JP5409339B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び、該定着装置を備える画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置は、感光体上に形成された静電潜像がトナーにより可視像化されたトナー画像であって用紙(被転写材)上に転写されたトナー画像を該用紙上に定着させる定着装置を備える。
例えば、定着装置は、加熱部を有する加熱回転体と、加熱回転体に用紙を押圧するための加圧回転体と、加圧回転体が加熱回転体を押圧した加圧状態と、加圧回転体が加熱回転体を押圧しない圧解除状態とに状態を切り替える状態切り替え手段と、加熱回転体及び加圧回転体それぞれを回転駆動する回転駆動手段とを備える。
上記の加圧状態とは、加圧回転体が加熱回転体を押圧し、両回転体間に定着ニップ部が形成される状態である。加圧状態において、トナー画像が転写された用紙が定着ニップ部に導入された場合、用紙は、両回転体によって挟持された状態で搬送されながら加熱される。これにより、トナー画像は、用紙上に定着される。
また、上記の圧解除状態とは、加圧回転体を加熱回転体から離間する方向に相対変位させて、上記の加圧状態を解除した状態である。
ここで、加圧状態において、画像形成装置の主電源(AC電源)がオフにされ、回転駆動手段を構成するモータ等への電力供給が断たれた場合、定着装置は、加圧回転体が加熱回転体を押圧するように当接した加圧状態のまま放置されることになる。通常、加圧回転体の外周面は柔軟な素材でコーティングされているため、加圧回転体の外周面における定着ニップ部を形成していた部分(加熱回転体と当接していた部分)は、窪むように変形(加圧跡)してしまう場合がある。
その後、主電源(AC電源)がオンされた場合、加圧回転体の外周面の一部が窪むように変形した状態で定着処理が実施されるので、定着装置における定着性能が低下する場合がある。
これに対し、加圧回転体が加熱回転体を押圧した加圧状態で定着装置が放置されることを防止するため、主電源であるAC電源の遮断を検知する電源遮断検知手段と、加圧回転体と加熱回転体とが加圧状態又は圧解除状態のいずれの状態にあるのか検知する状態検知手段と、電源遮断検知手段からAC電源の遮断を検知し、かつ、状態検知手段から加圧状態であることを検知したときに加圧回転体と加熱回転体との状態を圧解除状態に切り替えるように定着装置の状態切り替え手段を制御する制御手段と、AC電源遮断後に上記各手段への給電を担って各手段に所定の動作をさせる蓄電手段と、を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−42539号公報
しかし、特許文献1の画像形成装置は、定着装置が加圧状態で放置されることを抑制するため、上述した各種の手段(電源遮断検知手段、状態検知手段、状態切り替え手段を制御する制御手段、蓄電手段)を有する必要がある。
この場合、定着装置(画像形成装置)における要素が多くなるので、構成が複雑になると共に、製造コストが上昇するという問題があった。
本発明は、加圧回転体が加熱回転体を押圧する位置にある状態において、画像形成装置の主電源がオフにされた場合、加熱回転体を押圧しない位置に加圧回転体を移動させる機構を有する定着装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、加熱部を有する加熱回転体と、前記加熱回転体に対向して配置される加圧回転体と、前記加圧回転体を前記加熱回転体から離間した離間位置と、前記加熱回転体に当接した当接位置とに移動可能な支持部材と、前記支持部材に当接して配置され、回転軸を中心に回転可能な偏心カム部材であって、前記支持部材を介して前記加圧回転体を前記当接位置に配置させる第1位置に前記支持部材を位置させる第1回転位置と、前記加圧回転体を前記離間位置に配置させる第2位置に前記支持部材を位置させる第2回転位置と、に回転可能な偏心カム部材と、回転出力軸を有する回転駆動部であって電力が供給された状態において前記回転出力軸を回転させる回転駆動部と、前記回転出力軸から伝達された回転駆動力により回転される入力部と、前記入力部からの回転駆動力が伝達されることで回転される出力部と、前記入力部と前記出力部とに巻き回されて取り付けられるクラッチバネと、を有するバネクラッチであって、前記クラッチバネにおける締緩状態により前記入力部からの回転駆動力を前記出力部に伝達可能な状態と、前記入力部からの回転駆動力を前記出力部に伝達しない状態とに切り替えられるバネクラッチと、前記出力部からの回転駆動力を前記偏心カム部材に伝達する伝達軸であって、前記偏心カム部材を前記第1回転位置と前記第2回転位置とに回転移動させる伝達軸と、前記出力部の回転を規制すると共に、前記偏心カム部材が第1回転位置に位置される第1位置決め位置に前記出力部を位置決めさせる第1規制位置と、前記偏心カム部材が第2回転位置に位置される第2位置決め位置に前記出力部を位置決めさせる第2規制位置とに移動可能な規制部材と、電力が供給された状態において前記規制部材を前記第1規制位置又は前記第2規制位置に位置させると共に、電力が供給されない状態において前記規制部材を前記第2規制位置に位置させる規制部材駆動部と、を備える定着装置に関する。
また、上記に記載の定着装置は、前記回転出力軸に取り付けられるフライホイールと、を備えることが好ましい。
また、上記に記載の定着装置において、バネクラッチは、前記入力部における一部及び前記出力部における一部の外面を覆うと共に、前記出力部に連結され前記出力部と共に回転するカバー部材と、前記カバー部材における外面に配置され、前記第1規制位置に配置される前記規制部材に係合して前記出力部を前記第1位置決め位置に位置させる第1係合部と、前記カバー部材における外面に配置され、前記第2規制位置に配置される前記規制部材に係合して前記出力部を前記第2位置決め位置に位置させる第2係合部と、を備えることが好ましい。
また、上記に記載の定着装置において、前記規制部材駆動部は、電力が供給された状態において前記規制部材を前記第1規制位置に位置決めすると共に、電力が供給されない状態において前記規制部材を前記第1規制位置に位置決めせずに可動状態とするソレノイドと、前記規制部材を前記第2規制位置に向かうように付勢する付勢部材であって、前記ソレノイドに電力が供給されていない状態において、前記可動状態である前記規制部材を前記第2規制位置に移動させる付勢部材と、を備えることが好ましい。
また、上記に記載の定着装置において、電力が供給された状態から電力が供給されない状態に遷移した場合、前記規制部材駆動部は、前記規制部材を前記第1規制位置から前記第2規制位置に移動させ、前記出力部は、前記フライホイールにおける慣性力により所定時間だけ前記回転出力軸が回転することで前記入力部に伝達された回転駆動力であって前記クラッチバネを介して伝達された回転駆動力を出力し、前記偏心カム部材は、前記伝達軸を介して伝達された回転駆動力により前記第1回転位置から回転移動されると共に、前記規制部材により回転が規制されて前記第2回転位置で位置決めされることが好ましい。
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙に転写する転写部と、前記転写部により前記所定の用紙に転写されたトナー画像を定着させる上記のいずれかに記載の定着装置と、を備える画像形成装置に関する。
本発明によれば、加圧回転体が加熱回転体を押圧する位置にある状態において、画像形成装置の主電源がオフにされた場合、加熱回転体を押圧しない位置に加圧回転体を移動させる機構を有する定着装置を提供することができる。
また、本発明は、上記定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置としてのカラーコピー機1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。 カラーコピー機1に搭載された定着装置9の偏心カム部材84によりプレスローラ9bが当接位置に設定されている状態の横断面図である。 カラーコピー機1に搭載された定着装置9の偏心カム部材84によりプレスローラ9bが離間位置に設定されている状態の横断面図である。 定着装置9のプレスローラ9bを当接位置及び離間位置に切り替える機構の平面図である。 定着装置9のヒートローラ9a及びプレスローラ9bの排出側からの正面図である。 定着装置9の偏心カム部材84を駆動するバネクラッチ120及び規制部材駆動部150の拡大側面図である。 規制部材駆動部が規制部材を第1規制位置に位置させた状態の側面図及び正面図である。 規制部材駆動部が規制部材を第2規制位置に位置させた状態の側面図及び正面図である。 定着装置9の機能ブロック図である。 定着装置9における動作制御を示すフローチャートである。 定着処理命令を受ける前の待機状態又は停止状態における偏心カム部材84の動作を説明する偏心カム部材84周辺の横断面図である。 定着処理命令を受ける前の待機状態又は停止状態における規制部材駆動部150及びバネクラッチ120の動作を説明する側面図及び正面図である。 定着処理命令を受けてプレスローラ9bを当接位置に設定する偏心カム部材84の動作を説明する偏心カム部材84周辺の横断面図である。 定着処理命令を受けてプレスローラ9bを当接位置に設定する規制部材駆動部150及びバネクラッチ120の動作を説明する側面図及び正面図である。 プレスローラ9bが当接位置に有る状態で電力供給が遮断されたときの偏心カム部材84の動作を説明する偏心カム部材84周辺の横断面図である。 プレスローラ9bが当接位置に有る状態で電力供給が遮断されたときの規制部材駆動部150及びバネクラッチ120の動作を説明する側面図及び正面図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
まず、図1により、一実施形態における画像形成装置としてのカラーコピー機1における全体構造を説明する。図1は、カラーコピー機1における各構成要素の配置を説明するための左側面図である。本実施形態において、後述する手差しトレイ65が配置された側(図1における右側)をカラーコピー機1の前側とする。
画像形成装置としてのカラーコピー機1は、該カラーコピー機1における上方側に配置される画像読取装置300と、下方側に配置され画像読取装置300からの画像情報に基づいて用紙T(被転写材)にトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
画像読取装置300は、所定の原稿Gを送り出す原稿送り部70と、原稿Gの画像を読み込む読取部301と、を備える。原稿送り部70は、読取部301に対して不図示の連結部により開閉可能に連結される。原稿送り部70は、読取面302Aを保護する機能も有する。
原稿送り部70が閉状態の場合、原稿Gは、原稿送り部70における上面に形成される原稿載置部71に載置される。原稿載置部71に載置された原稿Gは、不図示の送りローラにより読取部301における読取面302Aを構成する第1読取面303Aに移動される。この場合、照明ユニット及びミラーユニット(不図示)は、第1位置303に固定される。そして、原稿Gが第1読取面303Aをスライドするように移動されることで、読取手段としてのCCD(不図示)により、原稿Gの表面に形成された画像が読み取られる。
原稿送り部70が開状態の場合、原稿Gは、読取面302Aを構成する第2読取面304Aに載置される。この場合、照明ユニット及びミラーユニットは、第2位置304に配置されると共に、第2位置304おいて副走査方向Xにそれぞれ移動する。照明ユニット及びミラーユニットは、光路の長さ(光路長)を一定に保持しながら移動される。これにより、第2読取面304Aに載置された原稿Gの画像が読みとられる。
装置本体Mは、像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給装置6a、6b、6c、6dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200と、定着装置9と、を備える。また、装置本体Mは、該装置本体Mの下方側に引き出し可能に配置され用紙Tが積層された状態で収納される給紙カセット52を備える。また、装置本体Mは、給紙カセット52から送り出された用紙Tが搬送される搬送路54を備える。
本実施形態において、上記の中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200とは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙Tに転写する転写部250を構成する。
本実施形態において、感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給装置6a、6b、6c、6dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200と、定着装置9とは、画像形成部を構成する。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、円筒形状の部材である。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、図1に対して垂直な回転軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。
帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの垂直方向Zにおける上方に配置される。帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)帯電させる。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの垂直方向Zにおける上方に感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれから離間して配置される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成される。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの側方(図1において左側)に配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナー画像を現像する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに対向配置可能な現像ローラ116a、116b、116c、116dとトナー攪拌用の攪拌ローラとを有して構成される。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
トナー供給装置6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7における感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7のトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。ここで、2次転写ローラ8における接離動作は中間転写ユニット200全体が回動移動されることによりなされる。
2次転写ローラ8は、中間転写ユニット200に含まれる。中間転写ユニット200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置されるローラ側ギア230と、回転駆動ギア210とローラ側ギア230とに当接して配置されるアイドルギア220とを備える。中間転写ユニット200は、不図示の接離手段により、不図示の回転軸を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な位置と、中間転写ベルト7に当接しない位置とに回動移動される。
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対抗ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対抗ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の表面(画像が1次転写された側)に押し当てられる。このようにして2次転写ニップN2が形成され、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
定着装置9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融させて用紙Tに定着させる。定着装置9は、加熱部を有するヒートローラ9aと、ヒートローラ9aに圧接される加圧回転体としてのプレスローラ9bと、を備える。ヒートローラ9aとプレスローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。ヒートローラ9aとプレスローラ9bとの間に挟持されるように搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは、溶融されて用紙Tに定着される。定着装置9の構成及び動作については、後に詳述する。
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
装置本体Mにおける下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が水平方向に引き出し可能に配置される。給紙カセット52には、用紙Tが積層された状態で収容される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。載置板に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(図1における右側端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路54に送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
カセット給紙部51と排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路55と、2次転写ローラ8から定着装置9までの第2搬送路56と、定着装置9から排紙部50までの第3搬送路57とを有する。また、定着装置9の出口には、分岐爪58が設けられており、この分岐爪58と第1搬送路55における後述する湾曲路55aとの間には、用紙Tを第1搬送路55に戻すための戻し搬送路59が形成される。
第1搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙Tを上方に搬送しつつ搬送方向を図1における左方向にするための湾曲路55aと、湾曲路55aから2次転写ローラ8までの直線路55bとを有する。第1搬送路55には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対が配置される。また、第1搬送路55には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
第2搬送路56は、定着装置9側に向かって下方側に傾いた直線状の搬送路である。第2搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト156が配置される。また、第2搬送路56における所定位置には、用紙Tを検出するためのセンサが配置される。
第3搬送路57は、定着装置9の出口から図1における左斜め上方に向かうよう形成される。第3搬送路57は、分岐爪58の搬送方向下流側に位置し上方へ向かって形成される縦搬送路57aを有して構成される。第3搬送路57により搬送される用紙Tは、分岐爪58の上面側を通過した後、ほぼ垂直上方に向かって搬送されて排紙部50から装置本体Mの外部に排出される。第3搬送路57は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成される。
戻し搬送路59は、分岐爪58から第3搬送路57とは反対側の下方に分岐し、垂直下方向に向かう湾曲状の第1戻し搬送路59aと、定着装置9、第2搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を通り、更に上方に向かうよう形成される第2戻し搬送路59bとを有して構成される。
第1戻し搬送路59aは、定着装置9から搬出された用紙Tを後述する反転部500に搬送する。第2戻し搬送路59bは、後述する反転部500により表裏及び前後反転された用紙Tを画像形成部に搬送する。
戻し搬送路59は、定着装置9の出口と第1搬送路55における湾曲路55aとをつなぐように形成される。
戻し搬送路59は、定着装置9を通過した用紙Tを、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に戻すための搬送路である。戻し搬送路59は、用紙Tの両面にトナー画像(文字等を含む)を印刷(印字)する、いわゆる両面印刷(印字)をする場合に用いられる搬送路である。戻し搬送路59は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成されると共に、所定位置には用紙検出用のセンサが配置される。
反転部500は、戻し搬送路59に配置される。具体的には、反転部500は、第1戻し搬送路59aと第2戻し搬送路59bとの間に配置される。
反転部500は、反転用ローラ対505と、位置決め装置510と、反転用載置部550とを有する。
反転用ローラ対505は、正転及び逆転可能なローラ対である。また、反転用ローラ対505は、ローラ部材が互いに当接する当接状態と、ローラ部材が互いに離間した離間状態とに変形可能なローラ対である。
反転用ローラ対505は、正転することで一方の面に画像が形成された用紙Tを第1戻し搬送路59aから位置決め装置510及び反転用載置部550に搬送(搬入)させる共に、逆転することで位置決め装置510により位置決めされた用紙Tを表裏及び前後反転した状態で第2戻し搬送路59bに搬出する。
反転用ローラ対505は、位置決め装置510が位置決め動作をしている間、不図示の離間駆動部によりローラ部材が互いに離間するよう移動され、離間状態に変形される。反転用ローラ対505は、位置決め装置510に用紙Tを搬送(搬入)する場合、及び用紙Tを第2戻し搬送路69bに搬送(搬出)する場合を含め、通常は当接状態である。
位置決め装置510は、用紙Tに対し、搬送(搬入)方向に直交する搬送幅方における位置を調整(位置決め)する。位置決め装置510は、反転用ローラ対505により搬送(搬入)された用紙Tにおける搬送幅方向の位置決めを行う。位置決め装置510は、該位置決め装置510及び反転用載置部550に載置された用紙Tに対して、搬送幅方向における位置決めを行う。
また、位置決め装置510は、反転用ローラ対505が離間状態である場合において、位置決め動作を行う。
反転用載置部550は、一部が位置決め装置510に載置された用紙Tにおける他の部分が載置される領域である。反転用載置部550は、位置決め装置510における載置板515及び押上板516と実質的に連続して水平方向に延びる平面状の領域である。
装置本体Mの図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が第1搬送路55の湾曲路55aの近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。手差し給紙部64は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを第1搬送路55の湾曲路55aに給紙する。
以上に説明したカラーコピー機1は、概略的には、表面に静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器16a、16b、16c、16dと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙Tに転写する転写部250と、転写部250により所定の用紙Tに転写されたトナー画像を定着させる定着装置9と、を備えた構成である。
次いで、図2から図7Bにより、定着装置9について説明する。
図2は、カラーコピー機1に搭載された定着装置9の偏心カム部材84によりプレスローラ9bが当接位置に設定されている状態の横断面図である。図3は、カラーコピー機1に搭載された定着装置9の偏心カム部材84によりプレスローラ9bが離間位置に設定されている状態の横断面図である。図4は、定着装置9のプレスローラ9bを当接位置及び離間位置に切り替える機構の平面図である。図5は、定着装置9のヒートローラ9a及びプレスローラ9bの排出側からの正面図である。図6は、定着装置9の偏心カム部材84を駆動するバネクラッチ120及び規制部材駆動部150の拡大側面図である。図7Aは、規制部材駆動部が規制部材を第1規制位置に位置させた状態の側面図及び正面図である。図7Bは、規制部材駆動部が規制部材を第2規制位置に位置させた状態の側面図及び正面図である。
図2から図5に示すように、定着装置9は、加熱部を有する加熱回転体としてのヒートローラ9aと、加圧回転体としてのプレスローラ9bと、支持部材としての加圧板81と、偏心カム部材84と、回転駆動部85と、フライホイール110と、バネクラッチ120と、伝達軸130と、規制部材140と、規制部材駆動部150と、を備える。
図2に示すように、ヒートローラ9aは、ローラ本体101の内側に、加熱部としてのヒータ86を有する。ローラ本体101の外周面の温度は、ローラ本体101内のヒータ86によって規定の温度に加熱される
図5に示すように、ヒートローラ9aは、水平方向に延びる中心軸C1を中心に回転可能に配置される。ヒートローラ9aは、ローラ本体101の中心軸線上に固定されたローラ軸102の両端側が、軸受け装置103、103により回転自在に支持される。軸受け装置103、103それぞれは、カラーコピー機1の筐体における所定部分に固定支持される。また、図5に示すように、ローラ軸102の一端側には、駆動ギア104が固定される。ヒートローラ9aは、ローラ駆動モータ90から駆動ギア104に入力される回転力で、回転駆動される。
図5に示すように、プレスローラ9bは、ヒートローラ9aに圧接(当接、押圧)されるローラである。プレスローラ9bは、ヒートローラ9aにおける垂直方向下側に配置される。プレスローラ9bは、ヒートローラ9aに対向して配置される。プレスローラ9bの中心軸C2(回転軸91)は、ヒートローラ9aの中心軸C1(ローラ軸102)と平行である。
本実施形態において、プレスローラ9bは、アルミニウム製の芯金の表面にシリコンゴムを被覆し、更に、表層にPFAチューブを被せた構造である。
図2から図4に示すように、加圧板81は、プレスローラ9bを回転自在に支持する支持部材である。図4に示すように、加圧板81は、プレスローラ9bの両端側の下方に配置され、水平方向に延びるように配置される部材である。加圧板81は、プレスローラ9bの回転軸91が挿通されると共に、該回転軸91を回転自在に軸支する軸受部93を有する。加圧板81は、プレスローラ9bを回転自在に軸支する。
また、加圧板81は、プレスローラ9bに対して用紙Tの排出側(図2では、左端側)である一端側が、支持軸95により、回動可能に支持(軸支)される。支持軸95が配置される一端と反対側の他端である自由端81aは、支持軸95を支点とした回動移動によって、矢印E1(図3参照)で示すように垂直方向において上下に移動される。つまり、加圧板81における支持軸95から自由端81aまでの部分は、支持軸95を支点とした回動移動によって、上下方向に移動される。
これにより、加圧板81は、支持軸95を支点とした回動移動によって、プレスローラ9bを垂直方向において上下に移動させる。具体的には、支持軸95を支点とした回動移動によって、ヒートローラ9aから離間した離間位置R2(図3参照)と、ヒートローラ9aに当接した当接位置R1(図2参照)とにプレスローラ9bを移動可能に構成される。
本実施形態において、離間位置R2及び当接位置R1は、ヒートローラ9aに対してプレスローラ9bが離間しているとき、及び当接しているときのプレスローラ9bの上端の高さ位置で示している。ここで、離間位置及び当接位置は、上記に限定されない。離間位置は、プレスローラ9bがヒートローラ9aから離間した離間状態(圧解除状態)におけるプレスローラ9bの位置を示すものであればどの部分の位置を基準にしてもよい。また、当接位置は、プレスローラ9bがヒートローラ9aに当接した当接状態(加圧状態)におけるプレスローラ9bの位置を示すものであればどの部分の位置を基準にしてもよい。また、離間位置及び当接位置を示す場合において、絶対位置を用いて規定してもよく、また、ヒートローラ9aとの相対位置を用いて規定してもよい。
図3に示すように、圧解除状態において、プレスローラ9bは、ヒートローラ9aから離間した離間位置R2に配置される。プレスローラ9bが離間位置R2に配置された状態において、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとの間には、隙間s1が形成される。これにより、定着装置9は、プレスローラ9bとヒートローラ9aとの間に押圧荷重が作用しない圧解除状態となる。
図2に示すように、加圧状態において、プレスローラ9bは、ヒートローラ9aに当接した当接位置R1に配置される。プレスローラ9bが当接位置R1に配置された状態において、プレスローラ9bは、ヒートローラ9aの外周面に所定の押圧力で押し当てられ密着した状態である。
この加圧状態において、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとの間には、定着ニップ部Ntが形成される。
定着ニップ部Ntは、該定着ニップ部Ntに導入された用紙Tを挟持した状態で所定の搬送方向に搬送する。定着ニップ部Ntにおける用紙Tの搬送速度は、ヒートローラ9aの回転速度(走行速度)となる。従って、ヒートローラ9aを回転駆動するローラ駆動モータ90は、定着装置9内における用紙Tの搬送速度を制御する搬送駆動部として機能する。
偏心カム部材84は、水平方向に延びる回転軸(中心軸)841を中心に回転可能な偏心カム板である。回転軸841は、偏心カム部材84の中心(又は重心)からずれた位置に偏心して設定される。
偏心カム部材84は、図2及び図3に示すように、加圧板81の自由端81a側の上面に当接して配置されている。加圧板81が付勢手段106によって垂直方向上側に向かうよう付勢されるので、偏心カム部材84は、外周面が加圧板81の上面に当接した状態で配置される。偏心カム部材84は、回転軸841中心に回転移動することで、外周面に当接する加圧板81を上下方向に移動させる。
図4に示すように、偏心カム部材84は、後述する回転駆動部85からバネクラッチ120を介して伝達軸130に入力される回転駆動力によって、回転移動される。偏心カム部材84は、伝達軸130の回転によって、第1回転位置θ1(図2参照)と、第2回転位置θ2(図3参照)とに回転移動可能(回転位置を切り替え可能)である。
ここに、第1回転位置θ1とは、加圧板81の自由端81aを第1位置H1に位置させるときの偏心カム部材84の回転位置である。
また、第1回転位置θ1とは、加圧板81を介してプレスローラ9bを当接位置R1(即ち、加圧状態となる位置)に配置させたときの回転位置である。
詳細には、第1回転位置θ1とは、加圧板81を介してプレスローラ9bを当接位置R1に配置させる第1位置H1に加圧板81の自由端81aを位置させる偏心カム部材84の回転位置である。
また、第2回転位置θ2とは、加圧板81の自由端81aを第2位置H2に位置させるときの偏心カム部材84の回転位置である。
また、第2回転位置θ2とは、加圧板81を介してプレスローラ9bを前述の離間位置R2(即ち、圧解除状態となる位置)に配置させたときの回転位置である。
詳細には、第2回転位置θ2とは、加圧板81を介してプレスローラ9bを離間位置R2に配置させる第2位置H2に加圧板81の自由端81aを位置させる偏心カム部材84の回転位置である。
回転駆動部85は、回転出力軸853を有するカム駆動モータである。回転駆動部85は、電力の供給を受けると、回転出力軸853を回転させる。
フライホイール110は、回転駆動部85における回転出力軸853に取り付けられる。フライホイール110は、回転出力軸853の回転時における慣性モーメントを増大させる。具体的には、フライホイール110は、回転駆動部85(カム駆動モータ)が回転出力軸853に回転駆動力を出力することを停止した後においても、所定時間、回転出力軸853を回転させる。
バネクラッチ120は、図6に示すように、入力部121と、出力部122と、クラッチバネ123とを備える。
入力部121は、回転出力軸853に固定された出力歯車854に噛合する入力歯車121aと、入力歯車121aから出力部122側に突出して設けられてクラッチバネ123が巻き付けられる入力部121bとを備えている。従って、入力部121は、回転出力軸853(図4参照)から伝達された回転駆動力により回転される。
出力部122は、後述の伝達軸130が固定される軸固定部122aと、軸固定部122aから入力部121側に突出して設けられてクラッチバネ123が巻き付けられる出力部122bとを備える。出力部122は、クラッチバネ123を介して入力部121からの回転駆動力が伝達されることで回転される。
クラッチバネ123は、中心軸を一致させて対向配置される入力部121bと出力部122bとの外周面に沿って巻き回されて取り付けられる捩りコイルばねである。クラッチバネ123は、コイルの巻きが締まることにより入力部121bと出力部122bとを連結状態にして、入力部121の回転駆動力を出力部122に伝達する。また、クラッチバネ123は、コイルの巻きが緩むことで、入力部121b及び出力部122bとの連結を解除して、入力部121の回転駆動力が出力部122に伝達されない状態にする。
バネクラッチ120は、クラッチバネ123における締緩状態により(巻き締まり状態と、巻き緩み状態とにより)、前記入力部121からの回転駆動力を出力部122に伝達可能な状態と、入力部121からの回転駆動力を出力部122に伝達しない状態とに切り替わる。
図6に示すように、バネクラッチ120には、外部から係止され回転移動が停止されることで、クラッチバネ123を巻き締まり状態又は巻き緩み状態に切り替えるカバー部材125が配置される。カバー部材125は、入力部121における一部及び出力部122における一部の外面を覆うと共に、出力部122に連結される。
詳細には、カバー部材125は、入力部121bと出力部122bとに巻き回されたクラッチバネ123の外周に遊嵌する円筒状である。カバー部材125の内側に配置されているクラッチバネ123は、出力部122側の端部が出力部122に係止され、入力部121側の端部がカバー部材125の入力部121側の端部係止されている。カバー部材125は、クラッチバネ123を介して、出力部122に一体回転可能に連結されている。
図6から図7Bに示すように、カバー部材125は、第1係合部127と第2係合部128とを備える。第1係合部127と第2係合部128とは、カバー部材125の外面から、径方向における外方に突出する突起部である。第1係合部127と第2係合部128は、規制部材140の自由端140bが移動する方向に沿って離間して設けられる。第1係合部127と第2係合部128は、カバー部材125の外面の周方向において180度位置をずらして設けられる。
図7Aに示すように、第1係合部127は、カバー部材125の外面における軸固定部122a側に形成される。第1係合部127は、第1規制位置K1に配置される規制部材140に係合して、カバー部材125の矢印E3方向の回転を規制することで、出力部122を第1位置決め位置Q1に位置(制止)させる。
第1位置決め位置Q1は、第1係合部127が規制部材140によって係止された状態における出力部122の回転位置である。
図7Bに示すように、第2係合部128は、カバー部材125の外面における入力歯車121a側に形成される。第2係合部128は、第2規制位置K2に配置される規制部材140に係合して、カバー部材125の矢印E4方向の回転を規制することで、出力部122を第2位置決め位置Q2に位置(制止)させる。
第2位置決め位置Q2は、第2係合部128が規制部材140によって係止された状態における出力部122の回転位置である。
図2から図4に示すように、伝達軸130は、中心軸を偏心カム部材84の回転軸841に一致させて偏心カム部材84に固定される。また、伝達軸130の両端部は、軸受装置132、132により、回転自在に支持される。更に、伝達軸130の一端は、出力部122に固定される。
伝達軸130は、出力部122と偏心カム部材84とを連結して、出力部122からの回転駆動力を偏心カム部材84に伝達する軸部材である。
規制部材140は、バネクラッチ120の外周囲に移動可能に配置されたレバー部材である。規制部材140は、バネクラッチ120(カバー部材125)の外周面に形成された第1係合部127又は第2係合部128に係合して出力部122の回転を規制する。
規制部材140は、バネクラッチ120の外周囲に、該バネクラッチ120の径方向に延在するように配置される。規制部材140は、バネクラッチ120から遠い側の端部140aが、レバー支持軸141を介して、不図示の固定構造物(例えば、カラーコピー機1の筐体)に回動自在に支持される(図6参照)。規制部材140は、レバー支持軸141を回転支点として回動することにより、自由端(バネクラッチ120に近い側の端部)140bがバネクラッチ120の外周囲をバネクラッチ120の軸方向(図6の矢印E2方向)に沿って移動可能に構成される。
規制部材140は、レバー支持軸141を回転支点として当該規制部材140が回動移動することで、自由端140bが第1規制位置K1(図7A参照)と、第2規制位置K2(図7B参照)とに移動可能に構成される。
ここに、第1規制位置K1は、出力部122を第1位置決め位置Q1(図7A参照)位置決めさせる規制部材140の位置である。第1位置決め位置Q1は、伝達軸130を介して出力部122と一体的に回転する偏心カム部材84が第1回転位置θ1(図2参照)に位置されるときの出力部122の位置である。
また、第2規制位置K2は、出力部122を第2位置決め位置Q2(図7B参照)位置決めさせる規制部材140の位置である。第2位置決め位置Q2は、伝達軸130を介して出力部122と一体的に回転する偏心カム部材84が第2回転位置θ2(図3参照)に位置されるときの出力部122の位置である。
ここで、規制部材140は、規制部材駆動部150により、第1規制位置K1と、第2規制位置K2とに移動される。
図6から図7Bに示すように、規制部材駆動部150は、ソレノイド151と、付勢部材152と、を備える。
ソレノイド151は、本体151aと、該本体151aに出入り可能に収容されたプランジャ151bとを備える。
本体151aは、規制部材140のレバー支持軸141を支持している不図示の固定構造物(例えば、カラーコピー機1の筐体)に締結される。プランジャ151bの先端は、規制部材140に連結される。
ソレノイド151は、本体151a内の励磁コイルへの通電によりプランジャ151bを直線運動させる。つまり、ソレノイド151は、本体151a内の励磁コイルへの通電によりプランジャ151bを直線運動させることで、先端に連結された規制部材140を矢印E2方向に移動させる。
詳細には、ソレノイド151は、電力が供給されている場合、プランジャ151bを本体151a内に引き込まれた位置に保持させる状態と、プランジャ151bを本体151aから突出させた位置に保持させる状態した状態とに変更可能に構成される。
つまり、ソレノイド151は、電力が供給された状態において、規制部材140を第1規制位置K1に位置決めする(図7A参照)と共に、規制部材140を第2規制位置K2に位置決めする。
ここで、ソレノイド151は、電力が供給されない状態において、プランジャ151bを位置規制しない。つまり、ソレノイド151は、電力が供給されない状態において、規制部材140を位置決めしない(移動自在)。
例えば、規制部材140が第1規制位置K1に配置された状態において、電力の供給が停止された場合、規制部材140は、第1規制位置K1に位置決めされず可動状態となる。
付勢部材152は、規制部材140を第2規制位置K2に向かうように付勢する戻しバネである。付勢部材152は、ソレノイド151のプランジャ151bを本体151aから引き出す方向に付勢していて、ソレノイド151に電力が供給されていない状態において、可動状態である規制部材140を第2規制位置K2に移動させる。
本実施形態において、規制部材駆動部150は、規制部材140を第1規制位置K1(図7A参照)に位置させた状態において、電力の供給が停止されると、規制部材140を第2規制位置K2(図7B参照)に位置させる。
つまり、規制部材140が第1規制位置K1に位置し、偏心カム部材84が第1回転位置θ1に位置する場合において、規制部材駆動部150への電力の供給が停止されると、規制部材140は第2規制位置K2に位置し、偏心カム部材84が第2回転位置θ2に位置する。
よって、規制部材140が第1規制位置K1に位置し、プレスローラ9bとヒートローラ9aとが当接状態(加圧状態、押圧状態)にある場合に、規制部材駆動部150への電力の供給が停止されると、規制部材140は第2規制位置K2に位置し、プレスローラ9bとヒートローラ9aとは、離間状態となる。
また、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとにおける第2搬送路56側である搬入側には、第2搬送路56により搬送されてきた用紙Tをヒートローラ9aとプレスローラ9bとの間(定着ニップ部Nt)に誘導する定着ガイド板97が設けられる。また、ヒートローラ9aとプレスローラ9bにおける排出側には、分離板98が設けられる。分離板98は、ヒートローラ9aとプレスローラ9bが形成する定着ニップ部Ntを通過した用紙Tをヒートローラ9aの表面から剥離させると共に、剥離させた用紙Tを出口側のローラ対に渡す機能を有する。
本実施形態において、定着装置9に対してカラーコピー機1の主電源等から電力が供給された状態から電力が供給されない状態に遷移した場合、規制部材駆動部150は、規制部材140を第1規制位置Kl(図7A参照)から第2規制位置K2(図7B参照)に移動させる。また、バネクラッチ120の出力部122は、図4に示したフライホイール110における慣性力より所定時間だけ回転駆動部85の回転出力軸853が回転することで、電力の供給がされない状態になった場合でも、入力部121に伝達された回転駆動力であってクラッチバネ123を介して伝達された回転駆動力を出力する。また、偏心カム部材184は、電力の供給がされない状態になった後、出力部122から伝達軸130を介して伝達された回転駆動力により第1回転位置θ1(図2参照)から回転移動されると共に、第2規制位置K2に位置する規制部材140によりバネクラッチ120を介して回転が規制されて、図3に示した第2回転位置θ2で位置決めされる。よって、定着装置9は、カラーコピー機1の主電源等から電力が供給された状態から電力が供給されない状態に遷移した場合、自動的に、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとを当接状態(加圧状態)から離間状態(圧解除状態)に変形させる。
次に、図8により、定着装置9における機能プロックについて説明する。図8は、定着装置9における機能ブロック図である。
図8に示すように、定着装置9は、以上に説明したヒータ86と、回転駆動部85と、規制部材駆動部150と、搬送駆動部を兼ねるローラ駆動モータ90の動作を制御する制御部(CPU)410と、メモリ420とを備えている。
制御部410は、カラーコピー機1における主電源である電源部430から電力供給を受け、上記のヒータ86と、回転駆動部85と、規制部材駆動部150と、搬送駆動部を兼ねるローラ駆動モータ90とへの電力供給をそれぞれ制御する。
電源部430は、カラーコピー機1内の各部に電力供給するAC電源で、外部電源からの入力をオン/オフする主電源スイッチを備える。
電源部430のスイッチがオフにされたり、電源部430に接続される電源コンセントが所定の外部電源から引き抜かれたりして、電源部430から制御部410への電力供給が遮断された場合には、制御部410からヒータ86、回転駆動部85、規制部材駆動部150、ローラ駆動モータ90等への電力供給は遮断される。
制御部410は、外部制御部440と通信する外部通信部411と、ヒータ86の温度制御を行うヒータ制御部412と、回転駆動部85及び規制部材駆動部150の動作を制御するカム位置制御部413と、搬送駆動部を兼ねるローラ駆動モータ90の動作を制御する搬送制御部414とを備える。
また、メモリ420は、制御部410の制御処理に必要な各種の情報を格納する制御情報部421を備える。
外部制御部440は、例えば、カラーコピー機1のメイン制御部で、定着装置9に対して定着処理命令等の情報を出力する。
外部通信部411は、外部制御部440からの定着処理命令等の情報を受信すると共に、外部制御部440に対して所定の情報を送信する。また、外部通信部411は、外部制御部440から受信した定着処理命令等の情報をヒータ制御部412、カム位置制御部413、搬送制御部414それぞれに出力する。
ヒータ制御部412は、外部通信部411により受信された定着処理命令等の情報に基づいて、ヒータ86に供給する電力を制御する。ヒータ制御部412は、ヒータ86の加熱状態を制御する。ヒータ制御部412は、用紙Tを挟持して搬送するヒートローラ9aの温度が定着処理に適した温度となるように、ヒータ86の発熱を制御する。また、ヒータ制御部412は、ヒータ86の温度制御に必要な情報を、適時、制御情報部421から取得する。
カム位置制御部413は、外部通信部411により受信された定着処理命令等の情報に基づいて、規制部材駆動部150及び回転駆動部85に供給する電力を制御する。カム位置制御部413は、偏心カム部材84の位置を、第1回転位置θ1又は第2回転位置θ2に回転移動させるよう回転駆動部85を制御する。
カム位置制御部413は、外部通信部411を介して、定着処理を行う旨の定着処理命令を受信した場合、偏心カム部材84の回転位置を第1回転位置θ1とするよう回転駆動部85を制御する。これにより、プレスローラ9bは当接位置R1に移動され、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとの間に定着ニップ部Ntが形成される。
カム位置制御部413は、定着処理を行う旨の定着処理命令を所定時間受信しない場合、偏心カム部材84の回転位置を第2回転位置θ2とするよう回転駆動部85を制御する。
また、カム位置制御部413は、偏心カム部材84の位置設定に必要な情報(例えば、カム駆動モータ852の回転量等)を、適時、制御情報部421から取得する。
具体的には、カム位置制御部413は、定着処理の命令を受ける前の待機状態では、図3に示すように、プレスローラ9bをヒートローラ9aから離間した離間位置R2に維持するために、偏心カム部材84の位置を第2回転位置θ2に位置させる。
この待機状態において、規制部材140は、図7Bに示すように第2規制位置K2に配置される。第2規制位置K2に配置された規制部材140により、カバー部材125の第2係合部128は、規制部材140に係止される。そして、カバー部材125は、矢印E4方向への回転が規制されている。カバー部材125の回転が規制されている状態では、回転駆動部85から入力部121に回転力が入力されても、カバー部材125と入力部121との相対回転によって、バネクラッチ120内のクラッチバネ123の巻きが緩むため、入力部121の回転力は出力部122には伝達されない。これにより、プレスローラ9bは、離間位置R2に維持される。
カム位置制御部413は、定着処理の命令を受けると、規制部材駆動部150のソレノイド151に供給する電力を制御して、規制部材140を第1規制位置K1に移動させる(図7A参照)。
また、カム位置制御部413は、回転駆動部85に所定の電力を供給して、回転駆動部85を回転駆動状態にして、バネクラッチ120の入力部121を矢印E3方向に回転させる。
これにより、カバー部材125の第1係合部127が規制部材140に係止されるまで、カバー部材125とバネクラッチ120の出力部122とは、一体的に180°回転される。そして、出力部122は、第1位置決め位置Q1に位置決めされる。出力部122が第1位置決め位置Q1まで回転されることによって、図2に示すように、偏心カム部材84は、第1回転位置θ1に回転移動される。偏心カム部材84が第1回転位置θ1に移動されて位置決めされることで、図2に示したように、プレスローラ9bは、当接位置R1に移動されると共に位置決めされる。
この状態において、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとの間には、定着ニップ部Ntが形成される。
なお、図7Aに示すように、カバー部材125の第1係合部127が規制部材140に係止されると、バネクラッチ120は回転力を伝達しなくなる。この状態において、回転駆動部85が回転駆動を続けていても、偏心カム部材84は回転駆動されず、第1回転位置θ1が維持される。つまり、定着処理中は、回転駆動部85への電力供給が継続されて、回転駆動部85は常時回転状態で維持され、入力部121は空転状態で維持される。
また、カム位置制御部413は、定着処理が完了すると、規制部材駆動部150のソレノイド151に供給する電力を制御して、規制部材140を第2規制位置K2に位置させる(図7B参照)。これにより、カバー部材125の第1係合部127と規制部材140との係合が外れ、カバー部材125は、図7Bに示すように、第2係合部128が規制部材140に係止されるまで180°回転する。このとき、カバー部材125と一体的に、バネクラッチ120の出力部122及び伝達軸130が180°回転する。偏心カム部材84は、図3に示す第2回転位置θ2に回転移動されると共に、第2回転位置θ2に位置決めされる。プレスローラ9bは、離間位置R2に移動されると共に位置決めされる。
搬送制御部414は、外部通信部411により受信された定着処理命令等の情報に基づいて、ローラ駆動モータ90に供給する電力を制御する。搬送制御部414は、ヒートローラ9aの回転動作を処理に適した速度とするようローラ駆動モータ90を制御する。
また、搬送制御部414は、ヒートローラ9aの回転動作の制御に必要な情報を、適時、制御情報部421から取得する。
次いで、図9から図12Bにより、定着装置9の動作を説明する。
図9は、定着装置9における動作制御を示すフローチャートである。図10Aは、定着処理命令を受ける前の待機状態又は停止状態における偏心カム部材84の動作を説明する偏心カム部材84周辺の横断面図である。図10Bは、定着処理命令を受ける前の待機状態又は停止状態における規制部材駆動部150及びバネクラッチ120の動作を説明する側面図及び正面図である。図11Aは、定着処理命令を受けてプレスローラ9bを当接位置に設定する偏心カム部材84の動作を説明する偏心カム部材84周辺の横断面図である。図11Bは、定着処理命令を受けてプレスローラ9bを当接位置に設定する規制部材駆動部150及びバネクラッチ120の動作を説明する側面図及び正面図である。図12Aは、プレスローラ9bが当接位置に有る状態で電力供給が遮断されたときの偏心カム部材84の動作を説明する偏心カム部材84周辺の横断面図である。図12Bは、プレスローラ9bが当接位置に有る状態で電力供給が遮断されたときの規制部材駆動部150及びバネクラッチ120の動作を説明する側面図及び正面図である。
外部通信部411が定着命令を受ける前の定着装置9が待機状態(停止状態)にある場合、図10Aに示すように、偏心カム部材84は第2回転位置θ2に位置する。そして、プレスローラ9bは、離間位置R2に配置される。この状態において、図10Bに示すように、規制部材140は第2規制位置K2に配置され、カバー部材125上の第2係合部128に係合して規制部材140の回転を規制する。
図8に示した電源部430の電源スイッチがオンにされることで、電源部430は、制御部410に電力の供給を開始し、図9に示す処理を開始する。
図9に示すように、ステップST1において、図8に示した外部制御部440からの定着処理命令を外部通信部411が受けると(YSE)、処理は、ステップST2に進む。
ステップST2において、カム位置制御部413は、回転駆動部85への電力供給を制御して、偏心カム部材84を第1回転位置θ1に回転移動させる。
具体的には、カム位置制御部413は、待機状態においてプレスローラ9bを離間位置R2に配置させる第2回転位置θ2に位置する偏心カム部材84を、プレスローラ9bを当接位置R1に配置させる第1回転位置θ1に位置させるよう規制部材駆動部150及び回転駆動部85を制御する。
詳細には、カム位置制御部413は、ソレノイド151へ供給する電力を制御し、規制部材140を第1規制位置K1に移動させると共に位置決めする(図11B参照)。また、カム位置制御部413は、回転駆動部85に所定の電力を供給して、回転駆動部85を回転駆動状態にして、バネクラッチ120の入力部121を図11Bの矢印E6方向に回転させる。これにより、図11Bに示すように、カバー部材125の第1係合部127が規制部材140に係止されるまで、カバー部材125とバネクラッチ120の出力部122とは、一体的に180°回転する。そして、出力部122は、第1位置決め位置Q1に位置決めされる。出力部122が第1位置決め位置Q1に回転移動されて位置決めされることで、偏心カム部材84は、第1回転位置θ1に回転移動されると共に位置決めされる(図11A及び図11B参照)。偏心カム部材84が第1回転位置θ1に回転移動されると、プレスローラ9bは、当接位置Rlに移動されると共に当接位置Rlで保持される。
この状態において、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとの間には、定着ニップ部Ntが形成される。
図11A及び図11Bに示す状態において、定着装置9は、定着処理が可能な状態となる。この状態において、ヒータ制御部412は、定着処理命令を受けて、ヒータ86が所定温度に昇温するようヒータ86に電力を供給する(温度制御する)。また、搬送制御部414は、定着処理命令を受けて、ローラ駆動モータ90が所定の回転速度で回転するよう電力を供給する(搬送速度を制御する)。これによりヒートローラ9aは、所定温度に加熱されると共に、図11Bに示す矢印E6方向に回転駆動される。
ステップST2が完了して、定着処理する準備が整うと、ステップST3に進む。
ステップST3において、定着装置9は、図11Aに示すヒートローラ9aとプレスローラ9bとの定着ニップ部Ntで用紙Tを挟持しながら搬送することで定着処理を実行する。
続けて、ステップST4において、カム位置制御部413等は、一枚の定着処理が終了すると、継続する定着処理の有無を確認する。複数枚の用紙Tが連続して定着処理される場合は、ステップST4を介して、ステップST3が繰り返される。
一連の定着処理が全て完了すると、ステップST4からステップSTSに進む。
続けて、ステップST5において、タイマー(不図示)は、最後に定着処理が終わってからの時間を計時する。カム位置制御部413等は、所定時間が経過するまで定着処理が可能な状態を維持する。ここで、ヒータ制御部412は、上記所定時間よりも短い時間で加熱状態を解除するようヒータ86を制御してもよい。
所定時間経過前に、新たな定着処理命令を受けた場合(ST6,YES)、ステップ5T3に戻り、定着装置9は、定着処理を行う。
所定時間が経過した場合、ステップST7に進む。
ステップST7において、定着装置9は、定着処理可能な状態を解除する(待機状態にする)。具体的には、カム位置制御部413は、ソレノイド151へ供給する電力を制御し、規制部材140を第2規制位置K2に移動させると共に位置決めする(図12B参照)。また、カム位置制御部413は、回転駆動部85に所定の電力を供給して、回転駆動部85を回転駆動状態にして、バネクラッチ120の入力部121を図11Bの矢印E6方向に回転させる。これにより、図12Bに示すように、カバー部材125の第2係合部128が規制部材140に係止されるまで、カバー部材125とバネクラッチ120の出力部122とは、一体的に180°回転する。そして、出力部122は、第2位置決め位置Q2に位置決めされる。出力部122が第2位置決め位置Q2に回転移動されて位置決めされることで、偏心カム部材84は、第2回転位置θ2に回転移動されると共に位置決めされる(図12A及び図12B参照)。偏心カム部材84が第2回転位置θ2に回転移動されると、プレスローラ9bは、離間位置R2に移動されると共に離間位置R2で保持される。
具体的には、制御部410への電力供給が遮断されると、カム位置制御部413からソレノイド151及び回転駆動部85への電力の供給が停止される。
電力の供給が停止されたソレノイド151は、プランジャ151bの位置規制が解除され、規制部材140を第1規制位置K1に位置決めせずに可動状態(移動自在)にさせる。そのため、図12Bに示すように、規制部材140を第2規制位置K2側に付勢している付勢部材152は、可動状態の規制部材140を第2規制位置K2に移動させる。規制部材140が第2規制位置K2に移動されることで、規制部材140が第1係合部127に係合して回転移動が規制されていたカバー部材125は、回転移動の規制が解除されて回転可能な状態となる。
一方、回転駆動部85は、制御部410への電力供給が遮断されることで、回転出力軸853の回転駆動を停止する。しかし、回転出力軸853は、それまでの回転による慣性ですぐには回転移動が停止されない。また、本実施形態の場合は、回転出力軸853にフライホイール110が取り付けられているので、回転駆動の停止後に大きな慣性が残っているため、電力供給が遮断されても、所定時間だけ回転が維持される。
そのため、図12Bに示すように、カバー部材125の第2係合部128が規制部材140に係止されるまで、慣性により回転出力軸853が回転することにともない、カバー部材125、出力部122及び伝達軸130が一体的に回転移動する。これにより、偏心カム部材84は、図12Aに示すように、第2回転位置θ2に回転移動される。そして、プレスローラ9bは、離間位置R2に移動される。つまり、定着装置9は、電源部430から制御部410への電力供給が遮断された場合、ヒートローラ9aとプレスローラ9bとを、自動的に、圧解除状態に戻すことができる。
以上に説明した本実施形態の定着装置9では、プレスローラ9bとヒートローラ9aとが加圧状態の時に電力供給が断たれた場合に、規制部材駆動部150によって規制部材140が第2規制位置K2に戻されることで、バネクラッチ120の出力部122の回転規制が解除される。更に、定着装置9は、フライホイール110の慣性力で出力部122が回転されて、偏心カム部材84が第2回転位置θ2に戻ることで、プレスローラ9bとヒートローラ9aとを圧解除状態に戻すことができる。
従って、本実施形態の定着装置は、外部からの電力供給が遮断された後も各部への電力供給を可能にする蓄電手段や、蓄電手段から各部への電力供給を制御する制御手段等を有しなくても、プレスローラ9bとヒートローラ9aとを圧解除状態に戻すことが可能である。
また、本実施形態によれば、定着装置9は、プレスローラ9bとヒートローラ9aとが加圧状態の時に電力供給が停止された場合に、プレスローラ9bとヒートローラ9aとを圧解除状態(離間状態)に戻すことができる。
また、本実施形態によれば、装置の複雑化やコストアップを招くことなく、プレスローラ9bとヒートローラ9aとを圧解除状態(離間状態)に戻すことができる定着装置を提供することができる。
本実施形態の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
また、シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
また、本実施形態によれば、加熱回転体として、円筒状のヒートローラ9aについて説明しているが、これに限定されず、例えば、離間した複数のローラに掛け渡されたべルト部材を備えるタイプを用いてもよい。
1……カラーコピー機
2a、2b、2c、2d……感光体ドラム(像担持体)
9……定着装置
9a……ヒートローラ(加熱回転体)
9b……プレスローラ(加圧回転体)
16a、16b、16c、16d……現像器
81……加圧板(支持部材)
81a……自由端
84……偏心カム部材
85……回転駆動部(カム駆動モータ)
86……ヒータ
110……フライホイール
120……バネクラッチ
121……入力部
122……出力部
123……クラッチバネ
125……カバー部材
127……第1係合部
128……第2係合部
130……伝達軸
140……規制部材(レバー部材)
150……規制部材駆動部
151……ソレノイド
151b……プランジャ
152……付勢部材
250……転写部
853……回転出力軸
H1……第1位置
H2……第2位置
R1……離間位置
R2……当接位置
M……装置本体
T……用紙
θ1……第1回転位置
θ2……第2回転位置

Claims (5)

  1. 加熱部を有する加熱回転体と、
    前記加熱回転体に対向して配置される加圧回転体と、
    前記加圧回転体を前記加熱回転体から離間した離間位置と、前記加熱回転体に当接した当接位置とに移動可能な支持部材と、
    前記支持部材に当接して配置され、回転軸を中心に回転可能な偏心カム部材であって、
    前記支持部材を介して前記加圧回転体を前記当接位置に配置させる第1位置に前記支持部材を位置させる第1回転位置と、
    前記加圧回転体を前記離間位置に配置させる第2位置に前記支持部材を位置させる第2回転位置と、に回転可能な偏心カム部材と、
    回転出力軸を有する回転駆動部であって電力が供給された状態において前記回転出力軸を回転させる回転駆動部と、
    前記回転出力軸から伝達された回転駆動力により回転される入力部と、前記入力部からの回転駆動力が伝達されることで回転される出力部と、前記入力部と前記出力部とに巻き回されて取り付けられるクラッチバネと、を有するバネクラッチであって、前記クラッチバネにおける締緩状態により前記入力部からの回転駆動力を前記出力部に伝達可能な状態と、前記入力部からの回転駆動力を前記出力部に伝達しない状態とに切り替えられるバネクラッチと、
    前記出力部からの回転駆動力を前記偏心カム部材に伝達する伝達軸であって、前記偏心カム部材を前記第1回転位置と前記第2回転位置とに回転移動させる伝達軸と、
    前記バネクラッチの外周囲に配置されたレバー部材であって、前記バネクラッチから遠い側の端部が支持軸によって支持され、前記バネクラッチに近い側の端部が自由端であり、前記出力部の回転を規制すると共に、前記支持軸を回転支点として回動することにより、前記偏心カム部材が前記第1回転位置に位置される第1位置決め位置に前記出力部を位置決めさせる第1規制位置と、前記偏心カム部材が前記第2回転位置に位置される第2位置決め位置に前記出力部を位置決めさせる第2規制位置とに前記自由端が移動可能なレバー部材と、
    電力が供給された状態において前記レバー部材の前記自由端を前記第1規制位置又は前記第2規制位置に位置させると共に、電力が供給されない状態において前記レバー部材の前記自由端を前記第2規制位置に位置させるレバー部材駆動部と、を備え
    前記レバー部材駆動部は、
    電力が供給された状態において前記レバー部材の前記自由端を前記第1規制位置に位置決めすると共に、電力が供給されない状態において前記レバー部材の前記自由端を前記第1規制位置に位置決めせずに可動状態とするソレノイドと、
    前記レバー部材の前記自由端を前記第2規制位置に向かうように付勢する付勢部材であって、前記ソレノイドに電力が供給されていない状態において、前記可動状態である前記レバー部材の前記自由端を前記第2規制位置に移動させる付勢部材と、を備える定着装置。
  2. 前記回転出力軸に取り付けられるフライホイールと、を備える
    請求項1に記載の定着装置
  3. 前記バネクラッチは、
    前記入力部における一部及び前記出力部における一部の外面を覆うと共に、前記出力部に連結され前記出力部とともに回転するカバー部材と、
    前記カバー部材における外面に配置され、前記第1規制位置に配置される前記レバー部材に係合して前記出力部を前記第1位置決め位置に位置させる第1係合部と、
    前記カバー部材における外面に配置され、前記第2規制位置に配置される前記レバー部材に係合して前記出力部を前記第2位置決め位置に位置させる第2係合部と、を備える請求項2に記載の定着装置。
  4. 電力が供給された状態から電力が供給されない状態に遷移した場合、
    前記レバー部材駆動部は、前記レバー部材を前記第1規制位置から前記第2規制位置に移動させ、
    前記出力部は、前記フライホイールにおける慣性力により所定時間だけ前記回転軸が回転することで前記入力部に伝達された回転駆動力であって前記クラッチバネを介して伝達された回転駆動力を出力し、
    前記偏心カム部材は、前記伝達軸を介して伝達された回転駆動力により前記第1回転位置から回転移動されると共に、前記レバー部材により回転が規制されて前記第2回転位置で位置決めされる
    請求項に記載の定着装置。
  5. 表面に静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に形成された静電潜像にトナー画像を現像する現像器と、
    前記像担持体に形成されたトナー画像を直接的又は間接的に所定の用紙に転写する転写部と、
    前記転写部により前記所定の用紙に転写されたトナー画像を定着させる請求項1からのいずれかに記載の定着装置と、を備える
    画像形成装置。
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