JP3646763B2 - 回路形成方法および回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリント基板上に形成された配線パターンを用いて回路を形成する回路形成方法および回路装置に関し、特に、プリント基板上に複数のタイプの回路で共有する配線パターンを形成し、該共有した配線パターンに複数のタイプの回路を構成する素子群をそれぞれ選択的に接続することで、1種類の配線パターンを用いて複数のタイプの回路を低価格に形成することができるようにした回路形成方法および回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばプログラマブルロジックコントローラ(以下、PLCという)で使用するトランジスタを用いた出力装置としては、出力端子から電流を吸い込むシンクタイプ(以下、NPNタイプという)といわれる回路と、出力端子に電流を吐き出すソースタイプ(以下、PNPタイプという)といわれる回路の2種類が知られている。
【0003】
このNPNタイプの出力回路は、日本国内において主に使用される傾向にあり、PNPタイプの出力回路は、主に欧米で使用される傾向がある。
【0004】
このため、輸出等を考えて出力装置を開発する場合には、NPNタイプの出力回路とPNPタイプの出力回路の両者の設計を行う必要がある。
【0005】
図6は、従来のPLCで使用されるNPNタイプの出力回路(NPN回路)を示した回路図である。
【0006】
この図6に示したNPN回路は、PLC内に設けられるもので、このPLCの負荷である複数のユーザ負荷Lを選択的に駆動するものである。
【0007】
例えば、図6において、ポートPORT00に加えられる信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R1、フォトカプラPHC1を介してトランジスタTR1のベースに加えられ、トランジスタTR1をオンにする。
【0008】
これにより、電源のプラス端子→ユーザ負荷L→出力端子OUT0000→トランジスタTR1→共通端子COM→電源のマイナス端子の回路で電流が流れ、出力端子OUT0000に接続されるユーザ負荷Lが選択的に駆動される。ここで、抵抗R2はトランジスタTR1のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD1は、トランジスタTR1の保護を行うものである。
【0009】
同様に、図6において、入力ポートPORT01に加えられる信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R3、フォトカプラPHC2を介してトランジスタTR2のベースに加えられ、トランジスタTR2をオンにする。
【0010】
これにより、電源のプラス端子→ユーザ負荷L→出力端子OUT0001→トランジスタTR2→共通端子COM→電源のマイナス端子の回路で電流が流れ、出力端子OUT0001に接続されるユーザ負荷Lが選択的に駆動される。ここで、抵抗R4はトランジスタTR2のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD2は、トランジスタTR2の保護を行うものである。
【0011】
図7は、従来のPLCで使用されるPNPタイプの出力回路(PNP回路)を示した回路図である。
【0012】
この図7に示したPNP回路も、PLC内に設けられるもので、このPLCの負荷である複数のユーザ負荷Lを選択的に駆動するものである。
【0013】
例えば、図7において、入力ポートPORT00に加えられる信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R5、フォトカプラPHC3を介してトランジスタTR3のベースに加えられ、トランジスタTR3をオンにする。
【0014】
これにより、電源のプラス端子→共通端子COM→トランジスタTR3→出力端子OUT0000→ユーザ負荷L→電源のマイナス端子の回路で電流が流れ、出力端子OUT0000に接続されるユーザ負荷Lが選択的に駆動される。ここで、抵抗R6はトランジスタTR3のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD3は、トランジスタTR3の保護を行うものである。
【0015】
同様に、図7において、入力ポートPORT01に加えられる信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R7、フォトカプラPHC4を介してトランジスタTR4のベースに加えられ、トランジスタTR4をオンにする。
【0016】
これにより、電源のプラス端子→共通端子COM→トランジスタTR4→出力端子OUT0001→ユーザ負荷L→電源のマイナス端子の回路で電流が流れ、出力端子OUT0001に接続されるユーザ負荷Lが選択的に駆動される。ここで、抵抗R8はトランジスタTR4のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD4は、トランジスタTR4の保護を行うものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記NPNタイプの出力回路(NPN回路)と上記PNPタイプの出力回路(PNP回路)とでは上述したように電流の流れる方向が異なるため、回路を実装するプリント基板の設計においても上記NPN回路と上記PNP回路に対応した2種類のプリント基板を設計する必要がある。
【0018】
この場合、このNPN回路とPNP回路とでは電流の流れる方向が異なるだけであっても、それに要する設計、評価、管理において2機種分の費用および労力を必要とするという問題がある。
【0019】
この問題を解決するために、上記図6および図7に示した2つの回路を1つの装置内に実装することで、1機種でNPNタイプとPNPタイプの両者に対応できるようにした構成も考えられる。
【0020】
しかし、このような構成においては、NPNタイプとして使用する場合は、PNPタイプの回路は全く使用せず、反対に、PNPタイプとして使用する場合は、NPNタイプの回路は全く使用しないというように常に一方の回路は使用しないという回路構成上の無駄が生じるだけでなく、装置の大きさが大きくなるとともに、コストアップを招く。
【0021】
そして、PLCのユーザにおいてNPNタイプとPNPタイプの両タイプを混在して使用することは少なく、NPNタイプを使用するユーザはNPNタイプばかりを使用し、PNPタイプを使用するユーザはPNPタイプばかりを使用すると考えられるので、1つの装置内にNPNタイプとPNPタイプの両タイプの出力回路を実装したとしてもそれによって得られる利点は少ないという別の問題が生じる。
【0022】
そこで、この発明は、1種類の配線パターンを用いて複数のタイプの回路を低価格に形成することができるようにした回路形成方法および回路装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
基板上に形成された配線パターンを用いて複数のタイプの出力回路を形成する回路形成方法において、
上記複数のタイプの出力回路として、上記配線パターンに接続された出力端子から電流を吸い込む第1のタイプの出力回路あるいは上記出力端子に電流を吐き出す第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するにあたり、
上記配線パターン上に接続端子を形成するとともに、この接続端子中に上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路との間で一部を共用する4ピン構成のトランジスタ接続端子を形成し、
上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するとともに、上記第1のタイプの出力回路を構成するための第1のトランジスタと、この第1のトランジスタと同型で、上記第2のタイプの出力回路を構成するための第2のトランジスタとを具備してなる素子群を上記接続端子に選択的に接続し、
上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第1のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第2のトランジスタ接続端子および第3のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第1のタイプの出力回路を形成し、
他方、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第4のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記第2のトランジスタ接続端子および上記第3のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第2のタイプの出力回路を形成する
ことを特徴とする。
【0024】
また、請求項2記載の発明は、
基板上に形成された配線パターンを用いて形成された回路装置において、
上記配線パターンに接続された出力端子から電流を吸い込む第1のタイプの出力回路と上記出力端子に電流を吐き出す第2のタイプの出力回路とからなる複数のタイプの出力回路と、
上記配線パターン上に形成された接続端子と、
上記接続端子に選択的に接続されることにより、上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するとともに、上記第1のタイプの出力回路を構成するための第1のトランジスタと、この第1のトランジスタと同型で、上記第2のタイプの出力回路を構成するための第2のトランジスタとを具備してなる素子群と、
上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路との間で一部を共用するとともに、4ピン構成のトランジスタ接続端子とを備え、
上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第1のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第2のトランジスタ接続端子および第3のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第1のタイプの出力回路が形成され、
他方、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第4のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記第2のトランジスタ接続端子および上記第3のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第2のタイプの出力回路が形成されることを特徴とする。
【0025】
また、請求項3記載に記載の発明は、請求項2記載の発明において、
基板上に形成された配線パターンを用いて形成された回路装置において、
上記配線パターンに接続された出力端子から電流を吸い込む第1のタイプの出力回路と上記出力端子に電流を吐き出す第2のタイプの出力回路とからなる複数のタイプの出力回路と、
上記配線パターン上に形成された接続端子と、
上記接続端子に選択的に接続されることにより、上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するとともに、上記第1のタイプの出力回路を構成するための第1のトランジスタおよび第1のダイオードと、上記第2のタイプの出力回路を構成するための第2のトランジスタおよび第2のダイオードとを具備してなる素子群と、
上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路との間で一部を共用するとともに、4ピン構成のトランジスタ接続端子および2ピン構成のダイオード接続端子を備え、
上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタは、共に同型からなるとともに、上記第1のダイオードおよび上記第2のダイオードは、共にツェナーダイオードであり、
上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第1のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第2のトランジスタ接続端子および第3のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの残りの2つの端子を接続し、かつ、上記2ピン構成のダイオード接続端子に上記第1のダイオードを接続することにより、上記第1のタイプの出力回路が形成され、
他方、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第4のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記第2のトランジスタ接続端子および上記第3のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの残りの2つの端子を接続し、かつ、上記2ピン構成のダイオード接続端子に上第2のダイオードを上記第1のダイオードとは逆向きに接続することにより、上記第2のタイプの出力回路が形成されることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
この発明は、プリント基板上に複数のタイプの回路で共有する配線パターンを形成し、該共有した配線パターンに複数のタイプの回路を構成する素子群をそれぞれ選択的に接続することで、1種類の配線パターンを用いて複数のタイプの回路を形成するようにしたものである。
【0029】
以下、この発明に係る回路形成方法および回路装置の一実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は、この発明に係る回路形成方法および回路装置を適用して構成した出力回路の一実施の形態を示す回路図である。
【0031】
図1において、この回路は、PLC内に設けられるもので、このPLCの負荷である図示しない複数のユーザ負荷を選択的に駆動するものである。
【0032】
ここで、この出力回路は、NPNタイプの回路とPNPタイプの回路が一部の配線パターンを共有して混在した構成をとっている。
【0033】
図1に示す回路からNPNタイプの回路を形成する場合には、図1に示した回路の内のPNPタイプの回路に関係する部分、すなわち
1)フォトカプラPHC5
2)トランジスタTR5
3)ツェナーダイオードZD5
4)抵抗R10
5)フォトカプラPHC7
6)トランジスタTR7
7)ツェナーダイオードZD7
8)抵抗R13
を実装しないことで達成することができる。
【0034】
この場合、図1に示した回路は、出力端子から電流を吸い込むシンクタイプの出力回路として動作し、ポートPORT00またはポートPORT01に加えられる駆動信号に対応して、出力端子OUT0000または出力端子OUT0001に接続される図示しないユーザ負荷を選択的に駆動する。
【0035】
例えば、入力ポートPORT00に加えられる駆動信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R9、フォトカプラPHC6を介してトランジスタTR6のベースに加えられ、トランジスタTR6をオンにする。
【0036】
これにより、出力端子OUT0000から電流を吸い込み共通端子COMに吐き出すシンクタイプの出力回路としてこの出力端子OUT0000に接続される図示しないユーザ負荷を駆動する。ここで、抵抗R11はトランジスタTR6のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD6は、トランジスタTR6の保護を行うものである。
【0037】
同様に、入力ポートPORT01に加えられる駆動信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R12、フォトカプラPHC8を介してトランジスタTR8のベースに加えられ、トランジスタTR8をオンにする。
【0038】
これにより、出力端子OUT0001から電流を吸い込み、共通端子に吐き出すシンクタイプの出力回路としてこの出力端子OUT0001に接続される図示しないユーザ負荷を駆動する。ここで、抵抗R14はトランジスタTR8のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD8は、トランジスタTR8の保護を行うものである。
【0039】
また、この図1に示す回路からPNPタイプの回路を形成する場合には、図1に示した回路の内のNPNタイプの回路に関係する部分、すなわち
1)フォトカプラPHC6
2)トランジスタTR6
3)ツェナーダイオードZD6
4)抵抗R11
5)フォトカプラPHC8
6)トランジスタTR8
7)ツェナーダイオードZD8
8)抵抗R14
を実装しないことで達成される。
【0040】
この場合、図1に示した回路は、出力端子に電流を吐き出すソースタイプの出力回路として動作し、入力ポートPORT00または入力ポートPORT01に加えられる駆動信号に対応して、出力端子OUT0000または出力端子OUT0001に接続される図示しないユーザ負荷を選択的に駆動する。
【0041】
例えば、入力ポートPORT00に加えられる駆動信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R9、フォトカプラPHC5を介してトランジスタTR5のベースに加えられ、トランジスタTR5をオンにする。
【0042】
これにより、共通端子COMから吸い込んだ電流を出力端子OUT0000に吐き出すソースタイプの出力回路としてこの出力端子OUT0000に接続される図示しないユーザ負荷を駆動する。ここで、抵抗R10はトランジスタTR5のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD5は、トランジスタTR5の保護を行うものである。
【0043】
同様に、入力ポートPORT01に加えられる駆動信号がローレベルになると、このハイレベルの信号は抵抗R12、フォトカプラPHC7を介してトランジスタTR7のベースに加えられ、トランジスタTR7をオンにする。
【0044】
これにより、共通端子COMから吸い込んだ電流を出力端子OUT0001に吐き出すソースタイプの出力回路としてこの出力端子OUT0001に接続される図示しないユーザ負荷を駆動する。ここで、抵抗R13はトランジスタTR7のバイアス抵抗であり、ツェナーダイオードZD7は、トランジスタTR7の保護を行うものである。
【0045】
なお、上述した図1に示した回路上においては、NPNタイプの回路とPNPタイプの回路が併記されているので、回路規模は2倍になるように見えるが、この回路を実際に実装するプリント基板上では、後に詳述するように、トランジスタとツェナーダイオードの実装位置を共用しているので、NPNタイプの回路またはPNPタイプの回路単独の回路に比べて2倍の実装面積を必要としない。
【0046】
図2は、図1に示した回路におけるPNPタイプの回路を構成するトランジスタTR5とNPN回路を構成するトランジスタTR6との選択実装例を示したものである。
【0047】
すなわち、図1に示すように、PNPタイプの回路を構成するトランジスタTR5のエミッタとNPN回路を構成するトランジスタTR6のコレクタは、出力端子OUT0000に繋がるラインに接続されており、PNPタイプの回路を構成するトランジスタTR5のコレクタとNPN回路を構成するトランジスタTR6のエミッタは、共通端子COMに繋がるラインに接続されている。
【0048】
したがって、トランジスタTR5またはトランジスタTR6を実際に実装するプリント基板上では、その接続端子をトランジスタTR5のエミッタとトランジスタTR6のコレクタとで共用することができ、また、トランジスタTR5のコレクタとトランジスタTR6のエミッタとで共用することができる。
【0049】
以下、4ピン構成のトランジスタ接続端子を4ピン構成のスルホールとして説明する。
具体的には、図2に示すように、トランジスタTR5またはトランジスタTR6を選択
的に実装するためのスルホールを4ピン構成として、この4ピンの両端の2ピンをトランジスタTR5またはトランジスタTR6のベース接続用とし、中側の2ピンをトランジスタTR5とトランジスタTR6とで共用する。
【0050】
図3は、図2に示した構成を採用した場合におけるPNPタイプの回路を構成するトランジスタTR5とNPN回路を構成するトランジスタTR6との具体的選択実装例を示したものである。
【0051】
図2に示したように、トランジスタTR5またはトランジスタTR6を選択的に実装するための接続ソケットは、4ピン構成で、この4ピンの両端の2ピンをトランジスタTR5またはトランジスタTR6のベース接続用とし、中側の2ピンをトランジスタTR5とトランジスタTR6とで共用するように構成したので、図3(a)に示すようにトランジスタTR5を実装するときは、上記4ピンの内の3ピンを使用し、図3(b)に示すようにトランジスタTR6を実装する場合は、トランジスタTR6を図3(a)に示したトランジスタTR5と逆の向きにし、トランジスタTR5の実装に使用していたピンより1ピン分逆方向にずらした3ピンを使用して装着すればよい。
【0052】
なお上記説明においては、PNPタイプの回路を構成するトランジスタTR5とNPN回路を構成するトランジスタTR6との選択実装例を示したが、トランジスタTR7とトランジスタTR8の選択実装も同様に行うことができる。
【0053】
図4は、図1に示した回路におけるPNPタイプの回路を構成するツェナーダイオードZD5とNPN回路を構成するツェナーダイオードZD6との選択実装例を示したものである。
【0054】
すなわち、図1に示すように、PNPタイプの回路を構成するツェナーダイオードZD5のアノードとNPN回路を構成するツェナーダイオードZD6のカソードは、出力端子OUT0000に繋がるラインに接続されており、PNPタイプの回路を構成するツェナーダイオードZD5のカソードとNPN回路を構成するツェナーダイオードZD6のアノードは、共通端子COMに繋がるラインに接続されている。
【0055】
したがって、ツェナーダイオードZD5またはツェナーダイオードZD6を実際に実装するプリント基板上では、その接続端子をツェナーダイオードZD5のアノードとツェナーダイオードZD6のカソードとで共用することができ、また、ツェナーダイオードZD5のカソードとツェナーダイオードZD6のアノードとで共用することができる。
【0056】
以下、2ピン構成のダイオード接続端子を2ピン構成のスルホールとして説明する。
具体的には、図4に示すように、ツェナーダイオードZD6を選択的に実装するためのスルホールを2ピン構成として、ツェナーダイオードZD5を実装する場合とツェナーダイオードZD6を実装する場合でその方向を反対にする。
【0057】
図5は、図4に示した構成を採用した場合におけるPNPタイプの回路を構成するツェナーダイオードZD5とNPN回路を構成するツェナーダイオードZD6との具体的選択実装例を示したものである。
【0058】
図4に示したように、ツェナーダイオードZD5またはツェナーダイオードZD6を選択的に実装するためのスルホールは、2ピン構成で、この2ピンをツェナーダイオードZD5とツェナーダイオードZD6で共用しているので、図5(a)に示すツェナーダイオードZD5を実装するときと、図5(b)ツェナーダイオードZD6を実装するときとでその方向を逆にして実装すればよい。
【0059】
なお上記説明においては、PNPタイプの回路を構成するツェナーダイオードZD5とNPN回路を構成するツェナーダイオードZD6との選択実装例を示したが、ツェナーダイオードZD7とツェナーダイオードZD8の選択実装も同様に行うことができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、プリント基板上に複数のタイプの回路で共有する配線パターンを形成し、該共有した配線パターンに複数のタイプの回路を構成する素子群をそれぞれ選択的に接続するように構成したので、1種類の配線パターンを用いて複数のタイプの回路を低コストで形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る回路形成方法および回路装置を適用して構成した出力回路の一実施の形態を示す回路図。
【図2】図1に示した回路におけるPNPタイプの回路を構成するトランジスタTR5とNPN回路を構成するトランジスタTR6との選択実装例を示した図。
【図3】図2に示した構成を採用した場合におけるPNPタイプの回路を構成するトランジスタTR5とNPN回路を構成するトランジスタTR6との具体的選択実装例を示した図。
【図4】図1に示した回路におけるPNPタイプの回路を構成するツェナーダイオードZD5とNPN回路を構成するツェナーダイオードZD6との選択実装例を示した図。
【図5】図4に示した構成を採用した場合におけるPNPタイプの回路を構成するツェナーダイオードZD5とNPN回路を構成するツェナーダイオードZD6との具体的選択実装例を示した図。
【図6】従来のPLCで使用されるNPNタイプの出力回路(NPN回路)を示した回路図。
【図7】従来のPLCで使用されるPNPタイプの出力回路(PNP回路)を示した回路図。
【符号の説明】
R9 抵抗
PHC5 フォトカプラ
TR5 トランジスタ
ZD5 ツェナーダイオード
R10 抵抗
PHC6 フォトカプラ
TR6 トランジスタ
ZD6 ツェナーダイオード
R11 抵抗
R12 抵抗
PHC7 フォトカプラ
TR7 トランジスタ
ZD7 ツェナーダイオード
R13 抵抗
PHC8 フォトカプラ
TR8 トランジスタ
ZD8 ツェナーダイオード
R14 抵抗
Claims (3)
- 基板上に形成された配線パターンを用いて複数のタイプの出力回路を形成する回路形成方法において、
上記複数のタイプの出力回路として、上記配線パターンに接続された出力端子から電流を吸い込む第1のタイプの出力回路あるいは上記出力端子に電流を吐き出す第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するにあたり、
上記配線パターン上に接続端子を形成するとともに、この接続端子中に上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路との間で一部を共用する4ピン構成のトランジスタ接続端子を形成し、
上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するとともに、上記第1のタイプの出力回路を構成するための第1のトランジスタと、この第1のトランジスタと同型で、上記第2のタイプの出力回路を構成するための第2のトランジスタとを具備してなる素子群を上記接続端子に選択的に接続し、
上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第1のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第2のトランジスタ接続端子および第3のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第1のタイプの出力回路を形成し、
他方、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第4のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記第2のトランジスタ接続端子および上記第3のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第2のタイプの出力回路を形成する
ことを特徴とする回路形成方法。 - 基板上に形成された配線パターンを用いて形成された回路装置において、上記配線パターンに接続された出力端子から電流を吸い込む第1のタイプの出力回路と上記出力端子に電流を吐き出す第2のタイプの出力回路とからなる複数のタイプの出力回路と、
上記配線パターン上に形成された接続端子と、
上記接続端子に選択的に接続されることにより、上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するとともに、上記第1のタイプの出力回路を構成するための第1のトランジスタと、この第1のトランジスタと同型で、上記第2のタイプの出力回路を構成するための第2のトランジスタとを具備してなる素子群と、
上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路との間で一部を共用するとともに、4ピン構成のトランジスタ接続端子とを備え、
上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第1のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第2のトランジスタ接続端子および第3のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第1のタイプの出力回路が形成され、
他方、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第4のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記第2のトランジスタ接続端子および上記第3のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの残りの2つの端子を接続することにより、上記第2のタイプの出力回路が形成されること
を特徴とする回路装置。 - 基板上に形成された配線パターンを用いて形成された回路装置において、上記配線パターンに接続された出力端子から電流を吸い込む第1のタイプの出力回路と上記出力端子に電流を吐き出す第2のタイプの出力回路とからなる複数のタイプの出力回路と、
上記配線パターン上に形成された接続端子と、
上記接続端子に選択的に接続されることにより、上記第1のタイプの出力回路あるいは 上記第2のタイプの出力回路のいずれかを形成するとともに、上記第1のタイプの出力回路を構成するための第1のトランジスタおよび第1のダイオードと、上記第2のタイプの出力回路を構成するための第2のトランジスタおよび第2のダイオードとを具備してなる素子群と、
上記第1のタイプの出力回路あるいは上記第2のタイプの出力回路との間で一部を共用するとともに、4ピン構成のトランジスタ接続端子および2ピン構成のダイオード接続端子を備え、
上記第1のトランジスタと上記第2のトランジスタは、共に同型からなるとともに、上記第1のダイオードおよび上記第2のダイオードは、共にツェナーダイオードであり、
上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第1のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第2のトランジスタ接続端子および第3のトランジスタ接続端子に上記第1のトランジスタの残りの2つの端子を接続し、かつ、上記2ピン構成のダイオード接続端子に上記第1のダイオードを接続することにより、上記第1のタイプの出力回路が形成され、
他方、上記4ピン構成のトランジスタ接続端子のうち第4のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの1つの端子を接続するとともに、上記第2のトランジスタ接続端子および上記第3のトランジスタ接続端子に上記第2のトランジスタの残りの2つの端子を接続し、かつ、上記2ピン構成のダイオード接続端子に上第2のダイオードを上記第1のダイオードとは逆向きに接続することにより、上記第2のタイプの出力回路が形成されること
を特徴とする回路装置。
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JP21340097A JP3646763B2 (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 回路形成方法および回路装置 |
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