JP4151005B2 - 油水分離装置並びに油水分離方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、船舶等から発生するビルジ、バラスト、タンク洗浄等により、海水または水に含まれる油分を分離する油水分離方法とその分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に油水分離方法として、▲1▼油と水の比重差を利用した重力分離方法。▲2▼細管通過によって油分を粗粒化するコアレッサー法。▲3▼油分を活性炭、高分子材料等に吸着させる吸着方法。▲4▼その他、気泡浮上法、生物処理法、薬剤添加による凝集分離等がある。船舶用の油水分離装置としては、船舶の動揺や設置スペース等の問題で、多層平行板を設けた重力分離部、粗粒化繊維層、吸着捕集部等を適宜組合せた方式が採用されているが、粗粒化法が主体となっている。例えば、実公平6−21521号公報に記載してあるように、金属または合成樹脂の繊維で構成した油分粗粒化層と、撥水性及び撥油性の多孔質膜で構成した油分粗粒化部を組合せ、船舶におけるビルジ等を水と油分に分離する粗粒化法の油水分離装置は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの分離方法においては、粗分離したあとの微少油滴を分離する手段である粗粒化繊維分離層あるいは吸着捕集部は、非常に目の細かいものが使用されており、目詰りが発生して、油分を含む原水が通過する時の通過抵抗が増大する。そして、粗粒化繊維分離層あるいは吸着捕集部の通過流速が早くなり、十分に粗粒化できずに微小油滴が処理水と一緒に流出することとなり、長時間安定した処理が困難であつた。粗粒化法は10ミクロン以下の界面活性剤により、微細な乳化状態の油水に対して処理できないのが現状である。この場合、洗浄による再生であるとか、場合によっては、交換作業を頻繁に実施する必要があった。
【0004】
界面活性剤などにより安定化した乳化油を分離する手段としては、硫酸バンド、PACなどの薬剤によって粗粒化する方法、アルミニウムを電極として溶解し、溶出した金属イオンによって凝集させる方法がある。これらの凝集剤は、水酸化アルミなどの固形物の発生や、薬剤の取扱い、船舶の動揺などにより、船舶用の油水分離装置としては採用ができなかった。この発明は、網様骨格体を充填した重力分離槽と親油性の繊維シートを充填した精分離槽を並設して、原水中の油分を分離する粗粒化方式の分離方法と分離装置を提供する。また、油分を分離した重力分離槽の分離水に処理剤を添加して、分離水に含まれる乳化油の乳化状態を破壊して、安定した処理ができる粗粒化方式の分離方法と分離装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の要旨の油水分離方法は、油分を含んだ原水を重力分離槽に上向流で供給し、重力分離槽の接触分離室に充填した網様骨格体に油分を接着させて油滴化し、連続して供給される原水により油滴を粗大化させて、接着力より浮力が勝った油滴を接触分離室から浮上させると共に、接触分離室で処理出来なかった分離水に含まれる乳化油を重力分離槽から抜出して、乳化油の処理剤を添加しながらラインミキサーで撹拌して油分の乳化状態を解消させ、次に、この油水を精分離槽に上向流で供給し、精分離室に収納した親油性の繊維シートを通過させて油分を繊維に吸着させ、流入してくる油分と合体して粗大化させて、浮力により繊維シートから押出された油分を精分離室から浮上させ、粗粒化した油分と処理水を分離排出させる油水分離方法で原水中の粗大油分の分離を行い、次に、界面活性剤により安定化した乳化油の乳化状態を破壊して、乳化油の処理が可能となる。
【0006】
そして、乳化油に添加する処理剤を、カチオン系のポリマーを使用して乳化油を油滴化させるので、処理剤による水酸化アルミなどの固形物の発生が押えられ、ろ材の目詰りが防止できる。重力分離槽から抜出した分離水を、ストレーナーを通過させた後に精分離槽に供給すれば、油水に含まれる混入浮遊物が除去されて、ろ材の目詰りが防止でき、安定した効果を発揮することができる。なお、重力分離槽の粗油分離室に浮上した粗大油滴は、所定レベルに達した時、油分を重力分離槽から排出させるものである。
【0007】
油水分離方法を実施するための装置は、重力分離槽に網様骨格体を充填した接触分離室を配設し、接触分離室の下方に原水室と、その上方に粗油分離室を設け、粗油分離室に連結した分離水の分離水管にラインミキサーを介装し、ラインミキサーにカチオン系のポリマーを添加する薬液ポンプを配設し、ラインミキサー(12)の後段の分離水管(8)を並設した精分離槽に連通させると共に、精分離槽に立設したろ材筒に親油性の繊維シートを充填した精分離室を配設し、ろ材筒の下方に二次原水室と、その上方に微細油分離室を設け、ろ材筒の周部に精分離室に連通する処理水の分離流路を形成したもので重力分離槽の網様骨格体で粗大油滴を分離して、分離水に含まれる乳化油に処理剤を添加して乳化状態を破壊させ、微小油滴とすることができ、分離水に含まれる処理できなかった微細油滴を、親油性の繊維シートの全体で行なうため、長時間にわたって高い分離効率が維持できる。
【0008】
そして、分離水管にストレーナーを配設すれば、分離水に混入する浮遊物を捕捉して、精分離槽の繊維シートの目詰まりが防止でき、安定した処理が可能となる。重力分離槽の粗油分離室に油面検知器を設け、この油面検知器に粗油排出弁を連動連結して、油分の蓄積を検知して粗油排出弁を開放させるもので、浮上油が所定レベルに達した時に、粗大油滴を重力分離槽から排出することができる。
【0009】
精分離室に充填する繊維シートは、親油、撥水性を有する空隙率80%〜90%のポリプロピレン製の不織布で、これらを10mm×10mm程度の適当な大きさに裁断したもので、繊維シートの空隙率が大きく油滴の吸着量が大きいので、繊維シートの内部まで吸着が可能となり、油滴の吸着量が大きくなる。原水の通過抵抗が時間の経過とともに増大することを防ぎ、長時間にわたって高い分離効率を維持できる。精分離室の繊維シートは、複数個の網袋に収納した多数の繊維シートを精分離室に充填すれば、ろ過筒への小さい繊維シートの充填と、目詰まりした繊維シートの取出しが容易となる。
【0010】
精分離槽の外壁を上槽と下槽で構成し、ろ材筒の下端を下槽の槽底に着脱自在に支持させて、ろ材筒の上端を下槽に内設した支持杆で保持させ、ろ材筒の上端を被覆するパンチングプレートを支持杆に着脱自在に連結したもので、ろ材筒の取り外しが可能となり、上部のパンチングプレートを取外せば、精分離部に充填した繊維シートの交換が容易となる。薬液ポンプの乳化油の処理剤を、カチオン系のポリマーを使用すれば、処理剤による水酸化アルミなどの固形物の発生をおさえ、目詰まりを防止しながら、乳化油を油滴化させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
▲1▼第1段階(粗分離部)
油分を含んだ海水または水等の原水は、供給ポンプにより重力分離槽の底部から上向流で圧入され、接触分離室に充填した網様骨格体に接触しながら上昇する。原水中の油分が網様骨格体のろ材表面に接着して油滴化し、連続して圧入される油分によって粗大化し、油滴の浮力が接着力より勝った時に、粗大化した油滴がろ材から離れ、本体分離槽の上部の粗油分離室へと浮上する。粗油分離室の蓄積した浮上油が所定レベルに達した時、油面検知器で検知して粗大油滴を重力分離槽から排出する。
【0012】
▲2▼第2段階(乳化油破壊部)
重力分離槽で処理出来なかった乳化油と微小油滴を分離水とともに抜出し、少量のカチオン系のポリマーを添加しながらラインミキサーで撹拌し、乳化油を凝集させて微小油滴にする。また、重力分離槽から抜出した分離水に混入する浮遊物をストレーナーで捕捉して、後段の精分離槽の繊維シートの目詰まりを防止する。
【0013】
▲3▼第3段階(精分離部)
油分の乳化状態を破壊して、混入する浮遊物が取り除かれた油水は、精分離槽に上向流で供給する。精分離室に収納した親油性の繊維シートを通過する油水は、微細油滴を繊維に吸着させ、流入してくる微細油滴と合体して粗大化させる。上向流と浮力により繊維シートから押出された油分は、微細油分離室に浮上する。微細油分離室に蓄積する粗大化した油分は少量であり、運転終了直前あるいは、運転中適宜、手動で弁を開き油分を精分離槽の頂部から排出する。油分を分離した処理水は、ろ材筒の周部の分離流路を流下させて精分離槽から排水する。なお、微細油分離室に油面検知器を設け、微細油分離室の浮上油が所定レベルに達した時に、油分を精分離槽から排出してもよい。
【0014】
【実施例】
この発明の実施例を図面に基づき詳述すると、まず、図1は油水分離装置の縦断側面図であって、粗大油滴を分離する重力分離槽1と微小油滴を分離する精分離槽2が並設して連通させてある。重力分離槽1の中央部に樹脂製の網様骨格体3を充填した接触分離室4が配設してあり、その槽底1aに原水室5と槽頂壁1aに粗油分離室6が設けてある。重力分離槽1の原水室5に原水供給管7が連結してあり、油分を含んだ海水あるいは水等の原水を、ビルジタンクなどから供給ポンプ(図示せず)で原水室5に圧入する。原水室5に圧入された原水は接触分離室4を上昇し、原水中の油分が接触分離室4の網様骨格体3に接触して表面に接着して油滴化し、連続して圧入される油分によって粗大化する。油滴の浮力が接着力より勝った時に、粗大化した油滴が網様骨格体3から離れ、重力分離槽1の上部の粗油分離室6へと浮上して蓄積される。
【0015】
図2は重力分離槽1の粗油分離室6の拡大図であって、重力分離槽1の粗油分離室6には、網様骨格体3の上方近傍に開口端を斜め上方に開口した分離水の分離水管8と、槽頂壁1b近傍に立ち上らせて開口した粗油排出管9が重力分離槽1の周壁から延設してある。粗油分離室6の分離水の分離水管8と粗油排出管9の間に静電容量式の油面検知器10が配設してあり、油面検知器10は粗油排出管9に設けた粗油排出弁11に連動連結してある。粗油分離室6に蓄積した浮上油が所定レベルに達した時、蓄積した油層を油面検知器10で検知して粗油排出弁11を解放し、粗油分離室6の油分を粗油排出管9から抜出す。原水から油分を取除いた分離水は分離水管8から排出する。
【0016】
図3は油水分離装置の側面図であって、重力分離槽1の粗油分離室6に連結した分離水の分離水管8にラインミキサー12が介装してあり、ラインミキサー12に薬液タンク13に連結した薬液ポンプ14が接続してある。薬液タンク13にカチオン系のポリマーが貯留してあり、粗油分離室6から排出した分離水に少量のカチオン系のポリマーを添加してラインミキサー12で撹拌する。分離水中に分散する乳化油をポリマーで凝集させ、乳化状態を破壊して微小油滴とする。そして、乳化油に添加する処理剤を、カチオン系のポリマーを使用したので、従来の硫酸バンド、PACなどの処理剤による水酸化アルミなどの固形物を発生することがない。また、ラインミキサー12の後段の分離水管8にストレーナー15が配設してあり、重力分離槽1から抜出した分離水に混入する浮遊物を捕捉させる。このストレーナー15はラインミキサー12の前段に設けてもよいものである。
【0017】
図4は精分離槽の要部拡大図であって、精分離槽2に円筒状のろ材筒16が立設してあり、ろ材筒16の内部に複数個の網袋17…に収納した多数の親油性の繊維シート18…が充填してある。網袋17…の繊維シート18を充填したろ材筒16の上下をパンチングプレート19、20で夾持して精分離室21を構成してある。繊維シート18は、親油、撥水性を有する空隙率80%〜90%のポリプロピレン製の不織布で、これらを10mm×10mm程度の適当な大きさに裁断したろ材を使用している。繊維シート18は空隙率が大きく油滴の吸着量が大きいので、原水の通過抵抗が時間の経過とともに増大することを防ぎ、長時間にわたって高い分離効率を維持できる。多数の繊維シート18…を網袋17に充填してパックとすれば、ろ材交換時の小さい繊維シート18の取出しと、繊維シート18の充填が簡単に行なえるものである。ろ材筒16の下端に円筒状の支持板22が止着してあり、この支持板22を精分離槽2の槽底2aに垂設した仕切壁23に外挿してOリング34でシールしてある。ろ材筒16に囲まれた仕切壁23の内部を二次原水室24としてある。
【0018】
図3に示すように、重力分離槽1で粗大油滴が除かれた分離水の分離水管8が、精分離槽2の槽底2aに設けた二次原水室24の流入口24aに接続してある。分離水管8に配設したラインミキサー12とストレーナー15で浮遊物を取除いて乳化油を微小油滴とした油水を二次原水室24に流入させる。浮遊物を取除いた油水は、精分離槽2の繊維シート18の目詰まりを防止することができる。精分離室21を上向流で上昇する油水中の微細油滴は、親油性の繊維シート18に吸着させ、後からくる微細油滴と合体して粗大化させる。図1に示すように、精分離槽2にはろ材筒16の上方に微細油分離室25が設けてあり、上向流と浮力により繊維シート18から押出された油分を、微細油分離室25に浮上させる。微細油分離室25の上部の槽頂壁2bに微細油排出弁26を設けた微細油排出口27が連結してある。微細油分離室25に蓄積する粗大化した油分は少量であり、運転終了直前あるいは、運転中適宜、微細油排出弁26を手動で開き油分を微細油排出管27aから排出する。
【0019】
図1に示すように、精分離槽2とろ材筒16の間に処理水の分離流路28が形成してあり、微細油分離室25の蓄積する油層の下方から処理水を流下させ、処理水中に含まれる微細油滴を浮力で分離させて、分離流路28の処理水口29から処理水管29aに排水する。なお、精分離槽2の微細油分離室に油面検知器を設け、微細油分離室の浮上油が所定レベルに達した時に、油分を精分離槽から排出してもよい。図4に示すように、精分離槽2は上槽2cと下槽2dに二分割可能としてあり、上槽2cと下槽2dをボルト30で連結してある。精分離槽2の下槽2dの内側に支持板31が延設してあり、この支持板31に下端をナット32で連結した支持杆33がろ材筒16の上端を覆うパンチングプレート19の周端部にナット32で連結してある。精分離槽2の上槽2cを取外し、支持杆33の上下のボルト32、32を取外せば、ろ材筒16の内部から網袋17…に収納した多数の親油性の繊維シート18…を取出すことができる。
【0020】
(実験例)
油水分離装置について、界面活性剤入り試験液の作成は、IMO国際海事機構の小委員会DE44において、現行の試験基準がエマルジョン化したビルジに対して考慮が払われていないことで、装置の試験基準改正する事で合意された試験液の作成方法に基いて行なった。先ず、試験液は、真水に食塩を添加して、比重1.105(20℃)に調整した食塩水950gに、軽油25gとC重油25gの割合で添加した後、200rpmの撹拌機で充分に撹拌混合して試験液1を作成した。また、この試薬に界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ)0.5gと黒色酸化鉄0.1gの割合で添加した後、200rpmの撹拌機で充分に撹拌混合して界面活性剤入り試験液2を作成した。
【0021】
【表1】
Figure 0004151005
【0022】
試験方法は、先ず、上記の食塩水に軽油とC重油を添加した試験液1を、1750rpmの渦巻ポンプで本願発明の油水分離装置に供給して試験した。2時間30分後に、上記の軽油とC重油を添加した食塩水に、界面活性剤、黒色酸化鉄を混入し試験液に切り替え、油水分離装置の重力分離槽と精分離槽の間にラインミキサーとストレーナーを配設して、少量の有機系のカチオンポリマーを添加撹拌して試験を行なった。実験結果は表1のとおりである。試験結果は、薬剤の界面活性剤、黒色酸化鉄混入を添加しない場合、2時間を経過した頃より処理水中の油分濃度が上昇し、薬剤を添加することにより、処理水の油分濃度が低下して安定した処理が可能となった。薬剤添加の効果は非常に優れており、ろ材の目詰まりなどの発生もなかった。
【0023】
【発明の効果】
この発明は上記のように構成してあり、網様骨格体を充填した重力分離槽と親油性の繊維シートを充填した精分離槽を並設して、原水中の油分を分離するので、高い分離効率が得られるものである。そして、粗大油滴を分離した分離水に含まれる乳化油を微小油滴とするので、界面活性剤により安定化している乳化油の乳化状態を破壊して、油水分離が可能となる。即ち、粗粒化法の従来装置にあっては、微少油滴を分離する後段の粗粒化繊維分離層は、微細なろ材が使用されており、目詰りが発生して頻繁にろ材洗浄と、交換作業が必要であった。そして、乳化油を凝集させる金属塩の凝集剤は、水酸化アルミなどの固形物が発生し、船舶用の油水分離装置としては採用ができなかったものであるが、この発明の油水分離方法は、油分を含んだ原水を重力分離槽に充填した網様骨格体に油分を接着させて油滴化し、網様骨格体で処理出来なかった乳化油に処理剤を添加して、乳化状態を解消させた油水を精分離槽に供給し、親油性の繊維シートを通過させて油分を繊維に吸着させ、粗粒化した油分と処理水を分離排出させるので、原水中の粗大油分の分離を行い、次に、界面活性剤により安定化した乳化油の乳化状態を破壊して、微小油滴の処理が可能となる。
【0024】
乳化油の処理剤は、カチオン系のポリマーを使用して乳化油を油滴化させる方法であり、処理剤による水酸化アルミなどの固形物の発生をおさえ、ろ材の目詰りが防止できる。そして、重力分離槽から抜出した分離水を、ストレーナーを通過させた後に精分離槽に供給すれば、油水に含まれる混入浮遊物が除去されて、ろ材の目詰りが防止でき、安定した効果を発揮することができる。なお、重力分離槽の粗油分離室に浮上した粗大油滴は、所定レベルに達した時、油分を重力分離槽から排出するものである。
【0025】
油水分離方法を実施するための装置は、重力分離槽に網様骨格体を充填した接触分離室を配設し、接触分離室の下方に原水室と、その上方に粗油分離室を設け、並設した精分離槽を重力分離槽に連通させると共に、精分離槽に立設したろ材筒に親油性の繊維シートを充填した精分離室を配設し、ろ材筒の下方に二次原水室と、その上方に微細油分離室を設け、ろ材筒の周部に精分離室に連通する処理水の分離流路を形成したので、重力分離槽の網様骨格体で粗大油滴を分離して、分離水に含まれる処理できなかった微細油滴を、親油性の繊維シートの全体で行なうため、長時間にわたって高い分離効率が維持できる。
【0026】
重力分離槽の分離水管に薬液ポンプを配設したラインミキサーを介装したので、分離水に含まれる乳化油の乳化状態を破壊させ、微小油滴とすることができる。また、分離水管にストレーナーを配設すれば、分離水に混入する浮遊物を捕捉して、精分離槽の繊維シートの目詰まりが防止でき、安定した処理が可能となる。そして、重力分離槽の粗油分離室に設けた油面検知器と粗油排出弁を連動連結したので、浮上油が所定レベルに達した時に、蓄積した粗大油滴を重力分離槽から排出することができる。
【0027】
精分離室に充填する繊維シートは、親油、撥水性を有する空隙率80%〜90%で、10mm×10mm程度のポリプロピレン製の不織布としたので、繊維シートの内部まで吸着が可能となり、油滴の吸着量が大きくなる。多数の繊維シートを収納した網袋を精分離室に充填すれば、小さい繊維シートのろ過筒への充填と、目詰まりした繊維シートの取出しが容易となる。そして、精分離槽の外壁を上槽と下槽で構成し、ろ材筒の下端を下槽の槽底に着脱自在に支持させて、ろ材筒の上端を下槽に内設した支持杆で保持させ、ろ材筒の上端を被覆するパンチングプレートを支持杆に着脱自在に連結したので、ろ材筒の取り外しが可能となり、上部のパンチングプレートを取外せば、繊維シートの交換が容易となる。また、薬液ポンプの乳化油の処理剤を、カチオン系のポリマーを使用すれば、水酸化アルミなどの固形物の発生をおさえ、目詰まりを防止しながら、乳化油を油滴化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る油水分離装置の要部縦断側面図である。
【図2】同じく、油水分離装置の接触分離槽の要部縦断側面図である。
【図3】同じく、油水分離装置の側面図である。
【図4】同じく、油水分離装置の精離槽の要部縦断側面図である。
【符号の説明】
1 重力分離槽
2 精分離槽
2a 槽底
2c 上槽
2d 下槽
3 網様骨格体
4 接触分離室
5 原水室
6 粗油分離室
8 分離水管
10 油面検知器
11 粗油排出弁
12 ラインミキサー
14 薬液ポンプ
15 ストレーナー
16 ろ材筒
17 網袋
18 繊維シート
19 パンチングプレート
21 精分離室
24 二次原水室
25 微細油分離室
28 分離流路
33 支持杆

Claims (10)

  1. 油分を含んだ原水を重力分離槽(1)に上向流で供給し、重力分離槽(1)の接触分離室(4)に充填した網様骨格体(3)に油分を接着させて油滴化し、連続して供給される原水により油滴を粗大化させて、接着力より浮力が勝った油滴を接触分離室(4)から浮上させると共に、接触分離室(4)で処理出来なかった分離水に含まれる乳化油を重力分離槽(1)から抜出して、乳化油の処理剤を添加しながらラインミキサー(12)で撹拌して油分の乳化状態を解消させ、次に、この油水を精分離槽(2)に上向流で供給し、精分離室(21)に収納した親油性の繊維シート(18)を通過させて油分を繊維に吸着させ、流入してくる油分と合体して粗大化させて、浮力により繊維シート(18)から押出された油分を精分離室(21)から浮上させ、粗粒化した油分と処理水を分離排出させることを特徴とする油水分離方法。
  2. 上記乳化油に添加する処理剤を、カチオン系のポリマーを使用したことを特徴とする請求項1項に記載の油水分離方法。
  3. 上記重力分離槽(1)から抜出した分離水を、ストレーナー(15)を通過させて混入浮遊物を除去した後、精分離槽(2)に供給することを特徴とする請求項1または2に記載の油水分離方法。
  4. 上記重力分離槽(1)の粗油分離室(6)に浮上した粗大油滴が所定レベルに達した時、積層した粗大油滴を粗油分離室(6)から排出させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の油水分離方法。
  5. 重力分離槽(1)に網様骨格体(3)を充填した接触分離室(4)を配設し、接触分離室(4)の下方に原水室(5)と、その上方に粗油分離室(6)を設け、粗油分離室(6)に連結した分離水管(8)にラインミキサー(12)を介装し、ラインミキサー(12)にカチオン系のポリマーを添加する薬液ポンプ(14)を配設し、ラインミキサー(12)の後段の分離水管(8)を並設した精分離槽(2)に連通させると共に、精分離槽(2)に立設したろ材筒(16)に親油性の繊維シート(18)を充填した精分離室(21)を配設し、ろ材筒(16)の下方に二次原水室(24)と、その上方に微細油分離室(25)を設け、ろ材筒(16)の周部に精分離室(21)に連通する処理水の分離流路(28)を形成したことを特徴とする油水分離装置。
  6. 上記分離水管(8)にストレーナー(15)を配設し、混入浮遊物を捕捉させることを特徴とする請求項5に記載の油水分離装置。
  7. 上記重力分離槽(1)の粗油分離室(6)に油面検知器(10)を設け、この油面検知器(10)に粗油排出弁(11)を連動連結したことを特徴とする請求項5または6に記載の油水分離装置。
  8. 上記精分離室(21)に充填する繊維シート(18)は、親油、撥水性を有する空隙率80%〜90%のポリプロピレン製の不織布で、これらを10mm×10mm程度の適当な大きさに裁断したろ材からなることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の油水分離装置。
  9. 上記精分離室(21)に充填する繊維シート(18…)は、複数個の網袋(17…)に収納してあることを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載の油水分離装置。
  10. 上記精分離槽(2)の外壁を上槽(2c)と下槽(2d)で構成し、ろ材筒(16)の下端を下槽(2d)の槽底(2a)に着脱自在に支持させて、ろ材筒(16)の上端を下槽(2d)に内設した支持杆(33)で保持させ、ろ材筒(16)の上端を被覆するパンチングプレート(19)を支持杆(33)に着脱自在に連結したことを特徴とする請求項5乃至9の何れか1項に記載の油水分離装置。
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