JP3645768B2 - プラズマプロセス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマプロセス装置に関し、より具体的には、半導体や液晶表示素子、太陽電池の製造プロセスなどに使用されるエッチング装置、CVD(Chemical Vapor Deposition)装置、アッシング装置などのプラズマプロセス装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のプラズマプロセス装置をたとえばアッシング装置として構成した場合の概略断面図である。図6を参照して、このプラズマプロセス装置は、上蓋101と、チャンバ本体102と、基板ホルダ107と、誘電体被覆線路113と、シールド板114とを有している。
【0003】
上蓋101は、アルミナなどの誘電体からなり、チャンバ本体102上に配置されている。上蓋101とチャンバ本体102との間はガスケット(図示せず)で封止されており、それによりプロセス室112は大気から隔離されている。プロセス室112は予め真空ポンプなどを用いて真空状態に保持されている。
【0004】
プロセス室112内には基板108を保持するための基板ホルダ107が設置されており、基板ホルダ107に設置された基板108の表面は上蓋101に対向する。チャンバ本体102の壁面にはガス導入管111が接続されており、このガス導入管111から所要の原料ガスがプロセス室112内に供給される。
【0005】
上蓋101上方には誘電体被覆線路113が配設されており、その誘電体被覆線路113の上方および外周がシールド板114により覆われている。誘電体被覆線路113にはマイクロ波導波管(図示せず)が接続されている。
【0006】
この従来のプラズマプロセス装置を用いたアッシングでは、まずプロセス室112内にガス導入管111から所要の原料ガスが供給される。そして誘電体被覆線路113を通じて上蓋101からプロセス室112内にマイクロ波が導入されて、プロセス室112内にプラズマが励起され、基板108表面のレジストがアッシングされる。
【0007】
しかしながら、上述した従来のプラズマプロセス装置では、1ヵ所のガス導入管111から原料ガスが導入されるだけであるため、プロセス室112内に供給された原料ガスに分布が生じ、均一なアッシング処理が困難である。
【0008】
この問題を解決する技術は、たとえば特許公報2669168号、特開平7−335633号公報に開示されている。
【0009】
図7は、特許公報2669168号に開示されたプラズマプロセス装置の構成を示す概略断面図である。図7を参照して、このプラズマプロセス装置は、図6に示す構成と比較して、シャワーヘッド115が追加されている点およびガス導入管111が対称に複数接続されている点において異なる。
【0010】
シャワーヘッド115は、基板ホルダ107の上方であって上蓋101の下面近傍において基板108の全面をカバーするように配設されており、複数個の孔115aを有している。シャワーヘッド115の外周部は断面略L字形状となっており、この部分においてバッファ室115bを形成する。シャワーヘッド115の該終端はチャンバ本体102の内壁面に固接されている。
【0011】
なお、これ以外の構成については、上述した図6の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0012】
この装置の動作においては、まず基板ホルダ107上に基板108が載置された後、プロセス室112内が所要の真空度に設定される。次いで複数のガス導入管111より所要のガスがバッファ室115b内に導入される。ガスは、バッファ室115b内からシャワーヘッド115の孔115aを介してプロセス室112内に導入される。続いてマイクロ波導波管から誘電体被覆線路113を通じて上蓋101からマイクロ波がプロセス室112内に導入される。これにより、プロセス室112内にマイクロ波励起によるプラズマが発生して、基板108表面のレジストがアッシングされる。
【0013】
図8は、特開平7−335633号公報に開示されたプラズマプロセス装置の構成を示す概略断面図である。図8を参照して、このプラズマプロセス装置は、図6に示す構成と比較して、金属板116が追加されている点において異なる。
【0014】
金属板116は、上蓋101の下面に接して配置されている。この金属板116は、図9に示すようにスリット状のマイクロ波透過口116cと、基板ホルダ107側の面に設けられた複数個の孔116aと、側面に設けられたガス供給口116dとを有している。ガス供給口116dにはガス導入管111が接続されている。金属板116は中空となっており、ガス供給口116dと複数の孔116aとは内部でつながっている。このため、ガス供給口116dから反応ガスが供給されると、複数個の孔116aから反応ガスがプロセス室112内に吹出すこととなる。
【0015】
なお、これ以外の構成については、図6に示すプラズマプロセス装置の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0016】
この装置の動作においては、まず基板ホルダ107に基板108が載置された後、プロセス室112内が所要の真空度に設定される。次いでガス導入管111より所要のガスがガス供給口116dから金属板116内に導入される。そしてガスは、金属板116の複数個の孔116aから吹出し、プロセス室112内に導入される。続いて誘電体被覆線路113と上蓋101とを通じて金属板116のマイクロ波透過口116cからマイクロ波がプロセス室112内に導入される。これにより、プロセス室112内にプラズマが発生し、基板108表面のレジストがアッシングされる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
近年、IC(Integrated Circuit)や液晶などの分野で基板の大型化が進んでいる。特にTFT(Thin Film Transistor)液晶表示装置の場合、基板は500mm角から1m角というようなサイズ、あるいはそれ以上の面積となる。そのような大型の基板に対して、特許公報2669168号や特開平7−335633号公報に開示された装置でプラズマ処理をする場合、以下のような問題がある。
【0018】
基板108が大型化した場合、大型の基板108全面を覆うことが可能なように基板108よりも大きな寸法の誘電体被覆線路113、上蓋101、シャワーヘッド115または金属板116を用いる必要がある。しかし上蓋101はセラミックなどの誘電体から形成されているため、そのような大きなサイズに形成することは困難であり、かつコストの上昇を招く。また、上蓋101は大気との隔壁ともなっているため、プロセス室112内を真空に保ちつつ大気圧に耐え得るようにするためには上蓋101の面積の増大に伴い厚さも厚くする必要がある。この意味においても上蓋101を大きなサイズで形成することは困難である。このことは、誘電体被覆線路113についても同様である。
【0019】
また特許公報2669168号のシャワーヘッド115が金属製の場合、反応副生成物がシャワーヘッド115に付着するとプラズマ放電特性が変化する。さらに、シャワーヘッド115はプラズマにさらされ、プラズマの発する熱により高温となり熱膨張の問題もある。これらの問題からシャワーヘッド115をセラミックスのみにより形成すると、加工可能なサイズに制限があり、シャワーヘッド115は高価なものとなる。
【0020】
また基板108が大型になると、バッファ室115bを設けても、シャワーヘッド115の外周側と内周側とのガス導入用の孔115aにおける反応ガスの流れやすさ(コンダクタンス)が異なり、均質なプラズマの生成が困難となる。
【0021】
また、特開平7−335633号公報の金属板116においても、基板108が大型になった場合、外周側と内周側のガス導入用の孔116aにおける反応ガスの流れやすさ(コンダクタンス)が異なり、均一なプラズマの生成が困難となる。
【0022】
また、金属板116は、形状が複雑であるため製作が困難で高価なものとなる。
【0023】
さらに、金属板116では、スリット状のマイクロ波透過口116cからマイクロ波が導入される。このマイクロ波透過口116cのスリットの幅、間隔、金属板116の厚みによって、生成されたプラズマが均一な状態となっている位置が変わり、金属板116が厚いほど上蓋101から離れた領域でプラズマが均一になってしまう。
【0024】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、大面積の基板を均一なプラズマを用いて均一に処理可能で、かつ低コストなプラズマプロセス装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマプロセス装置は、マイクロ波によりプラズマ状態にされた反応ガスを用いて基板表面にプラズマプロセスを行なうものであって、処理室と、マイクロ波伝送手段と、複数の誘電体板と、複数の反応ガス供給路とを備えている。処理室は、基板を内部に支持可能である。マイクロ波伝送手段は、マイクロ波を伝送するためのものである。複数の誘電体板は、基板表面に対面する主表面を有し、かつマイクロ波伝送手段により伝送されたマイクロ波を主表面から処理室内に放射する。複数の反応ガス供給路は、処理室に反応ガスを供給するためのものである。複数の反応ガス供給路の各々は、プラズマ状態にされる前の反応ガスを基板表面に向けて放出できるように基板表面に対面する面に開口された反応ガスの吹出口を有し、かつ複数の吹出口の各々複数の誘電体板の各々の主表面端縁より外周領域に配置され、誘電体板同士が隣合う領域においては隣合う誘電体板の間に配置されている。処理室には接地電位が印加され、かつ基板にはバイアス電圧が印加される構成がとられている(第1の発明)。
【0026】
本発明のプラズマプロセス装置では、処理室を接地電位とし、基板をバイアス電圧とすることにより、プラズマ中のイオン、励起種、電子などを基板表面全面に対して略垂直に入射させることが可能となる(バイアス効果)。つまり、プラズマプロセスにおけるイオンなどの方向性を良好に制御することが可能となる。
【0027】
また、誘電体板が複数個に分割されている。このため、大面積の基板を処理する場合でも、1枚物の大きな誘電体板を用いる必要がなく、誘電体板の作製が困難となることはない。
【0028】
誘電体板を複数に分割しているため、大型の1枚物の誘電体板を作製する場合よりも、既存の製造設備を用いて均一な材質のものを容易に得ることができる。
【0029】
また、複数の誘電体板を用いているため、誘電体板の一部に損傷が発生した場合、その損傷が発生した誘電体板のみを交換することにより容易かつ迅速に設備の修理を行なうことができる。このため、プラズマプロセス装置のメンテナンスに要する労力や時間を低減することができる。
【0030】
また、分割された複数の誘電体板の各周囲から反応ガスが供給できるよう構成されている。このため、大面積の基板を処理する場合でも、誘電体板の周囲からまんべんなく反応ガスを供給でき、均一なプラズマを実現することができる。
【0031】
上記のように均一なプラズマを実現できるため、従来例のようにシャワーヘッドや金属板は不要となる。
【0032】
上記のプラズマプロセス装置において好ましくは、基板表面に対面する処理室内壁面における金属部分の面積は50%以上である(第2の発明)。
【0033】
通常、誘電体板はマイクロ波の伝送経路となるため浮動電位となる。このため、基板表面に対面する面における誘電体板の面積が金属部の面積より大きい場合、上述したバイアス効果を十分に得ることができない。
【0034】
しかし、本発明では、基板の表面に対面する面における金属部分の面積は50%以上であるため、上述のバイアス効果を十分に発揮することができ、プラズマプロセスにおけるイオンの方向性に優れ、極めて良好なプラズマプロセスを行なうことができる。
【0037】
上記のプラズマプロセス装置において好ましくは、複数の誘電体板のうち互いに隣り合う一方の誘電体板と他方の誘電体板とに挟まれる領域には、一方の誘電体板から他方の誘電体板へ向かう方向に沿って複数の反応ガス供給路の吹出口が配置されている(第の発明)。
【0038】
これにより、反応ガスを処理室内へより均一に供給することが可能となる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0040】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるプラズマプロセス装置の構成を概略的に示す断面図であり、図2は図1の51−51線に沿う概略断面図である。また図3は図1の矢印A方向から見た誘電体板と誘電体板支持部材との配置状態を示す図である。
【0041】
なお図1は図3の52−52線に沿う断面に対応し、図2は図3の53−53線に沿う断面に対応する。
【0042】
主に図1を参照して、本実施の形態のプラズマプロセス装置は、チャンバ蓋1と、プロセスチャンバ本体2と、導波管3と、導波管端部3aと、マイクロ波導入窓4と、誘電体板5と、誘電体板支持部材6A〜6Dと、基板ホルダ7とを主に有している。
【0043】
チャンバ蓋1はプロセスチャンバ本体2の上端に配置されており、チャンバ蓋1とプロセスチャンバ本体2との間はガスケット9によりシールされている。このチャンバ蓋1にはスリット状の開口部1aが形成されている。その開口部1aには、SiO2、Al23、AlNなどの誘電体からなり、かつ逆凸形状の断面を有するマイクロ波導入窓4が挿入されている。チャンバ蓋1とマイクロ波導入窓4との間はガスケット10によりシールされており、ガスケット10はガスケット9とともにチャンバ内部12の気密を保持している。チャンバ内部12は、真空ポンプ(図示せず)により排気され、真空状態に保持されている。
【0044】
マイクロ波導入窓4の大気側には導波管端部3aが配設されている。導波管端部3aは、その上面中央部で導波管3と接続され、導波管3から導かれたマイクロ波を開口部3bからマイクロ波導入窓4側へ放射する。導波管端部3aには保温流路3cが設けられており、導波管端部3aおよびその周辺部が所定の温度を保つように保温流路3cには水などの保温媒質が流されている。
【0045】
チャンバ蓋1の真空側には、SiO2、Al23、AlNなどの誘電体からなるたとえば6枚の誘電体板5が設置されている。誘電体板5の外周部には、誘電体板5をチャンバ蓋1に支持するための金属板よりなる誘電体板支持部材6A〜6Dがチャンバ蓋1に固定されている。
【0046】
チャンバ内部12には、誘電体板5と対向するように基板8を保持可能な基板ホルダ7が設置されている。
【0047】
チャンバ蓋1には外部からチャンバ内部12へ反応ガスを供給するためのガス供給管11が接続されている。このガス供給管11から供給された反応ガスをチャンバ内部12へ導くために、誘電体板支持部材6A〜6Cの各々は、ガス流路用の溝6bとガス導入孔6aとを有している。
【0048】
複数のガス導入孔6aの各々は、吹出口に至るまで徐々に開口径が大きくなるテーパ形状の断面を有している。
【0049】
主に図2を参照して、誘電体板支持部材6A、6Cは、ねじ30によりチャンバ蓋1に固定されている。このねじ30は、誘電体板支持部材6A、6Cの固定孔6cに挿通され、かつチャンバ蓋1のねじ穴1cに螺合されている。誘電体板支持部材6A、6Cがチャンバ蓋1に固定されると、ガス流路用の溝6bがチャンバ蓋1で蓋をされ、ガス流路の一部となる。これにより、1つのガス供給管11から供給された反応ガスはガス流路用の溝6bで分岐され、複数のガス導入孔6aからチャンバ内部12に導入される。なお、複数のガス導入孔6aの各吹出口は、基板8の表面の対面側に開口されている。
【0050】
主に図3を参照して、6つの誘電体板5は行列状に配置されている。各誘電体板5の周縁部が誘電体板支持部材6A〜6Dにより支持されている。これにより、誘電体板5の外周領域にガス導入孔6aの吹出口が配置されることとなる。
【0051】
誘電体板支持部材6Aには、複数のガス導入孔6aと固定孔6c(ねじ30を挿通する孔)とが長手方向に3列に配置されている。3列のうちの中央列にのみ固定孔6cは配置されている。
【0052】
誘電体板支持部材6Bには、複数のガス導入孔6aと固定孔6cとが長手方向に2列に配置されている。2列のうちの1列にのみ固定孔6cは配置されている。この固定孔6cにねじ30を挿通することにより、誘電体板支持部材6Bは、誘電体板支持部材6A、6Cと同様、チャンバ蓋1に固定されている。この誘電体板支持部材6Bにおける複数のガス導入孔6aも、図1に示すようにガス流路用の溝6bから分岐されており、かつガス供給管11に通じている。
【0053】
誘電体板支持部材6Cには、複数のガス導入孔6aと固定孔6cとが1列の直線状に配置されている。誘電体板支持部材6Cにおける複数のガス導入孔6aも、図2に示す誘電体板支持部材6Aと同様、ガス流路用の溝6bから分岐されており、かつガス供給管11に通じている。
【0054】
また誘電体板支持部材6Dには、ガス導入孔や固定孔は設けられていない。
主に図1を参照して、誘電体板支持部材6A〜6Dと、チャンバ蓋1と、プロセスチャンバ本体2とは金属製などの導電体よりなっており、接地電位が印加される構成を有している。また基板8は、バイアス電圧が印加される構成を有している。
【0055】
この基板8に印加されるバイアス電圧は、図示するようにRFバイアスであってもよく、プロセスによってはDCバイアスであってもよい。
【0056】
基板8の表面には、チャンバ蓋1および誘電体板支持部材6A〜6Dおよび誘電体板5の表面が対面している。この基板8の表面に対面する面における金属部分(チャンバ蓋1および誘電体板支持部材6A〜6D)の面積は誘電体部分(誘電体板支持部材5)の面積より大きく、基板8に対面する面において50%以上を占めている。
【0057】
ガス導入孔6aの孔径、断面形状、配置は容易に変更することができる。真空ポンプの配置、チャンバ内部12の構造物の配置によってチャンバ内部12のプロセスガスの流れが変わるため、基板8の中央部と外周部とでプラズマの状態が異なるような場合もある。よって、それに合せてプラズマが均一となるようにガス導入孔6aの孔径、孔配置を設定しておく必要がある。
【0058】
また上記の誘電体板支持部材6A〜6Dは誘電体板を支持する機能を持たなくてもよい。その場合は、誘電体板5はチャンバ蓋1に固定する機能を有する必要がある。
【0059】
次に、本実施の形態のプラズマプロセス装置をドライエッチング装置として用いた場合の動作について説明する。
【0060】
チャンバ内部12が予め真空排気手段を用いて真空状態に保持される。マグネトロン(図示せず)から発せられたマイクロ波(周波数はたとえば2.45GHz)は、導波管3に導かれて導波管端部3aの開口部3cとマイクロ波導入窓4とを経て誘電体板5の表面からチャンバ内部12へ放射される。
【0061】
一方、CF4、CHF3、O2などのプロセスガスは、ガス供給管11から導入された後、ガス流路用の溝6bで分岐され、複数のガス導入孔6aの吹出口からチャンバ内部12へ供給される。
【0062】
プロセスガスがチャンバ内部12へ導入されると、マイクロ波により均一なプラズマが生成され、これにより基板8上に成膜されたSiO2膜などに対して均一なエッチングが行なわれる。
【0063】
また、プロセスガスの種類を変更し、ガス圧を所定の圧力に設定することにより、他の絶縁膜やAlなどの金属膜をエッチングすることもできる。
【0064】
本実施の形態においては、チャンバ蓋1、プロセスチャンバ本体2および誘電体板支持部材6A〜6Dに接地電位が印加され、基板8にバイアス電圧が印加される。これにより、チャンバ内部12に発生するプラズマ中のイオン、励起種、または電子を基板8の表面に対してほぼ垂直に入射させることができる。つまり、プラズマプロセスにおけるイオンの方向性を良好に制御することが可能となる。
【0065】
また、誘電体板5はマイクロ波の伝送経路となるため浮動電位となる。このため、基板8表面に対面する面における誘電体板5の面積が金属部の面積より大きい場合、上述したバイアス印加の効果を十分に得ることができない。
【0066】
しかし、本実施の形態では、上述したように基板8表面に対面する面において金属部分(チャンバ蓋1および誘電体板支持部材6A〜6B)の面積が50%以上である。このため、上述のバイアス印加の効果を十分に発揮することができ、プラズマプロセス時においてイオンなどを基板8表面にほぼ垂直に入射させることができ、極めて良好なプラズマプロセスを行なうことが可能となる。
【0067】
なお、誘電体板5の面積が少なくとも、十分に高い密度を有するプラズマを生成することができる。このことは、たとえば、S. Morita et al.,“Production of Low - Pressure Planar Non-Magnetized Plasmas Sustained under a Dielectric-Free Metal-Plasma Interface”, Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 37(1998)pp. L468 - L470に記されている。
【0068】
また誘電体板5が複数個に分割されている。このため、大面積の基板8を処理する場合でも、1枚物の大きな誘電体板を用いる必要はなく、誘電体板5の作製が困難となることはない。
【0069】
また、このような小型の誘電体板5は、1枚物の大きな誘電体板を形成する場合よりも、既存の製造設備を用いて均一な材質のものを容易に得ることができる。この結果、大型の誘電体板を一枚物として形成する場合よりも、均一で優れた材質の誘電体板5を得ることができる。
【0070】
また、このような複数の誘電体板5を用いたプラズマプロセス装置においては、誘電体板5の一部に損傷が発生した場合でも、その損傷が発生した誘電体板5のみを交換することにより容易かつ迅速に設備の修理を行なうことができる。その結果、プラズマプロセス装置のメンテナンスに要する労力や時間を低減することができる。
【0071】
また、分割された複数個の誘電体板5の各周囲から反応ガスが供給できるよう構成されている。このため、大面積の基板8を処理する場合でも、誘電体板5の周囲からまんべんなく反応ガスを供給でき、均一なプラズマを実現することができる。
【0072】
また図1に示すように互いに隣り合う一方および他方の誘電体板5に挟まれる領域において一方の誘電体板5から他方の誘電体板5へ向かう方向に沿って複数のガス導入孔6aが配置されている。これにより、チャンバ内部12に、より一層均一に反応ガスを供給することが可能となる。
【0073】
また、ガス導入孔6aは、吹出口に向かうに従って開口径が大きくなるテーパ形状の断面を有している。このため、このガス導入孔6aからチャンバ内部12へと放出される反応ガスを、誘電体板支持部材6A〜6Cの下面に対して垂直方向のみではなく斜め方向にも放出することができる。この結果、チャンバ内部12において反応ガスの分布をより均一にすることができ、より均一な条件でプラズマプロセスを行なうことが可能となる。
【0074】
また、誘電体板5はAlNを主成分とするセラミックスよりなっており、AlNは優れた熱伝導性を有している。このため、チャンバ内部12で形成されるプラズマによって誘電体板5が局所的に加熱されるような場合、その局所的に加えられた熱を速やかに誘電体板5全体に伝えることができる。その結果、誘電体板5がこの局所的な加熱によって損傷を受けることを防止することができる。
【0075】
また、このような誘電体板5として熱伝導特性の優れた材質を用いることにより、チャンバ内部12に部分的に高温部分が発生した場合、この誘電体板5を介してこの高温部分の熱を他の領域に速やかに伝えることができる。このため、チャンバ内部12の雰囲気温度を容易に均一化することができる。
【0076】
また、導波管3、導波管端部3aおよびマイクロ波導入窓4を有するマイクロ波伝送手段は、単一モードマイクロ波導波路を含んでいる。これにより、マイクロ波の制御を容易に行なうことができると同時に、安定でかつ均一なマイクロ波をチャンバ内部12へ伝送することが可能となる。
【0077】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2におけるプラズマプロセス装置の構成を概略的に示す断面図であり、図5は図4の矢印A方向から見た誘電体板と誘電体板支持部材との配置状態を示す図である。
【0078】
なお図4は図5の54−54線に沿う断面に対応する。
主に図4を参照して、本実施の形態のプラズマプロセス装置の構成は、実施の形態1の構成と比較して、誘電体板5にガス導入孔5aとガス流路用の溝5bとが設けられている点において異なる。
【0079】
この誘電体板5のガス流路用の溝5bは、誘電体板支持部材6A〜6Cのいずれかのガス流路用の溝6bと接続されており、それによりガス供給管11に連通している。誘電体板5のガス導入孔5aはこのガス流路用の溝5bから分岐されており、基板8の表面に対面するように開口されている。またこのガス導入孔5aは吹出口に向かうに従って開口径が大きくなるテーパ形状の断面を有している。
【0080】
主に図5を参照して、ガス導入孔5aは、誘電体板5の外周領域に配置されている。
【0081】
なお、これ以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0082】
本実施の形態では、誘電体板5の外周領域にもガス導入孔5aが設けられているため、ガス導入孔の総数を実施の形態1よりも多くすることができる。これにより、チャンバ内部12へ、より一層均一に反応ガスを供給することが可能となる。
【0083】
なお、本発明によるプラズマプロセス装置は、上記の実施の形態1および2に示すように基板8を水平に設置する構成に限らず、基板8を垂直または傾斜させて配置する構成であってもよい。
【0084】
また実施の形態1および2では、本発明のプラズマプロセス装置をドライエッチング装置に適用した構成について説明したが、これに限定されるものではなく、たとえばCVD装置やアッシング装置として適用し得ることは言うまでもない。
【0085】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプラズマプロセス装置は、大面積の基板を均一なプラズマを用いて均一に処理することができ、かつ低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるプラズマプロセス装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】 図1の51−51線に沿う概略断面図である。
【図3】 図1の矢印A方向から見た誘電体板と誘電体板支持部材との配置状態を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態2におけるプラズマプロセス装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図5】 図4の矢印A方向から見た誘電体板と誘電体板支持部材との配置状態を示す図である。
【図6】 従来のプラズマプロセス装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図7】 シャワーヘッドを用いた従来のプラズマプロセス装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図8】 金属板を用いた従来のプラズマプロセス装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図9】 金属板の構成を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 チャンバ蓋、2 プロセスチャンバ本体、3 導波管、3a 導波管端部、3b 開口部、4 マイクロ波導入窓、5 誘電体板、6A〜6D 誘電体板支持部材、6a ガス導入孔、6b 溝、7 基板ホルダ、8 基板、11 ガス供給管、12 チャンバ内部。

Claims (3)

  1. マイクロ波によりプラズマ状態にされた反応ガスを用いて基板表面にプラズマプロセスを行なうプラズマプロセス装置であって、
    前記基板を内部に支持可能な処理室と、
    マイクロ波を伝送するためのマイクロ波伝送手段と、
    前記基板表面に対面する主表面を有し、かつ前記マイクロ波伝送手段により伝送されたマイクロ波を前記主表面から前記処理室内に放射する複数の誘電体板と、
    前記処理室に反応ガスを供給するための複数の反応ガス供給路とを備え、
    複数の前記反応ガス供給路の各々は、プラズマ状態にされる前の反応ガスを前記基板表面に向けて放出できるように前記基板表面に対面する面に開口された反応ガスの吹出口を有し、かつ複数の前記吹出口の各々は前記複数の誘電体板の各々の前記主表面端縁より外周領域に配置され、前記誘電体板同士が隣合う領域においては隣合う前記誘電体板の間に配置されており、
    前記処理室には接地電位が印加され、かつ前記基板にはバイアス電圧が印加される構成を有する、プラズマプロセス装置。
  2. 前記基板表面に対面する前記処理室内壁面における金属部分の面積は50%以上である、請求項1に記載のプラズマプロセス装置。
  3. 前記複数の誘電体板のうち互いに隣り合う一方の誘電体板と他方の誘電体板に挟まれる領域には、前記一方の誘電体板から前記他方の誘電体板へ向かう方向に沿って複数の前記反応ガス供給路の吹出口が配置されている、請求項1または2に記載のプラズマプロセス装置。
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