JP3647633B2 - パーキングブレーキケーブルの張力調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はパーキングブレーキ装置に係り、特に、パーキングブレーキケーブルの張力を調整する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等の車両用パーキングブレーキ装置は、(a) パーキングブレーキ操作手段とパーキングブレーキとの間に配設され、そのパーキングブレーキ操作手段のブレーキ操作時に引っ張られるパーキングブレーキケーブルを備えているのが普通であるが、このようなパーキングブレーキ装置の一種に、(b) 回転不能に保持された第1ねじ部材に対するねじ込み量が変更されることによってパーキングブレーキケーブルの張力を調整する第2ねじ部材を有する張力調整装置を備えているものがある。実公平3−31644号公報に記載されている装置はその一例で、パーキングブレーキ操作手段は手動操作されるパーキングブレーキレバーである一方、第2ねじ部材には鋸歯形状の外周歯が設けられ、調整部材との係合によってケーブル張力を調整するようになっているとともに、過大な操作力が加えられた場合にはばね力に抗して調整部材が逃げることにより張力調整を行わないようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の張力調整装置においては、パーキングブレーキ操作手段を操作して第1ねじ部材と第2ねじ部材とのねじ込み量を調整する必要があるため、車両組付け当初の初期調整時の作業が面倒で時間がかかるという問題があった。また、構造が複雑で部品点数が多いとともに、鋸歯形状の外周歯のピッチで張力の調整幅が決まるため細かい張力調整を行うことができないという問題もあった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、張力の調整作業を容易且つ迅速に極め細かく行うことができるとともに、構造が簡単で安価な張力調整装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、パーキングブレーキ操作手段とパーキングブレーキとの間に配設され、そのパーキングブレーキ操作手段のブレーキ操作時に引っ張られるパーキングブレーキケーブルと、回転不能に保持された雄ねじ部材に対するねじ込み量が変更されることによって前記パーキングブレーキケーブルの張力を調整する雌ねじ部材とを有するパーキングブレーキケーブルの張力調整装置において、(a) 前記雌ねじ部材と同心に且つ相対回転可能に配設されるとともに、前記張力を増大させる際の雌ねじ部材の回転方向と同じ調整回転方向へ回転駆動される入力部材と、(b) その入力部材および前記雌ねじ部材の一方に相対回転不能に係止されるとともに他方に自身のばね力に従って密着させられ、その入力部材が前記調整回転方向へ回転駆動される際に、他方の部材との間の摩擦力に応じた所定のクラッチトルクで動力伝達を行うとともに、そのクラッチトルクを越えるとスリップさせられるクラッチスプリングとを有すると共に、(c) 前記入力部材は、前記雌ねじ部材から突き出す前記雄ねじ部材に螺合される雌ねじを有し、その雌ねじ部材に対して僅かに離間した状態で前記クラッチスプリングを介してその雌ねじ部材を一体的に前記調整回転方向へ回転させる一方、そのクラッチスプリングのスリップで雌ねじ部材が回転停止した後も雄ねじ部材にねじ込まれて雌ねじ部材に当接させられることにより、雌ねじ部材を雄ねじ部材に固定するものであることを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
このようなパーキングブレーキケーブルの張力調整装置においては、入力部材を調整回転方向へ回転駆動することによりクラッチスプリングを介して雌ねじ部材が入力部材と共に回転させられ、雄ねじ部材とのねじ込み量が変更されてパーキングブレーキケーブルの張力が増大させられる一方、クラッチスプリングのクラッチトルクを越えると、クラッチスプリングのスリップにより入力部材が雌ねじ部材に対して相対回転させられ、それ以上の張力調整が不能となる。したがって、クラッチスプリングがスリップするまで入力部材を回転駆動するだけでパーキングブレーキケーブルを所定の張力に調整でき、張力の初期調整作業やメンテナンス時の調整作業を容易且つ迅速に行うことができる。
【0007】
また、部品点数が少なく、小さなスペースに装着することが可能であるとともに、装置が簡単且つ安価に構成される。雄ねじ部材と雌ねじ部材とのねじ込み量の変更に伴って張力が連続的に増大させられ、クラッチスプリングがスリップし始めた時点の張力に調整されるため、従来のように鋸歯によって調整する場合に比較して張力のばらつきが少なく、高い信頼性が得られる。
【0008】
また、入力部材は雄ねじ部材に螺合されてロックナットとして機能するようになっており、クラッチスプリングのスリップで雌ねじ部材が回転停止した後も雄ねじ部材にねじ込まれて雌ねじ部材に当接させられることにより、雌ねじ部材を雄ねじ部材に対して固定するため、車両走行時の振動などで雌ねじ部材の雄ねじ部材に対するねじ込み量が変化してパーキングブレーキケーブルの張力が変化する恐れがない。
【0009】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明のパーキングブレーキ操作手段は、手動操作されるパーキングブレーキレバーや足踏み操作されるパーキングブレーキペダルなど種々の態様を採用できる。雄ねじ部材および雌ねじ部材は、パーキングブレーキ操作手段とパーキングブレーキケーブルの端部との間に好適に配設されるが、パーキングブレーキ側に配設することもできるし、パーキングブレーキケーブルの中間部、例えばイコライザ部等に配設することも可能である。
【0010】
雄ねじ部材および雌ねじ部材の配設形態は、例えば、パーキングブレーキケーブルの端部に一体的に雄ねじ部材を連結し、パーキングブレーキ操作手段に固設された保持部材により軸まわりの回転不能且つ軸方向の移動可能に保持する一方、その保持部材から突き出す雄ねじ部材に雌ねじ部材を螺合するとともに、その雌ねじ部材が保持部材に着座させられることにより、パーキングブレーキケーブルの引張方向への移動を阻止し、且つ雄ねじ部材に対するねじ込み量を変更して張力を調整するように構成される。また、軸まわりの回転不能且つ軸方向の移動不能に車体等に配設された雄ねじ部材に雌ねじ部材を螺合するとともに、その雌ねじ部材にパーキングブレーキケーブルを係止し、雌ねじ部材の雄ねじ部材に対するねじ込み量を変更して張力を調整するようにしても良い。
【0011】
クラッチスプリングとしては捩りコイルスプリングが好適に用いられ、入力部材および雌ねじ部材のうちクラッチスプリングが密着させられる他方の部材には、その捩りコイルスプリングが密着させられる円筒部(円筒外周面または円筒内周面)を設けることが望ましい。クラッチスプリングは、パーキングブレーキ操作手段を原位置(非制動位置)に保持した状態で張力調整を行う場合には、一方の部材と共に調整回転方向へ回転駆動される際に他方の部材に対して緩み勝手となるように、その他方の部材に巻回することが望ましいが、ばね力や摩擦係数、張力調整時のパーキングブレーキ操作手段の位置などにより、締まり勝手となるように巻回することも可能である。
【0012】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1および図2において、10は一対の脚部12および14によって車体のフロア16に固定されるセクタであり、このセクタ10にはパーキングブレーキ操作手段としての操作レバー(パーキングブレーキレバー)18が支持ピン20によって回動可能に取り付けられているとともに、支持ピン20の軸心を中心として円弧形状に形成された外周部には多数の係止歯(ラチェット)22が設けられている。操作レバー18は、円筒形状を成す操作部24と、一対の側壁26および28を備えて断面ほぼコの字形状を成す取付部30とから構成されており、その取付部30が前記セクタ10を跨いで配設され、支持ピン20によってそのセクタ10に取り付けられている。取付部30の内部には、前記セクタ10に設けられた係止歯22に係合可能なポール32が、支持ピン20と平行なピン34によって回動可能に取り付けられており、そのポール32はロッド36を介して操作部24の先端から突き出す図示しないノブに連結されている。ロッド36は図示しない付勢手段によって常にはポール32を係止歯22と係合する方向へ回動させるように付勢されており、これにより、操作レバー18の図1における左まわり方向の回動が阻止されるが、付勢手段の付勢力に抗してノブが操作部24内に押込み操作されることにより、ポール32と係止歯22との係合が解かれて操作レバー18の原位置に向かう回動操作が許容されるようになっている。図1は、操作レバー18が原位置に保持されている状態である。
【0013】
操作レバー18の一方の側壁28の基端部、すなわち前記支持ピン20に取り付けられた側の端部は、他方の側壁26よりも大きくされてフロア16の開口38から下方へ突き出しており、その外周部の外側にはガイド部材40が固設されて、側壁28との間に外周側へ開く円弧状のガイド溝42が形成されている。そして、一端部が図示しない車輪のパーキングブレーキに連結されたパーキングブレーキケーブル(以下、単にケーブルという)44の他端部が、ガイド溝42に案内されてフロア16の開口38から上方に導かれ、側壁28の外側に配設されたアジャストボルト46に連結されている。なお、フロア16の開口38にはダストカバー48が設けられている。
【0014】
アジャストボルト46は雄ねじ部材に相当するもので、図3および図4に詳しく示されている張力調整装置50の一構成部品であり、断面が四角形の位置決め部46aおよびその位置決め部46aからケーブル44の延長線上に突き出す雄ねじ部46bを備えている。位置決め部46aは、側壁28に固設された保持部材52によって軸まわりの回転不能且つ軸方向の移動可能に保持されている。図3は縦断面図で、図4は分解斜視図である。
【0015】
張力調整装置50は、上記雄ねじ部46bに螺合される第1ナット部材54と、その第1ナット部材54の外周側に配設されたねじりコイルスプリング56と、第1ナット部材54と同心に且つ相対回転可能に配設されて雄ねじ部46bに螺合された第2ナット部材58とを備えている。第1ナット部材54は雌ねじ部材に相当するもので、ワッシャ60を介して保持部材52上に着座させられることにより、ケーブル44の引張方向すなわち図3、図4における下方への移動が阻止され、その状態で雄ねじ部46bとのねじ込み量が増大する回転方向(図3、図4の上方側から見て右まわり方向)へ回転駆動されると、アジャストボルト46が上方へ引き上げられてケーブル44の張力が上昇させられる。
【0016】
ねじりコイルスプリング56はクラッチスプリングとして機能するもので、第1ナット部材54の円筒部54aの外周面に自身のばね力で密着させられているとともに、一端部56aは上側へ延び出して前記第2ナット部材58に形成されたフック58aに係止され、第2ナット部材58と一体的に回転させられるようになっている。第2ナット部材58は入力部材に相当するもので、上端部には六角形状の工具係止部58bが一体に設けられている。工具係止部58bの中央には、前記アジャストボルト46の雄ねじ部46bと螺合させられる雌ねじが形成されている。
【0017】
そして、前記張力を増大させる際の第1ナット部材54の回転方向と同じ調整回転方向Rへ第2ナット部材58がインパクトレンチ等によって回転駆動されると、ねじりコイルスプリング56と第1ナット部材54との間の摩擦力に対応する所定のクラッチトルク以下で第1ナット部材54にトルクが伝達され、第1ナット部材54の回転抵抗(具体的には、ケーブル44の張力に基づく雄ねじ部46b、ワッシャ60との間の摩擦)がそのクラッチトルクよりも小さければ、第1ナット部材54が第2ナット部材58と共に回転させられてアジャストボルト46とのねじ込み量が増大させられる。第1ナット部材54が回転する張力調整時には、第2ナット部材58は第1ナット部材54に対して僅かに離間させられ、ねじりコイルスプリング56を介して両ナット部材54、58は略一体的に回転させられて雄ねじ部46bにねじ込まれる。
【0018】
また、第1ナット部材54の回転抵抗がクラッチトルクよりも大きいと、ねじりコイルスプリング56と第1ナット部材54との間で滑り(スリップ)が生じ、第2ナット部材58が第1ナット部材54に対して相対回転させられる。第1ナット部材54が回転停止した後も第2ナット部材58を更に調整回転方向Rへ回転させると、第2ナット部材58は第1ナット部材54に当接させられ、両ナット部材54、58の間に作用する反力で雄ねじ部46bとの間の摩擦力が増大させられ、これにより両ナット部材54、56が雄ねじ部46bに一体的に固定される。図3は、このように第2ナット部材58が第1ナット部材54に当接させられた状態である。なお、操作レバー18の側壁28には、第2ナット部材58や工具との干渉を防止するために切欠62が形成されている。
【0019】
このような本実施例の張力調整装置50においては、ねじりコイルスプリング56がスリップして第1ナット部材54に対して相対回転するまで第2ナット部材58を調整回転方向Rへ回転駆動するだけでケーブル44を所定の張力に調整できるため、張力の初期調整作業やメンテナンス時の調整作業を容易且つ迅速に行うことができる。なお、ねじりコイルスプリング56は、第2ナット部材58が調整回転方向Rへ回転駆動される際に、第1ナット部材54に対して緩み勝手となるように配設されており、そのクラッチトルクは比較的小さく、操作レバー18が図1に示す原位置(非制動位置)に保持されている状態で調整作業を行うことにより、ケーブル44が所定の張力に調整されるようになっている。
【0020】
また、このような張力調整装置50によれば部品点数が少なく、操作レバー18の小さなスペースに好適に装着できるとともに、装置が簡単且つ安価に構成される。更に、アジャストボルト46と第1ナット部材54とのねじ込み量に応じて張力が連続的に増大させられ、ねじりコイルスプリング56がスリップし始めた時点の張力に調整されるため、従来のように鋸歯によって調整する場合に比較して張力のばらつきが少なく、高い信頼性が得られる。
【0021】
また、第2ナット部材58はアジャストボルト46に螺合されてロックナットとして機能するようになっており、ねじりコイルスプリング56のスリップで第1ナット部材54が回転停止した後もアジャストボルト46にねじ込まれて第1ナット部材54に当接させられることにより、第1ナット部材54をアジャストボルト46に対して固定するため、車両走行時の振動などで第2ナット部材58のアジャストボルト46に対するねじ込み量が変化してケーブル44の張力が変化する恐れがない。
【0022】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において上記実施例と実質的に共通する部分には共通の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0023】
図5および図6の張力調整装置70は、アジャストボルト72、スプリングケース74、圧縮コイルスプリング76、および前記第1ナット部材54、ねじりコイルスプリング56、第2ナット部材58を備えて構成されている。アジャストボルト72は雄ねじ部材に相当するもので、ケーブル44の端部に一体的に取り付けられているとともに、前記位置決め部46aと同様の位置決め部72a、および前記雄ねじ部46bよりも長さが長い雄ねじ部72bを一体的に備えている。スプリングケース74は、有底筒形状を成して前記保持部材52上に配置されており、内部に圧縮コイルスプリング76が配設されるとともに、その圧縮コイルスプリング76の内部を雄ねじ部72bが挿通させられている。そして、その圧縮コイルスプリング76から上方へ突き出す部分に第1ナット部材54が螺合され、圧縮コイルスプリング76により上方へ離間するように付勢されている。
【0024】
このような張力調整装置70においては、第1ナット部材54がスプリングケース74の上端に当接するまでは、その第1ナット部材54を回転させるためのトルクとケーブル張力(ケーブル44の張力)との関係は、圧縮コイルスプリング76のばね力に基づいて図7の(a) 部分に示すようになり、ケーブル張力の変化に対するトルクの変化が小さい。これに対し、第1ナット部材54がスプリングケース74の上端に当接させられるようになると、それ等の間の摩擦によって第1ナット部材54に大きな回転抵抗が加えられるようになるが、本実施例ではスプリングケース74の上端面および第1ナット部材54の下端面に、それぞれ放射状に小さな凹凸(セレーション)が設けられ、回転方向の摩擦係数が大きくされており、図7の(b) 部分に示すようにケーブル張力の僅かな変化でトルクが大きく変化するようになっている。したがって、前記ねじりコイルスプリング56のクラッチトルクが例えばΔTの範囲内でばらついても、ケーブル張力は比較的小さなΔSの範囲内で調整され、クラッチトルクのばらつきなどに拘らずケーブル張力が常に高い精度で調整される。圧縮コイルスプリング76のばね特性は、クラッチトルクに達する前に第1ナット部材54がスプリングケース74の上端に当接するように、言い換えればクラッチトルクが図7の(b) の領域に入るように定められている。図5は、張力調整を行う前の状態である。
【0025】
なお、前記図1〜図4の実施例においても、第1ナット部材54とワッシャ60との間の摩擦係数を大きくすれば(ワッシャ60は保持部材52に対して相対回転しないことを前提)、ケーブル張力の僅かな変化でトルクが大きく変化するようになり、ねじりコイルスプリング56のクラッチトルクに基づくケーブル張力の調整のばらつきが少なくなる。
【0026】
図8の張力調整装置80は、操作レバー18に直接固定されて保持部材を兼ねているスプリングケース82と、そのスプリングケース82に離脱不能且つ押込み可能に配設されたスプリングシート84とを有するもので、前記圧縮コイルスプリング76はスプリングケース82内に配設されてスプリングシート84を上方へ突き出させるように付勢している。第1ナット部材54は、スプリングシート84に当接させられるとともに、ケーブル張力の上昇に伴って圧縮コイルスプリング76の付勢力に抗してスプリングシート84をスプリングケース82内に押し込み、スプリングケース82の上端に当接させられる。第1ナット部材54とスプリングシート84との間の摩擦は小さく、前記図7と同様の特性が得られるようになっている。図8は、張力調整を行う前の状態である。
【0027】
図9の張力調整装置100は、第1ナット部材54と第2ナット部材104との間の環状空間に配設されるねじりコイルスプリング102が、自身のばね力で第2ナット部材104の円筒部104aの内周面に密着させられているとともに、下端部において第1ナット部材54に相対回転不能に係止されている。第2ナット部材104は入力部材に相当するもので有底円筒形状を成しており、その内部にねじりコイルスプリング102および第1ナット部材54を収容していると共に、底部すなわち上端部には六角形状の工具係止部104bが一体に設けられている。工具係止部104bの中央には、前記アジャストボルト46の雄ねじ部46bと螺合させられる雌ねじが形成されている。ねじりコイルスプリング102はクラッチスプリングに相当するもので、第2ナット部材104の内周面との間の摩擦によってクラッチトルクが定められる。なお、左巻きのねじりコイルスプリング102を採用すれば、第2ナット部材104が右まわり(調整回転方向R)に回転駆動される際に緩み勝手となる。図9は、張力調整が終了して第2ナット部材104の底部が第1ナット部材54に当接させられた状態である。
【0028】
図10は、ケーブル44の中間部を支持しているイコライザの一例で、A部に示すナット部分に本発明を適用してケーブル張力を簡単に調整できるようにすることも可能である。
【0029】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、例えば足踏み式のパーキングブレーキ装置にも適用できるなど、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である張力調整装置を備えているパーキングブレーキ装置の一部を切り欠いた正面図である。
【図2】図1のパーキングブレーキ装置の張力調整装置付近を示す斜視図である。
【図3】図2の張力調整装置の縦断面図である。
【図4】図2の張力調整装置の分解斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図6】図5の実施例の分解斜視図である。
【図7】図5の実施例における第1ナット部材のトルクとケーブル張力との関係を示す図である。
【図8】本発明の更に別の実施例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の更に別の実施例を示す縦断面図である。
【図10】本発明の張力調整装置を装着することが可能なイコライザ部分を示す図である。
【符号の説明】
18:操作レバー(パーキングブレーキ操作手段)
44:パーキングブレーキケーブル
46,72:アジャストボルト(雄ねじ部材)
50,70,80,100:張力調整装置
54:第1ナット部材(雌ねじ部材)
56,102:ねじりコイルスプリング(クラッチスプリング)
58,104:第2ナット部材(入力部材)
Claims (1)
- パーキングブレーキ操作手段とパーキングブレーキとの間に配設され、該パーキングブレーキ操作手段のブレーキ操作時に引っ張られるパーキングブレーキケーブルと、
回転不能に保持された雄ねじ部材に対するねじ込み量が変更されることによって前記パーキングブレーキケーブルの張力を調整する雌ねじ部材と
を有するパーキングブレーキケーブルの張力調整装置において、
前記雌ねじ部材と同心に且つ相対回転可能に配設されるとともに、前記張力を増大させる際の該雌ねじ部材の回転方向と同じ調整回転方向へ回転駆動される入力部材と、
該入力部材および前記雌ねじ部材の一方に相対回転不能に係止されるとともに他方に自身のばね力に従って密着させられ、該入力部材が前記調整回転方向へ回転駆動される際に、他方の部材との間の摩擦力に応じた所定のクラッチトルクで動力伝達を行うとともに、該クラッチトルクを越えるとスリップさせられるクラッチスプリングとを有すると共に、
前記入力部材は、前記雌ねじ部材から突き出す前記雄ねじ部材に螺合される雌ねじを有し、該雌ねじ部材に対して僅かに離間した状態で前記クラッチスプリングを介して該雌ねじ部材を一体的に前記調整回転方向へ回転させる一方、該クラッチスプリングのスリップで該雌ねじ部材が回転停止した後も該雄ねじ部材にねじ込まれて該雌ねじ部材に当接させられることにより、該雌ねじ部材を該雄ねじ部材に固定するものである
ことを特徴とするパーキングブレーキケーブルの張力調整装置。
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