JP3647203B2 - 温度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水暖房機、温風暖房機等の温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば屋内の暖房をボイラー等の燃焼器により加熱した温水により行う温水暖房機や、屋内空気をファンにより対流させつつ燃焼器により加熱して送風する温風暖房機では、その燃焼器による被加熱物である温水や屋内空気の温度を、概ね所要の設定温度に保つように燃焼器を制御(温調制御)するものが一般に知られている。そして、このような温度制御は具体的には、例えば次のように行われている。
【0003】
すなわち、燃焼器の燃焼を開始してからあらかじめ決められた一定時間は、被加熱物の昇温を速やかに行うために燃焼器を最大燃焼量で燃焼させ、次いで、設定温度よりも低い所定の温度までは、燃焼器の最大燃焼量での燃焼を継続した後、被加熱物の温度が設定温度に近づくに従って燃焼器の燃焼量を減少させていくように被加熱物の温度と設定温度との偏差に応じて比例的に燃焼器の燃焼量を制御(所謂、比例制御)する。そして、被加熱物の温度が設定温度を超えて、所定の消火温度まで上昇すると、燃焼器を一旦消火し、その後、被加熱物の温度が設定温度よりも低い所定の燃焼再開温度まで低下すると、燃焼器の燃焼を再開し、このような燃焼器の制御を行うことで、被加熱物の温度を概ね設定温度に保持する。
【0004】
しかしながら、このような従来の装置では、被加熱物の加熱時の負荷、すなわち、被加熱物の温度を設定温度まで上昇させ、さらに該設定温度に保持するために必要な熱エネルギーの大きさによらずに、常に同じような形態で燃焼器を制御するようにしているため、次のような不都合を生じるものであった。
【0005】
すなわち、暖房を行う屋内が広かったり、屋内の温度が低く、あるいは該温度が低下しやすい場合等、装置の負荷が比較的大きい場合において、燃焼器の燃焼の開始後、被加熱物の温度がある程度設定温度に近づくと、燃焼器の燃焼量は該被加熱物の温度と設定温度との偏差に応じて制御(比例制御)されるため、該燃焼器の燃焼量が負荷に対して小さめな傾向となり、被加熱物の温度がなかなか設定温度まで上昇せず、あるいは、被加熱物の温度が設定温度まで上昇しないという不都合を生じることがある。
【0006】
また、逆に暖房を行う屋内が比較的狭かったり、屋内の温度が設定温度に対してさほど低くない場合等、装置の負荷が比較的小さい場合において、燃焼器の燃焼の開始後、被加熱物の温度が設定温度に上昇するまでは、被加熱物の温度と設定温度との偏差に応じた燃焼量の制御によって、その燃焼量は負荷に対して大きめなものとなりやすい。このため、被加熱物の温度が設定温度に達して、燃焼器が最小燃焼量で燃焼するようになっても、被加熱物の温度は燃焼器の燃焼開始後、比較的短時間で燃焼器を消火する前記消火温度まで上昇してしまうことが多い。そして、このような場合には、燃焼器の燃焼・消火が短いサイクルで繰り返されることとなるため、燃焼器の寿命低下を招くと共に、短いサイクルで繰り返される燃焼器の燃焼の開始の都度、異臭を生じるという不都合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる不都合を解消し、負荷の大きさによらずに、燃焼器の燃焼開始後の被加熱物の温度を速やかに設定温度に向かって上昇させつつ、燃焼器の燃焼・消火が短いサイクルで頻繁に生じるような事態を防止することができる温度制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の温度制御装置はかかる目的を達成するために、燃焼器の燃焼熱により加熱される被加熱物の温度を設定温度に略一致させるために、該被加熱物の温度が前記設定温度よりも高い所定の消火温度まで上昇したときには該燃焼器を消火し、該消火後、該被加熱物の温度が前記設定温度よりも低い所定の燃焼再開温度まで低下したときには該燃焼器の燃焼を再開すると共に、該燃焼器の燃焼中は、該被加熱物の温度に応じて該燃焼器の燃焼量を制御する温度制御装置において、前記燃焼器の燃焼量を、前記被加熱物の温度に対する互いに異なる制御特性で制御する第1の燃焼量制御手段および第2の燃焼量制御手段と、前記燃焼器の燃焼開始後、あらかじめ定めた所定時間内に、前記被加熱物の温度が、前記設定温度以下で且つ前記燃焼再開温度よりも高い所定の基準温度まで上昇するか否かにより該被加熱物の加熱時の負荷の大小を把握する加熱負荷把握手段と、前記燃焼器の燃焼中に前記第1の燃焼量制御手段および第2の燃焼量制御手段のうちの一つの燃焼量制御手段を選択して、その選択した燃焼量制御手段による前記燃焼器の燃焼量の制御を行なわしめる燃焼制御選択手段とを備え、前記第1および第2の燃焼量制御手段のそれぞれの制御特性は、前記消火温度よりも低い温度域において燃焼量制御手段毎に定められた互いに異なる所定の温度範囲で前記被加熱物の温度の上昇に伴い前記燃焼器の燃焼量がその最大燃焼量側から最小燃焼量側に変化し、且つ、該温度範囲の下側の温度域では前記燃焼器の燃焼量が最大燃焼量に維持され、該温度範囲の上側の温度域では前記燃焼器の燃焼量が最小燃焼量に維持される特性に設定され、さらに前記第1の燃焼量制御手段の制御特性に係る前記所定の温度範囲は前記所定の基準温度もしくはその近傍温度以下の温度範囲に設定されると共に前記第2の燃焼量制御手段の制御特性に係る前記所定の温度範囲は前記所定の基準温度もしくはその近傍温度以上の温度範囲に設定され、前記燃焼制御選択手段は、前記燃焼器の燃焼開始直後は、前記第1および第2の燃焼量制御手段のうち、第1の燃焼量制御手段を選択すると共に、前記加熱負荷把握手段により前記負荷が大きいことが把握されたときには、前記第2の燃焼量制御手段を選択し、前記負荷が小さいことが把握されたときには、前記第1の燃焼量制御手段を継続的に選択することを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、前記燃焼器の燃焼を開始後、まず、前記燃焼制御選択手段によって、前記第1の燃焼量制御手段が選択され、該第1の燃焼量制御手段による燃焼器の燃焼量の制御が行われる。このとき、該燃焼器の燃焼量は前記基準温度もしくはその近傍温度よりも低い温度域で被加熱物の温度が前記基準温度に近づくに従って最小燃焼量まで減少する。このため、燃焼器の燃焼量は、被加熱物の温度の比較的低温域(例えば前記燃焼再開温度に近い温度)で被加熱物の温度の上昇に伴い最小燃焼量まで減少するように制御される。
【0010】
一方、このように第1の燃焼量制御手段による燃焼量の制御が行われている燃焼器の燃焼中に、前記加熱負荷把握手段は、前記燃焼器の燃焼開始後、あらかじめ定めた所定時間内に前記被加熱物の温度が前記基準温度まで上昇するか否か、すなわち上記所定時間の経過時に被加熱物の温度が前記基準温度に達しているか否かにより前記負荷の大小を把握する。この場合、所定時間内に前記被加熱物の温度が前記基準温度まで上昇していなければ、前記加熱負荷把握手段により把握される負荷は大きく、該被加熱物の温度が前記基準温度まで上昇しておれば、前記加熱負荷把握手段により把握される負荷は小さい。
【0011】
そして、このように加熱負荷把握手段によって負荷の大小が把握されたとき、その負荷が大きい場合には、前記燃焼制御選択手段は、前記第1の燃焼量制御手段に代えて第2の燃焼量制御手段を選択して、該第2の燃焼量制御手段による燃焼量の制御を行わしめる。このとき、被加熱物の温度は基準温度に達していないため、第2の燃焼量制御手段によって制御される燃焼器の燃焼量は、まず、最大燃焼量もしくはこれに近い大燃焼量となり、その後、該第2の燃焼量制御手段に対応する前記温度範囲(例えば前記設定温度に近い温度範囲)で被加熱物の温度の上昇に伴い減少していく。このため、設定温度に近い温度まで燃焼器は比較的大きな燃焼量で燃焼し、被加熱物の温度は速やかに設定温度に向かって上昇し、また、負荷が大きいため、極端に温度上昇が早くなることもない。
【0012】
また、加熱負荷把握手段によって把握された負荷の大きさが小さい場合には、前記燃焼制御選択手段は、前記第1の燃焼量制御手段を継続的に選択して、該第1の燃焼量制御手段による燃焼量の制御を継続的に行わしめる。このとき、被加熱物の温度は基準温度に達しているため、第1の燃焼量制御手段によって制御される燃焼器の燃焼量はほぼ最小燃焼量となっており、基本的にはこの最小燃焼量での燃焼が継続的に行われる。このため、被加熱物の温度は比較的緩やかに上昇し、また、負荷が小さいため、極端に温度上昇が遅くなることもない。
【0013】
このような作動によって、前述の如く負荷の大きさによらずに、燃焼器の燃焼開始後の被加熱物の温度を速やかに設定温度に向かって上昇させつつ、燃焼器の燃焼・消火が短いサイクルで頻繁に生じるような事態を防止することができる。つまり、本発明によれば、被加熱物の温度が設定温度に向かって上昇していく際に、負荷が大きい場合には、燃焼器が最大燃焼量を含めて比較的大きな燃焼量で燃焼する温度域が広くなり、逆に、負荷が小さい場合には、燃焼器が最小燃焼量を含めて比較的小さな燃焼量で燃焼する温度域が広くなり、これによって、負荷の大きさによらずに、燃焼器の燃焼開始後の被加熱物の温度を速やかに設定温度に向かって上昇させつつ、燃焼器の燃焼・消火が短いサイクルで頻繁に生じるような事態を防止することができる。
【0019】
前述のように前記複数の燃焼量制御手段を第1及び第2の二つの燃焼量制御手段により構成した場合、前記基準温度は、前記設定温度が高い程、高くなるように該設定温度に応じて定められていることが好ましい。
【0020】
すなわち、設定温度が高い程、負荷が大きくなるため、被加熱物の温度を速やかに設定温度に向かって上昇させる上では、なるべく広い温度域で燃焼器を比較的大きな燃焼量で燃焼させることが好ましく、従って、前記第2の燃焼量制御手段を選択して燃焼器の燃焼量を制御することが好ましい。逆に、設定温度が低い程、負荷が小さくなるため、被加熱物の温度の急激な上昇を避ける上では、なるべく広い温度域で燃焼器を比較的小さな燃焼量で燃焼させることが好ましく、従って、前記第1の燃焼量制御手段を選択して燃焼器の燃焼量を制御することが好ましい。
【0021】
そこで、前述のように前記基準温度を、設定温度が高い程、高くなるように定めることで、前記加熱負荷把握手段による負荷の大きさの把握を確実に適正に行うことができ、これによって、上記のように的確な燃焼量制御手段を選択して、燃焼器の燃焼量を制御することができ、ひいては、燃焼器の燃焼開始後の被加熱物の温度を速やかに設定温度に向かって上昇させつつ、燃焼器の燃焼・消火が短いサイクルで頻繁に生じるような事態を防止することができるという本発明の作用効果を設定温度によらずに的確に奏することができる。
【0022】
さらに、本発明では、前記燃焼制御選択手段は、前記加熱負荷把握手段により把握された負荷に応じて前記第1の燃焼量制御手段を選択した後、前記被加熱物の温度が前記基準温度もしくはその近傍温度よりも低くなったとき、前記第2の燃焼量制御手段を選択する。
【0023】
これによれば、前記加熱負荷把握手段によって負荷が小さいと把握された後に、負荷が大きくなって、前記第1の燃焼量制御手段による燃焼量の制御では被加熱物の温度が前記基準温度よりも低下してしまうような場合には、前記第2の燃焼量制御手段が改めて選択され、該第2の燃焼量制御手段による燃焼量の制御が行われるため、該燃焼量が前記基準温度を含む比較的広い温度域で大きなものとなる。これにより、前記加熱負荷把握手段によって負荷が小さいと把握された後に、負荷が大きくなった場合に、被加熱物の温度が設定温度まで上昇しないような事態を排除することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施形態の温度制御装置を備えた温水暖房機のシステム構成図、図2は図1の温水暖房機の要部のブロック図、図3は図1の温水暖房機における燃焼器の制御特性を示す線図、図4は図1の温水暖房機に備えたコントローラの処理を示すフローチャートである。
【0025】
図1を参照して 1は本実施形態で説明する温水暖房機の本体装置であり、この本体装置1は、貯水タンク2と、該貯水タンク2内の水(被加熱物)を熱交換器3を介して送り出す往路管4aと、往路管4aから送り出された水を貯水タンク2に戻す復路管4bと、貯水タンク2内の水を往路管4a及び復路管4bを介して循環させる循環ポンプ5と、往路管4aから送り出す水を熱交換器3を介して加熱する燃焼器6と、燃焼器6に燃料(本実施形態では油)を図示しない燃料タンクから給油管7aを介して供給する燃料ポンプ7と、燃焼器6を点火する点火器8と、復路管4bを貯水タンク2に向かって流れる水の温度(温水温度)を検出する温度センサ9とを備えている。そして、往路管4a及び復路管4bの間には、ヘッダ10を介して床暖房パネル等の複数の放熱器11が接続され、貯水タンク2内の水を燃焼器6の燃焼熱により熱交換器3を介して加熱してなる温水が、循環ポンプ5の作動により往路管4a、放熱器11及び復路管4bを介して循環するようになっている。
【0026】
尚、図示は省略するが、本体装置1には、燃焼器6に燃焼用空気を供給する送風ファンも備えられている。
【0027】
また、本実施形態の温水暖房機では、前記循環ポンプ5、燃料ポンプ7、点火器8等の動作制御を行うコントローラ12が備えられ、さらに、このコントローラ12に対して、温水暖房機の所望の運転形態(運転モード)や、放熱器11に供給される温水(往路管4a及び復路管4bを流れる温水)の温度の設定等を行うためのリモートコントロールユニット13(以下、リモコン13という)が備えられている。
【0028】
リモコン13は、温水暖房機の運転開始及び運転停止をコントローラ12に指示する運転スイッチ14と、温水暖房機の運転モードや温水温度、時刻の設定等を行うための操作部15と、この操作部15で設定された運転モードや温水の設定温度、時刻等を表示する表示部16とを有している。
【0029】
この場合、本実施形態の温水暖房機の運転モードは、設定温度運転モード(通常運転モード)、セーブ運転モード及びプログラム運転モードの3種類の運転モードがあり、これらの運転モードのうち、設定温度運転モードは、温水温度を通常的な設定温度(例えば50〜80°C)に保持するように温水暖房機の運転を行うモードである。また、セーブ運転モードは、夜間運転時等、さほど高い温水温度を要求されない場合に温水温度を低めの設定温度(例えば20〜45°C)に保持するように温水暖房機の運転を行うモードであり、プログラム運転モードは、前記設定温度運転モードやセーブ運転モードでの温水暖房機の運転を1日の決められたタイムスケジュール(例えば9時から12時まで上記設定温度運転モードでの運転を行い、12時から15時まで運転を停止するというようなスケジュール)に従って行うモードである。そして、リモコン13の操作部15では、これらの各運転モードについて、所望の温水温度を所定のスイッチ操作等により例えば5°C単位で設定可能としている。
【0030】
コントローラ12は、マイクロコンピュータ等を用いて構成され、前記リモコン13で設定された各種類の運転モードにおいて(但し、前記プログラム運転モードにおいて運転停止が設定されている期間を除く)、温水温度を設定温度に概ね保持するように燃焼器6の作動を制御(温調制御)するものである。そして、この制御を行うために、コントローラ12は、図2に示すように、その主要な機能的構成として、燃焼器6の点火・消火の制御を担う点火・消火制御手段17と、燃焼器6の燃焼開始後の燃焼量を互いに異なる制御特性で制御可能な第1及び第2燃焼量制御手段18,19と、これらの二つの第1及び第2燃焼量制御手段18,19から燃焼器6の燃焼量の制御を行わせる燃焼量制御手段を選択する燃焼制御選択手段20と、温水暖房機の運転時の負荷(暖房負荷)の大きさを燃焼器6の燃焼開始後、所定のタイミングで把握する加熱負荷把握手段21とを備えている。
【0031】
点火・消火制御手段17は、前記設定温度運転モードあるいはセーブ運転モード(前記プログラム運転モードで時刻指定された設定温度運転モードあるいはセーブ運転モードを含む。以下同様)での運転の開始時に温度センサ9による温水の検出温度が設定温度よりも低い所定の燃焼再開温度以下であるときに、燃料ポンプ7を作動させて燃焼器6に燃料を供給しつつ、点火器8を作動させることで燃焼器6を点火する。また、点火・消火制御手段17は、設定温度運転モードあるいはセーブ運転モードでの燃焼器6の燃焼中に、温度センサ9による温水の検出温度が設定温度よりも高い所定の消火温度まで上昇したときに、燃料ポンプ7を停止させて燃焼器6への燃料供給を遮断することで、燃焼器6を消火する。尚、点火・消火制御手段17は、燃焼器6の燃焼中に、リモコン6の運転スイッチ14がOFFにされたり、プログラム運転モードで運転の停止が指定された時刻になった場合にも、燃焼器6を消火する。さらに、点火・消火制御手段17は、設定温度運転モードあるいはセーブ運転モードでの燃焼器6の消火中に、温度センサ9による温水の検出温度が設定温度よりも低い所定の燃焼再開温度まで下降すると、再び、燃料ポンプ7を作動させて燃焼器6に燃料を供給しつつ、点火器8を作動させることで燃焼器6を点火する。
【0032】
ここで、上記消火温度や燃焼再開温度は、例えば前記設定温度運転モードにおいて、次の表1に示すように、設定温度に応じた温度に定められ、設定温度が高い程、これに合わせて消火温度や燃焼再開温度も高くなるように定められている。
【0033】
【表1】
【0034】
尚、表1には、設定温度運転モードにおける消火温度や燃焼再開温度、後述する基準温度を示したが、前記セーブ運転モードにおいても同様に消火温度や燃焼再開温度等が定められている。
【0035】
前記第1及び第2燃焼量制御手段18,19は、燃焼器6の燃焼中にそれぞれ図3に実線及び二点鎖線で示すような制御特性で燃焼器6の燃焼量を制御可能としている。
【0036】
すなわち、本実施形態では、前記表1に示したように、設定温度に対応して所定の基準温度があらかじめ定められており、第1燃焼量制御手段18の制御特性は、温度センサ9により検出される温水温度が、基準温度の近傍温度で該基準温度よりも若干(2°C)低い温度(基準温度−2°C。以下、副基準温度という)と、該副基準温度から所定の温度幅ΔT(本実施形態ではΔT=8°C)だけ下がった温度(=副基準温度−ΔT)との間の温度範囲(以下、第1比例帯という)に存するときには、燃焼器6の燃焼量が最大燃焼量から最小燃焼量まで温水温度の上昇に伴い比例的に減少し、且つ、温水温度が上記第1比例帯の下側の温度(≦副基準温度−ΔT)であるときには、燃焼量が最大燃焼量に維持されると共に、該温水温度が上記第1比例帯の上側の温度(≧副基準温度)であるときには、燃焼量が最小燃焼量に維持されるような制御特性とされている。
【0037】
また、第2燃焼量制御手段19の制御特性は、温水温度が、前記副基準温度と、該副基準温度から前記所定の温度幅ΔT(8°C)だけ上がった温度(=副基準温度+ΔT)との間の温度範囲(以下、第2比例帯という)に存するときには、燃焼器6の燃焼量が最大燃焼量から最小燃焼量まで温水温度の上昇に伴い比例的に減少し、且つ、温水温度が上記第2比例帯の下側の温度(≦副基準温度)であるときには、燃焼量が最大燃焼量に維持されると共に、該温水温度が上記第2比例帯の上側の温度(≧副基準温度+ΔT)であるときには、燃焼量が最小燃焼量に維持されるような制御特性とされている。
【0038】
尚、上記第2比例帯の上限温度(=副基準温度+ΔT)は、設定温度以下の温度で、例えば設定温度70°Cに対応する第2比例帯の上限温度は、64°Cである。
【0039】
この場合、本実施形態では、燃焼器6の燃焼量は最小燃焼量から最大燃焼量まで、16段階に調整可能とされ、前記第1及び第2比例帯における燃焼量の変化は段階的に行われ、また、温度センサ9による温水温度の検出誤差等に起因して燃焼量の頻繁な変更が行われるのを防止するために、温水温度の変化に対する各段階の燃焼量の変更は、燃焼量が増加する場合と減少する場合とで若干異なる温度で行われるようになっている。そして、各燃焼量制御手段18,19は、それぞれの制御特性に従って、燃焼器6を燃焼させるように温度センサ9による温水温度の検出温度に応じて燃料ポンプ7を制御するようにしている。
【0040】
尚、前記基準温度及び副基準温度は、前記表1に示したように、設定温度よりも低く(従って、消火温度よりも低い)、且つ燃焼再開温度よりも高い温度に定められ、設定温度が高い程、これに合わせて基準温度及び副基準温度も高くなるように定められている。より詳しく言えば、基準温度は、燃焼再開温度よりも前記温度幅ΔT(8°C)だけ高く、消火温度よりも例えば14°Cだけ低い温度に定められている。
【0041】
前記加熱負荷把握手段21は、燃焼器6の燃焼開始後、負荷の大小を把握するタイミングを規定するあらかじめ定められた所定時間(本実施形態では例えば20分)を計時する負荷判定タイマ21aを具備し、燃焼器6の燃焼開始後、この負荷判定タイマ21aがタイムアップした時に、温度センサ9により検出される温水温度が、前記基準温度に達しているか否かによって、負荷の大小を把握する。すなわち、負荷判定タイマ21aのタイムアップ時に温水の検出温度が基準温度に達していれば、負荷が小さいと判断し、温水の検出温度が基準温度に達していなければ、負荷が大きいと判断する。
【0042】
前記燃焼制御選択手段20は、燃焼器6の燃焼が開始してから前記加熱負荷把握手段21による負荷の大小の把握がなされるまでは、前記第1燃焼量制御手段を燃焼器6の燃焼量を制御させる手段として選択し、加熱負荷把握手段21による負荷の大小の把握がなされた後は、その負荷の大小に応じて、第1及び第2燃焼量制御手段18,19のうちの一方を燃焼器6の燃焼量を制御させる手段として選択する。この場合、把握された負荷が大きいときには、第2燃焼量制御手段19を選択して、該第2燃焼量制御手段19による燃焼量の制御を行わしめ、負荷が小さいときには、第1燃焼量制御手段18を選択して、該第1燃焼量制御手段18による燃焼量の制御を行わしめる。また、燃焼制御選択手段20は、加熱負荷把握手段21による負荷の大小の把握がなされた後、第1燃焼量制御手段18を選択した場合に、温度センサ9により検出される温水温度が、前記副基準温度以下に低下した時には、第2燃焼量制御手段19を選択する。
【0043】
尚、本実施形態においては、前記第1及び第2比例帯の境界を規定する副基準温度と負荷の把握を行う基準温度とを若干(2°C)異なるものとしたが、これは、温水温度の検出誤差を考慮したものである。従って、該検出誤差が無視できるほど小さい場合には、副基準温度と基準温度とを同一にしてもよい。
【0044】
次に、本実施形態の温水暖房機の作動を説明する。
【0045】
コントローラ12は、リモコン13の運転スイッチ14のON状態において図4のフローチャートに示す処理を行う。
【0046】
すなわち、コントローラ12は、まず燃焼器6の点火要求があるか否かを判断する(STEP1)。この点火要求は、前記設定温度運転モードあるいはセーブ運転モードでの運転の開始に際して温度センサ9による温水の検出温度が設定温度よりも低い所定の燃焼再開温度以下であるときや、これらの運転モードにおける温調運転時の燃焼器6の消火中に温度センサ9による温水の検出温度が前記燃焼再開温度まで低下したときに発生する。
【0047】
そして、コントローラ12は点火要求が無い場合には待機し、また、点火要求が生じた場合には、前記点火・消火制御手段17によって、燃焼器6を点火するための点火処理を行う(STEP2)。この点火処理によって、点火器8や燃料ポンプ7が作動され、燃焼器6が点火される。尚、このとき、図示しない送風ファンから燃焼器6に燃焼用空気も供給される。また、コントローラ12は、温水暖房機の運転中(運転スイッチ14がON状態)は、循環ポンプ5を適宜作動させて、温水を循環させる。
【0048】
上記のような点火処理の後、コントローラ12は、前記加熱負荷把握手段21の負荷判定タイマ21aをスタートさせ(STEP3)、さらに、燃焼器6の消火要求があるか否かを判断する(STEP4)。この消火要求は、燃焼器6の燃焼中に温度センサ9により検出される温水温度が前記消火温度まで上昇したときや、リモコン13の運転スイッチ14がOFF操作されたとき、あるいはプログラム運転モードで運転の停止が指定された時刻になった場合に発生する。
【0049】
そして、該消火要求が無い場合には、コントローラ12はさらに、前記加熱負荷把握手段21による後述の負荷の判定がなされたか否かを示すフラグFの値を判断し(STEP5)、フラグFの値が負荷の判定がなされていないことを示す「0」である場合には、加熱負荷把握手段21の負荷判定タイマ21aがタイムアップしたか否かを判断する(STEP6)。
【0050】
このSTEP6の判断で、負荷判定タイマ21aがタイムアップしていない場合、すなわち、燃焼器6の燃焼開始後の初期段階では、前記燃焼制御選択手段21によって、前記第1燃焼量制御手段18を選択し、該第1燃焼量制御手段18による燃焼器6の燃焼量の制御を行わしめつつ(STEP7)、STEP4からの処理を繰り返す(STEP4,5,6,7の繰り返し)。このとき、第1燃焼量制御手段18は、前記温度センサ9によって検出される温水温度から前記図3の実線で示した制御特性に従って、燃焼器6の燃焼量を決定し、その決定した燃焼量で燃焼器6を燃焼させるように燃料ポンプ7を介して燃焼器6への燃料供給量を制御する。
【0051】
次いで、上記のようにして第1燃焼量制御手段18による燃焼量の制御が行われている燃焼機6の燃焼中に、負荷判定タイマ21aがタイムアップすると(STEP6でYES)、前記フラグFの値を「1」にセットし(STEP8)、さらに、加熱負荷把握手段21によって、負荷の大小を判定する(STEP9)。このとき、加熱負荷把握手段21は、温度センサ9による温水の現在の検出温度が前記基準温度に達しておれば、負荷が小さいと判断し、該基準温度に達していなければ、負荷が大きいと判断する。
【0052】
そして、加熱負荷把握手段21によって負荷が小さいと判断された場合には、燃焼制御選択手段21によって、引き続き前記第1燃焼量制御手段18を選択し、該第1燃焼量制御手段18による燃焼量の制御を継続させる(STEP9→STEP7)。
【0053】
また、加熱負荷把握手段21によって負荷が小さいと判断された場合には、燃焼制御選択手段21によって、前記第2燃焼量制御手段19を選択し、燃焼量の制御を該第2燃焼量制御手段19による制御に切り換える(STEP9→STEP10)。このとき、第2燃焼量制御手段19は、前記温度センサ9によって検出される温水温度から前記図3の二点鎖線で示した制御特性に従って、燃焼器6の燃焼量を決定し、その決定した燃焼量で燃焼器6を燃焼させるように燃料ポンプ7を介して燃焼器6への燃料供給量を制御する。
【0054】
次に、上記のように負荷の判定が行われると、前記STEP8でフラグFの値が「1」となるため、前記STEP5の判断でF≠0となる(STEP5でNO)。このとき、コントローラ12は、燃焼制御選択手段21によって現在選択している燃焼量制御手段が第1燃焼量制御手段18であるか第2燃焼量制御手段19であるかを判断する(STEP11)。このとき、選択している燃焼量制御手段が第2燃焼量制御手段19である場合には、燃焼制御選択手段21によって引き続き第2燃焼量制御手段19を選択して、該第2燃焼量制御手段19による燃焼量の制御を継続させる(STEP11→STEP10)。
【0055】
一方、STEP11の判断で、選択している燃焼量制御手段が第1燃焼量制御手段18である場合には、コントローラ12はさらに、温度センサ9による温水の現在の検出温度が前記副基準温度より高いか否かを判断する(STEP12)。そして、このとき、検出温度が副基準温度より高い場合には、燃焼制御選択手段21によって引き続き第1燃焼量制御手段18を選択して、該第1燃焼量制御手段18による燃焼量の制御を継続させる(STEP12→STEP7)。
【0056】
また、STEP12の判断で、温水の検出温度が副基準温度以下である場合には、燃焼制御選択手段21によって、第2燃焼量制御手段19を選択し、燃焼量の制御を該第2燃焼量制御手段19による制御に切り換える(STEP12→STEP10)。
【0057】
尚、以上のような制御処理中に、前記STEP4において、燃焼器6の消火要求が生じた場合(温度センサ6による温水の検出温度が前記消火温度に達した場合等)には、コントローラ12は、前記点火・消火制御手段17によって、燃料ポンプ7の作動を停止して燃焼器6への燃料供給を遮断することで燃焼器6を消火する消火処理を行い(STEP13)、さらに、前記フラグFの値を「0」にクリアした後(STEP14)、STEP1に戻る。
【0058】
以上のような処理によって、燃焼器6の燃焼開始時から負荷判定タイマ21aがタイムアップするまでは、第1燃焼量制御手段18によって、図3の実線で示した制御特性に従って、燃焼器6の燃焼量が温水温度に応じて制御される。
【0059】
そして、負荷判定タイマ21aがタイムアップした時点で温水温度が前記基準温度まで上昇しているか否かによって、前記加熱負荷把握手段21により負荷の大小が判断され、その負荷の大小に応じた燃焼量制御手段18又は19によって燃焼器6の燃焼量が制御される。また、第1又は第2燃焼量制御手段18,19によって燃焼量が制御される燃焼器6の燃焼によって、温水温度が前記消火温度まで上昇すると、前記STEP4で消火要求が発生して、燃焼器6が点火・消火制御手段17によって消火され、さらに、その消火中に、温水温度が前記燃焼再開温度まで低下すると、前記STEP1で点火要求が発生して、燃焼器6が点火・消火制御手段17によって点火され、燃焼器6の燃焼が再開する。そして、この燃焼再開後の燃焼量は前述と同様に第1又は第2燃焼量制御手段18,19によって制御される。このような作動によって、温水温度が概ね設定温度に保持されることとなる。
【0060】
このような作動において、燃焼器6の燃焼開始後の前記負荷判定タイマ21aのタイムアップ時に負荷が小さいと判断される場合では、燃焼開始直後の第1燃焼量制御手段18による燃焼量の制御によって、温水温度が既に前記基準温度まで上昇しているので、該第1燃焼量制御手段18の制御特性(図3の実線)から明らかなように、燃焼器6の燃焼量は温水温度が前記副基準温度(=基準温度−2°C)まで到達した時点で最小燃焼量となっている。従って、負荷の判断後に引き続き燃焼量を制御する第1燃焼量制御手段18は、燃焼器6の燃焼量を最小燃焼量に維持する。すなわち、加熱負荷把握手段21により負荷が小さいと判断される場合には、燃焼器6の燃焼量は、図3の実線の制御特性に従って同図に矢印aで示すように温水温度に応じて制御され、温水温度が副基準温度まで上昇した時点から燃焼器6の燃焼量が最小燃焼量に維持される(但し、その後に温水温度が副基準温度まで低下した場合を除く。これについは後述する)。このため、負荷が小さい場合には、温水温度が設定温度や消火温度に満たない比較的早期の段階で燃焼器6が最小燃焼量で燃焼することとなり、負荷が十分に小さい場合でも、温水温度が設定温度を超えて消火温度まで急速に上昇してしまうようなことがない。これにより、燃焼器6の燃焼開始後、早期に燃焼器6が消火されてしまうことが回避され、ひいては、燃焼器6の燃焼・消火が短いサイクルで頻繁に生じて、燃焼器6の寿命が短くなるような事態を防止することができる。また、このとき、負荷が小さいため、燃焼開始後の温水温度の上昇が極端に遅くなるようなこともない。
また、燃焼器6の燃焼開始後の前記負荷判定タイマ21aのタイムアップ時に負荷が大きいと判断される場合では、その負荷の判断時点では温水温度が基準温度に達しておらず、例えば図3の燃焼量Qx (>最小燃焼量)で燃焼器6が燃焼している。そして、負荷が大きいと判断された後は、第2燃焼量制御手段19によってその制御特性(図3の二点鎖線)に従って燃焼量が制御されるため、燃焼器6の燃焼量は最大燃焼量の増加され、その後、第2燃焼量制御手段19の制御特性に従って燃焼量が制御される。すなわち、加熱負荷把握手段21により負荷が大きいと判断される場合には、燃焼器6の燃焼量は、例えば図3に矢印bで示すように温水温度に応じて制御され、基本的には、図3の二点鎖線で示す制御特性に従って制御される。このため、負荷が大きい場合には、温水温度が設定温度に近い温度に上昇するまで燃焼器6が比較的大きな燃焼量で燃焼することとなり、温水温度の上昇が遅くなったりすることなくスムーズに温水温度が設定温度に向かって上昇していく。また、このとき、負荷が大きいため、燃焼開始後の温水温度の上昇が極端に早くなって、温水温度が燃焼開始後、早期に設定温度を超えて消火温度まで達し、燃焼器6が消火されてしまうようなこともない。
【0061】
このように本実施形態によれば、負荷の大小によらずに、温水温度を比較的速やかに設定温度に向かって上昇させつつ、短いサイクルで燃焼器6の燃焼・消火が繰り返されるような事態を回避することができる。そして、本実施形態では、前記基準温度や副基準温度は、設定温度に応じて定められているので、第1燃焼量制御手段18及び第2燃焼量制御手段19の制御特性を上記のような作用効果を奏する上で、最適な制御特性とすることができる。
【0062】
また、本実施形態では、前記加熱負荷把握手段21によって、負荷が小さいと判断され、その判断後も継続して第1燃焼量制御手段が選択された場合であっても、例えば前記放熱器11の放熱量が増加して負荷が増加し、温水温度が前記副基準温度まで低下すると、前記STEP12,STEP10の処理によって、第2燃焼量制御手段19が選択されて、該第2燃焼量制御手段19による燃焼量の制御が行われる。
【0063】
このため、第1燃焼量制御手段18によって燃焼器6の燃焼量が最小燃焼量に維持されている途中で負荷が増加して、温水温度を設定温度まで上昇させることができないような状況になると、第2燃焼量制御手段19によって、燃焼器6の燃焼量が大きな燃焼量に制御されることとなり、温水温度を確実に所望の設定温度に上昇させることができる。
【0064】
尚、以上説明した本実施形態では、温水暖房機を例にとって説明したが、例えば室内空気を送風ファンで対流させつつ、設定室温の保持するような温風暖房機についても本発明を適用することができることはもちろんである。
【0065】
また、本実施形態では、燃焼量制御手段を第1及び第2燃焼量制御手段18、19の二つとした場合を例にとって説明したが、さらに多くの燃焼量制御手段を備えて、それらの燃焼量制御手段の制御特性における比例帯(温水温度の上昇に伴い燃焼量を減少させる温度範囲)を本実施形態と同様に互いに異なるものとし、負荷の大きさに応じてそれらの燃焼量制御手段を選択する(負荷が大きい程、より高温側に比例帯を有する制御特性の燃焼量制御手段を選択する)ようにしてもよい。例えば、三つの燃焼量制御手段を備えるとともに、負荷の大きさを大中小の3種類に分類して判断し、その負荷の大中小に応じて燃焼器の燃焼量を制御させるべき燃焼量制御手段を選択するようにしてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、第1燃焼量制御手段18の制御特性の比例帯の上限温度と第2燃焼量制御手段18の制御特性の比例帯の下限温度とを同じ温度(=副基準温度)としたが、例えば第2燃焼量制御手段18の制御特性の比例帯の下限温度を第1燃焼量制御手段18の制御特性の比例帯の上限温度よりも若干高くするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の温度制御装置を備えた温水暖房機のシステム構成図。
【図2】図1の温水暖房機の要部のブロック図。
【図3】図1の温水暖房機における燃焼器の制御特性を示す線図。
【図4】図1の温水暖房機に備えたコントローラの処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
6…燃焼器、18,19…燃焼量制御手段、20…燃焼制御選択手段、21…加熱負荷把握手段。
Claims (3)
- 燃焼器の燃焼熱により加熱される被加熱物の温度を設定温度に略一致させるために、該被加熱物の温度が前記設定温度よりも高い所定の消火温度まで上昇したときには該燃焼器を消火し、該消火後、該被加熱物の温度が前記設定温度よりも低い所定の燃焼再開温度まで低下したときには該燃焼器の燃焼を再開すると共に、該燃焼器の燃焼中は、該被加熱物の温度に応じて該燃焼器の燃焼量を制御する温度制御装置において、
前記燃焼器の燃焼量を、前記被加熱物の温度に対する互いに異なる制御特性で制御する第1の燃焼量制御手段および第2の燃焼量制御手段と、
前記燃焼器の燃焼開始後、あらかじめ定めた所定時間内に、前記被加熱物の温度が、前記設定温度以下で且つ前記燃焼再開温度よりも高い所定の基準温度まで上昇するか否かにより該被加熱物の加熱時の負荷の大小を把握する加熱負荷把握手段と、
前記燃焼器の燃焼中に前記第1の燃焼量制御手段および第2の燃焼量制御手段のうちの一つの燃焼量制御手段を選択して、その選択した燃焼量制御手段による前記燃焼器の燃焼量の制御を行なわしめる燃焼制御選択手段とを備え、
前記第1および第2の燃焼量制御手段のそれぞれの制御特性は、前記消火温度よりも低い温度域において燃焼量制御手段毎に定められた互いに異なる所定の温度範囲で前記被加熱物の温度の上昇に伴い前記燃焼器の燃焼量がその最大燃焼量側から最小燃焼量側に変化し、且つ、該温度範囲の下側の温度域では前記燃焼器の燃焼量が最大燃焼量に維持され、該温度範囲の上側の温度域では前記燃焼器の燃焼量が最小燃焼量に維持される特性に設定され、さらに前記第1の燃焼量制御手段の制御特性に係る前記所定の温度範囲は前記所定の基準温度もしくはその近傍温度以下の温度範囲に設定されると共に前記第2の燃焼量制御手段の制御特性に係る前記所定の温度範囲は前記所定の基準温度もしくはその近傍温度以上の温度範囲に設定され、
前記燃焼制御選択手段は、前記燃焼器の燃焼開始直後は、前記第1および第2の燃焼量制御手段のうち、第1の燃焼量制御手段を選択すると共に、前記加熱負荷把握手段により前記負荷が大きいことが把握されたときには、前記第2の燃焼量制御手段を選択し、前記負荷が小さいことが把握されたときには、前記第1の燃焼量制御手段を継続的に選択することを特徴とする温度制御装置。 - 前記基準温度は、前記設定温度が高い程、高くなるように該設定温度に応じて定められていることを特徴とする請求項1記載の温度制御装置。
- 前記燃焼制御選択手段は、前記加熱負荷把握手段により把握された負荷に応じて前記第1の燃焼量制御手段を選択した後、前記被加熱物の温度が前記基準温度もしくはその近傍温度よりも低くなったとき、前記第2の燃焼量制御手段を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の温度制御装置。
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