JP3640896B2 - 軸部材の支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸部材を回転可能かつスライド可能に支持するための軸部材の支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転可能でかつスライド可能に支持された軸部材として、例えば長手方向に沿って複数のカム部材が配置さえたカム軸が知られている。
【0003】
図4に、このようなカム軸及びその支持構造の一例(従来例)を示す。
【0004】
カム軸1は、左から順に3個の軸受2a,2b,2cによって回転自在かつ軸方向スライド可能に支持されている。カム軸1の中央には、それぞれカム面a〜eを有する5個のカム部材3a〜3eが固定されており、これらカム部材3a〜3eの下方には5個のパンチ部材4a〜4eが昇降可能に配設されている。カム軸1の左端にはソレノイド5が接続されていて、カム軸1は、このソレノイド5がオンのときには、右端の大径部1aと軸受2cとの間に介装された圧縮ばね6のばね力に抗して左方に移動し、このとき同図に示すようにカム部材3b,3dのカム面b,dがそれぞれパンチ部材4b、4dに対応する。一方、カム軸1は、ソレノイド5のオフで圧縮ばね6により右方に移動されたときには、カム部材3a,3c,3eのカム面a,c,eがそれぞれパンチ部材4a,4c,4eに対応するようになっている。カム軸1の右端側には、スリーブ7(パイプ部材)が遊嵌されている。スリーブ7はその左端部が上述の軸受2bによって回転自在に支持されており、カム軸1とはピン8によって連結されている。ピン8は、カム軸1を径方向に貫通する、軸方向に長いピン穴を貫通し、さらにスリーブ7を貫通している。これにより、カム軸1は、スリーブ7に対して相対回転不能でかつ軸方向スライド可能となっている。スリーブ7の外周には、駆動ギヤ9aが遊嵌されており、駆動ギヤ9aに伝達された動力は、ばねクラッチ9bを介してピン8に伝達され、また遮断されるようになっている。
【0005】
図4に示す状態、つまりソレノイド5がオンでカム軸1が左方に移動された状態で、ばねクラッチ9bがオンされると、駆動ギヤ9aの回転は、ばねクラッチ9b、ピン8を介してカム軸1に伝達され、5個のカム部材3a〜3eが回転される。この回転により、カム部材3b,3dのカム面b,dによってパンチ部材4b,4dが作動され、これにより紙などの記録材に2穴のパンチ穴が穿孔される。一方、ソレノイド5がオフされているときには、カム軸1は右方に移動しているので、カム部材3a,3c,3eのカム面a,c,eの回転により、パンチ部材4a,4c,4eが作動し、3穴のパンチ穴をあけることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術によると、カム軸1が3個の軸受2a,2b,2cによって回転自在かつスライド可能に支持されているので、回転動作については特に問題はないものの、スライド動作については、円滑に行われないおそれがある。
【0007】
すなわち、3個の軸受2a,2b,2cを同軸上に精度よく配置することは困難であり、精度が不足した場合には、同軸上から外れた軸受が、カム軸1がスライド動作する際の抵抗となって円滑なスライド動作を妨げることになる。
【0008】
なお、この種の問題は、軸部材がカム軸である場合に限らず、軸部材を回転自在でかつスライド可能に支持する際に一般的に発生する問題である。
【0009】
そこで、本発明は、軸部材(上述ではカム軸)を回転自在でかつスライド可能に支持する軸部材の支持構造において、スライド動作を円滑に行うことができるようにした軸部材の支持構造を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、接断機構が外装されたパイプ部材に一端側が挿着され、前記パイプ部材に対して相対回転不能かつ軸方向スライド可能に連結された軸部材の支持構造に関するものである。この本発明の軸部材の支持構造は、パイプ部材を、長手方向の位置が異なる2箇所に配置した軸受によって回転自在に支持し、また軸部材を、パイプ部材のない他端側における長手方向の位置が異なる2箇所に配置した軸受によって回転自在かつ軸方向スライド可能に支持することを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明に係る軸部材の支持構造は、請求項1に記載の軸部材の支持構造において、軸部材は、長手方向に沿って複数配設されたパンチ部材をそれぞれ作動させる複数のカム部材が固定されたカム軸であり、このカム軸の軸方向のスライド動作に伴う複数のカム部材の移動により、作動されるパンチ部材の選択が切り換えられることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0013】
図1に、本発明に係る軸部材の支持構造が適用される画像形成装置の一例を示す。同図は、画像形成装置の概略構成を模式的に示す縦断面である。同図に示す画像形成装置10は、画像形成装置本体11と、記録材後処理装置12とによって構成されている。なお、本実施の形態においては、画像形成装置10として電子写真方式のものについて、また記録材後処理装置12としてパンチ処理手段とステイプラとを有するフィニッシャについてそれぞれ説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0014】
以下、画像形成装置本体11の構成及び動作、つづいて記録材後処理装置12の構成及び動作、軸部材の支持構造及びその作用、の順に説明する。
【0015】
<画像形成装置本体の構成及び動作>
図1に例示する画像形成装置本体11は、電子写真方式の画像形成装置であって、画像形成部13と、記録材Pの給搬送部14と、定着部15とが設けられている。
【0016】
このうち画像形成部13は、矢印a方向に回転駆動される感光体ドラム16と、その周囲に回転方向に沿ってほぼ順に配設された、一次帯電器17、露光器18、現像器20、転写帯電器21、クリーニング器22などを備えている。感光体ドラム16は、ドラム状の導電性の基体の外周面に、例えばOPC(有機光半導体)の感光層を設けて形成されており、駆動手段(図示せず)によって矢印a方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。一次帯電器17は、感光体ドラム表面に接触配置された帯電ローラ(図示せず)と、この帯電ローラに帯電バイアスを印加して感光体ドラム16表面を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電バイアス印加電源(図示せず)とを有している。露光器18は、帯電後の感光体ドラム表面を、画像情報に応じて露光し、露光部分の電荷を除去して静電潜像を形成するものであり、レーザスキャナ、ポリゴンミラー、レンズ、反射ミラー(いずれも図示せず)などを有している。現像器20は、現像剤(トナー)を収納した現像容器(図示せず)と、この現像容器内のトナーを表面に担持して現像部に搬送する現像ローラ(図示せず)と、この現像ローラに現像バイアスを印加して感光体ドラム16上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像バイアス印加電源(図示せず)と、を有している。転写帯電器21は、上述の感光体ドラム16に対向するように配置されて感光体ドラム16との間に転写部を形成している。後述の給搬送部14から転写部に供給された紙等の記録材Pには、転写バイアス印加電源(図示せず)によって転写帯電器21に転写バイアスが印加されることにより、感光体ドラム16上のトナー像が静電的に転写されるようになっている。クリーニング器22は、転写時に記録材Pに転写されないで感光体ドラム16表面に残ったトナー(残留トナー)を除去するためのクリーニングブレード(図示せず)を有している。
【0017】
給搬送部14は、記録材Pの搬送経路における、記録材Pの搬送方向上流側から順に、給紙カセット23、給紙ローラ24、搬送ローラ対25、レジストローラ対26、排紙ローラ対27を有している。給紙カセット23は、トナー像が形成される記録材Pを多数収納している。給紙ローラ24は、給紙カセット23内の記録材Pを1枚ずつ給紙するものであり、また搬送ローラ対25は、給紙された記録材Pをレジストローラ対26に向けて搬送するものである。レジストローラ対26は、搬送ローラ対25によって搬送されてきた記録材Pを一時的に停止させ、その後、上述の感光体ドラム16上のトナー像とタイミングを合わせるようにして、記録材Pを転写部に供給するものである。排紙ローラ対27は、画像形成装置本体11の左側壁(一側面)11aの上部に配設されており、後述の定着部15によって表面にトナー像が定着された記録材Pを、画像形成装置本体11の外部に左方に向けて排出するものである。
【0018】
定着部15は、内側にヒータが内蔵された定着ローラ28と、この定着ローラ28に押圧されて定着ニップ部を形成する加圧ローラ30とを有している。上述の画像形成部13において、表面にトナー像が転写された記録材Pは、定着ニップ部によって挟持搬送されながら、加熱され、加圧されて表面にトナー像が溶融固着されて定着されるようになっている。
【0019】
このような構成の画像形成装置本体11、すなわち上述のような画像形成部13、給搬送部14、及び定着部15が設けられている画像形成装置本体11にあっては、画像形成部13における一次帯電、露光、現像によって感光体ドラム16表面にトナー像を形成する。一方、給紙カセット23から給紙ローラ24、搬送ローラ対25、レジストローラ対26によって、記録材Pを上述の感光体ドラム16上のトナー像に同期させて転写部に供給する。そして、転写帯電器21により感光体ドラム16上のトナー像を、供給された記録材Pに転写する。トナー像転写後の記録材Pは、定着部15によって表面にトナー像が定着され、その後、排紙ローラ対27によって画像形成装置本体11の外部に排出される。これにより画像形成装置本体11による画像形成が終了する。
【0020】
なお、本実施の形態においては、排紙ローラ対27によって画像形成装置本体11の外部に排出された記録材Pは、後述のように記録材後処理装置12に供給されるようになっている。
【0021】
上述の画像形成装置本体11は、その外形が直方体状に形成されていて、全体は4本の脚部31(ただし図1では2本のみを図示)によって支持されている。4本の脚部31は、画像形成装置本体11の本体フレームの底面(下面)32の4箇所の隅部にそれぞれ取り付けられている。これら脚部31は、例えば、本体フレームに下方からねじ込まれたねじ部材31a(図2参照)とこのねじ部材31aをロックするロック部材31bとを有しており、ねじ部材31aのねじ込み量、つまり底面32からの突出量を適宜に調整した状態でロック部材31bによりロックすることで、画像形成装置本体11全体の水平が保持されるようになっている。
【0022】
<記録材後処理装置の構成及び動作>
図1に示す記録材後処理装置12は、記録材Pに対してパンチ処理(穴明け加工)又はステイプル処理を行うものであり、上述の画像形成装置本体11によって画像(トナー像)が形成された後に記録材Pに対してこれらの処理を施す、いわゆるフィニッシャである。以下では、記録材後処理装置12という代わりにフィニッシャ12というものとする。
【0023】
図2(図1におけるフィニッシャ12の拡大図)に示すように、フィニッシャ12は、直方体状のハウジング33を備えている。ハウジング33における右側壁(画像形成装置本体11の左側壁11aに対面する対向面)33aにおける上部には、画像形成装置本体11側の排紙ローラ対27に対応する位置に記録材Pの搬入口34が設けられている。なお、右側壁33aは、上部の搬入口34を有する部分が右方に突出されていて、この突出部分の下方には空間Rが形成されている。搬入口34は、上下2枚の案内板対によって形成されており、この案内板対は、入口側が広く、下流側(記録材搬送方向に沿っての下流側)ほど狭くなるように配置されている。搬入口34の下流側には、記録材Pに穴明け加工を行うためのパンチ処理手段(後処理手段)35が配設されている。さらに、パンチ処理手段35の下流側には、記録材Pのカール(湾曲)を矯正するための2対のカール取りローラ対36,37からなるカール矯正手段(デカーラユニット)38が配設されている。
【0024】
カール矯正手段38の下流側には、搬送ローラ対40が配設されている。この搬送ローラ対40のすぐ下流側には、分岐部が設けてあり、この分岐部において上方に延びる第1の搬送路41と下方に延びる第2の搬送路42とが分岐している。分岐部には、ソレノイド(図示せず)によって切り換えられるフラッパ43が配設されている。このフラッパ43は、ソレノイドのオン/オフに対応して、記録材Pを第1の搬送路41側に導く第1の位置と、第2の搬送路42側に導く第2の位置との間で切り換えられるようになっている。
【0025】
上述の第1の搬送路41は、分岐部から斜め上方に延びるように形成されており、その最下流側には、排紙ローラ対44が配設されている。そして、排紙ローラ対44の下流側には、排紙ローラ対44から排出された記録材Pを下方から支持する第1の排紙トレイ45が配設されている。なお、この第1の排紙トレイ45上には、画像形成後に、上述のパンチ処理手段35によって穴明け加工がなされた記録材Pと、穴明け加工がなされない記録材Pとの双方が排出されることになる。つまり穴明け加工の有無にかかわらず、ステイプル処理されない記録材Pが排出される。以上説明した各ローラ、すなわちカール取りローラ対36,37、搬送ローラ対40、排紙ローラ対44は、少なくとも一方のローラが駆動手段(図示せず)によって回転駆動されるようになっている。
【0026】
上述の第1の搬送路41に対して第2の搬送路42は、分岐部から下方に分岐した後、記録材受け台46に沿うように延設されている。第2の搬送路42には、上流側から順に(上方から順に)4個の搬入ローラ対47a,47b,47c,47dが配設され、さらにこれらの間に揺動可能な3個のフラッパ48a,48b,48cが配設されている。これらは画像形成に使用される記録材Pの搬送方向長さに応じて適宜に選択される。ここで、各フラッパ48a,48b,48cの位置について、それぞれのフラッパよりもさらに第2の搬送路42の下流側に記録材Pを搬送する位置を開位置(図2の実線の位置)、これに対しそれぞれのフラッパにより記録材Pを記録材受け台46に搬入する位置を閉位置(図2の破線の位置)と決める。また、画像形成に使用する記録材Pとしてそれぞれ搬送方向長さが異なる4種類の記録材P1〜P4を使用する。記録材P1とはJISにおけるA3サイズの横通し(搬送方向長さ420mm)であり、記録材P2とは同じくB4サイズの横通し(搬送方向長さ362mm)であり、記録材P3とは同じくA4サイズの横通し(搬送方向長さ297mm)であり、記録材P4とは同じくA4サイズの縦通し(搬送方向長さ210mm)であるものとする。つまり、搬送方向長さ(以下適宜「長さ」という。)としては、P1>P2>P3>P4となる。
【0027】
第2の搬送路42に搬送されてきた記録材Pが、長さの1番長い記録材P1である場合には、最上流側(最上部)のフラッパ48aを閉位置に配置し、搬入ローラ対47aを回転駆動してその記録材P1をフラッパ48aによって記録材受け台46上に導く。同じく長さが2番目に長い記録材P2の場合には、フラッパ48aを開位置、フラッパ48bを閉位置に配置し、搬入ローラ対47a,47bを回転駆動してその記録材P2をフラッパ48bによって記録材受け台46上に導く。同じく長さが3番目に長い記録材P3の場合には、フラッパ48a,48bを開位置、フラッパ48cを閉位置に配置し、搬入ローラ対47a,47b,47cを回転駆動してその記録材P3をフラッパ48cによって記録材受け台46上に導く。そして、同じく長さが4番目に長い(1番短い)記録材P4の場合には、フラッパ48a,48b,48cのすべてを開位置に配置し、すべての搬入ローラ対47a,47b,47c,48dを回転駆動してその記録材P4を第2の搬送路42に沿って記録材受け台46上に導く。このように、搬送方向長さの異なる4種の記録材P1〜P4に対して、それぞれに適宜なフラッパによって第2の搬送路42から記録材受け台46上に搬入することにより、搬入される記録材Pが、既に記録材受け台46上に載置されている記録材Pの下に入り込む不具合、いわゆるもぐり込みを有効に防止することができる。
【0028】
記録材受け台46は、下方向に傾斜して配設された平板状の部材であり、第2の搬送路42を介して順次に搬入されてきた記録材Pを所定の枚数だけ記録材束として一時的にストックするものである。記録材受け台46の下端部近傍には、記録材受け台46によってストックされる記録材Pの端部を下方から受け止めるフック状の受止部材50が配設されている。この受止部材50は、記録材受け台46の上端部近傍に配置した駆動プーリ51と、記録材受け台46の下端部近傍に配置した従動プーリ52とに掛け渡された無端ベルト53に固定されている。受止部材50は、駆動プーリ52の正転に伴う無端ベルト53の図2中の反時計回りの回転により、記録材受け台46に沿って上方に移動し、これにより、記録材受け台46上にストックされていた記録材束を上方に移動させることができるようになっている。なお、受止部材50は、駆動プーリ51の逆転に伴う無端ベルト53の図2中の時計回りの回転により、同図に示すホームポジションに復帰するようになっている。
【0029】
記録材受け台46の裏面側には、記録材Pの整合手段54が配設されている。整合手段54は、記録材受け台46にストックされる記録材Pの幅方向(搬送方向と直角な方向)に適宜な間隔を介して対面する一対の幅寄せ板55と、幅寄せ板55を記録材Pの左右の端部近傍において記録材Pの幅方向に往復移動させる幅寄せ機構56とを備えている。幅寄せ機構56は、記録材Pの幅に応じて、幅寄せ板55の往復移動量を変更することができるようになっている。これにより、記録材受け台46上にストックされた幅の異なる記録材Pの左右の端部に幅寄せ板55を当接させて整合させることができる。
【0030】
記録材受け台46の下端部近傍には、ステイプラ57が配設されている。ステイプラ57は、上述の受止部材50によって端部を下方から受け止められて記録材受け台46上にストックされ、さらに上述の整合手段54によって整合された記録材束をステイプル処理するものである。
【0031】
記録材受け台46の最上部の上方には、斜め上方に延びる記録材Pの排出路58が配設されており、この排出路58の最下流側には、排紙ローラ対60が配設されている。この排紙ローラ対60は、上述の受止部材50によって排出路58に搬入された記録材束を下流側の排紙トレイ61の積載面61a上に排出するものである。
【0032】
排出トレイ61は、昇降手段62によって、ハウジング33の左側壁(画像形成装置本体11から遠い側の面)33bに沿って昇降可能に配設されている。昇降手段62は、左側壁33bの上端部と下端部にそれぞれ配設された駆動プーリ63と従動プーリ64と、これらに掛け渡されたトレイ昇降用ベルト65と、駆動プーリ63を正逆回転させる電動モータ66とを備えている。排出トレイ61は、トレイ昇降用ベルト65に取り付けられている。排出トレイ61は、電動モータ66の正転に伴う、駆動プーリ63及びトレイ昇降用ベルト65の同図中の反時計回りに伴って下降し、逆に電動モータ66の逆転に伴う、駆動プーリ63及びトレイ昇降用ベルト65の同図中の時計回りに伴って上昇するようになっている。なお、同図中の排紙トレイ61の記録材積載面61aの近傍には、記録材束検出センサ(図示せず)が配置されている。この記録材束検出センサは、記録材束が積載されていない状態における排紙トレイ61の記録材積載面61aの高さ位置、又は記録材束が積載された状態におけるその記録材束の最上位の高さ位置を検出するものである。つまり、記録材束センサの検出結果に基づいて上述の電動モータ66がオン/オフされ、これにより、上述の記録材積載面61aの高さ位置、又は記録材束の最上位の高さ位置を一定に維持し、排紙ローラ対60から排出された記録材束の落下高さを常に一定にして、記録材束を記録材積載面61上、又は既に積載されている記録材束上に良好な姿勢で受け止められるようにしている。
【0033】
このような構成のフィニッシャ12は、上述の画像形成装置本体11で画像形成された記録材Pに対して、以下のように、パンチ処理手段35によるパンチ処理(穴明け加工)の有無、及びステイプラ57によるステイプル処理の有無を必要に応じて適宜に選択することができる。
【0034】
画像形成装置本体11によって画像形成された記録材Pは、左側壁11a上部の排紙ローラ対27からフィニッシャ12に向けて横方向(左方向)に排出される。排出された記録材Pは、まず、フィニッシャ12の右側壁33a上部の搬入口34に搬入される。次に、パンチ処理が必要な記録材Pは、一旦停止されてパンチ処理手段35によるパンチ処理が行われる。パンチ処理後の記録材Pは、カール矯正手段38のカール取りローラ対36,37によって下方及び上方のカールが矯正される。一方、パンチ処理が不要な記録材Pは、一旦停止されることなく、直接、カール矯正手段38に搬送され、同様に下方及び上方のカールが矯正される。
【0035】
こうしてカールが矯正された記録材Pは、搬送ローラ対40によって分岐部に搬送される。ここでステイプル処理が不要な記録材Pは、フラッパ43が記録材Pの進路を上方の第1の搬送路41側に切り換えることにより、第1の搬送路41に沿って搬送され、排紙ローラ対44によって排紙トレイ45上に排出される。一方、ステイプル処理が必要な記録材Pは、フラッパ43が記録材Pの進路を下方の第2の搬送路42側に切り換える。これにより、記録材Pは、第2の搬送路42に沿って搬送され、第2の搬送路42から記録材受け台46上に搬入され、一方の端部を受止部材50によって受け止められ、さらに整合手段54によって整合されて、記録材受け台46上で一時的にストックされる。なお、記録材Pが第2の搬送路42から記録材受け台46上に搬入されるときに使用される搬入ローラ対及びフラッパは、記録材Pの搬送方向長さに応じて、つまり記録材Pが記録材P1〜P4のうちのどれであるかに応じて、搬入ローラ47a,47b,47c,47d及びフラッパ48a,48b,48cの中から前述したような適宜なものが選択される。上述の記録材受け台46による記録材Pのストックを、記録材Pの枚数がステイプル処理すべき所定枚数に達するまでつづけられる。
【0036】
記録材受け台46上の記録材Pが所定枚数に達して、所望の記録材束が形成されたら、ステイプラ57によってステイプル処理を行う。
【0037】
ステイプル処理後の記録材束は、駆動プーリ51を反時計回りに回転駆動し、無端ベルト53を同方向に回転させることにより、無端ベルト53と一体の受止部材50を記録材受け台46に沿って上昇させることによって、上方に移動され、排出路58に導かれる。こうして排出路58に沿って移動された記録材束は、排紙ローラ対60によって、排紙トレイ61の積載面61a上に排出される。
【0038】
以上で、フィニッシャ12による、記録材Pに対する後処理を終了する。
【0039】
なお、フィニッシャ12内の、カール矯正手段35を含む記録材搬送系による記録材搬送速度は、画像形成装置本体11内の。排紙ローラ対27を含む記録材搬送系による記録材搬送速度よりも速く設定さされている。
【0040】
<軸部材の支持構造及びその作用>
図3に、本発明に係る軸部材の支持構造を示す。なお、以下では、軸部材がカム軸である場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、広く一般的な軸部材に対して同様に適用することができる。
【0041】
軸部材としてのカム軸81は、左端側に配設された軸受82と、右端側に配置された軸受83とによって回転自在かつ軸方向スライド可能に支持されている。なお、これら軸受82,83は、前述のハウジング33に固定されている。カム軸81の長手方向中央部、つまり軸受82と軸受83との間には左から順に5個のカム部材84,85,86,87,88が固定されている。これらカム部材84〜88は、それぞれボス部84a,84b,84c,84d,84eとその一方の端部に形成された偏心したカム面84a,84b,84c,84d,84eとを有している。これらカム部材84〜88の下方には、円柱上のパンチ部材90,91,92,93,94が刃部を下方に向けた姿勢で、ガイド部材(図示せず)によって昇降可能に支持されている。カム軸81における上述の軸受83の近傍には、径方向に貫通されかつ軸方向に長いピン穴81が穿設されている。カム軸81の右端には、大径部81bが形成されており、大径部81bの内側には、パイプ部材としてのスリーブ95が遊嵌されている。
【0042】
スリーブ95は、左端部を上述の軸受83によって回転自在に支持され、また、右端部を別の軸受96によって回転自在に支持されている。スリーブ95における左端側には、上述のカム軸81のピン穴81aを貫通したピン97の両端部が貫通されている。これらピン穴81a及びピン97により、上述のカム軸81は、スリーブ95に対して相対回転不能かつ軸方向スライド可能となっている。スリーブ95の右端部には、大径部95aが形成されていて、上述のカム軸81の大径部81bとの間に圧縮ばね98が介装されている。この圧縮ばね98により、カム軸81は、スリーブ95に対して右方に付勢されている。なお、同図は、この圧縮ばね98のばね力に抗してカム軸81が左方に移動されている状態を示している。
【0043】
スリーブ85の外周面には、駆動ギヤ100が遊嵌されており、この駆動ギヤ100と上述のピン97との間には、接断機構としてのばねクラッチ101が介装されている。ばねクラッチ101は、ボス部材102、カラー103、ばね104、ソレノイド(図示せず)などを有している。このばねクラッチ101は、駆動駆動ギヤ100の回転状態で、ソレノイドがオンされると、カラー103が作動してばね104が縮径され、これにより駆動ギヤ100とボス部材102とがばねを介して連結され、両者が一体回転するようになっている。そして、ボス部材102が回転すると、これに係合されているピン97を介してカム軸81が回転する。なお、このときスリーブ95もカム軸81と一体となって回転する。
【0044】
上述のカム軸81の左端にはソレノイド105が連結されている。このソレノイドがオンされると、カム軸81は、圧縮ばね98のばね力に抗して左方に移動して図3に示す位置に配置される。このとき、カム部材85,87のカム面85b,87bがそれぞれパンチ部材91,93に対応する。一方、カム軸1は、ソレノイド5のオフにより圧縮ばね98に付勢されて右方に移動されたときには、カム部材84,86,88のカム面84b,86b,88bがそれぞれパンチ90,92,94に対応するようになっている。
【0045】
図3に示す状態、つまりソレノイド105がオンでカム軸1が左方に移動された状態で、ばねクラッチ101がオンされると、駆動ギヤ100の回転は、ばねクラッチ101、ピン97を介してカム軸81に伝達され、5個のカム部材90〜94が回転される。この回転により、カム部材85,87のカム面85b,87bによってパンチ部材91,93が作動され、これにより紙などの記録材に2穴のパンチ穴が穿孔される。一方、ソレノイド105オフされているときには、カム軸81は圧縮ばね98によって右方に移動されているので、カム部材84,86,88のカム面84b,86b,88bの回転により、パンチ部材90,92,94が作動し、3穴のパンチ穴をあけることができる。なお、カム軸81のスライド量(長手方向の移動量)は、上述のカム軸81に穿孔されたピン穴81aの軸方向の長さによって決定される。
【0046】
上述の構成によると、ソレノイド105のオン/オフによってカム軸81を左方及び右方に選択的にスライド移動させることにより、作動させるパンチ部材の組を、パンチ部材91,93の組と、パンチ部材90,92,94の組とに選択的に切り換えることができる。
【0047】
上述のように、カム軸81を直接的に支持する軸受は、軸受82と軸受83の合計2個であり、従来の軸受が3個の場合と比較して、軸受82,83を同軸上に精度よく配置することができるので、従来と異なり、ソレノイド105によるカム軸81のスライド動作を円滑なものとすることができる。また、このときカム軸81における軸受83よりも右側に位置する部分は、軸受96によりスリーブ95を介して間接的に支持されるので、カム軸81を直接的に支持する軸受を上述のように2個とした場合であっても、カム軸81の回転についての精度が低下するおそれはない。なお、カム軸81は、この軸受96を含めると3個の軸受(軸受82,83,96)で支持されていることになるが、この軸受96については、カム軸81とスリーブ95との間、及びスリーブ95と軸受96との間の計2箇所に適宜な間隙が確保されているので、カム軸81を直接的に支持する軸受82,83と比べると、特に高い位置精度を確保しないでも、カム軸81のスライド動作の妨げとなるようなことはない。すなわち、カム軸81のスライド動作が円滑であるか否かは、主に、カム軸81を直接的に支持する軸受(本実施の形態では、軸受82,83)にかかわるものであり、本発明では、上述のように、このような軸受が2個であるので、3個であった従来に比して、カム軸81のスライド動作を円滑に行うことができるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明に軸部材の支持構造によれば、軸部材を直接的に支持する軸受を2個とすることにより、これら2個の軸受を同軸上に精度よく配置することができるので、軸部材のスライド動作を円滑なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係るフィニッシャの概略構成図である。
【図3】本発明に係る軸部材の支持構造の全体構成を説明する、軸に沿った縦断面である。
【図4】従来の軸部材の支持構造の全体構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
81……カム軸(軸部材)、82,83……軸受、95……スリーブ(パイプ部材)、84,85,86,87,88……カム部材、パンチ部材……90,91,92,93,94
Claims (2)
- 接断機構が外装されたパイプ部材に一端側が挿着され、前記パイプ部材に対して相対回転不能かつ軸方向スライド可能に連結された軸部材の支持構造において、
前記パイプ部材を、長手方向の位置が異なる2箇所に配置した軸受によって回転自在に支持し、
前記軸部材を、前記パイプ部材のない他端側における長手方向の位置が異なる2箇所に配置した軸受によって回転自在かつ軸方向スライド可能に支持することを特徴とする軸部材の支持構造。 - 前記軸部材は、長手方向に沿って複数配設されたパンチ部材をそれぞれ作動させる複数のカム部材が固定されたカム軸であり、
前記カム軸の軸方向のスライド動作に伴う前記複数のカム部材の移動により、作動されるパンチ部材の選択が切り換えられることを特徴とする請求項1に記載の軸部材の支持構造。
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