JP5470033B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び、該定着装置を備える画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置は、感光体上に形成された静電潜像がトナーにより可視像化されたトナー画像であって用紙(被転写材)上に転写されたトナー画像を該用紙上に定着させる定着装置を備える。
例えば、定着装置は、加熱部を有する加熱回転体と、加熱回転体に用紙を押圧するための加圧回転体と、加圧回転体が加熱回転体を押圧した加圧状態と、加圧回転体が加熱回転体を押圧しない圧解除状態とに状態を切り替える状態切り替え手段と、加熱回転体及び加圧回転体それぞれを回転駆動する回転駆動手段とを備える。
上記の加圧状態とは、加圧回転体が加熱回転体を押圧し、両回転体間に定着ニップ部が形成される状態である。加圧状態において、トナー画像が転写された用紙が定着ニップ部に導入された場合、用紙は、両回転体によって挟持された状態で搬送されながら加熱される。これにより、トナー画像は、用紙上に定着される。
また、上記の圧解除状態とは、加圧回転体を加熱回転体から離間する方向に相対変位させて、上記の加圧状態を解除した状態である。
ここで、加圧状態において、画像形成装置の主電源(AC電源)がオフにされ、回転駆動手段を構成するモータ等への電力供給が断たれた場合、定着装置は、加圧回転体が加熱回転体を押圧するように当接した加圧状態のまま放置されることになる。通常、加圧回転体の外周面は柔軟な素材でコーティングされているため、加圧回転体の外周面における定着ニップ部を形成していた部分(加熱回転体と当接していた部分)は、窪むように変形(加圧跡)してしまう場合がある。
その後、主電源(AC電源)がオンされた場合、加圧回転体の外周面の一部が窪むように変形した状態で定着処理が実施されるので、定着装置における定着性能が低下する場合がある。
これに対し、加圧回転体が加熱回転体を押圧した加圧状態で定着装置が放置されることを防止するため、主電源であるAC電源の遮断を検知する電源遮断検知手段と、加圧回転体と加熱回転体とが加圧状態又は圧解除状態のいずれの状態にあるのか検知する状態検知手段と、電源遮断検知手段からAC電源の遮断を検知し、かつ、状態検知手段から加圧状態であることを検知したときに加圧回転体と加熱回転体との状態を圧解除状態に切り替えるように定着装置の状態切り替え手段を制御する制御手段と、AC電源遮断後に上記各手段への給電を担って各手段に所定の動作をさせる蓄電手段と、を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−42539号公報
しかし、特許文献1の画像形成装置は、定着装置が加圧状態で放置されることを抑制するため、上述した各種の手段(電源遮断検知手段、状態検知手段、状態切り替え手段を制御する制御手段、蓄電手段)を有する必要がある。
この場合、定着装置(画像形成装置)における要素が多くなるので、構成が複雑になると共に、製造コストが上昇するという問題があった。
本発明は、加圧回転体が加熱回転体を押圧する位置にある状態において、画像形成装置の主電源がオフにされた場合、加熱回転体を押圧しない位置に加圧回転体を移動させる機構を有する定着装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、加熱部を有する加熱回転体と、前記加熱回転体に対向して配置される加圧回転体と、前記加圧回転体を回転可能に軸支すると共に、前記加圧回転体が前記加熱回転体から離間した離間位置と、前記加熱回転体に当接した当接位置とに移動可能に一端側が回動可能に軸支される支持部材と、前記支持部材から遠い位置に配置される端部側が回転可能に軸支される作動部材と、前記支持部材の自由端近傍と、前記作動部材の自由端近傍とを連結する連結部材と、前記作動部材における前記支持部材の自由端が配置された側の面に当接して配置され、所定方向に延びる回転軸を中心に回転可能な偏心カム部材であって、前記連結部材及び前記支持部材を介して前記加圧回転体を前記当接位置に配置させる第1位置に前記作動部材の自由端を位置させる第1回転位置であって、前記作動部材との当接部分を通る前記作動部材側の被当接部分における垂線が前記回転軸と交差しない第1回転位置と、前記加圧回転体を前記離間位置に配置させる第2位置に自由端を位置させる第2回転位置と、に回転可能な偏心カム部材と、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転させる回転駆動部であって、電力が供給されている場合、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転可能であると共に、前記偏心カム部材における回転移動を規制して回転位置を維持し、電力が供給されていない場合、前記偏心カム部材における回転移動を規制せず回転位置を維持しない回転駆動部と、を備える定着装置に関する。
本発明は、加熱部を有する加熱回転体と、前記加熱回転体における垂直方向下側に配置される加圧回転体と、前記加圧回転体を回転可能に軸支すると共に、前記加圧回転体が前記加熱回転体から離間した離間位置と、前記加熱回転体に当接した当接位置とに移動可能に、水平方向における一端側が回動可能に軸支される支持部材と、前記支持部材から水平方向において遠い位置に配置される端部側が回転可能に軸支されると共に、前記支持部材から水平方向において近い位置に配置される端部である自由端が垂直方向において前記支持部材の自由端よりも上方側に配置される作動部材と、前記支持部材の自由端近傍と、前記作動部材の自由端近傍とを連結する連結部材と、前記作動部材における垂直方向下方側の面に当接して配置され、水平方向に延びる回転軸を中心に回転可能な偏心カム部材であって、前記連結部材及び前記支持部材を介して前記加圧回転体を前記当接位置に配置させる第1位置に前記作動部材の自由端を位置させる第1回転位置であって前記作動部材との当接部分を通る前記作動部材側の被当接部分における垂線が前記回転軸と交差しない第1回転位置と、前記加圧回転体を前記離間位置に配置させる第2位置に自由端を位置させる第2回転位置と、に回転可能な偏心カム部材と、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転させる回転駆動部であって、電力が供給されている場合、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転可能であると共に、前記偏心カム部材における回転移動を規制して回転位置を維持し、電力が供給されていない場合、前記偏心カム部材における回転移動を規制せず回転位置を維持しない回転駆動部と、を備える定着装置に関する。
また、上記に記載の定着装置において、前記偏心カム部材は、前記第1回転位置にある場合において、前記回転駆動部に電力が供給されている間は、前記第1回転位置で保持され、前記回転駆動部に電力が供給されなくなると、前記第1回転位置で保持されず、第2回転位置に回動移動することが好ましい。
また、上記に記載の定着装置において、連結部材は、弾性部材であって、前記偏心カム部材が第1回転位置に位置する場合、自然長よりも伸びて前記支持部材の自由端近傍を垂直方向上側に引き上げるよう付勢することで、前記支持部材を介して、前記当接位置にある加圧回転体を前記加熱回転体側に向かうよう付勢する弾性部材であることが好ましい。
また、上記に記載の定着装置であって、前記偏心カム部材が前記第1回転位置に位置した状態において、前記回転駆動部に電力が供給されなくなった場合、前記連結部材は、前記作動部材の自由端近傍に対して垂直方向下側に引き下げるように力を加え、前記作動部材を介して、前記偏心カム部材に対して第2回転位置に回転移動させる回転力を付与することが好ましい。
本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙に転写する転写部と、前記転写部により前記所定の用紙に転写されたトナー画像を定着させる上記いずれかに記載の定着装置と、を備える画像形成装置に関する。
本発明によれば、加圧回転体が加熱回転体を押圧する位置にある状態において、画像形成装置の主電源がオフにされた場合、加熱回転体を押圧しない位置に加圧回転体を移動させる機構を有する定着装置を提供することができる。
また、本発明は、上記定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置としてのカラーコピー機1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。 加圧状態(当接状態)における定着装置9を示す図である。 圧解除状態(離間状態)における定着装置9を示す図である。 定着装置9の偏心カム部材84における駆動系を説明する図である。 定着装置9の機能ブロック図である。 定着装置9における動作制御を示すフローチャートである。 定着装置9が圧解除状態から加圧状態に移行するときの動作説明図である。 定着装置9が加圧状態に維持されて、定着処理する際の動作説明図である。 定着装置9が加圧状態から圧解除状態に移行するときの動作説明図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、図1により、画像形成装置としてのカラーコピー機1における全体構造を説明する。図1は、カラーコピー機1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。本実施形態において、後述する手差しトレイ65が配置された側(図1における右側)をカラーコピー機1の前側とする。
画像形成装置としてのカラーコピー機1は、該カラーコピー機1における上方側に配置される画像読取装置300と、下方側に配置され画像読取装置300からの画像情報に基づいて用紙T(被転写材)にトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
画像読取装置300は、所定の原稿Gを送り出す原稿送り部70と、原稿Gの画像を読み込む読取部301と、を備える。原稿送り部70は、読取部301に対して不図示の連結部により開閉可能に連結される。原稿送り部70は、読取面302Aを保護する機能も有する。
原稿送り部70が閉状態の場合、原稿Gは、原稿送り部70における上面に形成される原稿載置部71に載置される。原稿載置部71に載置された原稿Gは、不図示の送りローラにより読取部301における読取面302Aを構成する第1読取面303Aに移動される。この場合、照明ユニット及びミラーユニット(不図示)は、第1位置303に固定される。そして、原稿Gが第1読取面303Aをスライドするように移動されることで、読取手段としてのCCD(不図示)により、原稿Gの表面に形成された画像が読み取られる。
原稿送り部70が開状態の場合、原稿Gは、読取面302Aを構成する第2読取面304Aに載置される。この場合、照明ユニット及びミラーユニットは、第2位置304に配置されると共に、第2位置304おいて副走査方向Xにそれぞれ移動する。照明ユニット及びミラーユニットは、光路の長さ(光路長)を一定に保持しながら移動される。これにより、第2読取面304Aに載置された原稿Gの画像が読みとられる。
装置本体Mは、像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給装置6a、6b、6c、6dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200と、定着装置9と、を備える。また、装置本体Mは、該装置本体Mの下方側に引き出し可能に配置され用紙Tが積層された状態で収納される給紙カセット52を備える。また、装置本体Mは、給紙カセット52から送り出された用紙Tが搬送される搬送路54を備える。
本実施形態において、上記の中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200とは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙Tに転写する転写部250を構成する。
本実施形態において、感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200と、定着装置9とは、画像形成部を構成する。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、円筒形状の部材である。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、図1に対して垂直な回転軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。
帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの垂直方向Zにおける上方に配置される。帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)帯電させる。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの垂直方向Zにおける上方に感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれから離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの側方(図1において左側)に配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナー画像を現像する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに対向配置可能な現像ローラ116a、116b、116c、116dとトナー攪拌用の攪拌ローラとを有して構成される。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
トナー供給装置6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7における感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7のトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。ここで、2次転写ローラ8における接離動作は中間転写ユニット200全体が回動移動されることによりなされる。
2次転写ローラ8は、中間転写ユニット200に含まれる。中間転写ユニット200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置されるローラ側ギア230と、回転駆動ギア210とローラ側ギア230とに当接して配置されるアイドルギア220とを備える。中間転写ユニット200は、不図示の接離手段により、不図示の回転軸を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な位置と、中間転写ベルト7に当接しない位置とに回動移動される。
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対抗ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対抗ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の表面(画像が1次転写された側)に押し当てられる。このようにして2次転写ニップN2が形成され、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
定着装置9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融させて用紙Tに定着させる。定着装置9は、加熱部を有する加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接(当接)される加圧回転体としての加圧ローラ9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融されて用紙Tに定着される。定着装置9の構成及び動作については、後に詳述する。
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
装置本体Mにおける下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が水平方向に引き出し可能に配置される。給紙カセット52には、用紙Tが積層された状態で収容される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。載置板に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(図1における右側端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路54に送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
カセット給紙部51と排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路55と、2次転写ローラ8から定着装置9までの第2搬送路56と、定着装置9から排紙部50までの第3搬送路57とを有する。また、定着装置9の出口には、分岐爪58が設けられており、この分岐爪58と第1搬送路55における後述する湾曲路55aとの間には、用紙Tを第1搬送路55に戻すための戻し搬送路59が形成される。
第1搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙Tを上方に搬送しつつ搬送方向を図1における左方向にするための湾曲路55aと、湾曲路55aから2次転写ローラ8までの直線路55bとを有する。第1搬送路55には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対が配置される。また、第1搬送路55には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
第2搬送路56は、定着装置9側に向かって下方側に傾いた直線状の搬送路である。第2搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト156が配置される。また、第2搬送路56における所定位置には、用紙Tを検出するためのセンサが配置される。
第3搬送路57は、定着装置9の出口から図1における左斜め上方に向かうよう形成される。第3搬送路57は、分岐爪58の搬送方向下流側に位置し上方へ向かって形成される縦搬送路57aを有して構成される。第3搬送路57により搬送される用紙Tは、分岐爪58の上面側を通過した後、ほぼ垂直上方に向かって搬送されて排紙部50から装置本体Mの外部に排出される。第3搬送路57は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成される。
戻し搬送路59は、分岐爪58から第3搬送路57とは反対側の下方に分岐し、垂直下方向に向かう湾曲状の第1戻し搬送路59aと、定着装置9、第2搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を通り、更に上方に向かうよう形成される第2戻し搬送路59bとを有して構成される。
第1戻し搬送路59aは、定着装置9から搬出された用紙Tを後述する反転部500に搬送する。第2戻し搬送路59bは、後述する反転部500により表裏及び前後反転された用紙Tを画像形成部に搬送する。
戻し搬送路59は、定着装置9の出口と第1搬送路55における湾曲路55aとをつなぐように形成される。
戻し搬送路59は、定着装置9を通過した用紙Tを、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に戻すための搬送路である。戻し搬送路59は、用紙Tの両面にトナー画像(文字等を含む)を印刷(印字)する、いわゆる両面印刷(印字)をする場合に用いられる搬送路である。戻し搬送路59は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成されると共に、所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
反転部500は、戻し搬送路59に配置される。具体的には、反転部500は、第1戻し搬送路59aと第2戻し搬送路59bとの間に配置される。
反転部500は、反転用ローラ対505と、位置決め装置510と、反転用載置部550とを有する。
反転用ローラ対505は、正転及び逆転可能なローラ対である。また、反転用ローラ対505は、ローラ部材が互いに当接する当接状態と、ローラ部材が互いに離間した離間状態とに変形可能なローラ対である。
反転用ローラ対505は、正転することで一方の面に画像が形成された用紙Tを第1戻し搬送路59aから位置決め装置510及び反転用載置部550に搬送(搬入)させる共に、逆転することで位置決め装置510により位置決めされた用紙Tを表裏及び前後反転した状態で第2戻し搬送路59bに搬出する。
反転用ローラ対505は、位置決め装置510が位置決め動作をしている間、不図示の離間駆動部によりローラ部材が互いに離間するよう移動され、離間状態に変形される。反転用ローラ対505は、位置決め装置510に用紙Tを搬送(搬入)する場合、及び用紙Tを第2戻し搬送路69bに搬送(搬出)する場合を含め、通常は当接状態である。
位置決め装置510は、用紙Tに対し、搬送(搬入)方向に直交する搬送幅方における位置を調整(位置決め)する。位置決め装置510は、反転用ローラ対505により搬送(搬入)された用紙Tにおける搬送幅方向の位置決めを行う。位置決め装置510は、該位置決め装置510及び反転用載置部550に載置された用紙Tに対して、搬送幅方向における位置決めを行う。
また、位置決め装置510は、反転用ローラ対505が離間状態である場合において、位置決め動作を行う。
反転用載置部550は、一部が位置決め装置510に載置された用紙Tにおける他の部分が載置される領域である。反転用載置部550は、位置決め装置510における載置板515及び押上板516と実質的に連続して水平方向に延びる平面状の領域である。
装置本体Mの図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が第1搬送路55の湾曲路55aの近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを第1搬送路55の湾曲路55aに給紙する。
以上に説明したカラーコピー機1は、概略的には、表面に静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器16a、16b、16c、16dと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙Tに転写する転写部250と、転写部250により所定の用紙Tに転写されたトナー画像を定着させる定着装置9と、を備えた構成である。
次いで、図2から図4により、定着装置9について説明する。
図2は、加圧状態(当接状態)における定着装置9を示す図である。図3は、圧解除状態(離間状態)における定着装置9を示す図である。図4は、定着装置9の偏心カム部材84における駆動系を説明する図である。
図2に示すように、定着装置9は、加熱部を有する加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接(当接)される加圧回転体としての加圧ローラ9bと、支持部材81と、作動部材82と、連結部材83と、偏心カム部材84と、回転駆動部85と、を備える。
加熱回転体9aは、加熱部としてのヒータ86を有する。具体的には、加熱回転体9aは、ヒータ86を内蔵した加熱ローラ87と、加熱ローラ87から所定距離だけ離間(本実施形態において垂直方向下側に離間)して配置される定着ローラ88と、加熱ローラ87と定着ローラ88とに掛け渡されたけられたベルト89とを備える。
加熱ローラ87は、水平方向に延びる回転軸を中心に回転可能に配置される。
加熱ローラ87は、ヒータ86を内蔵する。加熱ローラ87は、内蔵されたヒータ86により加熱される。ヒータ86により加熱された加熱ローラ87は、外周面に当接して配置されるベルト89を加熱する。
定着ローラ88は、加熱ローラ87の回転軸と平行な回転軸を中心に回転可能に配置される。定着ローラ88は、加熱ローラ87に対向して配置される。定着ローラ88は、加熱ローラ87における垂直方向下側に加熱ローラ87から所定距離だけ離間して配置される。ここで、所定距離は、不図示の軸間距離調整機構により、適宜調整される。
ベルト89は、加熱ローラ87と定着ローラ88とに掛け渡される。ベルト89は、上述の軸間距離調整機構により、適度なテンションを維持するよう調整される。
また、ベルト89は、加熱ローラ87を介してヒータ86によって規定の温度に加熱される。ベルト89は、トナー画像を構成するトナーを溶融させるのに必要な温度に加熱される。
加熱ローラ87は、ローラ駆動モータ90により回転駆動される。定着ローラ88及びベルト89は、加熱ローラ87の回転に従動して回転駆動される。
本実施形態において、加熱ローラ87は、アルミニウム製の芯金上に、フッ素樹脂コーティングを施した構造である。
また、定着ローラ88は、鉄製芯金上にシリコンゴムを巻いた構造である。
また、ベルト89は、ニッケル製の帯状基材の表面に、0.3mm厚のシリコンゴム層を形成し、更にシリコンゴム層の外側にPFAチューブを被せた構造である。
加圧ローラ9bは、加熱回転体9aにおける垂直方向下側に配置される。加圧ローラ9bの回転軸91は、定着ローラ88及び加熱ローラ87それぞれの回転軸と並行な回転軸を中心に回転可能に配置される。加圧ローラ9bは、後述する支持軸95を支点として回動する支持部材81により回転可能に軸支される。加圧ローラ9bは、支持部材81により、加熱回転体9a(ベルト89)に当接(圧接)する当接位置と、加熱回転体9aから離間した離間位置とに移動可能に構成される。
本実施形態において、加圧ローラ9bは、アルミニウム製の芯金の表面にシリコンゴムを被覆し、更に、表層にPFAチューブを被せた構造である。
支持部材81は、水平方向に延びるように配置される部材である。
支持部材81は、加圧ローラ9bの回転軸91が回転可能に嵌合する軸受部93を有する。これにより、加圧ローラ9bは、加圧ローラ9bを回転可能に軸支する。
また、支持部材81は、加圧ローラ9bに対して用紙Tの導入側(図2では、右端側)である一端側が、支持軸95により、回動可能に支持(軸支)されている。支持軸95を支点とした回動移動によって、支持部材81の自由端(他端)81aは、上下方向に揺動する。また、自由端81aは、後述する連結部材83を介して連結される作動部材82における回動移動に伴って、支持軸95を支点とした回動移動がなされる。
支持部材81は、支持軸95を支点とした回動移動によって、加圧ローラ9bを垂直方向において上下に移動させる。具体的には、支持部材81は、支持軸95を支点とした回動移動によって、加熱回転体9aから離間した離間位置R2(図3参照)と、加熱回転体9aに当接した当接位置R1とに加圧ローラ9bを移動可能に構成される。
本実施形態において、離間位置R2及び当接位置R1は、加熱回転体9aに対して加圧ローラ9bが離間しているとき、及び当接しているときの加圧ローラ9bの上端の高さ位置で示している。ここで、離間位置及び当接位置は、上記に限定されない。離間位置は、加圧ローラ9bが加熱回転体9a(ベルト89)から離間した離間状態(圧解除状態)における加圧ローラ9bの位置を示すものであればどの部分の位置を基準にしてもよい。また、当接位置は、加圧ローラ9bが加熱回転体9a(ベルト89)に当接した当接状態(加圧状態)における加圧ローラ9bの位置を示すものであればどの部分の位置を基準にしてもよい。また、離間位置及び当接位置を示す場合において、絶対位置を用いて規定してもよく、また、加熱回転体9aとの相対位置を用いて規定してもよい。
図3に示すように、圧解除状態において、加圧ローラ9bは、加熱回転体9aから離間した離間位置R2に配置される。加圧ローラ9bが離間位置R2に配置された状態において、加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの間には、隙間s1が形成される。これにより、定着装置9は、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとの間に押圧荷重が作用しない圧解除状態となる。
図2に示すように、加圧状態において、加圧ローラ9bは、加熱回転体9aに当接した当接位置R1に配置される。加圧ローラ9bが当接位置R1に配置された状態において、加圧ローラ9bは、加熱回転体9aの外周面を構成するベルト89に所定の押圧力で押し当てられ密着した状態である。
この加圧状態において、加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの間には、定着ニップ部Ntが形成される。
定着ニップ部Ntは、該定着ニップ部Ntに導入された用紙Tを挟持した状態で所定の搬送方向に搬送する。定着ニップ部Ntにおける用紙Tの搬送速度は、加熱ローラ87の回転に伴うベルト89の回転速度(走行速度)となる。従って、加熱ローラ87を回転駆動するローラ駆動モータ90は、定着装置9内における用紙Tの搬送速度を制御する搬送駆動部として機能する。
作動部材82は、図2に示すように、支持部材81と水平方向に並んだ位置であって、垂直方向における上側の位置に配置される。作動部材82は、水平方向に延びるように配置される部材であって、一端が支持部材81から水平方向において遠い位置(図2において左側)に配置され、他端が支持部材81から水平方向において近い位置(図2において右側)に配置される。
作動部材82は、一端側が支持軸96によって回転(回動)可能に軸支される。作動部材82の他端は、自由端82aである。自由端82aは、支持部材81の自由端81aよりも上方側(垂直方向における上側)に配置される。
作動部材82は、自由端82aが第1位置H1(図2参照)と、第2位置H2(図3参照)とに移動可能に構成される。第1位置H1は、連結部材83及び支持部材81を介して加圧ローラ9bを当接位置R1に配置させる自由端82aの位置である。第2位置H2は、連結部材83及び支持部材81を介して加圧ローラ9bを前述の離間位置R2(即ち、圧解除状態となる位置)に配置させる自由端82aの位置である。
作動部材82は、垂直方向における下側の面が後述する偏心カム部材84に当接するよう配置される。作動部材82は、偏心カム部材84の回転移動にともなって、支持軸96を支点として回動移動される。
また、作動部材82は、偏心カム部材84との被当接部分82b(及び偏心カム部材84側の当接部分84b)を介して、偏心カム部材84に荷重Wを与える。具体的には、主電源のスイッチがオフにされ、電源部430からの電力供給が停止されて偏心カム部材84における回転位置が維持されない状態において、作動部材82は、偏心カム部材84を回転移動させる荷重Wを偏心カム部材84に与える。
連結部材83は、支持部材81における自由端81aの近傍と、作動部材82における自由端82aの近傍とを連結する弾性部材である。本実施形態において、連結部材83は、コイルバネである。
連結部材83は、作動部材82の自由端82aにおける移動(上下方向への回動移動)に、支持部材81の自由端81aを追従させる。連結部材83は、作動部材82の自由端82aと、支持部材81の自由端81aとをつなぐリンクとして機能する。
また、連結部材83は、作動部材82の自由端82aが第1位置H1(図2参照)に配置された状態において、支持部材81の自由端81aを垂直方向上側に向かうよう付勢する。言い換えると、連結部材83は、支持部材81を介して、加圧ローラ9bを加熱回転体9aに押し当てる方向に付勢する。
詳細には、後述する偏心カム部材84が作動部材82の自由端82aを第1位置H1に配置させる第1回転位置θ1に位置する場合、連結部材83は、自然長よりも伸びて支持部材81における自由端81aの近傍を垂直方向上側に引き上げるよう付勢する。これにより、連結部材83は、支持部材81を介して、当接位置R1にある加圧ローラ9bを加熱回転体9a側に向かうよう所定の弾性力により付勢する。連結部材83は、当接状態において、加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの間の押圧力(接触圧)を安定させることができる。
また、連結部材83は、作動部材82の自由端82aが第1位置H1(図2参照)に配置された状態において、作動部材82の自由端82aを垂直方向下側に向かうよう付勢する。詳細には、偏心カム部材84が作動部材82の自由端82aを第1位置H1に配置させる第1回転位置θ1に位置した状態において、後述する偏心カム部材84の回転位置を維持する回転駆動部85に電力が供給されなくなった場合、連結部材83は、作動部材82の自由端近傍に対して垂直方向下側に引き下げるように力を加え、作動部材82を介して、偏心カム部材84に対して第2回転位置θ2に回転移動させる回転力を付与する。
ここで、本実施形態において、自由端の近傍は、自由端の端部と、その端部の近傍とを含むものである。
偏心カム部材84は、水平方向に延びる回転軸(中心軸)841を中心に回転可能な偏心カム板である。回転軸841は、偏心カム部材84の中心(又は重心)からずれた位置に偏心して設定される。
図2に示すように、偏心カム部材84は、作動部材82における垂直方向下方側の面に当接して配置される。偏心カム部材84は、作動部材82における支持部材81の自由端81aが配置された側の面に当接して配置される。
偏心カム部材84は、回転軸841中心に回転移動することで、外周面に当接する作動部材82を上下方向に移動させる。
偏心カム部材84は、後述する回転駆動部85によって回転駆動される。偏心カム部材84は、回転駆動部85からの回転駆動力によって、第1回転位置θ1(図2参照)と、第2回転位置θ2(図3参照)に回転移動可能(回転位置を切り替え可能)である。
ここで、第1回転位置θ1とは、作動部材82の自由端82aを第1位置H1に位置させるときの偏心カム部材84の回転位置である。
また、第1位置H1とは、連結部材83及び支持部材81を介して加圧ローラ9bを当接位置R1(即ち、加圧状態となる位置)に配置させときの作動部材82における自由端82aの回転位置である。
詳細には、第1回転位置θ1とは、連結部材83及び支持部材81を介して加圧ローラ9bを当接位置R1に配置させる第1位置H1に作動部材82の自由端82aを位置させる偏心カム部材84の回転位置である。
第2回転位置θ2とは、作動部材82の自由端82aを第2位置H2に位置させるときの偏心カム部材84の回転位置である。
また、第2回転位置θ2とは、連結部材83及び支持部材81を介して加圧ローラ9bを前述の離間位置R2(即ち、圧解除状態となる位置)に配置させるときの作動部材82における自由端82aの回転位置である。
詳細には、第2回転位置θ2とは、連結部材83及び支持部材81を介して加圧ローラ9bを離間位置R2に配置させる第2位置H2に作動部材82の自由端82aを位置させる偏心カム部材84の回転位置である。
偏心カム部材84には、作動部材82から荷重Wが加えられる。具体的には、作動部材82の被当接部分82bと、該被当接部分82bに当接する偏心カム部材84の当接部分84bには、作動部材82、連結部材83、支持部材81等の質量及び連結部材83の引張力(弾性力)f等により生じる荷重Wが作用する。荷重Wは、作動部材82における被当接部分82bの垂線方向に作用する。
ここで、偏心カム部材84は、第1回転位置θ1において荷重Wが作用する方向である被当接部分82bの垂線が回転軸841と交差しないように取り付けられる。
偏心カム部材84は、第1回転位置θ1に配置された場合、当接部分84bが荷重Wの作用方向(被当接部分82bの垂線方向)と直交する方向(図2にいて水平方向)において、回転軸841から距離x1だけ離間するよう取り付けられる。偏心カム部材84は、作動部材82により加えられる荷重Wによって偏心カム部材84を第1回転位置θ1から第2回転位置θ2に向かわせる回転モーメントが該偏心カム部材84に作用するように取り付けられる。
また、例えば、偏心カム部材84は、第2回転位置θ2において荷重Wが作用する方向である被当接部分82bの垂線が回転軸841と交差するように取り付けられることが好ましい。ここで、偏心カム部材84は、第2回転位置θ2において回転移動が止まっていればよく、他の回転規制部材等により、第2回転位置θ2に保持されるよう構成されていてもよい。
図4に示すように、回転駆動部85は、偏心カム部材84が固定(連結)されるカム駆動軸851と、カム駆動軸851を回転駆動するためのカム駆動モータ852と、カム駆動モータ852の出力軸853に固定された第1ギア854と、第1ギア854と噛合するようにカム駆動軸851に固定装備された第2ギア855と、を備える。カム駆動軸851の軸中心は、偏心カム部材84の回転軸841に一致している。
回転駆動部85は、偏心カム部材84を回転軸841を中心に回転させる機構部である。回転駆動部85は、電力が供給されている場合、偏心カム部材84を回転軸841を中心に回転可能であると共に、偏心カム部材84における回転移動を規制して回転位置を維持する。また、回転駆動部85は、電力が供給されていない場合、偏心カム部材84における回転移動を規制せず回転位置を維持しない。
回転駆動部85は、カム駆動モータ852が出力する回転力を、第1ギア854及び第2ギア855を介してカム駆動軸851に伝達する。そして、回転駆動部85は、偏心カム部材84を回転移動させると共に、偏心カム部材84を第1回転位置θ1又は第2回転位置θ2で保持する。
本実施形態の場合、カム駆動モータ852は、正回転と逆回転が可能であり、また、回転量を高精度に制御できるステッピングモータ等が用いられる。また、カム駆動モータ852は、電力が供給されている場合には出力軸853の回転移動を規制し、電力が供給されていない場合には出力軸853の回転移動を規制しないように、出力軸853を回転自在にするクラッチ機能を備えたものが採用されている。
具体例で説明すると、カム駆動モータ852は、例えば、電力が供給されている状況で、偏心カム部材84を第1回転位置θ1に回動移動させた場合に、偏心カム部材84を第1回転位置θ1に保持し続けることができる。また、カム駆動モータ852は、電力供給が遮断されると、出力軸853の回転移動を規制できなくなるため、出力軸853に接続されているカム駆動軸851が回転自在になる。従って、カム駆動モータ852の駆動力で偏心カム部材84が第1回転位置θ1に保持されている状態で、カム駆動モータ852への電力供給が遮断されると、カム駆動軸851はカム駆動モータ852による回転規制が解除されて回動自在になり、図2に示した当接部分84bに作用する荷重Wによって第2回転位置θ2に回転させられる。
本実施形態の定着装置9において、偏心カム部材84は、第1回転位置θ1にある場合において、回転駆動部85に電力が供給されている間は、第1回転位置θ1で保持され、回転駆動部85に電力が供給されなくなると、第1回転位置θ1で保持されず、第2回転位置に回動移動する。
また、加熱回転体9aと加圧ローラ9bとにおける第2搬送路56側である搬入側には、第2搬送路56により搬送されてきた用紙Tを加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの間(定着ニップ部Nt)に誘導する定着ガイド板97が設けられる。また、加熱回転体9aと加圧ローラ9bにおける排出側には、分離板98が設けられる。分離板98は、加熱回転体9aと加圧ローラ9bが形成する定着ニップ部Ntを通過した用紙Tをベルト89の表面から剥離させると共に、剥離させた用紙Tを出口側のローラ対に渡す機能を有する。
続けて、定着装置9における機能ブロック図について説明する。図5は、定着装置9における機能ブロック図である。
図5に示すように、定着装置9は、以上に説明したヒータ86、回転駆動部85、搬送駆動部を兼ねるローラ駆動モータ90の動作を制御する制御部(CPU)410及びメモリ420を備える。
制御部410は、カラーコピー機1における主電源である電源部430から電力供給を受け、上記のヒータ86、回転駆動部85、搬送駆動部を兼ねるローラ駆動モータ90への電力供給を制御する。
電源部430は、カラーコピー機1内の各部に電力供給するAC電源で、外部電源からの入力をオン/オフする主電源スイッチを備えている。
電源部430の主電源スイッチがオフにされたり、電源部430に接続される電源コンセントが所定の外部電源から引き抜かれたりして、電源部430から制御部410への電力供給が遮断された場合、制御部410からヒータ86、回転駆動部85、ローラ駆動モータ90等への電力供給は遮断される。
制御部410は、外部制御部440と通信する外部通信部411と、ヒータ86の温度制御を行うヒータ制御部412と、回転駆動部85の動作を制御するカム位置制御部413と、搬送駆動部を兼ねるローラ駆動モータ90の動作を制御する搬送制御部414とを備える。また、メモリ420は、制御部410の制御処理に必要な各種の情報を格納する制御情報部421を備える。
外部制御部440は、例えば、カラーコピー機1のメイン制御部で、定着装置9に対して定着処理命令等の情報を出力する。
外部通信部411は、外部制御部440からの定着処理命令等の情報を受信すると共に、外部制御部440に対して所定の情報を送信する。
また、外部通信部411は、外部制御部440から受信した定着処理命令等の情報をヒータ制御部412、カム位置制御部413、搬送制御部414それぞれに出力する。
ヒータ制御部412は、外部通信部411により受信された定着処理命令等の情報に基づいて、ヒータ86に供給する電力を制御する。ヒータ制御部412は、ヒータ86の加熱状態を制御する。ヒータ制御部412は、用紙Tを挟持して搬送するベルト89の温度が定着処理に適した温度となるように、ヒータ86の発熱を制御する。
また、ヒータ制御部412は、ヒータ86の温度制御に必要な情報を、適時、制御情報部421から取得する。
カム位置制御部413は、外部通信部411により受信された定着処理命令等の情報に基づいて、回転駆動部85のカム駆動モータ852に供給する電力を制御する。カム位置制御部413は、偏心カム部材84の回転位置を、第1回転位置θ1又は第2回転位置θ2に回転移動させるよう回転駆動部85を制御する。
カム位置制御部413は、外部通信部411を介して、定着処理を行う旨の定着処理命令を受信した場合、偏心カム部材84の回転位置を第1回転位置θ1とするよう回転駆動部85を制御する。これにより、加圧ローラ9bは当接位置R1に移動され、加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの間に定着ニップ部Ntが形成される。
カム位置制御部413は、定着処理を行う旨の定着処理命令を所定時間受信しない場合、偏心カム部材84の回転位置を第2回転位置θ2とするよう回転駆動部85を制御する。
また、カム位置制御部413は、偏心カム部材84の位置設定に必要な情報(例えば、カム駆動モータ852の回転量等)を、適時、制御情報部421から取得する。
搬送制御部414は、外部通信部411により受信された定着処理命令等の情報に基づいて、ローラ駆動モータ90に供給する電力を制御する。搬送制御部414は、加熱回転体9aの回転速度を定着処理に適した速度とするようローラ駆動モータ90を制御する。
また、搬送制御部414は、加熱回転体9aの回転動作の制御に必要な情報を、適時、制御情報部421から取得する。
次いで、図6から図9により、定着装置9の動作を説明する。
図6は、定着装置9における動作制御を示すフローチャートである。図7は、定着装置9が圧解除状態から加圧状態に移行するときの動作説明図である。図8は、定着装置9が加圧状態に維持されて、定着処理する際の動作説明図である。図9は、定着装置9が加圧状態から圧解除状態に移行するときの動作説明図である。
図5に示した電源部430の電源スイッチがオンにされることで、電源部430は、制御部410に電力の供給を開始し、図6に示す処理を開始する。
図6に示すように、ステップST1において、図5に示した外部制御部440からの定着処理命令を外部通信部411が受けると(YSE)、処理は、ステップST2に進む。
ステップST2において、カム位置制御部413は、回転駆動部85への電力供給を制御して、偏心カム部材84を第1回転位置θ1に回転移動させる。
具体的には、カム位置制御部413は、待機状態において加圧ローラ9bを離間位置R2に配置させる第2回転位置θ2に位置する偏心カム部材84を、加圧ローラ9bを当接位置R1に配置させる第1回転位置θ1に位置させるよう回転駆動部85を制御する。カム位置制御部413は、制御情報部421の情報に基づいて、カム駆動モータ852を正回転させ、図7の矢印E2方向に偏心カム部材84を回転移動させる。この偏心カム部材84の回転移動に伴い、作動部材82の自由端82aは徐々に上方(図7の矢印E3方向)に移動する。自由端82aの上昇に伴い、連結部材83及び支持部材81の自由端81aは、図7に矢印E4で示すように、上方に引き上げられる。そして、支持部材81に支持される加圧ローラ9bは、当接位置R1側に移動される。
図8に示すように、偏心カム部材84の第1回転位置θ1への移動が完了すると、カム位置制御部413は、カム駆動モータ852の出力軸853の回転移動を規制するようにカム駆動モータ852への給電を行い、偏心カム部材84を第1回転位置θ1に固定した状態に保持する。
この状態では、作動部材82の自由端82aは、第1位置H1に保持され、支持部材81に回転可能に軸支された加圧ローラ9bは、当接位置R1に保持される。
図8に示すように、偏心カム部材84が第1回転位置θ1に配置されている状態では、連結部材83は、自然長よりも伸びて支持部材81の自由端81a近傍を垂直方向上側に引き上げるよう付勢する。連結部材83は、当接位置R1にある加圧ローラ9bを、加熱回転体9a側(矢印E5方向)に向かうよう略一定の付勢力により付勢する。
図8に示す状態において、定着装置9は、定着処理が可能な状態となる。この状態において、ヒータ制御部412は、定着処理命令を受けて、ヒータ86が所定温度に昇温するようヒータ86に電力を供給する(温度制御する)。また、搬送制御部414は、定着処理命令を受けて、ローラ駆動モータ90が所定の回転速度で回転するよう電力を供給する(搬送速度を制御する)。これによりベルト89は、所定温度に加熱されると共に、図7に示す矢印E1方向に回転駆動される。
ステップST2が完了して、定着処理する準備が整うと、ステップST3に進む。
ステップST3において、定着装置9は、図8に示す加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの定着ニップ部Ntで用紙Tを挟持しながら搬送することで定着処理を実行する。
続けて、ステップST4において、カム位置制御部413等は、一枚の定着処理が終了すると、継続する定着処理の有無を確認する。複数枚の用紙Tが連続して定着処理される場合は、ステップST4を介して、ステップST3が繰り返される。
一連の定着処理が全て完了すると、ステップST4からステップST5に進む。
続けて、ステップST5において、タイマー(不図示)は、最後に定着処理が終わってからの時間を計時する。カム位置制御部413等は、所定時間が経過するまで定着処理が可能な状態を維持する。ここで、ヒータ制御部412は、上記所定時間よりも短い時間で加熱状態を解除するようヒータ86を制御してもよい。
所定時間経過前に、新たな定着処理命令を受けた場合(ST6,YES)、ステップST3に戻り、定着装置9は、定着処理を行う。
所定時間が経過した場合、ステップST7に進む。
ステップST7において、定着装置9は、定着処理可能な状態を解除する(待機状態に戻る)。具体的には、カム位置制御部413は、回転駆動部85への電力供給を制御して、カム駆動モータ852を逆回転駆動させることで、偏心カム部材84を第2回転位置θ2に戻させる。また、ヒータ制御部412及び搬送制御部414は、ヒータ86やローラ駆動モータ90への電力供給を制御して、ヒータ86の温度、加熱回転体9aによる搬送速度を、待機用の規定値に変更させる。
ステップST7が完了すると、ステップST1に戻る。
ここで、ステップST5において、偏心カム部材84が第1回転位置θ1に配置されて加圧ローラ9bが当接位置R1(加圧状態の位置)にある当接状態(図8参照)で、所定時間経過前に、カラーコピー機1の電源コンセントが抜かれるか、又は、誤操作で電源部430の主電源スイッチがオフにされて、電源部430から制御部410への電力供給が遮断された場合(ST8)、偏心カム部材84は、自動的に第2回転位置θ2に回転移動される(ST9)。
具体的には、制御部410への電力供給が遮断されると、カム位置制御部413から回転駆動部85のカム駆動モータ852への電力の供給が停止される。
電力の供給が停止されたカム駆動モータ852は、出力軸853の回転移動を規制せず、出力軸853の回転位置を維持しない状態になる。従って、出力軸853に接続されているカム駆動軸851も、回転移動が規制されず、回転自在の状態になる。
そして、第1回転位置θ1にある偏心カム部材84と作動部材82との当接部分84bには、支持部材81等の質量及び連結部材83の引張力等による荷重Wが作用している。本実施形態の定着装置9において、図2に示したように、当接部分84bから垂直方向に延びる垂線L1が偏心カム部材84の回転軸841と交差せず、当接部分84bは回転軸841から距離x1だけ水平方向に離間した位置に設定されている。
そのため、図9に示すように、当接部分84bに作用する荷重Wは、図9に示すように偏心カム部材84を第1回転位置θ1から第2回転位置θ2に向かわせる回転モーメントmとして偏心カム部材84に作用し、偏心カム部材84を第2回転位置θ2に回転移動させる。
そして、偏心カム部材84の第2回転位置θ2への回転移動に伴い、作動部材82の自由端82a及び支持部材81の自由端81aが垂直方向下側に移動する。また、これに伴い、支持部材81に支持される加圧ローラ9bが離間位置R2に移動されることで、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとは、圧解除状態に戻される。
ここで、本実施形態において、定着装置9は、偏心カム部材84に作用している荷重を利用する機構により、電力供給を必要としない単純な構成によって、主電源スイッチがオフ等されたときに、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとを加圧状態から圧解除状態に戻すことができる。本実施形態によれば、装置の複雑化やコストアップを招くことなく、加圧回転体と加熱回転体とが加圧状態のまま放置されることを抑制できる定着装置9を提供することができる。
本実施形態によれば、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとが加圧状態のときに電力供給が停止された場合において、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとを圧解除状態に戻すことができる機構を有する定着装置を提供することができる。これにより、装置の複雑化やコストアップを招くことなく、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとが加圧状態のまま放置されることを防止することのできる定着装置を提供することができる。
また、本実施形態において、偏心カム部材84は、第1回転位置θ1にある場合において、回転駆動部85に電力が供給されている間は第1回転位置θ1で保持され、回転駆動部85に電力が供給されなくなると第1回転位置θ1で保持されず、第2回転位置θ2に回動移動される。
そのため、本実施形態によれば、定着装置9は、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとが加圧状態の時に電力供給が断たれた場合に、確実に、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとを圧解除状態に戻すことができる。
また、本実施形態において、連結部材83は、弾性部材であって、偏心カム部材84が第1回転位置θ1に位置する場合、連結部材83は、自然長よりも伸びて支持部材81の自由端近傍を垂直方向上側に引き上げるよう付勢することで、支持部材81を介して、当接位置R1にある加圧ローラ9bを加熱回転体9a側に向かうよう付勢する。
そのため、本実施形態によれば、定着装置9は、偏心カム部材84を第1回転位置θ1に位置させたときに、加熱回転体9aと加圧ローラ9bとの間のニップ圧(押圧力)を安定させることができる。
また、連結部材83が弾性部材であることから、連結部材83は、自由端82aと自由端81aとを連結する連節棒(リンク)として機能するだけでなく、定着処理時における緩衝作用も得られる。
また、本実施形態において、偏心カム部材84が第1回転位置θ1に位置した状態において、回転駆動部85に電力が供給されなくなった場合、連結部材83は、作動部材82の自由端近傍に対して垂直方向下側に引き下げるように力を加え、作動部材82を介して、偏心カム部材84に対して第2回転位置θ2に回転移動させる回転力を付与する。
そのため、本実施形態によれば、定着装置9は、回転駆動部85に電力が供給されなくなった場合に、偏心カム部材84が第2回転位置θ2に戻り易く、偏心カム部材84を第2回転位置θ2に戻す動作の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態のカラーコピー機1は、上記定着装置9を備えている。そのため、本実施形態によれば、カラーコピー機1は、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとが加圧状態の時に、カラーコピー機1の電源コンセントが抜かれるか、又は、誤操作で電源部430の主電源スイッチがオフにされて、電源部430から制御部410への電力供給が遮断された場合でも、加圧ローラ9bと加熱回転体9aとが加圧状態のまま放置されることを抑制できる。
本実施形態の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
また、シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
また、本実施形態において、加熱回転体92としてベルトを有するタイプを説明しているが、これに限定されず、ヒータが内蔵されたローラを用いてもよい。
また、本実施形態において、連結部材83として、コイルバネについて説明しているが、これに限定されず、他の弾性部材を用いてもよい。
また、本実施形態において、定着装置9は、用紙Tが水平方向に搬送される水平搬送路に配置されているが、これに限定されず、例えば、用紙Tが垂直方向に搬送される縦搬送路や、用紙Tが垂直方向と水平方向との間の斜め方向に搬送される斜め搬送路に配置されていてもよい。この場合において、上述の位置関係は、搬送方向に応じて、適宜、変更される。また、配置される搬送路が縦版走路や斜め搬送路であっても、特に連結部材83が弾性部材である場合、定着装置9は、好適に動作する。
1……カラーコピー機(画像形成装置)
2a、2b、2c、2d……感光体ドラム(像担持体)
9……定着装置
9a……加熱回転体
9b……加圧ローラ(加圧回転体)
16a、16b、16c、16d……現像器
81……支持部材
81a……自由端
82……作動部材
82a……自由端
83……連結部材(弾性部材)
84……偏心カム部材
84b……当接部分
85……回転駆動部
86……ヒータ(加熱部)
87……加熱ローラ
88……定着ローラ
89……ベルト
95……支持軸
96……支持軸
250……転写部
410……制御部
412……ヒータ制御部
413……カム位置制御部
414……搬送制御部
430……電源部
841……回転軸
851……カム駆動軸
852……カム駆動モータ
853……出力軸
854……第1ギア
855……第2ギア
H1……第1位置
H2……第2位置
R1……離間位置
R2……当接位置
M……装置本体
T……用紙(被転写材)
θ1……第1回転位置
θ2……第2回転位置

Claims (6)

  1. 加熱部を有する加熱回転体と、
    前記加熱回転体に対向して配置される加圧回転体と、
    前記加圧回転体を回転可能に軸支すると共に、前記加圧回転体が前記加熱回転体から離間した離間位置と、前記加熱回転体に当接した当接位置とに移動可能に一端側が回動可能に軸支される支持部材と、
    前記支持部材から遠い位置に配置される端部側が回転可能に軸支される作動部材と、
    前記支持部材の自由端近傍と、前記作動部材の自由端近傍とを連結する連結部材と、
    前記作動部材における前記支持部材の自由端が配置された側の面に当接して配置され、
    所定方向に延びる回転軸を中心に回転可能な偏心カム部材であって、
    前記連結部材及び前記支持部材を介して前記加圧回転体を前記当接位置に配置させる第1位置に前記作動部材の自由端を位置させる第1回転位置であって、前記作動部材との当接部分を通る前記作動部材側の被当接部分における垂線が前記回転軸と交差しない第1回転位置と、
    前記加圧回転体を前記離間位置に配置させる第2位置に自由端を位置させる第2回転位置と、に回転可能な偏心カム部材と、
    前記偏心カム部材に固定されたカム駆動軸と、
    前記加熱回転体を回転駆動させる加熱回転体回転駆動部と、
    前記カム駆動軸を回転駆動させることによって、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転させる偏心カム部材回転駆動部であって、
    前記偏心カム部材回転駆動部に電力が供給されている場合、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転可能であると共に、前記偏心カム部材における回転移動を規制して回転位置を維持し、
    前記偏心カム部材回転駆動部に電力が供給されていない場合、前記偏心カム部材における回転移動を規制せず回転位置を維持しない偏心カム部材回転駆動部と、を備える定着装置。
  2. 加熱部を有する加熱回転体と、
    前記加熱回転体における垂直方向下側に配置される加圧回転体と、
    前記加圧回転体を回転可能に軸支すると共に、前記加圧回転体が前記加熱回転体から離間した離間位置と、前記加熱回転体に当接した当接位置とに移動可能に、水平方向における一端側が回動可能に軸支される支持部材と、
    前記支持部材から水平方向において遠い位置に配置される端部側が回転可能に軸支されると共に、前記支持部材から水平方向において近い位置に配置される端部である自由端が垂直方向において前記支持部材の自由端よりも上方側に配置される作動部材と、
    前記支持部材の自由端近傍と、前記作動部材の自由端近傍とを連結する連結部材と、
    前記作動部材における垂直方向下方側の面に当接して配置され、水平方向に延びる回転軸を中心に回転可能な偏心カム部材であって、
    前記連結部材及び前記支持部材を介して前記加圧回転体を前記当接位置に配置させる第1位置に前記作動部材の自由端を位置させる第1回転位置であって、前記作動部材との当接部分を通る前記作動部材側の被当接部分における垂線が前記回転軸と交差しない第1回転位置と、
    前記加圧回転体を前記離間位置に配置させる第2位置に自由端を位置させる第2回転位置と、に回転可能な偏心カム部材と、
    前記偏心カム部材に固定されたカム駆動軸と、
    前記加熱回転体を回転駆動させる加熱回転体回転駆動部と、
    前記カム駆動軸を回転駆動させることによって、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転させる偏心カム部材回転駆動部であって、
    前記偏心カム部材回転駆動部に電力が供給されている場合、前記偏心カム部材を前記回転軸を中心に回転可能であると共に、前記偏心カム部材における回転移動を規制して回転位置を維持し、
    前記偏心カム部材回転駆動部に電力が供給されていない場合、前記偏心カム部材における回転移動を規制せず回転位置を維持しない偏心カム部材回転駆動部と、を備える定着装置。
  3. 前記偏心カム部材は、
    前記第1回転位置にある場合において、
    前記偏心カム部材回転駆動部に電力が供給されている間は、前記第1回転位置で保持され、
    前記偏心カム部材回転駆動部に電力が供給されなくなると、前記第1回転位置で保持されず、第2回転位置に回動移動する
    請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 連結部材は、弾性部材であって、
    前記偏心カム部材が第1回転位置に位置する場合、自然長よりも伸びて前記支持部材の自由端近傍を垂直方向上側に引き上げるよう付勢することで、前記支持部材を介して、前記当接位置にある加圧回転体を前記加熱回転体側に向かうよう付勢する弾性部材である請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記偏心カム部材が前記第1回転位置に位置した状態において、前記偏心カム部材回転駆動部に電力が供給されなくなった場合、
    前記連結部材は、前記作動部材の自由端近傍に対して垂直方向下側に引き下げるように力を加え、前記作動部材を介して、前記偏心カム部材に対して第2回転位置に回転移動させる回転力を付与する
    請求項4に記載の定着装置。
  6. 表面に静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
    前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙に転写する転写部と、
    前記転写部により前記所定の用紙に転写されたトナー画像を定着させる請求項1から5のいずれかに記載の定着装置と、を備える画像形成装置。
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