JP3643758B2 - 放電ランプ装置用絶縁プラグ及び放電ランプ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前端部にアークチューブが固定保持された合成樹脂製絶縁プラグ本体であって、該合成樹脂製絶縁プラグ本体の後端部には給電側コネクターを装脱着できるランプ側コネクターが一体に設けられた放電ランプ装置用絶縁プラグの改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のヘッドランプなどの車両用灯具では、近年、キセノンガスが封入されたガラス球内部に対向配置させた電極間に起きる放電現象によって発光させる構成の「放電ランプ(ディスチャージバルブ)装置」が採用される場合が多くなっている。
【0003】
この放電ランプ装置の構造について、概略説明する。
まず、種々の合成樹脂を材料として、所定形状に射出成形することによって得られる合成樹脂製絶縁プラグ本体(以下、「絶縁プラグ本体」という。)と、この絶縁プラグ本体の前端部に固定保持されるアークチューブを備えている。絶縁プラグ本体の後端部分には、給電側コネクターを装脱着できるランプ側コネクターが設けられている。
【0004】
絶縁プラグ本体の前端部側に配置されるアークチューブは、細長いガラス管の両端部を所定間隔でピンチシールすることによって得られる密封空間(密封チャンバー)に発光部を備える。この発光部は、タングステン製の放電電極が対向配置されるとともに始動用希ガス,水銀及び金属ハロゲン化物が封入されている。
【0005】
そして、この発光部から発せられる光に含まれる、人体に有害な波長域の紫外線成分をカットすることを主目的として、前記アークチューブを取り囲んで封止し、前記密封空間を形成する略円筒形状のシュラウドガラス管が設けられている。このシュラウドガラス管は、前記絶縁プラグ本体に固定されて、前方へ突出する金属製リードサポートによって支持されている。
【0006】
このような構成の放電ランプ装置において、ベース部分を構成することになる絶縁プラグ本体は、発光部を備えるアークチューブ近傍に設けられることになることから、温度220℃の高温条件に曝され、点灯起動時には、約20kVの高電圧がかかることになる。
【0007】
また、絶縁プラグ本体部分は、ランプボディに挿着される部分であるとともに、給電側コネクターを装脱着できるランプ側コネクターを構成する部分でもあることから、挿脱着(装脱着)において、負荷がかかる上に、高い寸法精度が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の放電ランプ装置における絶縁プラグ本体は、高い耐久性能、剛性及び成形性が要求されているにもかかわらず、合成樹脂単体の材料のみが用いられてきたため、耐熱性、寿命耐久性、コネクタ嵌合強度(剛性)、成形性(寸法精度)等のいずれの点においても不充分であった。
【0009】
このことから、これらのすべての品質条件を具備する絶縁プラグ本体を提供することが技術的課題であった。更には、ハロゲン電球等に比較して高価な放電ランプ装置には、コストダウンの要請も高まっていた。
【0010】
そこで、本発明は、放電ランプ装置のベース部分を構成するプラグ本体に求められている品質性能の向上とコストダウンを図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、アークチューブが固定保持される絶縁プラグ本体の後端部に給電側コネクターが装脱着されるランプ側コネクターを備える放電ランプ装置用絶縁プラグの前記絶縁プラグ本体を、ガラス繊維強化プラスチックによって形成することを基本とする。
【0012】
これにより、従来の合成樹脂単体によって形成されていた絶縁プラグ本体部分の耐熱性、寿命耐久性、コネクタ嵌合強度(剛性)が向上するとともにコストダウンを達成する。
【0013】
また、使用するガラス繊維強化プラスチック材料の基本合成樹脂として、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、「PPS樹脂」という。)を採用することによって、成形性、リサイクル性を向上させることができる。
【0014】
そして、PPS樹脂中のガラス繊維の含有量を、20重量%から80重量%の範囲内に限定することによって、絶縁プラグ本体に求められる耐久性を確保するとともに、ガラス繊維の過剰含有によって引き起こされる、ウエルドクラックや成形性(寸法精度)の低下を防止する。なお、ウエルドクラックとは、中央空洞の円筒状絶縁プラグ本体を樹脂射出成形する過程で、所定の位置より射出充填された樹脂が中央空洞部分を回り込んで、当該ゲート位置と対面する位置に形成される境界部(ウエルド)部分に発生するクラックを意味する。
さらに、PPS樹脂中のガラス繊維の含有量を40重量%から80重量%の範囲内に限定すれば、絶縁プラブ本体部分のコネクタ嵌合強度(剛性)は、PPS樹脂中のガラス繊維の含有量が20重量%から80重量%の範囲内である場合に得られる以上のコネクタ嵌合強度(剛性)が得られる。
【0015】
従って、本発明に係る放電ランプ装置用絶縁プラグは、従来からの課題であった絶縁プラグ本体部分の耐久性全般が改良されるため、該放電ランプ装置用絶縁プラグを備えた放電ランプ装置の耐久性も向上するという技術的意義を有している。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態を示すもので、図1は本発明に係る絶縁プラグを適用した放電ランプ装置の斜視図、図2は同放電ランプ装置の側面図、図3はアークチューブ垂直保持部材の分解斜視図、である。
【0017】
<放電ランプ装置の全体構成>
図1〜図3に基づいて、本発明に係る放電ランプ装置1の全体構成から説明する。これらの図において、符号1は放電ランプ装置(全体)を、符号2は絶縁プラグ(以下、「プラグ」という。)を、符号3はアークチューブを、それぞれ示している。
【0018】
プラグ2の前端部X方向には、該プラグ2から前方に延出され、絶縁スリーブ41で保護されている金属製リードサポート4と、該プラグ2の前面に固定された金属製支持部材5とによって、アークチューブ3が固定支持されている。これらの構成によって、放電ランプ装置1が形成される。
【0019】
具体的には、絶縁プラグ2の前端部X(図3参照)には、ベースプレート53が前面に設けられて開口する内側円筒部26と、上記焦点リング24が周設され、内側円筒部26を取り囲むように前方に開口する外側円筒部25が形成されている。
【0020】
そして、アークチューブ3の前端部Xから導出するリード線39bは、上記リードサポート4の折曲された先端部4aにスポット溶接により固定されている。アークチューブ3の後端部は、内側円筒部31の前面部分に設けられたベースプレート53に溶接固定された金属製垂直保持部材5(スライドプレート51とアークチューブ把持バンド52)に把持された構造となっている。
【0021】
アークチューブ3は、対設された電極37a,37bを内包する密閉ガラス球(発光部)33を持つアークチューブ本体31に、円筒型のシュラウドガラス(紫外線遮蔽用グローブ)32が溶着(封着)一体化されている。即ち、密閉ガラス球33をシュラウドガラス32が包囲し、密封する構造となっている。なお、符号34は、電極37a,37b間を結ぶ放電軸である。
【0022】
シュラウドガラス32は、TiO2,CeO2をドープした紫外線遮光作用のある石英ガラスで構成されており、放電部である密閉ガラス球33における発光から人体に有害となる所定波長域の紫外線を確実にカットするようになっている。また、シュラウドガラス32内は、真空状態又は不活性ガスを封入した状態とされて、放電部である密閉ガラス球33からの熱の幅射に対する断熱作用を発揮するように設計されている。
【0023】
アークチューブ本体31は、パイプ形状の石英ガラス管から加工されて、長手方向所定位置に横断面矩形状のピンチシール部38a,38bの間に挟まれた回転楕円体形状の密閉ガラス球33が形成された構造を備えている。密閉ガラス球33内には、始動用希ガス,水銀及び金属ハロゲン化物(例えばナトリウム−スカンジュウム系発光物質)が封入されている。
【0024】
ピンチシール部38a,38bには、矩形板状のモリブデン箔36a,36bが封着されている。このモリブデン箔36a,36bの間には、密閉ガラス球33内にタングステン電極37a,37bが対設され、モリブデン箔36a,36bの両外側には、アークチューブ本体31外に導出するリード線39a,39bがそれぞれ接続されている。以下、プラグ2の構成について説明する。
【0025】
<プラグ(絶縁プラグ)の構造>
まず、絶縁プラグ2には、図示しない自動車用ヘッドランプのリフレクタ6のバルブ挿着孔61(図2参照)に係合する、当接基準面f1(図2参照)を構成する焦点リング24が、前端部Xの外周囲に設けられている。
【0026】
そして、図示しない電源と導通する給電コード7の端末を収納する給電側コネクターC1(図2参照)を装脱着できるランプ側コネクターC2が、プラグ2の後端部Yに一体に設けられている。
【0027】
従って、プラグ2は、バルブ挿着孔61に係合される部分であって、ランプ側コネクターC2が装脱着される部分であるから、高い寸法精度が要求されるとともに、剛性(強度)も要求されることになる。
【0028】
プラグ2の前端部の内側円筒部26内には、アークチューブ3の後方延出部3a(図3参照)を挿通収容できる開口部29が設けられており、内側円筒部26の回りには、鍔状の焦点リング24が、周設された外側円筒部24に形成されている。内側円筒部26の円形の前端部には、基準平面を形成する金属製ベースプレート53が、密着固定されている。
【0029】
プラグ2に一体化されたベースプレート53の前面は、リフレクタ100に対する位置決めの基準部材である焦点リング24の基準平面f1(図2参照)と平行な基準平面f2(図2参照)を形成している。
【0030】
このベースプレート53上には、金属製のスライドプレート51と金属製のアークチューブ把持バンド52とが装着されている。これらのスライドプレート51と把持バンド52は、アークチューブ3のシュラウドガラス32を垂直に保持する金属製垂直保持部材5の役割を果たしている。なお、アークチューブ3の放電軸34は、焦点リング24の中心軸27(図2参照)の延長線上にある所定位置に配置されている。
【0031】
即ち、垂直保持部材5を構成する把持バンド52は、図3に示すように、湾曲する帯状のバンド本体52aの両端付き合わせ部に、断面L字型に折曲された矩形状の耳片52bが形成されている。シュラウドガラス32に捲回したバンド本体52aの耳片52b同士を付き合わせ、これらをスポット溶接することによって、シュラウドガラス32に把持バンド52を、捲回固定できるようになっている。
【0032】
なお、符号52cは、バンド本体52aの長手方向2箇所に設けられている屈曲部である。この屈曲部52cが弾性変形することで、バンド本体52aが長手方向に伸縮する。これによりバンド本体52aをシュラウドガラス32に捲回固定できる。符号52dは、スポット溶接部を示している。
【0033】
また、垂直保持部材60を構成する金属製スライドプレート51は、その基面51aがベースプレート53の基面53aと対着するドーナツ円盤状に形成されている。金属製スライドプレート51の内周縁には、切り起こされて立ち上がっている板ばね状の4本の舌片状挟持片51bが周方向等間隔に設けられている。
【0034】
そして、シュラウドガラス32に捲回固定された把持バンド52の外周が、この舌片状挟持片51bに挟持されるとともに、舌片状挟持片51bが把持バンド52にレーザ溶接される。これにより、アークチューブ3の放電軸34が、スライドプレート51のベースプレート53との接合面f3(図2参照)に対し垂直であって、接合面f3から所定距離だけ離間した位置となるように、アークチューブ3がスライドプレート51に一体化されている。符号51cはレーザ溶接部を示している。
【0035】
なお、プラグ2の前面に開口するスリーブ挿通孔28には、リードサポート41が挿通された円パイプ形状のセラミック製の絶縁スリーブ41が挿入される。絶縁スリーブ41を貫通したリードサポート41の挿入端部は、スリーブ挿通孔28の底部(図示せず)の所定位置にレーザ溶接されている。
【0036】
<プラグ(絶縁プラグ)の材料構成>
以上説明したように、プラグ2とアークチューブ3等の配置関係は、繊細かつ微妙に定められるものであるから、プラグ2においては成形時の形状精度が重要である。同時に、プラグ2の形状は、上記したように複雑な構成であるから、成形が容易であることが求められる。
【0037】
また、プラグ2の後端部Yには、給電側コネクターC1が装脱着されるとともに、自動車用ヘッドランプのリフレクタ6のバルブ挿着孔61(図2参照)に係合される部材であるから、高い剛性が求められる。
【0038】
さらに、上記構成の放電ランプ装置1において、ベース部分を構成するプラグ2は、発光部である密閉ガラス球33を備えるアークチューブ3近傍に設けられるため、発光部の発熱作用によって約温度220℃の高温条件に曝される。そして、点灯起動時には、約20kVの高電圧がかかることになる。従って、プラグ2には、高度の耐熱性と耐電圧性が要求される。また、長期にわたって使用された場合でも、変形やクラック或いは絶縁破壊等が発生することがないものでなければならない。
【0039】
そこで、本発明に係るプラグ2を成形(射出成形)するに際し、該プラグ2の複雑な形状を勘案して、本願発明者らは、まず、基本材料となる合成樹脂として、成形性を向上させる必要があるという着想に基づき、PPS樹脂を採用することとした。
【0040】
そして、耐熱性及び耐電圧性を向上させるという視点から、PPS樹脂に所定量のガラス繊維(グラスファイバー)を含有させるという技術的思想を抱いた。即ち、プラグ2の材料には、PPS樹脂を基本材料とするガラス繊維強化プラスチック材料が好適ではないかとの着想を得た。
【0041】
しかしながら、種々検討を進めていくなかで、(1)耐熱性、(2)寿命耐久性、(3)コネクタ嵌合強度(剛性)、(4)寸法精度(成形性)のすべての要素に関して、合格品質と評価できるプラグ2を得るためには、材料構成を更に詳細に工夫しなければならないことが判明した。
【0042】
そこで、本願発明者は、PPS樹脂中におけるガラス繊維の比率(重量%)を変化させて、上記(1)から(4)を検証する詳細な試験1〜4を行った。以下、この試験の結果をまとめた図4〜図8に基づいて説明する。
【0043】
(1)耐熱性に関する試験(試験1)。
PPS樹脂中におけるガラス繊維の比率(重量%、図4において「GF」と表記)を、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90%としたプラグ2をそれぞれ10個用意し、耐熱性試験を行った。
【0044】
その結果、図4に示すグラフのように、GF20%以上では、外観異常(割れ、溶け、変形、緩み、溶接はずれ)が全く観察されず、220℃以上の耐熱性を確保できることがわかった。
なお、ガラス繊維比率が5%、10%、15%の場合については、ガラス繊維比率が5%の場合は変形発生数8/10個、同比率が10%の場合は5/10個、同比率が15%の場合は3/10個であった。なお、試験1は、雰囲気温度85℃、連続点灯500時間の条件で実施した。
【0045】
(2)寿命耐久性に関する試験(試験2)。
PPS樹脂中におけるGF比率を、上記試験1と同条件のガラス繊維の比率で、連続点灯によりクラックが発生するか否かを確認する方法で、寿命耐久性試験を行った。一般に、放電ランプ装置1に求められる寿命耐久性は、連続点灯3000時間を超えても変形等が無いこととされている。
【0046】
図5に示すグラフのように、GF20%を超えてから80%未満の範囲では、連続点灯3000時間を超えても変形等が無いことがわかった。また、GF率40〜60%の範囲では、連続点灯時間5000時間を越えても、変形等が無いことがわかった。
【0047】
なお、ガラス繊維比率が5%、10%、15%の場合については、ガラス繊維比率が5%の場合は実点灯時間1786時間、同比率が10%の場合は2485時間、同比率が15%の場合は2733時間、同比率が90%の場合は2174時間で、それぞれボイドからクラックが発生した。
【0048】
(3)コネクタ嵌合強度(剛性)に関する試験(試験3)。
PPS樹脂中におけるGF比率を、上記試験1と同条件のガラス繊維比率で、コネクタ嵌合強度(剛性)に関する試験を行った。具体的には、プラグ2と給電側コネクタC1を嵌合させて、プラグ2とコネクタC1が破損し、加重が解放したときのトルクレンチの値を計測した。3.0N・m以上を合格基準として設定し、評価を行った。
【0049】
本試験3の結果、図6に示すグラフのように、GF15%以上の範囲では、確実にトルクレンチ値3.0N・m以上を確保できることが判明した。なお、GF40〜80%の範囲では、トルクレンチ値が4.5N・m前後で、特に安定することも判明した。
【0050】
(4)寸法精度(成形性)に関する試験(試験4)
PPS樹脂中におけるGF比率を、上記試験1と同条件のガラス繊維比率で、寸法精度(成形性)に関する試験を行った。一般に、製品の寸法精度(成形性)は、工程能力(CPK)で判断するのが正確である。ここで、「工程能力」とは、工程の標準化が充分になされ、異常原因が取り除かれ、工程が安定状態に維持されたときに、どの程度の品質が実現するかを示すものである。
【0051】
そこで、本試験4では、プラグ2の各部分の寸法をマイクロメータ、ノギスを使用して計測し、各GF率においてプラグ2の寸法誤差を測定し、データを収集した。このデータからヒストグラムを作成し、所定の計算式から工程能力指数を計算した。なお、本試験4で使用したサンプル数は、各GF率で30個である。
【0052】
図7に示すように、GF率20%を下回ると工程能力指数1に満たなくることが判明した。従って、プラグ2の寸法精度(成形性)に関しては、GF率20%以上が望ましい。また、図7に示すように、GF率40%を境界にして、と工程能力指数1.7前後で安定し、寸法精度がとくに安定することも判明した。
【0053】
以上の試験1〜4の結果をまとめた図(表)である図8に示すように、PPS樹脂中のガラス繊維の含有量を、20重量%から80重量%の範囲内に限定することによって、絶縁プラグ本体に求められる耐熱性、寿命耐久性、コネクタ嵌合強度(剛性)、寸法精度のすべてが良好であった。なお、図8において、○は大変良好、△はほぼ良好、×は不良を、それぞれ示している。
【0054】
【発明の効果】
本発明では、絶縁プラグ本体を、ガラス繊維強化プラスチックによって形成したことによって、従来の合成樹脂単体によって形成されていた絶縁プラグ本体部分の耐熱性、寿命耐久性、コネクタ嵌合強度(剛性)を向上させることができるとともに、コストダウンを達成することができる。
【0055】
また、使用するガラス繊維強化プラスチック材料の基本合成樹脂として、ポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、「PPS樹脂」という。)を採用することによって、成形性等を向上させることができる。そして、PPS樹脂中のガラス繊維の含有量を、臨界的意義の明確な所定範囲内に限定することによって、絶縁プラグ本体に求められる耐久性全般を確保できるとともに、ガラス繊維の過剰含有によって引き起こされる、ウエルド強度や成形性(寸法精度)の低下を防止することができる。
【0056】
このように本発明に係る放電ランプ装置用絶縁プラグは、従来からの課題であった絶縁プラグ本体部分の耐久性全般が改良され、コストダウンも達成できるため、本放電ランプ装置用絶縁プラグを備えた放電ランプ装置の耐久性向上とコストダウンも図ることができる。これにより、放電ランプ装置の普及に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁プラグ(2)を適用した放電ランプ装置(1)の斜視図
【図2】同放電ランプ装置(1)の側面図
【図3】アークチューブ垂直保持部材(5)の分解斜視図
【図4】耐熱性に関する試験(試験1)の試験結果を示す図(グラフ)
【図5】寿命耐久性に関する試験(試験2)の試験結果を示す図(グラフ)
【図6】コネクタ嵌合強度(剛性)に関する試験(試験3)の試験結果を示す図(グラフ)
【図7】寸法精度(成形性)に関する試験(試験4)の試験結果を示す図(グラフ)
【図8】試験1〜4の結果をまとめた図(表)
【符号の説明】
1 放電ランプ装置
2 絶縁プラグ
3 アークチューブ
C1 給電側コネクター
C2 ランプ側コネクタ−
X (プラグ(2)の)前端部
Y (プラグ(2)の)後端部
Claims (3)
- 前端部にアークチューブが固定保持され、後端部に給電側コネクターが装脱着されるランプ側コネクターを備える放電ランプ装置用の絶縁プラグであって、
前記絶縁プラグ本体は、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)中にガラス繊維を20重量%から80重量%の範囲内で含有したガラス繊維強化プラスチックによって形成されたことを特徴とする放電ランプ装置用絶縁プラグ。 - 前記ガラス繊維強化プラスチックは、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)中にガラス繊維を40重量%から80重量%の範囲内で含有していることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ装置用絶縁プラグ。
- 請求項1又は2記載の放電ランプ装置用絶縁プラグを備えることを特徴とする放電ランプ装置。
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