JP3643653B2 - 路車間通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路上を走行する車両と道路に設置された通信ユニット間にてデータのやり取りを行なう路車間通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、有料道路における料金収受処理は、電子装置の発達と共に、従来の収受員による収受を無人収受化にする方向で開発が進められており、道路側に設置された通信ユニットと車両に搭載された通信ユニットとの間で無線通信を行なって収受処理を行なう方式については、すでに実用化へ向けての試験が行なわれている。
【0003】
このような無線通信を行なうためには、大きく分けて2つの方式があり、第1の方式は車両側からの送信は、道路側通信ユニットから送られてくる連続波信号(無変調波信号)を受信し、この連続波信号に変調を掛けて反射する方式であり、第2の方式は道路、車両側共、専用の送信、受信通信ユニットを持ったものである。
【0004】
図2に上記第1の方式を用いた路車間通信システムの構成を示し、図3に上記第2の方式を用いた路車間通信システムの構成を示す。
図2において、20は道路側通信ユニット、30は車両側通信ユニットである。
上記道路側通信ユニット20には、送信機21、受信機22、送信用アンテナ23及び受信用アンテナ24が設けられる。送信機21は、連続波信号(高周波信号)をアンテナ23より車両側通信ユニット30へ送信する。また、車両側通信ユニット30から送られてくる信号は、アンテナ24により受信して受信機22に入力する。
【0005】
一方、車両側通信ユニット30には、受信用アンテナ31、受信機32、CPU33、移相器34、スイッチ35及び送受信用アンテナ36が設けられる。道路側通信ユニット20から送られてくる高周波信号はアンテナ31で受信され、受信機32よりCPU33に入力される。CPU33は、道路側通信ユニット20から送られてきた連続波信号を処理してスイッチ35をオン/オフ制御する。また、道路側通信ユニット20から送られてくる高周波信号はアンテナ36で受信され、スイッチ35に送られる。スイッチ35は、入力された高周波信号をオフ動作時には反射し、オン動作時には移相器34に入力する。この移相器34は、入力された連続波信号を移相してスイッチ35に出力する。上記のようにスイッチ35をオン/オフすることにより、スイッチ35の入口で反射される高周波信号と移相器34まで進んで反射される高周波信号により変調をかけ、アンテナ36より道路側通信ユニット20へ送信する。道路側通信ユニット20では、車両側通信ユニット30により反射される電波をアンテナ24で受信し、受信機22に入力して処理する。
【0006】
図3に示す上記第2の方式を用いた路車間通信システムは、道路側通信ユニット20及び車両側通信ユニット30共に送受信機を備えている。すなわち、車両側通信ユニット30においても、受信機32、CPU33及び、送信機37を備えており、送信機37からアンテナ36を介して独自の電波を道路側通信ユニット20へ送信する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記図2に示す第1の方式は、車両側通信ユニットから道路側通信ユニットへの通信は、道路側通信ユニットから送られてくる高周波を利用して反射する方式を用いているので、通信領域を限定した通信が必要な場合においては有効であるが、通信領域を大きく取りたい場合や、道路側通信ユニットと車両が離れていた場合には安定した通信ができないという問題がある。
【0008】
また、図3に示す第2の方式では、道路側通信ユニット及び車両側通信ユニットとも専用の送信機を有しているので、車両側通信ユニットには局部発振回路、ミキサー等が必要となり、複雑な構成となる。従って、一般に広く普及するためには、価格が問題となる。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、広く且つ安定した通信領域を確保でき、しかも車両側通信ユニットを安価に構成し得る路車間通信システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、道路側に設置された道路側通信ユニットと道路上を走行する車両に搭載された車両側通信ユニットとの間にて微弱な高周波信号を用いて通信を行なう路車間通信システムにおいて、
前記道路側通信ユニットは、連続波信号からなる高周波信号を送信する送信機及び前記車両側通信ユニットからの反射電波を受信する受信機を備え、
前記車両側通信ユニットは、前記道路側通信ユニットの送信機から送信された高周波信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信された高周波信号を検波する検波器と、前記検波器で検波された信号に基づいて送信データを出力するCPUと、前記アンテナで受信された高周波信号を増幅する高周波増幅器と、前記高周波増幅器で増幅された信号を前記CPUから出力される送信データにより第1の出力と第2の出力に切換えて出力するスイッチと、前記スイッチの第2の出力側に設けられるほぼ180°の移送器と、前記スイッチの第1の出力と前記移相器の出力を反射電波として前記道路側通信ユニットへ送信するアンテナとを備えたことを特徴とする。
【0011】
上記のように車両側通信ユニットは、道路側通信ユニットから送られてくる高周波信号を受信すると、この高周波信号を高周波増幅器で増幅し、その後、変調をかけて道路側通信ユニット側へ反射するようにしているので、反射電波の強度を充分に大きくでき、広く且つ安定した通信領域を確保することができる。また、車両側通信ユニットの構成も簡単であるので、安価に構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る路車間通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、20は道路側通信ユニット、10は車両側通信ユニットである。上記道路側通信ユニット20は、送信機21、受信機22、送信用アンテナ23及び受信用アンテナ24により構成される。送信機21は、無変調波信号である連続波信号(高周波信号)をアンテナ23より車両側通信ユニット30へ送信する。また、車両側通信ユニット30から送られてくる信号は、アンテナ24により受信して受信機22に入力する。
【0013】
一方、車両側通信ユニット10は、道路側通信ユニット20から送られてくる高周波信号を受信用アンテナ11で受信し、検波器12及び受信アンプ13を介してCPU14に入力する。このCPU14は、受信アンプ13から入力される信号を処理し、必要な送信データをスイッチ15に送って該スイッチ15を切換え制御する。
【0014】
また、上記アンテナ11で受信した信号の一部は、高周波増幅器16で増幅された後、上記スイッチ15により切換えられて例えば180°移相器17あるいは送信用アンテナ18に送られる。また、上記180°移相器17により移相された高周波信号は、アンテナ18へ送られる。
【0015】
上記の構成において、道路側通信ユニット20から出力される高周波信号が車両側通信ユニット10に送られ、アンテナ11で受信されると、この受信信号は検波器12で検波され、受信アンプ13で増幅されてCPU14に入力される。CPU14は、受信信号を処理し、必要な送信データをスイッチ15に送って該スイッチ15を切換え制御する。
【0016】
また、上記アンテナ11で受信した信号は、一部が高周波増幅器16で増幅された後、スイッチ15に入力される。スイッチ15は、CPU14からの送信データに従って切換え動作し、上記高周波増幅器16で増幅された信号をアンテナ18と180°移相器17とに切換えて出力する。すなわち、高周波増幅器16で増幅された高周波信号は、アンテナ18からそのまま送信される場合と、180°移相器17により180°移相されて送信される場合とにスイッチ15で切換えられる。このようにCPU14からのデータでスイッチ15を切換えることにより、アンテナ18から送信する高周波信号に変調をかけることができる。
【0017】
上記車両側通信ユニット10のアンテナ18から送信される高周波信号は、道路側通信ユニット20のアンテナ24及び受信機22で受信され、データ処理される。
【0018】
上記のように車両側通信ユニット10では、道路側通信ユニット20から送られてくる高周波信号を受信すると、この高周波信号を高周波増幅器16で増幅し、その後、変調をかけて道路側通信ユニット20側へ反射するようにしているので、反射電波の強度を充分に大きくでき、広く且つ安定した通信領域を確保することができる。また、車両側通信ユニット10の構成も簡単であるので、安価に構成することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、路車間通信システムにおいて、広く且つ安定した通信領域を確保することができ、また、車両側通信ユニットの構成も簡単で、安価に構成することができる。従って、本発明を用いて有料道路の料金収受の無人化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る路車間通信システムの構成を示すブロック図。
【図2】従来の路車間通信システムの構成例を示すブロック図。
【図3】従来の路車間通信システムの他の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
10 車両側通信ユニット
11 受信用アンテナ
12 検波器
13 受信アンプ
14 CPU
15 スイッチ
16 高周波増幅器
17 180°移相器
18 送信用アンテナ
20 道路側通信ユニット
21 送信機
22 受信機
23 送信用アンテナ
24 受信用アンテナ
Claims (1)
- 道路側に設置された道路側通信ユニットと道路上を走行する車両に搭載された車両側通信ユニットとの間にて微弱な高周波信号を用いて通信を行なう路車間通信システムにおいて、
前記道路側通信ユニットは、連続波信号からなる高周波信号を送信する送信機及び前記車両側通信ユニットからの反射電波を受信する受信機を備え、
前記車両側通信ユニットは、前記道路側通信ユニットの送信機から送信された高周波信号を受信するアンテナと、前記アンテナで受信された高周波信号を検波する検波器と、前記検波器で検波された信号に基づいて送信データを出力するCPUと、前記アンテナで受信された高周波信号を増幅する高周波増幅器と、前記高周波増幅器で増幅された信号を前記CPUから出力される送信データにより第1の出力と第2の出力に切換えて出力するスイッチと、前記スイッチの第2の出力側に設けられるほぼ180°の移送器と、前記スイッチの第1の出力と前記移相器の出力を反射電波として前記道路側通信ユニットへ送信するアンテナとを備えたことを特徴とする路車間通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22509396A JP3643653B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 路車間通信システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22509396A JP3643653B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 路車間通信システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1063893A JPH1063893A (ja) | 1998-03-06 |
JP3643653B2 true JP3643653B2 (ja) | 2005-04-27 |
Family
ID=16823892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22509396A Expired - Lifetime JP3643653B2 (ja) | 1996-08-27 | 1996-08-27 | 路車間通信システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3643653B2 (ja) |
-
1996
- 1996-08-27 JP JP22509396A patent/JP3643653B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1063893A (ja) | 1998-03-06 |
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