JP6343299B2 - 衝突検出センサの取付構造 - Google Patents
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Description
たとえば、特許文献1では、乗員が乗降するサイドドアの内部に設置されるセンサの取付構造に関する技術が提案されている。
また、このような構成によれば、車両ドアの内面が、斜め下側に面するように傾斜する路面上に位置する車両における補強部材の下端から引かれた鉛直線よりもドア内側の領域に衝突検出センサが配置されることで、走行可能な傾斜角の路面上であれば、ドアガラスを伝って車両ドア内に浸入した水が、補強部材から滴り落ちても、衝突検出センサが被水することが抑制される。
図1〜図6に示すように、第1実施形態の衝突検出センサの取付構造1は、乗員が乗降する車両10の開口部を開閉するサイドドア11(車両ドア)内部に衝突検出センサ21を設置するための構造である。そこで、まずサイドドア11の構成について説明する。なお、説明の都合上、車両10の左前のサイドドア11に設置される衝突検出センサ21の取付構造についてのみ説明する。
収容室12cには、ドアガラス14、昇降手段17、衝突検出センサ21(圧力センサ)、およびサッシュ15を構成する前後一対の本体側サッシュ15aが収容される。収容室12cは、本体部12における、インナパネル12bとアウタパネル12aとの合わせ部分の上縁が、出没口12dとして開口している。そして、出没口12dを通じて、昇降するドアガラス14が本体部12から出没する。また、収容室12cには、補強部材としてのスティフナ12eが、出没口12dに沿って配置されている。
スティフナ12e(補強部材)は、略長方形形状を有する長尺な板状部材からなり、出没口12dの近傍に、車両前後方向に沿って、その内面がドアガラス14外側の板面に摺接可能に、インナパネル12bの外面側に設置されている。
つまり、スティフナ12eは、ドアガラス14が出没する出没口12dに沿って設置されている。
固定窓13aは、図5に示すように、窓部13の前方に位置し、シール部材13aaとともに、開閉不能に嵌め込まれ、嵌め殺しにされた固定ガラス13ab(閉止部材)が設置されている。
固定ガラス13ab(閉止部材)は、透光性を有し、サイドドア11の外面形状に沿って湾曲した平板状のガラス板からなる。
シール部材13aaは、周知のようにゴム材等の柔軟性を有する素材によって構成され、固定ガラス13abの周縁と窓枠13cとに密着し、固定ガラス13abと窓枠13cとの間の隙間を止水する。
ドアガラス14は、透光性を有し、サイドドア11の外面形状に沿って湾曲した平板状のガラス板で構成されている。また、ドアガラス14は、その両側縁である前縁と後縁とを一対のサッシュ15によって上下方向に昇降可能にガイドされている。
また、本実施形態のサッシュ15は、上方が後退するように傾斜している(図1、図3における右上がりの傾斜)。なお、所謂ミニバン等のサイドドアでは、サッシュ15の傾斜が、ほぼ垂直になるよう設定されている。
窓側サッシュ15bは、昇降窓13bの窓枠13cを構成し、ドアガラス14が、昇降窓13b内を昇降する際のガイドを行う。
本体側サッシュ15aは、収容室12c内に配置され、窓側サッシュ15bの下端から連続して、本体部12内に延設されている。本体側サッシュ15aは、ドアガラス14が収容室12c内を昇降する際のガイドを行う。
衝突検出センサ21は、圧力センサからなり、収容室12c内の急激な圧力変化を衝突として検知する。衝突検出センサ21は、図4、図6に示すように、具備する衝突検出部22(圧力検出部)が車外側に面する向きで、インナパネル12bに車外側の面上に設置されるとともに、下方からコネクタ23が接続される。そして、衝突検出センサ21は、衝突検出部22の裏面側から立設する雄ネジ部からなる固定ボルト26をインナパネル12bに貫通させ、貫通させた固定ボルト26の先端部に固定ナット27を螺着することで、インナパネル12b上に固定する。
衝突検出部22(圧力検出部)は、図6に示すように、カバー24によって囲まれている。
カバー24は、内カバー24aと、外カバー24bとで構成されている。
内カバー24aは、車外側から所定の間隔を空けつつ、衝突検出部22の上方部分に重なり、下方を除く、左側、前方、後方、および上方を囲んでいる。
外カバー24bは、内カバー24aの外側に位置し、衝突検出部22に対して、下方を除く、左側、前方、後方、および上方を囲んでいる。また、外カバー24bは、内カバー24aよりも下方に位置するコネクタ23との合わせ面25まで延長され、衝突検出部22の全体を囲んでいる。
第1の領域AR1は、サッシュ前方領域、固定ガラス下方領域、ヒンジ後方領域、スティフナ内側領域、およびサッシュ内側領域の5つの領域が重なる箇所に設定されている。
固定ガラス下方領域には、収容室12c(ドア内部)内における、固定ガラス13ab(閉止部材)の下方の範囲が設定されている。
サッシュ前方領域には、収容室12c内における、前側サッシュ15Fよりも前方の範囲が設定されている。
ヒンジ後方領域には、収容室12c内における、ヒンジ16よりも後方の範囲が設定されている。
サッシュ内側領域には、図2、図4に示すように、サッシュ15、および収容室12c内に位置するドアガラス14よりも車内側の範囲が設定されている。
スティフナ内側領域には、車幅方向の勾配について、図2、図4に示すように、走行可能な最大傾斜角度θ2(右下がり約20度)に傾斜する路面G上に位置する車両10において、スティフナ12eの下端から引かれた鉛直線L2よりも車内側の範囲が設定されている。
なお、最大傾斜角度θ2は、様々な公道で、車両10が安全に走行できる角度である。
本実施形態の衝突検出センサの取付構造1は、サイドドア11(車両ドア)内部における、サッシュ15を挟んでドアガラス14と反対側に設定されたサッシュ前方領域に、衝突検出センサ21を配置することで、サイドドア11内部に浸入した水による衝突検出センサ21の被水を抑制することができる。
つまり、昇降窓13bをドアガラス14が閉じた状態で、ドアガラス14を伝って水が収容室12c内に浸入した場合、その一部が、ドアガラス14からスティフナ12eを伝って滴り落ちることが考えられる。そして、このような場合でも、鉛直線L2よりもドア内側のスティフナ内側領域に衝突検出センサ21が配置されることで、衝突検出センサ21が被水することが抑制される。
また、衝突検出センサ21を固定ガラス13abに近づけて、より上方に配置することで、水が溜まりやすいドアの下方を避けることができる。これによって、衝突検出センサ21の被水をさらに抑制することができる。
また、衝突検出センサ21はヒンジ16の近傍に位置することで、ドア開閉時に衝突検出センサ21に掛かる遠心力が小さくなるため、ドア開閉時におけるセンサの誤作動を抑制できる。
本実施形態では、衝突検出センサ21が配置される第1の領域AR1は、前述の5つの領域が重なる範囲に設定されているが、5つ全ての領域が重なった範囲に限定されるものではない。第1の領域AR1は、少なくともサッシュ前方領域が含まれる範囲に設定されていれば良い。
また、本実施形態のサッシュ15は、上方が後退するように傾斜しているが、所謂ミニバン等のように、サッシュ15の傾斜が、ほぼ垂直になるよう設定されていても、同様の作用効果が得られる。
次に、本発明の第2実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。前述の第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態と第1実施形態とで、大きく異なる構成は、衝突検出センサ21が設置される領域である。
本実施形態では、衝突検出センサ21が、鉛直線前方領域、固定ガラス下方領域、ヒンジ後方領域、スティフナ内側領域、およびサッシュ内側領域の5つの領域が重なる第2の領域AR2に配置されている。
鉛直線前方領域には、車両前後方向の勾配について、図7に示すように、走行可能な最大傾斜角度θ1(たとえば前下がり約20度)に傾斜する路面G上の車両10に対して、図8に示すように、収容室12cにおける、出没口12dの前側端部から下方に引かれる鉛直線L1よりも、前方(出没口12dの端部を挟んで、出没口12dの開口部分と反対側の領域)の範囲が設定されている。
固定ガラス下方領域、ヒンジ後方領域、スティフナ内側領域、およびサッシュ内側領域の4つの領域については、前述の第1実施形態と同様である。
なお、最大傾斜角度θ1は、車両への要求性能の1つとして、適宜設定される。最大傾斜角度θ1は、様々な公道の坂道や、自走式立体駐車場の斜路等の進行方向の傾斜角度から、車種毎に設定される登坂可能な最大の角度である。
本実施形態の衝突検出センサの取付構造1は、サイドドア11内部における、サッシュ15の上端から下方に引かれる鉛直線L1よりも、サッシュ15側に設定された鉛直線前方領域に、衝突検出センサ21を配置することで、サイドドア11内部に浸入した水による衝突検出センサ21の被水を抑制することができる。
また、車両の傾斜によって、鉛直線前方領域に、前方の本体側サッシュ15aの上端から水が滴る場合であっても、衝突検出センサ21が、ドアガラス14をガイドするサッシュ15よりも車内側に設定されたサッシュ内側領域に配置されることで、車外から浸入する水による衝突検出センサ21への被水を抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態の別態様について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。前述の第2実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
なお、本態様では、衝突検出センサ21が配置される領域が、前述の第2実施形態と同一の第2の領域AR2の範囲(前述の5つの領域が重なる範囲)に設定されている。
本態様と第2実施形態とで、大きく異なる構成は、サッシュ15の傾斜角度である。
前述の第2実施形態では、サッシュ15は、上方が後退するように傾斜しているため、鉛直線L1が、収容室12c内における、前方の本体側サッシュ15aよりも後方に位置している。
ところが、本態様では、図9に示すように、サッシュ15が、路面に対して、ほぼ垂直になるよう設定されているため、鉛直線L1が、収容室12c内における、前方の本体側サッシュ15aよりも前方に位置している。
つまり、本態様と第2実施形態とでは、第2の領域AR2の範囲の広さは変わらないが、サッシュ15が第2の領域AR2に含まれるか否かが異なる。
このような差異はあるものの、前述の第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
10 車両
11 サイドドア(車両ドア)
12d 出没口
12e スティフナ(補強部材)
13 窓部
13aa シール部材
13ab 固定ガラス(閉止部材)
14 ドアガラス
15 サッシュ
16 ヒンジ
21 衝突検出センサ
22 衝突検出部
23 コネクタ
24 カバー
25 合わせ面
G 路面
L1 鉛直線(第1の鉛直線)
L2 鉛直線(第2の鉛直線)
Claims (7)
- 路面上に位置する車両を構成し、サッシュをガイドにしつつ、出没口を通じて昇降するドアガラスを具備する車両ドアのドア内部における、該サッシュを挟んで、該ドアガラスと反対側の領域、且つ
前記車両ドアの内面が斜め下側に面するように、前記路面が走行可能な最大傾斜角度で傾斜する場合に、
前記出没口に沿いつつ、該ドアガラスの板面に摺接可能に、該ドア内部に設置される補強部材の下端から引かれた第2の鉛直線よりも車内側の領域に
衝突検出センサが配置されることを特徴とする衝突検出センサの取付構造。 - サッシュをガイドにしつつ、出没口を通じて昇降するドアガラスを具備し、走行可能な最大傾斜角度の路面上に位置する車両に配置される車両ドアのドア内部における、出没口の端部から下方に引かれる第1の鉛直線よりも、該出没口の端部を挟んで、該出没口の開口部分と反対側の領域に、衝突検出センサが配置されることを特徴とする衝突検出センサの取付構造。
- 前記衝突検出センサは、
前記サッシュよりも車内側に配置されている
ことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の衝突検出センサの取付構造。 - 前記衝突検出センサは、
前記車両ドアに開口する窓部の一部に、シール部材とともに嵌め込まれる閉止部材の下方に配置される
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の衝突検出センサの取付構造。 - 前記衝突検出センサは、
前記車両に対して前記車両ドアを開閉可能に支持するヒンジと、前記ドアガラスとの間に配置される
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の衝突検出センサの取付構造。 - 前記衝突検出センサは、
具備する衝突検出部が車外側に面しつつ、前記車両ドアの車内側の内壁を構成するインナパネルの車外側板面上に設置され、
該衝突検出部を車外側から囲みつつ、下方が開口するカバーを備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の衝突検出センサの取付構造。 - 前記カバーは、
前記衝突検出センサに接続されるコネクタと、該衝突検出センサとの合わせ面よりも下方まで延長されている
ことを特徴とする請求項6に記載の衝突検出センサの取付構造。
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