JP2019163798A - 金属製ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】シール性能を全体的に向上でき、しかも製作コストを低減し得る金属製ガスケットと、素材金属板に対するシール部の接着強度を加圧接合により向上し得るガスケット構成板の製造方法を提供する。【解決手段】2枚のガスケット構成板10、30を積層してなり、第1ガスケット構成板10の外面に、幅を有する被覆部13a、14aが、平面視においてビード20、23を覆うように、ビード20、23に沿ってそれぞれ設けられ、被覆部13a、14aの外面に厚さ方向の外方側へ突出するシール突部13b、14bが被覆部13a、14aに沿って設けられ、被覆部13a、14aとシール突部13b、14bとを有するシール部13、14が、ゴム材料を用いて一体成形された単一部材で構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用エンジンのヘッドガスケットとして好適に利用可能な金属製ガスケット及びそれに用いるガスケット構成板の製造方法に関する。
最近の燃費重視エンジンは、燃焼効率追求とは別に軽量化技術を平行し開発が進んでいる。特に軽量化は最適設計でないと、エンジン剛性が保たれずシリンダヘッドとシリンダブロックの合わせ面の締付け時に平面度が大きくなるので、その分ヘッドガスケットのシール性能が求められる。しかし、カムシャフトやクランクシャフトは回転軸であることから、エンジン剛性が低下したとしても、ある一定のタワミを抑える剛性は必要である。特にカムシャフトが配置されているシリンダヘッドはボルト締付けの影響を受ける為、締付けボルトの軸力低減は有効な手段で有る。しかし、締付けボルトの軸力低減はヘッドガスケットのシール性能の低下の主要因となる。
このようなことから、ヘッドガスケットのシール性能を極力向上するため、ヘッドガスケットを構成するガスケット構成板の素材金属板として、金属板の片面または両面における全面に、ゴム層を形成したものも提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、エンジンの冷却水との接触部分にまでゴム層を形成すると、ゴム層の一部が剥離したときに、剥離したゴム片が冷却水に混ざって、ゴミ詰まりにより冷却性能が低下するという問題が発生する。
そこで、特許文献1記載のガスケット構成板のうちの、例えばウォータジャケットに対面するゴム層を、ウォータジェットにより除去したり、ビード及びビードに対面する必要部分にのみ、スプレー塗布やスクリーン印刷により、液状のゴム材料を塗布して、ゴム材料からなるコーティング層を形成したりすることで、ゴム層の剥離による冷却性能の低下を極力防止するように構成した金属製ガスケットも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、ガスケット構成板に形成するコーティング層として、金属板の全面に施したNBRゴムやフッ素樹脂等を用いてなるミクロシール用コーティングと、シリンダボア用穴、冷却水やエンジンオイルの循環のための液体穴、締結ボルト用のボルト穴、ギヤボックス用穴等などの穴を取り囲むように形成したシール用コーティングとを備え、シール用コーティングの厚さをミクロシール用コーティングよりも厚く設定して、シール用コーティングにより複数本のシールラインを形成することで、シール性能を向上するように構成したヘッドガスケットも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2008−164122号公報 特開2000−28002号公報 特許第3547417号公報
ところが、ゴム層の不要部分をウォータジェットにより除去する場合には、不要部分の除去作業に多くの時間を要し、ヘッドガスケットの生産性が低下するとともに、ゴム材料の無駄が多くなって、ヘッドガスケットの製作コストが高くなるという問題がある。また、一様な厚さのゴム層しか形成できず、特許文献3記載のような、高さの異なるコーティング層を形成できないという問題もある。
一方、スクリーン印刷によりコーティング層を形成する場合には、不要部分の除去作業が不要となり、生産性を向上できるとともに、ゴム材料の無駄を極力少なくして、ヘッドガスケットの製作コストを低減できる。また、特許文献3記載のような、高さや材料の異なるコーティング層を形成することもできる。
しかし、スクリーン印刷するゴム材料として、溶剤を添加して希釈した液状のゴム材料を用いる必要があり、しかも塗布したゴム材料を金属板に対して加圧接合しないので、金属板に対するコーティング層の接着強度が低くなるという問題があった。
また、特許文献3記載のように、高さの異なるコーティング層を形成する場合には、高さの異なるコーティング層毎に、ガスケット構成板をマスキングしてスプレー塗布したり、異なるスクリーンでスクリーン印刷を行ったりする必要があり、コーティング層の形成のための工程数が増えて、その分生産性が低下したり、製作コストが高くなるという問題がある。しかも、特許文献3記載のシール用コーティングのように、幅の狭いコーティング層を形成する場合には、該コーティング層と金属板との接触面積が小さくなることから、該コーティング層がどうしても剥離し易くなるという問題もある。
本発明の目的は、シール部の接着強度を加圧接合により向上できるとともに、シール性能を全体的に向上でき、しかも製作コストを低減し得る金属製ガスケットと、ガスケット構成板の製作コストを低減できるとともに、素材金属板に対するシール部の接着強度を加圧接合により向上し得るガスケット構成板の製造方法を提供することである。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) シール用のビードが設けられた1枚のガスケット構成板からなる金属製ガスケットであって、前記ガスケット構成板の少なくとも一方の面に、幅を有する被覆部が、前記ビードを覆うように前記ビードに沿って設けられ、前記被覆部の外面に前記被覆部の厚さ方向の外方側へ突出するシール突部が前記被覆部に沿って設けられ、前記被覆部と前記シール突部とを有するシール部が、ゴム材料を用いて前記ガスケット構成板上に一体成形された単一部材で構成されている、ことを特徴とする金属製ガスケット。
(2) 複数枚のガスケット構成板を積層してなり、前記複数枚のガスケット構成板の少なくとも1枚にシール用のビードが設けられた金属製ガスケットであって、前記複数枚のガスケット構成板のうちの少なくとも一方の外面側に配置されるガスケット構成板の外面に、幅を有する被覆部が、平面視において前記ビードを覆うように、前記ビードに沿って設けられ、前記被覆部の外面に厚さ方向の外方側へ突出するシール突部が前記被覆部に沿って設けられ、前記被覆部とシール突部とを有するシール部が、ゴム材料を用いて一体成形された単一部材で構成されている、ことを特徴とする金属製ガスケット。なお、「被覆部が、平面視において前記ビードを覆うように」とは、被覆部がビードの上面或いはそれよりも上側にビードの上面側を覆うように配置されている場合と、被覆部がビードの下面或いはそれよりも下側にビードの下面側を覆うように配置されている場合の双方を意味するものとする。
前記(1)及び(2)の金属製ガスケットでは、シリンダヘッドとシリンダブロック間などの2つの部材間に金属製ガスケットを介装することで、両部材間において、燃焼ガスや冷却水や潤滑オイルなどの流体をシールすることになる。特に、シリンダヘッドやシリンダブロックは鋳物で構成され、金属製ガスケットと比較して表面粗さが粗く、シリンダヘッドやシリンダブロックに対する金属製ガスケットの接触部分におけるシール性能が低下し易いので、前記(1)及び(2)の金属製ガスケットのように、少なくとも一方の外面にビードに対応させてゴム材料からなるシール部を形成することでシール性能を向上できる。また、前記(1)及び(2)の金属製ガスケットのように、シール部にシール突部を備えさせると、ビードだけでなくシール突部によっても、シール性能を向上することができる。更に、前記(1)及び(2)の金属製ガスケットでは、シール部がゴム材料を用いて一体成形された単一部材で構成されているので、スプレー塗布やスクリーン印刷によりシール部を形成する場合と比較して、ガスケット構成板の金属基板に対するシール部の接着強度を加圧接合により向上できること、幅の狭いシール突部を形成する場合であっても、シール突部の剥離を効果的に防止できること、工程数を増やすことなくシール突部を有するシール部を成形できるとともに、必要部分にのみシール部を成形して、ゴム材料の無駄を少なくできるので、金属製ガスケットの製作コストを安くできること、などの作用効果が得られる。
(3) 前記ビードを有するガスケット構成板が、前記複数枚のガスケット構成板のうちの少なくとも一方の外面側に配置され、前記被覆部が、前記ビードを有するガスケット構成板の外面に、前記ビードを覆うように前記ビードに沿って設けられている前記(2)記載の金属製ガスケット。
(4) 前記シール突部が前記ビードのシール線よりも外方側に設けられている前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属製ガスケット。例えば、自動車用エンジンの燃焼室周りをシールする燃焼室ビードにおいては、燃焼室ビードの内側の燃焼ガスと外側の冷却水とを区画するようにシールすることになるが、燃焼ガスはビードにより概ねシールされることになる。また、被覆部とシリンダブロック又はシリンダヘッドとの隙間が極めて小さなものとなるので、燃焼ガスがビードから冷却水側へ多少漏れたとしても、漏れた燃焼ガスのガス圧は、圧力損により非常に低圧となる。このため、本発明のように、ビードのシール線よりも外方側にシール突起を設けることにより、燃焼ガスがビードから冷却水側へ多少漏れようとしても、該燃焼ガスをシール突起によって確実にシールすることができる。また、冷却水及び潤滑油は、燃焼ガスと比較して低圧なので、ヘッドボルトの締め付け力が燃焼室ビードに作用するように、ビードとシール突起とでシールすることになる。
(5) 前記シール部を構成するゴム材料としてフッ素ゴムを用いてなる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属製ガスケット。
(6) 素材金属板上に、ビードの配設位置に対応させて未加硫の素材ゴム片を載置して、前記素材金属板と金型間において、前記ビードの配設位置に沿って、前記素材ゴム片を加熱圧縮して、加硫するとともに展延し、前記素材ゴム片により、前記素材金属板上に、前記ビードの配設位置に対応させて被覆部を有するシール部を成形することを特徴とするガスケット構成板の製造方法。
この製造方法では、素材金属板と金型間において、未加硫の素材ゴム片を加熱圧縮して、加硫するとともに展延し、ビードの配設位置に沿ってシール部を成形するので、ゴム材料の無駄を極力少なくして、ガスケット構成板の製作コストを低減できるとともに、スクリーン印刷やスプレー塗布により液状のゴム材料を素材金属板に対して塗布して、シール部を形成する場合と比較して、素材金属板に対するシール部の接着強度を加圧接合により向上できる。
(7) 前記金型は、前記ビードの配設位置に対応させて嵌合溝部を形成した雌型と、前記嵌合溝部に進退可能に内嵌される雄型とを備え、前記雄型の先端面に前記素材ゴム片を加圧する加圧面が形成されている(6)記載のガスケット構成板の製造方法。この場合には、ビードの成形時に、ビードの両側方へ突出するゴム材料のバリの発生を極力少なくできる。
(8) 前記金型における前記素材ゴム片の加圧面に、前記被覆部に沿って延びる溝部を設け、前記シール部の成形時に、前記溝部により、前記被覆部の外面に前記被覆部の厚さ方向の外方側へ突出するシール突部を前記被覆部に沿って成形し、前記被覆部と前記シール突部とを有する前記シール部を前記素材金属板上に一体成形する前記(6)又は(7)記載のガスケット構成板の製造方法。この場合には、被覆部とシール突部とを同時に成形でき、例えばスクリーン印刷のようにスクリーンを変えて被覆部とシール突部を形成する必要がないので、工程数を増やすことなく、被覆部とシール突部とを同時成形できる。しかも、シール突部が、被覆部と一体成形された単一部材で構成されるので、シール突部の幅を狭く構成した場合であっても、使用時におけるシール突部の剥離を効果的に防止できる。
(9) 前記シール部を成形した前記素材金属板に対して、前記シール部に沿ってビードを成形する工程を備えた前記(6)〜(8)のいずれかに記載のガスケット構成板の製造方法。
本発明に係る金属製ガスケットによれば、シール部の接着強度を加圧接合により向上できるとともに、金属製ガスケットのシール性能を向上でき、しかも金属製ガスケットの製作コストを低減できる。
本発明に係るガスケット構成板の製造方法によれば、ガスケット構成板の製作コストを低減できるとともに、素材金属板に対するシール部の接着強度を加圧接合により向上できる。
図1は、金属製ガスケットを組付けたエンジンの分解状態での要部断面図(図2におけるI-I線位置での断面図)である。 図2は、第1ガスケット構成板の平面図である。 図3は、シール部を省略した状態での第1ガスケット構成板の平面図である。 図4Aは、第2ガスケット構成板の平面図である。 図4Bは、第2ガスケット構成板の底面図である。 図5Aは、第1の他の構成の金属ガスケットの外周シール部付近の縦断面図である。 図5Bは、第2の他の構成の金属ガスケットの燃焼室シール部付近の縦断面図である。 図5Cは、第3の他の構成の金属ガスケットの燃焼室シール部付近の縦断面図である。 図6Aは、第4の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図6Bは、第4の他の構成の金属ガスケットで用いるシム板の平面図である。 図7Aは、第5の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図7Bは、第6の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図7Cは、第7の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図7Dは、第8の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図7Eは、第9の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図8Aは、第10の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図8Bは、第11の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図8Cは、第12の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図8Dは、第13の他の構成の金属ガスケットの縦断面図である。 図9は、シール部を成形する金型装置の分解斜視図である。 図10は、素材ゴム片を載置したときにおける、シール部の成形方法の説明図である。 図11Aは、素材ゴム片を載置したときにおける、シール部の成形方法の説明図である。 図11Bは、素材ゴム片を加熱圧縮したときにおける、シール部の成形方法の説明図である。 図12は、ビードを成形する金型のビード成形時における要部縦断面図である。 図13は、素材金属板の両面にシール部を成形可能な金型装置の要部縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態は、本発明の金属製ガスケットを自動車用エンジンのヘッドガスケットに適用した場合のものである。なお、本実施の形態で用いる図面は、金属製ガスケットの各部の寸法を実際のものとは異なる寸法に設定することで、金属製ガスケットの要部の構成を誇張して示している。
図1、図2に示す金属製ガスケット10は、多気筒直列エンジン用の金属製ガスケットで、この金属製ガスケット10は、エンジン1のシリンダブロック2とシリンダヘッド3の合せ面2a、3a間に介装されて、燃焼ガス、冷却水、潤滑油などの流体をシールするものである。エンジン1としては、鋳鉄製のシリンダブロックを備えたエンジンや、シリンダブロック及びシリンダヘッドをアルミニウム合金やマグネシウム合金などの軽合金を主体として構成したエンジンなど、周知の構成のエンジンに、本発明の金属製ガスケット10を適用できる。本実施の形態では、ウォータジャケット4の上面を開放させたオープンデッキタイプのシリンダブロック2を備え、シリンダブロック2及びシリンダヘッド3をアルミニウム合金で構成したエンジン1に本発明を適用した場合について説明するが、ウォータジャケット4の上面を開放させていないシリンダブロックに対しても本発明を同様に適用できる。
金属製ガスケット10は、第1ガスケット構成板11と第2ガスケット構成板30とを備え、両ガスケット構成板11、30を積層状に結合したものである。
第1ガスケット構成板11は、図1〜図3に示すように、金属材料からなる第1金属基板12と、第1金属基板12の上面に積層状に設けたゴム材料からなる燃焼室シール部13及び外周シール部14とを備え、両シール部13,14は、シール性能を向上しつつ、冷却水との接触による剥離を防止するため、ウォータジャケット4内に配置されないように構成され、第1金属基板12は、両シール部13,14の配設位置以外において外部に露出されている。なお、図2では、両シール部13,14の領域が明確になるように、両シール部13,14が形成されている部分を仮想的に網点で示した。
第1金属基板12は、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との合せ面2a、3aと略同じ平面形状に形成され、JIS規格におけるSUS301などのステンレス鋼板、あるいはこれと同等の特性を有する周知の金属材料で構成されている。第1金属基板12としては、例えば0.15mm〜0.4mm、好ましくは0.15mm〜0.35mmの板厚のものを採用できる。
第1ガスケット構成板11の幅方向の略中央部には長さ方向に間隔をあけて丸孔からなる複数の燃焼室孔15が燃焼室5に対応させて形成され、ウォータジャケット4に対応する位置には複数の冷却水孔16が所定配列で形成されている。ウォータジャケット4の外側に対応する位置には複数個のボルト挿通孔17が燃焼室孔15を取り囲むように略等間隔で形成され、ボルト挿通孔17にヘッドボルト(図示略)を挿通させて、シリンダヘッド3をシリンダブロック2に固定できるように構成されている。特定のボルト挿通孔17の外側には潤滑油が流通する油孔18が形成され、シリンダブロック2からシリンダヘッド3側へ潤滑油を供給して、動弁機構等を潤滑できるように構成されている。
第1ガスケット構成板11には、図1、図3に示すように、燃焼室5を取り囲む燃焼室ビード20と、ボルト挿通孔17を取り囲むボルト孔ビード21と、ボルト挿通孔17と油孔18とを併せて取り囲むボルト油孔ビード22と、ウォータジャケット4を取り囲むように隣接配置されるビード21、22を連結して、ビード21、22との協働によりウォータジャケット4を取り囲む外周ビード23が形成されている。尚、外周ビード23は、ボルト孔ビード21及びボルト油孔ビード22とは独立に、ウォータジャケット4を取り囲む環状に形成することもできる。
ビード20〜23は、断面形状が部分円弧状の丸ビードで構成されている。ただし、ビード20〜23は、丸ビードに代えて、図5Aに示す第1ガスケット構成板11Aのように、第1金属基板12Aに傾斜部を設けた段差ビード25で構成することもできるし、丸ビードと段差ビードとを任意に組み合わせて構成することもできる。例えば、高度なシール性能が要求される燃焼室ビード20を丸ビードで構成し、その他のビードを段差ビード25で構成することもできる。また、第1ガスケット構成板11における、燃焼室孔15、冷却水孔16、ボルト挿通孔17、油孔18の形状や個数や配置、ビード20〜23の形状や個数や配置はエンジンの構成等に応じて任意に設定できる。
燃焼室シール部13は、燃焼室ビード20を覆うように設けた幅を有する被覆部13aと、被覆部13aの外周縁に沿って被覆部13aの上面に上方へ突出状に設けたシール突部13bとを有し、ゴム材料を用いて第1金属基板12の上面に一体成形された単一部材で構成されている。
燃焼室シール部13の被覆部13aは、少なくとも燃焼室ビード20全体を覆うように、隣接する燃焼室孔15間と、燃焼室孔15とウォータジャケット4の内縁に対応する位置間に連続的に設けられ、ウォータジャケット4内に配置されないように構成されている。被覆部13aの厚さは、任意に設定可能であるが、例えば10μm〜30μmに設定できる。
燃焼室シール部13のシール突部13bは、被覆部13aの外周縁に沿って、燃焼室ビード20よりも外側に設けられ、燃焼室ビード20とシリンダヘッド3間のシール線を経てウォータジャケット4側へ漏洩しようとする燃焼ガスを効果的にシールできるように構成されている。燃焼室ビード20の自然状態での突出高さH1は、任意に設定可能であるが、例えば0.11mm〜0.2mmに設定でき、第1金属基板12の上面からシール突部13bの先端部までのシール突部13bの高さH2は、燃焼室ビード20の突出高さH1の30%〜50%に設定でき、シール突部13bの幅W1は、シール突部13bの高さH2の10倍〜15倍に設定できる。ただし、シール突部13bは、図5Bに示す第1ガスケット構成板11Bの燃焼室シール部13Bのように、燃焼室ビード20の外周側と内周側の両方に設けることができるし、図5Cに示す第1ガスケット構成板11Cの燃焼室シール部13Cのように、複数本(図5Cでは2本)のシール突部13bを並列状に設けることもできる。
外周シール部14は、ボルト孔ビード21とボルト油孔ビード22と外周ビード23の覆うように、これらのビード21〜23に沿って第1金属基板12の上面に設けた幅を有する被覆部14aと、被覆部14aの外周縁に沿って被覆部14aの上面に上方へ突出状に設けたシール突部14bとを有し、ゴム材料を用いて第1金属基板12の上面に一体成形された単一部材で構成されている。
外周シール部14の被覆部14aは、ウォータジャケット4の外縁よりも外方側において、ウォータジャケット4を取り囲むように連続的に設けられ、ウォータジャケット4内に配置されないように構成されている。被覆部14aの厚さは、任意に設定可能であるが、例えば20μm〜40μmに設定できる。
外周シール部14のシール突部14bは、被覆部14aの外周縁に沿ってビード21〜23よりも外側に設けられ、ビード21〜23とシリンダヘッド3間のシール線を経て外部へ漏洩しようとする冷却水、潤滑油などの流体を効果的にシールできるように構成されている。ビード21〜23の自然状態での突出高さH3は、任意に設定可能であるが、例えば0.11mm〜0.2mmに設定でき、第1金属基板12の上面からシール突部14bの先端部までのシール突部14bの高さH4は、ビード21〜23の突出高さH3の25%〜45%に設定でき、シール突部14bの幅W2は、シール突部14bの高さH4の10倍〜15倍に設定できる。ただし、シール突部14bは、燃焼室シール部13Bと同様に、被覆部14aの外周縁だけでなく、被覆部14aの冷却水をシールする内周縁に沿って設けることもできるし、被覆部14aのうちのボルト孔ビード21及びボルト油孔ビード22を被覆する部分の内周縁に沿って設けることもできる。また、燃焼室シール部13Cと同様に、複数本のシール突部14bを並列状に設けることもできる。
燃焼室シール部13及び外周シール部14は、スプレー塗布またはスクリーン印刷により形成したものではなく、後述するようにゴム片を用いて型内において第1金属基板12上に一体成形したものである。
燃焼室シール部13及び外周シール部14を構成するゴム材料としては、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(AR)、シリコンゴム等の合成ゴム、若しくは天然ゴム(NR)、またはそれらの混合物を採用できる。なお、燃焼室シール部13と外周シール部14とは、同じゴム材料で構成することもできるし、異なるゴム材料で構成することもできる。特に、燃焼室シール部13は、耐熱性能に対する要求が厳しいことから、耐熱性に優れたゴム材料、例えばフッ素ゴムで構成することが好ましい。
図1、図4に示すように、第2ガスケット構成板30は、金属材料からなる第2金属基板31と、第2金属基板31の両面に積層状に設けたゴム材料からなるコーティング層32,33とを備え、コーティング層32は、図4Aに示すように、第2金属板31の上面の全面に設けられている。一方、コーティング層33は、剥離したゴム片が冷却水に混入されないようにするため、図4Bに示すように、ウォータジャケット4内に露出しないように、ウォータジャケット4に対応する位置以外の部分に設けられ、ウォータジャケット4に対応する位置は、第2金属基板31が外部に露出するように構成されている。なお、図4A、図4Bでは、コーティング層32、33が形成されている部分を仮想的に網点で示すものとする。
第2金属基板31は、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との合せ面2a、3aと略同じ平面形状に形成され、JIS規格におけるSUS301などのステンレス鋼板、あるいはこれと同等の特性を有する周知の金属材料で構成されている。第2金属基板31の板厚は任意に設定できるが、例えば0.03mm〜0.15mm、好ましくは0.08mm〜0.12mmの板厚のものを採用できる。
第2ガスケット構成板30には、第1ガスケット構成板11における燃焼室孔15、ボルト挿通孔17、油孔18と同一形状で同一寸法の、燃焼室孔35、ボルト挿通孔37、油孔38とが同じ位置に形成されている。また、ウォータジャケット4の形成位置に対応させて、第1ガスケット構成板11における複数の冷却水孔16よりも大きな複数の冷却水孔36が形成されている。ただし、第1ガスケット構成板11の冷却水孔16は、第2ガスケット構成板30の冷却水孔36と同一形状、同一寸法に構成することもできる。
第2ガスケット構成板30の燃焼室孔35の周囲には、第1ガスケット構成板11の燃焼室ビード20の内周側に設けられる平坦部11aに重ね合わされる環状の折り返し部30aが形成され、ヘッドボルトを締め付けた状態で、燃焼室ビード20の周囲に折り返し部30aの板厚に相当する隙間が形成されるように構成して、燃焼室ビード20が平坦形状に全圧縮されないように構成されている。
コーティング層32,33は、液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷などの塗布技術により第2金属基板31上に塗布した後、加硫して形成した周知の構成のものである。コーティング層32の厚さは、3μm〜10μmに設定でき、コーティング層33の厚さは、10μm〜30μmに設定できる。
コーティング層32,33を構成するゴム材料としては、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(AR)、シリコンゴム等の合成ゴム、若しくは天然ゴム(NR)、またはそれらの混合物を採用できる。
金属製ガスケット10の作用について説明すると、金属製ガスケット10をシリンダヘッド3とシリンダブロック2間に組み付けた状態で、ビード20〜23に沿ってシール線が形成されて、シリンダヘッド3とシリンダブロック2間において、燃焼ガス、冷却水、潤滑油などの流体がシールされる。しかも、金属製ガスケット10とシリンダヘッド3間に燃焼室シール部13及び外周シール部14が配置され、金属製ガスケット10とシリンダブロック2間にコーティング層33が配置され、第1ガスケット構成板11と第2ガスケット構成板30間にコーティング層32が配置され、それぞれの金属部材間にゴム層が配置されるので、シール性能を大幅に向上できる。
特に、燃焼室シール部13は、燃焼室ビード20を覆う被覆部13aと、被覆部13aの外周縁に沿って設けたシール突部13bとを有するので、燃焼ガスは燃焼室ビード20により概ねシールされ、また燃焼室ビード20から冷却水側へ多少漏れたとしても、被覆部13aとシリンダヘッド3との隙間が極めて小さなものとなり、圧力損により非常に低圧となる。このため、燃焼ガスが燃焼室ビード20から冷却水側へ多少漏れようとしても、該燃焼ガスは燃焼室シール部13のシール突部13bによって確実にシールされることになる。また、外周シール部14に関しても、ビード21〜23を覆う被覆部14aと、該被覆部14aの外周縁に沿って設けられたシール突部14bを有するので、燃焼室シール部13と同様に、冷却水及び潤滑油をシール突部14bによって確実にシールすることができる。
また、両シール部13,14は、後述のように素材ゴム材料を用いて型内で成形するので、コーティング層32,33よりも製作コストは高くなるが、ビード20〜23に沿った必要部分にのみ形成しているので、ゴム材料の使用量を極力少なくできるとともに、ウォータジェットで不要なゴム層を除去する場合と比較して、生産性を向上できるので、全体として金属製ガスケット10の製作コストの上昇を抑制できる。
しかも、両シール部13,14をシリンダヘッド3側にのみ設けているので、金属製ガスケット10の製作コストの上昇を抑制しつつ、シール性能を向上できる。つまり、シリンダヘッド3やシリンダブロック2は鋳物で構成され、金属製ガスケット10と比較して表面が粗く、シリンダヘッド3やシリンダブロック2に対する金属製ガスケット10の接触部分におけるシール性能が低下し易い。特に、シリンダヘッド3は、ヘッドボルトの締結時に、シリンダブロック2に比して変形し易いので、シール性能が低下し易くなる。このため、金属製ガスケット10における、シリンダヘッド3側にのみシール部13、14を形成することで、金属製ガスケット10の製作コストの上昇を極力抑えつつ、シール性能を向上できる。
また、両シール部13、14は、ゴム材料を用いて一体成形した単一部材で構成されているので、スプレー塗布またはスクリーン印刷などの塗布技術によりシール部を形成する場合と比較して、第1金属基板12に対する接着強度を加圧接合により向上できること、幅の狭いシール突部13b、14bを形成する場合であっても、シール突部13b、14bの剥離を効果的に防止できること、製造工程数を増やすことなくシール突部13b、14bを有するシール部13,14を成形できること、などの効果が得られる。
更に、両シール部13,14及びコーティング層33が、ウォータジャケット4内に配置されていないので、冷却水との接触による両シール部13,14及びコーティング層33の剥離を防止して、剥離したゴム片が詰まることによる冷却性能の低下を防止できる。
次に、前記金属製ガスケット10におけるガスケット構成板の積層構造を部分的に変更した他の実施の形態について説明する。尚、前記実施の形態と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
(1)図6Aに示す金属製ガスケット10Dは、第1ガスケット構成板11に代えて、第1ガスケット構成板11の下面にコーティング層40を形成した第1ガスケット構成板11Dを設け、第2ガスケット構成板30に代えて、第1ガスケット構成板11Dの下側にシム板41を積層状に設けたものである。
第1ガスケット構成板11Dのコーティング層40は、ウォータジャケット4に対応する位置に配置されないように、第1金属基板12の下面に形成したもので、コーティング層33と同様に、液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷した後、加硫して形成されている。
シム板41は、図6A及び図6Bに示すように、金属基板46と、金属基板46の下面に形成したコーティング層42とを備えている。金属基板46は、燃焼室5を取り囲むように直列状に連ねた複数個のリング部46aと、ウォータジャケット4内に突出する連結部46bとを備え、シム板41は、連結部46bにおいて第1ガスケット構成板11Dにスポット溶接、リベット、メカニカルクリンチなどで接合されて、第1ガスケット構成板11Dの下側に積層状に設けられている。
シム板41の板厚は、任意に設定可能であるが、例えば0.01mm〜0.15mm、好ましくは0.05mm〜0.10mmに設定され、ヘッドボルトを締結した状態で、燃焼室ビード20における金属製ガスケット10の板厚が、シム板41の板厚分でだけ厚くなり、燃焼室ビード20の上下動が少なくなるように構成されている。
金属基板46は、JIS規格におけるSUS301などのステンレス鋼板、あるいはこれと同等の特性を有する周知の金属材料で構成されている。
コーティング層42は、コーティング層32,33と同様に、液状のゴム材料をスプレー塗布した後加硫して形成され、コーティング層42を設けることで、シリンダブロック2とシム板41との接触面におけるシール性能が十分に得られるように構成されている。
(2)図7Aに示す金属製ガスケット10Eは、金属製ガスケット10における第1ガスケット構成板11の下側に、第2ガスケット構成板30に代えて、第2ガスケット構成板30Eを積層状に設けたものである。
第2ガスケット構成板30Eは、第2ガスケット構成板30の下面に、コーティング層33に代えて、燃焼室シール部13E及び外周シール部14Eを燃焼室シール部13及び外周シール部14に対応させて設けたものである。
燃焼室シール部13Eは、燃焼室ビード20を覆うように、燃焼室ビード20に沿って設けた、幅を有する被覆部13Eaと、被覆部13Eaの外周縁に沿って被覆部13Eaの下面に下方へ突出状に設けたシール突部13Ebとを有し、燃焼室シール部13と同様に、ゴム材料を用いて第2金属基板31の下面に一体成形された単一部材で構成されている。
外周シール部14Eは、ビード21〜23を覆うように、ビード21〜23に沿って設けた、幅を有する被覆部14Eaと、被覆部14Eaの外周縁に沿って被覆部14Eaの下面に下方へ突出状に設けたシール突部14Ebとを有し、外周シール部14と同様に、ゴム材料を用いて第2金属基板31の下面に一体成形された単一部材で構成されている。
この金属製ガスケット10Eでは、シリンダヘッド3との接触部分に、シール突部13b、14bを有する燃焼室シール部13と外周シール部14が設けられ、シリンダブロック2との接触部分にも、シール突部13Eb、14Ebを有する燃焼室シール部13Eと外周シール部14Eが設けられるので、シール性能を一層向上できる。
(3)図7Bに示す金属製ガスケット10Fは、金属製ガスケット10における第2ガスケット構成板30の下側に第3ガスケット構成板43を更に設けて、第1ガスケット構成板11と第2ガスケット構成板30と第3ガスケット構成板43とを積層状に一体化したものである。
第3ガスケット構成板43は、第1ガスケット構成板11と略鏡像対称の構成のもので、第1ガスケット構成板11のビード20〜23に対応させて、ビード20F〜23F(ただし、ビード21F、22Fは図示略)を設け、シール部13、14に対応させて、第1金属基板12Fの下面にシール部13F、14Fを設けたものである。ただし、冷却水孔16Fは、第2ガスケット構成板30の冷却水孔36と同様に構成されている。なお、この金属製ガスケット10Fでは、第2ガスケット構成板30の下面が、ウォータジャケット4内に露出しないので、コーティング層33は、第2金属基板31の下面の全面に設けることもできる。
燃焼室シール部13Fは、燃焼室ビード20を覆うように、燃焼室ビード20に沿って設けた、幅を有する被覆部13Faと、被覆部13Faの外周縁に沿って被覆部13Faの下面に下方へ突出状に設けたシール突部13Fbとを有し、燃焼室シール部13と同様に、ゴム材料を用いて第1金属基板12Fの下面に一体成形された単一部材で構成されている。
外周シール部14Fは、ビード21〜23を覆うように、ビード21〜23に沿って設けた、幅を有する被覆部14Faと、被覆部14Faの外周縁に沿って被覆部14Faの下面に下方へ突出状に設けたシール突部14Fbとを有し、外周シール部14と同様に、ゴム材料を用いて第1金属基板12Fの下面に一体成形された単一部材で構成されている。
(4)図7Cに示す金属製ガスケット10Gは、金属製ガスケット10Fにおける第2ガスケット構成板30を省略するとともに、第3ガスケット構成板43に代えて、第3ガスケット構成板43の上面にコーティング層44を形成した第3ガスケット構成板43Gを第1ガスケット構成板11の下側に積層状に設けたものである。なお、コーティング層44は、コーティング層32と同様に、第1金属基板12Fの上面の全面に、液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷した後、加硫することにより形成されている。
(5)図7Dに示す金属製ガスケット10Hは、金属製ガスケット10Gにおける第1ガスケット構成板11に代えて、下面にコーティング層40を形成した金属製ガスケット10Dの第1ガスケット構成板11Dを設け、第1ガスケット構成板11Dと第3ガスケット構成板43G間にシム板41の金属基板46を設けたものである。
(6)図7Eに示す金属製ガスケット10Iは、金属製ガスケット10における折り返し部30aに代えて、燃焼室ビード20のシール線よりも外側まで延長した折り返し部30Iaを設けたものである。なお、金属製ガスケット10E、10Fにおいても、折り返し部30aに代えて、折り返し部30Iaを設けることができる。
前記金属製ガスケット10F、10G、10Hでは、シリンダヘッド3との接触部分に、シール突部13b、14bを有する燃焼室シール部13と外周シール部14が設けられ、シリンダブロック2との接触部分にも、シール突部13Fb、14Fbを有する燃焼室シール部13Fと外周シール部14Fが形成されているので、シール性能を一層向上できる。
なお、前記金属製ガスケット10E〜10Hに設けるビードは、前述と同様に、段差ビードで構成することもできるし、丸ビードと段差ビードを任意に組み合わせて構成することもできる。
次に、1枚のガスケット構成板で構成した、他の実施の形態の金属製ガスケットについて説明する。なお、前記実施の形態と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
(1)図8Aに示す金属製ガスケット10Jは、金属製ガスケット10における第1ガスケット構成板11の構成を部分的に変更した1枚のガスケット構成板11Jからなるものである。
ガスケット構成板11Jは、金属基板12Jと、金属基板12Jの下面に形成したコーティング層50とを備えている。
金属基板12Jは、第1ガスケット構成板11の第1金属基板12における丸ビードからなる外周ビード23に代えて、段差ビードからなる外周ビード23Jを設け、第1ガスケット構成板11の冷却水孔16に代えて、第2ガスケット構成板30の冷却水孔36と同様の構成の冷却水孔16Jを設けたもので、それ以外は、第1金属基板12と同様に構成されている。ただし、外周ビード23Jは丸ビードで構成することも可能である。
コーティング層50は、コーティング層33と同様に、ウォータジャケット4に対応する位置に配置されないように、金属基板12Jの下面に形成されており、液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷した後、加硫して形成されている。
この金属製ガスケット10Jでは、燃焼室シール部13と外周シール部14とにより、シリンダブロック2よりも変形し易いシリンダヘッド3と金属製ガスケット10J間におけるシール性能を向上できる。
(2)図8Bに示す金属製ガスケット10Kは、ガスケット構成板11Jにおける下面側のコーティング層50に代えて、ガスケット構成板11Jの燃焼室シール部13及び外周シール部14に対応させて、金属基板12Jの下面に燃焼室シール部13K及び外周シール部14Kを設けた、1枚のガスケット構成板11Kで構成されている。
燃焼室シール部13Kは、燃焼室ビード20を覆うように、燃焼室ビード20に沿って設けた、幅を有する被覆部13Kaと、被覆部13Kaの外周縁に沿って被覆部13Kaの下面に下方へ突出状に設けたシール突部13Kbとを有し、燃焼室シール部13と同様に、ゴム材料を用いて金属基板12Jの下面に一体成形された単一部材で構成されている。
外周シール部14Kは、ビード21〜23を覆うように、ビード21〜23に沿って設けた、幅を有する被覆部14Kaと、被覆部14Kaの外周縁に沿って被覆部14Kaの下面に下方へ突出状に設けたシール突部14Kbとを有し、外周シール部14と同様に、ゴム材料を用いて金属基板12Jの下面に一体成形された単一部材で構成されている。
この金属製ガスケット10Kでは、上面に燃焼室シール部13及び外周シール部14が設けられ、下面に燃焼室シール部13K及び外周シール部14Kが設けられるので、金属製ガスケット10Jと比較して製作コストは高くなるが、シリンダヘッド3及びシリンダブロック2に対するシール性能を向上できる。
(3)図8Cに示す金属製ガスケット10Lのガスケット構成板11Lは、ガスケット構成板11Jにおける金属基板12Jに代えて、燃焼室ビード20の内周側に燃焼室ビード20よりも小さな高さの複数の波形部51aを有するストッパ部51を設けた金属基板12Lを用いたもので、それ以外はガスケット構成板11Jと同様に構成されている。この金属製ガスケット10Lでは、金属製ガスケット10Jと同様の作用効果が得られるとともに、ストッパ部51により燃焼室ビード20が全圧縮することを防止できる。
(4)図8Dに示す金属製ガスケット10Mのガスケット構成板11Mは、ガスケット構成板11Jにおける金属基板12Jに代えて、燃焼室ビード20の内周側に燃焼室ビード20よりも小さな高さの環状の凹部52を形成した金属基板12Mを用い、凹部52内にフッ素樹脂などの耐熱性を有する硬質樹脂を充填してなる充填部53を設け、充填部53を覆うようにコーティング層50を形成し、凹部52と充填部53とでストッパ部54を形成したものである。この金属製ガスケット10Mでは、金属製ガスケット10Jと同様の作用効果が得られるとともに、ストッパ部54により燃焼室ビード20が全圧縮することを防止できる。
なお、前記金属製ガスケット10J〜10Mに設けるビードは、前述と同様に、段差ビードで構成することもできるし、丸ビードと段差ビードを任意に組み合わせて構成することもできる。
なお、本発明は、前述した以外の周知の構成の金属製ガスケットに対しても、該金属製ガスケットの両面の少なくとも一方の面を構成する金属基板の外面に、ゴム材料を用いて一体成形された、被覆部とシール突起とを有する単一部材からなるシール部を、ビードに沿って設けることで、同様に適用できる。
次に、燃焼室シール部及び外周シール部を有するガスケット構成板の製造方法について説明する。ここでは、第1ガスケット構成板11の製造方法を例示しながら説明するが、本発明の製造方法は、燃焼室シール部及び外周シール部を有するガスケット構成板であれば、第1ガスケット構成板11以外の構成のガスケット構成板に対しても同様に適用できる。
先ず、燃焼室シール部13及び外周シール部14を成形するためのシール成形用金型60について説明すると、図9に示すように、シール成形用金型60は、素材金属板100が位置決め載置される平坦面を有する下型61と、雄型71及び雌型72からなる上型70とを備えている。
素材金属板100は、第1ガスケット構成板11の第1金属基板12を構成するステンレス鋼板などの平坦な金属板に対して、予め打ち抜き加工を施して、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との合せ面2a、3aの外形に略沿った平面形状に成形するとともに、燃焼室孔15、冷却水孔16、ボルト挿通孔17、油孔18などの必要な孔を成形したものである。ただし、この打ち抜き加工は、燃焼室シール部13及び外周シール部14の成形後に行ってもよい。
下型61には位置決めピン62がボルト挿通孔17に対応させて上方へ突出状に設けられ、素材金属板100はボルト挿通孔17に位置決めピン62を挿通させて、下型61に位置決め載置される。
雄型71は、燃焼室シール部13に対応する平面形状の第1雄型73と、外周シール部14に対応する平面形状の第2雄型74とを備え、第1雄型73の先端面にはシール部13のシール突部13bに対応させて、シール突部13bに適合する形状及び寸法の環状の溝部73aが形成され、第2雄型74の先端面にはシール部14のシール突部14bに対応させて、シール突部14bに適合する形状及び寸法の環状の溝部74aが形成されている。雌型72には、第1雄型73が嵌合する第1嵌合溝部75と、第2雄型74が嵌合する第2嵌合溝部76とが形成されている。なお、1本のシール部13に対して複数本のシール突部13bを成形したり、1本のシール部14に対して複数本のシール突部14bを成形したりする場合には、それに応じた本数の溝部73a、74aを設けることになる。また、上型70に代えて、下面に燃焼室シール部13及び外周シール部14に対応する位置に両シール部13、14に適合する寸法の溝部を形成した上型を採用することも可能である。
燃焼室シール部13及び外周シール部14の成形方法について説明する。
先ず、図9に示すように、素材金属板100に対して脱脂処理を行った後、ボルト挿通孔17に位置決めピン62を挿通させて素材金属板100を下型61に位置決め載置する。
次に、図10、図11Aに示すように、素材金属板100上に雌型72を載置し、第1嵌合溝部75を通じて、素材金属板100における燃焼室シール部13に対応する位置に相互に間隔をあけて複数の未加硫の素材ゴム片101を載置するとともに、第2嵌合溝部76を通じて素材金属板100における外周シール部14に対応する位置に相互に間隔をあけて複数の未加硫の素材ゴム片101を載置する。なお、素材ゴム片101は、過不足なく燃焼室シール部13と外周シール部14が形成されるように、予め設定した位置に設定した分量だけ配置することになる。だだし、ゴム片を載置する前に、素材金属板100の上面におけるシール部13、14の成形位置に対して、接着剤を層状に塗布して、素材金属板100とシール部13,14との接着強度を高めるように構成することもできる。
素材ゴム片101としては、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(AR)、シリコンゴム等の合成ゴム、若しくは天然ゴム(NR)、またはそれらの混合物を採用できる。素材ゴム片101としては、シール部13、14を過不足なく成形可能なものであれば、その断面形状及び寸法は任意に設定できる。なお、素材ゴム片101に代えて、嵌合溝部75,76内に、未加硫のゴム紐を載置したり、未加硫のゴム粉末を一様に分散配置したりすることもできる。
次に、図11Bに示すように、素材ゴム片101を例えば50℃に加熱して軟化させるとともに、雄型71の第1雄型73と第2雄型74を雌型72の第1嵌合溝部75と第2嵌合溝部76とにそれぞれ嵌合させて、両雄型73、74の先端部で素材ゴム片101を加熱圧縮して、両嵌合溝部75、76内において素材ゴム片101を展延させる。このとき、展延したゴムは、溝部73a、74a内にも充填される。こうして素材ゴム片101を展延させた状態で、一定時間加熱保持してゴム材料を加硫し、所望の厚さの被覆部13aとシール突部13bを有する燃焼室シール部13と、所望の厚さの被覆部14aとシール突部14bを有する外周シール部14を素材金属板100上に成形する。
次に、下型61と上型70とを型開きして、燃焼室シール部13と外周シール部14とを一体的に成形した素材金属板100Aを取り出して、燃焼室シール部13と外周シール部14の外縁に形成されたバリを、例えば液体窒素を用いて凍結除去する。
次に、素材金属板100Aに対して燃焼室ビード20とボルト孔ビード21とボルト油孔ビード22と外周ビード23を周知の方法により成形する。
例えば、図12に示すように、燃焼室ビード20に対応させて設けた下方へ突出する突条80aと、ビード21〜23(ただし、図12ではビード22、23は図示略)に対応させて設けた、下方へ突出する突条80bとを有する凸型80と、燃焼室ビード20に対応させて形成した凹部81aと、ビード21〜23(ただし、図12ではビード22、23は図示略)に対応させて凹部81bを形成した凹型81を用い、凹型81に素材金属板100Aを載置した状態で、凸型80を下降させて凸型80の突条80a、80bで、素材金属板100Aを型押しして、ビード20〜23を成形することになる。
この第1ガスケット構成板11の製造方法では、下型61に載置した素材金属板100と上型70間において、素材ゴム片101を加熱圧縮して、加硫するとともに展延し、燃焼室ビード20に沿って燃焼室シール部13を素材金属板100上に一体的に成形するとともに、ビード21〜23に沿って外周シール部14を素材金属板100上に一体的に成形するので、ゴム材料の無駄を極力少なくして、第1ガスケット構成板11の製作コストを低減できるとともに、スクリーン印刷やスプレー塗布により液状のゴム材料を素材金属板100に対して塗布した後加硫して、シール部を形成する場合と比較して、素材金属板100に対するシール部13、14の接着強度を加圧接合により向上できる。
なお、第1ガスケット構成板11Dを製作するときには、前述のようにして製作した素材金属板100Aの下面側に、ウォータジャケット4に対応する位置に配置されないように、液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷した後加硫して、コーティング層40を形成するとともに、前記と同様にしてビード20〜23を成形することになる。
また、第2ガスケット構成板30Eを製作するときには、第2金属基板31の素材金属板に対して素材金属板100Aと同様にして、シール部13E、14Eを成形し、折り返し部30aを成形してから、素材金属板の上面に液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷した後加硫して、コーティング層32を形成することになる。
更に、第1ガスケット構成板43を製作するときには、第1金属基板12Fの素材金属板の下面に、素材金属板100Aと同様にして、シール部13F、14Fを成形した後、ビード20F〜23Fを成形することになる。
また、第1ガスケット構成板43Gを製作するときには、第1金属基板12Fの素材金属板の下面に、素材金属板100Aと同様にして、シール部13F、14Fを成形した後、素材金属板の上面に、液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷した後加硫して、コーティング層44を形成し、その後ビード20F〜23Fを成形することになる。
更に、ガスケット構成板11Jを製作する場合には、前述と同様にして製作した素材金属板100Aに、周知の方法によりビード20、23Jを成形し、またガスケット構成板11L、11Mにおいては、素材金属板100Aに対して周知の方法により、ビード20、23Jを成形するとともにストッパ部51、54をそれぞれ成形した後、或いはその前に素材金属板100Aの下面側に、ウォータジャケット4に対応する位置に配置されないように、液状のゴム材料をスプレー塗布またはスクリーン印刷した後加硫して、コーティング層50を形成することになる。
更にまた、ガスケット構成板11Kのように、両面に燃焼室シール部13、13K及び外周シール部14、14Kを成形する場合には、図13に示すように、下型61に代えて、雄型71及び雌型72と上下対称の雄型71A及び雌型72Aを有する下型70Aを設けたシール成形用金型60Aを用いることになる。
このシール成形用金型60Aを用いて素材金属板100の両面に対して同時に燃焼室シール部13、13K及び外周シール部14、14Kを成形する際には、先ず、下側の雄型71Aの第1雄型73A及び第2雄型74Aの上面に複数の素材ゴム片101を相互に間隔をあけて載置するとともに、下側の雌型72Aの上側に素材金属板100を位置決め載置し、素材金属板100上に上側の雌型72を載置するとともに、第1嵌合溝部75及び第2嵌合溝部76を通じて相互に間隔をあけて複数の素材ゴム片101を載置する。次に、第1雄型73、73Aを雌型72、72Aの第1嵌合溝部75、75Aに嵌合させるとともに、第2雄型74、74Aを雌型72、72Aの第2嵌合溝部76、76Aにそれぞれ嵌合させて、第1雄型73、73A間において、素材金属板100の上下面に素材ゴム片101を加熱圧縮して、加硫するとともに展延させるとともに、第2雄型74、74A間において、素材金属板100の上下面に、素材ゴム片101を加熱圧縮して、加硫するとともに展延させ、ゴム材料を溝部73a、73Aa内及び溝部74a、74Aa内にも充填した状態で一定時間保持して、素材金属板100の両面に対して同時に燃焼室シール部13、13K及び外周シール部14、14Kを成形することになる。
なお、前述した製造方法では、素材ゴム片を用いて被覆部とシール突部とを有するシール部を一体成形したが、溝部73a、74a、73Aa、74Aaを省略することで、シール突部を有しない被覆部のみからなるシール部を成形することもできる。
なお、本発明の金属製ガスケット及びガスケット構成板の製造方法は、自動車用のエンジン1のシリンダブロック2とシリンダヘッド3間に介装されるヘッドガスケット及びその製造方法以外に、シリンダヘッドと排気マニホールド間に配置されるガスケット及びそれを構成するガスケット構成板の製造方法に対しても適用できるし、自動車用以外のエンジン1や、各種産業機械における2つの部材間に介装されるガスケット及びそれを構成するガスケット構成板の製造方法に対しても適用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
1 エンジン
2 シリンダブロック
2a 合せ面
3 シリンダヘッド
3a 合せ面
4 ウォータジャケット
5 燃焼室
10 金属製ガスケット
11 ガスケット構成板
11a 平坦部
12 金属基板
13 燃焼室シール部
13a 被覆部
13b シール突部
14 外周シール部
14a 被覆部
14b シール突部
15 燃焼室孔
16 冷却水孔
17 ボルト挿通孔
18 油孔
20 燃焼室ビード
21 ボルト孔ビード
22 ボルト油孔ビード
23 外周ビード
30 第2ガスケット構成板
30a 折り返し部
31 第2金属基板
32 コーティング層
33 コーティング層
35 燃焼室孔
36 冷却水孔
37 ボルト挿通孔
38 油孔

11A ガスケット構成板
12A 金属基板
25 段差ビード

11B ガスケット構成板
13B 燃焼室シール部

11C ガスケット構成板
13C 燃焼室シール部

10D 金属製ガスケット
11D ガスケット構成板
40 コーティング層
41 シム板
42 コーティング層
46 金属基板
46a リング部
46b 連結部

10E 金属製ガスケット
13E 燃焼室シール部
13Ea 被覆部
13Eb シール突部
14E 外周シール部
14Ea 被覆部
14Eb シール突部
30E ガスケット構成板

10F 金属製ガスケット
12F 金属基板
13F 燃焼室シール部
13Fa 被覆部
13Fb シール突部
14F 外周シール部
14Fa 被覆部
14Fb シール突部
16F 冷却水孔
20F 燃焼室ビード
23F 外周ビード
43 ガスケット構成板

10G 金属製ガスケット
43G ガスケット構成板
44 コーティング層

10H 金属製ガスケット

10I 金属製ガスケット
30Ia 折り返し部

10J 金属製ガスケット
11J ガスケット構成板
12J 金属基板
16J 冷却水孔
23J 外周ビード
50 コーティング層

10K 金属製ガスケット
11K ガスケット構成板
13K 燃焼室シール部
13Ka 被覆部
13Kb シール突部
14K 外周シール部
14Ka 被覆部
14Kb シール突部

10L 金属製ガスケット
11L ガスケット構成板
12L 金属基板
51 ストッパ部
51a 波形部

10M 金属製ガスケット
11M ガスケット構成板
12M 金属基板
52 凹部
53 充填部
54 ストッパ部

60 シール成形用金型
61 下型
62 位置決めピン
70 上型
71 雄型
72 雌型
73 第1雄型
73a 溝部
74 第2雄型
74a 溝部
75 第1嵌合溝部
76 第2嵌合溝部

80 凸型
80a 突条
80b 突条
81 凹型
81a 凹部
81b 凹部
100 素材金属板
100A 素材金属板
101 素材ゴム片

60A シール成形用金型
70A 下型
71A 雄型
72A 雌型
73A 第1雄型
73Aa 溝部
74A 第2雄型
74Aa 溝部
75A 第1嵌合溝部
76A 第2嵌合溝部

Claims (9)

  1. シール用のビードが設けられた1枚のガスケット構成板からなる金属製ガスケットであって、
    前記ガスケット構成板の少なくとも一方の面に、幅を有する被覆部が、前記ビードを覆うように前記ビードに沿って設けられ、
    前記被覆部の外面に前記被覆部の厚さ方向の外方側へ突出するシール突部が前記被覆部に沿って設けられ、
    前記被覆部と前記シール突部とを有するシール部が、ゴム材料を用いて前記ガスケット構成板上に一体成形された単一部材で構成されている、
    ことを特徴とする金属製ガスケット。
  2. 複数枚のガスケット構成板を積層してなり、前記複数枚のガスケット構成板の少なくとも1枚にシール用のビードが設けられた金属製ガスケットであって、
    前記複数枚のガスケット構成板のうちの少なくとも一方の外面側に配置されるガスケット構成板の外面に、幅を有する被覆部が、平面視において前記ビードを覆うように、前記ビードに沿って設けられ、
    前記被覆部の外面に厚さ方向の外方側へ突出するシール突部が前記被覆部に沿って設けられ、
    前記被覆部とシール突部とを有するシール部が、ゴム材料を用いて一体成形された単一部材で構成されている、
    ことを特徴とする金属製ガスケット。
  3. 前記ビードを有するガスケット構成板が、前記複数枚のガスケット構成板のうちの少なくとも一方の外面側に配置され、前記被覆部が、前記ビードを有するガスケット構成板の外面に、前記ビードを覆うように前記ビードに沿って設けられている請求項2記載の金属製ガスケット。
  4. 前記シール突部が前記ビードのシール線よりも外方側に設けられている請求項1〜3のいずれか1項記載の金属製ガスケット。
  5. 前記シール部を構成するゴム材料としてフッ素ゴムを用いてなる請求項1〜4のいずれか1項記載の金属製ガスケット構成板。
  6. 素材金属板上に、ビードの配設位置に対応させて未加硫の素材ゴム片を載置して、前記素材金属板と金型間において、前記ビードの配設位置に沿って、前記素材ゴム片を加熱圧縮して、加硫するとともに展延し、前記素材ゴム片により、前記素材金属板上に、前記ビードの配設位置に対応させて被覆部を有するシール部を成形することを特徴とするガスケット構成板の製造方法。
  7. 前記金型は、前記ビードの配設位置に対応させて嵌合溝部を形成した雌型と、前記嵌合溝部に進退可能に内嵌される雄型とを備え、前記雄型の先端面に前記素材ゴム片を加圧する加圧面が形成されている請求項6記載のガスケット構成板の製造方法。
  8. 前記金型における前記素材ゴム片の加圧面に、前記被覆部に沿って延びる溝部を設け、前記シール部の成形時に、前記溝部により、前記被覆部の外面に前記被覆部の厚さ方向の外方側へ突出するシール突部を前記被覆部に沿って成形し、前記被覆部と前記シール突部とを有する前記シール部を前記素材金属板上に一体成形する請求項6又は7記載のガスケット構成板の製造方法。
  9. 前記シール部を成形した前記素材金属板に対して、前記シール部に沿ってビードを成形する工程を備えた請求項6〜8のいずれか1項記載のガスケット構成板の製造方法。
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