JP3642439B2 - 建築用パネル - Google Patents
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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は建築、構築物の内壁材、外壁材、屋根材、天井材、床材、間仕切り材、あるいは防火戸、等として使用でき、かつ、製造後に膨れ、反り等の変形がなく、しかも防火性、耐火性、機械強度に優れた建築用パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薄板状の表面材と裏面材にてフェノール樹脂発泡体(フェノールフォーム)からなる芯材をサンドイッチした建築用パネルは数多く発明、考案されて上市されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような芯材としてフェノールフォームを使用した建築用パネルでは、▲1▼一般的にフェノールフォームの自己接着性が弱く、表面材、裏面材と芯材との接着性に劣り、剥離が生じ易いものであった。▲2▼また、一般に芯材を各種合成樹脂発泡体とした際には、建築用パネル自体の機械強度に劣り、しかも合成樹脂発泡体の経時変化により、建築用パネル表面に凹凸が生じたり、反ったりする不具合が生じることがある場合もあった。▲3▼さらに、芯材の形成時に反応ガスが発生して芯材内に残留したり、フェノールフォーム中に、反応の際の縮合水が重量の数10パーセント位が保持され、製品の養生期間、あるいは建築用パネルの施工後に、外気温等の変化により、水分が水蒸気化し、逃げ道が無いために、建築用パネルの表面材もしくは裏面材と芯材間に残留し、建築用パネルの表面材裏面や裏面材裏面にガス膨れが発生したり、反ったりする等、経時的に建築用パネルに悪影響をおよぼす不具合を生じることもあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような欠点を除去するために、表面材と芯材との間に通気性シートを介在したので、建築用パネル自体の機械強度を向上させると共に、芯材との接着強度を向上させ、通気性シートと表面材の凹凸リブにより形成される空隙から、芯材内の反応ガスや水蒸気を建築用パネル外部に放出し、製造後の建築用パネルに反りやふくれ等の悪影響をおよぼさない建築用パネルを提案するものである。
【0005】
【実施例】
以下に図面を用いて、本発明に係る建築用パネルAの一実施例について詳細に説明する。すなわち、建築用パネルAは断面図である図1(a)、および図1(a)におけるイ部分の拡大図である図1(b)に示すように、表面材1と裏面材2でフェノール樹脂を主原料とする合成樹脂発泡体からなる芯材3を、サンドイッチした建築用パネルAであり、少なくとも表面材1の裏面側(芯材3側の面)に接着剤4を介して、通気性シート5を配したものである。
【0006】
表面材1、裏面材2は金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生成形等して各種任意形状に形成したもの、さらには、アルミニウム蒸着紙、アスベスト紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物からなるものである。
【0007】
さらに、少なくとも表面材1には凹部分6aと凸部分6bからなる凹凸リブ6を連続的に形成するものである。この凹凸リブ6は表面材1の機械的強度を向上すると共に、後記する通気性シート5と接着剤4を介して貼着されるものである。
【0008】
また、芯材3はフェノール樹脂を主原料とした合成樹脂発泡体からなるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材1、もしくは裏面材2の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材3中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることもできる。
【0009】
通気性シート5は例えば図2(a)に示すようなシート状物、あるいは図2(b)に示すようなメッシュ状物からなり、通気性を有するものである。また、通気性シート5は建築用パネルA自体の機械強度を向上させると共に、芯材3と表面材1との接着強度を向上させるものである。
【0010】
また、通気性シート5は、接着剤4を介して表面材1の凹凸リブ6の凹部分6aに接着されるものであり、通気性シート5と凹凸リブ6の凸部分6bとの間に断面略三角形状の空隙αが形成されるものである。
【0011】
この空隙αには図1(b)の矢印により示すように、芯材3の製造後に芯材3内から発生する反応ガスや水蒸気が通気性シート5を介して放出される部分であり、さらに放出されたガスは空隙αを介して建築用パネルAの木口部分から外部に放出され、製造後の建築用パネルAに反り、ふくれ等の悪影響をおよぼさないようにするものである。
【0012】
さらに、接着剤4の例としては、エラストマー型エポキシ樹脂、イソシアネート、例えばメチレンジイソシアネート(略称MDI)等のエマルジョンタイプ、ホットメルトタイプ、および、その変性イソシアネート、例えばウレタン変性、ビュレット変性イソシアネート、イソシアヌレート変性イソシアネート等の1種を用いるものであり、芯材3からの反応ガスや水蒸気の放出を妨げないために通気性タイプにするか、もしくは図1(b)に示すように表面材1の凹凸リブ6の凹部分6aにのみ接着剤4を塗布するものである。
【0013】
また、建築用パネルAの全体形状の例としては図3に示すように、金属製長尺状の薄板からなる表面材1、裏面材2と幅方向の一端に形成した雄型連結部7、他端に形成した雌型連結部8、および化粧面9とから形成したものであり、凹凸リブ6が建築用パネルAの長手方向に沿って設けられているものである。また、図では特に建築用パネルA同士の連結で生じる目地部に無機ボード10、無機系パッキング材11を介在して、さらに防火性、耐火性の向上を図った建築用パネルAとしたものである。
【0014】
【その他の実施例】
以上説明したのは、本発明に係る建築用パネルAの一実施例であり、図4に示すような建築用パネルAとすることもできる。すなわち、図4は裏面材2にも凹凸リブ6を形成し、通気性シート5を形成した建築用パネルAとしたものである。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る建築用パネルによれば、▲1▼凹凸リブと通気性シートにより建築用パネル自体の機械強度が向上する。▲2▼接着剤を使用するために表面材と芯材との接着強度が向上する。▲3▼通気性シートと表面材の凹凸リブにより形成される空隙から、芯材内の反応ガスや水蒸気を建築用パネル外部に放出でき、製造後の建築用パネルの反りやふくれ等を防止できる。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築用パネルの代表例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る建築用パネルに使用する通気性シートの例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る建築用パネルの全体形状の例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る建築用パネルのその他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
α 空隙
A 建築用パネル
1 表面材
2 裏面材
3 芯材
4 接着剤
5 通気性シート
6 凹凸リブ
6a 凹部分
6b 凸部分
7 雄型連結部
8 雌型連結部
9 化粧面
10 無機ボード
11 無機系パッキング材
【産業上の利用分野】
本発明は建築、構築物の内壁材、外壁材、屋根材、天井材、床材、間仕切り材、あるいは防火戸、等として使用でき、かつ、製造後に膨れ、反り等の変形がなく、しかも防火性、耐火性、機械強度に優れた建築用パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薄板状の表面材と裏面材にてフェノール樹脂発泡体(フェノールフォーム)からなる芯材をサンドイッチした建築用パネルは数多く発明、考案されて上市されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような芯材としてフェノールフォームを使用した建築用パネルでは、▲1▼一般的にフェノールフォームの自己接着性が弱く、表面材、裏面材と芯材との接着性に劣り、剥離が生じ易いものであった。▲2▼また、一般に芯材を各種合成樹脂発泡体とした際には、建築用パネル自体の機械強度に劣り、しかも合成樹脂発泡体の経時変化により、建築用パネル表面に凹凸が生じたり、反ったりする不具合が生じることがある場合もあった。▲3▼さらに、芯材の形成時に反応ガスが発生して芯材内に残留したり、フェノールフォーム中に、反応の際の縮合水が重量の数10パーセント位が保持され、製品の養生期間、あるいは建築用パネルの施工後に、外気温等の変化により、水分が水蒸気化し、逃げ道が無いために、建築用パネルの表面材もしくは裏面材と芯材間に残留し、建築用パネルの表面材裏面や裏面材裏面にガス膨れが発生したり、反ったりする等、経時的に建築用パネルに悪影響をおよぼす不具合を生じることもあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような欠点を除去するために、表面材と芯材との間に通気性シートを介在したので、建築用パネル自体の機械強度を向上させると共に、芯材との接着強度を向上させ、通気性シートと表面材の凹凸リブにより形成される空隙から、芯材内の反応ガスや水蒸気を建築用パネル外部に放出し、製造後の建築用パネルに反りやふくれ等の悪影響をおよぼさない建築用パネルを提案するものである。
【0005】
【実施例】
以下に図面を用いて、本発明に係る建築用パネルAの一実施例について詳細に説明する。すなわち、建築用パネルAは断面図である図1(a)、および図1(a)におけるイ部分の拡大図である図1(b)に示すように、表面材1と裏面材2でフェノール樹脂を主原料とする合成樹脂発泡体からなる芯材3を、サンドイッチした建築用パネルAであり、少なくとも表面材1の裏面側(芯材3側の面)に接着剤4を介して、通気性シート5を配したものである。
【0006】
表面材1、裏面材2は金属薄板、例えば鉄、アルミニウム、銅、ステンレス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板、ホーロー鋼板、クラッド鋼板、ラミネート鋼板(塩ビ鋼板等)、サンドイッチ鋼板(制振鋼板等)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等(勿論、これらを各種色調に塗装したカラー板を含む)の一種をロール成形、プレス成形、押出成形等によって各種形状に成形したもの、あるいは無機質材を押出成形、プレス成形、オートクレーブ養生成形等して各種任意形状に形成したもの、さらには、アルミニウム蒸着紙、アスベスト紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物からなるものである。
【0007】
さらに、少なくとも表面材1には凹部分6aと凸部分6bからなる凹凸リブ6を連続的に形成するものである。この凹凸リブ6は表面材1の機械的強度を向上すると共に、後記する通気性シート5と接着剤4を介して貼着されるものである。
【0008】
また、芯材3はフェノール樹脂を主原料とした合成樹脂発泡体からなるものであり、例えばレゾール型フェノールの原液と、硬化剤、発泡剤を混合し、表面材1、もしくは裏面材2の裏面側に吐出させ、加熱して反応・発泡・硬化させて形成したものである。また、芯材3中には各種難燃材として軽量骨材(パーライト粒、ガラスビーズ、石膏スラグ、タルク石、シラスバルーン、水酸化アルミニウム等)、繊維状物(グラスウール、ロックウール、カーボン繊維、グラファイト等)を混在させ、耐火性、防火性を向上させることもできる。
【0009】
通気性シート5は例えば図2(a)に示すようなシート状物、あるいは図2(b)に示すようなメッシュ状物からなり、通気性を有するものである。また、通気性シート5は建築用パネルA自体の機械強度を向上させると共に、芯材3と表面材1との接着強度を向上させるものである。
【0010】
また、通気性シート5は、接着剤4を介して表面材1の凹凸リブ6の凹部分6aに接着されるものであり、通気性シート5と凹凸リブ6の凸部分6bとの間に断面略三角形状の空隙αが形成されるものである。
【0011】
この空隙αには図1(b)の矢印により示すように、芯材3の製造後に芯材3内から発生する反応ガスや水蒸気が通気性シート5を介して放出される部分であり、さらに放出されたガスは空隙αを介して建築用パネルAの木口部分から外部に放出され、製造後の建築用パネルAに反り、ふくれ等の悪影響をおよぼさないようにするものである。
【0012】
さらに、接着剤4の例としては、エラストマー型エポキシ樹脂、イソシアネート、例えばメチレンジイソシアネート(略称MDI)等のエマルジョンタイプ、ホットメルトタイプ、および、その変性イソシアネート、例えばウレタン変性、ビュレット変性イソシアネート、イソシアヌレート変性イソシアネート等の1種を用いるものであり、芯材3からの反応ガスや水蒸気の放出を妨げないために通気性タイプにするか、もしくは図1(b)に示すように表面材1の凹凸リブ6の凹部分6aにのみ接着剤4を塗布するものである。
【0013】
また、建築用パネルAの全体形状の例としては図3に示すように、金属製長尺状の薄板からなる表面材1、裏面材2と幅方向の一端に形成した雄型連結部7、他端に形成した雌型連結部8、および化粧面9とから形成したものであり、凹凸リブ6が建築用パネルAの長手方向に沿って設けられているものである。また、図では特に建築用パネルA同士の連結で生じる目地部に無機ボード10、無機系パッキング材11を介在して、さらに防火性、耐火性の向上を図った建築用パネルAとしたものである。
【0014】
【その他の実施例】
以上説明したのは、本発明に係る建築用パネルAの一実施例であり、図4に示すような建築用パネルAとすることもできる。すなわち、図4は裏面材2にも凹凸リブ6を形成し、通気性シート5を形成した建築用パネルAとしたものである。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る建築用パネルによれば、▲1▼凹凸リブと通気性シートにより建築用パネル自体の機械強度が向上する。▲2▼接着剤を使用するために表面材と芯材との接着強度が向上する。▲3▼通気性シートと表面材の凹凸リブにより形成される空隙から、芯材内の反応ガスや水蒸気を建築用パネル外部に放出でき、製造後の建築用パネルの反りやふくれ等を防止できる。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築用パネルの代表例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る建築用パネルに使用する通気性シートの例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る建築用パネルの全体形状の例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る建築用パネルのその他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
α 空隙
A 建築用パネル
1 表面材
2 裏面材
3 芯材
4 接着剤
5 通気性シート
6 凹凸リブ
6a 凹部分
6b 凸部分
7 雄型連結部
8 雌型連結部
9 化粧面
10 無機ボード
11 無機系パッキング材
Claims (1)
- 表面材と裏面材にてフェノール樹脂を主成分とする合成樹脂発泡体からなる芯材をサンドイッチした建築用パネルにおいて、少なくとも前記表面材に長尺状の凹凸リブを形成すると共に、該表面材の裏面側に凹凸リブの凹部分に接着剤を介して通気性シートを配設したことを特徴とする建築用パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21145595A JP3642439B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 建築用パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21145595A JP3642439B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 建築用パネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0960152A JPH0960152A (ja) | 1997-03-04 |
JP3642439B2 true JP3642439B2 (ja) | 2005-04-27 |
Family
ID=16606229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21145595A Expired - Fee Related JP3642439B2 (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 建築用パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3642439B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194067A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Nippon Alum Co Ltd | パネル体 |
JP6401917B2 (ja) * | 2014-03-07 | 2018-10-10 | アイジー工業株式会社 | 外装構造 |
-
1995
- 1995-08-21 JP JP21145595A patent/JP3642439B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0960152A (ja) | 1997-03-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040531 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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