JP3642916B2 - 食器洗浄システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器と食器洗浄装置とが給湯管を介して接続されてなる食器洗浄システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、この種の食器洗浄装置は、食器を収容する洗浄室内に所定量の水を貯留する貯留槽を備えており、洗浄を行う際には、貯留槽に所定量の水を貯留して、その水を洗浄ポンプによってノズルを介して食器に向かって噴出して洗浄を行う。洗浄後の水は再び貯留槽に溜まり、上記の動作を繰り返す。その間、適宜排水と給水が行われる。
【0003】
また、この種の食器洗浄装置における食器洗浄時には、洗剤の活性を得て洗浄効率を向上させるために最適な温度(一般には60℃とされている)の湯が用いられる。このため、前記貯留槽にヒータを設けて貯留槽内の水を洗剤の活性温度に加熱及び保温している。
【0004】
また、近年では、食器洗浄装置に給湯器を接続して、食器洗浄時に給湯器の湯を使用する食器洗浄システムが知られている。給湯器は、風呂や台所の流し台等に給湯する設備として周知であるが、この種の食器洗浄システムは、給湯器の給湯管に食器洗浄装置を追加して接続したものである。給湯器は、食器洗浄装置に設けられた給水弁や、風呂や台所の流し台等に設置されたカラン等の手動給湯栓が開栓されると水が流れ、これにより加熱手段が作動して給湯運転を開始する、所謂先止め式の給湯が行われる。これによって、食器洗浄装置の運転開始時に、給水弁を開弁すれば食器洗浄に適した温度の湯を供給することができるので、食器洗浄装置の貯留槽におけるヒータによる加熱時間を大幅に短縮することができ、食器洗浄時の運転時間の短縮が可能となる。 ところで、一般に給湯器は、給湯器本体と、該給湯器本体に接続された遠隔操作手段であるリモコンとによって構成されており、リモコンを使用者が操作することによって、風呂給湯や台所給湯時の湯水を所望する温度に設定することができるようになっている。そして、食器洗浄時には、食器洗浄装置を使用する前に使用者がリモコンによって給湯時の湯水の温度を食器洗浄に適した温度に設定する必要がある。
【0005】
ところが、使用者が、リモコンの設定温度が食器洗浄に適さない温度に設定されていることに気付かずに、食器洗浄装置における食器の洗浄を開始するおそれがある。リモコンの設定温度が食器洗浄に適した温度よりも低い温度に設定されている場合には、食器洗浄装置に給湯しても、前記ヒータによる加熱に長い時間を要するため洗浄時間を短縮することができない。また、リモコンの設定温度が食器洗浄に適した温度よりも高温に設定されている場合には、食器洗浄時に食器に付着していたタンパク質が温度の高い湯のために固化して食器への付着状態が強固となり洗浄効率が低下する。
【0006】
そこで、この種の食器洗浄システムにおいては、給湯器本体或いはリモコンと食器洗浄装置との間で通信を行い、食器洗浄装置が運転を開始するときには、設定温度が何度に設定されていても、給湯器を食器洗浄に適した温度(例えば60℃)で給湯するように制御することが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような食器洗浄システムにおいては、使用者が前記手動給湯栓から給湯中(給湯器が給湯運転中)であるときに、食器洗浄装置の運転を開始させると、使用者が設定したはずの温度が、食器洗浄に適した温度に変更されてしまう不都合がある。即ち具体的な例を挙げれば、使用者が給湯を行っている最中に、食器洗浄装置の運転を開始させると、使用者の給湯において適温である温度(例えば40℃)に設定されていたものが、食器洗浄において適温である温度(例えば60℃)での給湯に変更されてしまい、カラン等から比較的高い温度の湯が出湯して使用者に不快感を与えるおそれがある。
【0008】
かかる不都合を解消して、本発明は、食器洗浄装置における食器の洗浄に際して、食器洗浄に適した温度の湯を食器洗浄装置に供給して確実に食器洗浄時の運転時間の短縮を可能とすることができ、しかも、給湯中の使用者に不快感を与えることを防止することができる食器洗浄システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、 給湯器と、該給湯器に給湯管を介して接続された開閉自在の給水弁を備えて、該給水弁を介して供給された湯水によって食器類を洗浄する食器洗浄装置と、前記給湯管から分岐して設けられた手動給湯栓とからなり、給湯器は、食器洗浄装置の給水弁又は手動給湯栓が開栓されことにより給湯運転を開始する食器洗浄システムであって、前記食器洗浄装置は、食器類の洗浄運転を制御する運転制御手段と、該食器洗浄装置と前記給湯器との間で互いに運転情報の通信を行う通信手段とを備え、前記給湯器は、給湯時の湯水の温度を設定する温度設定手段と、該給湯器が給湯運転中であるか否かを監視する給湯運転監視手段と、該給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置から送信された運転開始情報に基づいて、該温度設定手段の設定温度を食器類の洗浄に適した温度に変更し、食器洗浄装置から送信された運転終了情報に基づいて、変更した温度を変更前の設定温度に戻す設定温度変更手段と、前記通信手段を介して前記食器洗浄装置から前記運転開始情報が送信された際、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転開始を指示する信号を送信し、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中であるとき、給湯運転中の前記設定温度と食器洗浄装置における食器類の洗浄に適した温度とを比較し、両温度が同一又は略同一である場合にのみ、食器洗浄装置の運転制御手段へ前記給水弁の開弁を許可する信号を送信する洗浄運転指示手段とを備える食器洗浄システムにおいて、前記食器洗浄装置は、前記洗浄運転指示手段からの洗浄運転開始を指示する信号を受信しなくても、前記温度設定手段による設定温度が所定温度より低い場合には強制的に洗浄運転を開始する強制運転制御手段と、該強制運転制御手段を作動させる操作スイッチとを備え、前記強制運転制御手段は、前記温度設定手段による設定温度が所定温度以上である場合には強制運転を禁止する強制運転禁止手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、前記給湯器は、給湯器本体と、該給湯器本体を遠隔操作する遠隔操作手段とによって構成されることが挙げられ、その一態様として、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記遠隔操作手段との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段と、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記遠隔操作手段に設けられていること、又は、その他の態様として、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記給湯器本体との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段は、前記遠隔操作手段に設けられており、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記給湯器本体に設けられていることが挙げられる。
【0011】
本発明によれば、使用者が食器洗浄装置において洗浄運転を開始する操作を行ったとき、該食器洗浄装置の運転制御手段は、運転開始が使用者によって指示されたことを示す信号を前記送信手段を介して送信する。
【0012】
このとき、給湯運転監視手段によって、給湯器本体が給湯運転中(手動給湯栓から出湯中)であるか否かを監視する。そして、前記洗浄運転指示手段は、給湯運転監視手段の監視結果が給湯運転中でない場合に、前記設定温度変更手段によって前記温度設定手段の設定温度を食器洗浄に適した温度(例えば60℃)に変更させると共に、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転を開始する指示を送信する。これにより、温度設定手段によって設定されている温度が食器の洗浄に適した温度でなくても(例えば使用者によって40℃に設定されていても)、給湯器は、前記設定温度変更手段によって変更された食器洗浄に適した温度(例えば60℃)の湯を給湯することができる。
【0013】
また、給湯運転監視手段の監視結果が給湯運転中であった場合には、使用者が所望の温度の湯を給湯使用中であることが考えられるので、前記洗浄運転指示手段は、先ず温度設定手段の設定温度が食器洗浄に適した温度(例えば60℃)と同一又は略同一であった場合にのみ、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転を開始する指示を送信する。これにより、食器洗浄装置の運転開始に伴う設定温度の変更が行われず、給湯使用中の使用者に、急激な出湯温度の変化による不快感を与えることを防止することができる。
【0015】
そして更に本発明によれば、例えば、風呂の湯張り等のように比較的長時間の給湯中に、直ちに食器の洗浄を行いたい場合には、強制運転制御手段を作動させる操作スイッチを操作するだけで、強制的に食器の洗浄運転を開始することができる。そして、この場合には、温度設定手段による設定温度が所定温度以上、例えば、食器洗浄時のタンパク質の固化温度以上であるときには、強制運転禁止手段によって強制運転が禁止される。こうすることによって、使用者がたとえ強制的に食器の洗浄を開始しようとしても、食器類に付着するタンパク質を固化させてしまい、洗浄を困難とするような事態を防止することができる。
【0016】
そして、前記食器洗浄装置は、前記強制運転禁止手段によって強制運転が禁止された際に、その旨を報知する報知手段を備えることが好ましい。これにより、使用者は強制運転が禁止されたことを確認することができ、使用者の混乱を防止することができる。
【0017】
また、本発明は、給湯器と、該給湯器に給湯管を介して接続された開閉自在の給水弁を備えて、該給水弁を介して供給された湯水によって食器類を洗浄する食器洗浄装置と、前記給湯管から分岐して設けられた手動給湯栓とからなり、給湯器は、食器洗浄装置の給水弁又は手動給湯栓が開栓されことにより給湯運転を開始する食器洗浄システムにおいて、前記食器洗浄装置は、食器類の洗浄運転を制御する運転制御手段と、該食器洗浄装置と前記給湯器との間で互いに運転情報の通信を行う通信手段とを備え、前記給湯器は、給湯時の湯水の温度を設定する温度設定手段と、該給湯器が給湯運転中であるか否かを監視する給湯運転監視手段と、該給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置から送信された運転開始情報に基づいて、該温度設定手段の設定温度を食器類の洗浄に適した温度に変更し、食器洗浄装置から送信された運転終了情報に基づいて、変更した温度を変更前の設定温度に戻す設定温度変更手段と、前記通信手段を介して前記食器洗浄装置から前記運転開始情報が送信された際、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転開始を指示する信号を送信し、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中であるとき、給湯運転中の前記設定温度と食器洗浄装置における食器類の洗浄に適した温度とを比較し、前記設定温度が食器洗浄装置における食器類の洗浄に適した温度以下である場合に、食器洗浄装置の運転制御手段へ前記給水弁の開弁を許可する信号を送信する洗浄運転指示手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、前記給湯器は、給湯器本体と、該給湯器本体を遠隔操作する遠隔操作手段とによって構成されることが挙げられ、その一態様として、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記遠隔操作手段との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段と、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記遠隔操作手段に設けられていること、又は、その他の態様として、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記給湯器本体との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段は、前記遠隔操作手段に設けられており、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記給湯器本体に設けられていることが挙げられる。
【0019】
本発明によれば、食器洗浄装置の運転開始が使用者によって指示されたときに、給湯運転監視手段によって、給湯器本体が給湯運転中(手動給湯栓から出湯中)であるか否かを監視し、前記洗浄運転指示手段が、給湯運転監視手段の監視結果が給湯運転中でない場合に、前記設定温度変更手段によって前記温度設定手段の設定温度を食器洗浄に適した温度(例えば60℃)に変更させると共に、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転を開始する指示を送信することは前述したものと同様である。これにより、温度設定手段によって設定されている温度が食器の洗浄に適した温度でなくても(例えば使用者によって40℃に設定されていても)、給湯器は、前記設定温度変更手段によって変更された食器洗浄に適した温度(例えば60℃)の湯を給湯することができる。
【0020】
また、給湯運転監視手段の監視結果が給湯運転中であった場合には、使用者が所望の温度の湯を給湯使用中であることが考えられるので、前記洗浄運転指示手段は、先ず温度設定手段の設定温度が食器洗浄に適した温度(例えば60℃)以下であった場合にのみ、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転を開始する指示を送信する。これにより、食器洗浄装置の運転開始に伴う設定温度の変更が行われず、給湯使用中の使用者に、急激な出湯温度の変化による不快感を与えることを防止することができる。また、これにより、例えば、風呂の湯張り等のように比較的長時間の給湯中であっても温度設定手段による設定温度が所定温度以下であれば、食器の洗浄が開始される。そして、温度設定手段による設定温度が所定温度より高いとき、例えば具体的には、食器洗浄時のタンパク質の固化温度以上であるときには、前記洗浄運転指示手段からの洗浄運転開始を指示する信号が送信されない。従って、食器類に付着するタンパク質が固化して洗浄困難となる事態を防止することができる。
【0021】
本発明においては、前記食器洗浄装置の運転制御手段は、前記洗浄運転指示手段からの洗浄運転開始を指示する信号を受信しなかったとき、該信号を受信するまで洗浄運転を待機することが好ましい。そして、前記食器洗浄装置が洗浄運転を待機しているとき、前記洗浄運転指示手段は、前記給湯器本体の給湯運転が停止し、更に所定時間が経過した後に、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転開始を指示する信号を送信する。
【0022】
こうすることにより、食器洗浄装置の運転待機中に、使用者が設定温度を食器洗浄に適した温度に変更した場合や、使用者が給湯を終了した場合には、洗浄運転指示手段の指示により食器洗浄装置の洗浄運転を円滑に開始することができる。更に、食器洗浄装置が食器の洗浄運転を待機しているとき、使用者が給湯を終了してから所定時間が経過した後に洗浄運転指示手段が洗浄運転の開始指示を食器洗浄装置に送信することにより、例えば、使用者が給湯使用していた湯の設定温度が食器洗浄に適した温度より高い場合であっても、所定時間が経過する間にたとえば給湯配管内に停留した湯の温度を、食器洗浄時のタンパク質の固化温度よりも低下させることができる。
【0023】
また本発明において、前記食器洗浄装置は、洗浄運転を待機している旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする。これにより、食器洗浄装置の運転が開始されない間は、使用者が食器洗浄が待機中であることを確認することができ、例えば、食器洗浄装置が故障して運転を開始しないといった誤った判断がなされることを防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の食器洗浄システムを模式的に示す説明図、図2は食器洗浄システムの作動を説明するフローチャート、図3は他の実施形態の食器洗浄システムを模式的に示す説明図である。
【0025】
図1示の食器洗浄システムAにおいて、1は給湯器本体、2は給湯器本体1の遠隔操作手段であるリモコン、3は台所に設置された食器洗浄装置、4は風呂や流し台等の給湯場所5に設置されたカラン(手動給湯栓)である。また、6は始端部が前記給湯器本体1に接続された主給湯路であり、該主給湯路6は、前記食器洗浄装置3に接続する第1給湯路7と、前記カラン4に接続する第2給湯路8とに分岐する。 前記給湯器本体1は、前記食器洗浄装置3や前記カラン4が使用され、主給湯路6に水流が生じた(このときの水流は図示しない水流センサにより検出される)場合に、水を所望の温度に加熱して給湯を開始する加熱装置9を備えて、所謂先止め式の給湯が行われる。該加熱装置9は、ガス管10から供給されるガスを燃焼させるガスバーナ11と、該ガスバーナ11の燃焼により、給水管12から供給される水を加熱する熱交換器13とを備えている。該加熱装置9は、燃焼制御手段14によって制御される。該燃焼制御手段14は、前記リモコン2に備える温度設定手段15の操作によって設定された給湯温度(35℃〜80℃)に基づいて加熱装置9を制御する。リモコン2は、温度設定手段15の操作によって設定される設定内容が表示される表示手段16を備えている。
【0026】
給湯器本体1は、リモコン2との間で設定情報の通信を行う通信手段17を備えている。また、後述するように食器洗浄装置3もリモコン2との間で設定情報の通信を行う通信手段18を備えている。また、リモコン2は、水が流れたとき加熱装置9を作動可能とする状態をオンとし、給湯が不要な場合に加熱装置9の動作を不能とする状態をオフとして切り換え自在の運転スイッチ19を備えている。
【0027】
更に、該リモコン2は、設定温度変更手段20と、給湯運転監視手段21と、洗浄運転指示手段22とを備えている。これらの詳しい作動は後述するが、設定温度変更手段20は、前記温度設定手段15によって設定された設定温度を食器洗浄に適した温度(本実施形態においては60℃)に変更するものである。給湯運転監視手段21は、給湯器本体が給湯運転中であるか否かを監視するものである。洗浄運転指示手段22は、食器洗浄装置3に洗浄運転の開始を指示するものである。
【0028】
前記食器洗浄装置3は、洗浄する食器類Wを収容し且つ洗浄を行う食器類収容室23を備えている。該食器類収容室23は、前記第1給湯路7に接続された給湯管24から湯が供給される。該給湯管24には開閉自在の給水弁25が設けられている。
【0029】
また、食器類収容室23の下部には、給湯管24を介して供給された湯を一時的に貯留しておく貯留槽26が設けられている。該貯留槽26には、該貯留槽26に貯留された湯の温度が洗剤の活性温度より低い場合に湯を再加熱し保温するヒータ27が設けられている。該貯留槽26に貯留された湯は、図示しない洗剤投入手段によって洗剤が投入されて洗浄液とされる。該貯留槽26の下部には、残菜フィルタ28を介して濾過された洗浄液を、食器類収容室23に配設された散水チューブ29に送り出す洗浄ポンプ30が接続されている。該散水チューブ29は、洗浄液を食器類Wに向かって噴射する複数の噴射ノズル(図示せず)を備えている。更に、前記貯留槽26の下部には、排水手段である排水ポンプ31及び排水管32が接続されている。なお、図示しないが、排水管32には、その上端が貯留槽26の上端より上方となるトラップが形成されている。
【0030】
食器洗浄装置3は、使用者が操作することによって食器類Wの洗浄を指示する運転スイッチ33と、前記洗浄運転指示手段22によって運転が指示されたとき給水・洗浄・排水・乾燥といった複数工程の洗浄運転を制御する洗浄運転制御手段34と、前記洗浄運転指示手段22からの運転指示がなくても強制的に洗浄運転を開始する強制運転制御手段35と、使用者の操作によって強制運転制御手段35を作動させる操作スイッチ36とを備え、強制運転制御手段35は、後述する条件が満たされなかった場合に強制運転を行わない強制運転禁止手段37を備えている。また、食器洗浄装置3は、洗浄運転待機中であることや強制運転禁止手段37が作動したことを表示或いは音声によって報知する報知手段38を備えている。
【0031】
次に、図2示のフローチャートに基づいて、本実施形態の作動を説明する。図2に示すように、ステップS1において運転スイッチ33(図1参照)の操作によって使用者が運転スイッチ33がオンとされ、ステップS2へ進む。
【0032】
ステップS2においてはリモコン2の給湯運転監視手段21により給湯器本体1が給湯運転中か否かを監視し、給湯運転中でなかった場合には、ステップS10へ進む。ステップS10では、リモコンの設定温度変更手段20により設定温度を60℃に変更し、更に、洗浄運転指示手段22により食器洗浄装置3に洗浄運転を開始する指示(給水弁25の開弁を許可する指示)を送信してステップS11へ進む。
【0033】
ステップS2において給湯運転中である場合にはステップS3へ進み、ステップS3では、洗浄運転指示手段22は設定温度が60℃と同一(又は、2〜3℃の違いで略同一)であるか否かを判断し、同一(又は略同一)である場合には食器洗浄装置3に洗浄運転を開始する指示を送信してステップS11へ進む。
【0034】
ステップS3において設定温度が60℃と全く異なる温度である場合には、食器洗浄装置3の報知手段38により洗浄運転を待機する旨の報知を行ってステップS4へ進む。ここで報知を受けた使用者は、強制的に食器洗浄を行いたい場合に前記操作スイッチ36をオンとする。強制的な洗浄運転が不要である場合には、操作スイッチ36が操作されない。ステップS4において操作スイッチ36が操作されていない(オフ)ときにはステップS6へ進み、操作スイッチ36がオンとされたとき、ステップS5に進む。ステップS5において設定温度が所定温度(タンパク質の固化温度である70℃)より低い場合には強制運転制御手段35が作動してステップS11へ進み、設定温度が所定温度(タンパク質の固化温度である70℃)以上である場合には強制運転禁止手段37が作動して強制運転制御手段35を作動さることなくステップS6へ進む。そして、食器洗浄装置3の運転が待機中であるとき(使用者が給湯使用中)に、使用者によって温度設定手段15が操作されて設定温度が変更される場合も考えられる。このような場合にステップS6においては、変更された設定温度が60℃(又は、約60℃)であるときには、洗浄運転指示手段22により食器洗浄装置3に洗浄運転を開始する指示を送信してステップS11へ進む。一方、使用者による設定温度の変更がなかった場合にはステップS7へ進む。ステップS7では、給湯器本体1の給湯運転が継続されているときステップS4へ戻り、給湯運転が終了されたときステップS8及びステップS9へ進む。ステップS9においては、所定時間(本実施形態では15分)経過してから前述のステップS10へ進む。
【0035】
そしてステップS11において、給湯及び食器洗浄運転が行われる。食器洗浄運転は、前記洗浄運転制御手段34の作動によって行われ、詳しくは、先ず食器類Wのおおまかな汚れを洗い落とす予備洗浄動作を行い、次いで本洗浄動作を行う。即ち、予備洗浄動作においては、前記給水弁25を開弁して貯留槽26に所定量の湯を貯留し、湯が貯留槽26に所定量貯留されたとき、前記給水弁25を閉弁する。そして、洗浄ポンプ30を動作させて噴射ノズルを介して食器類Wに向かって貯留槽26の湯を噴射し、排水ポンプ31を動作させて食器類Wの汚れと共に落下した湯を排出する。本洗浄動作においては、前記給水弁25を開弁して貯留槽26に湯を貯留し、湯が貯留槽26に所定量貯留されたとき、洗剤を投入し、前記給水弁25を閉弁する。続いて、洗浄ポンプ30を動作させて食器類Wに貯留槽26の湯(洗浄液)を噴射する。このとき、食器類Wの汚れと共に落下した洗浄液は、再び貯留槽26及び残菜フィルタ28を通過して洗浄ポンプ30により食器類Wに向かって噴射される。このような洗浄動作を所定時間行った後に、洗浄運転制御手段34は、洗浄ポンプ30の動作を停止させ、排水ポンプ31を動作させる。これにより、食器類Wの汚れと共に落下した洗浄液は、排水管32を介して排水される。
【0036】
このようにして、ステップS11において食器洗浄運転が行われた後、ステップS12においては、前記ステップS10で設定温度を変更する前の設定温度に戻す。
【0037】
次に、本発明の他の実施形態を図3に基づいて説明する。図3示の食器洗浄システムBにおいて、前記図1示の食器洗浄システムAと同様のものは、図1中と同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0038】
食器洗浄システムBにおいては、図3に示すように、設定温度変更手段20と、給湯運転監視手段21と、洗浄運転指示手段22とが給湯器本体1に設けられている。このうち、給湯運転監視手段21は燃焼制御手段14に備えられており、加熱装置9の作動を直接監視している。更に、給湯器本体1の通信手段17と食器洗浄装置3の通信手段18とは、リモコン2を介すことなく接続されている。
【0039】
食器洗浄システムBの作動については、前述した図2に示す食器洗浄システムAと略同様である。即ち、図2を参照すれば、ステップS1で食器洗浄装置3の運転スイッチ33の操作によって洗浄運転制御手段34に食器類Wの洗浄が指示されたとき、その情報を通信手段18を介して給湯器本体1に送信する。その後ステップS2〜S9までの作動は前述した通りであり、ステップS10において給湯器本体1は、食器洗浄装置3において洗浄動作が指示されたことを受信したとき、リモコン2の温度設定手段15を介して設定されていた温度(例えば40℃)を、設定温度変更手段20によって食器洗浄に最適の温度(60℃)に変更する。これによって、給湯器本体1の燃焼制御手段14は設定温度変更手段20による変更温度(60℃)を設定温度として給湯動作の制御を行い、ステップS11において食器洗浄運転が行われた後、ステップS12において前記ステップS10で設定温度を変更する前の設定温度に戻す。
【0040】
また、食器洗浄装置3において洗浄動作が指示されたことを給湯器本体1に送信することにより、図2に示したステップS2の処理は、給湯運転監視手段21を備える燃焼制御手段14によって直接行われることになる。
【0041】
なお、上記各実施形態においては、リモコン2に設けられた表示手段16によって、例えば給湯温度等を表示するようになっているが、該表示手段16に食器洗浄装置3が待機中であることや食器洗浄中である旨の表示を行うことによって、給湯器の運転状況を使用者に報知することができ使用者の混乱を防止することができる。
【0042】
また、上記各実施形態においては、設定温度と、食器類の洗浄に適した温度(60℃)とが略同一である場合にのみ洗浄運転開始指示を送信するものを示したが、設定温度が所定温度(例えば60℃)以下であれば、洗浄運転開始指示を送信するようにしてもよい。
【0043】
また、上記各実施形態においては、給湯器本体1、リモコン2、食器洗浄装置3が有線通信によって情報の通信を行うように構成したが、無線通信を行うように構成してもよいことは言うまでもない。
【0044】
また、上記各実施形態においては、設定温度が60℃と異なる場合に予備洗浄動作を含めた洗浄運転における給湯動作を全て禁止するものを示したが、洗剤を用いて行われる本洗浄動作時には、設定温度が60℃と異なる場合に、給湯動作を禁止し、予備洗浄動作時には、設定温度が所定温度(タンパク質が固化し始める温度)以上の場合にのみ、給湯動作を禁止するようにしてもい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の食器洗浄システムを模式的に示す説明図。
【図2】食器洗浄システムの作動を説明するフローチャート。
【図3】他の実施形態の食器洗浄システムを模式的に示す説明図。
【符号の説明】
A,B…食器洗浄システム、1…給湯器本体、2…リモコン(遠隔操作手段)、3…食器洗浄装置、4…カラン(手動給湯栓)、6,7…給湯管、15…温度設定手段、18…通信手段、20…給湯運転監視手段、21…設定温度変更手段、22…洗浄運転指示手段、25…給水弁、34…洗浄運転制御手段(運転制御手段)、35…強制運転制御手段、36…操作スイッチ、37…強制運転禁止手段、38…報知手段。

Claims (10)

  1. 給湯器と、該給湯器に給湯管を介して接続された開閉自在の給水弁を備えて、該給水弁を介して供給された湯水によって食器類を洗浄する食器洗浄装置と、前記給湯管から分岐して設けられた手動給湯栓とからなり、給湯器は、食器洗浄装置の給水弁又は手動給湯栓が開栓されことにより給湯運転を開始する食器洗浄システムであって、前記食器洗浄装置は、食器類の洗浄運転を制御する運転制御手段と、該食器洗浄装置と前記給湯器との間で互いに運転情報の通信を行う通信手段とを備え、前記給湯器は、給湯時の湯水の温度を設定する温度設定手段と、該給湯器が給湯運転中であるか否かを監視する給湯運転監視手段と、該給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置から送信された運転開始情報に基づいて、該温度設定手段の設定温度を食器類の洗浄に適した温度に変更し、食器洗浄装置から送信された運転終了情報に基づいて、変更した温度を変更前の設定温度に戻す設定温度変更手段と、前記通信手段を介して前記食器洗浄装置から前記運転開始情報が送信された際、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転開始を指示する信号を送信し、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中であるとき、給湯運転中の前記設定温度と食器洗浄装置における食器類の洗浄に適した温度とを比較し、両温度が同一又は略同一である場合にのみ、食器洗浄装置の運転制御手段へ前記給水弁の開弁を許可する信号を送信する洗浄運転指示手段とを備える食器洗浄システムにおいて、前記食器洗浄装置は、前記洗浄運転指示手段からの洗浄運転開始を指示する信号を受信しなくても、前記温度設定手段による設定温度が所定温度より低い場合には強制的に洗浄運転を開始する強制運転制御手段と、該強制運転制御手段を作動させる操作スイッチとを備え、前記強制運転制御手段は、前記温度設定手段による設定温度が所定温度以上である場合には強制運転を禁止する強制運転禁止手段を備えることを特徴とする食器洗浄システム。
  2. 前記給湯器は、給湯器本体と、該給湯器本体を遠隔操作する遠隔操作手段とによって構成され、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記遠隔操作手段との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段と、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記遠隔操作手段に設けられていることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄システム。
  3. 前記給湯器は、給湯器本体と、該給湯器本体を遠隔操作する遠隔操作手段とによって構成され、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記給湯器本体との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段は、前記遠隔操作手段に設けられており、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記給湯器本体に設けられていることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄システム。
  4. 前記食器洗浄装置は、前記強制運転禁止手段によって強制運転が禁止された際に、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の食器洗浄システム。
  5. 給湯器と、該給湯器に給湯管を介して接続された開閉自在の給水弁を備えて、該給水弁を介して供給された湯水によって食器類を洗浄する食器洗浄装置と、前記給湯管から分岐して設けられた手動給湯栓とからなり、給湯器は、食器洗浄装置の給水弁又は手動給湯栓が開栓されことにより給湯運転を開始する食器洗浄システムにおいて、前記食器洗浄装置は、食器類の洗浄運転を制御する運転制御手段と、該食器洗浄装置と前記給湯器との間で互いに運転情報の通信を行う通信手段とを備え、前記給湯器は、給湯時の湯水の温度を設定する温度設定手段と、該給湯器が給湯運転中であるか否かを監視する給湯運転監視手段と、該給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置から送信された運転開始情報に基づいて、該温度設定手段の設定温度を食器類の洗浄に適した温度に変更し、食器洗浄装置から送信された運転終了情報に基づいて、変更した温度を変更前の設定温度に戻す設定温度変更手段と、前記通信手段を介して前記食器洗浄装置から前記運転開始情報が送信された際、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中でないとき、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転開始を指示する信号を送信し、前記給湯運転監視手段の監視結果において給湯器が給湯運転中であるとき、給湯運転中の前記設定温度と食器洗浄装置における食器類の洗浄に適した温度とを比較し、前記設定温度が食器洗浄装置における食器類の洗浄に適した温度以下である場合に、食器洗浄装置の運転制御手段へ前記給水弁の開弁を許可する信号を送信する洗浄運転指示手段とを備えることを特徴とする食器洗浄システム。
  6. 前記給湯器は、給湯器本体と、該給湯器本体を遠隔操作する遠隔操作手段とによって構成され、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記遠隔操作手段との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段と、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記遠隔操作手段に設けられていることを特徴とする請求項記載の食器洗浄システム。
  7. 前記給湯器は、給湯器本体と、該給湯器本体を遠隔操作する遠隔操作手段とによって構成され、前記通信手段は、前記食器洗浄装置と前記給湯器本体との間で互いに運転情報の通信を行い、前記温度設定手段は、前記遠隔操作手段に設けられており、前記給湯運転監視手段と、前記設定温度変更手段と、前記洗浄運転指示手段とは、前記給湯器本体に設けられていることを特徴とする請求項記載の食器洗浄システム。
  8. 前記食器洗浄装置の運転制御手段は、前記洗浄運転指示手段からの洗浄運転開始を指示する信号を受信しなかったとき、該信号を受信するまで洗浄運転を待機することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の食器洗浄システム。
  9. 前記食器洗浄装置が洗浄運転を待機しているとき、前記洗浄運転指示手段は、前記給湯器の給湯運転が停止し、更に所定時間が経過した後に、食器洗浄装置の運転制御手段へ洗浄運転開始を指示する信号を送信することを特徴とする請求項記載の食器洗浄システム。
  10. 前記食器洗浄装置は、洗浄運転を待機している旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項8又は9記載の食器洗浄システム。
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