JP3640070B2 - 油水分離除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、事故により海水や湖沼等に広がったオイルを事故現場にて、分離、回収、除去し、水質汚濁防止法の排水基準値を満たす基準まで油水中の油分を浄化する油水分離除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来において、汚染された海水や湖沼のオイル分の除去や、消防法に規定されている油水分離槽における油水の清掃の殆どは、含油水をバキュームやフロートサクションを利用して回収し、陸地に回収した含油水を移送して処理したり、油の広がる海域をオイルフェンスで囲み、吸着マットを使用して油分を吸着したり、油水表面に中和剤を散布して油分を吸着したりする方法を採用していた。
【0003】
そのほか、油水中の油分を薬品を使用してフロックとして処理する化学的な処理方法や、特開平6−10334号公報記載の発明のように、多孔板やグラスウール等のフィルターを通過させて油分を除去する物理的な処理方法により、含油水の処理を行う油水分離装置も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、事故等によりオイルが広範な海域に広がっている場合に、含油水を回収して陸地に移送して処理する方法では膨大なコストがかかる。また、オイルフェンスでオイルの広がる海域を囲み、中和剤を散布して油分を除去する方法も、膨大な時間と費用を必要とし、現実的な処理方法ではなかった。
【0005】
特に、薬品を使用してフロックとして処理する化学的な処理方法では、薬品の使用量や使用方法等の取扱いが難しく、フロックとした廃棄物中に薬品が海底に堆積して、環境に影響を与えないとはいいきれない。また、水面に浮かんだ油分を中和剤を用いて乳化させた場合であっても、乳化剤及び乳化した油分が光酸化や魚介類等によって生分解されず、処理後に油処理剤が残留して再度汚染源にならないとはいいきれず、環境への影響が懸念される。
【0006】
また、従来の多孔板等のフィルターを用いる物理的な処理方法では、油分を除去した後も、微細な油膜が水面に残ってしまい、海水を完全に清澄化することは困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、叙述の諸事情を鑑みて創案されたもので、漏油事故現場において、処理量を少なくして処理コストを低減し、油水中の油分を完全に無害固形物として除去し、微細な油膜をも残留することなく、規定された排水基準値以下まで油水を処理して、処理水を現場に戻すことの可能な油水分離除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、
請求項1に記載した発明の手段は、含油排水中の油分を分離、回収、除去する油水分離除去装置において、ごみを除去して油分の多い表面附近の油水のみを汲み上げるフロートポンプ、汲み上げた油水表面に浮上する油分を底部まで到達させないように油水の流速を制御する邪魔板及び浮上した油分を回収するオイルスキマーを設けた第一の浮上油分離槽、油水を浮上油分離槽から汲み上げるサイホン及び汲み上げた油水中の油分を底部まで集中落下させないように流速を制御する水圧分散ストレーナーを設けた第二,第三の浮上油分離槽、第三の浮上油分離槽中に万一にも含まれている可能性のある油分を活性炭からなる多孔質性の吸着材を用いて吸着する油吸着フィルター、油分を吸着処理した処理水を放出する放出口を設けた浮上油分離回収装置と、前記浮上油分離槽中の油水中に残留する油分をミセルの効果によりエマルジョン化する植物系の洗浄剤と、エマルジョン化した油分をフロック化する食可能な海草等の植物から抽出したエキスを主成分とした凝集剤及びカチオン系の食品添加物をメインとした凝固剤とを投入して混合するタンク、フロック化した油分を回収するバグフィルター、フロック化した油分を除去した処理水を放出する放出口を設けた水中油分除去装置とを、一つのハウジングに設置し、船舶、車両、列車の移動物体に搭載可能としたこと、にある。
【0009】
消防法に規定される油水分離槽などに貯留した油水、漏油事故等により油分を含む海水等の油分の多い表面附近の油水のみをフロートポンプで汲み上げ、処理する油水量をできるだけ少なくして、処理コストを低減する。また、油水中からあらかじめごみ等を除去して、ごみ等により油水の流通を妨げないようにしている。
【0010】
油水は、邪魔板によって、油水中の油分が底部まで直接到達しないように流速が制御されて、第一の浮上油分離槽に流入するとともに、水分と油分との比重差により、油分の浮上が促進され、油分が油水表面に浮上分離する。浮上した油分は、オイルスキマーで回収し、油水中から除去する。
【0011】
次に、油分がオイルスキマーによって除去された油水を、第一の浮上油分離槽からサイホンによって汲み上げ、底部まで油水が集中落下しないように水圧分散ストレーナーで流速を制御して、第二の浮上油分離槽に流入し、微細な油分を油膜として浮上分離させやすくする。そして、第二の浮上油分離槽から第三の浮上油分離槽に油水を流通して同様の操作を繰り返す。
【0012】
このように、第一の浮上油分離槽から第二の浮上油分離槽へ、第二の浮上油分離槽から第三の浮上油分離槽へ、同様の操作を繰り返すのは、万が一にも最終槽である第三の浮上油分離槽に油分が到達することがないようにするためであり、この操作を繰り返すことによって、油水中の極微細な油分も、水分との比重差により、油膜として完全に油水の上部表面に浮上分離する。
【0013】
油水中から浮上分離した油膜を、油水とともに、活性炭からなる多孔質性の吸着材を用いた油吸着フィルターに流通し、除去の困難な数ミクロン単位の微細な油膜をも油吸着フィルターにて吸着・除去し、規定された排水基準値以下まで油水を清浄化するとともに、油膜が残らない清澄な処理水を浮上油分離回収装置から現場に放出する。
【0014】
浮上油分離回収装置で浮上分離されず、油水中に残留する油分は、水中油分除去装置において、植物系の洗浄剤で油水をリエマルジョン化して安定なミセルとし、更に、食可能な海草等の植物から抽出したエキスを主成分とした凝集剤とカチオン系の食品添加物とをメインとした凝固剤とを投入してフロック化したうえ、油分を油水中から完全に除去し、規定された排水基準値以下まで完全に清澄化した処理水を水中油分除去装置から現場に放出する。
【0015】
洗浄剤、凝集剤および凝固剤の全てが、環境に影響を与えない天然物を用いていることから、フロック化した油分を無害固形物として、安心して廃棄・除去できる。
【0016】
なお、浮上油分離回収装置と水中油分除去装置を連結し循環する手段を設け、浮上油分離槽中の充填水に、浮上分離されずに残留する油分を水中油分除去装置で清浄化し、初期充填水として再利用している。
【0017】
請求項2記載の発明は、油吸着フィルターを、油水を分散する多孔性の水流分散板と、該水流分散板の下流に位置する活性炭からなる多孔質性の吸着材と、該吸着材の下流に位置する吸着材に吸収した油分を流出させない吸着材流出防止フィルターとから構成したこと、にある。
【0018】
数ミクロン単位の微細な油膜として浮上分離した油分を、多孔性の水流分散板によって分散し、油水を一箇所に集中して流通しないように防止して、活性炭からなる吸着材に略均等に流通し、除去の困難な微細な油膜をも吸着除去して、油膜の残留しない清浄な処理水を現場に放出する。
【0019】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、第一、第二及び第三の浮上油分離槽をL字型に載置した浮上油分離回収装置と、該浮上油分離回収装置に水中油分除去装置を近設したこと、にある。
【0020】
第一、第二及び第三の浮上油分離槽を直列ではなく、L字型に載置し、水中油分除去装置を前記浮上油分離装置に近設したことで、油水分離除去装置の設置に必要な面積を極力小さくし、車両や船舶等に搭載しやすくしている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照にしながら説明する。図1は、油水分離除去装置の概略構成を示す説明図である。
【0022】
図1に示すように、油水分離除去装置1は、油水中の比重の軽い油分を上部に浮上分離させて除去する浮上油分離回収装置2と、浮上分離せず、油水中に残留する油分を最終的に無害固形物として除去する水中油分除去装置4とから構成されている。
【0023】
図2は、消防法に規定される油水分離槽等の清掃のため貯留した油水や、漏油事故等により海水に広がる油水中の油分の多い表面附近の油水を汲み上げて、浮上油分離回収装置2の第一の浮上油分離槽2aに流入させるフロートポンプ5の概略構成を示す図であり、(a)は、フロートポンプ5の平面図、(b)は、フロートポンプ5の側面図である。
【0024】
図2に示すように、フロートポンプ5は、含油排水中にフロートポンプ5を保持するフロート部5aと、表面の油分の多い油水をポンプ駆動にて吸い込む吸い込み口5dと、該吸い込み口5dの周囲に配した粗大なごみを除去する網目の大きなごみ除け網5bと、ごみ除け網5bの内部で吸い込み口5dの周囲に配した微細なごみを除去するごみ除け網5cとから構成されている。
【0025】
消防法に規定される油水分離槽6中に貯留された含油排水は、ごみ除け網5c,5dによりごみが除かれて、油分の多い含油排水表面の油水のみがフロートポンプ5で汲み上げられ、第一の浮上油分離槽2aに流入する。
【0026】
このように、油水中のごみをあらかじめ除去しておくため、浮上油分離回収装置2において、油水の流通がごみで妨げられることなく、効率よく作業が進められる。
【0027】
また、事故により海水にオイルが広がった場合であっても、油分の多い含油排水表面の油水のみをフロートポンプ5で汲み上げて処理するため、処理する油水量が少なくなり、処理コストを低減することができる。
【0028】
図3は、浮上油分離回収装置2を示す拡大図である。第一の浮上油分離槽2aは、フロートポンプ5で汲み上げられた油水の流速を制御する邪魔板である抵抗板2b及び浮上した油分を回収するオイルスキマー2cを備えている。なお、図4は、抵抗板2bの概略構成を示す斜視図である。
【0029】
図4に示すように、抵抗板2bは、やや斜めに設置した扇状の平板20に、複数のフィルター21を起立設し、このフィルター21の側部を側板22で囲って、フロートポンプ5により汲み上げられた油水を抵抗板2b上に流通させて、第一の浮上油分離槽2aに流入する仕組みとなっている。
【0030】
フロートポンプ5で汲み上げられた油水は、抵抗板2bにぶつかって、油水中の油分が直接、第一の浮上油分離槽2aの底部まで到達しないように流速が制御され、油分の浮上分離が促進される。
【0031】
そして、水面に浮上した油分を、油分の粘性を利用して、油水の流入方向と逆方向に回転する円筒状のオイルスキマー2cに付着させ、オイルスキマー2cに付着した油分を油分回収タンク2iに回収する。
【0032】
次いで、オイルスキマー2cで浮上油分が除去された油水を、第一の浮上油分離槽2aの底部附近からサイホン2dで汲み上げ、水圧分散ストレーナー2eの40メッシュ程度のサクションフィルターに通流させて油水の流速を制御し、油分の底部への集中落下を防止しつつ、第二の浮上油分離槽2fに流通する。ここで、油水中の油分の浮上分離が促進され、油水中の油分が、油膜として第二の浮上油分離槽2fの上部に浮上分離する。
【0033】
同様に、油分が浮上分離された第二の浮上油分離槽2fの底部付近からサイホン2gを用いて油水を汲み上げ、水圧分散ストレーナー2hを通流させて第三の浮上油分離槽2iに流入する操作を繰り返すことにより、最終槽である第三の浮上油分離槽2iに油分が到達しないように防止するとともに、油水中の極微細な油分も、水分との比重差により、完全に油膜として油水の上部表面に浮上分離する。
【0034】
次に、浮上分離した油水表面の油膜を除去する油吸着フィルター3について説明する。
【0035】
図5は、油吸着フィルター3に用いる水流分散板3cを示す平面図であり、図6は、油吸着フィルター3の概略構成を示す説明図である。
【0036】
図5に示すように、水流分散板3cは、多孔を有する円板体である。
【0037】
また、図6に示すように、油吸着フィルター3は、有頂円筒状のケース体3b中に、水流分散板3cを装着し、その下流に活性炭を用いた吸着材3dを充填し、更に下流に、吸着材3dに吸着した油分の流出を防止するポリプロピレン製の円板体である吸着材流出防止フィルター3eを装着している。
【0038】
吸着材3dは、谷口商会株式会社が製造・販売元である、活性炭を主原料とするスミレイを使用している。スミレイは、一般の油吸着マットに用いる吸着素材の孔径(通常の油吸着マットの孔径:200μm〜600μm)よりも小さく、大径孔で20μm〜50μm程度の大きさであり、薄膜状となっている油分の吸着に適している。
【0039】
なお、本例の油吸着フィルター3は、水流分散板3c,吸着材3d及び吸着材流出防止フィルター3eからなるセットを二セット、ケース体3b中に装着している。このセットの交換が可能となるように、ケース体3bは、強固な金属等を用いて形成することが望ましい。
【0040】
油膜が上部に浮上している油水を、油吸着フィルター3に流通すると、水流分散板3cに油水がぶつかって分散し、吸着材3d中に略均等に油水が流通して、油膜が吸着材3dに吸着される。そして、吸着材流出防止フィルター3eから流通した油水が、さらに二セット目の水流分散板3c,吸着材3d,吸着材流出防止フィルター3eを流通し、完全に油膜が吸着されて油水から除去される。
【0041】
したがって、除去の困難な数ミクロン単位の微細な油膜として、油分が油水表面に浮上分離している場合であっても、油吸着フィルター3に油膜を吸着し、規定された排水基準値(鉱物油5ppm,植物油30ppm)以下まで油分が除去されるとともに、油膜も残留しない清澄な処理水を現場に放出することができる。
【0042】
次に、比重差によって油分が浮上分離せず、油水中に残留する油分を除去する水中油分除去装置4について説明する。
【0043】
水中油分除去装置4は、図1に示すように、攪拌装置4aを有する攪拌タンク4bに凝集剤B投入用のホッパー4cと、凝固剤C投入用の液量確認タンク4dとを装備し、ろ過ポンプ4eを介してバッグフィルター4fを配して成る。図中4gは、凝固剤Cのタンクであり、このタンク4gから凝固剤C液をポンプ4hで吸い上げて、液量確認タンク4dにて、液量を確認し、攪拌タンク4bに投入する。また、図中4iは、洗浄剤Aのタンクであり、適量ポンプ4jにて、攪拌タンク4bに適量の洗浄剤Aを投入する。
【0044】
洗浄剤Aは、有限会社S・N・E総合研究所が製造した商品名イオン洗浄剤SNF−GF88を用いた植物性の洗浄剤である。また、凝集剤Bは、食可能な海草等の植物から抽出したエキスを主成分とした粉状体であり、凝固剤Cは、カチオン系の食品添加物をメインとした液体である。凝集剤B及び凝固剤Cとも、株式会社ウェステックが製造元で、株式会社シンドウが販売元のNBP−A、BC9−B(二つセットで総称ミキロシク)を使用している。
【0045】
浮上油分離回収装置2にて、比重の軽い油分が浮上分離された油水を、配管を通じて浮上油分離槽2a,2f,2iから水中油分除去装置4の攪拌タンク4bに流入し、洗浄剤Aを投入して油水をリエマルジョン化して油水中に残留している油分を安定なミセルとし、更に、凝集剤B及び凝固剤Cとを投入してミセルとなっている油分を完全にフロック化したうえ、このフロック化した油分をバッグフィルター4fで除去し、油分の残留しない、完全に清澄化した処理水を水中油分除去装置4の放出口から現場に再放出することができる。
【0046】
また、洗浄剤A、凝集剤B及び凝固剤Cの全てが環境に影響を与えない天然物を用いていることから、フロック化した油分を無害固形物として、安心して廃棄・除去することができる。
【0047】
浮上油分離槽2a,2f,2iにおいて、浮上した油分も、水中油分除去装置4において、フロック化した上、除去することも可能である。すなわち、浮上油分離槽2a,2f,2iの下部から充填水を供給し、浮上油を浮上油分離槽2a,2f,2iの上部に押し上げて、浮上油分離槽2a,2f,2i上部に設けた上部回収パイプ7により水中油分除去装置4の攪拌タンク4bに流入し、油分をフロック化したうえ回収し、分離廃棄する。
【0048】
なお、浮上油分離回収装置2と水中油分除去装置4を流通弁を介して配管7で連結した循環手段を設け、汚れてきた浮上油分離槽2a,2f,2i中の充填水を、流通弁を介したパイプ8を通じて水中油分除去装置4に循環させ、清浄な初期充填水として再利用している。
【0049】
次に、図7は、油水分離除去装置1の他の実施例について説明する。図7は、浮上油分離回収装置2及び水中油分除去装置4を配管7で連結して一つのラインを構成し、ハウジング内に設置した油水分離除去装置1を示す平面図である。
【0050】
図7に示すように、油水分離除去装置1は、浮上油分離回収装置2の第一、第二及び第三の浮上油分離槽2a,2f,2iをL字型に設置し、この浮上油分離回収装置2の第一、第二及び第三の浮上油分離槽2a,2f,2iを流通弁を介して配管7で攪拌タンク4bに連結し、水中油分除去装置4を浮上油分離回収装置2に近設して設け、コンパクトにハウジング内に設置している。
【0051】
このため、油水分離除去装置1を、車両や船舶に搭載することが容易となり、事故等によって汚染された海水や湖沼の事故現場まで、車両や船舶に搭載した油水分離除去装置1を運び、現場において、油水を規定された排水基準値以下まで浄化し、油膜の残らない清澄化した処理水を現場に戻すことができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
油水分離除去装置は、油分の多い油水の表面附近の油水を汲み上げて処理するため、油水が海水等の広範囲に広がっている場合であっても、処理する油水量を少なくして、処理コストを低減することができる。
【0053】
油水分離除去装置の浮上油分離回収装置は、油分と水分との比重差により油水中の油分を浮上分離させて回収するとともに、油水中な微細な油分も油膜として浮上分離させて除去する。また、油膜として浮上分離しない油分が万一、油水中に残留した場合であっても、油吸着フィルターを用いて除去し、規定された排水基準値以下まで油水を完全に浄化し、油膜としても油分が残留しない清澄な処理水を現場に戻すことができる。
【0054】
更に、油水分離装置の水中油分除去装置は、浮上油分離回収装置で浮上分離されない油水中に残留する油分を無害固形物として回収・除去し、規定された排水基準値以下まで、完全に清澄化した処理水を現場に戻すことができる。
【0055】
油水分離除去装置は、コンパクトにハウジング内に設置することが可能であり、船舶等の移動体に容易に搭載することが可能であるため、事故現場まで油水分離除去装置を運んで、漏油の事故現場において、低コストで、環境に影響を与えることなく、海水等の油水中の油分を完全に除去し、規定された排水基準値以下まで油水を清浄化するとともに、油膜としても油分の残らない完全に清澄化した処理水を現場に再放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、油水分離回収装置の概略構成を示す説明図。
【図2】 (a)はフロートポンプの概略構成を示す平面図、(b)は、フロートポンプの側面図。
【図3】本発明の一実施例を示す、浮上油分離回収装置の概略構成を示す説明図。
【図4】抵抗板の概略構成を示す斜視図。
【図5】油吸着フィルターに用いる水流分散板の概略構成を示す平面図。
【図6】油吸着フィルターの概略構成を示す説明図。
【図7】本発明の他の実施例を示す、浮上油分離回収装置及び水中油分除去装置を一ラインで連結した油水分離除去装置の概略構成を示す説明図。
【符号の説明】
1 ; 油水分離除去装置
2 ; 浮上油分離回収装置
2a ; 浮上油分離槽
2b ; 抵抗板
2c ; オイルスキマー
2d ; サイホン
2e ; 水圧分散ストレーナー
2f ; 浮上油分離槽
2g ; サイホン
2h ; 水圧分散ストレーナー
2i ; 浮上油分離槽
2j ; 回収タンク
3 ; 油吸着フィルター
3a ; サイホン
3b ; ケース体
3c ; 水流分散板
3d ; 吸着材
3e ; 吸着材流出防止フィルター
4 ; 水中油分除去装置
4a ; 攪拌装置
4b ; 攪拌タンク
4c ; ホッパー
4d ; 液量確認タンク
4e ; ろ過ポンプ
4f ; バッグフィルター
4g ; 凝固剤Cタンク
4h ; ポンプ
4i ; 洗浄剤Aタンク
4j ; 適量ポンプ
5 ; フロートポンプ
5a ; フロート部
5b ; ごみ除け網
5c ; ごみ除け網
5d ; 吸い込み口
6 ; 排水ビット
7 ; 上部回収パイプ
8 ; パイプ
20 ; 平板
21 ; フィルター
22 ; 側板

Claims (3)

  1. ごみを除去して油分の多い表面附近の油水のみを汲み上げるフロートポンプ、汲み上げた油水表面に浮上する油分を底部まで到達させないように油水の流速を制御する邪魔板及び浮上した油分を回収するオイルスキマーを設けた第一の浮上油分離槽、油水を浮上油分離槽から汲み上げるサイホン及び汲み上げた油水中の油分を底部まで集中落下させないように流速を制御する水圧分散ストレーナーを設けた第二,第三の浮上油分離槽、第三の浮上油分離槽中に万一にも含まれている可能性のある油分を活性炭からなる多孔質性の吸着材を用いて吸着する油吸着フィルター、油分を吸着処理した処理水を放出する放出口を設けた浮上油分離回収装置と、前記浮上油分離槽中の油水中に残留する油分をミセルの効果によりエマルジョン化する植物系の洗浄剤と、エマルジョン化した油分をフロック化する食可能な海草等の植物から抽出したエキスを主成分とした凝集剤及びカチオン系の食品添加物をメインとした凝固剤とを投入して混合するタンク、フロック化した油分を回収するバグフィルター、フロック化した油分を除去した処理水を放出する放出口を設けた水中油分除去装置とを、一つのハウジングに設置し、船舶、車両、列車の移動物体に搭載可能とした油水分離除去装置。
  2. 油吸着フィルターを、油水を分散する多孔性の水流分散板と、該水流分散板の下流に位置する活性炭からなる多孔質性の吸着材と、該吸着材の下流に位置する吸着材に吸収した油分を流出させない吸着材流出防止フィルターとから構成した請求項1記載の油水分離除去装置。
  3. 第一、第二及び第三の浮上油分離槽をL字型に載置した浮上油分離回収装置と、該浮上油分離回収装置に水中油分除去装置を近設した請求項1又は2記載の油水分離除去装置。
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