素子の形成領域を含み、かつ、スペーサが当該形成領域に配置されていることが最も好ましい。
なお、以下の説明においては、スペーサ125が画素間領域、遮光領域K、或いは、TFD123などの能動素子の形成領域に配置されていることを前提として説明するが、スペーサ125の形成位置の説明の都合上、以下においては、スペーサ125がいずれかの最近接画素に対応した位置に形成されているものとして説明を行う。もっとも、本発明においては、スペーサ125は上述のように画素の外側に配置されていてもよく、或いは、画素内に配置されていても構わない。
<色配列パターンとスペーサの形成位置> 図5には、スペーサ125が各画素Pに一つずつ対応して形成されているように示してあるが、本実施形態においては、所定のルールのもとで画素Pの数よりも少ない数のスペーサ125が分散配置されている。通常、全ての画素Pに対応して配置されたスペーサ125を有する場合には、各画素Pに対して定まった位置にスペーサ125を配置すればよいので、画素の色R,G,Bについてスペーサ125による表示への影響のばらつきは発生しにくいが、特に、高精細な表示を実現可能に構成すると、スペーサ125の数密度が画素の数密度に較べて小さくて足りることになることから、スペーサ125の配置によって表示色のずれやばらつきが発生する恐れが高くなる。
図6は、本実施形態のスペーサ125の形成パターンを模式的に示す概略平面図である。色配列パターンは上記の通りストライプ配列であり、配列方向Xに沿って複数種類の画素B,G,Rが順次に繰り返し配列されている。また、上記配列方向Xと直交する配列方向Yには、同種類の画素が配列されている。ここで、配列方向Xに沿って複数の画素B,G,Rが配列されてなる画素ラインを、配列方向Yに沿って順次にL1、L2,L3,・・・とすれば、各画素ラインL1,L2,L3は配列方向Yに同種類の画素が配列されているため、全て同一の色配列パターンとなっている。したがって、このストライプ配列の場合、色配列パターンにおける配列方向Yに見た画素ラインのライン周期は1画素周期(M=1)である。
本実施形態では、スペーサ125は、各画素ラインL1,L2,L3,・・・において、配列方向Xに見て、配列方向Xに沿った各画素ラインの色配列パターン周期と異なる形成周期となるように配置されている。具体的には、配列方向Xの各画素ラインの色配列パターン周期は3画素周期であり、配列方向Xのスペーサ125の形成周期は2画素周期(N=2)である。したがって、スペーサ125は、各画素ラインにおいて複数種類の画素B,G,Rに対応する位置にそれぞれ分散して配置されるので、複数種類の画素B,G,Rの表示品位への影響が偏ることがなくなり、表示色のずれやばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は、上記配列方向Xに沿った形成周期Nと同様の2画素周期(M×N=2)となっており、これによって、配列方向XとYのいずれにもほぼ均等にスペーサ125が分散した状態が得られている。特に、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期である2画素周期に含まれる隣接する画素ライン間に設けられたスペーサ125の位置は、配列方向Xに1画素分ずれた位置に設定されている。これによって、スペーサ125の配置の分散状態の均一性を維持したまま、その数密度を増大させることができる。
ここで、2(N×M)画素周期内の複数の画素ライン間では、スペーサの形成位置が配列方向Xに2(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。なお、図示例では、各画素ラインL1,L2,L3,・・・にそれぞれスペーサ125が形成されているが、2ライン周期で1つの画素ラインにのみ、すなわち1つおきの画素ラインにのみスペーサ125を形成してもよい。
[第2実施形態]
次に、図7を参照して、本発明に係る第2実施形態の電気光学装置について説明する。図7は第2実施形態に係る液晶表示装置の色配列パターン突起の形成位置を模式的に示す平面図である。本実施形態の図7に示す事項以外の他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
この実施形態において、色配列パターンは第1実施形態と同様のストライプ配列であり、その配列方向Yに沿ったライン周期は1画素周期(M=1)であるが、スペーサ125の配列方向Xに沿った形成周期は4画素周期(N=4)である点で、第1実施形態とは異なる。この実施形態でも、上記形成周期は4画素周期(N=4)であるから、配列方向Xに沿った色配列パターン周期の3画素周期とは異なるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、スペーサ125の配列方向Yに沿った形成周期は、上記の配列方向Xに沿った形成周期と同様に4画素周期(M×N=4)となっているので、配列方向Xと配列方向Yのいずれにもほぼ均等な間隔でスペーサ125が配列されていることになる。本実施形態でも、配列方向Yに沿った4画素周期に含まれる隣接する4つの画素ライン間では、スペーサ125の形成位置は1画素分ずつ配列方向Xにずれている。ただし、この実施形態でも、ずれ量に関しては上記第1実施形態と同様である。また、本実施形態では、隣接する4つの画素ラインの全てにおいてスペーサ125が形成されているが、この実施形態でも、4つの画素ラインのうち少なくとも一つの画素ラインにスペーサが形成されていればよい。
[第3実施形態]
次に、図8を参照して、本発明に係る第3実施形態の電気光学装置について説明する。図8は第3実施形態に係る液晶表示装置の色配列パターン突起の形成位置を模式的に示す平面図である。本実施形態の図8に示す事項以外の他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
この実施形態では、色配列パターンはストライプ配列であり、配列方向Yに沿ったライン周期は1画素周期(M=1)であって上記各実施形態と同様であるが、スペーサ125の配列方向Xに沿った形成周期は5画素周期(N=5)である点で異なり、また、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は5画素周期(M×N=5)である。
本実施形態において、配列方向Yに隣接する画素ライン間のスペーサ125の位置は2画素分だけ配列方向Xにずれている。この点では上記各実施形態の1画素分のずれ量とは異なる。このように、配列方向Yに隣接する画素ライン間におけるスペーサ125の形成位置のずれ量は任意である。ただし、配列方向Yに隣接する画素ライン間におけるスペーサ125の形成位置のずれ量が配列方向Xに沿ったスペーサ125の形成周期(本実施形態では5画素周期)と異なることが、スペーサ125をより均等に分散配置させる上で好ましい。
[第4実施形態]
図9は、本発明に係る第4実施形態におけるスペーサ125の形成パターンを模式的に示す概略平面図である。この実施形態の色配列パターンはデルタ配列である。このデルタ配列においては、配列方向Xに複数種類の画素B,R,Gが順次に繰り返し配列され、配列方向Yに隣接する画素ライン間において画素位置が1画素未満の所定量(図示例では1/2画素分)だけ配列方向Xにずれている。そして、配列方向X及びYに隣接する3つの画素が必ず相互に異なる色相を呈するパターンとなっている。このデルタ配列の色配列パターンにおいては、配列方向Yに配列される画素ラインL1,L2,L3,・・・において、ライン周期が2画素周期(M=2)となっている。また、この色配列パターンでは、配列方向Xに沿った画素位置についても2ライン周期で(すなわち1画素ライン毎に交互に)ずれている。
本実施形態では、スペーサ125は、各画素ラインL1,L2,L3,・・・において、配列方向Xに見て、配列方向Xに沿った各画素ラインの色配列パターン周期と異なる形成周期となるように配置されている。具体的には、配列方向Xの各画素ラインの色配列パターン周期は3画素周期であり、配列方向Xのスペーサの形成周期は2画素周期(N=2)である。したがって、スペーサ125は、各画素ラインにおいて複数種類の画素B,G,Rに対応する位置に分散して配置されるので、複数種類の画素B,G,Rの表示品位への影響が偏ることがなくなり、表示色のずれやばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は、上記配列方向Xに沿った形成周期Nの2倍の4画素周期(M×N=4)となっており、これによって、配列方向XとYのいずれにもスペーサ125が分散した状態が得られている。特に、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期である4画素周期内に含まれる4画素ラインのうちライン周期毎に2つの画素ライン(すなわち1つおきの画素ライン)に対応させてスペーサ125が配置され、ライン周期毎のスペーサの形成位置は、配列方向Xに1画素分ずれた位置に設定されている。これによって、スペーサ125の配置の分散状態の均一性を高めることができ、しかも、その数密度を増大させることができる。ここで、4(N×M)画素周期内の複数の画素ライン間では、スペーサの形成位置が配列方向Xに2(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。なお、図示例では、一つおきの画素ラインL1,L3,L5,・・・にそれぞれスペーサ125が形成されているが、L2,L4,L6,・・・にそれぞれスペーサ125を形成してもよく、また、4画素ライン周期で例えばL1,L5,L9,・・・にのみスペーサを設けても構わない。隣接する4画素ラインのうち少なくとも一つの画素ラインにスペーサが形成されていればよい。
[第5実施形態]
次に、図10を参照して、本発明に係る第5実施形態の電気光学装置について説明する。図10は第5実施形態に係る液晶表示装置の色配列パターン突起の形成位置を模式的に示す平面図である。本実施形態の図10に示す事項以外の他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
この実施形態において、色配列パターンは第4実施形態と同様のデルタ配列であり、配列方向Yに沿ったライン周期は2画素周期(M=2)であるが、スペーサ125の配列方向Xに沿った形成周期は4画素周期(N=4)である点で、第4実施形態とは異なる。この実施形態でも、上記形成周期は4画素周期(N=4)であるから、配列方向Xに沿った色配列パターン周期の3画素周期とは異なるため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、スペーサ125の配列方向Yに沿った形成周期は、上記の配列方向Xに沿った形成周期の2倍の8画素周期(M×N=8)となっているので、配列方向XとYのいずれにも均等間隔でスペーサ125が配列されていることになる。本実施形態でも、配列方向Yに沿った8画素周期に含まれる隣接する8つの画素ラインのうちの一つおきの画素ラインにのみスペーサが形成され、これらの4つの画素ライン間では、スペーサ125の形成位置は1画素分ずつ配列方向Xにずれている。ただし、この実施形態でも、上記と同様に、8つの画素ライン全てにスペーサが形成されてもよく、また、4以外の任意の数の画素ラインにスペーサが形成されていてもよいなど、8つの隣接する画素ラインのうち少なくとも一つにスペーサが形成されていればよい。さらに、配列方向Yに隣接するスペーサの配列方向Xへの位置ずれ量は、上記1画素分に限らず、上記と同様に任意に設定することができる。
[第6実施形態]
次に、図11を参照して、本発明に係る第6実施形態の電気光学装置について説明する。図11は第6実施形態に係る液晶表示装置の色配列パターン突起の形成位置を模式的に示す平面図である。本実施形態の図11に示す事項以外の他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
この実施形態では、色配列パターンは第4及び第5実施形態と同様のデルタ配列であり、配列方向Yに沿ったライン周期は2画素周期(M=2)であって上記と同様であるが、スペーサ125の配列方向Xに沿った形成周期は5画素周期(N=5)である点で異なり、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は10画素周期(M×N=10)である。また、スペーサ125が配列方向Yに沿って1画素ラインおきに形成されている点でも上記と同様である。このスペーサ125が形成周期に含まれる10画素ラインのうち、いずれの画素ラインにスペーサを形成するかは上記と同様に任意である。さらに、配列方向Yに1つの画素ラインを挟んで隣接する画素ライン間のスペーサ125の位置が1画素分だけ配列方向Xにずれている点でも、上記実施形態のずれ量と同様である。このずれ量についても、上記と同様に任意に設定することができる。
[第7実施形態]
図12は、本発明に係る第7実施形態におけるスペーサ125の形成パターンを模式的に示す概略平面図である。この実施形態の色配列パターンはダイアゴナル(斜めモザイク)配列である。このダイアゴナル配列においては、配列方向Xに複数種類の画素B,R,Gが順次に繰り返し配列されるとともに、配列方向Yにも複数種類の画素B,G,Rが順次に繰り返し配列され、配列方向X及びYに隣接する画素間では必ず色相が異なるように構成される。このダイアゴナル配列の色配列パターンにおいては、配列方向Yに配列される画素ラインL1,L2,L3,・・・において、ライン周期が3画素周期(M=3)となっている。
本実施形態では、スペーサ125は、各画素ラインL1,L2,L3,・・・において、配列方向Xに見て、配列方向Xに沿った各画素ラインの色配列パターン周期と異なる形成周期となるように配置されている。具体的には、配列方向Xの各画素ラインの色配列パターン周期は3画素周期であり、配列方向Xのスペーサの形成周期は2画素周期(N=2)である。したがって、スペーサ125は、各画素ラインにおいて複数種類の画素B,G,Rに対応する位置に分散して配置されるので、複数種類の画素B,G,Rの表示品位への影響が偏ることがなくなり、表示色のずれやばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は、上記配列方向Xに沿った形成周期Nの3倍の6画素周期(M×N=6)となっており、これによって、配列方向XとYのいずれにもスペーサ125が分散した状態が得られている。特に、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期である6画素周期内に含まれる全ての6つの画素ラインにそれぞれスペーサ125が形成され、隣接する画素ライン間でスペーサ125の形成位置が配列方向Xにずれている。このずれ量は1画素分である。これによって、スペーサ125の配置の分散状態の均一性を高めることができ、しかも、その数密度を増大させることができる。ここで、6(N×M)画素周期内の複数の画素ライン間では、スペーサの形成位置が配列方向Xに2(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。なお、図示例では、全ての画素ラインL1,L2,L3,・・・にそれぞれスペーサ125が形成されているが、一つおきの画素ラインL1,L3,L5,・・・にそれぞれスペーサ125を形成してもよいなど、いずれにしても配列方向Yに沿ったスペーサの形成周期に含まれる6つの画素ラインのうち少なくとも一つの画素ラインにスペーサが設けられていればよい。
[第8実施形態]
次に、図13を参照して、本発明に係る第8実施形態の電気光学装置について説明する。図13は第8実施形態に係る液晶表示装置の色配列パターン突起の形成位置を模式的に示す平面図である。本実施形態の図13に示す事項以外の他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
この実施形態において、色配列パターンは第7実施形態と同様のダイアゴナル配列であり、配列方向Yに沿ったライン周期は3画素周期(M=3)であるが、スペーサ125の配列方向Xに沿った形成周期Nは4である点で、第4実施形態とは異なる。この実施形態でも、上記形成周期は4画素周期(N=4)であるから、配列方向Xに沿った色配列パターン周期の3画素周期とは異なるため、上記第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、スペーサ125の配列方向Yに沿った形成周期は、上記の配列方向Xに沿った形成周期の3倍の12画素周期(M×N=12)となっていて、配列方向XとYのいずれにもスペーサ125が分散配列されている。本実施形態でも、配列方向Yに沿った12画素周期に含まれる隣接する12つの画素ラインのうち3画素ライン周期で2つおきの画素ラインにのみスペーサが形成され、これらの4つの画素ライン間では、スペーサ125の形成位置は1画素分ずつ配列方向Xにずれている。ここで、隣接する12の画素ライン間では、スペーサの形成位置が配列方向Xに4(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。このずれ量は任意である。なお、この実施形態でも、上記と同様に、12つの画素ライン全てにスペーサが形成されてもよく、また、4以外の任意の数の画素ラインにスペーサが形成されていてもよいなど、少なくとも一つの画素ラインにスペーサが形成されていればよい。
[第9実施形態]
次に、図14を参照して、本発明に係る第9実施形態の電気光学装置について説明する。図14は第9実施形態に係る液晶表示装置の色配列パターン突起の形成位置を模式的に示す平面図である。本実施形態の図14に示す事項以外の他の構成は上記第1実施形態と同様であるので、それらの説明は省略する。
この実施形態では、色配列パターンは第7及び第8実施形態と同様のダイアゴナル配列であり、配列方向Yに沿ったライン周期は3画素周期(M=3)であって上記と同様であるが、スペーサ125の配列方向Xに沿った形成周期は5画素周期(N=5)である点で異なり、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は15画素周期(M×N=15)である。また、スペーサ125が配列方向Yに沿って3画素ライン周期で(2画素ラインおきに)形成されている点でも上記と同様である。このスペーサ125が形成周期に含まれる15画素ラインのうち、いずれの画素ラインにスペーサを形成するかは上記と同様に任意である。さらに、配列方向Yに2つの画素ラインを挟んで隣接する画素ライン間のスペーサ125の位置が1画素分だけ配列方向Xにずれている点でも、上記実施形態のずれ量と同様である。このずれ量についても、上記と同様に任意に設定することができる。ただし、隣接する15の画素ライン間では、スペーサの形成位置が配列方向Xに5(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。
[第10実施形態]
図15は、本発明に係る第10実施形態におけるスペーサ125の形成パターンを模式的に示す概略平面図である。この実施形態の色配列パターンはペンタイル配列である。このペンタイル配列においては、配列方向Xに3種類の画素B,R,Gが順次に繰り返し配列されるとともに、これらの3つの画素のうち2つの画素の属する配列方向Yに沿った列では2種類G,Rが順次に繰り返し配列され、残りの一つの画素の属する配列方向Yに沿った列では同色の画素Bが配列されている。このペンタイル配列の色配列パターンにおいては、配列方向Yに配列される画素ラインL1,L2,L3,・・・のライン周期が2画素周期(M=2)となっている。
本実施形態では、スペーサ125は、各画素ラインL1,L2,L3,・・・において、配列方向Xに見て、配列方向Xに沿った各画素ラインの色配列パターン周期と異なる形成周期となるように配置されている。具体的には、配列方向Xの各画素ラインの色配列パターン周期は3画素周期であり、配列方向Xのスペーサの形成周期は4画素周期(N=4)である。したがって、スペーサ125は、各画素ラインにおいて複数種類の画素B,G,Rに対応する位置に分散して配置されるので、複数種類の画素B,G,Rの表示品位への影響が偏ることがなくなり、表示色のずれやばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は、上記配列方向Xに沿った形成周期Nの2倍の8画素周期(M×N=8)となっており、これによって、配列方向XとYのいずれにもスペーサ125が分散した状態が得られている。特に、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期である8画素周期内に含まれる8つの画素ラインのうちライン周期に合わせて4つの画素ラインにそれぞれスペーサ125が形成され、一つの画素ラインを挟んで隣接する画素ライン間でスペーサ125の形成位置が配列方向Xにずれている。このずれ量は1画素分である。これによって、スペーサ125の配置の分散状態の均一性を高めることができ、しかも、その数密度を増大させることができる。ここで、8(N×M)画素周期内の複数の画素ライン間では、スペーサの形成位置が所定の配列方向と直交する方向から所定の配列方向に4(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。なお、図示例では、一つおきの画素ラインL1,L3,L5,・・・にそれぞれスペーサ125が形成されているが、全ての画素ラインL1,L2,L3,・・・にそれぞれスペーサ125を形成してもよいなど、配列方向Yに沿ったスペーサの形成周期に含まれる8つの画素ラインのうちの少なくとも一つの画素ラインにスペーサが設けられていればよい。
[第11実施形態]
図16は、本発明に係る第11実施形態におけるスペーサ125の形成パターンを模式的に示す概略平面図である。この実施形態の色配列パターンはペンタゴナル配列である。このペンタゴナル配列においては、配列方向Xに3種類の画素B,R,Gが順次に繰り返し配列されるとともに、配列方向Yに隣接する画素ライン間において色配列パターンが配列方向Xに1画素分ずれ、このずれの向きが配列方向Yに沿って交互に逆向きとなるように構成されている。このペンタゴナル配列の色配列パターンにおいては、配列方向Yに配列される画素ラインL1,L2,L3,・・・において、そのライン周期が2画素周期(M=2)となっている。
本実施形態では、スペーサ125は、各画素ラインL1,L2,L3,・・・において、配列方向Xに見て、配列方向Xに沿った各画素ラインの色配列パターン周期と異なる形成周期となるように配置されている。具体的には、配列方向Xの各画素ラインの色配列パターン周期は3画素周期であり、配列方向Xのスペーサの形成周期は5画素周期(N=5)である。したがって、スペーサ125は、各画素ラインにおいて複数種類の画素B,G,Rに対応する位置に分散して配置されるので、複数種類の画素B,G,Rの表示品位への影響が偏ることがなくなり、表示色のずれやばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は、上記配列方向Xに沿った形成周期Nの2倍の10画素周期(M×N=10)となっており、これによって、配列方向XとYのいずれにもスペーサ125が分散した状態が得られている。特に、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期である10画素周期内に含まれる10の画素ラインのうちライン周期に合わせて5つの画素ラインにそれぞれスペーサ125が形成され、一つの画素ラインを挟んで隣接する画素ライン間でスペーサ125の形成位置が配列方向Xにずれている。このずれ量は1画素分である。これによって、スペーサ125の配置の分散状態の均一性を高めることができ、しかも、その数密度を増大させることができる。ここで、10(N×M)画素周期内の複数の画素ライン間では、スペーサの形成位置が所定の配列方向と直交する方向から所定の配列方向に5(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。なお、図示例では、一つおきの画素ラインL1,L3,L5,・・・にそれぞれスペーサ125が形成されているが、全ての画素ラインL1,L2,L3,・・・にそれぞれスペーサ125を形成してもよいなど、配列方向Yに沿ったスペーサの形成周期に含まれる10の画素ラインのうちの少なくとも一つの画素ラインにスペーサが設けられていればよい。
[第12実施形態]
図17は、本発明に係る第12実施形態におけるスペーサ125の形成パターンを模式的に示す概略平面図である。この実施形態の色配列パターンは4種類の画素G,B,R,E(エメラルド)を含むストライプ配列である。このストライプ配列においては、配列方向Xに4種類の画素G,B,R,Eが順次に繰り返し配列されるとともに、配列方向Yに同色の画素が配列されている。このストライプ配列の色配列パターンにおいては、配列方向Yに配列される画素ラインL1,L2,L3,・・・において、ライン周期が1画素周期(M=1)となっている。
本実施形態では、スペーサ125は、各画素ラインL1,L2,L3,・・・において、配列方向Xに見て、配列方向Xに沿った各画素ラインの色配列パターン周期と異なる形成周期となるように配置されている。具体的には、配列方向Xの各画素ラインの色配列パターン周期は4画素周期であり、配列方向Xのスペーサの形成周期は5画素周期(N=5)である。したがって、スペーサ125は、各画素ラインにおいて複数種類の画素B,G,R,Eに対応する位置に分散して配置されるので、複数種類の画素B,G,R,Eの表示品位への影響が偏ることがなくなり、表示色のずれやばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は、上記配列方向Xに沿った形成周期Nと同じ5画素周期(M×N=5)となっており、これによって、配列方向XとYのいずれにもスペーサ125が分散した状態が得られている。特に、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期である5画素周期内に含まれる5の画素ラインの全てにそれぞれスペーサ125が形成され、隣接する画素ライン間でスペーサ125の形成位置が配列方向Xにずれている。このずれ量は1画素分である。これによって、スペーサ125の配置の分散状態の均一性を高めることができ、しかも、その数密度を増大させることができる。ここで、5(N×M)画素周期内の複数の画素ライン間では、スペーサの形成位置が所定の配列方向と直交する方向から所定の配列方向に5(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。なお、図示例では、全ての画素ラインL1,L2,L3,・・・にそれぞれスペーサ125が形成されているが、配列方向Yに沿ったスペーサの形成周期に含まれる5つの画素ラインのうち少なくとも一つの画素ラインにスペーサが設けられていればよい。
[第13実施形態]
図18は、本発明に係る第13実施形態におけるスペーサ125の形成パターンを模式的に示す概略平面図である。この実施形態の色配列パターンは4種類の画素G,B,R,E(エメラルド)を含むモザイク配列である。このモザイク配列においては、配列方向Xに2種類の画素G,R又はE,Bが順次に繰り返し配列されるとともに、配列方向Yに2種類の画素G,R又はR,Bが順次に繰り返し配列されている。このモザイク配列の色配列パターンにおいては、配列方向Yに配列される画素ラインL1,L2,L3,・・・において、ライン周期が2画素周期(M=2)となっている。
本実施形態では、スペーサ125は、各画素ラインL1,L2,L3,・・・において、配列方向Xに見て、配列方向Xに沿った各画素ラインの色配列パターン周期と異なる形成周期となるように配置されている。具体的には、配列方向Xの各画素ラインの色配列パターン周期は2画素周期であり、配列方向Xのスペーサの形成周期は5画素周期(N=5)である。したがって、スペーサ125は、各画素ラインにおいて複数種類の画素B,G,R,Eに対応する位置に分散して配置されるので、複数種類の画素B,G,R,Eの表示品位への影響が偏ることがなくなり、表示色のずれやばらつきを低減することができる。
また、本実施形態では、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期は、上記配列方向Xに沿った形成周期Nの2倍の10画素周期(M×N=10)となっており、これによって、配列方向XとYのいずれにもスペーサ125が分散した状態が得られている。特に、配列方向Yに沿ったスペーサ125の形成周期である10画素周期内に含まれる10の画素ラインのうち、ライン周期に対応する一つおきの画素ラインにそれぞれスペーサ125が形成され、一つの画素ラインを挟んで隣接する画素ライン間でスペーサ125の形成位置が配列方向Xにずれている。このずれ量は1画素分である。これによって、スペーサ125の配置の分散状態の均一性を高めることができ、しかも、その数密度を増大させることができる。ここで、10の画素ライン間では、スペーサの形成位置が配列方向Xに5(N)画素周期より少ない所定距離だけずれた位置に配置されていることが好ましい。なお、図示例では、一つおきの画素ラインL1,L3,L5,・・・にそれぞれスペーサ125が形成されているが、配列方向Yに沿ったスペーサの形成周期に含まれる10の画素ラインの少なくとも一つの画素ラインにスペーサが設けられていればよい。
なお、以上説明した各実施形態においては、スペーサ125の形成間隔の最小値が1画素であり、上記のN,Mが自然数であることを前提として説明をしている。しかし、本発明においては、スペーサ125の形成周期の最小値が1画素以下であっても構わないし、また、上記のN,Mが自然数以外の数であっても構わない。すなわち、本発明のスペーサの所定方向に見たときの形成周期は、色配列パターンの色配列周期と異なっていればよく、それ以外の制約は基本的には課せられない。ただし、スペーサの形成周期が1画素である場合、すなわち、所定方向に見たときに全ての画素に対応する位置にそれぞれ一つずつスペーサが配置されている場合は含まない。
また、本発明のスペーサの配列態様としては、上記各実施形態のように所定の形成周期毎に一つのスペーサが配列されている態様に限定されるものではなく、複数のスペーサを1組のスペーサパターンとした場合の当該スペーサパターンの形成周期が上記のように色配列パターンの配列周期と異なっていればよいのである。例えば、所定方向に見たときに所定の形成周期毎に二つ以上のスペーサからなるスペーサパターンが繰り返し配置されていてもよい。この場合、1つのスペーサパターン内に配置される二つ以上のスペーサ間の相互配置の態様は任意である。
[電気光学装置の製造方法]
図19は、上記実施形態の電気光学装置(液晶表示装置100)の製造方法を示す工程図である。電気光学装置を製造するにあたっては、図19に示すTFD形成ステップP11からシール材印刷ステップP16までを含む素子基板形成工程と、電極形成ステップP21からラビング処理ステップP23までを含む対向基板形成工程とが別々に行われる。なお、比較的小型の液晶表示装置を形成する場合には、通常、複数の液晶表示装置に対応する部分を含む大版の母基板を用いて上記の素子基板形成工程及び対向基板形成工程をそれぞれ実施し、両母基板を貼り合わせた後に適宜分割して複数の液晶表示装置を構成する。ただし、以下の説明では、説明の便宜上、当初から単一の液晶表示装置に対応する素子基板と対向基板を使用したものと仮定して説明する。
まず、素子基板形成工程では、TFD形成ステップP11において成膜工程、フォトエッチング工程、陽極酸化工程など周知の方法で配線122、124a及びTFD素子123を形成する。その後、画素電極形成ステップP12において、スパッタリング法などを用いてITO(インジウムスズ酸化物)の薄膜を成膜し、パターニングを行うことによって画素電極124を形成する。
次に、スペーサ形成ステップP13において、感光剤を含むアクリル樹脂などの感光性樹脂を塗布し、露光、現像を順次行うことにより、スペーサ125を形成する。その後、配向膜形成ステップP14において配向膜127を形成し、ラビング処理ステップP15において配向膜127に対してラビング処理を施した後、シール材印刷ステップP16においてディスペンサーやスクリーン印刷等により、シール材162の一部に開口部を設けた態様で、駆動領域となる領域を取り巻くようにシール材162を配置する。
一方、対向基板形成工程では、まず、反射層形成ステップS21において、樹脂層140Aをフォトリソグラフィ法などを用いて形成する。樹脂層140Aの微細な表面凹凸状態は、露光パターンによって形成する。樹脂層140Aの表面状態が充分に滑らかな凹凸形状にならず、その上に形成する反射層に好適な光散乱特性を付与することができない場合には、2層以上の樹脂層を積層することによって表面形状を調整することが好ましい。このようにして形成した樹脂層140Aの表面上に、蒸着法やスパッタリング法などを用いてアルミニウム、銀、クロムなどの金属等を材料として成膜を行い、必要に応じてパターニングを行うことにより、上記の反射層141を形成する。このとき、半透過反射型の液晶表示装置を構成する場合には、画素P毎に図示しない開口部を反射層141に形成すればよい。
次に、カラーフィルタ形成ステップS22において、フォトリソグラフィ法などを用いてカラーフィルタ142を形成する。着色層142(R)、142(G)、142(B)は、アクリル樹脂などの透明樹脂基材中に染料や顔料などの着色材を分散させた着色材料をもちいて形成する。好ましくは感光剤を添加した着色材料を塗布し、露光、現像することによってそれぞれの着色層を形成する。この工程は、複数種類の着色層ごとに繰り返し行われる。
次に、電極形成ステップP23において帯状の電極144及び配線144aを形成する。この電極144及び配線144aは、スパッタリング法でITO(インジウムスズ酸化物)の薄膜を成膜し、これをエッチングなどによりパターニングすることにより形成される。次に、配向膜形成ステップP24においてポリイミド樹脂の塗布及び焼成などによって配向膜147を形成する。次に、ラビング処理ステップP25において配向膜147に対してラビング処理を施す。
次に、基板貼合ステップP31において素子基板120と対向基板140とを位置合せした状態でシール材162を介して貼り合せ、シール材硬化ステップP32において素子基板120と対向基板140とを圧着した状態で、シール材162の硬化特性に応じて光照射処理や加熱処理などを施すことによりシール材162を硬化させる。次に、液晶注入ステップP33においてシール材162の開口部から素子基板120、対向基板140及びシール材162に囲まれる空間内に液晶167を注入し、その後、液晶封止ステップP34においてシール材162の開口部に封止材を塗布し、硬化させることにより液晶を封入する。最後に、実装ステップP35において、素子基板120に半導体チップ172、174、176や可撓性基板などを異方性導電材により実装する。これにより、電気光学装置(液晶表示装置100)が完成する。
なお、上記実施形態では、フォトリソグラフィ技術を用いてスペーサを形成しているが、本発明のスペーサの形成方法は上記の方法に限定されるものではない。例えば、スペーサを一つ一つ基板上の既定の位置に配置していく方法でも、上記各実施形態のようなスペーサ配列を実現できる。より具体的なスペーサの形成方法としては、スペーサを所定の溶媒中に均一に分散させたスペーサ分散溶液をインクジェット方式によって基板上に吐出するといった方法が挙げられる。この方法では、スペーサ分散溶液の液滴を基板上の既定位置に正確に着弾させることができ、当該液滴から溶媒を揮発させることによって基板上の上記既定位置にスペーサが配置されることになる。このとき、基板上の所定位置に凹部を設け、この凹部に上記液滴を着弾させることで、スペーサの位置精度を高めることができる。また、スペーサの表面に熱可塑性樹脂をコーティングしておくことにより、基板上でスペーサを加熱して熱可塑性樹脂を溶融させる工程を設けることで、スペーサを基板上に固定することができる。
[電子機器]
最後に、図20及び図21を参照して、上記実施形態の電気光学装置(液晶表示装置100)を用いた電子機器の構成について説明する。
図20は本実施形態の表示系の構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記と同様の液晶表示装置100と、この液晶表示装置100を制御するための制御手段400とを有する。液晶表示装置100には駆動回路100Dが設けられている。この駆動回路100Dは、例えば上記の基板張出部120aに実装された半導体チップ172,174,176で構成される。ただし、駆動回路100Dは、基板張出部120aに実装されたフレキシブル基板などの配線基板上に実装されていてもよく、また、液晶表示装置100とは別に設けられていてもよい。駆動回路100Dは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。
制御手段400は、駆動回路100Dに制御信号や電力を供給するものであり、表示情報出力源401と、表示処理回路402と、電源回路403と、タイミングジェネレータ404とを有する。
表示情報出力源401は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ404によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路402に供給するように構成されている。
表示処理回路402は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反復回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに上記駆動回路100Dへ供給する。また、電源回路403は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
図21は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話1000を示す。この携帯電話1000は、ケース体1010の内部に回路基板1001が配置され、この回路基板1001に対して上述の液晶表示装置100が実装されている。ケース体1010の前面には操作ボタン1020が配列され、また、一端部からアンテナ1030が出没自在に取り付けられている。受話器1040の内部にはスピーカが配置され、送話部1050の内部にはマイクが内蔵されている。ケース体1010内に設置された液晶表示装置100は、前面に構成された表示窓1060を通して表示面を視認することができるように構成されている。
尚、本発明の電気光学装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態ではシール材として導電異方性シール材を用いているが、通常の絶縁性のシール材を用いた液晶表示装置であっても構わない。
また、上記実施形態において能動素子としてTFD素子を用いているが、TFD素子の代わりにTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)などの他の能動素子を用いることもできる。
さらに、上記実施形態はアクティブマトリクス型であるが、パッシブマトリックス型の液晶表示装置とすることもできる。
また、上記実施形態では液晶表示装置を構成する例について説明しているが、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display 及び Surface-Conduction Electron-Emitter Display 等)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
本発明に係る第1実施形態の電気光学装置の実施形態を構成する液晶表示装置の概略構造を示す概略平面図。 第1実施形態における図1に示す領域II内の電極構造を模式的に示す概略拡大平面図。 第1実施形態における図1に示す領域II内のカラーフィルタ構造を模式的に示す拡大平面図。 第1実施形態に用いられるTFD素子の構造を拡大して示す拡大斜視図。 第1実施形態における図1に示すV−V線に沿って切断した断面の一部を模式的に示す概略拡大断面図。 第1実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第2実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第3実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第4実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第5実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第6実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第7実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第8実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第9実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第10実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第11実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第12実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 第13実施形態の色配列パターン及びスペーサの形成位置を模式的に示す概略平面図。 電気光学装置の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 液晶表示装置を備えた電子機器の表示系の概略構成を示す概略構成図である。 電子機器の一例である携帯電話の外観を示す概略斜視図である。
符号の説明
100…液晶表示装置、120…素子基板、120a…基板張出部、122、124a、144a…配線、123…TFD素子、124…画素電極、125…スペーサ、127、147…配向膜、131、133…偏光板、132、134…1/4波長板、140…対向基板、141…反射層、142…カラーフィルタ、142(R),142(G),142(B)…着色層、143…保護層、144…電極、162…シール材、163…導電性粒子、172、174、176…半導体チップ、P,R,G,B,E…画素、K…遮光領域

Claims (12)

  1. 一対の基板の間に電気光学材料と、前記一対の基板の間隔を規定するスペーサが配置され、前記一対の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に、異なる色相を呈する複数種類の画素が所定の色配列パターンにて繰り返し配列されてなる電気光学装置において、
    前記所定の色配列パターンにおける所定の配列方向には、前記複数種類の画素のうち少なくとも2種類以上の前記画素が所定の色配列パターン周期で繰り返し配列され、
    前記スペーサは、前記所定の配列方向に沿って前記色配列パターン周期及び1画素周期のいずれとも異なる形成周期で配列されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 一対の基板の間に電気光学材料と、前記一対の基板の間隔を規定するスペーサが配置され、前記一対の基板のうち少なくとも一方の前記基板上に、異なる色相を呈する複数種類の画素が所定の色配列パターンにて繰り返し配列されてなる電気光学装置において、
    前記所定の色配列パターンにおける所定の配列方向には、前記複数種類の画素のうち少なくとも2種類以上の前記画素が所定の色配列パターン周期で繰り返し配列され、
    前記所定の色配列パターンにおける所定の配列方向には、複数の前記スペーサからなり、少なくとも1つの前記スペーサ同士の間隔が、少なくとも1画素の間隔を開けて配置されてなるスペーサパターンが繰り返し配列され、
    前記スペーサパターンは、前記所定の配列方向に沿って前記色配列パターン周期と異なる形成周期で配列されていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記形成周期は、前記所定の配列方向に沿った画素周期を最小単位として設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、
    前記色配列パターンは、前記所定の配列方向と直交する方向に見て、前記所定の配列方向に伸びる画素ラインに関してMライン周期(Mは任意の自然数)のパターン配列を有し、
    前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期はN×M画素周期であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  5. 前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるストライプ配列パターンであり、
    前記スペーサの形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、
    前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期はN画素周期であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  6. 前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるデルタ配列パターンであり、
    前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、
    前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期は2×N画素周期であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  7. 前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿ってL種類(Lは任意の自然数)の前記画素が順次に繰り返し配列され、前記所定の配列方向と直交する方向に沿って前記L種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるダイアゴナル配列パターンであり、
    前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、
    前記スペーサの前記所定の配列方向と直交する方向の形成周期はL×N画素周期であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  8. 前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるペンタイル配列パターンであり、
    前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、
    前記スペーサの前記所定の配列方向と交差する方向の形成周期は2×N画素周期であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  9. 前記所定の色配列パターンは、前記所定の配列方向に沿って前記複数種類の画素が順次に繰り返し配列されてなるペンタゴナル配列パターンであり、
    前記スペーサの前記形成周期はN画素周期(Nは前記色配列パターン周期に相当する数以外の任意の数)であり、
    前記スペーサの前記所定の配列方向と交差する方向の形成周期は2×N画素周期であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  10. 前記スペーサは前記画素間の遮光領域に少なくとも一部が重なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  11. 前記画素毎にスイッチング機能を有する能動素子を有し、前記スペーサは前記能動素子の形成領域に少なくとも一部が重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の電気光学装置と、該電気光学装置を制御する制御手段とを有することを特徴とする電子機器。

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