JP3647823B2 - 開閉窓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窓枠に透明板が嵌められて構成される開閉窓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の窓としては、例えば、図1〜図8に示す建設機械の運転室に用いられている開閉窓がある。
【0003】
図1は、固定窓が設けられた運転室1を示す側面図である。固定窓は、運転室1の扉2aの窓枠3aにガラス4aが嵌め込まれて構成されており、ガラス4aを開閉することは出来ない。また、同図に示すように、ガラス4aの前方下部4a1を広くすると死角が少なくなり、オペレータ5は、運転席から機械周辺の障害物を確認し易くなるため、安全に作業を行うことが出来る。
【0004】
図2は、上下開閉窓が設けられた運転室1を示す側面図である。この上下開閉窓は、実線で示すガラス4bが二点鎖線で示す位置に下降して扉2b内部に収納されることで窓が開く。窓が閉まるときは、扉2b内部に収納されたガラス4bが上昇する。この際、ガラス4bの動きの案内には、扉2b内部に設けられた図示しないガイド及びレギュレータなどの開閉装置が用いられる。
【0005】
図3は、横スライド式の引違い窓が設けられた運転室1を示す側面図である。横スライド式の引違い窓は、窓枠3cの上辺3c1と下辺3c2とが平行になっており、2枚のガラス4c1,4c2はそれぞれ左右に自在に動くようになっている。この方式では、ガラス4c1,4c2は扉2c内部に収納されることはないので、扉2cの厚さを薄くすることが出来る。
【0006】
図4は、上記の図3に示す横スライド式の引違い窓の下に固定窓が設けられた運転室1を示す側面図である。固定窓は、扉2dの窓枠3cの下方の窓枠3dにガラス4dが嵌められて、同図に示すように設けられているため、死角が少なくなる。
【0007】
図5は、扉2eの1つの窓枠3eに横スライド式のガラス4c1,4c2と共に固定ガラス4eが設けられた運転室1を示す側面図である。このように固定ガラス4eが設けられることでも死角を少なくすることが出来る。
【0008】
図6は、縦スライド式の引違い窓が設けられた運転室1を示す側面図である。縦スライド式の引違い窓は、窓枠3fの左辺3f1と右辺3f2とが平行になっており、2枚のガラス4f1及び4f2はそれぞれ上下に自在に動くようになっている。
【0009】
図7(a)は非平行引違い窓が設けられた運転室1を示す側面図であり、同図(b)はその窓部分の一部拡大側面図である。非平行引違い窓は、窓枠3g1と、窓枠3g1の左右のほぼ中央に設けられた中央縦桟3g2と、同図において中央縦桟3g2の右側に固定されたガラス4g1と、中央縦桟3g2の左側に設けられて同図に二点鎖線で示す位置に開けられるガラス4g2とから構成されている。ガラス4g2の開閉動作は、同図(b)に拡大して示す、その下部の2箇所に固定されたプレート7が、窓枠3g1の下に設けられたスライダ機構によってガラス4g2と共に左右に動くことで行われる。このスライダ機構は、プレート7、ガイドレール8及びモータ9とから構成されており、これらは、全て扉2g内部に設けられている。
【0010】
図8は、上記の図7に示す非平行引違い窓の構造を詳しく示したものであり、同図(a)は図7(b)のVIIIa―VIIIa線破断矢視断面図であり図の左側が車内で右側が車外であり、同図(b)は同図(a)のVIIIb―VIIIb線矢視断面図、同図(c)は図7(b)のVIIIc―VIIIc線破断矢視断面図である。なお、同図において図7と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、窓枠3g1の一対の溝には水抜き穴11が設けられており、窓枠3g1と扉2gとが接する部分にはパッキン12が設けられている。プレート7は、ガラス4g2をガイドすると共に、ガラス4g2が窓枠3g1から離れるのを防止している。また、同図(c)に示すように、ガラス4g1は中央縦桟3g2によってその中央側の一端が固定されており、ガラス4g2は面外に倒れないように中央縦桟3g2に挟まれて支持されている。ガラス4g2と中央縦桟3g2との間には、水の侵入を防ぐシールパッキン13が設けられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の各開閉窓においては、以下に示す問題点がある。
【0012】
図1に示す固定窓はガラス4aを開閉することが出来ないため、換気や雨天時のくもり取りといった場合や、外部への合図の際に扉2aを開ける必要がある。このため、運転室1内へ雨風が吹き込むなどして運転環境が変化し、オペレータ5にとって不都合が生じる。
【0013】
図2に示す上下開閉窓は、視界確保のためにガラス4bの前方下部が広くなっているために開閉ストロークが小さくなり、外部への合図のとき等に、オペレータ5が窓から頭や腕を出せなくなったり、立ち上がる必要が生じる。また、ガラス4bが扉2b内部に収納されるので、収納口から雨水等が浸入して扉2bの室内側から錆が発生し易くなり、開閉装置の故障の原因にもなる。また、ガラス4bや開閉装置が扉2b内部に収納されることで、扉2bの厚みが大きくなり、運転室1内の機器配置が制限され、居住性が低下する。
【0014】
図3に示す横スライド式の引違い窓は、オペレータ5が外部への合図のために頭や腕を出すことはできるが、窓の前方下部に死角が発生する。この死角を無くし前方下部の視界を確保するには、同図において一点鎖線で示す位置まで窓枠3cを広げなければならず、必要以上に大きな窓になってしまう。また、窓枠3cの上辺3c1と下辺3c2とが平行でなければならないので、窓枠3cのデザインに制約を受ける。
【0015】
図4に示す窓は、横スライド式の引違い窓よりも死角は少なくなるが、窓枠3cと窓枠3dとの間に部材2d1があるために死角が生じてしまう。また、扉2dに2つの窓枠3c,3dを設ける必要があるため、扉2dの構造が複雑になってしまう。
【0016】
図5に示す窓は、図4に示す窓ほどではないが、固定ガラス4eの上部にある桟3e1によって死角が発生し、また、この桟3e1が目障りになる。
【0017】
図6に示す縦スライド式の引違い窓は、窓を全開にしても高さ方向がないために頭や腕を出しにくい。また、下側のガラス4f2を上げているときに、このガラス4f2が落下すると、オペレータ5がはさまれたり、ガラス4f2が破損するといった事故になる危険がある。従って、下側のガラス4f2を上げたときにこのガラス4f2が落下しないように、窓枠3fには落下防止機構を設けなければならない。また、窓枠3fの左辺3f1と右辺3f2とが平行でなければならないので、窓枠3fは不細工なデザインになりやすい。
【0018】
図7に示す非平行引違い窓は、水抜き穴11が設けられた辺の窓枠3g1が傾斜しているので、洗車時などに傾斜下方の水抜き穴11に水が集中し、窓枠3g1の溝からあふれた水が運転室1内に侵入することがある。この際、運転室1内に侵入した水が図8に示す隙間14から扉2g内部に侵入した場合、扉2g内部が錆びるだけでなくスライダ機構も故障する可能性がある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、側面または底面に水抜き穴が設けられた一対の溝を有する,本体に取り付けられる窓枠と、この窓枠の室外側の溝に嵌められた室外側透明板と、窓枠の室内側の溝に嵌められた室内側透明板とを備えて構成される開閉窓において、室内側透明板の表面に突出して設けられた突起と、この突起の上方から室内側の溝の側部までを覆って本体に固定されており,突起を挿入してその動きを窓枠の下辺に平行に誘導する,下辺と平行に形成されたスリットを備えた誘導部と、この誘導部の室外側表面のスリットの下において溝から所定高さで室外側にせり出したつば部が窓枠の下辺に平行して形成され,溝の側部を覆って窓枠の室内側に設けられた水切りとを備えていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、室内側透明板が窓枠の溝に沿って開閉される時に、室内側透明板の動きは、この室内側透明板の表面に設けられた突起がスリットの形成方向に沿って誘導されて窓枠の下辺に平行に移動することによってガイドされる。また、突起は室内側透明板の表面に設けられ、この突起を誘導する誘導部も本体の外部に設けられるため、これら突起及び誘導部によって構成されるスライダ機構は、窓枠を支持する本体の外部で室内側に単純な構造で構成される。また、水切りは、スリットの下において溝から所定高さで室外側にせり出したつば部を備え、窓枠の溝の側部を覆っているため、このつば部の高さまで水の侵入を防ぐ。
【0027】
また、本発明は、窓枠が、溝が形成された下辺が上辺に非平行に形成されて傾斜し、室外側透明板を固定して室内側透明板を挟んで支持する縦桟を上辺及び下辺に交差して備えており、室外側透明板及び室内側透明板が、それらの各上辺と各下辺とが窓枠の上辺と下辺とに対応して非平行に形成されていることを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、開閉窓の形状は下辺が傾斜した分だけ視界面積が広くなる。また、室内側透明板は、窓枠の室内側の溝のどの位置にあっても常に縦桟に挟まれて支持される。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による開閉窓をクローラクレーンの運転室に適用した一実施形態について図を参照して説明する。図9は、作業状態にあるクローラクレーン20を示す側面図である。クローラクレーン20の旋回フレーム21の前方中央にはブーム22が設けられており、ブーム22の先端には吊り具23が吊り下げられている。旋回フレーム21の前方には運転室24が設けられており、運転室24の右側面には本発明の一実施形態による開閉窓25を備えた扉26が設けられている。運転室24内にいるオペレータ27は、開閉窓25を通して前方右側面下部の安全確認を行いながら、作業員28及び障害物29を避けて作業する。
【0030】
図10はこのクローラクレーン20の運転室24を示しており、同図(a)はその平面図、同図(b)はその右側面図、同図(c)はその正面図、同図(d)はその左側面図である。なお、同図において図9と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0031】
図11(a)は、図9及び図10に示す運転室24の右側面図、同図(b)は同図(a)の開閉窓25の一部拡大側面図である。また、図12(a)は、図11(b)のXIIa―XIIa線破断矢視断面図、同図(b)は、図11(b)のXIIb―XIIb線破断矢視断面図である。
【0032】
開閉窓25は、一対の溝30a1,30a2が図12(b)に示すように形成された窓枠30を備えており、同図右方の室外側の溝30a1には室外側ガラス板31a、同図左方の室内側の溝30a2には室内側ガラス板31bが嵌められている。各溝30a1,30a2の底面には水抜き穴30dが設けられており、側面にも図示しない水抜き穴が設けられている。また、各溝30a1,30a2には、室外側ガラス板31aや室内側ガラス板31bを保持する図示しないグラスランが設けられている。
【0033】
室内側ガラス板31bの室内側表面下方の左右には、2つの突起32が室内側ガラス板31bの室内側に突出して設けられている。突起32は樹脂で形成されており、室内側ガラス板31bの下部に設けられた2箇所の穴37にねじ止めされて固定されている。押え板33は、溝30a1,30a2から所定高さで室外側にせり出したつば部33aが、窓枠30の下辺30bに平行して形成されており、窓枠30の室内側の溝30a2の側部を覆って、窓枠30を支持する扉26に取り付けられている。突起32はつば部33aの直下に設けられており、押え板33はこの突起32の動きを窓枠30の下辺30bに平行に誘導する。窓枠30は、扉26にビス止めや接着などによって固定されるが、窓枠30を扉26に固定する手段はこれらに限定されるものではない。また、押え板33と窓枠30とが接近する部分には、パッキン36が設けられている。
【0034】
窓枠30は、溝30a1,30a2が形成された下辺30bが図11に示すように上辺に対して非平行に形成されて傾斜している。室外側ガラス板31a及び室内側ガラス板31bは、溝30a1,30a2に嵌まる各辺が窓枠30aの下辺30bに対応して傾斜している。下辺30bに交差する窓枠30のほぼ中央には、図12(a)に示すように、室外側ガラス板31aの中央側の一端を支持固定し、室内側ガラス板31bを挟んで支持する中央縦桟30cが設けられている。また、中央縦桟30cと室内側ガラス板31bとの間の隙間には、水の侵入を防ぐシールパッキン35が設けられている。
【0035】
また、室内側ガラス板31bの開けられる一端側の下部には、図11(b)に示すように取っ手34が設けられている。この取っ手34には錠が設けられており、この錠によって、室内側ガラス板31bは窓枠30に施錠される。なお、錠そのものを取っ手34にすることも出来る。
【0036】
上記の構成において、オペレータ37は、開閉窓25から頭や手を出して作業員28に合図をする必要があり、室内側ガラス板31bを開けることになる。
【0037】
室内側ガラス板31bを開けるのに際し、オペレータ27は、まず、室内側ガラス板31bに設けられた取っ手34の錠を解錠し、そのまま取っ手34をつかみながら室内側ガラス板31bを溝30a2に沿って前方にスライドさせる。図11の二点鎖線で示す位置に室内側ガラス板31bが到達したとき、開閉窓25は全開状態となる。また、室内側ガラス板31bを閉めるときには、オペレータ27は、図11の二点鎖線で示す位置にある室内側ガラス板31bの取っ手34をつかんで、室内側ガラス板31bを溝30a2に沿って後方にスライドさせる。室内側ガラス板31bの後端が窓枠30の左辺に接したところで、取っ手34に設けられた錠が施錠されて開閉窓25は閉められる。
【0038】
このような本実施形態による開閉窓25によれば、室内側ガラス板31bが窓枠30の溝30a2に沿って開閉される時に、室内側ガラス板31bの動きは、この室内側ガラス板31bの室内側表面に設けられた突起32が、押え板33のつば部33aに規制されて窓枠30の下辺30bに平行に移動することによってガイドされる。このため、室内側ガラス板31bは、窓枠30から浮き上がることなく、また、窓枠30から外れずに溝30a2に沿って動く。また、室内側ガラス板31bは横引違い式に開くので、開閉窓25の内と外との間に所望の横幅の空間を形成することが出来、オペレータ27はこの空間を介して頭や腕を容易に開閉窓25の外に出すことが出来る。また、本実施形態による開閉窓25は、図6に示す従来の縦引違い式の窓のように、ガラス板31a,31bが落下する危険はない。このため、オペレータ27が挟まれたり、ガラス板31a,31bが破損することはない。
【0039】
また、本実施形態による開閉窓25の突起32は室内側ガラス板31bの室内側表面に設けられ、この突起32を誘導する押え板33も窓枠30の底辺部の側部を覆う形で扉26の外部に取り付けられるため、これら突起32及び押え板33によって構成されるスライダ機構は、窓枠30を支持する扉26の外部で車内側に単純な構造で構成される。このため、従来の、スライダ機構を構成するガイドレール8及びモータ9が扉2gの内部に収容される図7及び図8に示す開閉窓とは異なり、窓枠30を支持する扉26は薄くなり、開閉窓25の運転室内側の有効スペースが広くなる。また、これと共に、開閉を手動にしたので信頼性が高く、スライダ機構の故障が少なく、修理も簡単になる。さらに、スライダ機構を扉26外部に設ける構造であるため、従来のように扉26に開口部を設ける必要が無く、扉26内部を密閉できるため、窓枠30を支持する扉26内部への水の侵入もなくなる。
【0040】
また、押え板33は、つば部33aが溝30a1,30a2から所定高さで室外側にせり出し、水抜き穴が設けられた溝30a2の側面を覆うため、つば部33aの設置高さまで水の侵入を防ぐ。このため、窓枠30の溝30a2から水があふれても開閉窓25から運転室24内への水の侵入が無くなる。従って、本実施形態では、押え板33は、突起32の動きを誘導する誘導部の機能と水切りの機能とを併せ持つことになり、開閉窓25の構造は単純になって製作コストは安価になる。
【0041】
また、窓枠30は、溝30a1,30a2が形成された下辺30bが傾斜しているため、開閉窓25の形状は下辺30bが傾斜した分だけ視界面積が広くなる。このため、開閉窓25の室外側を見る場合、下辺30bが傾斜した分だけ視界が広くなり、必要以上に大きな窓とすることなく良好な視界が得られ、前方右側面下部の作業者28及び障害物29を十分に視認出来る。
【0042】
また、室内側ガラス板31bは、窓枠30の室内側の溝30a2のどの位置にあっても常に中央縦桟30cに挟まれて支持される。このため、室内側ガラス板31bは、面外方向に倒れることがなく、常に窓枠30に沿ってその室内側の溝30a2を通る面内を動く。また、窓枠30の対向するいずれの辺も平行に保つ必要がないため、開閉窓25の形状のデザインの自由度も大きくなる。例えば、窓枠30の下辺30を図13に示すように中央縦桟30cの下部が図の上方に盛り上がった円弧状にデザインすることも可能である。なお、同図において図11(b)と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0043】
また、本実施形態の開閉窓25では、室内側ガラス板31bの室内側表面の、後方側の溝30a2に近い位置に取っ手34が設けられているため、この取っ手34をつかんで室内側ガラス板31bの開閉を行うとき、室内側ガラス板31bはこの溝30a2に沿って安定して移動する。このため、安定した開閉力が得られると共に、軽い操作力によって室内側ガラス板31bの開閉動作を行うことが出来る。
【0044】
また、本実施形態では、取っ手34に錠が設けられており、室内側ガラス板31bは閉位置にあるときに窓枠30に施錠されて固定される。このため、室内側ガラス板31bは、窓枠30に施錠されている状態では、窓枠30が水平でない状態や振動している場合でも、自然に動き出すことはなく、また、外部からの侵入を防ぐ防犯効果がある。
【0045】
また、本実施形態では、押え板33と窓枠30とが接近する部分にパッキン36が設けられているため、押え板33と窓枠30との間の隙間からの水の侵入が無くなる。このため、運転室24内の密閉性は向上する。
【0046】
なお、上述した本実施形態による開閉窓25は、2枚のガラス板31a,31bで構成した場合について説明したが、3枚以上のガラス板で構成することも可能である。例えば、図14の断面図に示すように、3枚のガラス板51a,51b1,51b2から開閉窓を構成することが出来る。なお、同図において図12と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。窓枠30の室外側の溝30a1には室外側ガラス板51aが嵌められて、一対の縦桟30cによって固定されている。また、窓枠30の室内側の溝30a2には室内側ガラス板51b1,51b2が嵌められて縦桟30c,30cに挟まれて支持されている。室内側ガラス板51b1,51b2は、同図の二点鎖線で示す位置にスライドすることで窓が開く。ここで、室内側ガラス板51b1,51b2の横幅寸法を室外側ガラス板51aの横幅寸法の1/2にすることにより、窓が開いた時、室内側ガラス板51b1,51b2を室外側ガラス板51aの横幅寸法内に収めることが出来る。このような構成の開閉窓においても、上記の実施形態と同様な作用効果が奏される。
【0047】
また、本実施形態による開閉窓25には、以下に示す変形例が考えられる。図15は、開閉窓25の変形例を示す断面図である。なお、同図において図12と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。押え板33は、扉26に溶接などで直接取り付けなくとも、同図に示すように、パッキン36を間に挟んで扉26にねじ39で固定することも可能である。このとき、シール効果のあるパッキン36によって扉26内部及び室内側への水の侵入を防ぐことが出来る。このような構成の開閉窓25においても、上記の実施形態と同様な作用効果が奏される。
【0048】
また、図16は、開閉窓25における誘導部と突起及び水切りの構造の変形例を示しており、同図(a)はスリットを有する誘導部を備えた開閉窓25の断面図、同図(b)は室外側ガラス板31aに誘導部を備えた開閉窓25の断面図である。なお、同図において図12と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0049】
同図(a)において、押え板40は、室内側ガラス板31bの室内側表面に設けられた突起42の上方から室内側の溝30a2の側部までを覆う板状に形成されて扉26に固定されている。押え板40には、突起42を挿入してその動きを誘導するスリット40aが設けられており、スリット40aは窓枠30の下辺30bと平行に形成されている。水切り41は押え板40の室外側表面のスリット40aの下に設けられており、その上部につば部41aを備えている。このような構成において、突起42がスリット40aの形成方向に沿って誘導されることにより、室内側ガラス板31bの動きが規制される。このため、室内側ガラス板31bはスリット40aの形状に合わせて滑らかに動く。また、水切り41のつば部41aはスリット40aの下に設けられるため、スリット40aはつば部41aの水切り作用に影響を与えることはない。
【0050】
また、同図(b)において、誘導部を構成するチャンネル状部43は、室外側ガラス板31aの室内側表面に窓枠30の下辺30bに平行に設けられており、突起44は、このチャンネル状部43に嵌まり合うように室内側ガラス板31bの室外側表面に突出して設けられている。また、押え板33は、突起44の上方から室内側の溝30a2の側部までを覆うように、扉26に固定されている。この構成でも、突起44がチャンネル状部43に誘導されることで、室内側ガラス板31bはチャンネル状部43の形成方向に合わせて滑らかに動く。また、この場合、押え板33は水切りとしてのみ作用するため、チャンネル状部43は、押え板33のつば部33aの位置にかかわらず、任意の位置に配置することが出来る。
【0051】
また、上述した開閉窓25においては、突起32,42,44はねじで室内側ガラス板31bに固定されているが、室内側ガラス板31bに穴を開けずに室内側ガラス板31bの表面に接着して固定しても構わない。さらに、この突起32,42,44は、その形状がブロック状やプレート状であってもよく、ローラ式になっていてもよい。また、上述した開閉窓25においては、押え板33,40は扉26とは別部品であったが、押え板33,40を扉26と一体に構成して扉26の一部としてもよい。また、上述した開閉窓25は、ガラス板31bが横スライドする構成について説明したが、縦スライド式に構成することも可能である。
【0052】
また、上記の説明では、クローラクレーン20の運転室24に設けられた開閉窓25に本発明を適用した場合について説明したが、本発明による開閉窓はこのような建設機械の運転室に限定されるものではなく、窓全般に上記実施形態と同様に適用することが出来る。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による開閉窓によれば、室内側透明板が窓枠の溝に沿って開閉される時に、室内側透明板の動きは、この室内側透明板の表面に設けられた突起がスリットの形成方向に沿って誘導されて窓枠の下辺に平行に移動することによってガイドされる。このため、室内側透明板は、窓枠から浮き上がることなく、また、窓枠から外れずに溝に沿って動く。また、室内側透明板は横引違い式に開くので、開閉窓の内と外との間に所望の横幅の空間を形成することが出来、さらに、縦引違い式の窓のように透明板が落下する危険はない。
【0054】
また、突起は室内側透明板の表面に設けられ、この突起を誘導する誘導部も本体の外部に設けられるため、これら突起及び誘導部によって構成されるスライダ機構は、窓枠を支持する本体の外部で室内側に単純な構造で構成される。このため、従来の、スライダ機構を構成するガイドレール及びモータが扉といった本体の内部に収容されたりする開閉窓とは異なり、窓枠を支持する本体は薄くなり、開閉窓室内側の有効スペースが広くなる。また、これと共に、スライダ機構の故障が少なく、修理も簡単になる。さらに、スライダ機構を本体外部に設ける構造であるため、従来のように本体に開口部を設ける必要が無く、本体内部を密閉できるため、窓枠を支持する本体内部への水の侵入もなくなる。
【0055】
また、水切りは、スリットの下において溝から所定高さで室外側にせり出したつば部を備え、窓枠の溝の側部を覆っているため、このつば部の高さまで水の侵入を防ぐ。このため、窓枠の溝から水があふれても開閉窓内側への水の侵入が無くなる。
【0059】
また、窓枠が、溝が形成された下辺が上辺に非平行に形成されて傾斜し、室外側透明板を固定して室内側透明板を挟んで支持する縦桟を上辺及び下辺に交差して備えており、室外側透明板及び室内側透明板が、それらの各上辺と各下辺とが窓枠の上辺と下辺とに対応して非平行に形成されている場合、開閉窓の形状は下辺が傾斜した分だけ視界面積が広くなる。このため、開閉窓の室外側を見る場合、下辺が傾斜した分だけ視界が広くなり、必要以上に大きな窓とすることなく良好な視界が得られる。
【0060】
また、室内側透明板は、窓枠の室内側の溝のどの位置にあっても常に縦桟に挟まれて支持される。このため、室内側透明板は、面外方向に倒れることがなく、常に窓枠に沿ってその室内側の溝を通る面内を動く。また、窓枠の対向するいずれの辺も平行に保つ必要がないため、開閉窓の形状のデザインの自由度も大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の従来の開閉窓が固定窓として設けられた運転室の側面図である。
【図2】第2の従来の開閉窓が上下開閉窓として設けられた運転室の側面図である。
【図3】第3の従来の開閉窓が横スライド式の引違い窓として設けられた運転室の側面図である。
【図4】第4の従来の開閉窓が横スライド式の引違い窓と固定窓として設けられた運転室の側面図である。
【図5】第5の従来の開閉窓が固定ガラス付き横スライド式の引違い窓として設けられた運転室の側面図である。
【図6】第6の従来の開閉窓が縦スライド式の引違い窓として設けられた運転室の側面図である。
【図7】(a)は第7の従来の開閉窓が非平行引違い窓として設けられた運転室の側面図、(b)はその一部拡大側面図である。
【図8】(a)は図7(b)のVIIIa―VIIIa線破断矢視断面図、(b)は同図(a)のVIIIb―VIIIb線矢視断面図、(c)は図7(b)のVIIIc―VIIIc線破断矢視断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による開閉窓が適用されたクローラクレーンの側面図である。
【図10】図9に示すクローラクレーンの運転室を示しており、同図(a)はその平面図、同図(b)はその右側面図、同図(c)はその正面図、同図(d)はその左側面図である。
【図11】(a)は図9に示すクローラクレーンの運転室の右側面図、(b)はその一部拡大側面図である。
【図12】(a)は図11(b)のXIIa―XIIa線破断矢視断面図、(b)は図11(b)のXIIb―XIIb線破断矢視断面図である。
【図13】本発明の一実施形態による開閉窓の窓枠形状の変形例を示す側面図である。
【図14】本発明の一実施形態による開閉窓のガラス板の枚数の変形例を示す断面図である。
【図15】本発明の一実施形態による開閉窓の押え板の取付構造の変形例を示す断面図である。
【図16】本発明の一実施形態による開閉窓の変形例を示しており、同図(a)はスリットを有する誘導部を備えた開閉窓の断面図、同図(b)は室外側ガラス板に誘導部を備えた開閉窓の断面図である。
【符号の説明】
20…クローラクレーン
24…運転室
25…開閉窓
26…扉
27…オペレータ
30…窓枠
30a1、30a2…窓枠30の溝
30c…縦桟
30d…水抜き穴
31a、51a…室外側ガラス板
31b、51b1、51b2…室内側ガラス板
32、42、44…突起
33、40…押え板
33a、41a…つば部
34…取っ手
36…パッキン
37…突起取付用ねじ穴
41…水切り
43…チャンネル状部
Claims (2)
- 側面または底面に水抜き穴が設けられた一対の溝を有する,本体に取り付けられる窓枠と、この窓枠の室外側の前記溝に嵌められた室外側透明板と、前記窓枠の室内側の前記溝に嵌められた室内側透明板とを備えて構成される開閉窓において、前記室内側透明板の表面に突出して設けられた突起と、この突起の上方から室内側の前記溝の側部までを覆って本体に固定されており,前記突起を挿入してその動きを前記窓枠の下辺に平行に誘導する,前記下辺と平行に形成されたスリットを備えた誘導部と、この誘導部の室外側表面の前記スリットの下において前記溝から所定高さで室外側にせり出したつば部が前記窓枠の下辺に平行して形成され,前記溝の側部を覆って前記窓枠の室内側に設けられた水切りとを備えていることを特徴とする開閉窓。
- 前記窓枠は、前記溝が形成された前記下辺が上辺に非平行に形成されて傾斜し、前記室外側透明板を固定して前記室内側透明板を挟んで支持する縦桟を前記上辺及び前記下辺に交差して備えており、前記室外側透明板及び前記室内側透明板は、それらの各上辺と各下辺とが前記窓枠の前記上辺と前記下辺とに対応して非平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開閉窓。
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