JP3642094B2 - 撮像システム及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオカメラを用いた監視システムのような撮像システムに関するものであり、特にビデオカメラの視野内にある被写体の動き検出と自動露出補正とを両立させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラにより監視エリアを撮影し、監視エリアに異常事態が発生した時に警報装置を作動させるように構成した撮像システムが知られている。このような撮像システムにおいては、ビデオカメラにより撮影した被写体の動きを検出することで異常事態の有無を判別する。そして、被写体の動きを検出する方法としては、
(1)現フィールドの画像と前フィールドの画像の同一アドレスにおける差分を求め、絶対値化した後、それをフィールド全体にわたって積分し、動きの有無を判断する、フィールドメモリ相関法、
(2)現フィールドと前フィールドとの同一ブロックあるいはフィールド全体のDCT(離散コサイン変換)のAC成分の差分値を演算し、動きの有無を判断する、DCT−AC相関法、
等があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、被写体の動きを検出する方法はビデオカメラの映像信号の輝度変化を用いるものであるため、監視エリア全体の輝度レベルが低下すると、動き検出感度が低下してしまうことが予想される。
【0004】
そこで、ビデオカメラに対して自動露出(AE)制御を行うことで視野全体の輝度の変化を補正することが考えられる。ビデオカメラにおける自動露出制御の方法としては、画面全体を複数の輝度検出エリアに分割し、その各エリアに重み付けをした輝度の積分値が一定になるようにアイリス及びAGCを制御することが一般的である。
【0005】
しかしながら、このようにして自動露出制御を行い、かつ被写体の動きを検出しようとすると、ビデオカメラの視野に対して移動物体の占める比率が高く、かつ背景と移動物体との輝度レベル差が大きい場合、自動露出制御が機能し、背景の輝度変化が発生するため、画面全体に動きがあるものと誤検出してしまう。この結果、真に変化している部分が画面のどの部分なのか正しく把握できなくなってしまう。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、動きの検出と自動露出制御とを両立させることのできる撮像システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る撮像システムは、被写体を撮像して得た映像信号を用いて動き検出を行う動き検出手段と、前記映像信号のレベルを基に自動露出制御を行う露出制御手段とを備え、動き検出手段及び露出制御手段は所定の時間毎にそれぞれ自動露出制御及び動き検出を繰り返し実行すると共に、露出制御手段は動き検出手段が動きを検出しなかったときは現在の映像信号のレベルを基に自動露出制御を行い、動きを検出したときは過去の最後に動きを検出しなかったときの映像信号のレベルを基に自動露出制御を行うことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る撮像システムの制御方法は、所定の時間毎に自動露出制御と動き検出とを繰り返し実行すると共に、動きを検出しなかったときは現在の映像信号のレベルを基に自動露出制御を行い、動きを検出したときは過去の最後に動きを検出しなかったときの映像信号のレベルを基に自動露出制御を行うことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しながら、
〔1〕本発明を適用した撮像システム
〔2〕本発明を適用した撮像システムにおけるマイコンの処理
〔3〕動き検出処理の詳細
(1)評価値算出ブロック
(2)マイコンにおける動き検出部の構成
(3)規準値の設定処理
(4)動き検出処理
の順序で詳細に説明する。
【0010】
〔1〕本発明を適用した撮像システム
図1は本発明を適用した撮像システムの全体のブロック構成を示す図である。この撮像システムは、監視エリアを撮像するビデオカメラ1と、ビデオカメラ1からの映像信号を基に監視エリアにおける被写体の動きを検出するデータ処理装置2と、ビデオカメラ1の出力を表示するモニター装置3と、ビデオカメラ1の出力を記録するビデオテープレコーダ(以下VTRという)4と、データ処理装置2の出力により警報動作を行う警報装置5と、データ処理装置2が作成した白枠信号をビデオカメラ1の出力に合成する合成回路6とを備えている。ここで、ビデオカメラ1とデータ処理装置2と合成回路6とは別々の筐体内に設けても共通の筐体内に設けてもよい。
【0011】
ビデオカメラ1は、レンズブロック11と、レンズブロック11を透過した被写体からの光学像を映像信号に変換するCCD12と、CCD12の出力をサンプル/ホールド及びゲイン調整を行うサンプル/ホールド及びAGC回路13と、サンプル/ホールド及びAGC回路13の出力を10ビットのデジタル信号に変換するA/D変換回路14と、A/D変換回路14の出力に対して所定のカメラ信号処理を施すカメラ信号処理回路15とを備えている。
【0012】
データ処理装置2は、ビデオカメラ1内のA/D変換回路14から送られてくるデジタルデータを用いて自動露出制御のための評価値と動き検出のための評価値とを算出する評価値算出ブロック16と、評価値算出ブロック16から送られてくる評価値を基に自動露出制御及び動き検出を実行するマイクロコンピュータ(以下マイコンという)17とを備えている。
【0013】
自動露出制御は以下のようにして行う。マイコン17は評価値算出ブロック16に対して1画面を数個に分割した輝度検出エリア(以下輝度検出枠という)を指定する。評価値算出ブロック16は輝度検出枠毎の輝度信号の積分値を算出し、評価値としてマイコン17へ送る。マイコン17は数個の輝度検出枠の評価値に所定の重み付けをした輝度の積分値を計算した後、それが一定になるようにレンズブロック11のアイリス(図示せず)を制御すると共に、サンプルホールド及びAGC回路13におけるゲインを制御する。
【0014】
動き検出は以下のようにして行う。マイコン17は、評価値算出ブロック16に対して動き検出を行うために1画面を数十個に分割した動き検出エリア(以下動き検出枠という)を指定する信号を与える。評価値算出ブロック16は、指定された動き検出枠内における評価値を算出してマイコン17に送る。マイコン17から被写体に動きがあることを示す信号を受けた時にその動き検出枠を指示するための白枠信号を作成して合成回路6へ出力する。また、被写体の動きを検出すると、VTR4に対して記録指令を与えると共に警報装置5に対して作動指令を与える。この結果、画面内における被写体に動きがあると、警報装置5が動作すると共に被写体の映像信号が記録される。
【0015】
〔2〕本発明を適用した撮像システムにおけるマイコンの処理
次に図2のフローチャートを参照しながら図1におけるマイコン17の処理について説明する。なお、この処理は1フィールド期間毎に繰り返す。
【0016】
図2の処理は大別すると、露出制御処理部と動き検出処理部とに分かれる。
露出制御処理部は、まずステップS1でAEモードに設定されているかどうかを判断する。そして、AEモードに設定されていないと判断した場合には、ステップS2でマニュアル露出(ME)処理を行った後、動き検出処理部へ移る。マニュアル露出処理では、ユーザーがマニュアル設定したアイリス値とAGC値に固定される。ステップS1でAEモードに設定されていると判断した場合には、次にステップS3で被写体に動きがあるかどうかを判断する。ここで、動きがあるかどうかの判断は、後述するステップS7の動き検出処理の結果を用いる。
【0017】
ステップS3において、動きがないと判断した場合には、ステップS4で第1の自動露出処理を行った後、動き検出処理部へ移る。そして、動きがあると判断した場合には、ステップS5で第2の自動露出処理を行なった後、動き検出処理部へ移る。
【0018】
ここで、第1の自動露出処理とは、評価値算出ブロック16から受け取った数個の輝度検出枠の評価値に所定の重み付けをした輝度の積分値を計算し、それが一定になるようにアイリス制御値とAGC値とを演算し、レンズブロック11とサンプルホールド及びAGC回路13へ出力する処理である。
【0019】
そして、第2の自動露出処理とは、第1の自動露出処理において演算され記憶されているアイリス制御値とAGC値とを受けとり、それをレンズブロック11とサンプルホールド及びAGC回路13へ出力する処理である。つまり、過去の最後に動きがないと判断した時のアイリス制御値とAGC値とを出力することになる。したがって、動きが検出された場合には、アイリス値とAGCのゲインは過去の最後に動きがなかった時の値にフリーズされる。
【0020】
動き検出処理部では、まずステップS6で動き検出を行うべきかどうかを判断する。この判断はユーザーが動き検出を行うキー入力を与えているかどうかを検出することにより行う。動き検出を行うべきでないと判断した場合には、最初に戻る。
【0021】
ステップS6で動き検出を行うべきであると判断した場合には、ステップS7で動き検出処理を行った後、最初に戻る。
【0022】
ここで、動き検出処理とは、各動き検出枠毎に動きの有無を判断し、全ての動き検出枠において動きがないと判断した場合に監視エリアに動きがないものとする。逆に、どれか1個の動き検出枠において動きがあるときは監視エリアに動きがあるものとする。
【0023】
各動き検出枠毎の動き検出は、予め各動き検出枠毎に正常状態における輝度信号の水平方向のピーク値を垂直方向に積分した値の最大値と最小値を基に算出した最大規準値と最小規準値を記憶しておき、各動き検出枠毎の現在の輝度信号の水平方向のピーク値を垂直方向に積分した値である評価値が前記最大規準値と最小規準値の範囲内に入っているかどうかを判断し、入っていればその動き検出枠には動きがないものとし、入っていなければその動き検出枠には動きがあるものとする。
【0024】
〔3〕動き検出処理の詳細
以下この動き検出処理について詳細に説明する。
【0025】
(1)評価値算出ブロック
図3は評価値算出ブロック16において動き検出のための評価値を算出する構成を示すブロック図である。この図に示すように、評価値算出ブロックは、前述したA/D変換回路14から出力される10ビットのデジタルデータから輝度信号を分離するローパスフィルタ21と、ローパスフィルタ21で分離された輝度信号をクランプするクランプ回路22と、クランプ回路22の出力からエッジ成分を検出するハイパスフィルタ23とを備えている。ハイパスフィルタ23のカットオフ周波数は、低輝度の被写体のエッジを抽出することを考慮して例えば100kHz程度に設定する。
【0026】
評価値算出ブロックは、さらに、画面上半分の所定の動き検出枠内の信号を抽出する第1のゲート回路24と、画面下半分の所定の動き検出枠内の信号を抽出する第2のゲート回路25と、第1のゲート回路24の出力信号の水平方向のピーク値をホールドする第1のH−ピークホールド回路26と、第2のゲート回路25の出力信号の水平方向のピーク値をホールドする第2のH−ピークホールド回路27と、第1のH−ピークホールド回路26の出力を垂直方向に積分する第1のV積分回路28と、第2のH−ピークホールド回路27の出力を垂直方向に積分する第2のV積分回路29とを備えている。
【0027】
ここで図4を参照しながら、前述した第1のゲート回路24及び第2のゲート回路25が抽出するエリアについて説明する。この図において、太線で囲まれたエリアは1画面に対応する。ここでは1画面を垂直方向にAチャンネルとBチャンネルに2分割し、さらに各々を水平方向に15分割、すなわち1画面を30個の動き検出枠に分割している。
【0028】
第1のゲート回路24は、1フィールド毎にAチャンネルの動き検出枠内のビデオデータを左端から順に抽出し、第2のゲート回路25は、1フィールド毎にBチャンネルの動き検出枠内のビデオデータを左端から順に抽出する。また、Aチャンネルの動き検出枠内のビデオデータの抽出とBチャンネルの動き検出枠内のビデオデータの抽出はパラレル又は時系列に行なわれる。ここで、動き検出枠の設定はマイコン17から出力される動き検出枠番号により行なわれる。
【0029】
フィールド#0のOddからフィールド#7のOdd、すなわち15フィールドで1画面全体の動き検出枠内のビデオデータの抽出が終わる。次に、フィールド#7のEvenで画面の左端の動き検出枠内のビデオデータの抽出を行なった後、フィールド#8のOddで再び画面の左端の動き検出枠内のビデオデータの抽出を行い、その後前述した動作を繰り返す。すなわち、画面の左端の動き検出枠内のビデオデータは16フィールド期間内に2回抽出することになる。これにより、奇数フィールドと偶数フィールドとのラインの相違により後述する評価値が変化しないようにしている。なお、フィールド#7のEvenにおける抽出データはフィールド#0のOddのデータとは別に処理され、動き検出に利用される。
【0030】
再び図3の説明に戻る。図3の評価値算出ブロックは、さらに、第1のV積分回路28の出力を動き検出枠毎に切り換えて出力する第1のスイッチング回路30と、第2のV積分回路29の出力を動き検出枠毎に切り換えて出力する第2のスイッチング回路31とを備えている。
【0031】
第1及び第2のH−ピークホールド回路26及び27は、各動き検出枠内における各ライン毎にピーク値を検出してホールドし、第1及び第2のV積分回路28及び29へ出力する。このとき、1個のピーク値ではなく2個あるいは3個のピーク値をホールドして出力するように構成してもよい。
【0032】
第1及び第2のV積分回路28及び29は、動き検出枠毎に水平方向のピーク値を垂直方向に積分する。1フィールドの有効ライン数を240本程度とすれば、各々120個程度のピーク値を積分することになる。
【0033】
第1及び第2のスイッチング回路30及び31は、第1及び第2のV積分回路28及び29の出力を動き検出枠毎の評価値としてマイコン17へ出力する。評価値は例えば2バイトのデータにより構成されている。ここで、スイッチング回路30及び31の出力に付されている番号1〜Nは動き検出枠の番号である(図4の場合N=16)。
【0034】
なお、以上説明した評価値算出ブロック中、ゲート回路以降はソフトウェアにより構成することもできる。
【0035】
(2)マイコンにおける動き検出部の構成
図5にマイコン17における動き検出部の1チャンネル分の構成を示す。この図に示すように、マイコン17は各動き検出枠毎に動き検出を行うように構成されている。ここでは、動き検出枠1の動きを検出するブロックである41−1のみ内部の構成を示してある。
【0036】
各動き検出ブロック41−1〜41−Nは、最大値レジスタ51と、最小値レジスタ52と、最大値レジスタ51に格納されている値と現在入力されている評価値とを比較する第1の比較器53と、最小値レジスタ52に格納されている値と現在入力されている評価値とを比較する第2の比較器54と、スイッチング回路SW1と、スイッチング回路SW2と、第1の比較器53の出力の符号を格納する第1の符号レジスタ55と、第2の比較器54の出力の符号を格納する第2の符号レジスタ56と、第1及び第2の符号レジスタ55及び56のアンド出力をとるアンドゲート57とから構成されている。
【0037】
スイッチSW1及びSW2は、スリーステートポジションのスイッチである。最大値レジスタ51及び最小値レジスタ52は、スイッチSW1及びSW2がL(ロー)に接続されている時に評価値を格納する。第1及び第2の符号レジスタ55及び56は、第1及び第2の比較器53及び54の出力を格納する以外は、常にホールド状態にある。
【0038】
アンドゲート57は、第1又は第2の符号レジスタの出力のどちらか一方がLのときに、その動き検出枠内の被写体に動きがあるものと判断する。各検出ブロック41−1〜41−Nの出力はアンドゲート61へ送られる。アンドゲート61の出力がLのときには、画面内の被写体に動きがあるものと判断し、Hのときは動きがないものと判断する。つまり、少なくとも1個の動き検出枠内の被写体に動きがあるときに、画面内の被写体に動きがあるものとしている。
【0039】
以上説明した動き検出部の構成において、最大値レジスタ51、最小値レジスタ52、第1及び第2の符号レジスタ55及び56以外は、マイコンのソフトウェアにより構成されているが、ハードロジックにより構成することもできる。
【0040】
(3)規準値の設定処理
次に図2に示したフローに先立って行う規準値設定処理について説明する。
まず初期設定を行う。ここでは、図3のHPF23のカットオフ周波数が切り換え可能な場合にその設定、図3のH−ピークホールド回路26,27におけるピーク数(1点、3点等)の設定等を行う。
【0041】
次に動き検出枠毎に以下の▲1▼〜▲5▼の操作を行うことにより動き検出の規準値を算出する。
【0042】
▲1▼:スイッチSW1及びSW2をLポジションに設定し、動き検出枠の評価値を最大値レジスタ51及び最小値レジスタ52ヘ格納する。このとき、最大値レジスタ51の値と最小値レジスタ52の値とは等しくなる。
【0043】
▲2▼:スイッチSW1及びSW2をMポジションに設定すると共に、評価値を第1及び第2の比較器53及び54へ入力させる。
【0044】
▲3▼:評価値が最大値レジスタ51の値よりも大きいときには第1の比較器53の出力はLとなる。このとき、最大値レジスタ51の値が評価値により更新される。また、評価値が最小値レジスタ52の値よりも小さいときには第2の比較器54の出力はLとなる。このとき、最小値レジスタ52の値が評価値により更新される。評価値が最大値レジスタ51の値と最小値レジスタ52の値との間にあるときには、これらのレジスタの値は更新されない。以上の操作を各動き検出枠について例えば数十回行う。この回数(時間)は、ビデオカメラの視野内で正常な動きの周期が入る最短時間に設定する。例えば、視野内に揺れる木々やネオンの点滅等が存在する場合には、それらの動きの周期以上に設定することが必要である。なお、この時、動き検出枠1について連続して数十回行い、次に動き検出枠2について連続して数十回行い、以後動き検出枠3、4、・・・Nに対して数10回ずつ行うようにしてもよいし、動き検出枠1、2、3、・・・Nに対して1回ずつ行うことを数十回繰り返してもよい。
【0045】
▲4▼:▲3▼の操作を動き検出枠毎に数十回行うことにより規準値の算出が終了したら、動き検出枠毎にスイッチSW1及びSW2をLに設定し、最大値レジスタ51の値に所定値αを加算した値を最大値レジスタ51の規準値とし、最小値レジスタ52の値から所定値βを減算した値を最小値レジスタ52の規準値とする。この終了後、スイッチSW1及びSW2をHに設定し、規準値をホールドする。
【0046】
▲5▼:▲4▼において、全ての動き検出枠に対して規準値のホールドが終了したら、図5の全ブロック41−1〜41−Nにおける第1及び第2の符号レジスタ55及び56の値をHに設定する。
【0047】
(4)動き検出処理
次に図2のステップS7について詳細に説明する。ステップS7では、1フィールド毎に1個の動き検出枠について▲1▼〜▲4▼の操作を行う。
【0048】
▲1▼:任意の動き検出枠に対する評価値を入力する。
▲2▼:評価値が最大値レジスタ51の規準値より大きいときには第1の比較器53の出力がLとなる。あるいは、評価値が最小値レジスタ52の規準値より小さいときには第2の比較器54の出力がLとなる。これらの場合には、アンドゲート57の出力がLとなるからその動き検出枠内で動きがあるものと判断する。
【0049】
▲3▼:全ての動き検出枠に対して、最小値レジスタ52の値≦現在の評価値≦最大値レジスタ51の値、の場合には、アンドゲート61の検出出力はHとなり、画面内に動きがないものと判断する。
【0050】
▲4▼:アンドゲート61の検出出力がLの場合には、動きが検出された動き検出枠を白枠で点滅表示すると共に、警報装置をオンにする処理及びVTRを記録モードにする処理が並行して行なわれる。
【0051】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0052】
例えば、前記実施の形態では1回の露出制御処理と動き検出処理とを1フィールド毎に実行しているが、システムのクロック周波数を高くして実行間隔を1/2フィールド等に短縮することもできる。また、実行間隔を2フィールド等に延長することもできる。さらに、露出制御処理と動き検出処理の順序を逆にしてもよい。
【0053】
また、前記実施の形態では動き検出枠毎に輝度信号の水平方向のピーク値を垂直方向に積分した値を規準値又は評価値としているが、動き検出枠毎に画素の輝度レベルを水平方向及び垂直方向に積分した値、あるいは動き検出枠毎に所定のレベル以上の画素の数を積算した値を評価値としてもよい。さらに、従来技術として説明したフィールド相関法やDCT−AC法を用いて動き検出を行ってもよい。そして、R,G,又はBの原色信号やR−Y又はB−Yの色差信号を用いて動き検出を行ってもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、日照変化等が原因で監視エリアの輝度が低くなっても、自動露出制御が併用できるため、動き検出感度が低下しない。また、ビデオカメラの視野に対して移動物体の占める比率が高く、かつ背景と移動物体との輝度レベル差が大きい場合でも、真に変化している部分が画面のどの部分なのか正しく把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した撮像システムの全体のブロック構成を示す図である。
【図2】マイコンの処理を示すフローチャートである。
【図3】評価値算出ブロックにおいて動き検出のための評価値を算出する構成を示すブロック図である。
【図4】動き検出枠の構成の一例を示す図である。
【図5】マイコンにおける動き検出部の1チャンネル分の構成の一形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…ビデオカメラ、2…データ処理装置、11…レンズブロック、13…サンプルホールド及びAGC回路、16…評価値算出ブロック、17…マイコン
Claims (2)
- 被写体を撮像して得た映像信号を用いて動き検出を行う動き検出手段と、
前記映像信号のレベルを基に自動露出制御を行う露出制御手段と、
を備え、前記動き検出手段及び前記露出制御手段は所定の時間毎にそれぞれ自動露出制御及び動き検出を繰り返し実行すると共に、前記露出制御手段は前記動き検出手段が動きを検出しなかったときは現在の映像信号のレベルを基に自動露出制御を行い、動きを検出したときは過去の最後に動きを検出しなかったときの映像信号のレベルを基に自動露出制御を行うことを特徴とする撮像システム。 - 被写体を撮像して得た映像信号を用いて動き検出及び自動露出制御を行う撮像システムの制御方法において、所定の時間毎に前記自動露出制御及び前記動き検出を繰り返し実行すると共に、動きを検出しなかったときは現在の映像信号のレベルを基に自動露出制御を行い、動きを検出したときは過去の最後に動きを検出しなかったときの映像信号のレベルを基に自動露出制御を行うことを特徴とする撮像システムの制御方法。
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