JP3642659B2 - 半導体量子構造の製造方法及び半導体量子構造 - Google Patents

半導体量子構造の製造方法及び半導体量子構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、量子効果を発現する量子箱構造を備える半導体量子構造の製造方法及び量子効果を発現する量子箱構造を備える半導体量子構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体微細構造の厚みと幅が、半導体結晶中の電子の波長程度になると、一次元あるいは0次元に閉じ込められたキャリアによる量子効果が現われる。このような構造は、形状や大きさによって区別されて、量子細線、量子箱、量子ドットなどと呼ばれ、その低次元での量子効果を利用することにより、従来にない高性能な光デバイスや電子デバイスの実現が期待されている。さらに個々の量子箱をセルとしたメモリ素子、あるいは量子箱間のトンネル効果を利用した電子素子など、これまでにない新機能を有するデバイスの実現が期待されている。これらの画期的な量子箱デバイスを実現させるためには基板上の所定の位置に量子箱を形成させる技術が必須である。
【0003】
半導体量子箱の製造法として、従来代表的な手法であった2次元の量子井戸膜をリソグラフィー技術により箱構造に加工する手法に代わり、近年、一回の結晶成長工程の中で、歪半導体薄膜成長における2次元3次元相転移現象を利用して量子箱構造を自己組織的に形成する手法、またマスクを用いて所望の位置のみに選択的に結晶成長する手法、あるいは両者の組み合わせが脚光を浴びている。この新たな手法においては、前記の方法で避けられなかった、主にリソグラフィー工程の際に副次的に発生する損傷の導入の問題が解消されている。また、一般に半導体材料の結晶成長速度が結晶面方位により異なる性質に着目し、半導体基板上に異なる方位の面からなる突起または窪みのパターンを形成し、そこに量子井戸構造を結晶成長させることで、量子箱を形成する方法も試みられている。これらの方法とその問題点について、図2を用いて説明する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
まず、図2(a)に示した構造を形成する方法においては、半導体基板21の上に第1の障壁層24を形成し、その上に濡れ層と呼ばれる数原子層程度の歪半導体層26を形成し、この濡れ層26上の歪半導体薄膜のStranski-Krastanov(SK)モード成長における3次元化とを利用して量子箱27を自己組織的に形成する。相転移による3次元化は本質的にランダムな現象であるため、この手法には、量子箱27が無秩序な位置に形成されてしまうという問題がある。
【0005】
また、図2(b)に示した構造を形成する方法においては、マスク29の窓内に、ファセット成長半導体バッファ層23と第1の障壁層24とを形成し、その上に量子箱27を成長させた後に、これを第2の障壁材料28で埋め込む。この方法は、工程が複雑で、しかも所望の場所以外に量子井戸または量子細線が形成されてしまい、所望の性能の量子箱を得ることができないという欠点を持つ。仮に良質な量子箱27を得ることができたとしても、量子箱27以外の部分やマスク28、即ち量子箱の配置できないむだな領域が大きすぎるため、この方法は実用的なデバイスの製造には適していない。
【0006】
また、図2(c)に示した構造を形成する方法においては、窪みや突起が形成された半導体基板22上に異なる方位の面からなる突起または窪みを持つ第1の障壁層24を形成し、その上に量子井戸構造を結晶成長させることによって量子箱を形成する。この方法においては、面方位による速度の差こそあるものの基板全面で結晶成長が起こるため、所望の量子箱27に隣接して量子細線や量子井戸25が形成されてしまい、その結果として充分な量子閉じ込め効果を得ることができない。
【0007】
また、図2(a)の方法と、窪みパターンを設けた基板や、微小な窓を設けたマスクによる選択成長との組み合わせによっても、量子箱の位置と形状とをともに所望のものとすることはできなかった。
【0008】
本発明の目的は、前記の問題点を解決し、半導体基板上の所望の位置に、良質な量子箱を簡単な工程によって形成することを可能とする、半導体量子構造の製造方法、及び、半導体基板上の所望の位置に、良質な量子箱が形成された半導体量子構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明の半導体量子構造の製造方法においては、量子箱を形成するための半導体基板として、面方位が{ n 1 1 }B面またはこの面から任意の方向へ 5度以内の範囲で傾斜された面である半導体基板を用いる。ここに n は 2、3、4、5、6 または 7 である。このような基板を用いることにより、良質な量子箱を形成するのに適した微小な窪みを有する第1の障壁層を簡単な工程によって形成することができる。前記窪みの表面は{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面もしくは{ 1 1 1 }面のうちの少なくとも1つの面に一致するかまたは近い面を含んでいる。実用上好ましくは、前記窪みは三角形または四角形を単位格子とする格子の格子点上に設けられ、前記窪みの最大幅は 250nm以下であり、前記窪み以外の前記第1の障壁層の表面は平坦であり、窪みと窪みの間の平坦な領域は、その上の任意の点から窪みの周縁までの距離が 100nm以下となるように形成される。
【0010】
また、本発明の半導体量子構造の製造方法においては、前記第1の障壁層に対し 1%以上の格子不整合を有する3−5族化合物半導体からなる歪量子閉じ込め層を、分子線エピタキシー法または化学気相成長法によって前記窪みの中に選択的に結晶成長させる。
【0011】
さらに、本発明の半導体量子構造の製造方法においては、前記歪量子閉じ込め層上に、前記第1の障壁層に格子整合する3−5族化合物半導体からなる第2の障壁層を形成することにより、前記窪みの位置に量子ドットまたは量子箱を選択的に形成する。
【0012】
この半導体量子構造の製造方法を用いることによって、量子ドットまたは量子箱が所望の位置に格子配列形成されている状態が実現する。
【0013】
なお、本発明の半導体量子構造の製造方法においては、前記半導体基板上に前記窪みを所望の平面格子点上に形成するために、例えば、前記平面格子点上に微小な選択成長マスクを形成し、前記半導体基板上に、前記選択成長マスクが横方向結晶成長で埋め込まれる成長条件下で前記第1の障壁層を結晶成長で形成する。
また、本発明に係る半導体量子構造は、例えば、上記本発明に係る半導体量子構造の製造方法によって製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者らは化合物半導体歪薄膜結晶成長を研究する中で、面方位が{ n 1 1}B面(ここに n は 2、3、4、5、6 または 7 である)の半導体基板上への歪半導体成長の特異性に着目し、その中から基板上の所定の位置に量子箱を形成させる方法を発明するに至った。
【0015】
本発明者らは{ n 1 1 }B面基板上に窪みを設け、この窪みの表面が{ 1 0 0 }面などの低表面エネルギー面ないしはそれに近い面で構成されるようにした。そして、この基板上に量子閉じ込め効果を有する歪半導体材料を結晶成長することで、窪みの部分に選択的に歪半導体材料が成長するようにした。この発明の概念を図1に示す。
【0016】
図1(a)には{ n 1 1 }B面基板11上に第1の障壁層12が形成され、その表面に密に微小な窪み13が格子配列をなして設けられた状態が示されている。全ての窪み13は等しい形状で、その表面は{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面もしくは{ 1 1 1 }面の少なくとも1つの面に一致するかまたは近い面を含むようにする。
【0017】
図1(b)は第1の障壁層12に対し、ある程度大きな格子歪みを有する量子閉じ込め層材料の結晶成長を開始した状態を示す。Stranski-Krastanov(SK)モードで歪半導体薄膜を結晶成長させる場合において、{ n 1 1 }B面は{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面に比して高い表面エネルギーを有する。これは、基板に対し、いわゆる濡れ層と呼ばれる数原子層程度の歪半導体14が表面を覆っている状態において顕著になる。本発明では前述の特徴を有する窪みを設けることで、第1の障壁層の表面に{ n 1 1 }B面と{ 1 0 0 }面などの低表面エネルギー面とが同時に存在するようにした。歪量子閉じ込め層材料成長初期においてはどこに成長しても歪量が等しいので、表面エネルギーのより低い{ 1 0 0 }面などの低表面エネルギー面に成長したほうが{ n 1 1 }B面に成長するよりも全体の表面自由エネルギーを小さくできる。また、{ n 1 1 }B面はSKモード成長に対し、もう一つの特異的性質を与える。それは成長材料の基板表面上のマイグレーション速度が非常に高いことである。加えて前記窪みを密に設け、{ n 1 1 }B面上の量子閉じ込め層材料が短いマイグレーション距離で窪みに到達するようにした。これらの性質により、供給される量子閉じ込め層材料は{ n 1 1 }B面上をマイグレーションして窪み13内へ移動し、そこで{ 1 0 0 }面などの低表面エネルギー面に成長する。ゆえに窪み中の低表面エネルギー面ないしはそれに近い面において、量子閉じ込め層15が選択的に成長することになる。このような効果は、{ n 1 1 }B面のうち n = 2、3、4、5、6 または 7 の場合に顕著となる。その理由は、n が8よりも大きい場合は、低指数面との表面エネルギーの差が小さくなってしまうからである。
【0018】
一方、図1中に示されているように、窪みの周囲の{ n 1 1 }B面上にも高々数原子層以下の歪量子閉じ込め層材料による薄膜14が形成される。これは前述の濡れ層である。本発明においては前述のように量子閉じ込め層材料が窪みへマイグレーションし、そこで選択的に成長するので、この濡れ層14はひとたび形成された後、それ以上に厚く成長することも、3次元化して島構造となることもなくなるようにできる。
【0019】
この選択成長を続けると窪み内の量子閉じ込め層15が厚くなり、歪みエネルギーが大きくなる結果、窪み内の表面自由エネルギーが次第に高くなる。しかし、本発明者らは、第1の障壁材料と量子閉じ込め層材料の格子不整合が1%以上であれば{ n 1 1 }B面上の濡れ層14の表面自由エネルギーが窪み内の表面自由エネルギーよりも高い状態がしばらく持続されることを見い出した。なぜなら前述の通り、{ n 1 1 }B面上の濡れ層14の表面エネルギーが特異的に高くなるからである。ゆえに窪み内の量子閉じ込め層15の選択成長も持続できる。さらに量子閉じ込め層の選択成長を続けると、以下の状況となる。窪み内の量子閉じ込め層15がSKモードの3次元化の臨界膜厚を越えた場合、島構造16が自己組織的に形成される。ここで窪み13の大きさが十分小さければ、個々の窪み内には単一の島構造のみが形成される。この状況が図1(c)に示されている。本発明では第1の障壁材料と量子閉じ込め層材料の格子不整合が1%以上であるようにした。ゆえに窪み内の表面自由エネルギーが{ n 1 1 }B面上の濡れ層14の表面自由エネルギーよりも高くならないうちに窪み内で歪量子閉じ込め層が3次元化しそこでの歪が緩和される。ゆえに選択成長が破綻を来たすことがない。最後に量子閉じ込め層の成長を終了し、第2の障壁層17を埋め込み成長させれば、量子閉じ込め構造18が完成する。この状況が図1(d)に示されている。
【0020】
ところで、各種デバイスへ応用する上で、配列を構成する量子箱または量子ドットは均一でなければならない。均等なこれら量子構造を実現するには、マイグレーションなどで個々の窪みに供給される量子閉じ込め層材料の量を均一にする必要がある。このためには窪みの形状が等しい事は勿論だが、加えて窪みの間隔や局所的な密度も均一でなければならない。本発明では窪みを平面格子配列とすることで均一な量子構造を実現した。平面格子の単位格子として3角形、4角形、6角形の3種類が可能である。このうち6角形格子については、6角形の中心付近が、格子点にある窪みからの距離が遠い、即ち窪みが疎な領域となってしまう問題がある。実際、本発明者らは正六角形の格子の窪み配列において6角形の中心部に量子ドットや量子井戸が無秩序に生じる現象を確認した。そして、この問題が正3角形および正4角形の格子では生じない事をも見出した。
【0021】
このように本発明では、3角および4角格子に配列させた窪みを利用して量子箱または量子ドットの配列を可能としたが、窪みと窪みの間の平坦な領域を、その上の任意の点から窪みの周縁までの距離が 100nm以下となるようにする事で本発明の効果が得られる事も見出した。例えば前記の距離が 150nmの場合、どのような成長条件を用いても、窪みと窪みの中間の濡れ層14が厚くなり、量子井戸化あるいは量子ドット化することを完全に抑制することはできない。これに対し、前記の距離が 100nm以下であれば、どのような障壁材料と歪量子閉じ込め層材料の組み合わせにおいても結晶成長条件の適切な選択によって配列した窪みの中のみに所望の量子構造を形成することが可能である。
【0022】
なお、図1は{ n 1 1 }B面基板について示してあるが、基板面方位が{ n 1 1 }B面から任意の方向に 5度以内で傾斜したものであってもよい。また図1ではSKモードの3次元化により形成された島構造が量子構造となる例を示しているが、図1(b)即ち3次元化する前の量子閉じ込め層を第2の障壁層で埋め込んで量子構造を形成してもよい。また窪みの表面は{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面のうちのどれかのみで構成されていれば少なくとも問題がない。しかし窪みを実現する工程において実際に得られる表面が正確に上記の面とはならず誤差を生じる、即ち正確な面方位に対して傾斜した面となる場合がある。このような場合であっても前記の条件、即ち歪量子閉じ込め層成長において窪みの表面の表面自由エネルギーが{ n 1 1 }B面上の表面自由エネルギーよりも十分低いという条件さえ満たされれば、誤差が 10度を超える大きなものであっても本発明は有効である。同様の理由で、窪みの表面が前記{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面以外、かつ{ n 1 1 }B面以外の任意の指数面を含む場合でも、同様の条件のもとで本発明は有効となる。
【0023】
このように、本発明を用いることで、量子ドットまたは量子箱の配列を基板上の任意の位置に形成することが可能になる。
【0024】
従来においても基板表面に窪みや溝を加工し、その中に量子構造を配列させる提案や試みは多数なされてきた。しかし、従来法では窪み以外の部分にも量子構造が形成される問題点が解決されていなかった。本発明の製造方法によれば窪みの周囲の{ n 1 1 }B面上においては、量子閉じ込め層は高々数原子層の濡れ層分の超薄膜にしかならず、また3次元化した島構造も皆無である。これにより、窪み内の量子構造と、窪みの周囲の濡れ層との間に大きなポテンシャルエネルギー差を設けることができる。ゆえに、選択的に窪み内に形成される量子ドットまたは量子箱の量子効果が損なわれることがない。また、SKモードで窪みや溝の中に量子ドットを自己形成する手法をとる従来法では、窪みや溝の中に複数の量子ドットが無秩序に形成される問題点があった。これに対し本発明では窪みが最大部の幅が 250nm以下で、窪みと窪みの間の平坦な領域が、その上の任意の点から窪みの周縁までの距離が 100nm以下となるように形成され、その表面が{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面の少なくともどれか1つの面またはそれに近い面を、少なくとも1つ含むようにすることにより、1つの窪みのなかに単一の量子ドットまたは量子箱のみを形成でき、しかも全ての窪みに均一な構造を形成できる事を見出した。すなわち、窪みの最大寸法を 250nm以下とする事により、窪みの中に単一の量子ドットが形成される様になるとともに、窪みと窪みの間の平坦な領域が、その上の任意の点から窪みの周縁までの距離が 100nm以下となる様にすることにより、量子閉じ込め層材料の窪みへの十分なマイグレーションを可能とするのである。
【0025】
また、本発明では量子閉じ込め層の形成に先立ち、第1の障壁層表面に窪みを形成する工程が必要である。本発明者らは基板または第1の障壁層の窪みを形成する部分を選択的にエッチングする工程で形成した窪みを利用して、前述の特徴を有しその中に量子ドットまたは量子箱が選択的に形成されるような窪みを実現できることを見いだした。図3にこの工程を含む第1の障壁層を形成する工程の一例を示す。
【0026】
まず図3(a)のように、{ n 1 1 }B面基板31上に選択エッチングを行なうためのマスク32を形成する。マスク32の窪みを掘る部分には窓33を設ける。マスクの形成には電子線または光リソグラフィーを適用する。次に、図3(b)のように、窓33の部分の基板31をエッチングして窪み34を設ける。このエッチングはCH4、CF4、BCl3などの反応性ガスを用いた一般的なドライエッチング法、または塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、過酸化水素など化学薬品の水溶液を用いたウェットエッチング法で行えばよい。次に、マスク32を除去して第1の障壁層35を結晶成長させる。この際、第1の障壁層35の表面に前記の特徴を有する窪み36が残されるよう、エッチングの量や窪み34の形状、障壁層35の結晶成長条件や膜厚を調整する。最終的に図3(c)に示す所望の構造が実現する。この例では基板をエッチングしたが、その代わりに、第1の障壁層をエッチングしても良い。但し、その場合には、第1の障壁層のエッチング面の上に直接量子閉じ込め層の成長を行うのは、加工損傷や表面汚染の影響を考慮すると、好ましくないので、エッチング後に若干の結晶成長を行い、第1の障壁層表面を形成するのが望ましいが、エッチングした窪みの中に、低指数面が出るようなエッチング液及びエッチング条件を選択し、その結果生じるエッチング面の上に直接量子閉じ込め層を成長することもできる。
【0027】
さらに、発明者らは量子ドットまたは量子箱をその中に選択的に形成しうる窪みを第1の障壁層表面に形成しうる新たな製造方法を発明した。その概念図を図4に示す。
【0028】
まず、図4(a)のように、{ n 1 1 }B面基板41上に帯状の選択成長マスク45を形成した後に、結晶成長させた場合に2つのファセット成長面43、44が成長するような材料と成長条件を選んで、第1の障壁層42を成長させる。ファセット成長面は1つ、即ち43のみであってもよい。
【0029】
次に、微小な窪みを有する第1の障壁層を成長させる場合について説明する。まず、図4(b)に示すように、{ n 1 1 }B面基板41上にドット状の選択成長マスク46を形成する。選択成長マスク46の材質はマスクとして作用するものであれば何でもよい。SiO2、Si34、Ta25、TiO2、Al23などの誘電体の薄膜をスパッタ法や化学気相成長法などを用いて堆積して作ってもよい。また第1の障壁層の材料がAlGaAsなどAlを含む半導体であり、マスクを第1の障壁層成長の途中で形成する場合、障壁層の表面を部分的に酸化してマスクとしてもよい。選択成長マスク46の配列は最終的に形成したい窪みの配列と等しい格子配列とする。また選択マスク成長46の形状は図5では正方形であるが、基板面方位や障壁材料に応じ、所望の形状、寸法を選択すればよい。このようなマスク形状とその配列は既存の電子線または光リソグラフィー技術により容易に実現できる。後述のように、選択成長マスク46は完全に第1の障壁層48に埋め込まれてしまう。ゆえにマスクの厚さは量子構造に悪影響を与えないよう、最小限に抑える必要がある。次に、第1の障壁層42をこの選択成長マスク46を用いて選択成長させる。この場合に、前記のように図4(a)を実現する障壁材料と成長条件を選ぶ。ところで、選択成長マスク46はドット状でファセット成長面の伸びる方向に対して垂直な方向(図4(c)中、白矢印49で表示)に有限である。従って、マスクは方向49に平行な方向の結晶成長によって埋め込まれる。このような横方向成長は十分薄く小さいマスクを完全に埋め込んでしまう。この状況が図4(c)に示されている。この中で、第1の障壁層42のうち横方向成長して選択成長マスク46を覆った部分を48で示した。この埋め込みの際、選択成長マスク46上に、選択成長マスク46を覆った障壁材料部分48が直接堆積することがないため、一般にボイド47が生じる。
【0030】
さらに障壁層42の成長を続けると、横方向成長とファセット成長面の成長が競合する。その結果、適当な時点で成長を終了すると、第1の障壁層42の表面に所望の窪み50が形成される。この状況が図4(d)に示されている。
【0031】
このようにして形成された窪みは複数のファセット面からなる。図4では5角形の周縁を持つ窪みの例が示されている。基板面方位、障壁層材料、成長条件、マスクの形状により種々の断面形状が得られるが、窪みは少なくとも低指数面を含むように形成される。また窪み50は選択成長マスク46の真上に形成されるのではなく、窪みの形成に最も支配的作用を及ぼすファセット成長面43に沿ってずれた位置に形成される。このずれの量はマスクを配置した面から第1の障壁層の表面までの成長膜厚に比例する。
【0032】
第二のファセット成長面44は第1の障壁層の成長完了時まで窪み50の表面に残ることもあるが、図4(d)に示すように横方向からの埋め込み成長に負ける形で消失することもある。
【0033】
窪み50の大きさは成長膜厚に依存して大きくなる他、選択成長マスク46のサイズにも依存するため、表面の窪みの大きさは一般に選択成長マスクより拡大したものとなる。窪みの中に単一の量子箱または量子ドットのみを形成するためには、選択成長マスクが埋め込まれる成長条件を選択する必要があるが、選択成長マスクのサイズ及び成長膜厚を窪みの最大幅が 250nm以下となるように図4に示した方式により決定すれば良い。
【0034】
この製造方法により形成した窪みには、原子オーダーで平坦でかつ正確なファセット面が形成され、また均一性や再現性に優れるという特長がある。
【0035】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に示す。
【0036】
実施例1
図5〜8に示したように、( 3 1 1 )B面GaAs基板上に以下のように本発明を適用して、直径 150nm、高さ 15nmの円盤状のIn0.3Ga0.7As量子閉じ込め島構造とAl0.4Ga0.6Asからなる障壁層とで構成される量子ドットの、周期 200nmの正方格子配列を形成した例を示す。本実施例では図4に示された製造方法でAl0.4Ga0.6Asの表面の窪みを形成した。
【0037】
第一に選択成長ドットマスクの格子を形成した。まずGaAs基板上にモノシランとアンモニアを原料ガスとした高周波プラズマCVD法を用い、厚さ 200nmのSi34膜を堆積した。続いて、その上にネガ型電子ビームレジストαM−CMSのレジストパターンを電子線リソグラフィーで形成した。但し、レジストパターンは図5に示すもので、レジストマスク51はおよそ 50nm角であった。続いて、C26ガスを用いた高周波プラズマ反応性イオンエッチングにてSi34膜をドライエッチングし、レジストパターンを転写し、50nm角のドットマスクを形成した。その後オゾン処理によってレジストパターンを完全に除去した。
【0038】
第二に結晶成長装置に基板を導入し、MOVPE法により以下の成長を行った。半導体原料としてトリメチルインジウム、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アルシンを用い、キャリヤガスとして水素を用いた。成長温度は全て 750℃とした。まずGaAsバッファ層を 10nm成長した。続いてAl0.5Ga0.5As下部バリア層を 35nm成長し、続いてAl0.4Ga0.6As上部バリア層を 60nm成長させることで第1の障壁層が完成する。
【0039】
ここで成長を終了し、表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。得られた窪み配列の像を図6に示す。この窪みを構成する5つの面は図6に示すように( -1 0 0 )ファセットと、{ 1 0 0 }的および{ 1 1 1 }的面からなる。この実施例においてはマスク端から( -1 0 0 )と( 0 -1 -1 )の2つのファセット成長面が発生する。横方向からの埋め込み成長により( 0 -1 -1 )ファセット成長面は結晶成長初期に消失するが、( -1 0 0 )ファセット成長面は下部から埋め込まれるものの、表面においては第1の障壁層の結晶成長を続ける限り発展していく。こうして厚さが 95nmの第1の障壁層の成長を終了した時点で、特徴的な5角形断面を持つ窪みの配列が形成された。この窪みの表面における最大の幅は約 250nm、最大の深さは 18nmであった。また窪みの( 2 -3 -3 )側の端はマスクの端から( -1 0 0 )面に沿って移動し、その水平方向成分は、( 2 -3 -3 )に向かって
(埋め込み成長層の全膜厚)/tan( 25.2°)
となる。これは( -1 0 0 )面と( 3 1 1 )B面のなす角が 25.2°だからである。本例では移動量はほぼ 200nmであった。
【0040】
量子ドットおよびその配列を形成するために、第1の障壁層に続いて 3.5nmのIn0.3Ga0.7As歪量子閉じ込め層を成長させて、2 分間ほど成長中断した後、第2の障壁層としてAl0.4Ga0.6As下部バリア層を 35nm、Al0.5Ga0.5As上部バリア層を 35nmとを成長させ、最後にGaAsキャップ層を 10nm成長させた。2 分間の中断は、窪み内への結晶材料のマイグレーションを促進する効果がある。
【0041】
この際、途中のIn0.3Ga0.7As層までで成長を打ち切り、島構造の表面をAFMで観察した結果を図7に、断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察した結果を図8に示す。図6と図7とを対照すれば容易に、AlGaAs表面の窪み内に歪InGaAs島構造83が選択的に形成されていることが確認できる。図8はこれを裏付けるとともに、さらにSiNドットマスク85がAlGaAsにより埋め込まれ、AlGaAsの窪みが( -1 0 0 )ファセット面に沿って移動している様子を明確に示している。なお、図8中、81は( 3 1 1 )B面基板、82は第1ぼ障壁層、84はボイドをそれぞれ示す。
【0042】
こうして得られた量子ドット配列は、室温で波長 1μm付近をピークとした、強いフォトルミネッセンス発光を示し、高品質の量子閉じ込め構造が形成されていることが示された。
【0043】
実施例2
図9により、( 5 1 1 )B面GaSb基板上に、以下のように本発明を適用して、直径 50nm、高さ 15nmの円盤状のIn0.4Ga0.6Sb量子閉じ込め島構造とAl0.5Ga0.5Sbからなる障壁層で構成される量子箱の、周期 175nmの正方格子配列を形成した例を示す。実施例1と同様、Al0.5Ga0.5Sbの表面の窪みを図4に示された製造方法で形成した。
【0044】
第一に選択成長ドットマスクの格子を実施例1と同様に形成した。但し、レジストパターンは図9に示すもので、レジストマスク51はおよそ 60nm角であった。また選択成長マスクはSi34膜の代わりにマグネトロンスパッタ法で堆積した厚さ 20nmのSiO2膜を用いた。SiO2膜のパターンニングは実施例1と同様C26ガスを用いた高周波プラズマ反応性イオンエッチングで行った。ドットマスク即ち量子箱の配列は< 2 -5 -5 >、< 0 -1 1 >に対し 45°の方向の正方格子配列とした。
【0045】
第二に結晶成長装置に基板を導入し、分子線エピタキシー法により以下の成長を行った。原料として固体のIn、Ga、Al、Sbを用いた。まず 650℃でGaSbバッファ層を 10nm成長させた。続いてAl0.5Ga0.5Sbバリア層を 100nm成長させて第1の障壁層が完成した。この場合も、( -1 0 0 )ファセットの作用で、特徴的な5角形断面を持つ窪みの配列が形成された。
【0046】
量子ドットおよびその配列を形成するために、基板温度を 550℃に下げた後、第1の障壁層に続いて 3nmのIn0.4Ga0.6Sb歪量子閉じ込め層を成長させ、2 分ほど成長中断した後、第2の障壁層としてAl0.5Ga0.5Sbバリア層を 50nm、最後にGaSbキャップ層を 10nm成長させた。
【0047】
断面を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、本例冒頭で述べた構造の形成を確認した。
【0048】
実施例3
図10により、( 3 1 1 )B面InP基板上に以下のように本発明を適用して直径 60nm、高さ 15nmの円盤状のIn0.9Ga0.1As量子閉じ込め島構造とIn0.52Al0.48Asからなる障壁層とで構成される量子箱の、周期 150nmの正方格子配列を形成した例を示す。
【0049】
InP基板に図3に示した第1の工程に従い、まず選択エッチングにより窪みを形成した。始めに基板に電子ビームレジストZEP−520を塗布し、電子ビームリソグラフィーによって正方形ドット状の窓を設けたレジストパターンを形成した。レジストパターンを図10に示す。レジストマスク101中に形成されたエッチング窓102は一辺 50nmの正方形で、正方格子の1区画は 150nmとした。正方形の各辺およびドットのなす正方格子の配列方向は< 0 1 -1 >あるいは< 2 -3 -3 >に平行とした。次に、塩酸:リン酸:過酸化水素:水の混合液を用いてドット状の窓の部分の基板をウェットエッチングし、深さ 20nm、表面の開口幅は 80nmの微小窪み配列を形成した。このエッチング液によるエッチングは等方的であり、サイドエッチングが起こる。そのため、得られた窪みはマスクの窓よりも大きくなった。最後に酸素プラズマリアクターによりレジストマスクを剥離し、基板を洗浄して工程を終了した。
【0050】
この基板を減圧有機金属気相成長(MOVPE)装置に導入し、以下の結晶成長を行った。半導体原料としてトリメチルインジウム、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、アルシンおよびホスフィンを用い、キャリヤガスとして水素を用いた。まずホスフィン雰囲気中で基板温度を温度を 650℃にした。まず 50nmのIn0.52Al0.48As層を第1の障壁層として成長させた。この時点で基板の各窪みのほぼ真上の表面のIn0.52Al0.48As層表面には最大幅が 50nmで、深さが 15nm、( -1 0 0 )、( -1 1 -1 )と( -1 -1 1 )の3つのファセット面を含む微小な窪みが形成された。続いて 3.5nmのIn0.9Ga0.1As歪薄膜を成長させた。その直後、3族原料の供給停止による 2 分間の成長中断を行った。これはInGaAsの窪み内の量子箱へのマイグレーションを促進する効果がある。引き続き 100nmのIn0.52Al0.48As層を第2の障壁層として成長させ、10nmのGaAsキャップ層を成長させて成長を完了した。
【0051】
断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、本実施例冒頭で述べた所望の量子箱配列が形成されていることを確認した。また、室温で波長 2μm付近をピークとした、強いフォルトルミネッセンス発光を観察し、高品質の量子閉じ込めが行われていることを確認した。
以上に説明した、本発明に係る半導体量子構造の製造方法によって、半導体基板上の所望の位置に、良質な量子箱が形成された半導体量子構造を製造することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明者らは、
面方位が{ n 1 1 }B(ここに、n は 2、3、4、5、6 又は 7 である)または{ n 1 1 }Bから任意の方向へ 5 度以内で傾斜された面方位である半導体基板上に、表面の所望の位置に等しい形状の微小な窪みが、三角形又は四角形を単位格子とする平面格子の格子点上に設けられ、前記窪み以外の表面が平坦である、3−5族化合物半導体からなる第1の障壁層を形成し、前記窪みは最大部の幅が 250nm以下で、窪みと窪みの間の平坦な領域が、その上の任意の点から窪みの周縁までの距離が 100nm以下となるように形成され、表面が{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面の各面およびこれらに近い面を、少なくとも1つ以上含むように形成する第1の工程と、
次に、前記第1の障壁層に対し 1%以上の格子不整合を有する3−5族化合物半導体からなる歪量子閉じ込め層を、分子線エピタキシー法又は化学気相成長法で前記窪みの中に選択的に結晶成長させる第2の工程と、
前記歪量子閉じ込め層上に、前記第1の障壁層に格子整合する3−5族化合物半導体からなる第2の障壁層を形成することにより、前記窪みの位置に量子ドットまたは量子箱を選択的に形成する第3の工程とを少なくとも備えたことを特徴とする、半導体量子構造の製造方法を発明した。
【0053】
本発明により、基板上の電子線又は光リソグラフィーで任意に指定した位置に、均一な量子ドット又は量子箱などの半導体量子構造を格子配列した状態で形成することが可能になった。このような半導体量子構造の配列は、各半導体層の材料や膜厚、あるいは格子配列を変化させることにより、種々のサイズ、組成および周期のものを得ることができる。完全な量子箱配列を指定した位置に形成できることにより、量子箱間のトンネリングを利用した素子や、個々の量子箱をセルとしたメモリ素子等、新機能素子の実現が容易になる。この半導体量子構造の製造方法は{ n 1 1 }面、SKモード成長、ヘテロ接合による量子閉じ込め構造形成という、3−5族化合物半導体に普遍的な性質を利用したものであるため、前記実施例にとどまらず、例えばInGaP/AlInGaP、InGaN/AlGaN、InGaP/AlGaP等3−5族化合物半導体による量子箱構造の製造に広く適用できる。さらにSi基板上にGeやSiGeからなる量子箱構造を形成する場合においてもこの製造方法が適用できる。
また、本発明に係る半導体量子構造の製造方法の実施によって、半導体基板上の所望の位置に、良質な量子箱が形成された半導体量子構造を製造し、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念を示す図である。
【図2】結晶成長のみで量子箱または量子ドット構造を形成する従来の方法を示す断面図である。
【図3】本発明における、表面に窪みを有する第1の障壁層を形成する工程の一例を示す図である。
【図4】本発明における、表面に窪みを有する第1の障壁層を形成する工程の他の例を示す図である。
【図5】本発明の実施例1におけるレジストマスクパターンを示したものである。
【図6】本発明の実施例1における第1の障壁層上の窪みの配列のAFM像と窪みのファセット構造を示す図である。
【図7】本発明の実施例1における第1の障壁層上のの中に選択的に形成された島構造の配列のAFM像である。
【図8】図7に示した島構造の配列が形成されている基板の断面のSEM像と島構造の断面の説明図である。
【図9】本発明の実施例2におけるレジストマスクパターンを示す図である。
【図10】本発明の実施例3におけるレジストマスクパターンを示す図である。
【符号の説明】
11…{ n 1 1 }B面基板、12…第1の障壁層、13…窪み、14…歪量子閉じ込め層材料からなる濡れ層、15…量子閉じ込め層、16…島構造、
17…第2の障壁層、18…量子閉じ込め構造、
21…半導体基板、22…窪みや突起が形成された半導体基板、23…ファセット成長半導体バッファ層、24…第1の障壁層、25…量子閉じ込め層、
26…濡れ層、27…量子箱または量子ドット、28…第2の障壁層、
31…{ n 1 1 }B面基板、32…マスク、33…窓、34…窪み、
35…第1の障壁層、36…窪み、
41…{ n 1 1 }B面基板、42…第1の障壁層、43…第1のファセット成長面、44…第2のファセット成長面、45…帯状の選択成長マスク、46…ドット状の選択成長マスク、47…ボイド、48…横方向に成長した第1の障壁層の部分、49…横方向成長の方向、50…窪み、
51…レジストマスク、
81…{ 3 1 1 }B面基板、82…第1の障壁層、83…歪みInGaAs島構造、84…ボイド、85…Si34ドットマスク、
91…レジストマスク
101…レジストマスク、102…エッチング窓

Claims (8)

  1. 一方の表面が{ n 1 1 }B面(ここに n は 2、3、4、5、6 または 7 である)もしくは{ n 1 1 }B面から 5度以内の範囲で傾斜した面である半導体基板の前記表面上に、3−5族化合物半導体からなり、平面格子状に配列した微小な窪みを有する第1の障壁層を成長させ、前記窪みの内部に、前記第1の障壁層に対し 1%以上の格子不整合を有する3−5族化合物半導体からなる歪量子閉じ込め層を選択的に成長させ、前記半導体基板上に、少なくとも前記歪量子閉じ込め層を覆うように、前記第1の障壁層に格子整合する3−5族化合物半導体からなる第2の障壁層を成長させて半導体量子構造を形成する半導体量子構造の製造方法であって、前記窪みの表面{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面のうちの少なくとも1つの面に一致するかまたは近い面であって前記半導体基板の表面エネルギーより低い表面エネルギーの面を有することを特徴とする半導体量子構造の製造方法。
  2. 前記窪みが3角形もしくは4角形を単位格子とする平面格子の格子点上に形成され、前記窪みの最大幅が 250nm以下であり、前記窪み以外の前記第1の障壁層の表面部分が平坦であり、前記表面部分の任意の位置から最も近い前記窪みの周縁に至る距離が 100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体量子構造の製造方法。
  3. 前記半導体基板の前記表面上における3角形もしくは4角形を単位格子とする格子の格子点の上に島状の選択成長マスクを形成した後に、前記半導体基板上に前記第1の障壁層を選択成長させるとともに前記選択成長マスクを横方向成長により埋め込み、かつ前記第1の障壁層の前記選択成長マスクに対応した位置に前記窪みを形成することを特徴とする請求項1または2記載の半導体量子構造の製造方法。
  4. 上記半導体基板にGaAsを使用し、前記第1の障壁層の製造に、前記半導体基板に格子整合したAlGaAsを使用し、前記閉じ込め層の製造にInGaAsを使用することを特徴とする請求項1または2記載の半導体量子構造の製造方法。
  5. 上記半導体基板にInPを使用し、前記第1の障壁層の製造に、前記半導体基板に格子整合したInAlAsを使用し、前記閉じ込め層の製造にInGaAsを使用することを特徴とする請求項1または2記載の半導体量子構造の製造方法。
  6. 上記半導体基板にGaSbを使用し、前記第1の障壁層の製造に、前記半導体基板に格子整合したAlGaSbを使用し、前記閉じ込め層の製造にInGaSbを使用することを特徴とする請求項1または2記載の半導体量子構造の製造方法。
  7. 一方の表面が{ n 1 1 }B面(ここに n 2 3 4 5 6 または 7 である)もしくは{ n 1 1 }B面から 5 度以内の範囲で傾斜した面である半導体基板の前記表面上に形成され、表面が、{ 1 0 0 }面、{ 1 1 0 }面、{ 1 1 1 }面のうちの少なくとも1つの面に一致するかまたは近い面であって前記半導体基板の表面エネルギーより低い表面エネルギーの面を有する、平面格子状に配列した微小な窪みを有し、3−5族化合物半導体からなる第1の障壁層と、
    前記第1の障壁層に対し 1 %以上の格子不整合を有し、前記窪み内部に形成された3−5族化合物半導体からなる歪量子閉じ込め島構造と、
    前記歪量子閉じ込め島構造を覆うように形成され、前記第1の障壁層に格子整合する3−5族化合物半導体からなる第2の障壁層と
    を有することを特徴とする半導体量子構造。
  8. 前記窪みが3角形もしくは4角形を単位格子とする平面格子の格子点上に形成され、前 記窪みの最大幅が 250n m以下であり、前記窪み以外の前記第1の障壁層の表面部分が平坦であり、前記表面部分の任意の位置から最も近い前記窪みの周縁に至る距離が 100n m以下であることを特徴とする請求項7記載の半導体量子構造。
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