JP3645903B2 - 比較ゲノムハイブリダイゼーション(cgh) - Google Patents

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発明の分野
本発明は、一般的には細胞遺伝学の分野に、そしてより特定すると分子細胞遺伝学の分野に関係する。それは、参照ゲノムにおける配列の所在の一つの関数として、一つの対象細胞や細胞集団における異なった核酸配列の相対的コピー数を決定したり、いくつかの細胞や細胞集団における実質的に同一の配列の核酸配列コピー数を比較する方法に関連している。たとえば、この発明の方法は、一つまたはそれ以上の対象ゲノム(たとえば、一つの癌細胞や充実性癌(固形の癌、すなわち、癌の塊)の一部分からの多くの細胞)や部分における核酸配列の相対コピー数を、参照ゲノム(たとえば、正常なヒト中期スプレッド)におけるそれらの配列の所在の一つの関数として決定する手段を提供する。さらに、この発明は、一つの対象細胞や細胞集団における核酸配列の絶対コピー数を決定する方法を提供する。
この中にある例はヒト細胞に関連していたり、その記述はヒトへの関わりに第一に向いているけれども、本発明の概念は、どんな植物や動物からのゲノムに対しても適用できる。意味ある解析のためには比較されるゲノムは、実質的に同一の配列と見なしうるに足る類似性を持つことのみ必要である。たとえば、ヒトゲノムやその他の霊長類のゲノムは、本発明の方法に従って比較されうるであろう。
発明の背景
染色体異常は、遺伝的疾患、変性性の病気、そして変性性の病気の原因として知られている薬剤にさらされること、とくに癌、German"現代のヒト染色体研究”America n Scientist,58:182−201(1970);Yunis"ヒト新生物形成の染色体的基礎”Science 221:227−236(1983);German"染色体破損の臨床的意味”Genetic Damage in Man Caused by Environtal Agents,Berg,Ed.,pgs.65−86(Academic Press,New York,1979)に関係している。染色体異常は、次のようないくつかのタイプがある。余分なあるいは不足した特定の染色体、余分なあるいは不足した染色体の部分(断片的な二重性や欠損)、破損、環形成や染色体再配列等である。染色体のまたは遺伝子の再配列は、転位(ある染色体から別の染色体にある断片が移動すること)、ダイセントリクス(二つのセントロメアを持った染色体)、反転(染色体断片の方向性の反転)、増幅、欠損を含んでいる。
検出できる染色体異常は、250人のヒトの誕生毎に一回の頻度でおこる。染色体物質の欠損や付加を含んだ異常は、生物の遺伝子バランスをかえたり、胎児期の死や重度の精神的もしくは身体的欠陥につながる。ダウン症候群は、正常なら二つのところが21番目の染色体の三つのコピーをもつことによって引き起こされる。この症候群は、異数性と呼ばれる異常な染色体数によって起こる状態の一つの例である。ダウン症候群は、21番目の染色体におけるサブリージョンの断片的な複製(たとえば21q22)、そしてそれは21番目の染色体またはその他の染色体に存在しうるものであるが、そのような複製によってもまた引き起こされる。エドワード症候群(18+)、パトゥ症候群(13+)、ターナー症候群(XO)そしてクラインフェルター症候群(XXY)は、最もありふれた数的異常の例である。[Epstein,染色体のインバランスの結 果:Principles,Mechanisms and Models(Cambridge Univ.Press 1986);Jacobs,Am.J.Epidemiol,105:180(1977);and Lubs et al.,Scinece,169:495(1970).]
網膜芽細胞腫(del 13q14)、プレイダー−ウィリィ症候群(dl 15q11−q13)、ウィルム腫瘍(del 11p13)やクリドゥシャット症候群(del 5p)は、構造的異常に伴った重要な病気の例である[Nora and Fraser,Medical Genetics:Principles and Practice,(Lea and Febiger(1989).]。
人類の医学的な研究における切迫した目的の一つは、健康上の障害を起こすような遺伝子的異常の発見である。多くの場合、特殊な遺伝子や決定的な診断的マーカーの位置にたいする手がかりは、異常なコピー数が存在するゲノムの部分の同定から得られる。たとえば、出生前の診断では、既に示したように、完全なゲノムの余分なまたは欠損したコピーは、最も頻繁に起きている遺伝子的病変である。癌において、染色体そのものや染色体断片のコピーの欠損や多重複製、そしてゲノムの特定部位のより高レベルの増幅は、普通に起こることである。
そのような細胞遺伝学的情報の多くは、光学顕微鏡による染色体の研究以来、この数十年間にわたって得られてきた。過去30年間、細胞遺伝学者たちは、問題となる遺伝子の座位に対するヒントを少しずつ集めようとして、繰り返して起こる異常の部位を決めるための悪性腫瘍細胞の染色体を調べてきた。たとえ細胞遺伝学的分析が、染色体のなかにDNAが複雑にパッキングされていることによって数メガベースに限られるものであっても、この努力は、重要な情報に結び付いてきている。そのような伝統的細胞遺伝学の強みは、反転や転位、同様に欠損や多重複製、それに染色体そのものや部分の増幅などのような構造的異常が解るような、完全なゲノムの概観を一度に与えうることである。クローニングや詳細な分子的分析の発展に伴って、繰り返し起こる転位の部位は、慢性骨髄性白血病(CML)におけるBCR−ABRフュージョンなどのようなキメラ遺伝子の形成に注目するようになって、認識されてきている。欠損は、腫瘍抑制遺伝子の座位を何回も指摘することによって、認識されるようになってきている。そして、増幅は、過剰に発現した遺伝子を指摘することによって、認識されてきている。
遺伝子スクリーニングや生物学的線量法の従来の手順は、核型の分析を含んでいる。核型は、ある個体や個体の近縁グループの持つ固有の染色体構成であり、たいてい分裂中期における染色体の数と形態の両方によって定義される。それは、染色体数、個体の染色体型のコピー数(たとえば、X染色体のコピー数)、そして染色体の形態学、たとえば長さ、動原体インデックス、非結合性もしくはその様なものによって測定されるもの、などからなる。核型は、従来では生物の中期、前期または、さもなくば凝縮した(たとえば、成熟前染色体凝縮)染色体を化学的に染色することによって決定されている。最近になって、細胞の中で分散した状態にあって目に見える染色体の境界が欠如している間期の染色体を視覚化できるようになるまで、凝縮した染色体が用いられている。凝縮した染色体における長軸方向のパターン、即ち一般的にはバンドとして参照されるパターンを示す化学染色を基礎にした多くの細胞遺伝学的技術が普及してきている。生物の各々の染色体のバンドパターンは、各々の染色体型の間違いのない同定をたいてい可能にする[Latt,"中期染色体構成の光学的研究”Annual Review of Biophysics and Bioengineering,5:1−37(1976)]。
残念ながらそのような従来のバンド分析は、細胞培養や高度な品質の中期スプレッドの調製を必要としている。そしてそれは、多くの時間と多大な労力を必要とし、困難を伴うことが多く、即ち不可能である。例えば、多くのタイプの腫瘍細胞は培養が困難であり、培養された細胞は、もとの腫瘍細胞集団の代表であるかはっきりしない。培養可能な胎児の細胞は、分析するために充分な中期の細胞を得るのに数週間かけて培養する必要がある。
過去十年にわたり、無処理の細胞核の解析を可能にするin situハイブリダイゼーションという方法が、間期細胞遺伝学として普及してきている。染色体の動原体、染色体全体、そして遺伝子の大きさほどの染色体断片に対するプローブが、開発されてきている。そのようなプローブを用いて、特殊な異常の有無が、きわめて効果的に決定されうる。しかしながら、多くの可能な異常を試験したり、ある病気で変わるゲノムの新たな部位を探すことは単調で退屈である。
本発明である比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)[他の呼び名の一つとして以前は、コピーレシオリバースサイトジェネティクス(CRRC)と呼ばれた]は、従来の細胞遺伝的技術の多くの限界を克服する強力な方法を提供する。たとえば腫瘍の細胞遺伝学や出生前診断の分野でCGHが適用されると、それが、対象となる腫瘍細胞や胎児の細胞のゲノム、または腫瘍細胞集団や多くの胎児の細胞からの典型的な細胞のゲノムの中のどこかに核酸配列の異常コピー数があるかどうかを、それらの細胞の凝縮した染色体スプレッドを調製せずに決定する方法を提供する。そのうえ、核酸配列の異常なコピー数や特異的な増幅や欠損を含んだ細胞遺伝学的な異常は、完全なゲノムや部分の素早い検索をする本発明の方法によって見つけることができる。より明確にいえば、CGHは、一つまたはそれ以上の対象となるゲノムや部分の核酸配列の頻度を参照ゲノムに関連して比較しマッピングする方法を提供する。それは、参照ゲノム(たとえば、正常ヒト細胞のゲノム)に存在する核酸配列の部位の関数として、ひとつまたはそれ以上の対象ゲノム(例えば、癌細胞)におけるその核酸配列の相対的コピー数の決定を可能にする。
遺伝子増幅は、数あるメカニズムの中の一つであり、それによって特異的タンパク質の量が増える必要があれば、細胞は表現形の発現を変えることができるのである。例として、発生の過程[Spradling and Mahowald,P NAS(USA),77:1096−1100(1980);Glover et al.,PNA S(USA),79:2947−2951(1982)],もしくは環境の変化に際しての特異なタンパク質量の増大は細胞障害性の薬剤に対する抵抗性を与えうること[Melera et al.,J. Biol.Chem.255:7024−7028(1980);Beach and Palmiter,PNAS(USA),78:2110−2114(1981)]がある。
遺伝子増幅の分析のためのサザンアナリシスや関連した従来の技術の主要な問題点は、単に特異的な部位だけが、分析されないゲノムの圧倒的多数をそのままにして、研究されていることである。一方、従来の細胞遺伝学的研究においては、ゲノムの大ざっぱな概観を提供してはいるものの、増幅が起こっているだろう遺伝子についてはほとんど情報を提供していない。しかしながら、本発明の手法によれば、それらの問題点を克服することができる。本発明は、増幅されたり欠損したりしているゲノムの全ての領域の正常な染色体の位置を明らかにする目的で使うことができる。そして、その検出できる領域の大きさは、用いる顕微鏡の解像度と凝縮した染色体のDNAの状態とによってのみ決められる。そのうえ、本発明は、他の利用として、遺伝子増幅や欠損、それに腫瘍の発生、進行ならびに以前よりもさらに徹底的な治療に対する応答におけるそれらの役割を研究するのにも使うことができる。CGHの方法は、充分に迅速でかつ簡単に行うことができ、例えば多くの腫瘍から得られるようなおびただしい数の対象となる核酸が、遺伝子の増幅や欠損を対象とする研究において分析されうる。
充実性腫瘍(固形の腫瘍、すなわち、腫瘍の塊)での核型のヘテロジェナイティーは、顕著に見られうる。普通に起こる染色体変化の中期スプレッドの解析による同定は、従来のバンドアナリシスを用いる限り、再配列の複雑さや中期染色体の調製を高品質でおこなうことができないために、しばしば困難あるいは不可能となる。CGHは、中期のスプレッドの調製をせずに腫瘍の核酸を調べることができるという点でその壁を克服する。CGHが、単一細胞において核酸を増幅することによっておそらく実施されうることから、CGHは、腫瘍の異なった細胞集団からの典型的細胞を研究することによって腫瘍のヘテロジェナイティーを研究する目的に使うことができる。これとは別に、一つの腫瘍のたくさんの細胞から大量抽出過程で得られた腫瘍の核酸に対するCGHは、明かなヘテロジェナイティーのなかで首尾一貫性を示しうる。例えば、同じ増幅された配列は、一つの腫瘍細胞において均質に染色された領域(HSRs)や二重微少染色体(DMs)として、しかしもう一つの腫瘍細胞では染色体腕の伸展として現れるだろう。さらに、明かなランダムさから生じる秩序が、CGHを使用することによってわかるかもしれない。
Montgomeryらは、PNAS(USA),80:5724−5728(September 1983)、らは、腫瘍細胞系から標識されたCot画分DNA(高頻度反復配列、低頻度反復配列や単一コピー配列は充分にとりのぞかれたCot画分)を前述の腫瘍細胞系からの中期スプレッドにハイブリダイゼーションすることに関心を持っている。Montgomeryらは基本的に、腫瘍細胞系ゲノムにかなり高度に増幅されてもどるような腫瘍細胞系からの核酸配列の位置をマッピングした。
一つの種の全てのゲノムDNAは、ハイブリッド細胞で高頻度反復配列からのシグナルに基づいて、その種とある異なった種の染色体とを区別するためにin situハイブリダイゼーションにおいて使われてきている[Pinkel et al.,PNAS(USA),83:2934(1986);Manuelidis,Hum.G enet.,71:288(1985);and Durnam et al.,Somatic Cel l Molec.Genet.,11:571(1985).)]。
Landegentらは、Hum.Genet.,77:366−370(1987)、Cot−1DNAによって高頻度反復配列をブロックすることによって、AluやKpn断片のような高頻度反復配列をコスミドでクローンされた完全なゲノム配列から除去した。その結果得たプローブは、in situハイブリダイゼーションに使われる。
ヨーロッパ特許明細書No.430,402(1991年6月5日published)には、染色体特異的ペインティングの方法と構成、つまり、高度に複雑な核酸プローブを用いた核酸配列に基づく染色体の染色の方法と構成が記載されている。一般的に、染色体特異的ペインティング方法において、ターゲットの核酸配列に特異的でない反復配列は、ラベルされていないゲノムDNAやCot−1[Bethesda Reserch Laboratory,Gaithersburg,MD(USA)から商業的に入手できる]ような高頻度反復配列を多くもつDNAによってブロックすることによって、ハイブリダイゼーション混合液やハイブリダイゼーション能力を失った溶液から除かれる手法がよくとられる。PinkelらPNAS(USA), 85:9138−9142(1988)もまた、国際公開公報No.WO 90/05789(1990年5月31日に公開。題名は、”in situ抑制ハイブリダイゼーションならびに利用”である)において記載されたのと同様の染色体特異的ペインティングの側面を記述している。
染色体特異的反復配列プローブや染色体特異的ペインティングプローブは、in situで中期のスプレッドにハイブリダイゼーションされるのと同様に間期の核にもハイブリダイゼーションされ、また個々のターゲットゲノムの遺伝子状態について情報を提供する。そのようなハイブリダイゼーションの限界、すなわち問題点は、細胞遺伝学的情報がプローブが結合した領域から提供されるだけであるということである。そのようなハイブリダイゼーションは、特定の異常、たとえば特定遺伝子の欠損やその他の異常の一つとして重複があるか否かを決定するには極めて有用である。しかし、それは、目下知られていない異常をある領域上で領域に基づいてに探すのには困難を極める。
不明な遺伝子的異常を探す他の方法は、同じようにたくさんの労力を必要とする。例えば、腫瘍細胞のヘテロ接合性の欠損を探すことは、腫瘍や正常細胞DNAのサザンブロットに対する多くのプローブを用いたハイブリダイゼーションをおこなうことを必要とする。CGHは、細胞遺伝学的技術の多くの問題点を克服する方法を提供する。
Saint−RufetらGenes,Chromosomes & Cancer,2:18−26(1990)は、乳ガンの研究から乳ガンの発生には遺伝子物質の増幅がよく起こり、多分重要なイベントであるけれども、そのような増幅を受ける関係した遺伝子は、普通乳ガンで重要だと考えられている原癌遺伝子と一致しているようには思えなく、なお不明のままであると結論づけた。
腫瘍細胞のHSRsは、正常細胞では増幅されない遺伝子が存在しないところで、きわめてよくみられるので、標準的な細胞遺伝学は、遺伝子の同定を手助けするような如何なる情報も与えない。一方、CGHは、それらの同定のための主要なステップとして、それらを正常遺伝子においてマッピングすることができる。
DutrillauxらCancer Genet.Cytogenet.,49:203−217(1990)は、ヒト乳ガンは、最も頻発する悪性腫瘍の一つであるけれども、多分それらの高度な変異性とそれらの解析の多大な困難のために、細胞遺伝学的データは乏しい、と報告している(203ページに)。彼らの、”どの異常が最も頻繁に起きるか、そして特に腫瘍の進行の初期において(P.203)”、を決めるための相対的に単純な核型を持つ30例の研究において、彼らは、”トリソミー 1qやモノソミー 16qは、乳ガンにおける初期の染色体変化であり、一方他の欠損や8qの増加は、明らかに二次的イベントである”と結論した[Abstract,P.203.]。Durillanyらは、さらに腫瘍抑制遺伝子内の欠損は、”乳ガンの腫瘍進行を特徴づける”と述べている(216ページに)。
多くの充実性腫瘍は、たとえば乳ガンの様な、いくつかの遺伝子的異常の蓄積を経て発生から転移へ進行すると信じられている。[Smith et al.,Breast CancerRes.Tr eat.,18 Suppl.1:S5−14(1991);van se Vijver and Nusse,Biochem.Biophys.Acta,1072:33−50(1991);Sato et al.,Cancer Res.,50:7184−7189(1990).]。そのような遺伝子的異常は、それが蓄積するにつれて、増殖的な優勢、遺伝子の不安定性や薬剤耐性を迅速にもたらす様な付随した能力、そして盛んな血管新生、プロテオリシスや転移を招く。その遺伝的異常は、劣性の”腫瘍抑制遺伝子”または、優勢に作用する癌遺伝子のどちらかに影響するだろう。ヘテロ接合性の喪失につながる欠損や組替えは、突然変異した腫瘍抑制対立遺伝子をむき出しにすることによって、腫瘍の進行の主要な役割を演じていると信じられている。
ヒト充実性腫瘍に関連した優勢にはたらく遺伝子は、過剰発現や変更された発現によって効果を現す。遺伝子の増幅は、遺伝子発現の活性化につながる一つのありふれたメカニズムである[Stark et al.,Cell,75:901−908(1989).]。細胞遺伝学的な研究の結果は、有意な増幅は、ヒト乳ガンの50%異常でおこることを示している[Saint−Ruf et al.,supra.]。癌遺伝子のバラエティは、ヒト悪性腫瘍の中で増幅されることが発見されてきている。ヒトの腫瘍の細胞性腫瘍遺伝子の増幅の例は、以下の第1表に示されている。
Figure 0003645903
腫瘍抑制遺伝子を含む染色体の欠損は、充実性腫瘍の発生や進行に重要な役割を演ずるだろう。網膜芽細胞腫腫瘍抑制遺伝子(Rb−1)は、染色体13q14に位置し、最も広範に調べられている腫瘍抑制遺伝子である[Friend et al.,Nature,323:643(1986);Lee et al.,Science, 235:1394(1987);Fung et al.,Scinece,236:1657(1987)]。そのRb−1遺伝子産物は、105KDaの核内の燐酸蛋白質であり、細胞周期の調節に明らかに重要な役割をしている[Lee et al.,supra(1987);Howe et al.,PNA S(USA),87:5883(1990)]。Rb蛋白質の発現の変更または喪失は、点突然変異または染色体欠損のどちらかを通じて両方の遺伝子の対立遺伝子の不活性化によって引き起こされる。Rb−1遺伝子の変更は、網膜芽細胞腫[Friend et al.,supra(1986);Lee et al.,supra(1987);Fung et al.,supra(1987)]でだけでなく骨肉腫[Friend et al.,supra(1986)]、小細胞肺癌[Hansel et al.,Cancer Res.,50:3067(1990);Rygaard et al.,Cancer res.,50:5312(1990)]や乳ガン[Lee et al.,Science,241:218(1988);T'Ang et al.,Scinece,24 2:263(1988);Verley et al.,Oncogene,4:725(1989)]のような悪性腫瘍でもまた存在していることが明らかにされてきた。制限酵素断片長多型(RELP)の研究は、Rb−1遺伝子の対立遺伝子のひとつが全体の染色体欠損に基づいて失われることを示唆することによって、そのような腫瘍のタイプは13qでヘテロ接合性を頻繁に喪失してしまっていることを示してきた[Bowcock et al.,Am.J.Hum.Genet.,46:12(1990)]。
第三染色体の短腕の欠損は、いくつかの癌、例えば、小細胞肺癌、腎臓の癌または卵巣の癌、に関係している。一つまたはそれ以上の想像上の腫瘍抑制遺伝子は、第三染色体(ch.3p)のp領域に位置していることが主張されてきている。[Minna et al.,Symposia on Quantitat ive Biology,Vol.L1:843−853(SCH Lab 1986);Cohen et al.,N.Eng.J.Med.,301:592−595(1979);Bergerham et al.,Cancer Res.,49:1390−1396(1989);Whang−Peng et al.,Can.Genet.Cytogenet.,11:91−106(1984);and Trent et al.,Can.Genet.Cytogenet.,14:153−161(1985)]
先に示された増幅されたまたは欠損した遺伝子のコレクションは、完全ではない。二重微小(DMs)や均質染色領域(HSRs)のような増幅の細胞遺伝学的証拠を示すような、Saint−Rufらの細胞での癌遺伝子増幅の研究(su pra)は、増幅された遺伝子は、ほとんどの場合癌遺伝子として知られていないことを明らかにした。Dutrillauxらは、(supra)最も頻発する悪性腫瘍”つまり乳ガンに対する”細胞遺伝学データは、不足している”ことを明らかにした。
充実性腫瘍の発生を引き起こす遺伝子の変化の発見は、困難なことであった。核型を決めることは、高品質な中期の調整の困難さや染色体変化の複雑さによって妨げられた[Teyssier,J.R.,Cancer Genet.Cytogenet.,37:103(1989)]。単離された腫瘍DNAの分子的な遺伝子の研究は、多くの成果をあげ、対立遺伝子の喪失、突然変異や増幅[Fearon et al.,Cell,61:759(1990);Sato et al.,Cancer Res.,50:7184(1990)Alitalo et al.,Adv.Cancer Res.,47:235(1986);and Schwab and Almer,Genes Chrom.Cancer.,1:181(1990)]の通常の領域の検出を可能にしてきたけれども、そのような分子的な方法は、一度に一つの特異的な遺伝子や染色体領域をターゲティングすること、そして大多数の検査しないゲノムを区別することとによって、とくに注目される。
それで、増幅されたりまたは欠損した遺伝子の同定をしたり、腫瘍、特に進行や侵入性を見張るようなより多くの細胞遺伝学的データを提供する一つの研究ツールは、腫瘍細胞遺伝学において必要とされる。CGHは、そのような一つの分子細胞遺伝学の研究ツールをもたらす。
一度にただひとつの座をターゲティングする制限酵素断片長多型(RFLP)による対立遺伝子喪失の研究全般において、一回のハイブリダイゼーションで全ゲノムを概観する能力は、紛れもない利点である。RFLPもまた、多型のプローブの有用性や得られる情報量によって限定される。
CGHは、一回のステップで完全なゲノムのコピー数核型を提供することができる点で、腫瘍の遺伝子的解析を容易にする。腫瘍DNAの獲得や喪失のある領域は、正常染色体上に直接マッピングされる。CGHによる原発性腫瘍とその転移との比較は、癌の進行に関して多くの情報を与えるはずである。類似的に、それらの腫瘍とは異なった別のゲノムは、CGHによって研究されうる。
発明の要約
コンパラティブ ゲノミック ハイブリダイゼーション(CGH)では、一個のサンプルから得られる異なるDNAあるいはRNAのコピー数を比較する目的で、あるいは一個のサンプル中に含まれる異なるDNAあるいはRNA配列のコピー数をもう一つのサンプル中に含まれる実質的に同一の配列のコピー数と比較する目的でin situハイブリダイゼーションのキネティックスを利用している。CGHを有用に利用する多くの応用例では、DNAあるいはRNAは対象細胞あるいは対象細胞集団から単離される。比較は定性的あるいは定量的に行うことができる。かりに一個の配列あるいは数個の配列についての絶対的なコピー数が既知、即ち決定されているならば、細胞あるいは細胞集団のゲノム全体のDNA配列の絶対的なコピー数を決定するのを可能にするような手法を開示することができるであろう。このような異なる配列を互いに識別するには、参照となるゲノム、すなわち、通常は中期の染色体、場合によっては間期の核、にハイブリダイゼーションを行った際に、それらの配列が結合する部位の位置が異なることが利用される。コピー数に関する情報は、参照となるゲノム上の異なる位置に存在するハイブリダイゼーションによるシグナル強度を比較することから得ることができる。
対象DNAの分析を行う目的で、ここに例示したようなCGHにおいて二つの代表的な基本的アプローチが行われる。第1番目のアプローチの一例では、対象細胞あるいは対象細胞集団からゲノムDNAが単離され、ラベリングされてから、参照となる染色体、即ち通常は中期染色体へのハイブリダイゼーションが行われる。また第2番目のアプローチの一例では、二つ以上の対象細胞あるいは細胞集団からゲノムDNAが単離され、それぞれ別々のラベルを付与してから参照となる染色体、即ち通常は中期染色体へのハイブリダイゼーションが行われる。
本発明のCGH法は、定性的手法としてもあるいは定量的手法としても応用することができる。CGHをうまく応用すれば、一個あるいは複数の対象細胞や対象細胞集団から得られるDNA配列を分析することができる。例えば、腫瘍や胎児組織などの臨床試験材料についてDNA配列を分析することができる。
CGHの利用において最も意味ある点は、例えば癌や先天的な欠陥などの病気の一因となる配列コピー数の変化が生じた場合、正常細胞中にその変化のある領域を見いだすことにある。例えば、コピー数の増加した領域では癌遺伝子が含まれている可能性があるし、またコピー数の減少した領域では腫瘍サプレッサー遺伝子が含まれている可能性がある。
代表的なCGH法は、対象細胞あるいは対象細胞集団に存在する異なるDNA配列のコピー数を比較するための方法であって、その方法は次の工程(a)〜(g)よりなる。即ち、
a)対象細胞、あるいはいくつかの対象細胞集団からDNAを抽出する工程と、
b)前記抽出された対象DNAをもし必要であれば増幅する工程と、
c)前記対象DNAをラベルする工程と、
d)参照となる中期染色体中の単一コピー配列に結合するラベルした対象DNA中の配列が十分にあり、またそれに対応する参照となる中期染色体中の単一コピー配列がハイブリダイゼーション前あるいはハイブリダイゼーション中にブロッキングされずに十分残っている条件で、参照となる中期染色体の複数の座に結合し得る反復配列をラベルした対象DNAから十分に除去した後で、またあるいは適当なブロッキング核酸配列を用いたプレハイブリダイゼーションによって参照となる中期染色体中の反復配列に対応する結合部位をブロッキングした後で、またあるいは適当なブロッキング核酸を用いたプレハイブリダイゼーションによってラベルした対象DNA中の反復配列をブロッキングした後で、またあるいは前記反復配列に対するブロッキング核酸を含んだハイブリダイゼーションで、前記ラベルした対象DNAを参照となる中期染色体にin situハイブリダイゼーションする工程と、
e)前記結合されラベルされた対象DNA配列をもし必要であれば可視化する工程と、
f)前記結合されラベルされた対象DNA配列から発生するシグナルの強度を参照となる中期染色体に沿った位置を示す役割として観測したり測定したりする工程と、
g)前記中期染色体の異なる位置におけるシグナルの強度を比較することによって対象DNAの異なるDNA配列のコピー数を比較する工程であって、その位置のシグナル強度が大きいほどその位置に結合する対象DNAにおける配列のコピー数が大きくなるようなコピー数の比較工程である。なお、対象となる核酸がRNAである場合にも同様のアナログ手法を行うことができる。
更にこの明細書では、二つまたはそれ以上の対象核酸をCGHによって分析する方法についても記述されている。ここで具体的に説明している方法においては、対象核酸は対象細胞あるいは対象細胞集団から得られるDNA配列である。対象核酸がRNAである場合にも、このアナログ手法を適用することができる。このような具体例の方法は、一つの対象細胞あるいは一つの対象細胞集団にある異なるDNA配列のコピー数を、もう一つの細胞あるいはもう一つの対象細胞集団に存在する実質的に同一の配列のコピー数に対して比較するための方法であって、次の(a)〜(g)の工程からなる。即ち、
a)対象細胞の両方、あるいはいくつかの対象細胞集団の両方からRNAを抽出する工程と、
b)前記抽出された両対象DNAをもし必要であれば増幅する工程と、
c)前記両対象DNAのそれぞれを別々にラベルする工程と、
d)参照となる中期染色体の複数の座に結合し得る反復配列をラベルした対象DNAから十分に除去した後で、またあるいは適当なブロッキング核酸を用いたプレハイブリダイゼーションによって参照となる中期染色体中の反復配列に対応する結合部位をブロッキングした後で、またあるいは適当なブロッキング核酸を用いたプレハイブリダイゼーションによってラベルした対象DNA中の反復配列をブロッキングした後で、またあるいは前記反復配列に対するブロッキング核酸を含んだハイブリダイゼーションで、前記別々にラベルした対象DNAを参照となる中期染色体にin situハイブリダイゼーションする工程と、
e)前記結合され別々にラベルされた対象DNA配列をもし必要であれば可視化する工程と、
f)前記それぞれの対象DNA配列から発生するシグナルの強度、及びその相対強度を、参照となる中期染色体に沿った位置を示す役割として観測したり測定したりする工程と、
g)前記中期染色体に沿った異なる位置におけるシグナルの相対強度を比較する工程であって、一つの対象DNAによる位置でのシグナルの強度がもう一つの対象DNAによる位置でのシグナル強度に比較して大きいほど、第1番目の対象細胞あるいは対象細胞集団のその位置に結合する配列のコピー数が第2番目の対象細胞あるいは対象細胞集団のその位置に結合する実質的に同一の配列のコピー数に比較して大きくなるようなシグナルの相対強度を比較する工程である。
この明細書に更に記載されている方法は、一つの対象細胞あるいは一つの対象細胞集団中の異なるDNAのコピー数を、もう一つの対象細胞あるいはもう一つの対象細胞集団中の実質的に同一のコピー数に対して量的に比較する方法である。この代表的な方法は、すぐ上で説明したところの工程(a)〜工程(g)と、次の工程(f)及び(g)よりなる。即ち、
f.前記参照となる中期染色体に沿った位置を示す関数として前記結合されたそれぞれの対象DNAから発生するシグナルの強度を測定しかつその強度の比を算出することにより比のプロファイルを得る工程、及び
g.前記参照となる中期染色体に沿った異なる位置間の比のプロファイルを量的に比較する工程であって、前記それぞれの位置における比のプロファイルが第1番目の対象細胞あるいは対象細胞集団中の位置に結合するDNA配列のコピー数が第2番目の対象細胞あるいは対象細胞集団中の実質的に同一の配列のコピー数に対する比に比例しているような量的な比較工程である。
前記の代表的な方法はさらに、二つ以上の対象DNA中に含まれる異なるDNA配列のコピー数を比較する工程を有しており、この工程での比較は、それぞれに対象DNAから得られるシグナルの間でペアワイズ(pairwise)に行ってなされる。
この発明はさらに、一つの対象細胞あるいは一つの細胞集団に含まれる異なるDNA配列のコピー数のもう一つの細胞あるいはもう一つの細胞集団に含まれる実質的に同一のコピー数に対する比を測定する方法にも関連している。この方法は上記に記載された工程(a)〜工程(f)と、次の工程(g)及び(h)からなる。すなわち、
g.両方の対象細胞あるいは対象細胞集団にある目盛り配列(calibration sequence)の平均コピー数を測定する工程であって、前記目盛り配列が実質的に参照となる中期細胞にある単一のコピー配列に同定される工程、及び
h.前記目盛りの位置での比のプロファイルが前記(g)工程で決定された平均コピー数の比に等しくなるように、それによって前記参照となる中期染色体に沿った他の位置で標準化された比のプロファイルがその位置で結合するであろう二つの対象DNAにあるDNA配列のコピー数の比を呈するように、(f)工程で算出された比のプロファイルを標準化する工程である。この方法は、更に多くの対象核酸配列にも広げることができる。それは例えば二つ以上の対象DNAに存在するDNA配列のコピー数の比を測定する場合であって、この際における比較は、それぞれの対象DNAから得られるシグナルの間でペアワイズに行なうことによりなされる。
さらにここでは、テスト細胞あるいはテスト細胞集団中の異なるDNA配列のコピー数を比較する方法が記載されており、その方法は、上記に記述した工程(a)〜工程(e)が適用されるとともに、次の工程(f)及び(g)からなる。即ち、
f.それぞれの対象DNA配列から発生するシグナルの強度、即ちその相対強度を、参照となる中期染色体に沿った位置を示す関数として観測したり測定したりする工程であって、そこでは対象細胞あるいは対象細胞集団の一つがテスト細胞あるいはテスト細胞集団であって、これに対し他の対象細胞あるいは他の対象細胞集団が正常細胞あるいは正常細胞集団であるような工程と、
g.前記参照となる中期染色体に沿って異なる位置間の相対強度を比較する工程であって、そこではある位置における相対強度が大きいほどその位置に結合する前記テスト細胞あるいはテスト細胞集団に含まれる配列のコピー数が大きくなることを特徴とし、ただしこの特徴は性染色体には当てはまらず、性染色体における前記の比較は、正常の対象細胞あるいは正常の対象細胞集団にある常染色体にある配列のコピー数に対する性染色体にある配列のコピー数の既知の差を計測することを必要とするものであるような工程である。
関連する代表的な方法は、テスト細胞あるいはテスト細胞集団に存在する異なるDNA配列のコピー数を比較するための方法であって、その方法は前述の工程(a)〜(e)が適用され、そこでは対象細胞あるいは対象細胞集団の一つがテスト細胞あるいはテスト細胞集団であってこれに対しその他の対象細胞ないしその他の対象細胞集団が標準細胞ないし標準細胞集団であり、この標準細胞ないし標準細胞集団における前記参照となる中期染色体の異なる位置に結合するDNA配列のコピー数が周知であって、さらに次の工程(f)〜工程(h)からなる。即ち、
f.前記参照となる中期染色体に沿った位置を示す関数として前記結合されたそれぞれの対象DNAから発生するシグナルの強度を測定しかつその強度の比を算出することにより比のプロファイルを得る工程と、
g.それぞれの位置に結合している標準細胞あるいは標準細胞集団にあるDNA配列の周知のコピー数に比のプロファイルをかけ算することによって前記参照となる中期染色体に沿ってそれぞれの位置での比のプロファイルを調整する工程と、
h.前記参照となる中期染色体に沿って異なる位置で前記調整された比のプロファイルを比較する工程であって、ある位置における調整された比のプロファイルが大きくなるほどそこに結合しているテスト細胞あるいはテスト細胞集団に含まれているDNA配列のコピー数が大きくなることを特徴とする比較工程である。
本発明のもう一つの代表的な方法は、テスト細胞あるいはテスト細胞集団に存在する異なるDNA配列のコピーステップの比を決定するための方法であって、この方法にはすぐ上に記述した方法における工程(a)〜工程(f)が適用されるとともに、同方法ではそれぞれの位置に結合している周知の配列のコピー数に比のプロファイルをかけ算することによって前記参照となる中期染色体に沿ってそれぞれの位置での比のプロファイルを調整する工程と、そして前記参照となる中期染色体上のある一つの位置に結合する前記テスト細胞あるいはテスト細胞集団に含まれるDNA配列のコピー数の、もう一つの位置に結合する配列のコピー数に対する比を、第1の配列の位置に調節された比のプロファイルを前記第2の配列の位置に調節された比のプロファイルで割ることによって算出する工程が含まれる。前記代表的な方法は、テスト細胞あるいはテスト細胞集団に存在する異なるDNA配列のコピー数を決定する目的でも用いることができる。この場合には上述した工程(a)〜(f)が行われ、それに続いてそれぞれの位置に結合してる標準細胞あるいは標準細胞集団にある周知のDNA配列のコピー数に比のプロファイルをかけ算することによって前記対象となる中期染色体に沿ってそれぞれの位置での比のプロファイルを調整する工程と、
前記テスト細胞あるいはテスト細胞集団に含まれ、参照となる中期細胞にある単一のコピー配列に実質的に同定される目盛り配列のコピー数を測定する工程と、
前記参照となる中期染色体にある目盛り配列の位置での標準化されかつ調節された比のプロファイルが上述の工程で測定された目盛り配列のコピー数と等しくなるように、更にもう一つの位置での標準化されかつ調節された比のプロファイルの値が前記テスト細胞あるいはテスト細胞集団においてその位置に結合するDNA配列のコピー数に等しくなるように調節された比のプロファイルを標準化する工程とが行われる。
この方法は変形してアナログ法として行うこともでき、その場合には二つあるいはそれ以上の目盛り配列が用いられ、そして調節された比のプロファイルが目盛り配列の全体のコピー数に最適に適合するように標準化される。好ましくは、その目盛り配列のコピー数はin situハイブリダイゼーションによって決定される。これらの方法は、一つ以上の目盛りの位置に対するプローブをin situハイブリダイゼーションする工程と、その目盛りの位置に比のプロファイルを最適に適合させることができるように標準化する工程から構成することが可能である。標準細胞あるいは標準細胞集団は、正常遺伝子であることが好ましい。CGHについての多くの応用例では、参照となる中期染色体は正常染色体である。
更に、この発明はアンテナ細胞ラインに対して行われる。具体的な方法では対象細胞あるいは対象細胞集団に存在するなんらかの配列または一群の配列の増幅度を測定するための方法であって、この場合には、上述の方法の工程(a)〜(e)を本質的に備えており、in situハイブリダイゼーションがアンテナ細胞に対して行われる。そのアンテナ細胞ではDNA配列あるいは配列群がテストされるように増幅されている。そしてその方法には、他の領域よりも意味あるほどに強い強度でハイブリダイゼーションが行われる領域について前記対象細胞を調査する工程が含まれ、そこではそのような領域が存在することでテストが行われている配列あるいは配列群の増幅度が示される。前記アンテナ細胞ラインの染色体は間期のものを用いても中期のものを用いてもよい。
単一のラベルされた対象核酸をハイブリダイゼーションする場合、あるいは多数でラベルされた対象核酸が連続的にハイブリダイゼーションが行われた場合、前記参照となるゲノムの上に存在する結合部位が、単一のシグナル強度あるいは複数のシグナル強度を観測ないし測定するまえには飽和されないようにすることが重要である。単一のラベルされた対象核酸の場合では、非飽和は多くの手法を用いることで達成されうる。例えばハイブリダイゼーションを停止したり、不十分量の核酸を用いたり、またあるいは充分量のラベルされていない核酸を提供したりすることによって非飽和状態を形成できる。このラベルされていない核酸は、前記参照となる染色体にうまく相補的に結合して、ラベルされた対象核酸によって結合部位が飽和されるのを競争的に妨げることができる。
二つあるいはそれ以上のラベルされた対象核酸がある場合、これらの対象核酸は連続的にあるいは同時に前記参照となるゲノムに対してin situでハイブリダイゼーションが行なわれる。同時のin situハイブリダイゼーションが好ましいが、それは、参照となるゲノムに存在する標的となる結合部位の飽和がその同時のハイブリダイゼーション手法を用いることで妨げられないからである。連続的なin situハイブリダイゼーションが用いられた場合、個々のハイブリダイゼーションが参照となる染色体における結合部位が飽和されるまえにうまく停止されるような条件の下で行わなくてはならない。
本発明の目的はゲノム内の配列コピー数の不安定性を1回のハイブリダイゼーションで検出し、ゲノム中の配列の獲得や損失をマッピングし、またあるいは対象となるゲノムのコピー数核型を示すことである。
さらに本発明の目的はいくつかの異なる細胞や細胞集団に共通した相対コピー数の相違を検出することである。例えば、CGH法はいくつもの異なる腫瘍から得たDNAを混合しラベルしたものを用いて行うことができる。これらの混合しラベルしたDNAを正常な凝縮染色体にハイブリダイゼーションさせることでほとんどの腫瘍におこるコピー数の変化のみを迅速に同定することができ、低頻度で起こる変化は除外される。このように本発明は異なる細胞またあるいは異なる細胞集団からなるいくつかの細胞から抽出した2種類あるいはそれ以上の対象となる核酸を同じようにラベルして反復配列を除去またあるいは抑制した条件でまた前述の混合してラベルした核酸配列に共通な配列コピー数の違いが分かっている条件で参照染色体にハイブリダイゼーションさせるというCGH法の利用を提示する。
本発明の別の目的は公的に記録された染色体材料、すなわち生検した組織標本でなるべくなら組織を採集した患者の医学記録にカタログ化し検索できるようにしたもの、あるいは考古学的な染色体材料についての細胞遺伝学的解析の手段を提供することにある。このような染色体材料は培養し染色体標本を調製する生細胞が得られないため当然伝統的方法では核型を調べることができない。しかしpolymerase chain reaction(PCR)法あるいはそれ以外の方法によりこれらの材料から核酸を抽出し増幅し、本発明により検査することができる。
本発明は腫瘍内で増幅や欠損が混在したものを同時に検出する方法で、その結果は腫瘍のその後の振舞いを決定するのに利用できる。前述の決定は腫瘍細胞の振舞いと増幅や欠損のパターンとを関連させることにより行う。この関連づけは、例えば今述べたように医学記録で検索できるようにした公式の腫瘍組織から得たDNAをテストしたときや新鮮な腫瘍標本をCGH法によりテストしたときに行われ、患者のその後を観察していく。さらに、このようなCGH法による関連づけは複数の対象細胞や対象細胞集団、例えば1つあるいは複数の腫瘍に関して行うことができる。
この発明の別の目的は、癌発達初期段階の病変と思われる部位の細胞を解析する方法を提示することである。この方法の有利な点はごく少量の細胞でも解析ができることである。病変部位の細胞の増幅や欠損を早期に検出することで、例えばこのような遺伝子再配列に関係があることが知られている侵襲の範囲で早期に治療を施すことができる。さらにこのような早期の検出により細胞の進行状況と本方法で検出される遺伝子再配列とを関連させて考えることができる。
腫瘍はそこに含まれる細胞が異なったタイプの遺伝子再配列を起こして多くの集団から成ることでヘテロな核型となりうる。前述したように腫瘍細胞は培養が困難で、培養細胞が最初の腫瘍細胞集団の特徴を示しているかどうかは明らかではない。本発明は培養の難点を回避して腫瘍細胞の遺伝的な特徴づけを可能とし、また本発明の方法で腫瘍内の異なる部分領域の細胞をテストすることによって腫瘍の異種混合性の遺伝的な特徴づけを可能とした。また多くの腫瘍細胞から大量に核酸を抽出することで腫瘍内の安定した増幅や欠損をテストすることも可能である。
検出感度を向上するために<アンテナ細胞系>と名付けたある細胞系を用い、核酸の増幅や欠損を検出する方法も本発明の別の目的として提示する。
本発明のさらなる目的として、子供の細胞から核酸を抽出して本発明に従って解析することで出生前および周産期の解析をおこなう方法を提示する。ヒトDNAを正常なヒト中期染色体にハイブリダイゼーションさせ、例えば第21染色体が余分に存在するダウン症候群などのように欠損や増幅がないかどうかを検査することがCGH法の1つの具体例として挙げられる。CGH法を行うためのテストキットも提示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明すなわち、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)のいくつかの方法を遂行するのに使われる一般的な方法を模式的に描いたものである。参照となる染色体は、求める情報を得るためにいろいろな核酸混合物を用いてハイブリダイゼーションされる。代表的な混合物では、他のさまざまな核酸集団中のブロック配列、例えばヒトゲノムDNA中の高頻度反復配列をブロッキングするように設計されたラベルしていない配列を含むことができる。すなわち、たとえば、ヒトのゲノムDNA内にある高頻度反復配列や、ラベルされた対象核酸のために用いられる濃度が10倍程度のファクター内に存在しているヒトゲノムDNAのようなラベルされた混合物に対するターゲット部位の飽和を防ぐためのラベルされない競争者核酸(第4図参照)、また、例えば腫瘍と正常ゲノムDNAなどの結合状態を別々に評価することが可能で、異なる起源から得られて異なるラベルが施された、一個あるいはそれ以上のプール(第5図と第6図参照)などを含むことができる。ラベルされたプールの配列頻度に関する情報は、参照となる染色体に沿っての位置の関数としてのシグナルにおける個々のシグナルの強度および/もしくは強度比における差異を解析することによって得られる。
第2図には、以下の例1において使われるCGH操作の一般的な概略図が示されている。参照となる染色体スプレッドは、この例では正常ヒト染色体であるが、まず最初に約1時間高濃度のラベルされていないヒトゲノムDNA(第2A図)とプレハイブリダイゼーションされる。プレハイブリダイゼーションにより、染色体におけるおおくの高頻度反復配列がブロックされて、ラベルされた対象核酸、この場合はラベルされた腫瘍DNAに存在する高頻度反復配列は、引き続くハイブリダイゼーションによって実質的なシグナルとしては現れなくなる。ラベルされた腫瘍DNAそしておそらくそれと競合するDNAもしくは他の対照核酸はその後、参照となる染色体にハイブリダイゼーションされる(第2B図)。以下の例1のように、ラベルされた対照核酸内に存在するセントロメアの反復配列をさらに効果的にブロッキングする目的で、ハイブリダイゼーションの際にCot−1DNAが用いられる。
第2図は、反復配列からのシグナルを減らす一つの方法の代表例である。他の方法は以下に詳しく述べられる。図の残りの部分に概説されている方法を含むCGH法のそれぞれにおいて、反復配列からのシグナルを低減するいくつかの方法が用いられているが、図では特には示されてはいない。CGH法にとって重要なことは、それぞれの対象核酸からのシグナルが、充分に区画された遺伝子座に結合する配列によって顕著であることである。ゲノム反復からのシグナルを完全に抑制することは必要ではないが、抑制が弱くなればなるほど、本方法は配列頻度における少しの差異を検出することが困難になる。
第3図は、さらに例1において使われる操作を図示したものである。第3A図に示されるように、ラベルされたヒト腫瘍DNAは、正常のヒト染色体スプレッドにハイブリダイゼーションされる。(第2図に対する説明において示されているように、反復配列からのシグナルを抑制することが前提であったが、この前提は図において特には示されていない。例1では、反復配列からのハイブリダイゼーションシグナルを抑制する一つのよい方法が詳しく説明されている。)この代表的な例において、腫瘍DNAはいくつかの配列が強く増幅されるような、たとえば、癌遺伝子を含むアンプリコンのような領域を持っていると仮定される。この腫瘍DNAにおいて増幅される配列は、ある腫瘍染色体においてはクラスター化され統合され得る。また増幅配列は腫瘍ゲノムにおいて複数の場所へ統合され得るし、もしくは、増幅配列は余分な染色体要素として存在し得るわけである。アンプリコンの配列は、参照となるゲノム、この場合は正常ヒトゲノムであるが、そのような参照となるゲノムにおけるある染色体の座位にマッピングされるだろう。
第3B図は、ターゲットである参照となる染色体上へシグナルを構築する反応動力学(キネティックス)を図示している。シグナルは増幅される領域においてより迅速に形成される。なぜならこれらの配列のより多くのコピーがハイブリダイゼーションに提供されるからである。もし、反応がターゲット染色体が飽和する前に停止したら、あるいはかりに、不十分な量の標識DNAが飽和を完了するために加えられたとしたら、そのときは、腫瘍において増幅されたゲノム領域は正常染色体上での強度がより強く現れるだろう。この様子は、左の参照となる染色体上でより濃く斜線で示したバンドによって示される。もっと強くラベルされた領域(より濃く斜線を塗ったバンド)は、対照ゲノムにおいて反映されるようにアンプリコンの位置と量を示している。このように、増幅は前もって存在するかどうかを知らなくても検出され、そして増幅された配列の源は正常ヒトゲノムにマップされる。
もし、第3図に示すような反応がターゲット部位が飽和するまで進行することができたとすると、コントラストが失われてしまう。このことは右の代表的な参照となる染色体によって示されるように、アンプリコンが識別されなくなるのである。したがって、CGHをこのように実現するときには、ターゲットの飽和が起こる前にハイブリダイゼーションを停止すること、もしくは飽和するには不十分な量のプローブしか供給しないことが重要である。グラフには、増幅された領域(グラフ右)と増幅されない残りの領域(グラフ左)におけるハイブリダイゼーションシグナルの形成が模式的に示されている。矢印は、化学動力学曲線の観測時間と染色体領域を結んでいる。
第4図には、第3B図の右部分に示されるようにターゲットの潜在的な飽和を避けるCGHの実施例が示されている。この代表的な例において、参照となる核酸はヒト染色体であり、対象となる核酸はラベルされた腫瘍DNA(4A)である。もし、ラベルされていないヒトゲノムDNAがラベルされた腫瘍DNAとともに過剰に、この場合は標識腫瘍DNAの濃度よりも5倍高い濃度であるが、含まれるならば、このときターゲットのどんな飽和も、第3B図の右部分に示すようにラベルされたコピー同士だけというよりはむしろ、核酸配列のラベルされたコピーとラベルされていないコピーの結合に基づく。(ここでも第2図および第3図において示したように、反復配列からのシグナルを低減する方法は、この図には示されていない。しかし参照となるゲノムに存在する多重遺伝子座に結合する反復配列を実質的に取り除くため、かつ/もしくはそのような配列がターゲットと結合することを阻害するような反復配列を十分に除くためにプロトコールが行われるものと仮定されている。)
反応の初期の段階では、増幅される領域は、染色体の他の領域よりもより速く形成され(たとえば、もし配列が5倍に増幅されたとすると、5倍より速く形成される)、第3B図の左に示すように増幅領域は検出可能になる。しかしながら、反応が飽和へ進行するにつれて、染色体の増幅されない領域が第3B図の右に示されるように5分の1(1/5)だけの強度にしか達しない。これはほとんどの部位はラベルされていない配列のコピーで満たされているからである。一方、腫瘍において5倍に増幅された一つの配列は、飽和強度の半分(1/2)に達するであろう。というのはこの配列のラベルされたコピーとラベルされていないコピーとは同じ数存在するからである。このように、コントラストは反応の進行にともなって変化するけれども、コントラストは、本法によれば反応のすべての段階で維持される(第4B図に示されるように)。
第5図には、いろいろな配列のコピー数の少しの変化を検出する感度を高めるために考案されたCGHの実行方法が図示されている。第4図に示されたCGH操作に従うと、飽和レベルの固有の変化、すなわち、参照となるゲノムの異なる位置で形成されるシグナルの速度は、配列の異常な獲得もしくは損失をしめしているのではないだろう。このような固有の変化は、配列のコピー数の変化を示しているという強度差の解釈と相入れないだろう。このCGHの実施例はそのような潜在的な問題を克服している。ラベルした対照となる核酸、この場合は緑色の蛍光色素でラベルされた腫瘍DNAを用いているが、このラベルした対象となる核酸の混合物と、別にラベルされた競争者核酸、この場合は赤色の蛍光色素でラベルされた正常ヒトゲノムDNAが用いられていて、この両者を供給することによって、この2つの別々にラベルされたDNAは、染色体に同時にハイブリダイゼーションされる。(もう一度言うが、反復配列を除去および/またはそれからのシグナルをブロックすることは実行されているが、ただし図示されてはいない。)参照となる染色体のそれぞれの染色体に沿っての緑色対赤色の比の変化は、それゆえ腫瘍における配列コピー数の増加もしくは減少する領域を示す。これらの比の変化は、参照となる染色体上での赤から黄へ緑へという色の変化を結果として引き起こす。
第6図は、グラフ的にかつ模式的に第5図に図示したCGH法のもとになる反応動力学を説明している。中心には、参照となる染色体のうちの1つの染色体、この場合は正常ヒト染色体がある。対照染色体上の斜線の暗さは、染色体に沿っての緑色と赤色強度の比を示している。
増幅される領域では、緑色/赤色の比は正常領域における値よりもずっと高い。一方欠損領域では、緑色/赤色の比は正常領域におけるよりもずっと小さい。緑色/赤色強度比の異なる領域のそれぞれの具体例からの矢印は、ハイブリダイゼーション中における緑色(腫瘍DNAでの実線)と赤色(正常DNAでの破線)シグナルの形成を示す反応動力学挙動曲線を指し示す。正常領域では、グラフの上部であるが、赤色と緑色のシグナルは共に形成される。(シグナルは、本説明のために等しくなるように規格化してある。)増幅される領域では、上部右側であるが、緑色(腫瘍)シグナルが赤色(正常)シグナルよりもきわめて迅速に形成される。緑色/赤色比は近似的に増幅のレベルになる(染色体の正常部分に規格化したと仮定して)。
第6図の下左側に、重複領域のシグナル形成が示されている。つまり、緑色(腫瘍)シグナルは、赤色(正常)シグナルより50%より明るくなっている。下右側には、欠損領域のシグナル形成が模式的に記述されている。つまり、緑色(腫瘍)シグナルは、赤色(正常)シグナルよりも50%暗くなっている。このCGH実施例の比をとる方法は、いくつかの染色体のスプレッドへのハイブリダイゼーションが局所的なハイブリダイゼーション環境の相違によって他よりも本質的により明るくなっていることを常に発見することを、さらに標準的にする。
第7図は、5つの繊維芽細胞系におけるX染色体の数と、常染色体の緑色−赤色比に相対化にしたX染色体の平均緑色−赤色比との相関をグラフィカルに示している。
第8図は、乳癌細胞系600PE(緑色)もしくは正常DNA(赤色)との比較ゲノムハイブリダイゼーションをした場合の、第1、9、11、16、及び17染色体の緑色−赤色比のプロファイルを示している。このプロファイルは、染色体領域の相対的なコピー数を反映している。16pと16qというコスミドプローブと中期や間期にある600PE細胞との蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)は、次のことを示した。すなわち、16pコスミドプローブでは2つのシグナルがあり16qコスミドプローブでは1つのシグナルがあった。FISHによって提供されるこれらの遺伝子座の絶対的コピー数に関するこの情報は、比の値1.0の解釈として、ゲノム全体でその配列の2つのコピーが存在することを示しているといえる。
1p36から1p34におけるプロファイルの窪みは、以前に疑われなかった小さい間在的な欠損を示しているのかも知れない。しかしながら、この観察は、その領域にたいする特異的なプローブを用いて独立にはまだ証明されていない。ゲノムのセントロアおよびヘテロクロマチン領域は、解析には含まれない。というのはCot−1DNAがこの領域のシグナルを部分的にブロックしたり、またはそれらの座位で同一の配列間に生じる大きなコピー数多型が信頼できない比データを生じさせたりするからである。
第9A図と第9B図は、COLO 320 HSR(ヒト大腸腺癌細胞系)とNCI H69(小細胞肺癌細胞系)のDNA(緑色)をそれぞれ正常ヒトDNA(赤色)と比較ゲノムハイブリダイゼーションした時における、第8染色体(第9A図)と第2染色体(第9B図)の緑−赤蛍光強度比プロファイルをそれぞれ示している。
第9A図は、8q24のmyc遺伝子座の緑ー赤比が、大きくなっていることを示している。これはよく知られたCOLO 320 HSR細胞系のmyc遺伝子の高レベルの増幅と一致する。
第9B図において、3つの増幅された領域が第2染色体の上にみられる。2p24でのシグナルは、NCI−H69細胞系において増幅されることが知られているNーmyc遺伝子座に対応する。高い緑ー赤蛍光比を示す他の2つの領域、2p21と2q21が、NCI−H69細胞系で増幅されるということはこれまでに知られていなかった。
詳細な説明
比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は、またコピーレシオリバースサイトジェネティクス(CRRC)、競争ハイブリダイゼーションそして定量的in situレシオカリオタイピング(QUIRK)とも呼ばれている。さらに、蛍光発色団をラベルとして用いた実施例で、本方法は、競争FISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)と呼ばれた。CGHは、一つのゲノムを直ちに概観して、増幅、重複や欠損を同定しうる方法を特に提供する。
CGHは、核酸配列(たとえば腫瘍から分離されたゲノムDNA)の混合物における異なる要素のコピー数の変動を、参照となる生物のゲノム(たとえば、同じ種由来の正常細胞のゲノム)におけるこの配列の位置の関数として、決定する方法を提供する。これらの方法は、核酸配列混合物を参照となる生物の染色体へin situハイブリダイゼーションすること、染色体に沿っての異なる位置におけるハイブリダイゼーションの強度を測定すること、から構成される。例示的な方法が、模式的に第1図から第6図に概説されている。これらの図式例は完全なものではなく、基本的なアプローチの幅広い応用方法や他の使用法を提案するものである。
図の説明が示すように、反復配列からのシグナルが対象核酸プールからのシグナルを凌駕しないこと、ならびに反復配列からのシグナルがプールから取り除かれること、もしくはこのシグナルが必要に応じて抑制されることが、重要である。例えば、異なる染色体上にある部位とか同じ染色体上にあるが全く異なった部位とかのように、染色体上の全く異なった多くの部位と結合してしまうような配列を、ハイブリダイゼーションから除去するかまたは、ハイブリダイゼーション混合物においてブロックすることが望まれる。CHGの多くの適用において、ラベルされた対象核酸から除かれたり、ブロックされたり、結合相手がブロックされるのは、とりわけAlu,Kpn,Linesとアルファサテライトのような高頻度反復配列である。ここに記述するのは、このような反復シグナルを除去したり、ブロックする方法である。標識核酸において単一コピー座位に結合する核酸配列は、ラベルされた対象核酸のハイブリダイゼーション混合物中に十分に保持されていることに注意を払うべきである。そしてハイブリダイゼーションの前や途中で、多重に遺伝子座位(すなわち、視覚的に区別し得る遺伝子座)に結合する反復配列に較べると、そのような単一コピー配列は、参照となる染色体における結合部位と同じように、十分にブロックされずに残ることにも注意を払うべきである。
本発明の方法は、以前には知られていなかった増幅と欠損領域を同定する具体的方法を提供する。たとえば、例1で詳しく述べられているようにCGHの1つの実施例は、少なくとも大きな欠損同様に約5倍から10倍以上大きく増幅されたすべての領域を同定することによって、ゲノムの概観を直ちに与える効率のよい方法を提供する。より小さな増幅と欠損を同定することができるさらに感度のよい具体例も、また開示されている。
ナノグラム量の対象核酸が、本発明のCGH法には必要である。パラフィン包埋腫瘍切片は、新鮮なもしくは凍結試料と同様に使うことができる。正常および悪性組織からのsnap凍結試料が、mRNA分離には適している。
対象細胞からの必要な核酸を分離するためには、標準的な処方が用いられる。しかしながら、もしDNAとかmRNAような核酸が、少ない数の細胞(特定の腫瘍の一部のように)から、もしくは単一細胞から抽出されるのであれば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法とか、非ポリメラーゼ連鎖反応(non−PCR)法によって、その核酸を増幅することが必要である。PCRおよび望ましいPCR処方は 述べられる。例示的なnon−PCR処方は、リガーゼ連鎖反応(LCR)と、適当なプライマーとその拡張(ランダムプライミング)を使う事による線形の増幅反応を含んでいる。
CGHの様々な実施例のいくつかは、特に第1図から第6図において、図解されている。第5図および第6図において示される実施例では、対象核酸が、この場合はヒトゲノムDNAであるが、他の対象核酸から別途にラベルされ、増幅や欠損がシグナル強度の単なる変化というよりはむしろ、異なるシグナル間の比の変化によって示される。
以下の例1,2,3のCGHに関連した代表例は、腫瘍細胞系DNAの正常ヒト中期染色体へのハイブリダイゼーションを含む。しかしながら、異なるゲノム由来の異なる核酸の間で行う、二対ごとや多重のハイブリダイゼーションには多くの順列組み合わせがある。これらはすべて本発明の範囲内で考察されている。
たとえば、CGHは、腫瘍細胞系由来のラベルされたDNAを同じ細胞系の中期染色体とハイブリダイゼーションするのに使い得るだろう。こうして、それぞれの細胞系における増幅のレベルとパターンを、これらの結果を同上の腫瘍細胞系DNAの正常ヒト中期染色体へのハイブリダイゼーションと比較しながら、評価できる。交互的に、標識腫瘍細胞系DNAと、別にラベルされたヒトゲノムDNAは、同時に腫瘍細胞系の中期染色体にハイブリダイゼーションすることができよう。さらに、原発性腫瘍由来のDNAと、その転移由来のDNAは、別途にラベルされCGH法では、正常ヒト中期染色体もしくは関連した腫瘍細胞系中期染色体にハイブリダイゼーションできよう。これらは、CGHの多くの例のほんのいくつかにすぎない。
ここでの例は、乳癌細胞系および原発性腫瘍由来のDNAの正常ヒト中期染色体へのハイブリダイゼーションに関したことであるけれども、当業者なら誰でも以下のことが明らかであろう。すなわち、CGHは、腫瘍細胞のゲノムの研究、もしくは異常なゲノムを正常なゲノムにハイブリダイゼーションするという結果に限定されたものではない。CGHは、任意の2つもしくはそれ以上のゲノム、もしその核酸配列が十分に相補的で意味のある解釈ができるならば異なる生物種のゲノムでさえも、の核酸配列コピー頻度の比較を可能にする。生物種間の比較に関して、CGHによって得られた情報は、相対的なコピー数を評価するだけでなく、配列の多様性の評価をも含んでいることを注目すべきである。
対象細胞中の遺伝子の位置及び発現レベルを決定するために、染色体DNAではなく対象細胞中のメッセンジャーRNA(mRNA)や相補的DNA(cDNA)などを用いてハイブリダイゼーションを行うことができることが当業者には明らかであろう。細胞や細胞集団からのmRNAの抽出、逆転写によるin vitroでのcDNA合成は通常の方法で行われた。
CGHは対象ゲノムの凝縮染色体、例えば中期、前期もしくは他の凝縮した状態の染色体の調製を必要としない。このように、中期、前期など凝集した染色体を調製するのが困難、時間がかかる、あるいは不可能であるゲノム、たとえば腫瘍細胞や胎児細胞のゲノムもCGHによって研究することが可能である。
CGHは、ラベルした腫瘍核酸が増幅、重複、またもしくは欠損した核酸配列上で発するシグナルをコントラストよく可視化できる条件で、対象DNAたとえばラベルした腫瘍DNAと参照ゲノム例えば正常なヒト中期染色体のハイブリダイゼーションをおこなう。
このような可視化は、高頻度で散在あるいはクラスター化したAlu,Kpn,Lines,アルファサテライトあるいはその他の反復配列を含む多くの遺伝子座へ結合する反復配列のハイブリダイゼーションを、ラベルしていない全ヒトゲノム核酸できればDNAまたあるいはゲノムDNAのうちで反復配列を多く含む画分(Cot−1)を使って抑制する、またあるいはハイブリダイゼーション混合液からそのような反復配列を除去することによっておこなう。要求される検出感度に関しては、調べられるコピー数の差異を十分検出できるコントラストを得るのに必要な程度に応じて反復配列の除去やそれらのハイブリダイゼーションの抑制の程度を調整することができる。例えば、コピー数の変化が少なければそれだけより低いレベルの反復配列を抑制したり除去したりしなければならない。
複数のラベルした核酸をハイブリダイゼーション混合液中で用いる際には、それらの相対濃度や標識密度はいろいろな目的によって変更される。たとえば結果を視覚的に観察するまたは写真観察する場合は、個々の色強度はそれぞれの相対的な強度の違いが最もよく分かるように調整する必要がある。このような調整は、さまざまな選択枝のうちで、適当な検出試薬(アビジン、抗体など)の選択や顕微鏡フィルターのデザインによって行うこともできる。定量的な画像解析をおこなう時は、異なる色で染色したときの一般的な強度差を数学的に標準化して補正することができる。
CGHにおけるハイブリダイゼーションの動力学は複雑である。対象核酸はしばしば2本鎖であるため、相補的な配列は染色体にハイブリダイゼーションすると同様にハイブリダイゼーション混合中でも再会合する。そのような再会合のために、高頻度反復配列の濃度は低頻度のそれに比べてより急速に低下し、そのため対象DNA中のコピー数の違いが参照染色体上では本来よりも小さなシグナル強度の差となって現れる。さらに、ラベルした対象DNAはスライドガラスやカバーグラスなどに非特異的に結合するため、これらDNAの濃度はハイブリダイゼーション中に概して低下する。当業者は、CGHの定量性を最適化する多くの方法、例えばデジタル画像を数学的に修正する、ハイブリダイゼーション中に変性直後の対象DNAを加える、再会合速度を抑えるほど大量のラベルしていないゲノムDNAを加えるなどの方法があることに気づくだろう。<飽和>という語はハイブリダイゼーションの動力学を背景にして定義されている。
伝統的な細胞遺伝染色の場合と同様に、CGHの解像力は現在のところ光学顕微鏡で見る事のできるレベルである。したがって対象核酸中の小さい配列を増幅して対象ゲノム中のシグナルとして観察するためには、配列を増幅する回数はそのシグナルが光学顕微鏡下で見える程度に十分でなくてはならない。たとえば例1におけるCGHの実施例を引合いに出すと、比較的小さなerbB−2遺伝子座(非常におおまかには、数百kb)は光学顕微鏡で可視的に区別されるためには少なくとも5倍より多く増幅されなければならない。一方染色体中の大きな部分が対象核酸中に高頻度で存在する場合は、その部分のシグナルは参照ゲノム中においてもっと低い増幅レベルで見えるようになる。
<ラベルした>という語は、ここでは核酸断片が修飾成分を直接持っているかどうかに関わらず、対象に結合した核酸断片を可視化するなんらかの方法があるということを示している。<対象核酸の核酸断片のラベル>と題した前項では、プローブを直接ラベルするいろいろな方法と、結合したプローブを検出他のラベル法について述べた。
<アンテナ細胞系>という語は、ここでは1つまたは複数の既知の重要な遺伝的異常がある参照ゲノムを示す。例としては、高度に増幅された癌遺伝子を例えば大きな均質染色領域(HSRs)に持つことが知られている細胞系である。このような細胞系の増幅領域は、正常な染色体に比べてはるかに大きな対象部位を持つといえる。増幅された対象配列は平均してより明るいシグナルを発するであろうことから、このようなアンテナ細胞系から得た参照ゲノム中のこれら大きな対象部位のシグナルはより容易に観察される。たとえば多くの腫瘍細胞から抽出した対象核酸をCGH法によりアンテナ細胞系へハイブリダイゼーションさせることで、この細胞系で増幅している事が知られている癌遺伝子が、同様に対象核酸中で増幅されているかどうかをテストすることができる。
アンテナ細胞系を参照ゲノムとして用いる時は、参照染色体はむしろ間期を用いる方がよい場合がある。たとえば対象核酸中である癌遺伝子が増幅されているかどうかを調べる場合、間期CGHは間期染色体を用いたCGHで十分である。しかしながら、情報は凝縮染色体を用いた時に最も多く得られる。
ゲノムのあらゆる位置の塩基配列は、<単一コピー>もしくは<反復>のどちらかに分類される。実際の目的を考えると、ハイブリダイゼーションの条件下で相補的なプローブが対象となる配列と安定に結合できるほど十分に長くなければならない。この長さは典型的には数十から数百ヌクレオチドの範囲である。
<単一コピー配列>は、半数体ゲノム当たりただ1コピーの対象核酸配列が存在することを表す。<単一コピー配列>は当分野では<ユニーク配列>としても知られている。単一コピー配列に相補的なプローブは半数体ゲノム当たり1つの結合部位を持つ。<反復配列>とは、同一のターゲット核酸の配列がゲノム当たり複数コピー存在することを表す。反復配列のそれぞれのコピーは全く同一である必要はない。重要な特徴は、反復配列のうちのある配列が他の配列と十分似ており、使われるプローブ核酸の同じ断片がハイブリダイゼーションの条件下でどのコピーとも安定に結合できるという事である。
ここでは、反復配列、反復した配列、反復はそれぞれ同じ意味で使われている。
<中期染色体>という語は、ここでは<凝縮染色体>の概念を包むように定義され、そして有糸分列の前期および中期の凝縮した染色体だけでなくすべての凝縮染色体、たとえば未成熟な染色体凝縮や個々の染色体が識別されうる細胞周期のあらゆる段階における染色体を意味するものと定義されている。参照ゲノム中の染色体は、できるだけ長い方が望ましいが、個々に識別できるほど十分に凝縮していることが望まれる。
対象核酸はここでは、もしそれが同じ種の同性の類のもの由来でかつ他の核酸と比べて細胞遺伝学的に大きく変わらない場合は、他の核酸と同じとみなしている。例えば本発明の目的では、正常なヒト女子リンパ球から抽出したDNAは正常なヒト女子胎盤細胞から抽出したDNAと同じ核酸とみなされる。
ここでは以下の省略形が使われている
省略形
AAF NーアセトキシルーN−2−アセチルーアミノフルオレン
ATCC アメリカンタイプカルチャーコレクション
BN NP−40を含む重炭酸緩衝液
Brd/Urd ブロモデオキシウリジン
BRL ベセスダ研究所
bp 塩基対
CCD 電荷カップル装置
CGH 比較ゲノムハイブリダイゼーション
Chr. 染色体の
CML 慢性骨髄性白血病
CRRC コピー比逆転細胞遺伝学
DAPI 4,6−ジアミノ−2−フェニールインドール
dATP デオキシアデノシン三リン酸
DCS 蛍光アビジンDCSとして使用(蛍光アビジンDを用いる市販されているセルソーター)
dCTP デオキシシトシン三リン酸
dGTP デオキシグアノシン三リン酸
DI DNAインデックス
DM 二重微少染色体
dNTP デオキシヌクレオチド三リン酸
dTTP デオキシチミジン三リン酸
dUTP デオキシウリジン三リン酸
EDTA エチレンジアミンテトラアセテート
E/P エストロゲン/プロゲステロン
FISH 蛍光in situハイブリダイゼーション
FACS 蛍光励起型セルソーティング
FITC フルオロセインイソチオシアネート
HPLC 高速液体クロマトグラフィ
HSR 均質染色領域
ISCN 国際細胞遺伝学命名法
IB 分離緩衝液
Kb キロベース
kDa キロダルトン
LCR リガーゼ連鎖反応
LOH ヘテロ接合性損失
Mb メガベース
met. 転移
min 分
ml ミリリットル
mM ミリモル
mm ミリメートル
ng ナノグラム
NIGMS ナショナルインスティテュート オブ ジェネラルメディカルサイエンス
NP−40 非イオン性変性剤 Nonidet P−40としてSigmaから購入可能(St.Louis,MO)
PBS リン酸緩衝生理食塩水
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PHA フォトヘムアグルチニン
PI ヨウ化プロピディアム
PMSF フェニルメチルスルフォニル フルオリド
PN−buffer 0.1Mリン酸2水素ナトリウム、0.1Mリン酸水素2ナトリウム、pH8、0.1%NPー40の混合物
PNM−buffer PN−bufferに5%非脂肪ドライミルクを加えたもの 0.1%アジ化ナトリウム
QUIPS 定量的画像解析システム
QUIRK 定量的in situ比核型決定法
Rb−1 網膜芽細胞腫癌抑制遺伝子
RELP 制限酵素断片長多型
RPM 回転/分 1分間当りの回転数
SD 標準偏差
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
SSC 0.15M塩化ナトリウム、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7
Td 倍加時間
μg マイクログラム
μl マイクロリットル
μm マイクロメートル
μM マイクロモル
VNTR 可変数タンデムリピート
コピー数の相違は、画像解析を用いて複数の凝縮染色体への対象核酸のハイブリダイゼーションの結果を平均化することでより高感度に知ることができる。このような方法を用いることで、バックグラウンドレベルのシグナル(ノイズ)と核酸配列コピー数の違いとを区別する事ができる。
画像解析
結果をより正確に、また、より容易に読み取るために、なるべくはコンピューターを用いた画像解析システムが、ハイブリダイゼーションからの信号とバックグラウンド染色の間の強度の差異を拡大、または正確に見積るために用いられてきた。画像解析と強度を測定する方法は、例えば、以下の文献に記載されている。In Hiraoka et al.,Scinece,238:36−41(1987)and Aikens et al.,Meth.Cell Biol.,29:291−313(1989).そのような画像解析システムにおいては、広範囲で比例的な感度を持つ高精度のCCDカメラを用いることが好まれる。
特別な量的な画像解析システム(QUIPS)の要素は、 光顕微鏡と結果の解釈と言う副題とともに例1にかかれている。例1に例証されているように、フィルターホイールが付属したコンピューター依存の画像解析システムは、DNAの信号の画像と対比染色からの画像をその画像上で重ね合わせるために用いられた。そこでは、偽色、即ち、正確にスペクトルを反映していない色が表現される。参照拡大、つまり、信号とバックグラウンド染色の強度間の差異が画像解析システムのコントロールによって強調される。域値付けもまた、そのようなシステムから調査分析された画像内ではほとんど現れないようなものを、バックグラウンド染色の値をゼロにすることで検出できるようにする方法である。よく似ていることだが、コンピューター解析は、バックグラウンドの減算や信号の揺らぎの平滑化、正確な強度測定、比例計算、染色体上の信号の平均化を多角的に解析することで可能にする。
絶対コピー数
参照となる染色体に対する対象のDNAハイブリダイゼーションは、配列の相対的なコピー数の情報を提供する。付加的な一般化のいくつかは、絶対コピー数の情報を得るのに必要である。これをするために都合のいい方法の一つは、プローブ、例えば、通常のハプロイドDNA内のいくつかの単一の遺伝子座や対象とする細胞や細胞群(それぞれ、等価の細胞や代表的な細胞のいくつかに)の細胞分裂中期核に特異的なコスミドへのハイブリダイゼーションである。その核を代表する細胞群内でのハイブリダイゼーションシグナルを数えることは、その遺伝子位置での絶対コピー数を与える。一つの遺伝子座での情報、つまり、参照である凝縮した染色体への対象とするDNAのハイブリダイゼーションからの強度(比例)情報は、残りのゲノムに対する絶対コピー数を与える。この場合、参照となる遺伝子座への強度(比例)データの最良の適応は、残りのゲノムの絶対配列コピー数のより正確な決定となる。
そうして、この発明のCGH法とこの分野で公知の他の方法と組み合わせると、参照とするゲノム内でのRNAやDNA配列の遺伝子位置の関数として、対象とする細胞や細胞群の実質的に全てのRNAやDNA配列の絶対コピー数についての情報が得られる。例えば、一つやそれ以上の染色体特異性のある反復配列やかなり複雑なペインティングプローブは、対象とする細胞や細胞群のゲノム構成を代表する分裂中期の細胞にそれぞれ別々にハイブリダイゼーションすることができる。染色体ペインティングプローブは、全てのヒトの染色体に用いることができる[Collins et al.,Genomics,11:997−1006(1991)]。特別な反復配列のプローブもまた、用いられる[Trask et al.,Hun.Genet.,78:251(1988)and references cited therein;and commercially available from Oncor(Gaithersburg,MD,USA)]。一つ、またはそれ以上のプローブのハイブリダイゼーションは、プローブの結合部位の配列の絶対コピー数を示す。
そのような細胞分裂中期の解析にとっては、およそ35キロベースからおよそ200キロベースからなる複雑なペインティングプローブが好まれる。およそ35キロベースからおよそ100キロベースのプローブの方がより好ましい。更に望ましいのは、コスミドプローブのような、35キロベースから40キロベース程度のプローブである。典型的な遺伝子座特異的ペインティングプローブは、コスミド、酵母由来人工染色体(YACs)、細菌由来人工染色体(BACs)、p1ファージプローブなどで、選択的に染色体のアームに結合する。例えば、そのようなコスミドプローブは、全てのヒトの染色体用にコスミドライブラリーを供給しているClontech社[South San Francisco,CA(USA)]の製品が市販されている。この発明のような方法に用いられきたコスミドプローブのもう一つの例は、cC13−787と呼ばれる3pコスミドプローブである。これは、Yusuke Nakamura,M.D.,Ph.D.[Division of Biochemistty,Cancer Institute,Toshima,Tokyo,170,Japan]が開発した。その単離と、3p21.2−p21.1へのマッピングは、Yamakawa et al.,Genomics,9(3):536−543(1991)に記載されている。もう一つの例は、Wen−Lin Kuo[Biochemical Department,P.O.Box 5507(L−452),Lawrence Livermore National Laboratory Livermore,CA 94500(USA)]が開発したJ14R1A12という3pコスミドプローブである。細胞分裂中期解析にとって、好適な反復配列プローブはセントロメア特異性、またはペリセントロメア特異性のある反復配列プローブである。例えば、そのようなセントロメアプローブには、例1に挙げた以下の2つ、染色体17ペリセントロメア反復プローブ(コスミド ck17.10)、染色体8のセントロメア領域に対するαサテライト反復プローブがある。さまざまな反復配列プローブが、Oncor[Gaithersburg,MD,(USA)]から市販されている。しかし、遺伝子座に特異的なペインティングプローブが、この発明の方法において核酸配列の絶対コピー数を決定するために反復配列プローブとして好まれる。
更に、対象とする核酸配列がDNAである時、参照のコピー数がサザンハイブリダイゼーションによって決定される。
それら参照のコピー数の参照頻度は、対象とする細胞や細胞群中の実質的に全てのRNAやDNA配列が決定されることから、基準値を与える。CGH法は、残りの配列の相対的コピー数を決定するために用いられる。しかし、絶対コピー数は、CGHの結果が決定されるのに反して基準値を必要とする。別な方法で、CGH法は、例えばゲノム、半数性、三倍体数性、8倍体数性の配列の絶対コピー数の差異、またはその中でそれぞれの染色体の1、3、8コピーの存在を見る上でかなり高度に標準化され、また数量化されなくてはならない。
PCRと顕微解剖
PCRのメカニズムについては、Saiki et al.,Science.23 0:1350(1985)and U.S.Patent Nos.4,683,195,4,683,202(both issued July 18,1987)and 4,800,159(issued January 24,1989)に説明があるので参照されたし。PCRは、ほんの少量のサンプルを必要とするだけで、そこから急速に且つ、高感度、また広範囲の用途を持つ、細胞フリーな分子クローニングシステムである。
CGH法によってテストするための対象となる核酸を増幅するための好適なPCR法は、PCRアダプター−リンカー増幅である[Saunders et al.,Nuc.Acids Res.,17,9027(1990);Johnson,Genomics,6:243(1990)and PCT 90/00434(published August 9,1990)]。ラベルされた対象の核酸は、200−300の細胞からアダプター−リンカーPCR法によって作成された。例えば、対象の核酸が腫瘍DNAであったとき、元のDNAは200−300の腫瘍細胞から得られた。その方法は、腫瘍のCGHクローンサブ細胞群によって解析するである。
もう一つの好適なPCR法は、Meltzer et al.によって記載された”染色体顕微解剖とその応用法による領域特異性プローブの急速な生成:短染色体再配列を鑑定するためのアプローチ”とよばれる、プライマー混合物を用いる方法である[Nature−−Genetics,1(1):24−28(April 1992)]。CGHに関心のあるシグナルを作る、参照となる細胞分裂中期染色体の部位での顕微解剖は、その部位に結合する核酸配列のPCR増幅を可能にする。増幅された核酸は、容易に回復し、有用なプローブライブラリーに用いられる。例えば、増幅された配列が急速に鑑定することができるようにコスミドライブラリーに用いられる。
コピー反復性配列は、PCRによって対象の核酸を増幅することを抑制することができる。その過程で用いられたPCRプライマーは、反復性配列の末端に相補的である。そのようにして、適切な方向に、反復配列によって切り出された配列の増幅が行われる。前述の反復性配列に相補的な配列を最初にハイブリダイズすることによって、そのような一連のPCRの過程で反復性配列の生産を抑制することができる。その反復配列の中で、前述の相補的配列が非相補的に接する末端を延長したり、ポリエラーゼによる延長を阻止し、ヌクレオチドの延長を抑える。ブロックしている配列の非相補的末端は、その配列がPCRの一連の過程でPCRのプライマーとして働くのを妨げる。反復性DNAファミリーであるAluLiに反対の方向のプライマーは、散在した反復性配列のPCR(IRS−PCR)[Nelson et al.,PNAS,86:6686(1989);Ledbetter et al.,Genomics,6:475(1990)]によってヒトの配列の選択的な増幅を可能にする。
以前から保存された材料
この発明の重要な側面の一つは、保存されていた組織材料からの核酸、例えば、パラフィン包埋やホルマリン固定された病理サンプルは、CGH法によってテストされうる。もちろん、前述の核酸を、伝統的な組織学的な化学染色法をされている染色体中に調製することはできない。また、充分に大きい断片をそのような組織切片から、例えばサザンハイブリダイゼーションのような他の従来の方法で取り出すことは困難である。しかし、そのようなサンプルからの核酸は、Greer et al.,Anatomic Pathology,95(2):117−124(1991)and Dubeau et al.,Cancer Res.,46:2964−2969(1986)のような既知の方法で取り出すことができる。もし必要ならば、さまざまなCGH法で増幅をテストしてもらいたい。その核酸は、ポリメラーゼチェインリアクション(PCR)法(前述)を用いて増幅される。例えば、前述のGreer et al.の方法により、パラフィン包埋された組織から抽出したDNAをPCRによって増幅できる。
そのように保存されていた核酸をテストする特別な付加価値は、そのようなサンプルが常に患者の医学的な記録として鍵を握っていることにある。それゆえ、診断上及び予後の有意義な連携は、患者の核酸材料の明らかになった細胞遺伝学的な状況と、患者の処置と結果の医学的な経緯の間で作られる。例えば、CGHで集められた情報は、患者の腫瘍の成長と欠損パターンをみることで、結果の知られている過去の患者のパターンと比較することで、腫瘍の侵入性を予測するために用いられるだろう。
よく似たことだが、何らかの方法で固定された、例えば、自然現象の過程を通じて保存された考古学的材料のような他の核酸もまた、CGHによって研究することができる。これまで示してきたように、種間のコピー数の差異は、既に研究された類似性と分岐の度合についての情報を与える。現生、絶滅種を問わず、種間の進化学的に重要なつながりや分岐は、CGH法を用いることによって研究できる。
腫瘍細胞遺伝学
CGHは、遺伝子の増幅や欠損、腫瘍の進化の度合の間の関連を評価する手段である。増幅と欠損、癌の段階と種別との関係は、予後的に重要である。なぜならば、そのような情報は、最悪の予後をもつように進化した腫瘍を作り出す病気を予測すること、つまり遺伝に基づく腫瘍の種類の決定に寄与するからである。付け加えると、初期の増幅と欠損についての情報は、二次的な病状の進行を予測するために有用である。CGHによって通常の細胞分裂中期の染色体(ゲノム部位、信号の強度と信号比率の差異、コピー数の相違が見られるゲノム部位の数)に定義されるような遺伝子増幅と欠損は、腫瘍の種別、組織学、Brd/Urdラベル、ホルモンの状態、意識がなくなるような状態、腫瘍の大きさ、生存期間、や疫学的、生物統計学的に有用な他の腫瘍の性質など、他の既知のパラメーターに関連している。例えば、CGHによってテストされた腫瘍DNAは、増幅と欠損とステージの関係を明らかにするために、異常増殖、in situの血管癌、ステージI−IIIの癌、転移リンパ節などである。
それらの関係は、効果的な治療上の介入を可能にした。例えば、一貫して増殖しつつある領域が、遺伝子の過剰発現や治療上攻撃しえる産物(例えば、成長因子リセプターチロシンキナーゼ、p185HER2)を包含している。
他の部位に転移したばかりのプライマリーな癌細胞からの核酸のCGHハイブリダイゼーションは、薬耐性と関係がある増幅か欠損かを鑑定するために用いられる。例えば、解析する対象の核酸は、およそ半分が化学療法に反応した転移性の病気をもつ患者からのもので、あとの半分が反応がなかった患者のものが選ばれる。もし遺伝子の増幅と欠損が急速に薬耐性を発達させる核型的に不安定であれば、化学耐性の患者からのプライマリーな腫瘍のほうが、化学感受性のある患者のそれよりも増幅または欠損が起こり易いと予想しえる。例えば、特別な遺伝子の増幅が薬耐性の発展に原因があるならば、それらの遺伝子周囲の領域は、プライマリーな腫瘍ではなく、化学耐性の患者の胸膜滲出からの腫瘍細胞では一貫して増幅されていると予想される。遺伝子増幅と欠損、薬耐性の発展性の関係の発見は、患者が補助的な治療からの利益をえられるかどうかの鑑定を可能にする。
一旦増幅や欠損の新しい領域がCGHによって発見されると、増幅または欠損領域にまたがるプローブを集めて、染色体特異的ペインティングを用いて詳細に研究された[Pinkel et al.,PNAS(USA),85:9138−9142(1988);EP Publication No.430,402(June 5,1991)]。増幅された領域に対するプローブは、同じ染色体からのセントロメアのシグナルより強いシグナルを示し、一方、増幅されない領域に対するプローブは、セントロメアのシグナルとテストとでおよそ同じ数を示す。例えば、増幅された領域17q22−23と20qter(例1にあるように増幅領域として新しく発見されたと議論されている)は、CGH(17q22−23領域でより著しく)を用いて腫瘍間でさまざまな大きさを示す。重要な遺伝子を含む領域は、全てのケースにおいて増幅されるような部分を見つけるために、より詳細に多様な腫瘍間の増幅領域をマッピングによって限定されることが予想される。それらの研究用のプローブは、例えば、National Laboratory Gene Library ProjectとNational Institite of Health(NIH)ゲノム研究プロジェクトによって特異的コスミドライブラリーに選択されうる。
c−erbB−2癌遺伝子は、HER−2やneuに関連しており、185kdの蛋白をコードしている。これまでの研究は、ヒト乳腺腫瘍細胞系にc−erbB−2遺伝子増幅があると報告している。[Kraus et al.,EMBO J.,6:6o5−610(1987);van de Vijver et al.,Mol.Cell Biol.,7:2019−2023(1987).]また、ヒト胸癌のc−erbB−2遺伝子増幅は、病状に関連していることが示され、臨床結果の予測もつきやすい。[Slamon et al.,Scinece,235:177−182(1987);Berger et al.,Cancer Res.,48:1238−1243(1988);Zhou et al.,Cancer Res.,47:6123−6125(1987);and Venter et al.,Lancet,11:69−71(1987)]c−erbB−2はまた、卵巣癌で増幅されることが示された。[Alitalo and Schwab,Advances in Cancer Res.,47:225−281(1986).]
C−mycは、ニワトリのレトロウイルスMC29の形質転換遺伝子の細胞間相同物で原癌遺伝子である。ヒトでは、c−mycは染色体8の長いアームのバンド124に乗っており、約5キロベースに及ぶ。myc蛋白は、核内の存在する燐酸蛋白である。c−mycの通常の機能は知られていない。しかし、確実に細胞分裂に関係し、腫瘍細胞と普通に増殖している細胞で発現は変わらない。c−mycに関する転移はその遺伝子の転写を変え、悪性の形質転換につながると一般に広く信じられている。
myc遺伝子ファミリーのN−mycメンバーの配列は、神経芽腫で1000倍に増幅され、示された。N−mycの増幅は、通常ステージIIIの後期とステージIVで観察される。小細胞の肺腫瘍もまた、2重の微少な染色体(DMs)と相同染色領域(HSRs)の両方でmyc遺伝子を増幅させる。mycは、結腸癌でも増幅される。[Alitalo and Schwab、前述]再び、そのような増幅は腫瘍の発達の末期にみられ、いわゆる悪性の性質をさまざまな細胞がみせるようになる。増幅は、c−myc、N−mycmyc遺伝子ファミリーの他のメンバー、L−mycのいずれかに関係している。[Watson et al.,前述pp.1084−1086]
付け加えると、過剰発現が、多様な薬耐性に関するp−糖蛋白遺伝子ファミリーや、P450を含む酵素やグルタチオンS−トランスフェラーゼのような薬代謝に関する酵素に観察される。[Fairchild and Cowan,J.Radiation Oncol.Biol.Phys.,20:361−367(1990).]
増幅または欠損した遺伝子の判断は、例えば胸癌のような癌の治療技術にとって重要である。それは、いくつかの理由による。
1)予測を改善するため、
2)薬耐性の発展に関して増幅または欠損を見つけるため、
3)治療効果を上げるため。
例えば、予測改善に関して言えば、胸癌において癌遺伝子の増幅は、いくつかの研究においてint−2、erbB−2やmycでは頻繁に起き、積極的な成長と乏しい予測に関係している。[Schwab and Aimer,Gene,Chromosome & Cancer,1:181−193(1990).](2)の理由に関することでは、遺伝子増幅は明らかにインビトロで薬耐性に通じ(例えば、ジハイドロフォレートリダクターゼ遺伝子の増幅はメソトレキセートの耐性に通じる。)、治療を経験した患者で起き易いこと(例えば、グルタチオンS−トランスフェラーゼとp−糖蛋白の過剰発現の結果として)が示された。[Fairchild and Cowan,前述]耐性に関する遺伝子の鑑定は、耐性に関する遺伝子の増幅が起きるように治療修正によって治療に多大な衝撃を与えることができる治療は、特別な治療法として、特定の増幅された遺伝子の過剰発現をしている腫瘍を目標を絞ることにより改善される。
胎児期の診断
病気に関連した染色体異常(すなわち、三染色体性)について胎児期のスクリーニングは、この発明の方法と内容によりそのような異常の急速な検出により助長される。CGH解析は、細胞培養法より速く結果が出るため、胎児期診断には有用である。
反復性配列の除去と反復性配列のハイブリダイゼーショ ン能力の無能力化
以下の方法は、反復性配列を除去するか、そのような反復性配列のハイブリダイゼーション能力を無能化するために用いられる。その方法は典型的で、広く知られた通常の技術を用いてできるよう図で表される。また、パラメーターや過程に従って修正や拡張も有り得る。
大量過程。ヒトゲノムのような、大量のゲノム内に、散らばった(あるいは共通の)反復配列を持つDNAの大部分は、Aluのような反復配列の少しのファミリーに含まれる。これらの方法は、一次的に相補的な核酸のハイブリダイゼーション速度が濃度の増加に伴い増加すると言う事実を利用している。もし核酸断片の混合物が変性され、ハイブリダイゼーションを可能にするような条件下でインキュベートされたなら、高濃度の存在下でその配列は他のものより急速に2重鎖になる。2重鎖核酸は除去され、残りはハイブリダイゼーションに用いられる。その代わり、部分的にハイブリダイゼーションした混合物は、対象の核酸、つまり、ターゲットに結合できない2重鎖配列のように用いられる。以下の方法は、反復配列のハイブリダイゼーション能力を無力化したり、混合物からそれらの配列を除去したりするために有用である典型的な方法である。
自己再結合。ハイブリダイゼーション混合物内の2重鎖核酸は変性され、それから混合物内でかなりのコピー配列が2重鎖になるように充分な時間をかけてハイブリダイゼーション条件下でインキュベートされる。反復配列の残りのラベルされた1重鎖コピーは、参照となる染色体が弱く、広くばらまかれた信号を作り出す間、結合する。
核酸阻害法。ハイブリダイゼーション能力が阻害されたハイブリダイゼーション混合物中のそれらの配列に相補的なラベルされていない核酸配列を、ハイブリダイゼーション混合物に添加する。対象の核酸と阻害する核酸は変性され、もし必要ならば、適切な条件下でインキュベートされる。阻害される配列は、他のものより急速に2重鎖になる。それゆえ、ハイブリダイゼーション混合物を染色体に適応するとき、参照となる染色体に結合できない。あるときには、阻害反応は急速に起き、インキュベート時間はひじょうに短くてすむ。もしハイブリダイゼーション混合物が変性後即座に染色体に適応されたなら、充分な結果が得られるだろう。さらに、そのプローブとそのターゲットは、ある場合同時に変性される。阻害方法は、一般にSealy et al.,"Removl of Repeat Sequences form Hybridization Probes",Nucleic Acid Res earch,13:1905(1985)によってサザンハイブリダイゼーションの関係において記載されている。核酸を阻害する例は、ゲノムDNA、ゲノムDNAの大量のコピー断片や以下に概略してあるような特別な配列を含む。
i.ゲノムDNA。ゲノムDNAはゲノムのコピー数に比例して生物の全ての核酸配列を含む。そうして、ハイブリダイゼーション混合物にゲノムDNAを添加することは、少量コピー配列より大量のコピー反復配列の濃度を増加させる。それゆえ、後者を効果的に阻害する。
ii.ゲノムDNAの大量コピー断片。大量のコピー配列のみを得たり、阻害のためにそれらを用いるためにゲノムDNAを断片化することは、例えば、以下に記載されているようにヒドロキシアパタイトでなされる。
配列の除去
ヒドロキシアパタイト。1重鎖、または2重鎖核酸はヒドロキシアパタイトに異なる結合能を持つ。その性質から、核酸断片化に用いられる一般的な原理が与えられる。ヒドロキシアパタイトは市販されている。[e.g.,BioRad Laboratories,Hercules,CA(USA)].反復の特別な領域を含むゲノムDNAの断片は、大量コピーから1回コピー至るまで、ゲノムDNAを変性することによって得られる。また、ヒドロキシアパタイトを用いる分離法によって、C0tの特別な値を与え、適切な条件下で再連合することを可能にする。1重鎖、または2重鎖核酸もまた、S1ヌクレアーゼを使用して区別される。その技術とC0tの概念は、in Britten et al.,"Analysis of Repeating DNA Sequences by Reassocation",in Methods in Enzymology,29:363−418(1974)に説明がある。
固定した核酸を用いた反応。特別な配列の除去もまた、1重鎖”吸収”核酸配列を個体の支持体に結合させることでなされる。1重鎖の元の核酸は固定された核酸にハイブリダイゼーションされる。ハイブリダイゼーション後、結合しない配列は集められ、CGHに用いられる。例えば、ヒトゲノムDNAは対象の核酸から反復配列を吸収するために用いられる。その配列は、Brison et al.,"General Method for Cloning Amplified DNA by Differential Screening with Genomic Probes,"Molecular and Cellular Biology,2:578−587(1982)に記載されている。手短に言うと、最小のヒトゲノムDNAは、ジアゾニウムセルロースや類似の支持体に結合する。適切に断片化された元のDNAは、固定されたDNAに対して1から100の範囲でC0tの値を持ち、ハイブリダイゼーションされる。ハイブリダイゼーション条件の好適な環境は、そのDNAの条件に依存して変わる。
プレハイブリダイゼーション。ラベルされていない相補的配列を利用したハイブリダイゼーションによる参照ゲノム内の反復配列結合部位の阻害は、その部位に結合する能力を持つ対象の核酸内のラベルされた配列の結合を妨げることである。例えば、ラベルされていないゲノムDNAのハイブリダイゼーションは、参照ゲノム2重鎖内の大量コピー反復配列に寄与する。対象の核酸内でそのような配列のラベルされたコピーは、実際に適応されるとき結合できない。
実際に、いくつかのメカニズムが、望んでいる対比と感受性を作るための結合に働く。
対象の核酸の核酸断片のラベルづけ
対象の核酸の1重鎖と2重鎖核酸断片にラベルづけするために多くの技術が用いられる。それらは、放射線ラベルe.g.Harper et al.Chromosoma,83:431−439(1984);蛍光色素や酵素の直接接触e.g.Smith et al.,Nuc.Acids Res.,13:2399−2412(1985),and Connolly et al.,Nuc.Acids Res.,13:4485−4502(1985);免疫学的や他の類似性反応により核酸断片を様々に化学修正e.g.Tchen et al.,Chemically Modified Nucleic Acids as Immunodetectable Probes in Hybridization Experiments,"PNAS,81:3466−3470(1984);Richardson et al.,"Biotin and Fluorescent Labeling of RNA Using T4 RNA Ligase,"Nuc.Acids Res.,11:6167−6184(1983);Langer et al.,"Enzymatic Synthesis of Biotin−Labeled Polynecleotides:Novel Nucleic Acid Affinity Probes,"PNAS,78:6633−6637(1981);Brigati et al.,"Detection of Viral Genomes in Cultured Cells and Paraffin−Embedded Tissue Sections Using Biotin−Labeled Hybridization Probes,"Virol.,126:32−50(1983);Broker et al.,"Electron Microscopic Visualization of tRNA Genes with Ferritin−Avidin:Biotin Labels,"Nuc.Acids Res.,5:363−384(1978);Bayer et al.,"The Use of he Avidin Biotin Complex as a Tool in Molecular Biology,"Methods of Biochem.Analysis, 26:1−45(1980);Kuhlmann,Immunoenzyme Techniques in Cytochemistry(Weinheim,Basal,1984).Langer−Safer et al.,PNAS(USA),79:4381(1982):Landegent et al.,Exp.Cell Res.,153:61(1984):and Hopman et al.,Exp.Cell Res.,169:357(1987)の方法が含まれる。ここに示されているように、直接的または間接的に様々な方法が、参照となるゲノムにハイブリダイゼーションするように対象の核酸配列を検出するために利用されている。適切な検出物質には、様々なリガンド、放射能ヌクレオチド、蛍光色素、他の蛍光剤、化学発光、酵素基質、補酵素、分子、色素などを含む。好適な典型的なラベルづけの手段はそれらを含む。その中で、プローブ断片はビオチン化されたり、N−アセトキシ−N−2−アセチルアミノフルオレンで修正されたり、フルオレセイン イソチオシアネートや他の蛍光色素で修正したり、水銀やTNPリガンド、スルホン酸塩化、二酸化したり、T−T二量体を含んだりする。
ラベルづけの好適な方法は、末端トランスフェラーゼラベル法である。もう一つの好適な方法は、ポリメラーゼ延長によって混合された配列プライマーでランダムなプライミングである。これは、もしいくつかのサイクルが用いられるならば、対象の細胞や細胞群から得られたほんの少量のDNAでも、対象のDNAの量を増幅する付加的な特色をもつ。
ラベルづけの鍵となる特色は、参照となる染色体に結合する対象の核酸断片が検出されることである。ある場合には、対象の核酸断片の本質的な特徴が、付加された特徴よりもずっとこの目的に活かされる。例えば、RNA/DNA2本鎖を特異的に認識する抗体は、DNAターゲットに結合するRNAから作られたプローブを認識する能力を持つことが見いだされた[Rudkin and Stollar,Nature,265:472−473(1977)]。用いられたRNAは修正されていない。核酸断片は、修正されたヌクレオチドや通常のヌクレオチドの”末端”に接続することによって延長される。通常のヌクレオチド末端が用いられた時、末端部に相補的で、蛍光色素や酵素、放射能、修正した塩基、他のラベルを持つ核酸を用いて行った2回目のハイブリダイゼーションが、結合した核酸断片を検出できる。そのシステムはENzo Biochemi[Biobridge Labeling System;Enzo Biochem Inc.,New York,N.Y.(USA)]から市販されている。
核酸配列が修正した修正要素を直接的に持たないような、結合核酸断片を検出するもう一つの例は、チミジン2量体に対する抗体を用いた方法である。Nakane et al.,ACTA Histochem.Cytochem.,20(2):229(1987)は、そのような方法を図で説明している。それは、チミジン−チミジン2量体化DNA(T−T DNA)がin situハイブリダイゼーションのマーカーとして用いられる。ハイブリダイゼーションしたT−T DNAはウサギの抗T−T DNA抗体を用いて免疫学的に検出される。
以上の参照に示されたラベルづけの技術の全ては、特別な環境下で用いられる。さらに、既知のラベルづけの技術は、この発明でも対象の核酸をラベルづける方法として有用である。いくつかの要素が、ラベルづけの手段を選択する。それは、染色体DNAに対する核酸断片のハイブリダイゼーションや結合の速度でラベルの効果が違ってきたり、最初のハイブリダイゼーション後にラベルづけの一部に対する核酸断片の接近し易さが変わったり、ラベルづけの一部の融和性やらべるにより生じた信号の強度と性質、ラベルの費用と容易さなどのことである。
異なる方法でラベルされたいくつかの異なる対象となる核酸は、同時に利用できる。その結果、異なる核酸の結合は区別できる。例えば色によって区別できる。
in situハイブリダイゼーション
参照となる染色体に対する対象となる核酸の適応は、標準的なin situハイブリダイゼーションによってなされる。その方法に対するいくつかの洗練された案内がある。e.g.,GAll and Pardue,"Nucleic Acid Hybridization in Cytological Preparations,"Methods in Enzymol ogy,21:470−480(1981);Henderson,"Cytological Hybridization to Mammalian Chromosomes,"International Review of Cytology,76:1−46(1982);and Angerer et al.,"in situ Hybridization to Cellular RNAs,"in Genetic Engineering:Principles and Methods,Setlow and Hollaender,Eds.,Vol.7,pgs.43−65(Plenum Press,New York,1985).
一般に、in situハイブリダイゼーションは以下の主要な段階から成り立っている。(1)組織及び試験される生物学的構造の固定、(2)ターゲットDNAの感受性を増加させ、非特異的染色を減少させるための生物学的構造への前処理、(3)生物構造や組織中の核酸と核酸混合物のハイブリダイゼーション、(4)ハイブリダイゼーションで結合しなかった核酸断片を除去するための洗浄処理、(5)ハイブリダイゼーションした核酸断片の検出。これらの工程で用いられた試薬及び使用条件は、特別な状況に依存して変化する。
反復配列のハイブリダイゼーション能力を阻害するためにヒトゲノムDNAを試薬として用いたハイブリダイゼーション条件下では、核酸断片は200ベースから1000ベースの大きさが望ましい。欲を言えば、2重鎖ニックトランスレーション核酸の検出には400ベースから800ベース、1重鎖またはPCRアダプター−リンカー増幅核酸には200ベースから600ベースが望ましい。
実験例1に最適なハイブリダイゼーションプロトコルの詳細が示してある。基本的にPinkel et al.,PNAS(US A),85:9138−9142(1988)and in EP Pub.No.430,402(published June 5,1991)に記載された染色体特異的染色と同じハイブリダイゼーションプロトコルがCGHにも用いられた。
この発明のCGH法を実行する上で以下に表現してある例証は、図解の目的で示してあるので、発明を限定する意味は全くない。
実験例1
乳癌細胞系から抽出したDNAの展開した正常な中期染色 体へのハイブリダイゼーション
この実験例1では、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)によるゲノム解析についての本発明の方法を、乳癌細胞系の正常中期染色体へのハイブリダイゼーションによって例示した。高頻度反復配列をブロッキングするため、標的となる中期染色体にラベルしていないヒト由来胎盤DNAをプレハイブリダイゼーションした。今回の実験例においてはハイブリダイゼーション混合液中に、細胞系から抽出したラベルしたDNAの他、反復配列を多く含んだラベルしていないCot−1ブロッキングDNA(Bethesda Research Laboratories(BRL),Gaithersburg,MD(USA)から得た。)が加えられている。
以下に概説した実験では、ハイブリダイゼーション混合液中に対象のゲノム(すなわち乳癌細胞系から抽出したDNA)、染色体特異的反復配列プローブ、染色体特異的ペインティングプローブを含む。ビオチンで標識したこれらのプローブは、調製した中期染色体の同定のための付加物として含まれている。実験はまず、染色体特異的プローブを含まない条件で行われた。次に、注目するそれぞれの染色体の長さを他の要素も考慮して測定し、染色体のおおまかな同定を行った。次に、染色体特異的プローブを含むハイブリダイゼーション混合液を用いて注目する染色体を厳密に同定した。しかしながら、熟達した細胞遺伝学者がDAPI染色による対抗染色あるいはキナクリンによる染色など他の化学染色によって染色体を同定することが可能ならば、上記のプローブは必ずしも必要ではない。
細胞系およびDNAの分離
確立された6系統の乳癌細胞系、BT−474、SK−BR−3、MCF−7、MDA−MB−361、MDA−MB−468、及びT−47DはAmerican Type Culture Collection[Rockville,Maryland(USA)]から得た。乳癌細胞系の600MPE細胞系はDr.Helene S.Smith[Geraldine Brush Cancer Research Center,San Francisco,CA(USA)]から頂いた。細胞系は集密的になるまで培養した。細胞は次にトリプシン処理し、1500RPMで5分間遠心することにより回収し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄した。次にDNAは、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Vol.2:9.16−9.19[Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(USA)1989]に従って分離した。
今回用いた、確立されたヒト乳癌細胞系についての詳細は以下の通りである。
BT−474 ヒト原発性癌から始まる。ATCC,catalog #HTB 20から得た。
SK−BR−3 ヒト胸膜滲出由来の転移性肺腺癌から始まる。ATCC,catalog #HTB 30から得た。
MDA−BM−361 脳へ転移した腫瘍として始まる。ATCC,catalog #HTB 27から得た。
MCF−7 転移性のヒト胸膜滲出から始まる。ATCC,catalog #HTB 22から得た。
T−47D 転移性のヒト胸膜滲出として始まる。ATCC,catalog #HTB 133から得た。
600MPE 転移性のヒト胸膜滲出として始まる。Dr.Helene S.Smith[Geraldine Brush Cancer Research Center,San Francisco,CA(USA)]から頂いた。
MDA−MB−468 転移性の胸膜滲出として始まる。ATCC,catalog #HTB 132から得た。
正常リンパ球中期染色体の調製
末梢血リンパ球はPHAにより刺激し、メトトレキセート処理により同調し、0.05μg/mlのコルセミドを用いて中期でブロックした。細胞は遠心して洗浄し、75mM KCl中で37℃、15分間インキュベートした。次に細胞はメタノール:酢酸(3:1)で固定しスライドガラス上に滴下した。スライドガラスは−20℃の窒素中に保存した。
DNAの標識
細胞系から抽出したDNAはニックトランスレーションによりディゴキシゲニン−11−dUTPでラベルした[Rigby et al.,J.Mol.Biol.113:237(1977);Sambrook et al.,supra]。ニックトランスレーション後の、変性する前のプローブ断片の最適長は400〜800bpsである。上に記したように、中期染色体中の注目する染色体を厳密に同定するために、染色体特異的プローブを用いて二重色ハイブリダイゼーションをおこなった。この実験例では以下のものがビオチン−14−dATPでラベルした染色体特異的参照プローブに含まれる。
1)PCT/US90/00434 published August 9,1990に記載されたPCRアダプター−リンカー法により調製した、第20染色体に対する染色体特異的ペインティングプローブ
2)Los Alamos National Labolatory[Albuquerque,New Mexico(USA)]から得た第17染色体コスミドライブラリーからAnne Kallioniemiが分離した第17染色体セントロメア近傍反復プローブ(cosmid cK17.10)、これと等価な第17染色体に対する染色体特異的反復配列プローブがOncor[Gaithersburg,MD(USA)]から購入できる
3)第8染色体のセントロメア領域に特異的なアルファサテライト反復プローブ[Dr.Heinz−Ulrich G.Weier;University of California Medical Center,Lab for Cell Analysis,San Francisco,CA(USA)から頂いた]このプローブは、Weier et al.,Hum.Genet.,87:489−494(1991)に記載されているようにDr.WeierがWA1プライマーとWA2プライマーを用いたPCRにより作成した
当業者には、前述した染色体の同定に使用できる等価のプローブが他にも多く存在することが分かる。例えば、すべてのヒト染色体に対する全体の染色体ペインティングプローブが現在入手可能である[Collins et al.,Gen omics,11:997−1006(1991)]。また選択した染色体に特異的に強くハイブリダイゼーションする反復配列プローブも入手可能である[Trask et al.,Hum.Genet.,78:251(1988)、なおこの文献は、参考文献としてここに引用する]。
スライドガラスの前処理およびプレハイブリダイゼーシ ョン
調製した中期リンパ球はまず70%ホルムアミド/2×SSC(1×SSCは0.15M NaCl,0.15Mクエン酸ナトリウム)、pH7、70℃で2分間変性し、70%、85%、100%エタノールで順次脱水処理した。ついでスライドガラスを風乾し、20mMトリス、2mM塩化カルシウム(pH7.5)を含む緩衝液中で10μg/50mlプロテナーゼK[Boehringer Mannheim GmbH,Indianapolis IN(USA)]による処理を37℃で7.5分間行い、前述したようにエタノールによって脱水処理した。次にスライドガラスは、50%ホルムアミド中に溶解した20μgのラベルしていないヒト胎盤DNA[断片長は200−700bpsで、Sigma,St.Louis,MO(USA)から得た]、10%硫酸デキストラン、2×SSC(pH7)から成る10μlのハイブリダイゼーション混合液中で37℃、60分間のプレハイブリダイゼーションを行った。スライドガラスは、70℃の恒温槽中で5分間変性した後にプレハイブリダイゼーション混合液を加えた。プレハイブリダイゼーション後スライドガラスは2×SSCで1回洗浄し、前述したようにエタノールで脱水処理した。
ハイブリダイゼーション
5μgのラベルしていない反復配列を多く含むCot−1ブロッキングDNA[BRL,Gaithersburg,MD(USA)]、ディゴキシゲニンでラベルした60μgの細胞系DNA、ビオチンでラベルした20−60μgの参照プローブ(染色体の同定の確証のため)を混合し、1/10量の3M酢酸ナトリウムを加えた。2倍量の100%エタノールを加えて15000RPMで30分間遠心することによりDNAを沈澱させた。エタノールを除去し、残留するエタノールが蒸発して見えなくなるまでチューブを自然乾燥させた。50%ホルムアミド、10%硫酸デキストラン、2×SSC(pH7)から成る10μgのハイブリダイゼーション混合液を加え、注意深く撹拌した。ハイブリダイゼーション混合液中のDNAは70℃で5分間処理して変性し、ついで37℃で60分間処理して再生した。次にこのハイブリダイゼーション混合液を、プレハイブリダイゼーションを行った中期リンパ球のスライドガラス標本に加えた。ハイブリダイゼーションは湿室中でカバーガラスを乗せた状態で、37℃で3−4日行った。
免疫蛍光プローブの検出
スライドガラスは50%ホルムアミド/2×SSC(pH7)で3回、2×SSCで2回、0.1×SSCで1回、それぞれ45℃で10分間ずつ洗浄した。洗浄後スライドガラスは室温において3工程(それぞれ30ー45分間)から成る免疫細胞化学的染色を行った。第1工程の免疫細胞化学的染色に先立ち、スライドガラスは1%BSA/4×SSCで5分間プレブロッキングした。第1の染色工程は1%BSA/4×SSC中に溶解した2μg/mlのテキサスレッドアビジン[Vector laboratories,Inc.,Burlingame,CA(USA)]により行った。次にスライドガラスは4×SSC、4×SSC/0.1%Triton X−100、4×SSC、PN(0.1Mリン酸2水素ナトリウム、0.1Mリン酸水素2ナトリウム、pH8、0.1%Nonidet P−40から成る)でそれぞれ10分間ずつ洗浄し、PNM(5%カーネーションドライミルク、0.02%アジ化ナトリウムをPN緩衝液中に含む)で5分間プレブロッキングした。第2の抗体付加工程はFITCを結合した2μg/mlの抗ディゴキシゲニンヒツジ抗体[Boehringer Mannheim GmBH,Indianapolis,IN(USA)]、5μg/mlの抗アビジン[Vector Laboratories,Burlingame,CA(USA)]によりPNM中で行い、PNで3回、10分間ずつ洗浄した。PNMによるブロッキング後、第3の免疫化学染色工程は抗ヒツジFITCウサギ抗体(1:50希釈)[Vector Laboratories]、2μg/mlのテキサスレッドアビジンによりPNM中で行った。PNで3回洗浄後、核酸はアンチフェード溶液中で0.8Mの4、5ージアミノー2ーフェニルインドール(DAPI)により対抗染色した。
蛍光顕微鏡観察と結果の解釈
FITCとテキサスレッドのシグナルを同時に視覚化するためダブルバンドパスフィルター[Chroma Technology,Brattleboro,VT(USA)]を装備したニコン蛍光顕微鏡[Nikon Inc.,Garden City,NY(USA)]と100×対物レンズを使用した。乳癌細胞系DNAのハイブリダイゼーションは、Y染色体を除くすべての中期染色体のやや一様な弱い緑色のバックグラウンド染色として観察される。乳癌細胞系は女子由来であるため、これらは当然Y染色体を含んでいない。中期染色体中のY染色体に前述の緑色染色が見られないことは、細胞遺伝学的に重要な欠損が視覚化されることの好例である。Y染色体は参照染色体のDAPI染色によってのみ染色され、乳癌細胞系DNA中にY染色体が含まれていない事が細胞遺伝学的に重要な欠損として検出される。蛍光顕微鏡を用いることにより、増幅された配列が染色体腕にそった明るい緑の点またはバンドとして観察される。
結果の表示を促進するため、また蛍光強度の微少差異を検出する感度を改善するため、デジタル画像解析システム(QUIPS)を使用した。QUIPS[quantitative image processing systemの頭文字]は標準ニコンマイクロフォトSA[Nikon Inc.,Garden City,NY(USA)]蛍光顕微鏡に自動化したステージ、焦点調節、フィルターホイール[Ludl Electronics Products Ltd.,Hawthorne,NY(USA)]を装備した自動画像解析システムである。フィルターホイールは蛍光励起波長を選択するため顕微鏡の蛍光励起光路に備え付けられている。ダイクロイックブロック内の特殊フィルター[Chroma Technology,Brattleboro,VT(USA)]は画像表示をシフトすることなく複数の色素を励起することが可能である。顕微鏡は2つのカメラ台座を持ち、1つは焦点調節と共にスライドガラス上の興味ある領域を見つける為の高感度高速度ビデオ画像表示用のインテンシファイドCCDカメラ[Quanrex Corp.,Sunnyvale,CA(USA)]を接続する。もう1つのカメラ台座には高解像度、高感度で実画像を得るための冷却CCDカメラ[Photometrics Ltd.,Tucson,AZ(USA)のmodel 200]を接続する。
冷却CCDカメラはVMEバスを通してSUN 4/330ワークステーション[SUN Microsystems Inc.,Mountain View,CA(USA)]に接続される。多色画像は画像解析ソフトウェアパッケージSCIL−Image[Delft Centre for Image Processing,Delft,Netherlands]を用いて制御することにより得られる。多色画像を得て表示するための特殊プログラムの他、カメラ、ステージ、焦点調節、フィルターホイールを制御するためのオプションはSCIL−Imageパッケージに基づいてDivision of Molecular Cytometry[Univercity of California,Medical Center;San Francisco,CA(USA)]によって開発された。
比較ハイブリダイゼーションの結果を表示するため、2つあるいは3つの連続的な画像(DAPI、FITC、テキサスレッド)を得てスーパーインポーズした。FITCの画像はSCIL−Imageソフトウェアのオプションによって閾値化、コントラスト強調した後に表示した。これらのオプションを実行することで染色体全体の蛍光を低減し、増幅された配列をさらに容易に見ることができる。例えば閾値化及びコントラストストレッチングにより、コントラストを増強して細胞系の増幅された配列に由来する染色を定量化することができる。または欠損の検出を促進するため、染色体全体の蛍光を増強して蛍光強度の弱い領域を暗く見せることも可能である。染色体の同定をはかどらせるために参照プローブは赤色で示した。
参照プローブを用いた2重色ハイブリダイゼーションで染色体を同定した後、染色体腕に沿った断片長の測定によって配列の増幅された部位をローカライズした(断片長=p−テロメアからシグナルの検出される部位までの距離を染色体全体の長さで割った値)。ついでシグナルの位置はISCN1985idiograms[Harnden and Klinger,An International System for Cytogenetic Nomenclature,Karger Ag,Basal,Swirzerland(1985)]に基づき断片長の見積りによっておおまかに決定した。
結果
ハイブリダイゼーションの結果は細胞系について知られている他の情報と共に第2表に集計してある。erbB−2座およびMYC座に増幅の見られる細胞系では17q12(erbB−2座)及び恐らく8q24(MYC座)において増幅がみられ、CGH法を用いる事によって5から10倍以上の増幅レベルが得られる。さらに、3つの細胞系の17q22−23で、また3つの細胞系の20qterでいくつかのメガベースにわたる領域が増幅されていた。これらの領域は以前には増幅領域として知られていなかったもので、他の研究からも予想されていなかった。例えば第2表に示した通りBT−474細胞系はerbB−2で13倍の増幅があることが知られていたが、CGH法によって以下の増幅配列が明らかとなった:17q12(erbB−2座)、17q22−q23、及び20q13−ter。後半の2つの部位は以前この細胞系では確認されていなかった。
配列増幅を示すすべての細胞系では、複数の部位における増幅が見られる。複数の部位での同時増幅は以前に報告されており[Van de Vijver et al.,Mol.Cell.Biol. 7:2019−2023(1987);Saint−Ruf et al.,Oncogene,6:403−406(1991)]、また時には思わしくない病後に関係する[Borg et al.,Br.J.Cancer,63:136−142(1991)]ことから、同時増幅の証拠は臨床的に重要である。17q22−23での増幅は原発性癌から得たプローブDNAを用いた場合でも見られた。
Figure 0003645903
実験例2
第5図及び第6図で概要を図示したように、ラベルした2つの異なる対象DNAを用いたハイブリダイゼーションを行った。一方の参照DNAは実験例1で述べた細胞系DNAで、実験例1と同様にラベルしてある。もう一方の参照DNAはビオチン−14−dATPでラベルしたヒトゲノムDNAである。
染色体特異的参照DNAを用いていない点を除くと実験手順は本質的に実験例1と同じで、ラベルしたヒトDNAとラベルした細胞系DNAを60μgづつ用いてハイブリダイゼーションを行った。もちろん参照となるDNAをハイブリダイゼーション混合液に加えてもよいが、それらは識別可能なように別種のラベルをする必要がある。
結果は正常DNAが赤いシグナルで、細胞系DNAが緑のシグナルで示されている。それぞれの染色体について緑と赤の比を決定した。増幅は緑色のシグナルが顕著な領域で示され、欠損は染色体上の他の領域に比べて赤色のシグナルが強い領域で示されている。
例として、乳癌細胞系600MPEのDNAと正常ヒトDNAを用いたCGHの結果は次の通りである。前述したようにハイブリダイゼーションは5μgのCot−1DNA、ディゴキシゲニンでラベルした60μgの600MPE細胞系DNA、及びビオチン化した60μgの正常ヒトゲノムDNAを用いて行った。600MPEのDNAはFITC(緑)で、ゲノムDNAはテキサスレッドアビジン(赤)でそれぞれ検出した。
600MPE乳癌細胞系は核型が出版されており[Smith et al.,JNCI.78:611−615(1987)]、正常な第1染色体を1つ、第1染色体の断片を内部にもつマーカーとなる染色体[t(1q:13q),lp(p22),inv(1)(p36q21)]を3つ含んでいる。このようにこの細胞系は第1染色体のp−テロメア−p22に対してダイソミー、p22−セントロメアに対してトリソミー、q−armに対してテトラソミーとなっている。
この例で示した比較ゲノムハイブリダイゼーション法は、第1染色体上で緑色および赤色の強度によって分離されうる3つの異なった領域を明らかに同定した。第1染色体のq−armは最も強い緑色を示している(腫瘍DNA)。p22バンドからセントロメアにかけては2番目に緑色の強い領域であり、p−テロメアからp22バンドにわたる領域は最も強い赤色を示している(正常DNA)。これらのハイブリダイゼーションの結果は今述べた細胞系についての伝統的な細胞遺伝学的解析と矛盾しない。
しかしながら実験例3に示したようにCGH法による研究をさらに行った結果、この実験例のようなCGH解析は出版されている核型と同様、部分的に誤っている事が示された。実験例3のCGH解析はそこに記述したように、最初のCGHの結果及び出版されている核型を訂正するようなさらなる確証的な実験を必要とする。
実験例3
腫瘍DNAのコピー数核型
この実験例における代表的なCGHの実験では高頻度反復配列を含むラベルしていないブロッキングDNA、特にラベルしていないCot−1ブロッキングDNA[BRL,Gaithersburg,MD(USA)]存在下で、ビオチン化した全腫瘍DNA(細胞系DNAおよび原発性腫瘍DNA)とディゴキシゲニンでラベルした正常ヒトゲノムDNAを、正常ヒト中期染色体に同時にハイブリダイゼーションさせた。以下の段落ではこの実験例における代表的なCGH法の実験手順を詳説した。
DNAラベリング
この実験例で用いたDNAは本質的には実験例1で示した方法によってラベルした。DNAはビオチン−14−dATPまたはディゴキシゲニン−11−dUTPを用いてニックトランスレーションによりラベルした[rigby et al.,supra;Sambrook et al.,supra]。ラベルした後の2本鎖プローブの最適長は600−1000bpである。
中期染色体の前処理
中期リンパ球標本の調製は実験例1で述べたごとく、変性、脱水、風乾、プロテナーゼK処理、脱水を行った。
比較ゲノムハイブリダイゼーション
ビオチン化した60ngのテストするDNA、ディゴキシゲニンでラベルした60ngの正常DNA、ラベルしていない5ngのCot−1DNA(BRL)をエタノール沈澱し、50%ホルムアミド、10%硫酸デキストラン、2×SSC(pH7)から成る10μlのハイブリダイゼーション混合液に溶解した。プローブ混合液は70℃で5時間変性処理し、37℃で60時間再生処理した後、37℃で3−4日間正常な男子中期染色体とのハイブリダイゼーションを行った。
蛍光抗体プローブの検出
スライドガラスは実験例1で前述した方法で洗浄した後、室温でそれぞれ30分かかる次の3つの工程により免疫細胞化学的に染色した。(I)5μg/mlのFITC−アビジン[Vector Labolatories,Inc.,Burlingame,CA(USA)]と2μg/mlの抗ディゴキシゲニンーローダミン[Boehringer Mannheim GMbH]を用いた工程、(II)5μg/mlの抗アビジン[Vector Labolatories]を用いる工程、(III)5μg/mlのFITCーアビジンを用いる工程。核酸はアンチフェード溶液中で0.8μMの4,5ージアミノー2ーフェニルインドール(DAPI)による対抗染色を行った。FITCとローダミンのシグナルを同時に視覚化するためダブルバンドパスフィルター[Chrama Technology,Brattleboro,VT(USA)]を装備したZeissの蛍光顕微鏡を使用した。
デジタル画像解析システムと蛍光比のプロファイル
QUIPSは本質的に実験例1で前述した通りで、蛍光シグナルの定量的解析に用いた。染色体に沿った蛍光比のプロファイルはWOOLZソフトウェアパッケージ[MRC,Edinburgh,Scotlandで開発]を用い、以下のように抽出した。DAPIによる画像は閾値化することによってそれぞれの染色体の輪郭を決めた。染色体の輪郭はいくつかのオープニング及びクロージング機能によって平滑化し、修正したMilditch骨格を染色体の中心軸を描くために計算した。DAPIによる画像はインテンシティフィールドが一定値になる(バックグラウンドに達したとき)あるいは増加しはじめる(隣接する染色体のため)までは等方的に広げられる。中心軸に沿った画像及び広がったDAPI画像のインテンシティプロファイルは、中心軸に直交した一定長の線分に沿った緑色と赤色の蛍光ピクセル値を合計することにより計算した。バックグラウンドレベルの蛍光を描くため、広がったDAPI画像に対応して基準となる緑色および赤色の強度を求め、蛍光強度の基準値として用いた。
細胞系
5637 ヒト原発性腎臓腫瘍から始まる。ATCC,catalog #HTB 9から得た。
SKーBR−3 ヒト転移性肺腺癌から始まる。胸膜滲出由来。ATCC,catalog #HTB 30から得た。
Colo 205 ヒト結腸腺癌から始まる。ATCC,catalog #CCL 222から得た。
NCI−H508 ヒト盲腸腺癌から始まる。ATCC,catalog #CCL 253から得た。
SW480 ヒト結腸腺癌から始まる。ATCC,catalog #CCL 228から得た。
SW620 ヒト結腸腺癌のリンパ節から始まる。ATCC,catalog #CCL 227から得た。
WiDr ヒト結腸腺癌から始まる。ATCC,catalog #CCL 218から得た。
SK−N−MC ヒト神経芽細胞種(眼窩領域に転移)から始まる。ATCC,catalog #HTB 10から得た。
CaLu3 ヒト肺腺癌から始まる。胸膜滲出由来。ATCC,catalog #HTB 55から得た。
CaLu6 ヒト退形成腫瘍、恐らくは肺から始まる。ATCC,catalog #HTB 56から得た。
NCI−H69 ヒト小細胞肺癌から始まる。ATCC,catalog #HTB 119から得た。
COLO 320HSR ヒト結腸腺癌から始まる。ATCC,catalog #220.1から得た。
600 PE ヒト肺腺癌から始まる。Dr.Helene SmithとDr.Ling Chen[Geraldine Brush Cancer Research Center,San Francisco,CA(USA)]から得た。これは実験例1と実験例2で述べた600MPE細胞系と同じである。
BT−20 ヒト肺腺癌から始まる。ATCC,catalog #HTB 19から得た。
5つの繊維芽細胞系についての全染色体数、かっこ内にX染色体数を示した。これらはNIGMS repository[Camden,NJ(USA)]から得た。
GMO1723(45、XO)
GMO8399(46、XX)
GMO4626(47、XXX)
GMO1415E(48、XXXX)
GMO5009B(49、XXXXX)
結果およびディスカッション
CGH法の、ゲノム間で比較した相対的なDNA配列のコピー数を検出しマッピングする能力を示した。悪性腫瘍細胞と正常細胞のDNAを比較することによって、DNAを獲得または損失した領域を同定することから腫瘍についての<コピー数核型>を考えることができる。
対象となる腫瘍ゲノムと正常なヒトゲノムから調製した互いに異なるラベルをしたDNAを2重色蛍光でヒト正常中期染色体にin situハイブリダイゼーションさせて、検査した腫瘍ゲノム全体にわたって行ったDNA配列コピー数のマッピングを示した。欠損、重複、増幅などDNA配列を獲得または損失した領域は対象となる染色体に沿った2種類の蛍光色素(今回の代表的な実験例で用いた)の強度比の変化として見られる。腫瘍細胞系と原発性腎臓腫瘍を解析することによって16の異なる領域での増幅を同定し、そのうちの多くの座は以前には増幅の報告がなかった。これらの結果は第3表に示す。
腫瘍DNAは緑色蛍光を発するFITC−アビジンで、また正常DNAは赤色蛍光を発するローダミン抗ディゴキシゲニンで検出した。与えられた染色体座位における腫瘍および正常なDNAの結合の相対量は2つのDNAサンプル中に存在するそれらの配列の相対量に依存しており、緑色蛍光と赤色蛍光の比を測定することにより定量化できる。この実験例では正常DNAは対象となる染色体にハイブリダイゼーションするときの局所的な違いについてのコントロールである。腫瘍DNAの場合、遺伝子増幅または染色体重複では緑/赤の比が大きくなり、欠損または染色体損失ではこの比が小さくなる。ハイブリダイゼーションに用いられるCot−1DNAはラベルしたDNAがセントロメアおよびヘテロクロマチン領域に結合するのを押さえ、したがってこれらの領域は解析から除外されている。
蛍光シグナルは前述したデジタル画像解析システムにより定量的に解析した。このソフトウェアは染色体軸に直交する線分上で緑色および赤色蛍光を積算し、局所的バックグラウンドを減算し、染色体に沿って各々の色と緑/赤の比についてインテンシティプロファイルを計算する。
染色体全体に影響を及ぼす配列コピー数の変化を定量化するCGH法の能力を、1から5コピーのX染色体と2コピーの各染色体を持つ前述した5つの繊維芽細胞系を用いてテストした。45、XO細胞系のDNA(緑)と正常な女子DNA(赤)を用いたハイブリダイゼーションでは、常染色体は一様な緑と赤の染色となり一方X染色体は赤色の強い結果となった。(前述したように正常な男子染色体を参照染色体として用いた。Y染色体の一部が弱く染色されるのは擬常染色体領域内の相同配列に対する結合のためである。)
2、3、4、あるいは5コピーのX染色体を持つ細胞系から得たDNAを用いたハイブリダイゼーションの結果、X染色体の緑色蛍光が常染色体のそれと比較するとコピー数に比例して強く現れた。X染色体の緑対赤の平均蛍光比(第7図)は、同じ中期染色体標本の常染色体の平均蛍光比に対して規格化した場合、X染色体の数に比例して増加する(相関係数(r)=0.978)。このようにCGH法は4コピーの染色体までなら1コピーの増減を定量的に識別することができる。
CGH法は近2倍体乳癌細胞系、600PEについての完全なコピー数核型を決定することができることが実験的に示された。出版されている600PEについての核型[Smith et al.,JNCI,78:611(1987)]によると600PEは5つのマーカーとなる染色体を持った近2倍体で第1染色体のq−armを4コピー持ち、モノソミー16で、9p,11q,17pの欠損を持つ。ビオチン化した600PEのDNA(緑色)とディゴキシゲニンでラベルした正常なDNA(赤)を用いたCGH法により、以下の相対的なコピー数の変化が明らかとなった;lqの獲得および9p,16q,17p,遠位11qの損失。これらの異常染色体についての緑ー赤の比のプロファイルは第8図に示した。第16染色体のq−armのみがコピー数の相対的な減少を示し、16pが欠損していないことが示されている。このことは第16染色体のp−armとq−armのコスミドプローブ[16p及び16qコスミドプローブはLos Alamos National Laboratory,Los Alamos,NM(USA)から頂いた]を用いて間期600PEに対する蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を引き続いて行うことにより確認した。すなわち核あたり、16pコスミドプローブでは2つのシグナル、16qコスミドプローブでは1つのシグナルを得て、緑−赤の比1.0が2コピーの配列を表すようなキャリブレーションを可能にした。
このように、腫瘍ゲノム内のあらゆる部位での絶対コピー数が分かっている場合、すべての座位で相対コピー数を実際のコピー数に換算することができる。CGH法の結果は16p及び近位lp領域について最初に出版された核型と異なっている。マーカー染色体のうちの1つの一部分が簡便な細胞遺伝学的解析により間違って解釈されていたためにこのような相違が生じたということが、座位特異的染色体特異的ペインティング(FISH)によって明らかになった。
2つの繊維芽細胞[NIGMS保存施設から得たGMO5877及びGMO1142A]のDNAを用いたCGHによって13q−−del(13)(pter>q14.1::q21.2>qter)及びdel(13)(pter>q14.1::q22.1>qter)のRB−1座位周辺に小さな間在的欠損が検出された。CGHによる解析および第13染色体(全長は111メガベース(Mb)の長さの分数としての欠損サイズの測定に基づき、これらの欠損はそれぞれ10Mbおよび20Mbにまたがっていると見積られた。このように、CGH法は癌抑制遺伝子の劣性突然変異を顕化する大きな物理的欠損を同定する目的で充実性腫瘍から得たDNAのスクリーニングに使用できるといえる。
癌遺伝子の増幅が以前に報告されている細胞系について、遺伝子のコピー数の増加を検出する能力についてCGH法を評価した。myc癌遺伝子周辺の300Kbにわたる領域が50倍以上に増幅されている[Kinzku et al.,PNAS(USA),83:1031(1986)]ことが知られている結腸癌細胞系COLO 320HSRから得たDNAを用いたCGHの結果を第9図に示す。予想される通りmyc座位に相当する8q24で高い緑−赤の比が顕著である。蛍光シグナルは染色体上でアンプリコンの長さよりも広がっているため、ピークの高さは増幅レベルを定量的に反映していない。これは明らかに、変性した染色体上で標的となるDNAが複雑に組織化されているためである。
SK−BR−3乳癌細胞系でerbB2癌遺伝子が8倍に増幅されていることが、17q12におけるハイブリダイゼーションシグナルとしてCGHにより検出できた(第3表)。このよな高度の増幅が、ラベルした腫瘍DNAのみを用いた単一色ハイブリダイゼーションで検出可能である。
原発性腫瘍及び細胞系についての細胞遺伝学的あるいは分子的な研究により、同一的に染色される領域や二重微小染色体で既知の癌遺伝子を含まないものがしばしば明らかになった[Saint−Ruf et al.,Genes Chrom.Cance r.,2:18(1990);Bruderlein et al.,Genes Chrom.Canc er.,2:63(1990)]。CGH法によりこのような配列を無駄なく検出しマッピングすることが可能である。第3表は11の腫瘍細胞系をCGHで解析した結果を要約している。第3表のデータは多数の中期染色体の視覚検査、およびそれぞれのサンプルについて4つから6つの中期染色体の詳細なデジタル画像解析に基づいている。
Figure 0003645903
ゲノム内の16の増幅座位がマッピングされ、このうちの多くは以前には増幅の報告がなかった。このように、多くの遺伝子が癌化または癌進行中に増幅されている。11の細胞系のうちの5つは複数の座位で増幅が見られる。4つの細胞系では同一染色体内に独立した2つまたは3つの増幅座位がみられ、染色体内の部分的なクラスターがDNA増幅している(第3表および第9B図)ことを示唆している。
CGH法は株化していない原発性腎臓腫瘍の、増幅されたDNAの同定とマッピングにも適用された。検査した7つの腫瘍のうち、2つはDNA増幅を示したがその座位は異なっていた(第3表)。このように、癌進行にとって重要な遺伝子を含むと思われる以前には報告のなかった多くの領域がCGH法により同定された。さらに研究を進めることにより、これらの座位のうちのどれかが新しい癌遺伝子を含んでおりどれかが不安定なゲノムの特徴であるランダムで偶然一致したDNA増幅を示している、ということが明らかになる。
典型的には数百キロベース(Kb)から数Mbにわたる知られていない増幅配列を検出しマッピングすることで、癌遺伝子を含むゲノム領域の迅速な同定を行うCGH法の有用性が示された。また類推的に、欠損を検出することで癌抑制遺伝子を含む領域の同定が促進される。
腫瘍では物理的欠損によりどの程度対立遺伝子が損失するかを決定するためさらに研究することが必要である。臨床的標本では正常細胞のDNAが混入する、腫瘍が単一種から成っていない等の理由からコピー数の小さな変化の検出が細胞系の場合よりも難しい。前述したように、少数の腫瘍細胞(腫瘍内のクローナルな集団)からPCRを用いて腫瘍DNAを調製することでこの問題を回避しうる。RFLPと同様、CGHは細胞集団中で均一な異常を強調し、混在する異常は平均化する。
CGHの現在の開発段階では、中期染色体のハイブリダイゼーションシグナルの粒子性が感度の第一の限界となっている。プローブの濃縮およびラベリングの最適化、いくつかの中期染色体の緑−赤の蛍光比の平均化によってさらに感度が向上される。
本発明について説明および記述をする目的で、本発明についての実施例を述べた。これはなにも本発明についての全てを述べるあるいは厳格な形式に限定するためではなく、前述した技術についての多くの修正あるいは変更は明らかに可能である。実施例を選択し記述したのは、発明の原理および実際的な応用例をよく説明し、他の当業者が本発明をさまざまな実施例でまた各々の利用に適するようにさまざまな修正をほどこして、よく利用できるようにするためである。発明の範囲が別に添付した請求の範囲によって定義されることを意図している。ここで引用したすべての文献は引用文献に含めた。

Claims (11)

  1. 第一の細胞または細胞集団内のユニーク核 配列のコピー数を、第二の細胞または細胞集団内の実質的に同一の配列のコピー数に対して比較する方法であって、
    a)それぞれの細胞または細胞集団からの核酸配列を異なる標識で標識付けするステップと、
    b)それぞれの細胞または細胞集団からの前記標識付けされた核酸配列を参照となるゲノムの少なくとも一部分 に相当する参照核酸配列ハイブリダイゼーションする ステップであって、その際に、
    i)前記標識付けされた核酸配列および前記参照核酸配 列のうちの少なくとも一方は、それに反復配列が初めに 存在すれば、当該反復配列がブロッキングおよび除 うちの少なくとも一方をれ、
    ii)前記標識付けされた核酸配列内のユニーク核酸配列および前記参照核酸配列内のユニーク核酸配列は保持される、ステップと、
    c)前記参照核酸配列にハイブリダイゼーションしている標識付けされた核酸配列があれば、当該標識付けされ た核酸配列からのシグナルの強度を比較するステップで あって、その際に、前記参照核酸配列内の異なる複数の 位置で、前記第一の細胞または細胞集団からの核酸配列 からの第一シグナルの強度が前記第二の細胞または細胞 集団からの核酸配列からの第二シグナルの強度と比較さ れ、前記第二シグナルの強度に対する前記第一シグナル の相対的強度が一つの位置において他の位置と比べて変 化があれば、その変化はそれら位置に結合する核酸配列 の相対的コピー数に変化があることを示す、ステップと
    を含んでなる方法。
  2. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    前記参照核酸配列が少なくとも1個の中期の染色体を含む
    ことを特徴とする方法。
  3. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    前記第一の細胞または細胞集団および前記第二の細胞または細胞集団の内の少なくとも一つからの核酸配列が腫瘍細胞から単離され得られたものであ
    ことを特徴とする方法。
  4. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    前記核酸配列がDNAの配列である場合は、前記DNAが染色体DNAまたはcDNAであり、
    前記核酸配列がRNAの配列である場合は、前記RNAがmRNAである
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    さらに、前記第一の細胞または細胞集団および前記第二の細胞または細胞集団の内の少なくとも一方からの核酸配列を、前記ハイブリダイゼーションするステップの前に、増幅するステップを含んでなる
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    前記標識付けされた核酸配列が直接視覚可能である
    ことを特徴とする方法。
  7. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    さらに、前記ハイブリダイゼーションするステップの後で、前記結合された標識付けされた核酸配列を視覚可能にするステップを含んでなる
    ことを特徴とする方法。
  8. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    記参照核酸配列が参照となる中期の染色体を含み、そして
    前記標識付けされた核酸配列からのシグナル強度が前記参照核酸配列内の位置の関数として比較される
    ことを特徴とする方法。
  9. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    前記標識付けされた核酸配列が前記参照となるゲノムの一部分に相当する参照核酸配列にハイブリダイゼーションしている
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    前記標識付けされた核酸配列からのシグナルの強度を比較するステップが、前記シグナルの強度の比率を、前記参照核酸配列内の位置の関数として決定することを含み、
    この方法が、さらに、前記参照核酸配列に沿った異なる位置同士の強度比率を定量的に比較するステップを含んでなり、各位置における前記比率が前記第一の細胞または細胞集団内の当該位置に結合している核酸配列のコピー数と前記第二の細胞または細胞集団内の実質的に同一の配列のコピー数との比に比例する
    ことを特徴とする方法。
  11. 請求の範囲第1項に記載の方法であって、
    前記第一の細胞または細胞集団および前記第二の細胞または細胞集団の内の一方が検査細胞または検査細胞集団であり、他方が正常細胞または正常細胞集団である
    ことを特徴とする方法。
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