JP3642588B2 - 金属製ガスケット - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,多気筒内燃機関においてシリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面をシールするため,シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に配置される金属製ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,エンジンにおいて,シリンダヘッドとシリンダブロックとの間のような構造部材の対向面間をシールするために該対向面間にビードを備えた弾性金属板から製作したシリンダヘッドガスケット即ち金属製ガスケットが使用されている。この種の金属製ガスケットは,基板となる弾性金属板に燃焼室孔を穿設し,燃焼室孔の周囲近傍にビード部を形成している。金属製ガスケットをシリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に配置してボルト等によりシリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付けて固定したときに,金属製ガスケットの弾性金属板に設けたビードは,燃焼室孔の周囲における対向面に対して弾性的な環状接触部即ちシール部を形成して燃焼室孔の内外部をシールすることができる。
【0003】
しかしながら,最近の内燃機関は,高効率化,高出力化が求められ,その一環として,気筒数を増して多気筒としたり,混合ガスの燃焼温度を高くしたり,或いは燃焼室として主室に加えて副室を設け,副室で一次燃焼させ,主室で二次燃焼を行っているため,燃焼室が高温化し,その高熱が金属製ガスケットにも影響を及ぼす状態になる。そのため,金属製ガスケットに対して高温に耐えるものが要求されるようになっている。
【0004】
図6には,副室7を有するエンジンに適用した金属製ガスケットが示されている。該金属製ガスケットは,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間の対向面3,4間に配置されている。また,金属製ガスケットには,シリンダヘッド1の水ジャケット即ち水穴11とシリンダブロック2の水ジャケット即ち水穴12とが対向する位置に水穴部16が形成され,水穴部16には水穴11と12とを連通する孔17が形成されている。シリンダヘッド1に形成されたキャビティ14には,副室7を構成するホットプラグ8が位置決めされ且つ周り止めされて配置されている。ディーゼルエンジンの場合には,図示していないが,ホットプラグ8には点火プラグと燃料噴射ノズルが配置されている。シリンダブロック2に形成された気筒数に対応する孔部には,ピストン5が往復運動するシリンダ13を構成するシリンダライナ15が嵌合されている。ホットプラグ8には,シリンダ13側に形成された主室6と副室7とを連通する連絡孔9が形成されている。ホットプラグ8の底面のうち連絡孔9とその周囲が主室6に直接に面しているが,残る三日月状の領域が以下に示す金属製ガスケットに接触している。副室7から連絡孔9を通じて噴出する火炎,未燃混合気等の燃焼ガスは連絡孔9の下側部分を構成するホットプラグ8の底部10に対して熱を与え,底部10が最も高温の領域になる。
【0005】
また,特開昭64−73156号公報に開示されている金属製ガスケットを図7及び図8を参照して概説する。図7は金属製ガスケットを示す部分平面図,及び図8は燃焼室孔付近の水穴部を示す断面図である。金属製ガスケット70は,四気筒内燃機関に適用でき,燃焼室孔73A,73B(以下,73と総称する。)を有し且つ燃焼室孔73の周縁に沿ってビード74A,74B(以下,74と総称する。)が形成された弾性金属板からなる二枚のビード基板71,72,ビード基板71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75,及びビード基板71,72間に積層された一枚以上の中間板76から構成されている。ビード基板71,72のビード74の周囲には,シリンダヘッド又はシリンダブロックの水ジャケットを通る冷却水が接触する水穴78が設けられている。
【0006】
金属製ガスケット70におけるビード基板71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75は,ゴム系又はフッ素系等のシール剤をコーティングしたものであり,シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に締め付けたときに,対向面3,4の表面の非平面性がこのコーティングによって吸収されてガスケットのシール性能を向上させている。シリンダヘッド1とシリンダブロック2の冷却水路即ち水穴11,12(図6参照)を連通する水孔78は,燃焼室孔73の周囲を環状に取り囲む帯域79に所々に設定された構造となっている。帯域79の全体は,互いに平行に伸びるビード74,77で囲まれており,冷却水が帯域79外へ漏出しないようにシールしている。更に,金属製ガスケット70は,シール材のコーティング層が剥離して冷却水と共に循環するのを防止するため,水孔78を包含する帯域79のコーティング層を予め剥離させている。
【0007】
また,金属製ガスケット70は,一般的には,シリンダヘッドとシリンダブロックとの冷却は,水ジャケット即ち冷却水路が錆抜きを行えること,冷却を均一且つ効果的に行うこと,強度を落とさないこと等の観点を配慮して,水穴の形状及び構造を設計することにより行われている。エンジン全体の冷却を平均的にして最良の状態に保持する冷却状態にするには,エンジン全体を過度に冷却するのは好ましくないため,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間に流れる冷却水量を(図6),金属製ガスケット70の水孔78の大きさを設定することよって調節している。金属製ガスケット70の水孔78は,シリンダヘッド1又はシリンダブロック2の冷却水路即ち水穴11,12の開口部(図6)の大きさよりも小さく設定されているのが一般的であるが,ガスケットによっては,水孔17(図6)はまったく設けられず,閉口状態に置かれることも多い。更に,金属製ガスケット70では,水孔78を包含する帯域79のシールを,燃焼室孔73を包み囲むように平行に形成したビード74,77で行っているが,一般には,ビード基板にシリンダヘッド1又はシリンダブロック2の冷却水路11,12の開口部の形状に倣って形成される水穴用ビードは,燃焼室孔の周囲に散在する各位置において環状とし,冷却水が金属製ガスケットのビード基板の表面に広く漏出してビード基板に腐食を生じさせることがないようにしている。
【0008】
金属製ガスケット70を構成する金属板については,図8に示されているように,弾性金属板であるビード基板71,72の間に一枚の中間板76を挟着積層して,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4の不整をより吸収し易くしたものが提案されているが,最近では,図9に開示されているように,金属製ガスケット80をビード基板81,82の間に中間板86,87を二枚として合計四枚構成としたものが知られている(例えば,実開平4−66457号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の金属製ガスケットをエンジンに使用した場合,燃焼室孔の内周面は,ビード基板はもとより,中間板が存在するときにはその中間板も,断面となって燃焼室に面しており,直接に高温の燃焼ガスに晒されていて,接触する燃焼ガスから熱を受ける。燃焼ガスから受熱した熱は,ビード基板の表面にコーティングが施されているために,シリンダヘッドやシリンダブロックに速やかに放熱され難く,ガスケット内部に蓄積され易いという現象がある。副室を有するエンジンでは,副室内で着火燃焼した火炎,未燃混合気等のガスは連絡孔を通じて主室へ噴き出されるが,連絡孔の近傍の部分は火炎,未燃混合気等のガスで特に熱せられるために,特に,副室を構成するホットプラグの領域は高温になり易い。したがって,ビード基板及び中間板は,高温となる部分が熱応力により亀裂が発生し,シール機能及び耐久性を低下させるという問題があり,金属製ガスケットの構造的な剛性や強度に対する影響を可及的に低減するという課題があった。
【0010】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,金属製ガスケットの高温となり易い部分即ち高温領域の熱を,水穴部の冷却水が直接接触する面積を拡大するという構造上の工夫をすることにより,剛性や強度を低下させることなく,高温領域を効率的に冷却水によって放熱してガスケット自体を均一温度分布にして熱応力を低下させ,亀裂の発生を防止すると共に,シール機能及び耐久性を維持する金属製ガスケットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は,燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔の周縁に沿ってビードを形成した弾性金属材料から成る一対のビード基板を有するシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に配置される金属製ガスケットにおいて,前記ビード基板間に配置され且つ前記燃焼室孔に対応する位置に形成された燃焼室孔を有する一対の中間板を有し,前記ビード基板の表面には耐熱性被覆材が塗着され,局部的に高温領域となるホットプラグの連絡孔の近傍に対応する前記ビード基板と前記中間板との部分には前記シリンダブロック又は前記シリンダヘッドの水穴を流れる冷却水が接触する水穴部が形成され,前記ビード基板の前記水穴部には前記水穴部を囲む環状ハーフビードが形成され,前記環状ハーフビードの内側の少なくとも1枚の前記ビード基板の前記水穴部には複数の小孔が形成され,前記小孔が形成された前記ビード基板の部分に対応する前記中間板の部分は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴間での冷却水の流れを遮断する遮断板を構成しており,前記水穴部は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴が互いに対向する前記ビード基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする金属製ガスケットに関する。
【0012】
また,この金属製ガスケットは,前記水穴部を設けた前記ビード基板の部分には前記耐熱性被覆材が塗着されている。
【0013】
この金属製ガスケットは,上記のように構成されているので,金属製ガスケットをシリンダヘッドとシリンダブロックとの両対向面間に締め付けた場合には,燃焼室孔の周縁に沿って形成したビードが対向面間をシールして燃焼室内の燃焼ガスが漏れ出さないようにするという通常の金属製ガスケットの機能と共に,燃焼室孔のビードの周囲において局部的に存在する水穴部においては,該水穴部を囲む環状ハーフビードが両対向面に押し当てられて水穴部をシールして冷却水が水穴部からハーフビードを越えて他の金属製ガスケットの部分に浸出することを防止する。
【0014】
また,前記ビード基板は表面に耐熱性被覆材が塗着された二枚から成り,前記ビード基板間には中間板が介在され,前記ビード基板の前記水穴部に形成する前記小孔は少なくも前記シリンダヘッド側に位置する前記ビード基板に設けられ,前記小孔を設けた前記ビード基板の部分に対応する前記中間板の部分は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴間での冷却水の流れを遮断する遮断板を構成し,前記水穴部は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴が互いに対向する前記ビード基板にそれぞれ設けられている。
【0015】
水穴部のハーフビードで囲まれた内側には複数の小孔が設けられているので,冷却水はかかる複数の小孔の内表面に接触して,ビード基板から熱を奪う。また,冷却水はかかる複数の小孔を通って中間板にも接触して,燃焼室の高温燃焼ガスから中間板に伝達された熱も奪って,中間板を冷却する。複数の小孔の総内周面積は,一つの小孔のみからなる同じ規模の水穴部のその小孔の内周面積よりも充分広いものとなり,金属製ガスケットの燃焼室孔の周辺部における剛性や強度を低下させることなく,ビード基板と中間板との冷却を効率よく行う。
【0016】
前記両ビード基板の互いに対応する位置に複数の水穴が穿設され,中間板に水通し孔が形成されていないので,シリンダヘッドとシリンダブロックとの両冷却水口から送られる冷却水は通り抜けることなく遮断され,それぞれの側の水穴部において,ビード基板の複数の小孔と中間板の一方表面に接触して冷却し,適宜の水ジャケット即ち水穴を通って循環する。水穴部が,燃焼室の副室が位置する領域の外側近傍の部分に設けられており,前述したように,金属製ガスケットのこれらの部分が,非常に高温となる部位であるので,水穴部は,これらの部分を特に集中的に冷却することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明による金属製ガスケットの実施例を説明する。図1はこの発明による金属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図,図2は図1の金属製ガスケットの水穴部を含む部分を拡大して示した拡大平面図,図3は図2の線A−Aにおける金属製ガスケットの一実施例を示す断面図,及び図4は図3の金属製ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの対向面間に装着した状態を示す断面図である。
【0018】
図1に示すように,この金属製ガスケット20は,従来のものと同様に,図6でその一部を断面で示した四気筒内燃機関におけるシリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4をシールするため,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4間に装着して使用されるものである。金属製ガスケット20は,第1の弾性金属板であるシリンダヘッド1側即ち上側のビード基板21と,第2の弾性金属板であるシリンダブロック2側即ち下側のビード基板22とを積層したものであり,両ビード基板21,22間に,第1中間板27及び第2中間板28とをサンドイッチ状に積層したものである。また,ビード基板21と折返し部37を有する第1中間板27との間にはシム19が介在している。第1中間板27は,第2中間板28よりも板厚が薄く,燃焼室側の一定の幅を折り返して,折返し部37としており,全体として第2中間板28と密着している。なお,図示の金属製ガスケット20は,四気筒エンジンに使用するものとして示しているが,気筒数に対応させて燃焼室孔等を形成すれば多気筒エンジンにも適用できるものである。
【0019】
ビード基板21,22は,例えば,SUS301の金属材料を打ち抜いてビード加工や各種の穴の成形加工等をし,熱処理をして,張り強さ,伸び,硬さを所定の値を満たすように作製したものである。また,中間板27,28は,例えば,SUS301又はSECCの金属材料を打ち抜いた後,折返し加工やビード加工等を施し,必要に応じて熱処理を施して作製したものである。
【0020】
金属製ガスケット20におけるビード基板21,22及び中間板27,28には,四つの気筒,即ち,シリンダヘッド1及びシリンダブロック2(図1)に形成された燃焼室に対応してそれぞれ四つの燃焼室孔23A,23B,23C,23D及び24A,24B,24C,24D(総称は符号23又は24で示す)が形成されている。燃焼室孔23と24とは対応して同じ位置に同じ大きさで形成されている。更に,ビード基板21,22及び中間板27,28には,オイルを通すオイル孔29,ボルト孔30の他,ノック孔,固定ハトメ孔等が同じ位置で且つ同じ大きさに穿設されているが,これらについては,金属製ガスケットの技術分野においてそれぞれ周知の技術である。
【0021】
ビード基板21,22の燃焼室孔23,24の周囲には,ビード25,26が中間板27,28に向かって隆起しているが,図2に示すように,ホットプラグ8の部分では大きく外側に膨らんだ位置にある。ビード基板21,22は,ビード25,26の内側ではガスケットの自由状態では中間板27,28から浮いた位置にあり,オイル孔29,ボルト孔30等の各種の孔が設けられた位置で,ハーフビード43,44となり,各孔に接触する位置を取っている。その外側では,ハーフビード43,44を経て金属製ガスケット20の外周縁に到る。
【0022】
金属製ガスケット20のビード基板21,22の表面には,耐熱性及び耐油性を有するゴム(例えば,フッ素ゴム),樹脂等の非金属材料から成る耐熱性被覆材が塗着されている。耐熱性被覆材は,その厚さが,例えば,ビード基板21,22の外面には20μ程度のコーティングが施され,ビード基板21,22の中間板に面する内面には10μ程度のコーティングが施されている。耐熱性被覆材は,シリンダヘッド1及びシリンダブロック2に対して金属対金属の接触状態を回避し,金属製ガスケットとしての耐腐食性や耐久性及び強度を確保している。また,耐熱性被覆材は,シール対向面3,4の機械加工面に凹凸が存在していても,これらの凹凸を埋めて充分なシール機能を果たすようになる。
【0023】
以上の金属製ガスケットの構造は,以下に詳述する各実施例に共通する基本構造である。次に,図3及び図4を参照して,この発明による金属製ガスケットの一実施例を説明する。図3は金属製ガスケット20における水穴部31を通って燃焼室孔23,24から外周縁に到るまで線A−Aに沿って切断した図であり,水穴部31の一実施例の詳細を示す断面図である。図4では,金属製ガスケット20がシリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4間に配置されて押圧された状態を示し,ビード基板21,22の弾性変形を誇張して隙間が存在する複雑な形状に図示しているが,実質的には殆ど隙間がない状態である。
【0024】
図4に示すように,金属製ガスケット20をシリンダヘッド1とシリンダブロック2との間に配置して,ボルト孔30を通したボルトにより締め付けると,主室6と副室7(図6参照)との近傍においては,中間板27の折返し部37が板厚を大きくしているので,締め付け面圧が高くなり燃焼ガスの漏出に対する幅の広いシール部を形成する。中間板27の折返し部37の外側では,ビード基板21,22のビード25,26も圧縮されるので,対向面3,4に強く押し付けられてシール部を確保する。これら多重同心状の環状シール部によって,燃焼室孔23,24からの高温高圧の燃焼ガスが両対向面3,4に漏れ出るのを阻止することができる。シリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4に生じる不整をビードやコーティング層が吸収し,内燃機関の爆発・膨張行程の燃焼サイクル時の繰り返しで発生するシリンダヘッド1の歪み量が抑制される。更に,ビード25,26の周囲の各種の孔の縁は,ハーフビードの変形により対向面3,4に対して強く圧接されて,それら孔の周縁のシールを果たす。
【0025】
ビード基板21,22には,燃焼室孔23,24からホットプラグ8のための高温領域41を遠巻きにしてフルビード25,26が中間板27,28に向けて形成されている。領域41の近傍で,ビード25,26の直ぐ外側には,局部的に散在する形で分布する略矩形(略楕円形であってもよい。)の水穴部31,32が設けられている。水穴部31,32は,シリンダヘッド1の水ジャケットである冷却水路11とシリンダブロック2の水ジャケットである冷却水路12とが開口する位置にあり,水穴部31,32を全体として囲むハーフビード33,34は,冷却水路11,12の開口を完全に取り囲む位置にある。金属製ガスケット20は,シリンダヘッド1側に位置するビード基板21におけるハーフビード33で囲まれる内部即ち水穴部31には,複数(図1では6個)の小孔35が形成されていることである。
【0026】
小孔35の各内径は,エンジンに応じて適宜の値にして冷却の強さを設定することができるが,他の部位に設けられる小孔と比較すると充分小さいものに設定されている。しかしながら,小孔35の内周面積の総和は,同じ規模の水穴部31が単一の水穴から成る場合と比較して,同等かそれ以上にすることもできる。また,一つ一つの小孔35は小さいから,狭い領域にも巧みに分布させることができて,水穴部31を設ける領域の構造としての剛性や強度を低下させることもなく,効率良く熱を奪うことができる。この実施例では,中間板27には,小孔35に連通する水通し孔は穿設されておらず,シリンダヘッド1の水ジャケットからシリンダブロック2の水ジャケット側への冷却水の流れは遮断され,中間板27は遮蔽板の機能を果たしている。
【0027】
図4に示すように,金属製ガスケット20をシリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4(図6)の間に挟んで締め付けたとき,水穴部31,32のハーフビード33,34は,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との水ジャケット即ち冷却水路11,12の縁部に押圧されてシール部を形成する。冷却水路11,12からの冷却水は,シール部から外に漏れ出てビード基板21,22と対向面3,4の間に侵入することがないから,対向面3,4やビード基板21,22の他の部分に腐食等が発生するのを防止することができる。
【0028】
ビード基板21,22及び中間板27,28には,燃焼室6内の高温の燃焼ガスに直接晒される燃焼室孔23,24及びそれに対応する中間板27,28の燃焼室孔からそれぞれ熱の供給を受ける。また,副室7内から連絡孔9(図6参照)を通る燃焼ガスによって高温に熱せられるホットプラグ8の底部10からも直接上側のビード基板21に熱が与えられる。これらの熱は,金属製ガスケット20内を伝わって,主として,水穴部31,32に接触する冷却水に放熱されるのであるが,ビード基板21,22はそれらの表面に耐熱性被覆材即ちコーティング層38が塗着されているから,金属製ガスケット20から冷却水への熱伝達は比較的小さいが,小孔35内に浸入した冷却水はビード基板21,22と中間板27,28を構成する金属に直接に接触して効率的に熱伝達が行われる。
【0029】
次に,図5を参照して,この発明による金属製ガスケットの他の実施例を説明する。図5はこの発明による金属製ガスケットの他の実施例を示す水穴部を含む部分を示した断面図である。図5では,基本的な構造は図3に示したものと同様であるので,同一の構成部分には同一の符号を付し,それらの詳細な説明を省略する。この金属製ガスケット80は,シリンダヘッド側に位置するビード基板21における水穴部31とシリンダブロック側に位置するビード基板22における水穴部32に,複数個の小孔35,36をそれぞれ形成したものである。この金属製ガスケット80は,両側のビード基板21,22に小孔35,36を形成している以外は,同一の構成及び同一の機能を有するものであり,ここではこれらについての説明は省略する。
【0030】
【発明の効果】
この発明による金属製ガスケットは,上記のように構成されているので,シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に締め付けた場合には,水穴部が設けられているビード基板には,ハーフビードが両対向面に押し当てられて水穴部をシールして冷却水が水穴部からハーフビードを越えて他の金属製ガスケットの部分に浸出することを防止できる。特に,環状ハーフビードで囲まれる水穴部の内部には複数の小さな小孔が設けられているので,従来のもののように,ビード基板の表面に施した耐熱性被覆材のコーティング層を除去する必要もなく,冷却水はこれら複数の小孔の内表面に直接接触して,ビード基板から熱を奪い,ビード基板の温度上昇を防止することができる。また,冷却水は,これらの小孔を通って中間板にも接触して中間板を冷却し,燃焼室の高温燃焼ガスから中間板に伝達された熱も奪うことができる。複数の小孔の総内周面積は,一つの小孔のみからなる同じ規模の水穴部のその小孔内周面積よりも充分広いものとなり,冷却効率が高い。内部の小孔の数や内径を設計により適正に設定することができるので,冷却の強さの事前調節を容易に行うことができる。しかも,金属製ガスケットの燃焼室孔の周辺部における剛性や強度は,小孔が複数個に分割されているので,単一の小孔のみからなる同じ規模の水穴部と比較して,高くすることができる。従って,高温の燃焼ガスに晒される金属製ガスケットは,水穴部で効率的に冷却されることにより,また水穴部の領域における構造においても,剛性や強度を低下させる程度が小さくすることができるため,その構造や耐熱性に優れ,熱応力により亀裂を生じたりすることもなく,シール機能及び耐久性能を高く維持することができる。その結果,本発明によれば,簡単でかつ低コストでシール性能や信頼性が高い金属製ガスケットを提供することができる。
【0031】
この金属製ガスケットは,水穴部が前記両ビード基板の互いに対応する位置に複数の小孔が穿設され,中間板に水通し孔が穿設されていないので,シリンダヘッドとシリンダブロックとの両水ジャケットから送られる冷却水が,それぞれの側の水穴部において,ビード基板の複数の小孔と中間板の一方表面に接触して冷却するものである。従って,この金属製ガスケットは,シリンダヘッド側からもシリンダブロック側からも冷却することができ,冷却効率を向上させることができる。
【0032】
金属製ガスケットでは,隣接する両燃焼室孔に対して共に近傍の部分又は燃焼室の副室が位置する領域は,前述したように,高温燃焼ガスからの熱の供給が多量なために非常に高温となり易いので,亀裂の発生やシール性能の低下が他の部分と比較して最先にかつ集中的に発生し易いが,本発明の金属製ガスケットのように,水穴部及び小孔がこれらの高温領域に設けられている場合には,水穴部及び小孔は,これらの高温部分を特に集中的に冷却することができ,熱応力により金属製ガスケットに亀裂が発生するのを防止でき,高いシール機能及び耐久性能を長期にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による金属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図である。
【図2】図1の金属製ガスケットの水穴部を含む部分を示した拡大平面図である。
【図3】図2の線A−Aにおける金属製ガスケットの一実施例を示す断面図である。
【図4】図3の金属製ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に装着した状態を示す断面図である。
【図5】この発明による金属製ガスケットの他の実施例を示す水穴部を含む部分を拡大して示した拡大平面図である。
【図6】副室を有するエンジンの対向面に使用した金属製ガスケットを,副室との位置関係で示した断面図である。
【図7】従来の金属製ガスケットの一例を示す平面図である。
【図8】図7の金属製ガスケットの水穴部を含む部分を示した一部断面図である。
【図9】従来の金属製ガスケットの別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2 シリンダブロック
3,4 対向面
6 主室
7 副室
11,12 冷却水路
20,80 金属製ガスケット
21,22 ビード基板
23,24 燃焼室孔
25,26 ビード
27,28 中間板
31,32 水穴部
33,34 ハーフビード
35,36 小孔
【発明の属する技術分野】
この発明は,多気筒内燃機関においてシリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面をシールするため,シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に配置される金属製ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,エンジンにおいて,シリンダヘッドとシリンダブロックとの間のような構造部材の対向面間をシールするために該対向面間にビードを備えた弾性金属板から製作したシリンダヘッドガスケット即ち金属製ガスケットが使用されている。この種の金属製ガスケットは,基板となる弾性金属板に燃焼室孔を穿設し,燃焼室孔の周囲近傍にビード部を形成している。金属製ガスケットをシリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に配置してボルト等によりシリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付けて固定したときに,金属製ガスケットの弾性金属板に設けたビードは,燃焼室孔の周囲における対向面に対して弾性的な環状接触部即ちシール部を形成して燃焼室孔の内外部をシールすることができる。
【0003】
しかしながら,最近の内燃機関は,高効率化,高出力化が求められ,その一環として,気筒数を増して多気筒としたり,混合ガスの燃焼温度を高くしたり,或いは燃焼室として主室に加えて副室を設け,副室で一次燃焼させ,主室で二次燃焼を行っているため,燃焼室が高温化し,その高熱が金属製ガスケットにも影響を及ぼす状態になる。そのため,金属製ガスケットに対して高温に耐えるものが要求されるようになっている。
【0004】
図6には,副室7を有するエンジンに適用した金属製ガスケットが示されている。該金属製ガスケットは,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間の対向面3,4間に配置されている。また,金属製ガスケットには,シリンダヘッド1の水ジャケット即ち水穴11とシリンダブロック2の水ジャケット即ち水穴12とが対向する位置に水穴部16が形成され,水穴部16には水穴11と12とを連通する孔17が形成されている。シリンダヘッド1に形成されたキャビティ14には,副室7を構成するホットプラグ8が位置決めされ且つ周り止めされて配置されている。ディーゼルエンジンの場合には,図示していないが,ホットプラグ8には点火プラグと燃料噴射ノズルが配置されている。シリンダブロック2に形成された気筒数に対応する孔部には,ピストン5が往復運動するシリンダ13を構成するシリンダライナ15が嵌合されている。ホットプラグ8には,シリンダ13側に形成された主室6と副室7とを連通する連絡孔9が形成されている。ホットプラグ8の底面のうち連絡孔9とその周囲が主室6に直接に面しているが,残る三日月状の領域が以下に示す金属製ガスケットに接触している。副室7から連絡孔9を通じて噴出する火炎,未燃混合気等の燃焼ガスは連絡孔9の下側部分を構成するホットプラグ8の底部10に対して熱を与え,底部10が最も高温の領域になる。
【0005】
また,特開昭64−73156号公報に開示されている金属製ガスケットを図7及び図8を参照して概説する。図7は金属製ガスケットを示す部分平面図,及び図8は燃焼室孔付近の水穴部を示す断面図である。金属製ガスケット70は,四気筒内燃機関に適用でき,燃焼室孔73A,73B(以下,73と総称する。)を有し且つ燃焼室孔73の周縁に沿ってビード74A,74B(以下,74と総称する。)が形成された弾性金属板からなる二枚のビード基板71,72,ビード基板71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75,及びビード基板71,72間に積層された一枚以上の中間板76から構成されている。ビード基板71,72のビード74の周囲には,シリンダヘッド又はシリンダブロックの水ジャケットを通る冷却水が接触する水穴78が設けられている。
【0006】
金属製ガスケット70におけるビード基板71,72の表面に塗着された耐熱性被覆材75は,ゴム系又はフッ素系等のシール剤をコーティングしたものであり,シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に締め付けたときに,対向面3,4の表面の非平面性がこのコーティングによって吸収されてガスケットのシール性能を向上させている。シリンダヘッド1とシリンダブロック2の冷却水路即ち水穴11,12(図6参照)を連通する水孔78は,燃焼室孔73の周囲を環状に取り囲む帯域79に所々に設定された構造となっている。帯域79の全体は,互いに平行に伸びるビード74,77で囲まれており,冷却水が帯域79外へ漏出しないようにシールしている。更に,金属製ガスケット70は,シール材のコーティング層が剥離して冷却水と共に循環するのを防止するため,水孔78を包含する帯域79のコーティング層を予め剥離させている。
【0007】
また,金属製ガスケット70は,一般的には,シリンダヘッドとシリンダブロックとの冷却は,水ジャケット即ち冷却水路が錆抜きを行えること,冷却を均一且つ効果的に行うこと,強度を落とさないこと等の観点を配慮して,水穴の形状及び構造を設計することにより行われている。エンジン全体の冷却を平均的にして最良の状態に保持する冷却状態にするには,エンジン全体を過度に冷却するのは好ましくないため,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との間に流れる冷却水量を(図6),金属製ガスケット70の水孔78の大きさを設定することよって調節している。金属製ガスケット70の水孔78は,シリンダヘッド1又はシリンダブロック2の冷却水路即ち水穴11,12の開口部(図6)の大きさよりも小さく設定されているのが一般的であるが,ガスケットによっては,水孔17(図6)はまったく設けられず,閉口状態に置かれることも多い。更に,金属製ガスケット70では,水孔78を包含する帯域79のシールを,燃焼室孔73を包み囲むように平行に形成したビード74,77で行っているが,一般には,ビード基板にシリンダヘッド1又はシリンダブロック2の冷却水路11,12の開口部の形状に倣って形成される水穴用ビードは,燃焼室孔の周囲に散在する各位置において環状とし,冷却水が金属製ガスケットのビード基板の表面に広く漏出してビード基板に腐食を生じさせることがないようにしている。
【0008】
金属製ガスケット70を構成する金属板については,図8に示されているように,弾性金属板であるビード基板71,72の間に一枚の中間板76を挟着積層して,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4の不整をより吸収し易くしたものが提案されているが,最近では,図9に開示されているように,金属製ガスケット80をビード基板81,82の間に中間板86,87を二枚として合計四枚構成としたものが知られている(例えば,実開平4−66457号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,従来の金属製ガスケットをエンジンに使用した場合,燃焼室孔の内周面は,ビード基板はもとより,中間板が存在するときにはその中間板も,断面となって燃焼室に面しており,直接に高温の燃焼ガスに晒されていて,接触する燃焼ガスから熱を受ける。燃焼ガスから受熱した熱は,ビード基板の表面にコーティングが施されているために,シリンダヘッドやシリンダブロックに速やかに放熱され難く,ガスケット内部に蓄積され易いという現象がある。副室を有するエンジンでは,副室内で着火燃焼した火炎,未燃混合気等のガスは連絡孔を通じて主室へ噴き出されるが,連絡孔の近傍の部分は火炎,未燃混合気等のガスで特に熱せられるために,特に,副室を構成するホットプラグの領域は高温になり易い。したがって,ビード基板及び中間板は,高温となる部分が熱応力により亀裂が発生し,シール機能及び耐久性を低下させるという問題があり,金属製ガスケットの構造的な剛性や強度に対する影響を可及的に低減するという課題があった。
【0010】
この発明の目的は,上記の課題を解決することであり,金属製ガスケットの高温となり易い部分即ち高温領域の熱を,水穴部の冷却水が直接接触する面積を拡大するという構造上の工夫をすることにより,剛性や強度を低下させることなく,高温領域を効率的に冷却水によって放熱してガスケット自体を均一温度分布にして熱応力を低下させ,亀裂の発生を防止すると共に,シール機能及び耐久性を維持する金属製ガスケットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は,燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔の周縁に沿ってビードを形成した弾性金属材料から成る一対のビード基板を有するシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に配置される金属製ガスケットにおいて,前記ビード基板間に配置され且つ前記燃焼室孔に対応する位置に形成された燃焼室孔を有する一対の中間板を有し,前記ビード基板の表面には耐熱性被覆材が塗着され,局部的に高温領域となるホットプラグの連絡孔の近傍に対応する前記ビード基板と前記中間板との部分には前記シリンダブロック又は前記シリンダヘッドの水穴を流れる冷却水が接触する水穴部が形成され,前記ビード基板の前記水穴部には前記水穴部を囲む環状ハーフビードが形成され,前記環状ハーフビードの内側の少なくとも1枚の前記ビード基板の前記水穴部には複数の小孔が形成され,前記小孔が形成された前記ビード基板の部分に対応する前記中間板の部分は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴間での冷却水の流れを遮断する遮断板を構成しており,前記水穴部は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴が互いに対向する前記ビード基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする金属製ガスケットに関する。
【0012】
また,この金属製ガスケットは,前記水穴部を設けた前記ビード基板の部分には前記耐熱性被覆材が塗着されている。
【0013】
この金属製ガスケットは,上記のように構成されているので,金属製ガスケットをシリンダヘッドとシリンダブロックとの両対向面間に締め付けた場合には,燃焼室孔の周縁に沿って形成したビードが対向面間をシールして燃焼室内の燃焼ガスが漏れ出さないようにするという通常の金属製ガスケットの機能と共に,燃焼室孔のビードの周囲において局部的に存在する水穴部においては,該水穴部を囲む環状ハーフビードが両対向面に押し当てられて水穴部をシールして冷却水が水穴部からハーフビードを越えて他の金属製ガスケットの部分に浸出することを防止する。
【0014】
また,前記ビード基板は表面に耐熱性被覆材が塗着された二枚から成り,前記ビード基板間には中間板が介在され,前記ビード基板の前記水穴部に形成する前記小孔は少なくも前記シリンダヘッド側に位置する前記ビード基板に設けられ,前記小孔を設けた前記ビード基板の部分に対応する前記中間板の部分は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴間での冷却水の流れを遮断する遮断板を構成し,前記水穴部は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴が互いに対向する前記ビード基板にそれぞれ設けられている。
【0015】
水穴部のハーフビードで囲まれた内側には複数の小孔が設けられているので,冷却水はかかる複数の小孔の内表面に接触して,ビード基板から熱を奪う。また,冷却水はかかる複数の小孔を通って中間板にも接触して,燃焼室の高温燃焼ガスから中間板に伝達された熱も奪って,中間板を冷却する。複数の小孔の総内周面積は,一つの小孔のみからなる同じ規模の水穴部のその小孔の内周面積よりも充分広いものとなり,金属製ガスケットの燃焼室孔の周辺部における剛性や強度を低下させることなく,ビード基板と中間板との冷却を効率よく行う。
【0016】
前記両ビード基板の互いに対応する位置に複数の水穴が穿設され,中間板に水通し孔が形成されていないので,シリンダヘッドとシリンダブロックとの両冷却水口から送られる冷却水は通り抜けることなく遮断され,それぞれの側の水穴部において,ビード基板の複数の小孔と中間板の一方表面に接触して冷却し,適宜の水ジャケット即ち水穴を通って循環する。水穴部が,燃焼室の副室が位置する領域の外側近傍の部分に設けられており,前述したように,金属製ガスケットのこれらの部分が,非常に高温となる部位であるので,水穴部は,これらの部分を特に集中的に冷却することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明による金属製ガスケットの実施例を説明する。図1はこの発明による金属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図,図2は図1の金属製ガスケットの水穴部を含む部分を拡大して示した拡大平面図,図3は図2の線A−Aにおける金属製ガスケットの一実施例を示す断面図,及び図4は図3の金属製ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの対向面間に装着した状態を示す断面図である。
【0018】
図1に示すように,この金属製ガスケット20は,従来のものと同様に,図6でその一部を断面で示した四気筒内燃機関におけるシリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4をシールするため,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4間に装着して使用されるものである。金属製ガスケット20は,第1の弾性金属板であるシリンダヘッド1側即ち上側のビード基板21と,第2の弾性金属板であるシリンダブロック2側即ち下側のビード基板22とを積層したものであり,両ビード基板21,22間に,第1中間板27及び第2中間板28とをサンドイッチ状に積層したものである。また,ビード基板21と折返し部37を有する第1中間板27との間にはシム19が介在している。第1中間板27は,第2中間板28よりも板厚が薄く,燃焼室側の一定の幅を折り返して,折返し部37としており,全体として第2中間板28と密着している。なお,図示の金属製ガスケット20は,四気筒エンジンに使用するものとして示しているが,気筒数に対応させて燃焼室孔等を形成すれば多気筒エンジンにも適用できるものである。
【0019】
ビード基板21,22は,例えば,SUS301の金属材料を打ち抜いてビード加工や各種の穴の成形加工等をし,熱処理をして,張り強さ,伸び,硬さを所定の値を満たすように作製したものである。また,中間板27,28は,例えば,SUS301又はSECCの金属材料を打ち抜いた後,折返し加工やビード加工等を施し,必要に応じて熱処理を施して作製したものである。
【0020】
金属製ガスケット20におけるビード基板21,22及び中間板27,28には,四つの気筒,即ち,シリンダヘッド1及びシリンダブロック2(図1)に形成された燃焼室に対応してそれぞれ四つの燃焼室孔23A,23B,23C,23D及び24A,24B,24C,24D(総称は符号23又は24で示す)が形成されている。燃焼室孔23と24とは対応して同じ位置に同じ大きさで形成されている。更に,ビード基板21,22及び中間板27,28には,オイルを通すオイル孔29,ボルト孔30の他,ノック孔,固定ハトメ孔等が同じ位置で且つ同じ大きさに穿設されているが,これらについては,金属製ガスケットの技術分野においてそれぞれ周知の技術である。
【0021】
ビード基板21,22の燃焼室孔23,24の周囲には,ビード25,26が中間板27,28に向かって隆起しているが,図2に示すように,ホットプラグ8の部分では大きく外側に膨らんだ位置にある。ビード基板21,22は,ビード25,26の内側ではガスケットの自由状態では中間板27,28から浮いた位置にあり,オイル孔29,ボルト孔30等の各種の孔が設けられた位置で,ハーフビード43,44となり,各孔に接触する位置を取っている。その外側では,ハーフビード43,44を経て金属製ガスケット20の外周縁に到る。
【0022】
金属製ガスケット20のビード基板21,22の表面には,耐熱性及び耐油性を有するゴム(例えば,フッ素ゴム),樹脂等の非金属材料から成る耐熱性被覆材が塗着されている。耐熱性被覆材は,その厚さが,例えば,ビード基板21,22の外面には20μ程度のコーティングが施され,ビード基板21,22の中間板に面する内面には10μ程度のコーティングが施されている。耐熱性被覆材は,シリンダヘッド1及びシリンダブロック2に対して金属対金属の接触状態を回避し,金属製ガスケットとしての耐腐食性や耐久性及び強度を確保している。また,耐熱性被覆材は,シール対向面3,4の機械加工面に凹凸が存在していても,これらの凹凸を埋めて充分なシール機能を果たすようになる。
【0023】
以上の金属製ガスケットの構造は,以下に詳述する各実施例に共通する基本構造である。次に,図3及び図4を参照して,この発明による金属製ガスケットの一実施例を説明する。図3は金属製ガスケット20における水穴部31を通って燃焼室孔23,24から外周縁に到るまで線A−Aに沿って切断した図であり,水穴部31の一実施例の詳細を示す断面図である。図4では,金属製ガスケット20がシリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4間に配置されて押圧された状態を示し,ビード基板21,22の弾性変形を誇張して隙間が存在する複雑な形状に図示しているが,実質的には殆ど隙間がない状態である。
【0024】
図4に示すように,金属製ガスケット20をシリンダヘッド1とシリンダブロック2との間に配置して,ボルト孔30を通したボルトにより締め付けると,主室6と副室7(図6参照)との近傍においては,中間板27の折返し部37が板厚を大きくしているので,締め付け面圧が高くなり燃焼ガスの漏出に対する幅の広いシール部を形成する。中間板27の折返し部37の外側では,ビード基板21,22のビード25,26も圧縮されるので,対向面3,4に強く押し付けられてシール部を確保する。これら多重同心状の環状シール部によって,燃焼室孔23,24からの高温高圧の燃焼ガスが両対向面3,4に漏れ出るのを阻止することができる。シリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4に生じる不整をビードやコーティング層が吸収し,内燃機関の爆発・膨張行程の燃焼サイクル時の繰り返しで発生するシリンダヘッド1の歪み量が抑制される。更に,ビード25,26の周囲の各種の孔の縁は,ハーフビードの変形により対向面3,4に対して強く圧接されて,それら孔の周縁のシールを果たす。
【0025】
ビード基板21,22には,燃焼室孔23,24からホットプラグ8のための高温領域41を遠巻きにしてフルビード25,26が中間板27,28に向けて形成されている。領域41の近傍で,ビード25,26の直ぐ外側には,局部的に散在する形で分布する略矩形(略楕円形であってもよい。)の水穴部31,32が設けられている。水穴部31,32は,シリンダヘッド1の水ジャケットである冷却水路11とシリンダブロック2の水ジャケットである冷却水路12とが開口する位置にあり,水穴部31,32を全体として囲むハーフビード33,34は,冷却水路11,12の開口を完全に取り囲む位置にある。金属製ガスケット20は,シリンダヘッド1側に位置するビード基板21におけるハーフビード33で囲まれる内部即ち水穴部31には,複数(図1では6個)の小孔35が形成されていることである。
【0026】
小孔35の各内径は,エンジンに応じて適宜の値にして冷却の強さを設定することができるが,他の部位に設けられる小孔と比較すると充分小さいものに設定されている。しかしながら,小孔35の内周面積の総和は,同じ規模の水穴部31が単一の水穴から成る場合と比較して,同等かそれ以上にすることもできる。また,一つ一つの小孔35は小さいから,狭い領域にも巧みに分布させることができて,水穴部31を設ける領域の構造としての剛性や強度を低下させることもなく,効率良く熱を奪うことができる。この実施例では,中間板27には,小孔35に連通する水通し孔は穿設されておらず,シリンダヘッド1の水ジャケットからシリンダブロック2の水ジャケット側への冷却水の流れは遮断され,中間板27は遮蔽板の機能を果たしている。
【0027】
図4に示すように,金属製ガスケット20をシリンダヘッド1とシリンダブロック2との対向面3,4(図6)の間に挟んで締め付けたとき,水穴部31,32のハーフビード33,34は,シリンダヘッド1とシリンダブロック2との水ジャケット即ち冷却水路11,12の縁部に押圧されてシール部を形成する。冷却水路11,12からの冷却水は,シール部から外に漏れ出てビード基板21,22と対向面3,4の間に侵入することがないから,対向面3,4やビード基板21,22の他の部分に腐食等が発生するのを防止することができる。
【0028】
ビード基板21,22及び中間板27,28には,燃焼室6内の高温の燃焼ガスに直接晒される燃焼室孔23,24及びそれに対応する中間板27,28の燃焼室孔からそれぞれ熱の供給を受ける。また,副室7内から連絡孔9(図6参照)を通る燃焼ガスによって高温に熱せられるホットプラグ8の底部10からも直接上側のビード基板21に熱が与えられる。これらの熱は,金属製ガスケット20内を伝わって,主として,水穴部31,32に接触する冷却水に放熱されるのであるが,ビード基板21,22はそれらの表面に耐熱性被覆材即ちコーティング層38が塗着されているから,金属製ガスケット20から冷却水への熱伝達は比較的小さいが,小孔35内に浸入した冷却水はビード基板21,22と中間板27,28を構成する金属に直接に接触して効率的に熱伝達が行われる。
【0029】
次に,図5を参照して,この発明による金属製ガスケットの他の実施例を説明する。図5はこの発明による金属製ガスケットの他の実施例を示す水穴部を含む部分を示した断面図である。図5では,基本的な構造は図3に示したものと同様であるので,同一の構成部分には同一の符号を付し,それらの詳細な説明を省略する。この金属製ガスケット80は,シリンダヘッド側に位置するビード基板21における水穴部31とシリンダブロック側に位置するビード基板22における水穴部32に,複数個の小孔35,36をそれぞれ形成したものである。この金属製ガスケット80は,両側のビード基板21,22に小孔35,36を形成している以外は,同一の構成及び同一の機能を有するものであり,ここではこれらについての説明は省略する。
【0030】
【発明の効果】
この発明による金属製ガスケットは,上記のように構成されているので,シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に締め付けた場合には,水穴部が設けられているビード基板には,ハーフビードが両対向面に押し当てられて水穴部をシールして冷却水が水穴部からハーフビードを越えて他の金属製ガスケットの部分に浸出することを防止できる。特に,環状ハーフビードで囲まれる水穴部の内部には複数の小さな小孔が設けられているので,従来のもののように,ビード基板の表面に施した耐熱性被覆材のコーティング層を除去する必要もなく,冷却水はこれら複数の小孔の内表面に直接接触して,ビード基板から熱を奪い,ビード基板の温度上昇を防止することができる。また,冷却水は,これらの小孔を通って中間板にも接触して中間板を冷却し,燃焼室の高温燃焼ガスから中間板に伝達された熱も奪うことができる。複数の小孔の総内周面積は,一つの小孔のみからなる同じ規模の水穴部のその小孔内周面積よりも充分広いものとなり,冷却効率が高い。内部の小孔の数や内径を設計により適正に設定することができるので,冷却の強さの事前調節を容易に行うことができる。しかも,金属製ガスケットの燃焼室孔の周辺部における剛性や強度は,小孔が複数個に分割されているので,単一の小孔のみからなる同じ規模の水穴部と比較して,高くすることができる。従って,高温の燃焼ガスに晒される金属製ガスケットは,水穴部で効率的に冷却されることにより,また水穴部の領域における構造においても,剛性や強度を低下させる程度が小さくすることができるため,その構造や耐熱性に優れ,熱応力により亀裂を生じたりすることもなく,シール機能及び耐久性能を高く維持することができる。その結果,本発明によれば,簡単でかつ低コストでシール性能や信頼性が高い金属製ガスケットを提供することができる。
【0031】
この金属製ガスケットは,水穴部が前記両ビード基板の互いに対応する位置に複数の小孔が穿設され,中間板に水通し孔が穿設されていないので,シリンダヘッドとシリンダブロックとの両水ジャケットから送られる冷却水が,それぞれの側の水穴部において,ビード基板の複数の小孔と中間板の一方表面に接触して冷却するものである。従って,この金属製ガスケットは,シリンダヘッド側からもシリンダブロック側からも冷却することができ,冷却効率を向上させることができる。
【0032】
金属製ガスケットでは,隣接する両燃焼室孔に対して共に近傍の部分又は燃焼室の副室が位置する領域は,前述したように,高温燃焼ガスからの熱の供給が多量なために非常に高温となり易いので,亀裂の発生やシール性能の低下が他の部分と比較して最先にかつ集中的に発生し易いが,本発明の金属製ガスケットのように,水穴部及び小孔がこれらの高温領域に設けられている場合には,水穴部及び小孔は,これらの高温部分を特に集中的に冷却することができ,熱応力により金属製ガスケットに亀裂が発生するのを防止でき,高いシール機能及び耐久性能を長期にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による金属製ガスケットの一実施例を示す概略平面図である。
【図2】図1の金属製ガスケットの水穴部を含む部分を示した拡大平面図である。
【図3】図2の線A−Aにおける金属製ガスケットの一実施例を示す断面図である。
【図4】図3の金属製ガスケットをシリンダブロックとシリンダヘッドとの間に装着した状態を示す断面図である。
【図5】この発明による金属製ガスケットの他の実施例を示す水穴部を含む部分を拡大して示した拡大平面図である。
【図6】副室を有するエンジンの対向面に使用した金属製ガスケットを,副室との位置関係で示した断面図である。
【図7】従来の金属製ガスケットの一例を示す平面図である。
【図8】図7の金属製ガスケットの水穴部を含む部分を示した一部断面図である。
【図9】従来の金属製ガスケットの別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2 シリンダブロック
3,4 対向面
6 主室
7 副室
11,12 冷却水路
20,80 金属製ガスケット
21,22 ビード基板
23,24 燃焼室孔
25,26 ビード
27,28 中間板
31,32 水穴部
33,34 ハーフビード
35,36 小孔
Claims (2)
- 燃焼室孔を有し且つ前記燃焼室孔の周縁に沿ってビードを形成した弾性金属材料から成る一対のビード基板を有するシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に配置される金属製ガスケットにおいて,前記ビード基板間に配置され且つ前記燃焼室孔に対応する位置に形成された燃焼室孔を有する一対の中間板を有し,前記ビード基板の表面には耐熱性被覆材が塗着され,局部的に高温領域となるホットプラグの連絡孔の近傍に対応する前記ビード基板と前記中間板との部分には前記シリンダブロック又は前記シリンダヘッドの水穴を流れる冷却水が接触する水穴部が形成され,前記ビード基板の前記水穴部には前記水穴部を囲む環状ハーフビードが形成され,前記環状ハーフビードの内側の少なくとも1枚の前記ビード基板の前記水穴部には複数の小孔が形成され,前記小孔が形成された前記ビード基板の部分に対応する前記中間板の部分は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴間での冷却水の流れを遮断する遮断板を構成しており,前記水穴部は前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドとの前記水穴が互いに対向する前記ビード基板にそれぞれ設けられていることを特徴とする金属製ガスケット。
- 前記水穴部を設けた前記ビード基板の部分には前記耐熱性被覆材が塗着されていることを特徴とする請求項1に記載の金属製ガスケット。
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