JP3645018B2 - 組合せ秤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カット野菜、漬物、筋子等のように付着性、又は粘着性を有する被計量物品を物品保持手段に投入した状態で計量、滞留、及び搬送する組合せ秤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の組合せ秤は、図7の一部省略断面図に示すように、円錐形状の分散テーブル1を備えており、この分散テーブル1上に被計量物品2が供給されると、分散テーブル1の遠心力等により物品2を外周側に移動させて分散させることができる。そして、分散テーブル1の外周縁から送り出された物品2は、この分散テーブル1の外周縁に沿って設けられている複数台の直進フィーダ3に供給されて、これら直進フィーダ3によって漸次外側方向に搬送される。これら直進フィーダ3の先端部から排出された物品2は、直進フィーダ3の先端部下方に設けられている供給ホッパ4に投入され、供給ホッパ4に投入された物品は各供給ホッパ4の下方位置に設けられている計量ホッパ5に供給される。そして、計量ホッパ5に供給された物品2は、計量ホッパ5を支持する重量検出器6により重量が計量され、重量が計量された物品2は計量ホッパ5の内側のゲート7が開放して、その下方に設けられているメモリーホッパ8に供給される。計量ホッパ5が空になると、上記と同様にして計量ホッパ5に物品が供給されてその物品の重量が計量される。これら各計量ホッパ5に収容されている計量済み物品の各計量値及び各メモリーホッパ8に収容されている計量済み物品の各計量値は、組合せ演算されて所定重量に等しいか若しくはそれに最も近い重量の組合せが選択され、この選択された計量値と対応する物品が計量ホッパ5、メモリーホッパ8から排出される。そして、これら排出された物品2は、分割シュート9及び集合シュート10を通って集合ホッパ11に供給され、この集合ホッパ11から包装機12に供給される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す従来の組合せ秤では、計量精度にもよるが、一般に、計量ホッパ5が少なくとも10〜14台必要とされている。その結果、例えば、これら10〜14台の計量ホッパ5を10〜14台の直進フィーダ3の先端部に沿って円周上に配置すると、この円の直径D(図7参照)は比較的大きな寸法となる。また、組合せに選択された物品を包装機12に供給する為にはこれら選択された物品を包装機12上の1箇所に集合させる必要があるので、1台の集合ホッパ11に供給している。従って、従来の組合せ秤では、図7に示すように、直径Dが比較的長くなるので、計量ホッパ5から集合ホッパ11までの経路13の長さRも比較的長くなる。
【0004】
しかし、この経路13の長さRが比較的長くなると、物品が付着性、又は粘着性を有する場合、この経路13を形成する分割シュート9及び集合シュート10の内壁面に物品が付着する量が多くなり、これによって組合せ計量の計量精度の低下を招くという問題が起こっている。
【0005】
そして、図7に示す組合せ秤では、メモリーホッパ8を設けたことにより組合せに参加することができる計量済み物品の個数を多くすることができ、これにより、組合せ計量の計量精度を向上させることができるようにしている。しかし、計量ホッパ5内の計量済み物品2をメモリーホッパ8に供給する必要があるので、物品が付着性、又は粘着性を有する場合、物品が計量ホッパ5やメモリーホッパ8内に付着する量が多くなり、これによって組合せ計量の計量精度が低下するという問題がある。従って、粘着性等を有する物品では、所定の計量精度を維持する為にはメモリーホッパ8を設けることができない場合が起こる。
【0006】
そこで、メモリーホッパ8を設けずに所定の計量精度を維持させるには、計量ホッパ5の台数を増加させることが考えられるが、計量ホッパ5の台数を増加させると、図7に示す直径Dが大きくなって経路13の長さRが長くなるという問題が起こるので、計量ホッパ5の台数を増加させることにも或る一定の限界がある。更に、計量ホッパ5の台数を増加させると装置の費用が増加するし、装置の嵩も大きくなるという問題がある。
【0007】
また、図7に示す組合せ秤では、或る計量ホッパ5内に収容されている物品、又はその計量ホッパ5の下方に設けられているメモリーホッパ8内に収容されている物品が組合せに選択された場合に、その計量ホッパ5内の物品が排出されて空になるからこの空になった計量ホッパ5に新たに物品を供給してその物品の重量を計量することができる。従って、計量ホッパ5内に収容されている物品、又はその計量ホッパ5の下方に設けられているメモリーホッパ8内に収容されている物品が組合せに選択されず排出されない間は、その計量ホッパ5による計量が停止した状態である。そして、このように計量が停止している計量ホッパ5は、組合せ秤が運転中において常時複数台存在しているので、複数台設けられている計量ホッパ5全体の運転効率が低いという問題がある。
【0008】
更に、図7に示す組合せ秤では、組合せに選択された物品が計量ホッパ5又はメモリーホッパ8から排出されて、分割シュート9及び集合シュート10の内壁面を伝って包装機12に供給されるので、付着性又は粘着性を有する物品では、この経路13を移動する時間が長く掛かり、これによって、計量された物品が包装機12によって包装されるまでの時間が長く掛かるという問題がある。
【0009】
本発明は、付着性、又は粘着性を有する物品の組合せ計量の計量精度を向上させると共に、計量ホッパの運転効率の向上を図り、更に計量速度の向上を図ることができる組合せ秤を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、物品が投入される複数の物品保持手段と、上記物品保持手段と当該物品保持手段に投入されている物品の合計重量、又は物品が上記物品保持手段に投入された状態で当該物品の重量、を計量する1台又は2台以上の計量手段と、この計量手段により計量された物品が投入されている複数の上記物品保持手段を列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で溜めておく滞留手段と、上記計量手段により計量して得られた各重量値を種々に組合わせてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた所定重量範囲内の組を構成する物品を選択する組合せ演算手段と、この組合せ演算手段により選択された組を構成する物品が投入されている上記物品保持手段を当該物品が排出される排出位置に搬送する搬送手段と、上記滞留手段上の列をなす上記物品保持手段が上記滞留手段から外側にはみ出ないように規制するはみ出し防止手段と、上記組合せ演算手段により選択された組を構成する物品が投入されている上記物品保持手段を上記滞留手段上の位置から上記はみ出し防止手段を乗り越えさせて上記搬送手段上に移動させる取り出し手段とを、具備し、
上記滞留手段が、上記物品保持手段を所定方向に搬送する搬送面と、この搬送面上に載置されて搬送されてくる上記物品保持手段を上記滞留手段上の所定位置で係止する第1の係止手段とを備え、上記取り出し手段が、上記物品保持手段を上記滞留手段上から上記搬送手段上に移動させた取り出し状態と上記物品保持手段を取り出していない非取り出し状態の両方の状態間を移行することができ、上記取り出し状態から上記非取り出し状態に移行する際の上記取り出し手段の移行経路よりも後方位置に上記取り出された物品保持手段の後続の物品保持手段を係止する第2の係止手段を備えているものである。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の組合せ秤において、上記滞留手段が、上記計量手段により計量された物品が投入されている複数の上記物品保持手段を計量された順番に従って1列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で溜める構成としたことを特徴とするものである。
【0014】
第1及び第2の各発明によると、被計量物品が物品保持手段に投入されると、物品がその物品保持手段に投入された状態で、計量手段が、物品保持手段とこの物品保持手段に投入されている物品の合計重量、又は物品が物品保持手段に投入された状態でその物品の重量を計量する。つまり、その物品の実質的な重量を計量する。そして、計量手段により計量された物品が投入されている多数の物品保持手段を滞留手段に溜めておくことができるので、これら滞留する多数の物品保持手段に投入されている物品を組合せに参加させることができるし、計量手段による物品重量の計量を順次連続して行わせることができる。また、搬送手段が、組合せ演算手段による組合せ演算によって選択された物品をその物品保持手段に投入された状態で所定の排出位置に搬送することができる。
【0015】
そして、第1の発明の滞留手段は、列をなす複数の物品保持手段が滞留手段から外側にはみ出ないようにはみ出し防止手段により規制することができるので、計量手段により計量された物品が投入されている複数の物品保持手段を列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で溜めておくことができる。そして、取り出し手段は、組合せに選択された組を構成する物品が投入されている物品保持手段を滞留手段上の位置からはみ出し防止手段を乗り越えさせて搬送手段上に移動させることができる。
【0016】
第1の発明によると、滞留手段が、その搬送面上に載置されている物品保持手段を所定方向に搬送し、第1の係止手段が、これら搬送されてくる物品保持手段を滞留手段上の所定位置に係止することができる。複数の物品保持手段は、この第1の係止手段により係止された状態で列をなして停止する。取り出し手段は、物品保持手段を滞留手段上から搬送手段上に移動させた取り出し状態と物品保持手段を取り出していない非取り出し状態の両方の状態間を移行することができ、第2の係止手段が、取り出し状態から非取り出し状態に移行する際の取り出し手段の移行経路よりも後方位置に上記取り出された物品保持手段の後続の物品保持手段を係止することができる。
【0017】
第2の発明によると、滞留手段が、計量手段により計量された物品が投入されている複数の物品保持手段を計量された順番に従って1列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で溜めることができるので、計量手段により計量して得られた重量値と物品との対応関係が明確となり、組合せに選択された物品が投入されている物品保持手段の特定を簡単に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図3を参照して説明する。この実施形態の組合せ秤は、図1の平面図に示すように、作業者が円筒形の空のカップ20に物品21を投入するための投入ステージ61と、4台の計量器62(62−1、62−2、62−3、62−4)と、滞留コンベア63と、搬送コンベア64と、排出装置65と、移送コンベア66と、を備えている。そして、これら投入ステージ61、4台の計量器62(62−1、62−2、62−3、62−4)、・・・・等は、多数個のカップ(物品保持手段)20を図1に各矢印で示すようにこの組合せ秤上で時計方向に搬送することができる構成である。この組合せ秤によると、これらカップ20を搬送中に、例えばカット野菜、漬物、筋子等のように付着性、又は粘着性を有する被計量物品21を各カップ20に作業者が手で投入(充填)してこれら各物品21の重量を計量器62が計量し、これら計量済み物品21の内から組合せに選択された各物品21を収容するカップ20を所定の排出位置88に搬送し、各カップ20から物品を排出することにより合計重量が所定重量範囲内の物品の組合せ計量を行う。なお、空になったカップ20には、新たに物品21を投入して上記計量を繰り返して行う。そして、各カップ20は、同一重量となるように形成してある。
【0020】
投入ステージ61は、図1に示すように、カップ20を進行方向に3個並べて1列としたものを4列保持することができる固定台(簀の子状の受け台)67を備えている。この固定台67には、カップ20が隣の列又は投入ステージ61の外側にはみ出ないように5本のガイド68を進行方向97に平行し、互いに間隔を隔てて設けてある。この投入ステージ61の入口には、移送コンベア66の終端部69が接続している。この終端部69に空のカップ20が4個溜まり、かつ、この組合せ秤に設けられている中央演算処理装置(CPU)(図示せず)から所定の供給信号が出力されると、この終端部69の近傍位置に設けてあるエアーシリンダで構成した空カップ用プッシャー70が伸長動作し、この空カップ用プッシャー70の先端に設けたパッド71が終端部69上の4個の空カップ20を投入ステージ61上の入口に送り出すことができる。このようにして投入ステージ61上に送り出された4個のカップ20は、夫々の前方のカップ20を前方に押し進め、これによって、投入ステージ61上の最前列の4個のカップ20を夫々と対応する4台の各計量器62−1、62−2、62−3、62−4上に移動させることができ、更に、4台の計量器62−1、62−2、62−3、62−4上の4個のカップ20を滞留コンベア63上に移動させることができる。しかる後に、空カップ用プッシャー70が短縮動作して移送コンベア66上の後続の4個のカップ20を終端部69に溜めておくことができる。なお、この終端部69の入口にはストッパ72を設けてある。このストッパ72は、エアーシリンダであり、移送コンベア66の終端部69に4個のカップ20が溜まった時に閉動作(図1に示す伸長状態となる。)して、後続のカップ20がこの終端部69に進入してこないように止めておくことができ、終端部69のカップ20が投入ステージ61に押し出されて空カップ用プッシャー70が短縮動作した時に開動作(短縮状態となる。)してカップ20を終端部69に通す役目を果たす。
【0021】
4台の各計量器62は、ロードセル等の重量検出器を有しており、各ロードセルに設けられている載台上に、投入ステージ61から物品21の投入されたカップ20が送られてくると、そのカップ20及びカップ20に投入されている物品21の合計重量を計量することができる。そして、この組合せ秤に設けられている演算制御部(図示せず)がこの合計重量値から既知であるカップ20(各カップ20は同一の重量である)の重量値を減算して物品21の重量を演算して得ることができる。そして、計量済み物品の投入されている4個のカップ20は、後段の滞留コンベア63上のカップ20の数が8個以下になった時に滞留コンベア63に搬送される。これは、滞留コンベア63は、12個のカップ20を滞留させることができる長さであり、計量済みの4個のカップ20を受け入れるためには、滞留コンベア63上のカップ20の数が8個(=12−4)以下であることが必要だからである。勿論、計量器62を4台設けたが、4台以外の台数Aとしてもよい。その際、投入ステージ61のカップ20を整列する列数は、計量器62の台数Aに合わせる。そして、この場合は、計量済み物品の投入されているカップ20は、後段の滞留コンベア63上のカップ20の数が(12−A)個以下になった時に滞留コンベア63に搬送される。
【0022】
滞留コンベア63は、図1に示すように、基端部が4台の計量器62の側方に配置されている直線コンベアであり、各計量器62から排出されたカップ20を受け取って同図の左方向に搬送することができる。そして、左側先端部にはストッパ73を設けてあり、このストッパ73によりカップ20を係止することができる。このストッパ73が請求項3に記載の第1の係止手段である。この滞留コンベア63は、図3の断面図に示すように、環状の2つのプラスチックチェーン(トップチェーン)74、74を備えており、各プラスチックチェーン74、74の夫々の両端がスプロケット(図3には先端部に設けられているスプロケット75、75を示す。)75、75に掛けられている。このスプロケット75は、モータ(図示せず)の回転軸と連結しており、モータが回転することにより2つのプラスチックチェーン74、74が所定方向に駆動される。図には示さないが、プラスチックチェーン74、74のカップ20と接触する搬送面82は、摩擦抵抗の小さいプラスチック板によって形成してある。この滞留コンベア63は、後述するように、請求項4に記載の滞留手段と待機手段を構成している。
【0023】
図3に示す76は、滞留コンベア63の本体である。この本体76は、図1に示す架台77に固定されており、この本体76の上面に断面形状がコ字状の案内枠78を設けてある。この案内枠78の上面83は、図3に示すように、プラスチックチェーン74の搬送面82よりも下側に位置しており、この案内枠78の両側面には、プラスチックチェーン74を保持する保持枠79、80を設けてある。この2つの保持枠79、80のうち、図3に示す案内枠78の左側面に設けてある保持枠79の上側屈曲部98の上面81は、プラスチックチェーン74の搬送面82よりも約3mm上側に位置するように形成してある。この上側屈曲部98が請求項1に記載のはみ出し防止手段である。
【0024】
このはみ出し防止手段を形成する保持枠79の上面81は、プラスチックチェーン74の搬送面82よりも約3mm高く形成してあり、この段差H(=約3mm)により、図3に示す滞留コンベア63上のカップ20が搬送コンベア64側にはみ出ないように規制することができる。従って、この段差Hは、カップ20の大きさ、重量、カップ20の底の円周縁のアール(R)の大きさ、更に、カップ20に投入される物品21の重量に応じて決定する必要がある。図4は、この段差部を示す拡大断面図である。即ち、同図に示すRは約3mm、αは約45°である。ただし、保持枠79の上面81のプラスチックチェーン74側の縁部99にα≒45°の傾斜面を施したが、これ以外の角度αの傾斜面を施してもよいし、この縁部99をアールに形成してもよい。また、カップ20の底の円周縁のアールをR≒3mmとしたが、これ以外の大きさのアールを施してもよい。要は、図4に示す段差H、R、縁部99の大きさや形状は、図1に示すように、カップ20が滞留コンベア63上で1列に整列している時には、カップ20が搬送コンベア64側にはみ出ないように規制することができ、プッシャー84が伸長動作した時には、カップ20が起立状態でこの保持枠79の上面81(はみ出し防止手段)を乗り越えて搬送コンベア64上に移動することができるものであれば良い。
【0025】
そして、図3に示す滞留コンベア63の右側には第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10を設けてあり、各プッシャーのピストンロッドの先端に設けたパッド85−1〜85−10によって、滞留コンベア63上のカップ20が同図のプッシャー84側にはみ出ないように規制することができる。つまり、滞留コンベア63は、モータにより常時回転駆動しており、滞留コンベア63上の各カップ20はストッパ73側に搬送されて先頭のカップ20がストッパ73に当接すると後続のカップ20は順次互いに接触した押せ押せの状態で1列に並び、各カップ20はその位置で停止することとなる。ただし、滞留コンベア63は、常時搬送駆動されているので、この滞留コンベア63上に1列に並んでいるカップ20は進行方向に向かって左側又は右側にはみ出ようとするが、上記段差H及びパッド85−1〜85−10によってカップ20が滞留コンベア63の外側にはみ出ないように規制することができる。なお、図1に示すように、第10のプッシャー84−10の後段にもガイド112を設けてあり、カップ20のはみ出しを防止している。
【0026】
第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10は、請求項1に記載の取り出し手段である。第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10は、図1に示すように、エアーシリンダから成っており、各プッシャーは、カップ20の直径と同一の長さの間隔をおいて夫々配置してある。即ち、図1に示すように、12個のカップ20が滞留コンベア63上で1列に並んだ状態で先頭から10個までの各カップ20と対応して第1〜第10の各プッシャー84−1〜84−10を設けてある。各プッシャー84−1〜84−10に設けてあるパッド85−1〜85−10は、平面形状がL字状である。パッド85の形状をL字状としたのは、図2に示すように、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長動作した状態で、各プッシャー84−2、84−5、84−8、84−10により取り出した各カップ20の後続のカップ20を対応するパッドの係止板86により係止するためである。これにより、伸長状態の各プッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮状態になるとき、各パッド85−2、85−5、85−8、85−10が後続のカップ20をそれら各係止位置で停止させた状態でスムースに後退して図1に示す短縮状態に戻ることができる。プッシャー84が伸長状態にあるときが請求項3に記載の取り出し状態であり、短縮状態にあるときが非取り出し状態である。これら各パッド85−1〜85−10に設けた各係止板86が請求項3に記載の第2の係止手段である。
【0027】
次に、組合せ演算手段が、これら計量済み物品21の各重量を種々に組合わせて組合せ演算する手順、及び組合せに選択された物品21を滞留コンベア63から取り出して搬送コンベア64上に移動させて排出装置65内に搬送する手順を説明する。
組合せ演算手段は、図には示さないが、中央演算処理装置(CPU)により構成されている演算制御部(図示せず)と、この演算制御部と接続する記憶部(図示せず)に記憶されている所定のプログラムと、により構成されており、所定の組合せ演算を行う手段である。即ち、各計量器62により計量して得られた被計量物品21の各重量値を種々に組合わせてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた所定重量範囲内であって、予め定めた条件を満足する組、例えば目標重量値に等しいか若しくは最も近い組を構成する物品を選択する手段である。
【0028】
なお、組合せ演算手段による組合せ演算は、作業者が設定表示部87を操作して予め設定してある組合せ演算開始メモリ数がKとなったときに開始する。この組合せ演算開始メモリ数とは、組合せ演算手段が組合せ演算を開始するための条件であり、この条件は、滞留コンベア63上に停止しているカップ20の数(記憶部に記憶されている計量済み物品の重量値の数)が例えばK=9個以上となることとしている。つまり、記憶部に記憶されている重量値の数が9個未満では組合せ演算を行っても合計重量が所定重量範囲内となる組合せを選択する可能性が低いので組合せ演算を行わず、従って重量値の数が9個以上となり、組合せの選択の可能性の高くなったときに組合せ演算を行うこととしている。ただし、この組合せ演算開始メモリ数Kは、組合せ計量の計量精度や計量速度等に応じて作業者が設定表示部87を操作して任意の組合せ演算開始メモリ数を設定することができる。そして、滞留コンベア63上に停止しているカップ20の個数が9個未満となったときには、滞留コンベア63上のカップ20の個数が9個以上となるまで計量器62から計量済み物品を収容するカップ20が4個ずつ搬送されてくる。そして、滞留コンベア63上のカップ20の個数が9個以上となったときは、計量器62からの搬送が自動的に停止する。
【0029】
また、組合せに選択されたカップ20を滞留コンベア63から取り出して搬送コンベア64に移動させる取り出し手段は、第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10である。従って、これら第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10により取り出すことができるのは、図1に示す滞留コンベア63上に滞留する12個のカップ20のうち、先頭から10個のカップ20のうちのいずれかのカップ20であるので、組合せに参加させる重量値もこれら10個のカップ20に投入されている物品21の重量値としている。よって、先頭から11番目と12番目のカップ20及びこれよりも後続のカップ20に収容されている物品21の重量値は組合せに参加させていない。つまり、図1に示す滞留コンベア63の搬送面のうち、上記先頭から10個目までのカップ20が載置されている区間が請求項4に記載の滞留手段の機能を果たし、先頭から11個目のカップ20が載置されている位置から後方の計量器62の側方に伸延するも区間が待機手段の機能を果たす。図1の状態では、この待機手段には11個目と12番目のカップ20が停止している。
【0030】
そして、図1に示す第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10により取り出されたカップ20を所定の排出位置88に搬送する搬送手段(請求項1、2、及び3に記載の搬送手段)は、同図に示す搬送コンベア64と、排出装置65と、からなっている。ただし、請求項4に記載の搬送手段は、第1〜第10のプッシャー84−1〜84−10と、搬送コンベア64と、排出装置65と、からなっている。
【0031】
今、組合せ演算手段により物品(重量値)の所定の組合せとして例えば図2に示すように第2番目の物品21と第5番目の物品21と第8番目の物品21と第10番目の物品21が選択されたとすると、同図に示すように、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長駆動してこれら第2、第5、第8、及び第10番目の各物品21を収容する各カップ20を滞留コンベア63上から押し出して、はみ出し防止手段である保持枠79の上面81を乗り越えさせ、この滞留コンベア63と隣接して設けてある搬送コンベア64上に移動させる。そして、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が伸長駆動した状態では、図2に示すように、各プッシャーに設けてあるパッド85−2、85−5、85−8、85−10の夫々の各係止板86が、取り出した2、5、8、10番目の各カップ20の夫々の後続のカップ20を係止することができる。これにより、伸長状態の第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮駆動したときに、各パッド85−2、85−5、85−8、85−10が後続の各カップ20を引っ掛けることなく、スムースに図1に示す元の位置に戻ることができる。
【0032】
そして、搬送コンベア64上に移動した第2、第5、第8、及び第10番目の4個のカップ20は、この搬送コンベア64により搬送されて排出装置65に搬送される。この排出装置65に搬送された第2、第5、第8、及び第10番目の各カップ20は、物品21が取り出され、これら取り出された物品21を包装機89が包装する。一方、第2、第5、第8、及び第10のプッシャー84−2、84−5、84−8、84−10が短縮状態となると、選択されなかった第1、第3、第4、第6、第7、及び第9番目の各物品21を収容する6個の各カップ20、及び後続の2個のカップ20が滞留コンベア63により搬送されて前進する。また、4台の計量器62から計量済み物品を収容する4個のカップ20が順次滞留コンベア63に供給される。これら4個のカップ20及び滞留コンベア63上の8個のカップ20、即ち、計量済み物品を収容する合計12個のカップ20は、搬送されて上述のようにして先頭のカップ20がストッパ73により係止され、この先頭のカップ20及び後続のカップ20が1列に互いに接触した押せ押せの状態で滞留コンベア63上で停止する。しかる後に、次の組合せ演算が行われる。
【0033】
ただし、組合せ演算で選択された物品(重量値)21の個数が4個の場合は、滞留コンベア63上には8個のカップ20しか残らないので、組合せ演算開始メモリ数K=9個よりも少なく、従って、4台の計量器62から次の計量済み物品が投入されているカップ20が滞留コンベア63に排出されるまでは次の組合せ演算を行わないようにしている。これを実現するために、計量済み物品が収容されているカップ20が計量器62から滞留コンベア63に排出された時から所定時間経過後(この所定時間はタイマーによって計時している。)に組合せ演算を行う。なお、上記所定時間内に組合せに参加させる各物品の重量値を記憶部に記憶する。しかし、例えば、滞留コンベア63上に12個のカップが滞留していたとして、組合せ演算で選択された物品(重量値)21の個数が3個以下の場合は、滞留コンベア63上には9個のカップ20が残っているので、組合せ演算開始メモリ数K=9個以上の条件を満たし、従って、計量器62から次の計量済み物品が投入されているカップ20が滞留コンベア63に供給されない。その結果、計量器62から次のカップ20が滞留コンベア63に供給される前に組合せ演算を行うことができる。このように、次の計量済み物品21が収容されているカップ20の到着を待つ必要がないのは、図1に示す滞留コンベア63上の先頭から11番目と12番目の2個のカップ20を待機させてあり、この2個のカップ20に収容されている物品の重量値を次の組合せ演算に参加させることができるからである。待機手段に2個のカップ20を待機させておく理由は、上記のように、組合せに選択された物品を収容する3個以下のカップ20が滞留コンベア63から排出されたときに、次の計量済み物品を収容するカップ20が滞留コンベア63に送られて来るのを待たずに次の組合せ演算を行うことができ、従って、時間当たりの組合せ演算の回数を多くすることができるという利益があるからである。なお、この待機させているカップ20の個数は、多いほど次の計量済み物品が収容されているカップ20の到着を待たずに組合せ演算を行うことができる余裕を長くとることができるが、この待機カップ20の個数を多くすると組合せ秤の機長が長くなるので、機長を勘案して適切な待機カップ20の個数を決定することが必要である。
【0034】
搬送コンベア64は、図3に示すように、滞留コンベア63と同等のプラスチックチェーンコンベアである。この搬送コンベア64の左側面にはガイド90を設けてあり、このガイド90は、滞留コンベア63から搬送コンベア64に押し出されたカップ20が搬送コンベア64から落下しないようにするためのものである。そして、搬送コンベア64の搬送面は滞留コンベア63の搬送面82と略同一の高さに配置してあり、従って、搬送コンベア64の搬送面は、保持枠79の上側屈曲部98の上面81よりも約3mm(=H)低くなっている。搬送コンベア64の後端部は、排出装置65と接続している。また、図1に示すように、搬送コンベア64の排出装置65の入口部には、ストッパ72と同等のストッパシリンダ113を設けてある。このストッパシリンダ113は、伸長状態と短縮状態とに所定のタイミングで切り替わることにより、組合せに選択されたカップ20を各組ごとに順次排出装置65に送り込むことができる。そして、ストッパシリンダ113が伸長状態となって選択されたカップ20を搬送コンベア64上で停止させた状態では、これらカップ20が保持枠79の上側屈曲部98とガイド90とによって搬送コンベア64上からはみ出ないように両側から規制されており、従って、これらカップ20は搬送コンベア64上で整列して停止することができる。
【0035】
次に、排出装置65の説明をする。排出装置65は、傾斜コンベア91と送り出しコンベア92とを備えている。送り出しコンベア92は、滞留コンベア63と同等のプラスチックチェーンコンベアである。傾斜コンベア91は、図には示さないが、搬送面に4列に配置された多数のカップ保持部を設けてなるチェーンコンベアである。この傾斜コンベア91が、搬送コンベア64と接続しており、組合せに選択された物品を収容するカップ20を1個ずつ各カップ保持部に受け入れる。これらカップ保持部に受け入れたカップ20は、図1に示すように、横1列に4個並んだ状態で順次斜め上方に向かって搬送され、上昇端で反転してカップ保持部から外れて位置決め筒部内に落下して所定の排出位置88で停止する。この排出位置88では、カップ20が反転していることとカップ20の落下による衝撃とにより内側に収容されている物品21がカップ20から排出され、カップ受板93の下部に設けたじょうご状部(図示せず)及び投入口94を通って包装機89に投入される。そして、空になった4個のカップ20は、エアーシリンダ(図示せず)によって図1の矢印95の方向に搬送される。4個の空のカップ20は、カップ受板93に設けた排出口(図示せず)を通って送り出しコンベア92上に搬送され、この送り出しコンベア92によって搬送され、そして、カップ反転装置96により180°反転されて、カップ20の口を上側に向けた状態で移送コンベア66に送り出される。そして、移送コンベア66は、空のカップ20をこの移送コンベア66の終端部69に移送し、この終端部69に空のカップ20が4個溜まり、上述したように、中央演算処理装置から所定の供給信号が出力されると、空カップ用プッシャー70が伸長動作し、この空カップ用プッシャー70の先端に設けたパッド71が終端部69上の4個の空カップ20を投入ステージ61上の入口部に送り出すことができる。このようにして、カップ20は循環して物品の組合せ計量を順次連続して行うことができる。
【0036】
なお、組合せに選択された各々の組を構成する物品21を収容するカップ20は、順に図1に示す排出位置88に搬送されて、カップ20内の物品21は包装機89に順に投入されるが、包装機89は、一つの組を構成する物品の数が幾つであるかを記憶手段から読み込んで1つの組を構成する物品を1つのパックに包装することができる。つまり、包装機89は、組合せに選択された物品の数が1、2、3、4、5、・・である各場合に応じて組合せに選択されたその数の当該物品を1つのパックに包装するように構成されている。
【0037】
次に、図6を参照して、計量された物品の重量を記憶する手順を説明する。まず、物品の投入されたカップ20が計量器62によって計量が完了し(S100)、この計量済み物品の重量値を記憶部に記憶する(S102、104)。例えば第1、2、・・・・、N番目に計量して得られた重量値を第1、2、・・・・、N番目のメモリに記憶する。そして、記憶した重量値の数がK、例えば9個以上であるか否かを判定して(S106)、9個未満であると判定したときは、組合せ演算を行わなず、9個以上であると判定したときは、組合せ演算を行う(S108)。そして、組合せ演算により組合せに選択されたs個の重量値(Ml 、Mm 、・・・・、Mn )の物品を収容するカップ20を搬送コンベア64に押し出す(S110)。
【0038】
ただし、選択されずに滞留コンベア63上に残った物品は、順次前進して物品の順番が変わるので、メモリに記憶されている重量値の順番も変更する必要がある。その為に、Mn+1 、Mn+2 、・・・・、Mn+(i-n) 番目のメモリに記憶されている重量値をMn 、Mn+1 、・・・・、Mn+(i-n)-1 番目のメモリに夫々移し替える(S112)。そして、Mm+1 、Mm+2 、・・・・、Mm+(i-m) 番目のメモリに記憶されている重量値をMm 、Mm+1 、・・・・、Mm+(i-m)-1 番目のメモリに夫々移し替える(S114)。また、Ml+1 、Ml+2 、・・・・、Ml+(i-l) 番目のメモリに記憶されている重量値をMl 、Ml+1 、・・・・、Ml+(i-l)-1 番目のメモリに夫々移し替える(S116)。なお、1≦l <m<・・・・<n≦iとし、iは、記憶済みのメモリの番号のうち最大番号の数値である。
【0039】
そして、メモリに記憶されている元の重量値の個数iからsを減算して現在記憶されている重量値の個数iを演算する(S118)。このようにして、順次物品を新たに計量して得られた重量値を記憶することができ、そして、選択されずに滞留コンベア63上に残っている物品の順番の変更に応じて各メモリに記憶されている重量値の順番を順次変更することができる。これによって、滞留コンベア63上に停止する物品の各重量値を各物品と対応して記憶することができる。
【0040】
上記実施形態の組合せ秤によると、図3に示すように、滞留コンベア63に設けた保持枠79の上側屈曲部(はみ出し防止手段)98は、計量済み物品が収容されているカップ20が滞留コンベア63によって搬送されているときには、カップ20が滞留コンベア63上から搬送コンベア64側にはみ出さないように規制することができるのでカップ20を1列に整列させることができる。そして、滞留コンベア63上で1列に整列して停止している複数個のカップ20のうち組合せに選択された物品を収容するカップ20を搬送コンベア64上に移動させるためにプッシャー(取り出し手段)84によって押し出すときには、カップ20をこの上側屈曲部(はみ出し防止手段)98を乗り越えさせることができる。
【0041】
従って、図1に示すように、滞留コンベア63には、計量済み物品21が投入されている複数のカップ20を1列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態(押せ押せ状態)で溜めておくことを実現することができ、これによって、各カップ20を夫々別個に滞留コンベア63上に停止させておくためのストッパ(図示せず)を不要とすることができる。即ち、先頭のカップ20を停止させるストッパ(第1の係止手段)73を設けることにより後続のカップ20を押せ押せの状態で停止させることができる。これによって、組合せ秤の嵩をその分だけ小さくすることができるし、装置の費用を低減することができる。
【0042】
そして、図2に示すように、滞留コンベア63上の複数個のカップ20のうち組合せに選択された物品21を収容するカップ20をプッシャー(取り出し手段)84によって押し出している取り出し状態では、各プッシャー84に設けられているパッド85の係止板(第2の係止手段)86が、取り出されているカップ20の後続のカップ20を係止することができるので、プッシャー84が短縮動作してパッド85が後退する際にパッド85が後続のカップ20に引っ掛かることなくスムースに移動することができる。
【0043】
また、上記実施形態の組合せ秤によると、図1に示すように、投入ステージ61上で被計量物品がカップ20内に投入されてから組合せ演算によって選択されて、包装機89に投入されるまでの間、物品を同一のカップ20によって保持する構成である。従って、付着性、又は粘着性を有する物品が、図7に示す従来の組合せ秤のように、分割シュート9や集合シュート10の内側に付着することがなく、その結果、付着性、又は粘着性を有するカット野菜、漬物、又は筋子等の物品の組合せ計量の計量精度及び計量速度を従来よりも向上させることができる。
【0044】
そして、計量済み物品が投入されているカップ20を滞留コンベア63上に多数溜めておくことができ、そして、これら滞留する多数のカップ20に投入されている多数の物品を組合せに参加させることができる構成であるので、これによっても組合せ計量の計量精度を向上させることができる。また、組合せに参加することができる物品の数を増加させる場合は、滞留コンベア63及び搬送コンベア64の長さを長くして、プッシャー84の数を増加することにより可能であり、図7に示す組合せ秤のように、1つの物品の重量値を増加させるために、1組の直進フィーダ3、計量ホッパ5、メモリホッパ8を増加させる必要がなく、経済的である。
【0045】
しかも、カップ20に投入されている物品を別のホッパ等に移替えずに多数の計量済み物品を溜めておくことができる構成であるので、物品を別のホッパ等に移替えることが原因して起こる付着による重量変動が存在せず、これによっても、粘着性等を有する物品の組合せ計量の計量精度及び計量速度を従来よりも向上させることができる。そして、多数の計量済み物品を収容するカップ20を滞留コンベア(滞留手段及び待機手段)63上に溜めておくことができる構成であるので、計量器62による計量を連続して順次行うことができ、これによって、計量器62の運転効率を従来よりも向上させることができる。
【0046】
ただし、上記実施形態では、はみ出し防止手段を、図3に示すように、滞留コンベア63に設けた保持枠79の上側屈曲部98により形成したが、この上側屈曲部98とする代わりに、図5(a)に示すように、上側屈曲部98と同じ長さの長尺の板状体100を滞留コンベア63と搬送コンベア64との間に設けた構成とすることができる。この板状体100は、その上端部が滞留コンベア63のプラスチックチェーン74の搬送面82よりも約3mm(=H)高い位置となるように設けてある。この板状体100の上端部の滞留コンベア63に向かう側部には、傾斜面を設けてあり、このように傾斜面を設けたのは、滞留コンベア63上のカップ20が搬送コンベア64に乗り移り易くすると共に、搬送コンベア64上のカップ20が滞留コンベア63にはみ出ないようにするためである。なお、この板状体100の上端部の断面形状を半円形に形成してもよい。図5(a)では、滞留コンベア63と搬送コンベア64との隙間を図3の場合よりも狭くしてあり、これにより、プッシャー84のストロークを短くすることができる。
【0047】
そして、上記実施形態では、第2の係止手段を、図3に示すように、板面が鉛直方向と平行する係止板86としたが、図5(a)に示すように板面が水平方向と平行する係止板111としてもよい。図5(a)は、パッド85の平面図である。
【0048】
また、上記実施形態では、滞留コンベア16上に12個のカップ20を停止させる構成としたが、これ以外の個数のカップ20を停止させる構成としてもよい。そして、組合せに参加させる重量値の個数(カップ20の個数)を10個としたが、これ以外の個数としてもよい。その際、組合せに参加させる重量値の数に応じてその本数のプッシャー84を設ける。また、待機させる重量値(カップ20)の数を2個としたが、これ以外の個数としてもよい。なお、組合せに参加させる重量値の個数を、例えば8〜20個とし、従って、プッシャー84の本数を8〜20本とした構成とするのがよい。このように、プッシャー84の最低の本数を8本としたのは、許容重量範囲にもよるが、組合せに参加する重量値の数が8つ未満であれば組合せ合計重量値がその許容重量範囲内に入る確率が低くなり、需要者の要望を満たすことができないからであり、プッシャー84の最高の本数を20本としたのは、計量精度を過剰に上げる必要性が少ないからである。
【0049】
上記実施形態において、空カップ20の重量が未知の場合、又は空カップ20の重量のばらつきが大きい場合は、投入ステージ61の手前に別個の計量器を設けてこの計量器により空カップ20の重量を予め計量し、後段の計量器62により計量して得られたカップ20と物品21の合計重量から対応するカップ20の重量を減算して物品21の重量を求める構成としてもよい。
【0050】
また、夫々の空カップ20の重量が均一である場合は、カップ20と物品の合計重量を種々に組合わせて組合せ演算を行ってもよい。この場合、目標重量値は、物品の重量にカップ20の重量を加えた重量値とする。
【0051】
そして、計量器62の台数を4台としたが、4台以外の台数としてもよい。そして、投入ステージ61は、計量器62の台数に応じた列数でカップ20を整列させて順次各計量器62にカップ20を供給する構成とする必要がある。なお、計量器62の台数は、組合せに選択される重量値の個数と略等しい台数とするのがよい。なぜなら、カップ20が組合せに選択されて滞留コンベア63から排出された個数と略等しい個数のカップ20を計量して滞留コンベア63に供給することにより、滞留コンベア63上に略一定の適切な個数のカップ20を停止させておくことができるし、計量器62を停止させることなく比較的高い稼働率で運転することができるからである。勿論、計量器62の計量速度が速い場合は、計量器62の台数を、1回の組合せに選択される重量値の平均個数(カップ20の平均個数)の自然数分の1と略等しい台数としてもよい。
【0052】
更に、滞留コンベア63上に先頭から11番目と12番目の2個の待機カップ20を停止させる構成としたが、2個又はそれ以外の個数の待機カップ20を滞留コンベア63と別個のコンベア等の待機用搬送装置上に停止させる構成としてもよい。つまり、計量器62から排出されたカップ20を待機用搬送装置で受け入れて、この受け入れたカップ20を所定のタイミングで滞留コンベア63に順次移送する構成とする。
【0053】
そして、カップ20の形状を底を有する短円筒形としたが、これ以外の形状、例えば底を有する多角筒としてもよい。
【0054】
また、図1に示す滞留コンベア63、搬送コンベア64及びプッシャー84−1〜84−10を2組以上の複数組設け、4台の計量器62から排出されたカップ20をこれら複数組の滞留コンベア63、搬送コンベア64及びプッシャー84−1〜84−10に供給し、各組ごとで組合せに選択された物品を収容するカップ20を排出して順次1台の排出装置65に搬送する構成としてもよい。
【0055】
更に、上記各実施形態の滞留コンベア63、及び搬送コンベア64の各々を、環状の2つのプラスチックチェーンを有する構成としたが、これ以外に例えば環状の1つのプラスチックチェーンを有する構成としてもよい。要は、滞留コンベア63、及び搬送コンベア64の各コンベアは、カップ20を所定方向に搬送することができ、しかも、このコンベアの搬送面が移動している際(駆動中)に、先頭のカップ20が係止されて停止したときに後続のカップ20をこのコンベアの搬送面上で押せ押せの状態で停止させることができる構成のものであればよい。
【0056】
【発明の効果】
第1及び第2の各発明によると、被計量物品が物品保持手段内に投入されてから組合せ演算によって選択されて所定の排出位置に搬送されるまでの間、物品を同一の物品保持手段によって保持する構成である。従って、図7に示す従来の組合せ秤では、付着性、又は粘着性を有する物品を計量する場合、分割シュート9や集合シュート10の内側に物品が付着することがあるが、本発明によると、組合せ秤に分割シュート9や集合シュート10を設ける必要がないので、このような付着を完全に解消することができ、その結果、付着性、又は粘着性を有する物品の組合せ計量の計量精度及び計量速度を従来よりも向上させることができるという効果がある。
【0057】
そして、計量済み物品が投入されている物品保持手段を滞留手段に多数溜めておき、これら滞留する多数の物品保持手段に投入されている多数の物品を組合せに参加させることができる構成であるので、これによっても組合せ計量の計量精度を向上させることができるという効果がある。
【0058】
しかも、物品保持手段に投入されている物品を別のホッパ等に移替えずに多数の計量済み物品を滞留手段に溜めておくことができる構成であるので、物品を別のホッパ等に移替えることが原因して起こる付着による重量変動が存在しない。これによっても、粘着性等を有する物品の組合せ計量の計量精度及び計量速度を従来よりも向上させることができるという効果がある。
【0059】
更に、各計量済み物品を物品保持手段により保持する構成であるから、計量済み物品を収容する多数の物品保持手段を滞留手段に溜めておくことができるので、計量手段による計量を連続して順次行うことができ、これによって、計量手段の運転効率(組合せ秤が稼働している時間に対する計量手段が計量を行っている時間の割合。)を従来よりも向上させることができるという効果がある。
【0060】
そして、第1の発明によると、計量済み物品が投入されている複数の物品保持手段を列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で滞留手段に溜めておくことができるようにはみ出し防止手段を設けた構成であるので、これら各物品保持手段を夫々別個に滞留手段上に停止させておくための装置を必要としない。即ち、先頭の物品保持手段を停止させるストッパを設けることにより後続の物品保持手段を停止させることができる。これによって、組合せ秤の嵩をその分だけ小さくすることができるし、組合せ秤の費用を低減することができるという効果がある。そして、取り出し手段は、組合せ演算手段により選択された組を構成する物品が投入されている物品保持手段を滞留手段上の位置からはみ出し防止手段を乗り越えさせて搬送手段上に移動させる構成であるので、この取り出し手段を簡単な構造で製作することができ、費用の低減、及び嵩の縮小を図ることができる。
【0061】
第1の発明によると、組合せに選択された物品が投入されている物品保持手段を滞留手段上から搬送手段上に移動させた取り出し状態から非取り出し状態に取り出し手段が移行する際のその取り出し手段の移行経路よりも後方位置に上記取り出された物品保持手段の後続の物品保持手段を第2の係止手段により係止することができる構成である。従って、取り出し手段は、滞留手段上の物品保持手段と衝突することなく取り出し状態から非取り出し状態にスムースに移行することができ、順次取り出しを行うことができるという効果がある。
【0062】
第2の発明によると、滞留手段が、計量手段により計量された物品が投入されている複数の物品保持手段を計量された順番に従って1列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で溜めることができる構成である。従って、計量手段により計量して得られた物品の重量値とその物品との対応関係が明確となり、組合せに選択された物品が投入されている物品保持手段の特定を簡単に行うことができ、これによって、組合せに選択された物品を収容する物品保持手段の取り出しを確実に、しかも短時間で行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る組合せ秤を示す平面図である。
【図2】同実施形態の組合せ秤のプッシャーが選択された物品を収容するカップを押し出す状態を示す平面図である。
【図3】同実施形態の組合せ秤の滞留コンベア及び搬送コンベアの拡大縦断面図である。
【図4】同実施形態のはみ出し防止手段(保持枠の上側屈曲部)の拡大縦断面図である。
【図5】(a)は他の実施形態のはみ出し防止手段(保持枠の上側屈曲部)及び係止板の拡大縦断面図、(b)は同係止板の拡大平面図である。
【図6】同実施形態に係る組合せ秤の動作手順を示すフローチャートである。
【図7】従来の組合せ秤を示す部分省略断面図である。
【符号の説明】
20 カップ
21 物品
63 滞留コンベア
64 搬送コンベア
65 排出装置
66 移送コンベア
62−1〜62−4 計量器
73 ストッパ
84−1〜84−10 プッシャー
85−1〜85−10 パッド
86 係止板
Claims (2)
- 物品が投入される複数の物品保持手段と、上記物品保持手段と当該物品保持手段に投入されている物品の合計重量、又は物品が上記物品保持手段に投入された状態で当該物品の重量、を計量する1台又は2台以上の計量手段と、この計量手段により計量された物品が投入されている複数の上記物品保持手段を列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で溜めておく滞留手段と、上記計量手段により計量して得られた各重量値を種々に組合わせてそれら組合せのうち合計重量値が予め定めた所定重量範囲内の組を構成する物品を選択する組合せ演算手段と、この組合せ演算手段により選択された組を構成する物品が投入されている上記物品保持手段を当該物品が排出される排出位置に搬送する搬送手段と、上記滞留手段上の列をなす上記物品保持手段が上記滞留手段から外側にはみ出ないように規制するはみ出し防止手段と、上記組合せ演算手段により選択された組を構成する物品が投入されている上記物品保持手段を上記滞留手段上の位置から上記はみ出し防止手段を乗り越えさせて上記搬送手段上に移動させる取り出し手段とを、具備し、
上記滞留手段が、上記物品保持手段を所定方向に搬送する搬送面と、この搬送面上に載置されて搬送されてくる上記物品保持手段を上記滞留手段上の所定位置で係止する第1の係止手段とを備え、上記取り出し手段が、上記物品保持手段を上記滞留手段上から上記搬送手段上に移動させた取り出し状態と上記物品保持手段を取り出していない非取り出し状態の両方の状態間を移行することができ、上記取り出し状態から上記非取り出し状態に移行する際の上記取り出し手段の移行経路よりも後方位置に上記取り出された物品保持手段の後続の物品保持手段を係止する第2の係止手段を備えている組合せ秤。 - 請求項1に記載の組合せ秤において、上記滞留手段が、上記計量手段により計量された物品が投入されている複数の上記物品保持手段を計量された順番に従って1列にして互いに隣合うものどうしを接触させた状態で溜める構成としたことを特徴とする組合せ秤。
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