JP2000028002A - メタルガスケット - Google Patents

メタルガスケット

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JP2000028002A
JP2000028002A JP11158941A JP15894199A JP2000028002A JP 2000028002 A JP2000028002 A JP 2000028002A JP 11158941 A JP11158941 A JP 11158941A JP 15894199 A JP15894199 A JP 15894199A JP 2000028002 A JP2000028002 A JP 2000028002A
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Japan
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bead
plate
coating layer
metal gasket
sub
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Application number
JP11158941A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Koyama
徹也 小山
Hironao Fukunishi
寛直 福西
Takeshi Naito
剛 内藤
Kazuhiko Yamato
一彦 大和
Yoshitaka Abe
吉隆 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokusan Parts Industry Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Parts Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に製作可能で且つシール性に優れたメタ
ルガスケットを提供する。 【解決手段】 ビード板40と副板44とを積層してな
り、シリンダブロックとシリンダヘッド間に装着される
複板構造のメタルガスケット40であって、ビード板4
0に開口部を形成するとともに、開口部を取り囲むよう
にビード16を形成し、副板44にビード板40の開口
部を形成するとともに、該開口部の口縁をビード板40
側に折返してなるストッパー部46を、ビード16より
も開口部側に形成し、ビード板40と副板44のうち
の、ビード16に対応する部分及びストッパー部46に
対応する部分に、シリンダブロック、シリンダヘッド、
ビード板、副板のそれぞれのあいだをシールすべくコー
ティング層30,31をビード16及びストッパー部4
6に沿ってパターン印刷により形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーティング層を
有するメタルガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンのシリンダヘッドとシ
リンダブロック間をシールするためのシール手段とし
て、メタルガスケットが広く採用されている。前記メタ
ルガスケットは、ビード板のみからなる単板構造或いは
ビード板と副板とを複数枚積層状に設けた複板構造で構
成されている。また、シリンダヘッドとシリンダブロッ
ク間におけるシール性を一層向上するために、コーティ
ング層をビード板の表面や副板の表面に設けたものも実
用化されている。
【0003】前記コーティング層は、NBR系ゴムやフ
ッ素系ゴムなどのコーティング材料を、吹き付けたり、
塗布したりして形成されているが、コーティング層を形
成するときに、部分的にコーティング材料を変更した
り、部分的に吹き付けや塗布しない部分を形成すること
が困難なことから、通常、ビード板や副板の表面全域に
亙って同一素材からなるコーティング層が形成されてい
る。
【0004】ところで、メタルガスケットとシリンダブ
ロック間において燃焼室の外周側には冷却水通路が形成
されており、冷却水通路内においてコーティング層は冷
却水に常時さらされることになる。それゆえ、冷却水通
路に面するコーティング層の剥離が促進され、剥離した
コーティング層が冷却水とともに循環して、サーモスタ
ットやラジエターの細孔部が目詰まりすることでエンジ
ンの冷却性能が低下することがあった。そこで、冷却水
通路に面するコーティング層を予め機械的に除去し、冷
却性能の低下を防止したメタルガスケットも提案され実
用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記のよう
に、ビード板や副板の全面にコーティング層を形成した
後、冷却水通路に面するコーティング層を除去する場
合、メタルガスケットの製造工程が複雑化するととも
に、コーティング層の除去のために多くの作業時間を必
要とし、しかも、1枚のメタルガスケットを製作するた
めに必要なコーティング材料の分量が多くなり、メタル
ガスケットの製作コストが高くなるという問題がある。
【0006】また、同じ素材からなるコーティング層が
ビード板や副板の全面に形成されているので、使用条件
の異なる、例えば、高温燃焼ガスと冷却水とをシールす
る燃焼室付近のコーティング層と、冷却水と潤滑オイル
とをシールする油孔付近のコーティング層の素材が同じ
になり、使用条件に応じた最適なシール性を得ることが
出来なかった。
【0007】本発明の目的は、安価に製作可能で且つシ
ール性に優れたメタルガスケットを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るメタルガ
スケットは、ビード板と副板とを積層してなり、2つの
部材間に装着される複板構造のメタルガスケットであっ
て、前記ビード板に開口部を形成するとともに、開口部
を取り囲むようにビードを形成し、前記副板にビード板
の開口部に対応させて開口部を形成するとともに、該開
口部の口縁をビード板側へ折り返してなるストッパー部
をビードよりも開口部側に形成し、前記ビード板と副板
のうちの、ビードに対応する部分及びストッパー部に対
応する部分に、2つの部材とビード板と副板のそれぞれ
のあいだをシールすべくコーティング層をビード及びス
トッパー部に沿ってパターン印刷により形成したもので
ある。
【0009】ここで、請求項2記載のように、コーティ
ング層の特性をシール部位に応じて変更すること、請求
項3記載のように、コーティング層の素材をシール部位
に応じて変更すること、請求項4記載のように、コーテ
ィング層の厚さをシール部位に応じて変更すること、請
求項5記載のように、コーティング層の厚さを2つの部
材のボルト締結部位側へ行くにしたがって段階的或いは
連続的に薄くすること、請求項6記載のように、高面圧
が要求される部位のコーティング層の厚さを他の部分よ
りも厚くすること、請求項7記載のように、コーティン
グ層の幅をシール部位に応じて変更すること、などが好
ましい実施例である。
【0010】
【作用】本発明に係るメタルガスケットにおいては、パ
ターン印刷によりコーティング層を形成するので、シー
ルを必要とする部分にのみコーティング層を形成するこ
とが可能となり、また、複雑なパターンのコーティング
層でも容易に形成することが可能となる。具体的には、
前記ビード板と副板のうちの、ビードに対応する部分及
びストッパー部に対応する部分に、2つの部材とビード
板と副板のそれぞれのあいだに、ビード及びストッパー
部に沿ってコーティング層を形成することで、両部材間
のシール性を向上することになる。
【0011】ここで、コーティング層の特性をシール部
位に応じて変更すると、メタルガスケットのシール性や
耐久性を一層向上することが可能となる。例えば、コー
ティング層の素材をシール部位に応じて変更すると、各
シール部位で要求される耐熱性や耐摩耗性等の条件に応
じた素材のコーティング層を形成したメタルガスケット
となり、メタルガスケットのシール性及び耐久性を向上
できる。
【0012】また、コーティング層の厚さをシール部位
に応じて変更すると、コーティング層を薄くした部分で
は面圧が低くなり、厚くした部分では面圧が高くなるの
で、これによりメタルガスケットの面圧を調整して、シ
ール性を向上することが可能となる。例えば、コーティ
ング層の厚さを2つの部材のボルト締結部位側へ行くに
したがって段階的或いは連続的に薄くすると、メタルガ
スケットの面圧を一様に設定して、そのシール性を向上
出来るし、高面圧が要求される部位のコーティング層の
厚さを他の部分よりも厚くすると、その部位のシール性
を大幅に向上出来る。
【0013】更に、コーティング層の幅をシール部位に
応じて変更すると、幅広に構成した部分では面圧が低く
なり、幅狭に構成した部分では面圧が高くなることか
ら、厚さを変更した場合と同様に、メタルガスケットの
面圧を調整して、シール性を向上することが可能とな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。 <第1実施例>この第1実施例は、V型6気筒エンジン
のシリンダブロックとシリンダヘッド間に装着されるメ
タルガスケットに本発明を適用した場合のものである。
【0015】図1、図2に示すように、V型エンジンの
シリンダブロック1の左右のバンク1A、1Bには3つ
のシリンダ孔2が夫々形成されている。左右のバンク1
A、1Bの上部には8つのボルト孔3が夫々形成され、
左右のバンク1A、1B上にはシリンダヘッド4がシリ
ンダヘッド固定用ボルト(図示略)を介して夫々固定さ
れている。左右のシリンダヘッド4と左右のバンク1
A、1B間にはメタルガスケット10が夫々装着され、
このメタルガスケット10によりシリンダヘッド4とシ
リンダブロック1間の気密性及び液密性が維持されてい
る。シリンダ孔2内にはピストン5が、複数のピストン
リング6を介して気密摺動自在に装着され、シリンダ孔
2内においてピストン5の上側には燃焼室7が形成され
ている。尚、図1には示していないが、左右のバンク1
A、1B及びシリンダヘッド4には、複数の潤滑油通路
や複数の冷却水通路が夫々形成されている。
【0016】左右のメタルガスケット10は、基本的に
は同じ構成なので、左側のものについて説明する。図3
〜図6に示すように、メタルガスケット10は、表面に
コーティング層30が形成された略平板状のビード板1
1からなる単板構造のメタルガスケット10で構成され
ている。ビード板11は、析出硬化型高珪素二相ステン
レス鋼やSUS301系一般材やSUS630系やSU
S631系の析出硬化型ステンレス鋼などからなるステ
ンレス鋼板で構成されている。
【0017】ビード板11には、シリンダ孔2とボルト
孔3とに対応させて3つの開口部12と8つのボルト挿
通孔13が夫々形成されるとともに、潤滑油通路及び冷
却水通路に対応させて6つの油孔14及び複数の水孔1
5が夫々形成されている。但し、油孔14及び水孔15
の配置や個数は、エンジンの潤滑油通路及び冷却水通路
の配置や個数に応じて適宜設定するものとする。
【0018】また、ビード板11には、開口部12を取
り囲む3つの燃焼室用ビード16と、隣接したボルト挿
通孔13と油孔14とを2つまとめて取り囲む5つのボ
ルト・油孔用ビード17と、ボルト挿通孔13のみを取
り囲む3つのボルト孔用ビード18と、油孔14のみを
取り囲む1つの油孔用ビード19と、3つの燃焼室用ビ
ード16と、複数の水孔15を取り囲む水孔用ビード2
0が形成されている。
【0019】ビード板11の開口部12の周縁と燃焼室
用ビード16間には平坦な内縁平坦部21が開口部12
の周縁に沿って形成され、内縁平坦部21の上側にはビ
ード板11の開口部12の周縁部を折り返して重合わせ
たストッパー部22が設けられている。ビード板11の
燃焼室用ビード16の外側には水孔用ビード20で取り
囲まれる平坦な中央平坦部23が形成され、ビード17
〜20の外側には外縁平坦部24が形成されている。
【0020】燃焼室用ビード16はシリンダヘッド4側
へ突出した円弧状のビードで構成され、燃焼室用ビード
16以外のビード17〜20は段状のビードで構成さ
れ、内縁平坦部21と中央平坦部23とはシリンダブロ
ック1側に配置され、外縁平坦部24はシリンダヘッド
4側に配置されている。複数の水孔15は中央平坦部2
3に開口され、中央平坦部23とシリンダヘッド4間に
対しても冷却水が充填されるように構成されている。
【0021】次に、コーティング層30の構成について
説明する。コーティング層30は、図4〜図6に示すよ
うに、ビード板11の上下両面にビード16〜20に沿
ってパターン印刷により形成され、その他の部分には形
成されていない。尚、このパターン印刷とは、凸版印
刷、平版印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、植毛印刷、
磁気印刷、ホットスタンピングなどによる印刷技術と、
ディスペンサーによる材料塗布技術を含むものである。
【0022】コーティング層30のうち燃焼室用ビード
16の上下両側に形成されるコーティング層31は、高
温の燃焼ガスと冷却水とをシールする関係上、耐熱性及
び耐摩耗性に優れたコーティング材料で構成され、その
他のコーティング層32は、潤滑油と冷却水とをシール
する関係上、液密性及び耐摩耗性に優れたコーティング
材料で構成されている。但し、コーティング層32は、
使用条件に応じて更に複数の領域に分割して、各領域毎
にコーティング材料の異なるコーティング層で構成して
もよい。また、コーティング層30全体を一種類のコー
ティング材料で構成してもよい。
【0023】コーティング層31、32のコーティング
材料としては、フッ素ゴム、NBRゴム、SBRゴム、
シリコンゴムなどの合成ゴム材料や、エポキシ系樹脂、
シリコン系樹脂、フェノール系樹脂、ウレタン系樹脂、
ポリイミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ABS系樹脂、PTFE(四
フッ化エチレン)系樹脂などの合成樹脂材料や、これら
合成ゴム材料や合成樹脂材料にアルミニウム合金、銅、
真鍮、ステンレス等の金属粉末、ガラス粉末やガラス繊
維、セラミック粉末やセラミック繊維、二硫化モリブデ
ン粉末等を混入した複合材料を用いることが可能で、使
用条件等に応じて適宜選定される。
【0024】次に、前記メタルガスケット10の作用に
ついて説明する。シリンダブロック1とシリンダヘッド
4間にメタルガスケット10を装着した状態で、8本の
シリンダヘッド固定用ボルトでシリンダヘッド4をシリ
ンダブロック1に締結することで、シリンダブロック1
とシリンダヘッド4間にメタルガスケット10が挟持さ
れた状態に組付けられる。そして、この状態で、ストッ
パー部22の厚さ分の隙間が燃焼室用ビード16付近に
形成され、ボルト締結時における燃焼室用ビード16の
異常変位が規制される。
【0025】一方、燃焼室用ビード16に対応する上下
のコーティング層31は、シリンダヘッド4の下面とシ
リンダブロック1の上面に圧接されることで、燃焼室7
の気密が維持される。また、ボルト・油孔用ビード17
と油孔用ビード19に対応する上下のコーティング層3
2が、シリンダヘッド4の下面とシリンダブロック1の
上面に夫々圧接され、潤滑油と冷却水とが液密状態に区
画される。更に、ボルト孔用ビード18と水孔用ビード
20の上下のコーティング層32が、シリンダヘッド4
の下面とシリンダブロック1の上面に夫々圧接され、冷
却水と外部空間とが区画されることになる。
【0026】ところで、冷却水は中央平坦部23とシリ
ンダヘッド4間の隙間に対しても流入することになる
が、中央平坦部23にはコーティング層30を形成して
いないので、コーティング層30の剥離による冷却性能
の低下等の問題を未然に防止することが可能となる。ま
た、シールを必要とする部分のみにコーティング層30
を形成してあるので、コーティング材料の使用量を極力
少なくして、メタルガスケット10の製作コストを低減
出来る。
【0027】更に、パターン印刷によりコーティング層
30を形成してあるので、メタルガスケット10の製作
工程を複雑化することなく、容易にコーティング層30
を形成することが可能となる。また、シールする部位の
使用条件に応じてコーティング層30の素材を変えてあ
るので、メタルガスケット10によるシール性能を大幅
に向上出来る。
【0028】ここで、前記メタルガスケット10の構成
を部分的に変更した変形例について説明する。 1)ボルト挿通孔13から離れるにしたがって、コーテ
ィング層30の膜厚を段階的に或いは連続的に厚く設定
してもよい。この場合には、シリンダヘッド4及びシリ
ンダブロック1に対するメタルガスケット10の面圧を
一様に設定してシール性を向上することが可能となる。
【0029】2)ボルト挿通孔13から離れるにしたが
って、コーティング層30の幅を段階的に或いは連続的
に狭く設定してもよい。この場合には、シリンダヘッド
4及びシリンダブロック1に対するメタルガスケット1
0の面圧を一様に設定してシール性を向上することが可
能となる。 3)燃焼室周りのコーティング層31の膜厚を他のコー
ティング層32の膜厚よりも厚く設定してもよい。この
場合には、燃焼室周りの気密性を他の部分よりも高く設
定することが出来る。 4)図7に示すように、ビード板11の全面にコーティ
ング層34を形成し、このコーティング層34の表面の
必要部分にパターン印刷によりコーティング層31を形
成してもよい。但し、この場合には、図示していない
が、コーティング層32もコーティング層31と同様
に、コーティング層34の表面の必要部分にパターン印
刷により形成することになる。 5)ビード板11の上下のコーティング層31として、
図8に示すように、幅の異なるパターンのコーティング
層31を形成してもよい。但し、図示していないが、ビ
ード板11の上下のコーティング層32もコーティング
層31と同様に、幅の異なるパターンのコーティング層
32で構成してもよい。
【0030】次に、スペーサ板やストッパー板等の副板
44とビード板45との組み合わせからなる、複板構造
のメタルガスケット40〜42について、図9〜図12
を参照しながら説明する。メタルガスケット40〜42
で用いられるビード板45は、前記ビード板11のスト
ッパー部22を省略したもので、前記ビード板11と同
一部材には同一符号を付してその詳細な説明は省略す
る。また、副板44は、平板状の金属薄板から構成さ
れ、前記ビード11と同様に3つの開口部と8つのボル
ト挿通孔と6つの油孔及び複数の水孔が形成され、開口
部の周縁にはストッパー部46が折り返して形成されて
いる。
【0031】図9に示すメタルガスケット40は、ビー
ド板45の下側に副板44を重合わせて設けた2枚構造
のメタルガスケットで、ビード板45の燃焼室用ビード
16を副板44側へ突出状に設け、副板44の折り返し
部46をビード板45側へ折り返したものである。そし
て、コーティング層30は、図示した領域に形成される
とともに、図示していないが、ビード17〜20に対応
するビード板45及び副板44の上下両面にも夫々形成
されている。
【0032】図10に示すメタルガスケット41は、副
板44のストッパー部46を省略した副板47と副板4
4を上下に設け、両副板44、47間にビード板45を
設けた3枚構造のメタルガスケットで、ビード板45の
燃焼室用ビード16を副板44側へ突出状に設け、副板
44のストッパー部46をビード板45側へ折り返した
ものである。そして、コーティング層30は、図示した
位置に形成されるとともに、図示していないが、ビード
17〜20に対応する両副板44の上下両面にも夫々形
成されている。
【0033】図11に示すメタルガスケット42は、ビ
ード板45を上下に設け、両ビード板45間に副板44
を設けた3枚構造のメタルガスケットで、両ビード板4
5の燃焼室用ビード16を副板44側へ突出状に設け、
副板44のストッパー部46を下側へ折り返したもので
ある。そして、コーティング層30は、図示したような
位置に形成されるとともに、図示していないが、ビード
17〜20に対応する副板44の上下両面と上側のビー
ド板45の上面と下側のビード板45の下面にも夫々形
成されている。尚、このメタルガスケット42では、図
12に示す領域にコーティング層30を形成してもよ
く、この場合には、図示していないが、ビード17〜2
0に対応する上下のビード板45の上下両面にもコーテ
ィング層30を夫々形成することになる。
【0034】尚、前記メタルガスケット40〜42にお
いても、前述のメタルガスケット10の変形例と同様に
コーティング層30の幅や厚さを部分的に変更すること
が可能である。また、コーティング層30は、図例のも
の以外のパターンで配置することが可能で、使用条件等
に応じて適宜設定するものとする。更に、ビード板45
と副板44、47の位置関係に関しても、前述した以外
の配列に設定することが可能で、また4枚以上の構造の
メタルガスケットに対しても、本発明を同様に適用する
ことが可能である。
【0035】尚、第1実施例では、V型6気筒エンジン
のシリンダブロック1とシリンダヘッド4に装着される
メタルガスケット10、40〜42に本発明を適用した
が、6気筒以外のV型多気筒エンジンや単気筒エンジン
や直列多気筒エンジンに対しても本発明を同様に適用す
ることが可能である。また、シリンダブロック1とシリ
ンダヘッド4とを備えたコンプレッサーやエアポンプな
どのメタルガスケットに対しても本発明を同様に適用す
ることが可能である。
【0036】<第2実施例>この第2実施例は、V型6
気筒エンジンのシリンダヘッド4と吸気マニホールド間
に装着されるメタルガスケットに本発明を適用した場合
のものである。図1、図13に示すように、V型エンジ
ンの左右のバンク1A、1B上にはシリンダヘッド4が
設けられ、シリンダヘッド4の側壁には、3つの吸気ポ
ート8と、7つのボルト締結孔9と、図示外のEGR
(エギゾースト・ガス・リサイキュレーション)通路及
び冷却水通路が夫々開口されている。
【0037】シリンダヘッド4には3つの吸気ポート8
に連なる3本の吸気分岐管50を有する吸気マニホール
ド51が固定され、吸気マニホールド51の下流端には
フランジ部材52が設けられ、フランジ部材52とシリ
ンダヘッド4の側壁間には3本の吸気分岐管50と3つ
の吸気ポート8とを気密状に連通するメタルガスケット
60が装着され、メタルガスケット60は7本のボルト
53を介して吸気マニホールド51とともにシリンダヘ
ッド4に固定されている。
【0038】前記メタルガスケット60は、図14、図
15に示すように、表面にコーティング層70を形成し
た弾力性金属板からなるビード板61で構成され、ビー
ド板61はフランジ部材52のシリンダヘッド4側の合
わせ面と略同じ形状に形成され、ビード板61には3つ
の吸気ポート8と7つのボルト締結孔9とEGR通路と
冷却水通路に夫々対応させて3つの開口部62と7つの
ボルト挿通孔63とガス孔64と水孔65とが夫々形成
され、ビード板61には開口部62を取り囲むポート用
ビード66とガス孔64を取り囲むEGRガス孔用ビー
ド67と水孔65を取り囲む水孔用ビード68とが形成
されている。
【0039】コーティング層70は、図14、図15に
示すように、ビード板61の前後両面にビード66〜6
8に沿って前記第1実施例と同様にパターン印刷により
形成されている。また、ポート用ビード66の前後両面
に形成されるコーティング層71は、燃料やブローバイ
オイルを含んだガスをシールする関係上、耐燃料性、耐
油性及び耐摩耗性に優れたコーティング材料で構成さ
れ、EGRガス孔用ビード67の前後両面に形成される
コーティング層72は、高温のEGRガスをシールする
関係上、耐熱性、気密性及び耐摩耗性に優れたコーティ
ング材料で構成され、水孔用ビード68の前後両面に形
成されるコーティング層73は、耐熱性、水密性及び耐
摩耗性に優れたコーティング材料で構成されている。但
し、コーティング材料としては、第1実施例に開示した
ようなコーティング材料を用いることが可能である。
【0040】この吸気マニホールド51用のメタルガス
ケット60においても、前記第1実施例と同様の作用が
得られる。また、第1実施例の変形例と同様に、コーテ
ィング層70の膜厚や幅をシールする部位に応じて変更
することが可能である。
【0041】尚、第2実施例では、V型6気筒エンジン
のシリンダヘッド4と吸気マニホールド51間に装着さ
れる単板構造のメタルガスケット60に本発明を適用し
たが、6気筒以外のV型多気筒エンジンや単気筒エンジ
ンや直列多気筒エンジンのシリンダヘッドと吸気マニホ
ールド間に装着される単板構造或いは複板構造のメタル
ガスケットに対しても本発明を同様に適用することが可
能である。また、シリンダヘッド4と排気マニホールド
間に装着されるメタルガスケットに対しても本発明を同
様に適用出来る。
【0042】また、本実施例では、シリンダブロック1
とシリンダヘッド4間に装着されるメタルガスケット1
0、40〜42と、シリンダヘッド4と吸気マニホール
ド51間に装着されるメタルガスケット60に対して本
発明を適用したが、2部材間に装着されるメタルガスケ
ットであれば、エンジン以外の他の機器のメタルガスケ
ットに対しても本発明を同様に適用することが可能であ
る。
【0043】
【発明の効果】本発明に係るメタルガスケットにおいて
は、パターン印刷によりメタルガスケットにコーティン
グ層を形成してあるので、シールを必要とする部分にの
みコーティング層を形成することが可能となり、シール
性を十分に確保しつつコーティング材料の使用量を極力
少なくして、メタルガスケットの製作コストを低減出来
る。また、必要のない部分にはコーティング層を形成し
ないので、不要なコーティング層を除去のための作業が
不要となり、メタルガスケットの生産性を向上出来ると
ともに、メタルガスケットの製造ラインが複雑になるこ
ともない。更に、複雑なパターンのコーティング層でも
容易に形成することが可能なので、燃焼室孔、油圧、水
孔、ボルト孔等が複数形成されたエンジンのヘッドガス
ケットに対しても容易にコーティング層を形成すること
が出来る。
【0044】ここで、コーティング層の特性をシール部
位に応じて変更すると、メタルガスケットのシール性や
耐久性を一層向上することが可能となる。例えば、コー
ティング層の素材をシール部位に応じて変更すると、各
シール部位で要求される耐熱性や耐摩耗性等の条件に応
じた素材のコーティング層が形成されたメタルガスケッ
トとなり、メタルガスケットのシール性及び耐久性を向
上出来る。
【0045】また、コーティング層の厚さをシール部位
に応じて変更すると、コーティング層を薄くした部分で
は面圧が低くなり、厚くした部分では面圧が高くなるの
で、これによりメタルガスケットの面圧を調整して、シ
ール性を向上することが可能となる。例えば、コーティ
ング層の厚さを2つの部材のボルト締結部位側へ行くに
したがって段階的或いは連続的に薄くすると、メタルガ
スケットの面圧を一様に設定して、そのシール性を向上
出来るし、高面圧が要求される部位のコーティング層の
厚さを他の部分よりも厚くすると、その部位のシール性
を大幅に向上出来る。
【0046】更に、コーティング層の幅をシール部位に
応じて変更すると、幅広に構成した部分では面圧が低く
なり、幅狭に構成した部分では面圧が高くなることか
ら、厚さを変更した場合と同様に、メタルガスケットの
面圧を調整して、しーる性を向上することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリンダブロックの斜視図
【図2】 燃焼室付近の要部縦断面図
【図3】 ビード板の平面図
【図4】 メタルガスケットの平面図
【図5】 図4のV−V線断面図
【図6】 図4のVI−VI線断面図
【図7】 別構造のメタルガスケットのビード付近の縦
断面図
【図8】 別構造のメタルガスケットのビード付近の縦
断面図
【図9】 2枚構造のメタルガスケットの要部縦断面図
【図10】 3枚構造のメタルガスケットの要部縦断面
【図11】 別の3枚構造のメタルガスケットの要部縦
断面図
【図12】 別の3枚構造のメタルガスケットの要部縦
断面図
【図13】 シリンダヘッド及び吸気マニホールドの要
部縦断面図
【図14】 吸気マニホールド用のメタルガスケットの
正面図
【図15】 図14のXV−XV線断面図
【符号の説明】
1 シリンダブロック 1A バンク 1B バンク 2 シリンダ孔 3 ボルト 4 シリンダヘッド 5 ピスト 6 ピストンリング 7 燃焼室 8 吸気ポート 9 ボルト締結孔 10 メタルガスケット 11 ビード板 12 開口部 13 ボルト挿通孔 14 油孔 15 水孔 16 燃焼室用ビード 17 油孔用ビード 18 ボルト孔用ビード 19 油孔用ビード 20 水孔用ビード 21 内縁平坦部 22 ストッパー部 23 中央平坦部 24 外縁平坦部 30 コーティング層 31 コーティング層 32 コーティング層 34 コーティング層 40 メタルガスケット 41 メタルガスケット 42 メタルガスケット 44 副板 45 ビード板 46 ストッパー部 47 副板 50 吸気分岐管 51 吸気マニホールド 52 フランジ部材 53 ボルト 60 メタルガスケット 61 ビード板 62 開口部 63 ボルト挿通孔 64 ガス孔 65 水孔 66 ポート用ビード 67 EGRガス孔用ビード 68 水孔用ビード 70 コーティング層 71 コーティング層 72 コーティング層 73 コーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 剛 大阪府豊中市走井2丁目6番5号 国産部 品工業株式会社内 (72)発明者 大和 一彦 大阪府豊中市走井2丁目6番5号 国産部 品工業株式会社内 (72)発明者 阿部 吉隆 大阪府豊中市走井2丁目6番5号 国産部 品工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビード板と副板とを積層してなり、2つ
    の部材間に装着される複板構造のメタルガスケットであ
    って、 前記ビード板に開口部を形成するとともに、開口部を取
    り囲むようにビードを形成し、 前記副板にビード板の開口部に対応させて開口部を形成
    するとともに、該開口部の口縁をビード板側へ折り返し
    てなるストッパー部をビードよりも開口部側に形成し、 前記ビード板と副板のうちの、ビードに対応する部分及
    びストッパー部に対応する部分に、2つの部材とビード
    板と副板のそれぞれのあいだをシールすべくコーティン
    グ層をビード及びストッパー部に沿ってパターン印刷に
    より形成した、 ことを特徴とするメタルガスケット。
  2. 【請求項2】 コーティング層の特性をシール部位に応
    じて変更したことを特徴とする請求項1記載のメタルガ
    スケット。
  3. 【請求項3】 コーティング層の素材をシール部位に応
    じて変更したことを特徴とする請求項1又は2に記載の
    メタルガスケット。
  4. 【請求項4】 コーティング層の厚さをシール部位に応
    じて変更したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のメタルガスケット。
  5. 【請求項5】 コーティング層の厚さを2つの部材のボ
    ルト締結部位側へ行くにしたがって段階的或いは連続的
    に薄くした請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタル
    ガスケット。
  6. 【請求項6】 高面圧が要求される部位のコーティング
    層の厚さを他の部分よりも厚くした請求項1〜4のいず
    れか1項に記載のメタルガスケット。
  7. 【請求項7】 コーティング層の幅をシール部位に応じ
    て変更したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1
    項記載のメタルガスケット。
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