JP3647688B2 - 石英ガラスルツボ製造装置および製造方法 - Google Patents

石英ガラスルツボ製造装置および製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石英ガラスルツボの製造装置および製造方法に係わり、特に内表面において不純物や気泡が存在しない石英ガラスルツボを製造できる石英ガラスルツボの製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの基板に用いられるシリコン単結晶は、一般にチョクラルスキー法(CZ法)で製造されており、このCZ法は石英ガラスルツボ内に多結晶シリコン原料を装填し、装填されたシリコン原料を周囲から加熱して溶融し、上方から吊り下げた種結晶をシリコン融液に接触してから引き上げるものである。
【0003】
CZ法に使用される石英ガラスルツボは、シリコン単結晶の高純度化に伴い、石英ガラスルツボにも高純度のものが要求されている。
【0004】
このCZ法に使用される石英ガラスルツボは、一般に粉砕して精製した石英粉を回転可能な型を回転させながらこの型内に供給し、遠心力により型の周囲に石英粉をルツボ状に充填させ、同時に内側からアーク放電で溶融する石英ガラスルツボ製造方法により製造されていた。
【0005】
しかしながら、このアーク放電を用いる石英ガラスルツボ製造方法には、製造される石英ガラスルツボを汚染、あるいは気泡を発生させる下記のような問題があった。
【0006】
図20に示すように、従来の石英ガラスルツボ製造装置111を用いた石英ガラスルツボ製造方法は、ルツボ成形型112内に石英粉からなる成形体Pを成形し、カーボン電極113をルツボ成形型112の上方に位置(図20中に鎖線で示す)するカーボン電極113を降下させ、蓋体114に設けられた貫通孔部114hを貫通させてルツボ成形型112内に挿入させた後、アーク放電を開始すると、カーボン電極113の先端部113aからカーボン微粒子が落下して成形体Pに付着し、この成形体Pの溶融に伴って、カーボン微粒子がガラス中に取込まれ、これが気泡となって石英ガラスルツボの品質を低下させていた。
【0007】
また、ルツボ成形型内にカーボン電極112を挿入してアーク放電を継続し、多数の石英ガラスルツボを製造すると、この成形体Pが溶融されて形成される石英ガラスルツボの内表面から蒸発した珪素酸化物がカーボン電極113の側壁部115に付着して、この付着物が溶融工程中に溶融石英ガラスルツボ中に落下することによって、石英ガラスルツボを汚染し、さらに、これが気泡となって石英ガラスルツボの品質を低下させていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで特に内表面において不純物や気泡の存在しない石英ガラスルツボを製造できる石英ガラスルツボの製造装置が要望されていた。
【0009】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、特に内表面において不純物や気泡の存在しない石英ガラスルツボを製造できる石英ガラスルツボの製造装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本願請求項1の発明は、開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、ルツボ成形型の開口部に先端部が挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時にカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段とを有し、このカーボン混入防止手段は、ルツボ成形型とこのルツボ成形型の上方に設けられたカーボン電極との間に挿退自在に設けられた遮断体であることを特徴とするする石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0011】
本願請求項の発明では、上記遮断体は石英ガラス製で皿形状を有することを特徴とする請求項1に記載の石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0012】
本願請求項の発明では、開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、ルツボ成形型の開口部に先端部が挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時にカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段とを有し、このカーボン混入防止手段は、アーク放電開始時、カーボン電極をルツボ成形型の上方投影域外に待機させるカーボン電極回動機構であることを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0013】
本願請求項の発明では、開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、ルツボ成形型の開口部に先端部が挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時にカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段とを有し、このカーボン混入防止手段は、アーク放電開始時、ルツボ成形型をカーボン電極の下方投影域外に待機させるルツボ成形型移動機構であることを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0014】
本願請求項の発明は、開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、前記開口部を覆うようにルツボ成形型の上方に配置され、この中央部に貫通孔が形成された蓋体と、前記蓋体の上方に配置され、上下方向に移動可能に設けられた複数のアーク放電用カーボン電極と、前記カーボン電極各々の側壁部に高圧ガスを吹きかけるノズルを有することを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0015】
本願請求項の発明では、上記蓋体の貫通孔に上記カーボン電極の先端部を挿通し、アーク放電によって上記ルツボ形状の成形体を溶融中間に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、上記カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、上記ノズルより高圧ガスを吹きかけるようにカーボン電極の移動機構とノズルのガス吹きかけ機構を調整する制御機構を有することを特徴とする請求項6に記載の石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0016】
本願請求項の発明では、上記ノズルが、複数のカーボン電極の各々の電極の外周側に配置されており、各ノズルからの吹きかけを時間をずらして順次行うように調整する制御機構を有することを特徴とする請求項に記載の石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0017】
本願請求項の発明では、上記蓋体の少なくとも下面部が石英ガラスで被覆された金属製体によって構成されていることを特徴とする請求項8に記載の石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0018】
本願請求項の発明は、開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、前記開口部を覆うようにルツボ成形型の上方に配置され、この中央部に貫通孔が形成された蓋体と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、前記蓋体の貫通孔に挿通され、かつ先端部が前記ルツボ成形型の開口部に挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、アーク放電開始時に前記カーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止する遮断体と、前記カーボン電極各々の側壁部に高圧ガスを吹きかけるノズルとを有することを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置であることを要旨としている。
【0019】
本願請求項10の発明は、ルツボ成形型の開口部から供給された石英原料粉を回転させながらルツボ形状の成形体に成形し、カーボン電極による成形体の溶融に先立って、遮断体をルツボ成形型とこのルツボ成形型の上方に設けられたカーボン電極との間に挿入状態にし、もしくは、カーボン電極回動機構によりカーボン電極をルツボ成形型の上方投影域外に待機させ、または、ルツボ成形型移動機構によりルツボ成形型をカーボン電極の下方投影域外に待機させてカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入しないようにした後、アーク放電を開始し、所定時間経過後、アーク放電が行われているカーボン電極の先端部をルツボ成形型に挿入し、成形体を溶融することを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法であることを要旨としている。
【0020】
本願請求項11の発明は、ルツボ成形型の開口部から供給された石英原料粉を回転させながらルツボ形状の成形体に成形し、中央部に貫通孔が形成された蓋体で開口部を覆い、貫通孔にアーク放電用のカーボン電極の先端部を挿通した後、アーク放電を行って成形体の溶融を行い、この溶融中に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、ノズルより高圧ガスを吹きかけることを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法であることを要旨としている。
【0021】
本願請求項12の発明では、上記ノズルを複数のカーボン電極の各々の電極の外周側に配置し、各ノズルからの吹きかけを時間をずらして順次行うようにすることを特徴とする請求項12に記載の石英ガラスルツボ製造方法であることを要旨としている。
【0022】
本願請求項13の発明は、ルツボ成形型の開口部から供給された石英原料粉を回転させながらルツボ形状の成形体に成形し、カーボン電極による成形体の溶融に先立って、ルツボ成形型とこのルツボ成形型の上方に設けられたカーボン電極との間に挿退自在に設けられた遮断体を挿入状態にしてカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入しないようにした後、アーク放電を開始し、所定時間経過後、アーク放電が行われているカーボン電極の先端部をルツボ成形型に挿入して成形体の溶融を行い、この溶融中に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、ノズルより高圧ガスを吹きかけることを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法であることを要旨としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置および製造方法について添付図面を参照して説明する。
【0024】
図1に示すように、本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第1実施形態の石英ガラスルツボ製造装置1は、ルツボ成形型2と、このルツボ成形型2に対向する上部に昇降自在に設けられ、かつルツボ成形型2内にアーク放電を行うカーボン電極3と、このカーボン電極3のアーク放電開始時にカーボン電極3から落下するカーボン微粒子が成形体Pに混入するのを防止するカーボン混入防止手段、例えば皿形状の遮断体4と、ルツボ成形型2の内部を高温ガス雰囲気にする蓋体5とを有している。
【0025】
ルツボ成形型2は、図2に示すように、保持体7とこの保持体7に内装され石英原料粉が成形体Pに成形されるカーボン型8を有し、保持体7に設けられた回転軸9を介して回転駆動装置10に連結されている。さらに、図1に示すように、この回転駆動装置10は、レール11上に移動自在に設けられた台車12に取付けられている。
【0026】
カーボン電極3は3本のカーボン体3p、3p、3pからなり、各々電極取付部材13に下方に頂点を有するような逆三角錐状をなすように取付けられ、さらに、この電極取付部材13は石英ガラスルツボ製造装置1を収納する筐体14の天井部15から垂下する電極支持部材16に昇降自在に取付けられている。従って、電極取付部材13はワイヤー17を介して天井部15に設けられたモータ駆動のワイヤー巻取り装置18により昇降制御されるようになっており、電極取付部材13を昇降させることにより、カーボン電極3が昇降されるようになっている。
【0027】
なお、カーボン電極3は3本に限らず、電源装置を選択することによって2本とすることもできる。
【0028】
遮断体4は、図3および図4に示すように、電極支持部材16の下端部に軸支され石英ガラス製で、ルツボ成形型2とこのルツボ成形型2の上方に設けられたカーボン電極3との間に挿脱自在に設けられ、カーボン電極3のアーク放電開始時には、カーボン電極3の真下、ルツボ成形型2の真上に位置して、カーボン電極3から落下するカーボン微粒子を捕獲し、カーボンがルツボ成形型2内に落下しないようになっている。
【0029】
また、アーク放電による成形体Pの溶融時には、遮断体4は回動されて、図4中に鎖線で示すように、カーボン電極3とルツボ成形型2との間から退去され、図3に示すように、カーボン電極3が降下して、先端部3aがルツボ成形型2内に挿入されるのを妨げないようになっている。
【0030】
なお、遮断体4の移動機構は省スペースの観点から回動式が好ましいが、これに限らず、直線的に移動する機構であってもよい。
【0031】
遮断体4は、製造された石英ガラスルツボの皿形状の底部を切だしたものを用いることで、安価に、しかも製造する石英ガラスルツボへの不純物の混入を防止する上で、有利である。
【0032】
図1に示すように、石英ガラスルツボ製造装置1を収納する筐体14は、仕切扉19を有する仕切板20によって加熱溶融室14aと成形室14bとに区画され、仕切板20を介して隣接して原料粉供給装置21を収納している。この原料粉供給装置21の下方には成形治具22が設けられ、石英原料粉供給時および成形時、点線で示す位置にレール11上を移動する台車12に設けられたルツボ成形型2に石英原料粉を供給し成形するようになっている。なお、ルツボ成形型2は筐体14に設けられた扉23を開閉して、筐体14外に取出せるようになっている。
【0033】
次に本第1実施形態の石英ガラスルツボ製造装置を用いた石英ガラスルツボ製造方法について説明する。
【0034】
図1に示すように、レール11上で台車12を成形室14bに移動させ、点線で示す充填成形位置にルツボ成形型2を配置し、原料粉供給装置21から石英原料粉をルツボ成形型2に供給し、回転駆動装置10によりルツボ成形型2を回転させながら成形治具22により石英原料粉をルツボ形状の成形体Pに成形する。しかる後、台車12をレール11上で移動させて、台車12およびルツボ成形型2を加熱溶融室14aに移動させ、ルツボ成形型2をカーボン電極3の真下に位置させる。次に貫通孔5hがカーボン電極3に対向するように蓋体5でルツボ成形型2の開口部2aを覆い、遮断体4を回動させてカーボン電極3の真下、ルツボ成形型2の真上に位置させる。
【0035】
しかる後、アーク放電を開始する。アーク放電開始から約30秒間はアークが不安定であると同時に、電極表面と電極内部の温度差によってカーボン電極3からカーボン微粒子が落下する頻度がそれ以降よりも著しく高くなる。しかし、カーボン電極3の真下、ルツボ成形型2の真上に遮断体4が位置しているので、カーボン電極3から落下するカーボン微粒子は遮断体4で捕獲され、カーボンはルツボ成形型2内の成形体Pに達することはなく、カーボン微粒子が成形体Pに混入することがない。また、これに伴い石英ガラスルツボ内表面への気泡混入を防止することができる。
【0036】
アーク放電開始から一定時間、約30秒経過し、アークが安定した後、遮断体4を回動させて、カーボン電極3の真下、ルツボ成形型2の真上の位置から退去させる。遮断体4の退去後、ワイヤー巻取り装置18を作動させて電極取付部材13を降下させて、アークが安定状態にあるカーボン電極3の先端部3aを蓋体5の貫通孔5hに貫通させ、先端部3aをルツボ成形型2内に挿入する。アークが安定状態にあるカーボン電極3がルツボ成形型2に挿入されるとルツボ成形型2内は高温雰囲気になり、成形体Pは溶融され、石英ガラスルツボが製造される。
【0037】
本第1実施形態の石英ガラスルツボ製造装置1を用いて石英ガラスルツボを製造すれば、カーボン混入防止手段である遮断体4により、アーク放電開始時に、落下するカーボン微粒子を捕獲して、カーボン微粒子が混入しない高純度かつ内表面の気泡が極めて少ない石英ガラスルツボを製造することができる。
【0038】
次に、第1実施形態の第1変形例の石英ガラスルツボ製造装置について説明する。
【0039】
図5および図6に示すように、第1変形例の石英ガラスルツボ製造装置31は、上述した図1に示す第1実施形態の石英ガラスルツボ製造装置1の遮断体4に換えて、カーボン混入防止手段として、カーボン電極32を移動、例えば回転移動させる電極移動装置33を設けたものである。
【0040】
この石英ガラスルツボ製造装置31には、ルツボ成形型34内にアーク放電を行うカーボン電極32が、ルツボ成形型34に対向する上部に昇降自在に設けられている。このカーボン電極32は、3本のカーボン体32p、32p、32pからなり、各々電極取付部材35に逆三角錐状をなすように取付けられている。さらに、この電極取付部材35は石英ガラスルツボ製造装置31を収納する加熱溶融室36aと成形室36bを有する筐体36の天井部37から垂下し主電極支持部材38aと従電極支持部材38bとで一対をなす電極支持部材38に昇降自在に取付けられている。
【0041】
電極取付部材35はワイヤー39を介して天井部37に設けられたモータ駆動のワイヤー巻取り装置40により昇降制御されるようになっており、電極取付部材35を昇降させることにより、カーボン電極32が昇降されるようになっている。
【0042】
電極移動装置33は、ギア機構33aを具備したモータ33b有しており、このモータ33bは、ギア機構33aを介して主電極支持部材38aと結合されている。従電極支持部材38bの上端部38b1は天井部37に設けられた円弧形状に長孔41に摺動自在に支持されている。
【0043】
従って、図6に示すように、電極移動装置33の作動により主電極支持部材38aおよび従電極支持部材38bを回動させ、カーボン電極32をルツボ成形型34の真上の位置から外れた位置、すなわち、ルツボ成形型34の上方投影域外の待機位置(図6中の鎖線で示す位置)に移動することができる。
【0044】
また、図5および図6に示すように、ルツボ成形型34の上方には貫通孔42hが形成された蓋体42が設けられ、この蓋体42により、ルツボ成形型34の開口部34aを覆い、ルツボ成形型34の内部を高温ガス雰囲気にするようになっている。なお、待機位置の下方床上にカーボン受皿43を設けておくのが好ましい。
【0045】
次に、第1変形例の石英ガラスルツボ製造装置を用いた石英ガラスルツボ製造方法について説明する。
【0046】
図5に示すように、成形室36bで成形された成形体Pを収納するルツボ成形型34を加熱溶融室36aに移動させ、ルツボ成形型34をカーボン電極32の真下に位置させる。
【0047】
次に貫通孔42hがカーボン電極32に対向するように蓋体42でルツボ成形型34の開口部34aを覆い、さらに、電極移動装置33の作動により、図6に示すように、主電極支持部材38aおよび従電極支持部材38bを回動させ、カーボン電極32を待機位置(図6中の鎖線で示す位置)に移動させる。
【0048】
しかる後、アーク放電を開始する。アーク放電開始から約30秒間はアークが不安定でカーボン電極32からカーボン微粒子が落下する。しかし、カーボン電極32はルツボ成形型34の上方投影域外の待機位置にあるので、カーボン電極32から落下するカーボン微粒子は、カーボン受皿43に落下する。従って、カーボン微粒子はルツボ成形型2内の成形体Pに達することはなく、カーボン微粒子が成形体Pに混入することがない。
【0049】
アーク放電開始から一定時間、約30秒経過し、アークが安定した後、電極移動装置33の作動により主電極支持部材38aおよび従電極支持部材38bを回動させ、カーボン電極32をルツボ成形型34および蓋体42の貫通孔42hの真上に位置させる。
【0050】
しかる後、ワイヤー巻取り装置40を作動させて電極取付部材35を降下させ、アークが安定状態にあるカーボン電極32の先端部32aを蓋体42の貫通孔42hに貫通させ、先端部32aをルツボ成形型34に挿入する。アークが安定状態にあるカーボン電極32がルツボ成形型34に挿入されるとルツボ成形型34内は高温雰囲気になり、成形体Pは溶融され、カーボン微粒子が混入しない高純度の石英ガラスルツボを製造することができる。
【0051】
次に第1実施形態の第2変形例の石英ガラスルツボ製造装置について説明する。
【0052】
図7に示すように、第2変形例の石英ガラスルツボ製造装置51は、図1に示す第1実施形態の石英ガラスルツボ製造装置1の遮断体4に換えて、カーボン混入防止手段として、ルツボ成形型移動機構52を設けたものである。
【0053】
第2変形例の石英ガラスルツボ製造装置51は、ルツボ成形型53と、このルツボ成形型53を成形体Pの非溶融時、カーボン電極54の下方投影域外の待機位置、例えば、筐体55に形成された成形室55b内の充填成形位置に移動させるルツボ成形型移動機構56と、ルツボ成形型53に対向する上部に昇降自在に設けられ、かつルツボ成形型53内にアーク放電を行うカーボン電極54と、ルツボ成形型53の内部を高温ガス雰囲気にする蓋体57とを有している。
【0054】
ルツボ成形型移動機構52は、レール58と、このレール58上を走行しルツボ成形型53が乗せられた台車59と、この台車59を図7中の実線で示す加熱溶融室55a内の溶融位置と点線で示す成形室55b内の充填成形位置との間で移動させるワイヤー60およびワイヤー駆動モータ61とを有している。
【0055】
成形室55b内にはルツボ成形型移動機構52により移動されたルツボ成形型53に石英粉を供給する原料粉供給装置62と石英粉を成形体Pに成形する成形治具63が設けられている。
【0056】
次に、第2変形例の石英ガラスルツボ製造装置51を用いた石英ガラスルツボ製造方法について説明する。
【0057】
図7および図8に示すように、ルツボ成形型移動機構52のワイヤー駆動モータ61を作動させて、ワイヤー60を水平方向に動かして台車59をレール58で走行させ、台車59およびルツボ成形型53を実線で示す溶融位置から点線で示す充填成形位置に移動させる。しかる後、原料粉供給装置62からルツボ成形型53に石英粉を供給し、成形治具63ににより成形体Pを成形する。成形された成形体Pを収納した状態のままルツボ成形型53を充填成形位置に待機させる。ルツボ成形型53を待機させた状態で、アーク放電を開始する。アーク放電開始から約30秒間はアークが不安定でカーボン電極54からカーボン微粒子が落下する。しかし、カーボン電極54の真下にはルツボ成形型53がなく、カーボン電極54から落下するカーボン微粒子は、カーボン受皿(図示せず)に落下する。
【0058】
しかる後、ワイヤー巻取り装置62を作動させて電極取付部材64を降下させ、アークが安定状態にあるカーボン電極54の先端部54aを蓋体57の貫通孔57hに貫通させ、先端部57aをルツボ成形型53に挿入する。アークが安定状態にあるカーボン電極54がルツボ成形型53に挿入されるとルツボ成形型54内は高温雰囲気になり、成形体Pは溶融され、カーボン微粒子が混入しない高純度の石英ガラスルツボを製造することができる。
【0059】
次に、本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置および製造方法の第2実施形態について説明する。
【0060】
図9および図10に示すように、第2実施形態の石英ガラスルツボ製造装置71は、ルツボ成形型72と、このルツボ成形型72に対向する上部に昇降自在に設けられ、かつルツボ成形型72内にアーク放電を行うカーボン電極73と、ルツボ成形型72の内部を高温ガス雰囲気にする蓋体74と、カーボン電極73のアーク放電時、カーボン電極73に高圧ガスを吹きかけるノズル75を有している。
【0061】
ルツボ成形型72を回動する回転駆動装置76は、レール77上に移動自在に設けられた台車78に取付けられている。
【0062】
カーボン電極73は3本のカーボン体73p、73p、73pからなり、各々電極取付部材79に逆三角錐状をなすように取付けられ、筐体80の天井部81から垂下する電極支持部材82に昇降自在に取付けられている。この電極取付部材79はワイヤー83を介して天井部81に設けられたモータ駆動のワイヤー巻取り装置84より昇降制御されるようになっており、電極取付部材79を降させることにより、カーボン電極73が昇降されるようになっている。
【0063】
石英ガラスルツボ製造装置71を収納する筐体80は、加熱溶融室80aと成形室80bとに区画され、成形室80bは原料粉供給装置85を収納している。この原料粉供給装置85の下方には成形治具86が設けられ、石英原料粉供給時および成形時、点線で示す位置にレール77上を移動する台車78に設けられたルツボ成形型72に石英原料粉を供給し成形するようになっている。
【0064】
蓋体74は、図11に示すように、矩形形状をなす金属製、例えばステンレス製で冷却パイプ87により水冷された板体88で、溶融時、カーボン電極73の先端部73aが貫通し、例えば、図12に示すように、ほぼY字形状に穿設された貫通孔74hが設けられ、かつカーボン電極73に対向する少なくとも下面部74b、好ましくは、全外周面が厚さ1mm以上の石英ガラスより好ましくは合成石英ガラス89で被覆されている。
【0065】
このような蓋体74を用いることによって、従来用いられていた不透明石英ガラス製のものに比べ耐用寿命が向上し、蓋体自身の変形に伴う成形体P内側の温度分布に不均一が生じ、外径の寸法不良が発生したりすることを防止できる。
【0066】
なお、貫通孔74hの形状は開口面積を可能な限り小さくすることが好ましいので、Y字形状が好ましいが、三角形状、円形状あるいは他の複雑形状であってもよい。また、この被覆材料は高純度なものであれば、アルミナ、ジルコニアもしくは、これらの混合体を主成分とする酸化セラミックスを用いてもよい。
【0067】
ノズル75は、蓋体74のわずか上方に配設され、図12ないし図14に示すように、カーボン電極73が低い位置にあるときに、各々のノズル75が、各々のカーボン体73pの側壁部73p1に対向するようになっている。
【0068】
また、カーボン電極73は、少なくともこの先端部73aが蓋体74の下側に位置する範囲において、アーク溶融中に上下方向に移動可能となっており、図13に示すように、カーボン電極73の先端73aがルツボ型72内に挿入された状態で成形体Pの溶融を行い、図14に示すように、カーボン電極73が上昇中もしくは、上記範囲の上死点に達した時点で、ノズル75からカーボン電極73の外側の側壁部73p1に空気、窒素ガス、他の不活性ガスなどの高圧ガスを吹きかけるように、図示しない制御機構によってカーボン電極の移動機構とノズルのガス吹きかけ機構を調整するようになっている。
【0069】
また、上記ノズルのガス吹きかけ機構において、図示しない制御機構によって、例えば3本にノズル各々からのガス吹きかけを時間をずらして順次行うように調整するようになっている。
【0070】
なお、ノズル75は図12に示すように、排出孔がノズル75に横長方向に配置してもよく、また、縦長方向に配置してもよい。
【0071】
この成形体Pの溶融工程において、図13に示すように、先端部73aがルツボ成形型72に挿入された状態で30秒〜4分間アーク放電を行い、その後アーク放電を行ったまま、ワイヤー巻取り装置84を作動させて電極取付部材77をゆっくり上昇させながら、カーボン体73pの側壁部73p1に対して、ノズル75から各ノズル毎に順次時間差をつけて高圧窒素ガスを吹かけ、石英ガラスルツボ(成形体)内表面から蒸発し、カーボン体73pの図5に示す側壁部73p1に付着した珪素酸化物を除去する。
【0072】
なお、カーボン体73pの先端部73a付近は高温になるため珪素酸化物が付着しにくいので、通常は高圧窒素ガスを吹付つける必要がない。
【0073】
このように各ノズル毎に順次時間差をつけて高圧窒素ガスを吹付つけずに、複数同時に行うと、高圧窒素ガスが蓋体74の貫通孔74hの上方でぶつかり合い、珪素酸化物が下方に落下するおそれがある。
【0074】
溶融工程中、上記サイクル時間でカーボン電極73の昇降を繰返して珪素酸化物の除去を行うが、この除去工程において、高圧窒素ガスが時間差をおいて、各々のカーボン体73pに吹かけられるので、カーボン体73pから除去された珪素酸化物は水平方向に吹飛ばされ、貫通孔74hからルツボ成形型72内に落下することがなく、成形体Pを珪素酸化物で汚染することがない。
【0075】
なお、ノズル75からの高圧窒素ガスの吹きかけは、上述の通りカーボン体73pが上昇中に行われてもよいが、カーボン体73pの先端部73aが蓋体74の下面部74bより上方にこない範囲で上死点を設け、ここで停止した状態で行ってもよい。カーボン体73pを上昇させる際には、アーク放電を停止することなく、上昇中においても、ルツボ成形型内側空間を所定の高温に保持することが重要である。これによって、製造される石英ガラスルツボの均質性を確保することができる。また、ノズル6のガス排出孔を水平ではなく、やや上方に傾けることによって、蓋体74の貫通孔74hから、石英ガラスルツボ内に珪素酸化物が落下することをより効果的に防止することができる。
【0076】
さらに、蓋体74が、ルツボ成形型72の開口部72aを覆い、成形用型72内を高温雰囲気に保つようにしているが、図11に示すように、蓋体74は水冷され、合成石英ガラス89で被覆されているので、耐熱性が向上して寿命が延び、さらに合成石英ガラス89で被覆しているので、製造される石英ガラスルツボを金属汚染することもない。
【0077】
本第2実施形態の石英ガラスルツボ製造装置71を用いて石英ガラスルツボを製造すれば、石英ガラスルツボ内に珪素酸化物の落下がない、高純度、かつ内表面の気泡が極力低減された石英ガラスルツボを製造することができる。
【0078】
次に、本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置および製造方法の第3実施形態について説明する。
【0079】
本第3実施形態の石英ガラスルツボ製造装置は、第1実施形態の石英ガラスルツボ製造装置に第2実施形態で用いたカーボン電極に高圧ガスを吹付けるノズルを設けたものである。
【0080】
図15に示すように、第3実施形態の石英ガラスルツボ製造装置91は、ルツボ成形型92と、このルツボ成形型92に対向する上部に昇降自在に設けられ、かつルツボ成形型92内にアーク放電を行うカーボン電極93と、図16および図17に示すように、このカーボン電極93のアーク放電開始時、カーボン電極93から落下するカーボン微粒子が成形体Pに混入するのを防止するカーボン混入防止手段、例えば皿形状の遮断体94と、ルツボ成形型92の内部を高温ガス雰囲気にする蓋体95と、カーボン電極93のアーク放電時、カーボン電極93に高圧ガスを吹付けるノズル96とを有している。
【0081】
ルツボ成形型92を回動する回転駆動装置93は、レール94上に移動自在に設けられた台車95に取付けられている。
【0082】
カーボン電極93は3本のカーボン体93p、93p、93pからなり、各々電極取付部材96に逆三角錐状をなすように取付けられ、さらに、この電極取付部材93は石英ガラスルツボ製造装置91を収納する筐体97の天井部98から垂下する電極支持部材99に昇降自在に取付けられている。従って、電極取付部材96はワイヤー99を介して天井部98に設けられたモータ駆動のワイヤー巻取り装置100により昇降制御されるようになっており、電極取付部材96を昇降させることにより、カーボン電極93が昇降されるようになっている。
【0083】
遮断体94は、電極支持部材96の下端部に軸支され石英ガラス製で、ルツボ成形型92とこのルツボ成形型92の上方に設けられたカーボン電極93との間に挿脱自在に設けられ、カーボン電極93のアーク放電開始時には、カーボン電極93の真下、ルツボ成形型92の真上に位置して、カーボン電極93から落下するカーボン微粒子を捕獲し、カーボン微粒子がルツボ成形型92内に落下しないようになっている。
【0084】
また、アーク放電による成形体Pの溶融時には、遮断体94は回動されて、図16中に鎖線で示すように、カーボン電極93とルツボ成形型92との間から退去され、カーボン電極93が降下して、先端部93aがルツボ成形型92内に挿入されるのを妨げないようになっている。
【0085】
蓋体95は、アーク放電による成形体Pの溶融時、ルツボ成形型92の開口部92aを覆い、ルツボ成形型92内を高温ガス雰囲気にするためのものである。
【0086】
ノズル96は、蓋体95のわずか上方に配設され、各々のノズル96が、各々のカーボン体93pの側壁部93p1に対向するようになっている。
【0087】
また、カーボン電極93は、少なくともこの先端部93aが蓋体95の下側に位置する範囲において、アーク溶融中に上下方向に移動可能となっており、図18に示すように、カーボン電極93の先端93aがルツボ型92内に挿入された状態で成形体Pの溶融を行い、図19に示すように、カーボン電極93が上昇中もしくは、上記範囲の上死点に達した時点で、ノズル95からカーボン電極93の外側の側壁部93p1に空気、窒素ガス、他の不活性ガスなどの高圧ガスを吹きかけるように、図示しない制御機構によってカーボン電極の移動機構とノズルのガス吹きかけ機構を調整するようになっている。
【0088】
また、上記ノズルのガス吹きかけ機構において、図示しない制御機構によって、例えば3本にノズル各々からのガス吹きかけを時間をずらして順次行うように調整するようになっている。
【0089】
次に本第3実施形態の石英ガラスルツボ製造方法について説明する。
【0090】
最初に成形室97bで成形体Pが成形されたルツボ成形型92を加熱溶融室97aに移動させ、ルツボ成形型92をカーボン電極93の真下に位置させる。次に貫通孔95hがカーボン電極3に対向するように蓋体95でルツボ成形型92の開口部92aを覆い、遮断体94を回動させてカーボン電極93の真下、ルツボ成形型92の真上に位置させる。
【0091】
しかる後、カーボン電極93のアーク放電を開始する。アーク放電開始から約30秒間はアークが不安定でカーボン電極93からカーボン微粒子が落下する。しかし、カーボン電極93の真下、ルツボ成形型92の真上に遮断体94が位置しているので、カーボン電極93から落下するカーボン微粒子は遮断体94で捕獲され、カーボン微粒子はルツボ成形型92内の成形体Pに達することはなく、カーボン微粒子が成形体Pに混入することがない。
【0092】
アーク放電開始から一定時間、約30秒経過し、アークが安定した後、遮断体94を回動させて、カーボン電極93の真下、ルツボ成形型92の真上の位置から退去させる。
【0093】
遮断体94の退去後、ワイヤー巻取り装置100を作動させて電極取付部材96を降下させて、アークが安定状態にあるカーボン電極93の先端部93aを蓋体95の貫通孔95hに貫通させ、先端部93aをルツボ成形型92内に挿入する。アークが安定状態にあるカーボン電極93がルツボ成形型92に挿入されるとルツボ成形型2内は高温雰囲気になり、成形体Pは溶融されてカーボン微粒子が混入しない高純度の石英ガラスルツボが製造される。
【0094】
この成形体Pの溶融工程において、図18に示すように、先端部93aがルツボ成形型92に挿入された状態で30秒〜4分間アーク放電を行い、図19に示すように、その後アーク放電を行ったまま、板体巻取り装置100を作動させて電極取付部材96をゆっくり上昇させながら、カーボン体93pの側壁部93p1に対して、各ノズル96から順次時間差をつけて高圧窒素を吹かけ、石英ガラスルツボ(成形体)内表面から蒸発し、カーボン体93pの側壁部93p1に付着した珪素酸化物を除去する。
【0095】
ノズル96からの高圧窒素ガスの吹きかけは、上記の通りカーボン体93pが上昇中に行われてもよいが、カーボン体93pの先端部93aが蓋体95の下面部95bより上方にこない範囲で上死点を設け、ここで停止した状態で行ってもよい。カーボン体93pを上昇させる際には、アーク放電を停止することなく、上昇中においても、ルツボ成形型内側空間を所定の高温に保持することが重要である。これによって、製造される石英ガラスルツボの均質性を確保することができる。
【0096】
溶融工程中、上記サイクル時間でカーボン電極93の昇降を繰返して除去を行うが、この除去工程において、高圧窒素が時間差を設けて、各々のアークカーボン93pに吹付けられるので、アークカーボン93pから除去された珪素酸化物は水平方向に吹飛ばされ、貫通孔95hからルツボ成形型92内に落下することがなく、成形体Pを珪素酸化物で汚染することがない。
【0097】
上記のように本第3実施形態に石英ガラスルツボ製造装置91は、遮断板94により溶融開始時にアークカーボン93pから落下するカーボン微粒子が、遮断体94で捕獲され、成形体Pに混入することがなく、また、溶融工程中カーボン電極93に付着する珪素酸化物がノズル96によって吹飛ばされるので、貫通孔95hからルツボ成形型92内に落下することがない。従って、遮断板94とノズル96の相乗作用によって、カーボン微粒子および珪素酸化物が混入しない高純度、かつ内表面の気泡が極力低減された石英ガラスルツボを製造することができる。
【0098】
【発明の効果】
本発明に係わる石英ガラスルツボおよびその製造方法によれば、特に内表面の不純物が極力低減された石英ガラスルツボを製造できる石英ガラスルツボの製造装置および製造方法を提供することができる。
【0099】
すなわち、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、ルツボ成形型の開口部に先端部が挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時、カーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段とを有するので、カーボン電極から成形体に落下するカーボンをなくし、高純度、かつこの落下に伴い発生する気泡が内表面にほとんど存在しない石英ガラスルツボを製造することができる。
【0100】
また、カーボン混入防止手段は、ルツボ成形型とこのルツボ成形型の上方に設けられたカーボン電極との間に挿脱自在に設けられた遮断体であるので、構造が簡単でかつ確実にカーボン電極から落下するカーボンを捕獲することができる。
【0101】
また、遮断体は石英ガラス製で皿形状を有するので、落下するカーボンを確実に捕獲することができると共に、製造される石英ガラスルツボと同材質であるので、石英ガラスルツボを汚染することがなく、高純度の石英ガラスルツボを製造することができる。
【0102】
また、他の1つのカーボン混入防止手段は、アーク放電開始時、カーボン電極をルツボ成形型の上方投影域外に待機させるカーボン電極回動機構であるので、構造が簡単でかつカーボンが成形体に混入するのを確実に防ぐことができる。
【0103】
また、他のもう1つのカーボン混入防止手段は、アーク放電開始時、ルツボ成形型をカーボン電極の下方投影域外に位置させるルツボ成形型移動機構であるので、ルツボ成形型が充填成形位置にあるときを利用してアーク放電開始を行うことができるので、特別な装置を設けることなく、構造が簡単でかつカーボンが成形体に混入するのを確実に防ぐことができる。
【0104】
ルツボ成形型の開口物を塞ぎ中央部に貫通孔が形成された蓋体の上方に配置され、上下方向に移動可能に設けられた複数のアーク放電用カーボン電極の各々の側壁部に高圧ガスを吹きかけるノズルを有するので、カーボン電極に付着した珪素酸化物を確実に除去することにより、酸化珪素が成形体に落下するの確実に防止でき、高純度、かつこの落下に伴い発生する気泡が内表面にほとんど存在しない石英ガラスルツボを製造することができる。
【0105】
蓋体の貫通孔にカーボン電極の先端部を挿通し、アーク放電によってルツボ形状の成形体を溶融している間に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、上記カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、上記ノズルより高圧ガスを吹きかけるようにカーボン電極の移動機構とノズルのガス吹きかけ機構を調整する制御機構を有するので、ノズルによりカーボン電極の各部位に付着した珪素酸化物を確実に除去することにより、酸化珪素が成形体に落下するのを確実に防止でき、高純度、かつこの落下に伴い発生する気泡が内表面にほとんど存在しない石英ガラスルツボを製造することができる。
【0106】
ノズルが、複数のカーボン電極の各々の電極の外周側に配置されており、各ノズルからの吹きかけを時間をずらして順次行うように調整する制御機構を有するので、カーボン電極から除去された珪素酸化物が、貫通孔から成形体に落下するのを確実に防止できる。
【0107】
蓋体の少なくとも下面部が石英ガラスで被覆された金属製体によって構成されたいるので、耐熱性が向上し、製造される石英ガラスルツボを金属汚染することがない。
【0108】
上下方向に移動可能に設けられ、溶融時、蓋体の貫通孔に挿通される複数のアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時にカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段と、アーク放電用カーボン電極の各々の側壁部に高圧ガスを吹きかけるノズルを有するので、カーボン混入防止手段とノズルの相乗作用によって、カーボン微粒子および珪素酸化物が混入しない高純度、かつこの混入に伴い発生する気泡が内表面にほとんど皆無の石英ガラスルツボを製造することができる。
【0109】
カーボン電極による成形体の溶融に先立って、カーボン混入防止手段によりカーボンから落下するカーボンが成形体に混入しないようにした後、アーク放電を開始し、所定時間経過後、アーク放電が行われているカーボン電極の先端部をルツボ成形型に挿入し、成形体を溶融するので、カーボン電極から成形体に落下するカーボンをなくし、高純度、かつこの落下に伴い発生する気泡が内表面にほとんど存在しない石英ガラスルツボを製造することができる。
【0110】
成形体の溶融を行っている間に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、ノズルより高圧ガスを吹きかけるので、珪素酸化物を確実に除去できる。
【0111】
ノズルを複数のカーボン電極の各々の電極の外周側に配置し、各ノズルからの吹きかけを時間をずらして順次行うようにするので、カーボン電極から除去された珪素酸化物が、貫通孔から成形体に落下するの確実に防止できる。
【0112】
カーボン電極による成形体の溶融に先立って、カーボン混入防止手段によりカーボンから落下するカーボンが成形体に混入しないようにした後、アーク放電を開始し、所定時間経過後、アーク放電が行われているカーボン電極の先端部をルツボ成形型に挿入して成形体の溶融を行い、溶融を行っている間に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、ノズルより高圧ガスを吹きかけるので、カーボン混入防止手段とノズルの相乗作用によって、カーボン微粒子および珪素酸化物が混入しない高純度、かつこの混入に伴い発生する気泡が内表面にほとんど皆無の石英ガラスルツボを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第1実施形態の概念図。
【図2】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第1実施形態の断面図。
【図3】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第1実施形態に用いられるカーボン混入防止手段の動作説明図。
【図4】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置に用いられるカーボン混入防止手段の動作説明図。
【図5】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第1実施形態の第1変形例の概念図。
【図6】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第1実施形態の第1変形例のカーボン混入防止手段の動作説明図。
【図7】 本発明に係わる石英ガラスルツボの製造装置の第1実施形態の第2変形例の概念図。
【図8】 本発明に係わる石英ガラスルツボの製造装置の第1実施形態の第2変形例のカーボン混入防止手段の動作説明図。
【図9】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第2実施形態の概念図。
【図10】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第2実施形態の断面図。
【図11】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第2実施形態に用いられる蓋体の断面図。
【図12】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第2実施形態に用いられるノズルの配置状態を示す説明図。
【図13】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第2実施形態に用いられるカーボン電極とノズルの関係を示す説明図。
【図14】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第2実施形態に用いられるノズルの動作状態を示す説明図。
【図15】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第3実施形態の断面図。
【図16】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第3実施形態に用いられる遮断体とノズルを示す説明図。
【図17】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第3実施形態に用いられる遮断体とノズルを示す説明図。
【図18】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第3実施形態に用いられるカーボン電極とノズルの関係を示す説明図。
【図19】 本発明に係わる石英ガラスルツボ製造装置の第3実施形態に用いられるノズルの動作状態を示す説明図。
【図20】 従来の石英ガラスルツボの製造装置の概念図。
【符号の説明】
1 石英ガラスルツボ製造装置
2 ルツボ成形型
2a 開口部
3 カーボン電極
3a 先端部
3p カーボン体
4 カーボン混入防止手段(遮断体)
5 蓋体
5b 下面部
5h 貫通孔
7 保持体
8 カーボン型
9 回転軸
10 回転駆動装置
11 レール
12 台車
13 電極取付部材
14 筐体
14a 加熱溶融室
14b 成形室
15 天井部
16 電極支持部材
17 ワイヤー
18 ワイヤー巻取り装置
19 仕切扉
20 仕切板
21 原料粉供給装置
22 成形治具
23 扉
31 石英ガラスルツボ製造装置
32 カーボン電極
32p カーボン体
33 電極移動装置
34 ルツボ成形型
35 電極取付部材
36 筐体
36a 加熱溶融室
36b 成形室
37 天井部
38a 主電極支持部材
38b 従電極支持部材
38b 電極支持部材
38b1 上端部
39 ワイヤー
40 ワイヤー巻取り装置
41 長孔
42 蓋体
42h 貫通孔
43 カーボン受皿
51 石英ガラスルツボ製造装置
52 ルツボ成形型移動機構
53 ルツボ成形型
54 カーボン電極
55 筐体
55a 加熱溶融室
55b 成形室
56 ルツボ成形型移動機構
57 蓋体
58 レール
59 台車
60 ワイヤー
61 ワイヤー駆動モータ
62 原料粉供給装置
63 成形治具
64 電極取付部材
71 石英ガラスルツボ製造装置
72 ルツボ成形型
72a 開口部
73 カーボン電極
73h 貫通孔
73p カーボン体
73p1 側壁部
74 蓋体
74b 下面部
75 ノズル
76 回転駆動装置
77 レール
78 台車
79 電極取付部材
80 筐体
80a 加熱溶融室
80b 成形室
81 天井部
82 電極支持部材
83 ワイヤー
84 ワイヤー巻取り装置
85 原料粉供給装置
86 成形治具
87 冷却パイプ
88 板体
89 合成石英ガラス
91 石英ガラスルツボ製造装置
92 ルツボ成形型
92a 開口部
93 カーボン電極
93a 先端部
93p カーボン体
93p1 側壁部
94 遮断体
95 蓋体
95b 下面部
96 ノズル
97 筐体
98 天井部
99 電極支持部材
100 ワイヤー巻取り装置

Claims (13)

  1. 開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、ルツボ成形型の開口部に先端部が挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時にカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段とを有し、このカーボン混入防止手段は、ルツボ成形型とこのルツボ成形型の上方に設けられたカーボン電極との間に挿退自在に設けられた遮断体であることを特徴とするする石英ガラスルツボ製造装置。
  2. 上記遮断体は石英ガラス製で皿形状を有することを特徴とする請求項に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  3. 開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、ルツボ成形型の開口部に先端部が挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時にカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段とを有し、このカーボン混入防止手段は、アーク放電開始時、カーボン電極をルツボ成形型の上方投影域外に待機させるカーボン電極回動機構であることを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置。
  4. 開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、ルツボ成形型の開口部に先端部が挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、このカーボン電極のアーク放電開始時にカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止するカーボン混入防止手段とを有し、このカーボン混入防止手段は、アーク放電開始時、ルツボ成形型をカーボン電極の下方投影域外に待機させるルツボ成形型移動機構であることを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置。
  5. 開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、前記開口部を覆うようにルツボ成形型の上方に配置され、この中央部に貫通孔が形成された蓋体と、前記蓋体の上方に配置され、上下方向に移動可能に設けられた複数のアーク放電用カーボン電極と、前記カーボン電極各々の側壁部に高圧ガスを吹きかけるノズルを有することを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置。
  6. 上記蓋体の貫通孔に上記カーボン電極の先端部を挿通し、アーク放電によって上記ルツボ形状の成形体を溶融中に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、上記カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、上記ノズルより高圧ガスを吹きかけるようにカーボン電極の移動機構とノズルのガス吹きかけ機構を調整する制御機構を有することを特徴とする請求項に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  7. 上記ノズルが、複数のカーボン電極の各々の電極の外周側に配置されており、各ノズルからの吹きかけを時間をずらして順次行うように調整する制御機構を有することを特徴とする請求項に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  8. 上記蓋体の少なくとも下面部が石英ガラスで被覆された金属製体によって構成されていることを特徴とする請求項に記載の石英ガラスルツボ製造装置。
  9. 開口部から供給された石英原料粉を回転しながらルツボ形状の成形体に成形し、アーク放電により成形体を溶融するルツボ成形型と、前記開口部を覆うようにルツボ成形型の上方に配置され、この中央部に貫通孔が形成された蓋体と、アーク放電開始時および溶融時に配置位置が移動可能に設けられ、溶融時、前記蓋体の貫通孔に挿通され、かつ先端部が前記ルツボ成形型の開口部に挿入されて石英原料粉を溶融するアーク放電用カーボン電極と、アーク放電開始時に前記カーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入するのを防止する遮断体と、前記カーボン電極各々の側壁部に高圧ガスを吹きかけるノズルとを有することを特徴とする石英ガラスルツボ製造装置。
  10. ルツボ成形型の開口部から供給された石英原料粉を回転させながらルツボ形状の成形体に成形し、カーボン電極による成形体の溶融に先立って、遮断体をルツボ成形型とこのルツボ成形型の上方に設けられたカーボン電極との間に挿入状態にし、もしくは、カーボン電極回動機構によりカーボン電極をルツボ成形型の上方投影域外に待機させ、または、ルツボ成形型移動機構によりルツボ成形型をカーボン電極の下方投影域外に待機させてカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入しないようにした後、アーク放電を開始し、所定時間経過後、アーク放電が行われているカーボン電極の先端部をルツボ成形型に挿入し、成形体を溶融することを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法。
  11. ルツボ成形型の開口部から供給された石英原料粉を回転させながらルツボ形状の成形体に成形し、中央部に貫通孔が形成された蓋体で開口部を覆い、貫通孔にアーク放電用のカーボン電極の先端部を挿通した後、アーク放電を行って成形体の溶融を行い、この溶融中に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、ノズルより高圧ガスを吹きかけることを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法。
  12. 上記ノズルを複数のカーボン電極の各々の電極の外周側に配置し、各ノズルからの吹きかけを時間をずらして順次行うようにすることを特徴とする請求項11に記載の石英ガラスルツボ製造方法。
  13. ルツボ成形型の開口部から供給された石英原料粉を回転させながらルツボ形状の成形体に成形し、カーボン電極による成形体の溶融に先立って、ルツボ成形型とこのルツボ成形型の上方に設けられたカーボン電極との間に挿退自在に設けられた遮断体を挿入状態にしてカーボン電極から落下するカーボンが成形体に混入しないようにした後、アーク放電を開始し、所定時間経過後、アーク放電が行われているカーボン電極の先端部をルツボ成形型に挿入して成形体の溶融を行い、この溶融中に、少なくともカーボン電極の先端部が蓋体の下側に位置する範囲内でカーボン電極を上下方向に移動せしめ、カーボン電極が上昇中もしくは上死点に達した時点で、ノズルより高圧ガスを吹きかけることを特徴とする石英ガラスルツボ製造方法。
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