JP2003024705A - 油水分離方法並びにその装置 - Google Patents

油水分離方法並びにその装置

Info

Publication number
JP2003024705A
JP2003024705A JP2001211627A JP2001211627A JP2003024705A JP 2003024705 A JP2003024705 A JP 2003024705A JP 2001211627 A JP2001211627 A JP 2001211627A JP 2001211627 A JP2001211627 A JP 2001211627A JP 2003024705 A JP2003024705 A JP 2003024705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
water
separation
filter medium
fine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001211627A
Other languages
English (en)
Inventor
Seijiro Kagawa
征二郎 香川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishigaki Co Ltd
Original Assignee
Ishigaki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishigaki Co Ltd filed Critical Ishigaki Co Ltd
Priority to JP2001211627A priority Critical patent/JP2003024705A/ja
Publication of JP2003024705A publication Critical patent/JP2003024705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常の運転操作において、繊維シートろ材層
の洗浄操作を組込んで、海水等に含まれる油分を分離す
る油水分離方法と分離装置を提供する。 【解決手段】 本体分離槽(1)の重力分離部(3)に
油分を含んだ原水を供給して網様骨格体の接触ろ材
(6)のろ材表面に接着させ、連続して圧入される油分
によって粗大化させ、分離した油分を上部の油室(5)
へと浮上させて蓄積する。次に、精分離部(4)の繊維
シートろ材(15)を充填した多孔層(17)に微小油
滴を通過させてろ材表面に吸着させ、後方から流下する
油分と合体させて粗大化し、傾斜板(18)の多数の通
孔(19)を通って下部に押出して、水分と分離させ
る。粗大化した油分は油滴排出管(21)を浮上して、
リザーバータンクへと導かれる。そして、圧入した清水
で精分離部(4)の繊維シートろ材(15)を洗浄しな
がらその洗浄水の圧入圧で蓄積した油分を排出するもの
で、長時間に渡って高い分離効率が維持できるものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、船舶等から発生
するビルジ、バラスト、タンク洗浄等により、海水また
は水に含まれる油分を分離する油水分離方法とその分離
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に油水分離方法として、油と水の
比重さを利用した重力分離方法。細管通過によって油
分を粗粒化するコアレッサー法。油分を活性炭、高分
子材料等に吸着させる吸着方法。その他気泡浮上法、
生物処理法、薬剤添加による凝集分離等がある。船舶用
の油水分離装置としては、船舶の動揺や設置スペース等
の問題で、多層平行板を設けた重力分離部、粗粒化繊維
層、吸着捕集部等を適宜組合せた方式が採用されてい
る。例えば、実公平6−21521号公報に記載してあ
るように、金属または合成樹脂の繊維で構成した油分粗
粒化層と、撥水性及び撥油性の多孔質膜で構成した油分
粗粒化部を組合せた船舶におけるビルジ等の水と油分に
分離する装置は公知である。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】これらの分離方法にお
いては、粗分離したあとの微少油滴を分離する手段であ
る粗粒化繊維分離層あるいは吸着捕集部は非常に目の細
かいものが使用されており、目詰りが発生して、油分を
含む原水が通過する時の通過抵抗が増大すると共に通過
流速が早くなり十分に粗粒化できずに微小油滴が処理水
と一緒に流出することとなり、長時間安定した処理が困
難であつた。この場合、洗浄による再生であるとか、場
合によっては、交換作業を頻繁に実施する必要があっ
た。この発明は、通常の運転操作において、繊維シート
ろ材層の洗浄操作を組込んで、吸着量が大きく長時間に
わたり安定した処理ができる分離方法と分離装置を提供
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨の油水分
離方法は、密閉状の本体分離槽に仕切壁を立設し、網様
骨格体の接触ろ材を充填した重力分離部と、カットした
繊維シートろ材を充填して多孔層を構成した精分離部に
分割して、先ず、重力分離部に油分を含んだ原水を供給
して接触ろ材に油滴を接着させ、連続して供給される原
水により接触ろ材に接着させた油滴を粗大化させて粗大
油滴を分離した後、精分離部の多孔層に微小油滴を通過
させて、多孔層の繊維シートろ材に吸着させ、後方から
くる油滴と合体させて粗大化し、油滴の精分離を行なう
ものである。そして、本体分離槽の上部に浮上した油層
の蓄積を検知して、精分離部に清水を圧入し、精分離部
の多孔層の繊維シートろ材を洗浄しながらその洗浄水の
圧入圧で蓄積した油滴を排出するものである。
【0005】油水分離方法を実施するための装置は、密
閉状の本体分離槽に上部で連通する仕切壁を立設し、網
様骨格体の接触ろ材を充填した重力分離部と、カットし
た繊維シートろ材を充填して多孔層を構成した精分離部
に分割して、本体分離槽の上部を油室とすると共に、重
力分離部の底部に原液の流入口と、精分離部の底部に処
理水口を配設し、本体分離槽の上部の油室に油排出口を
開口したもので、原水中の大粒の油分を網様骨格体の接
触ろ材に接着させて粗大化し、本体分離槽の上部の油室
へと浮上させ、重力分離部において大粒の油分が取除か
れた油水を親油性の繊維シートろ材に吸着させて粗大化
させるものである。そして、精分離部の多孔層の下方
に、傘型状の傾斜板を多段に配設し、傾斜板の斜壁の適
所に通孔と中央部に開口を設けると共に、上段の傾斜板
の開口に立設した油滴排出管を連結し、多段に配設した
傾斜板の下方の精分離部を分離液室としたもので、精分
離部の樹脂繊維シートろ材に吸着させて粗大化した油分
を傾斜板の多数の通孔を通って下部に押出させ、油滴排
出管を通りリザーバータンクへと導くものである。
【0006】そして、本体分離槽の油室に油層の蓄積を
検知させるオイルセンサーを設け、このオイルセンサー
に精分離部への洗浄水の清水弁と油室の油滴の排出弁を
連動連結して、清水弁と排出弁を同時に開閉させるもの
で、油室の油分の蓄積を検知して清水弁と排出弁を同時
に開放し、洗浄水を精分離部に供給して多孔層の繊維シ
ートろ材を洗浄しながら、その洗浄水の圧入圧で油室に
蓄積した油分を排出させるものである。また、上段の傾
斜板に立設した油滴排出管の上端にリザーバータンクを
連結し、このリザーバータンクに油層の蓄積を検知する
オイルセンサーを設け、このオイルセンサーにリザーバ
ータンクの油排出弁を連動連結して、油層の蓄積を検知
して油排出弁を開放し、リザーバータンクに連通する分
離液室の処理水圧により油分を油排出管から排出させる
ようにしてある。
【0007】重力分離部に充填した網様骨格体の接触ろ
材が、繊維径1〜2mmφ、表面積180〜200m2
/m3のマット状のろ材から構成したもので、原水を網
様骨格体の接触ろ材に接触させて、原水中の油分をその
ろ材表面に接着させ、連続して圧入される油分によって
粗大化させ、大粒の油分を除去させるものである。ま
た、精分離部に多孔層を構成する繊維シートろ材は、親
油、撥水性を有する空隙率80%〜90%のポリプロピ
レン製の不織布で、これらを10mm×10mm程度の
適当な大きさに裁断したろ材を充填したもので、大粒の
油分が取除かれた油水は親油性の樹脂繊維シートろ材に
吸着され、後から流下する油分と合体して粗大化される
ものである。なお、精分離部に充填して多孔層は、多数
の繊維シートろ材を収納した複数個の網袋を充填して多
孔層を構成すれば、精分離部に充填した繊維シートろ材
の交換が容易となるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】油分を含んだ海水または水等の原
水は、ビルジタンクから供給ポンプにより本体分離槽の
重力分離部の底部に圧入されて、網様骨格体の接触ろ材
中を上昇する。原水中の油分が網様骨格体の接触ろ材に
接触してろ材表面に接着し、連続して圧入される油分に
よって粗大化し、油滴の浮力が接着力より勝った時に、
粗大化した油滴がろ材から離れ、本体分離槽の上部の油
室へと浮上して蓄積される。重力分離部において大粒の
油滴が取除かれた油水は、精分離部へと導かれ、親油性
の樹脂製の繊維シートろ材に吸着され、後方から流下す
る油滴と合体して粗大化し、傾斜板の多数の通孔を通っ
て下部に押出されて水分と分離される。粗大化した油滴
は、傘型状の傾斜板でショートパスが防止され、傾斜板
の通孔を通り油水分離が行なわれ、浮遊油滴は油滴排出
管を通りリザーバータンクへと導かれる。また、傾斜板
に接着した油滴は、後方から流下する油滴と合体して粗
大化させ、油滴の浮力が接着力より勝った時に、油滴が
傾斜板から離れ、油滴排出管に流入する。傾斜板で分離
された処理水は、精分離部の底部の処理水口から排出さ
れる。
【0009】本体分離槽の上部の油室には、重力分離部
において粗大化した油滴が蓄積され、オイルセンサーに
より油層のレベルを検知した時に、原液の供給ポンプを
停止して、処理水弁を閉じ、同時に油排出弁と清水弁を
開くと、処理水側よりろ材充填部を通って清水が流れ込
み、繊維シートろ材の多孔層を洗浄しながら上昇し、そ
の洗浄圧で油室に蓄積した油分を油排水管から流出させ
る。また、リザーバータンクの上部には、精分離部にお
いて粗大化した油滴が蓄積して、その油層のレベルをオ
イルセンサーで検知した時に、検知信号を発進して、油
排出弁を開くようにしてあり、リザーバータンクに連通
する分離液室の処理水圧によりリザーバータンクに蓄積
した油を油排出管から排出させるようにしてある。
【0010】
【実施例】この発明の実施例を図面に基づき詳述する
と、まず、図1は油水分離装置の縦断側面図であって、
密閉された円筒形状の本体分離槽1の内部に上部で連通
する円筒状の仕切壁2が本体分離筒1と同心状に立設し
てある。仕切壁2で区画した本体分離槽1は、外周部の
重力分離部3と内周部の精分離部4に分割され、本体分
離槽の上部を油室5としてある。本体分離槽1の重力分
離部3には、接触ろ材6がドーナツ状に充填してあり、
接触ろ材6は繊維径1〜2mmφ、表面積180〜20
0m2/m3の樹脂製の網様骨格体から構成されている。
この網様骨格体の接触ろ材6が通孔を有する上下の仕切
板7、7で保持されて、仕切板7の下方に原水室8が設
けてある。原水室8には本体分離槽1の底部を貫通して
流入口9が開口してある。図2は油水分離装置のフロー
チャートであって、本体分離槽1の流入口9に原液の流
入管10が接線方向に連結してあり、ビルジタンク11
に貯留された油分を含んだ海水または水等の原水を、供
給ポンプ12で重力分離部3の下部の原水室8に旋回流
で圧入して、網様骨格体の接触ろ材6中を旋回しながら
上昇させるようにしてある。そして、原水中の油滴がマ
ット状の接触ろ材6に接触してろ材表面に接着し、連続
して圧入される油滴によって粗大化し、その油滴の浮力
が接着力より勝った時に、粗大化した油滴が接触ろ材6
から離れ、本体分離槽1の上部の油室5へと浮上して蓄
積させるようにしてある。なお、符合13は流入管10
に設けた逆止弁、符合14は重力分離部3の原水室8に
連結した安全弁である。
【0011】図1に示すように、本体分離槽1の内周部
の精分離部4には、樹脂製の繊維シートろ材15が充填
してある。この繊維シートろ材15は、親油、撥水性を
有する空隙率80%〜90%のポリプロピレン製の不織
布で、これらを10mm×10mm程度の適当な大きさ
に裁断してある。図3は精分離部の要部の拡大図であっ
て、多数の繊維シートろ材15…が網袋16に袋詰めさ
れて、この網袋16…を精分離部4に複数個充填して多
孔層17を形成してある。重力分離部3で大粒の油滴が
取除かれた油水中の小さい油滴を親油性の繊維シートろ
材15に吸着させ、後方から流下する油滴と合体して粗
大化させるようにしてある。なお、多数の繊維シートろ
材15…を網袋16に充填してパックとすれば、ろ材交
換時の小さい繊維シートろ材15の取出しと、繊維シー
トろ材15の充填が簡単に行なえるものである。
【0012】図3に示すように、精分離部4に充填した
多孔層17の下部に、概略45°の角度で傘型状の傾斜
板18が多段に配設してあり、上段の傾斜板18aの斜
壁の全周面に多数の通孔19aが設けてあり、二段目か
ら下方の傾斜板18bには、左右交互に傾斜板18b…
の斜壁の半周面に多数の通孔19bが設けてある。これ
らの傾斜板18…の中央部の頂部に開口20が設けてあ
り、立設した油滴排出管21が上段の傾斜板18aの開
口20aに連結してある。本体分離槽1の上部の油室5
に密閉状のリザーバータンク22が収納してあり、リザ
ーバータンク22が油滴排出管21の上端部に連結して
ある。そして、粗大化した油滴を傾斜板18の多数の通
孔19…を通って下部に押出して、粗大化した油滴のシ
ョートパスを防止しながら水分から油滴を分離させ、油
滴排出管21を上昇して上端のリザーバータンク22に
分離させた油滴を蓄積させるようにしてある。また、傾
斜板に接着した油滴は、後方から流下する油滴と合体し
て粗大化させ、油滴の浮力が接着力より勝った時に、油
滴が傾斜板から離れ、油滴排出管21に流入するように
してある。また、傾斜板18の下方の精分離部4を分離
液室23としてあり、傾斜板18の通孔19を通り浮遊
油滴を取除いて分離液室23に流下した処理水は、底部
の処理水口24から処理水管25に排出するようにして
ある。処理水管25には清水弁26を介して洗浄水管2
7が連結してあり、分離液室23に洗浄水を供給して精
分離部4に充填した繊維シートろ材15の多孔層17を
洗浄するようにしてある。なお、符合28は処理水管2
5に設けた処理水弁である。
【0013】図2に示すように、本体分離槽1の油室5
の上部に蓄積した油を検知させるオイルセンサー29
と、蓄積した油を排出させる油排出口30が油排出弁3
1を介して排出管32に連結してある。このオイルセン
サー29の検知信号を、原水の供給ポンプ12と、清水
弁26、処理水弁28及び油排出弁31に伝達するよう
にしてある。そして、重力分離部3において粗大化した
油滴が本体分離槽1の上部の油室5に蓄積して、オイル
センサー29で油層のレベルを検知した時に、その検知
信号を発進して、原液の供給ポンプ12を停止させ、処
理水弁28を閉じ、清水弁26と油排出弁31を開くよ
うにしてあり、処理水側よりろ材充填部を通って清水が
流れ込み、繊維シートろ材15の多孔層17を洗浄しな
がら上昇させ、その洗浄圧で油室5に蓄積した油分を排
出管32から流出させようにしてある。
【0014】図2に示すように、油滴排出管21の上端
に連結したリザーバータンク22に本体分離槽1の頂壁
を貫通して垂下させたオイルセンサー33と、蓄積した
油を排出させる油排出口34が油排出弁35を介して排
出管36に連結してある。オイルセンサー33の油層の
レベルの検知信号を、油排出弁35に伝達するようにし
てある。リザーバータンク22の底部に連結した分離水
の抜出管37が、供給ポンプ12の前段の流入管10に
連結してあり、油滴排出管21を油滴と一緒に上昇して
きた分離水を抜出して、粗大化した油分が油滴排出管2
1を上昇しやすくしてある。この分離水に油分の含有が
なければ、抜出管27の他端を処理水管25に連結して
もよいものである。なお、符号38は戻り調整用のニー
ドル弁である。そして、傾斜板18で分離されて粗大化
した油分が油滴排出管21を上昇し、その蓄積した油層
のレベルをオイルセンサー33で検知した時に、その検
知信号を発進して、油排出弁35を開くようにしてあ
り、リザーバータンク22に連通する分離液室23の処
理水圧により油分を油排出管36から排出させるように
してある。なお、図1に示すように、符号39は油室5
に設けた圧力計、符号40は分離液室23に連結したド
レーン用の開閉弁である。
【0015】
【表1】
【0016】油水分離装置について、IMO(国際海
事)で採択された付属書1で規定されている船舶機関室
ビルジ処理に関する性能試験基準により試験を行なっ
た。条件として、比重1.015以下の試験水に、軽
油、C重油を所定の量を混合して、毎分1,750回転
の渦巻ポンプで乳化して本装置に供給した。その結果は
表1の通りである。本試験においては、規定の処理水油
分濃度15mg/lを大きく下まわり、長時間安定した
処理が可能であった。
【0017】
【発明の効果】この発明は上記のように構成してあり、
ろ材層全体で油水分離を行なうので、原水の通過抵抗が
時間の経過とともに増大することがなく、長時間に渡っ
て高い分離効率が維持できるものである。そして、油排
出時に清水による逆洗浄が実施できるので、粘度の高い
C重油や微細固形物を含む原水に対しても、安定した効
果を発揮するもので、交換作業を頻繁に実施する必要も
ないものである。即ち、従来装置にあっては、粗分離し
たあとの微少油滴を非常に目の細かいろ材で分離するの
で、目詰りが発生しやすく原水の通過抵抗が増大し、ろ
材層のバイパスが発生し、微小油滴が処理水と一緒に流
出して、長時間安定した処理が困難であったものである
が、この発明にあっては、重力分離部に油分を含んだ原
水を供給して接触ろ材に油滴を接着させて粗大油滴を分
離した後、精分離部の多孔層に微小油滴を通過させて、
多孔層の繊維シートろ材に吸着させて油滴の精分離を行
なうもので、ろ材層全体で油水分離が行なわれ、高い分
離効率が得られるものである。そして、本体分離槽の上
部に浮上した油層の蓄積を検知して、精分離部に清水を
圧入し、精分離部の多孔層の繊維シートろ材を洗浄しな
がらその洗浄水の圧入圧で蓄積した油滴を排出するもの
で、長時間に渡って安定した処理が行われるものであ
る。
【0018】精分離部の多孔層の下方に、傘型状の傾斜
板を多段に配設したので、精分離部の樹脂繊維シートろ
材に吸着させて粗大化した油滴が、傾斜板の多数の通孔
を通って下部に押出され、傾斜板で油水分離が行なわれ
た浮遊油滴が、油滴排出管を通りリザーバータンクへと
導かれるものである。傾斜板に接着した油滴は、後方か
ら流下する油滴と合体して粗大化され、油滴の浮力が接
着力より勝った時に、油滴が傾斜板から離れ、油滴排出
管に流入するものである。また、油室の油層の蓄積をオ
イルセンサーで検知して、清水弁と排出弁を同時に開放
させ、精分離部の多孔層の繊維シートろ材を洗浄しなが
らその洗浄水の圧入圧で油室に蓄積した油分を排出する
もので、繊維シートろ材の洗浄を行ないながら、蓄積し
た油の排出ができるものである。そして、油滴排出管の
上端にリザーバータンクを連結し、このリザーバータン
クにオイルセンサーを配設したので、リザーバータンク
の油層のレベルを検知して油排出弁を開放すれば、処理
水圧により蓄積した油が排出できるものである。
【0019】重力分離部に充填した網様骨格体の接触ろ
材を、繊維径1〜2mmφ、表面積180〜200m2
/m3のマット状のろ材から構成したもので、原水を網
様骨格体の接触ろ材に接触させて、原水中の油分をその
ろ材表面に接着させ、連続して圧入される油分によって
粗大化させ、大粒の油分を除去させることができるもの
である。そして、精分離部に多孔層を構成する繊維シー
トろ材を、親油、撥水性を有する空隙率80%〜90%
のポリプロピレン製の不織布で、これらを10mm×1
0mm程度の適当な大きさに裁断したろ材を充填したの
で、大粒の油滴が取除かれた油水は親油性の樹脂繊維シ
ートろ材に吸着され、後から流下する油滴と合体して粗
大化されるものである。なお、繊維シートろ材を収納し
た複数個の網袋を精分離部に充填して多孔層を構成すれ
ば、精分離部に充填した繊維シートろ材の交換が容易と
なるものである。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る油水分離装置の縦断側面図であ
る。
【図2】この発明に係る油水分離装置のフローチャート
である。
【図3】同じく、精分離部に配設した分離板の拡大図で
ある。
【符号の説明】
1 本体分離槽 2 仕切壁 3 重力分離部 4 精分離部 6 接触ろ材 9 流入口 15 繊維シートろ材 16 網袋 17 多孔層 18、18a、18b 傾斜板 19、19a、19b 通孔 20、20a 開口 21 油滴排出管 22 リザーバータンク 23 分離液室 24 処理水口 26 清水弁 29、33 オイルセンサー 30 油排出口 31 排出弁 35 油排出弁
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 17/032 B01D 17/032 17/12 17/12 B C02F 1/28 ZAB C02F 1/28 ZABH

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉状の本体分離槽(1)に仕切壁
    (2)を立設し、網様骨格体の接触ろ材(6)を充填し
    た重力分離部(3)と、カットした繊維シートろ材(1
    5)を充填して多孔層(17)を構成した精分離部
    (4)に分割して、先ず、重力分離部(3)に油分を含
    んだ原水を供給して接触ろ材(6)に油滴を接着させ、
    連続して供給される原水により接触ろ材(6)に接着さ
    せた油滴を粗大化させて粗大油滴を分離した後、精分離
    部(4)の多孔層(17)に微小油滴を通過させて、多
    孔層(17)の繊維シートろ材(15)に吸着させ、後
    方からくる油滴と合体させて粗大化し、油滴の精分離を
    行なうことを特徴とする油水分離方法。
  2. 【請求項2】 上記本体分離槽(1)の上部に浮上した
    油層の蓄積を検知して、精分離部(4)に清水を圧入
    し、精分離部(4)の多孔層(17)の繊維シートろ材
    (15)を洗浄しながらその洗浄水の圧入圧で蓄積した
    油滴を排出することを特徴とする請求項1記載の油水分
    離方法。
  3. 【請求項3】 密閉状の本体分離槽(1)に上部で連通
    する仕切壁(2)を立設し、網様骨格体の接触ろ材
    (6)を充填した重力分離部(3)と、カットした繊維
    シートろ材(15)を充填して多孔層(17)を構成し
    た精分離部(4)に分割して、本体分離槽(1)の上部
    を油室(5)とすると共に、重力分離部(3)の底部に
    原液の流入口(9)と、精分離部(4)の底部に処理水
    口(24)を配設し、本体分離槽(1)の上部の油室
    (5)に油排出口(30)を開口したことを特徴とする
    油水分離装置。
  4. 【請求項4】 上記精分離部(4)の多孔層(17)の
    下方に、傘型状の傾斜板(18)を多段に配設し、傾斜
    板(18)の斜壁の適所に通孔(19)と中央部に開口
    (20)を設けると共に、上段の傾斜板(18a)の開
    口(20a)に立設した油滴排出管(21)を連結し、
    多段に配設した傾斜板(18…)の下方の精分離部
    (4)を分離液室(23)としたことを特徴とする請求
    項3記載の油水分離装置。
  5. 【請求項5】 上記本体分離槽(1)の油室(5)に油
    層の蓄積を検知させるオイルセンサー(29)を設け、
    このオイルセンサー(29)に精分離部(4)への洗浄
    水の清水弁(26)と油室(5)の油滴の排出弁(3
    1)を連動連結して、清水弁(26)と排出弁(31)
    を同時に開閉させることを特徴とする請求項3または4
    に記載の油水分離装置。
  6. 【請求項6】 上記上段の傾斜板(18a)に立設した
    油滴排出管(21)の上端にリザーバータンク(22)
    を連結し、このリザーバータンク(22)に油分の蓄層
    を検知するオイルセンサー(33)を設け、このオイル
    センサー(33)にリザーバータンク(22)の油排出
    弁(35)を連動連結して、油排出弁(35)を開閉さ
    せることを特徴とする請求項4記載の油水分離装置。
  7. 【請求項7】 上記重力分離部(3)に充填した網様骨
    格体の接触ろ材(6)が、繊維径1〜2mmφ、表面積
    180〜200m2/m3のマット状のろ材から構成して
    あることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記
    載の油水分離装置。
  8. 【請求項8】 上記精分離部(4)に多孔層(17)を
    構成する繊維シートろ材(15)は、親油、撥水性を有
    する空隙率80%〜90%のポリプロピレン製の不織布
    で、これらを10mm×10mm程度の適当な大きさに
    裁断したろ材であることを特徴とする請求項3または4
    記載の油水分離装置。
  9. 【請求項9】 上記精分離部(4)に充填して多孔層
    (17)は、多数の繊維シートろ材(15)を収納した
    複数個の網袋(16…)からなることを特徴とする請求
    項8記載の油水分離装置。
JP2001211627A 2001-07-12 2001-07-12 油水分離方法並びにその装置 Pending JP2003024705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211627A JP2003024705A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 油水分離方法並びにその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001211627A JP2003024705A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 油水分離方法並びにその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003024705A true JP2003024705A (ja) 2003-01-28

Family

ID=19046904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001211627A Pending JP2003024705A (ja) 2001-07-12 2001-07-12 油水分離方法並びにその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003024705A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175424A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Facet Iberica Sa 乳化炭化水素/水分離装置
KR101149523B1 (ko) * 2009-12-12 2012-05-25 신강하이텍(주) 내부관 여과층 및 외부관 여과층으로 구성된 여과장치를 구비한 선박평형수 처리장치
CN108753450A (zh) * 2018-05-16 2018-11-06 新疆金兰植物蛋白有限公司 一种皂角分离塔及使用该装置用棉籽混合油制备棉籽精炼油的方法
CN113912158A (zh) * 2020-07-10 2022-01-11 中国石油化工股份有限公司 一种油水分离装置
CN114212907A (zh) * 2022-02-21 2022-03-22 深圳市九力信水处理科技有限公司 一种浓缩新能源铝电池生产用废水浓缩装置及其浓缩方法
CN114618189A (zh) * 2022-04-24 2022-06-14 北京石油化工学院 立式罐状油水两级三次分离设备
CN115288102A (zh) * 2022-09-09 2022-11-04 张家港江苏科技大学产业技术研究院 一种海面油污收集分离装置
CN115300941A (zh) * 2022-08-17 2022-11-08 青岛科技大学 一种从油水混合物中分离重油和轻油的方法
CN117164184A (zh) * 2023-11-03 2023-12-05 四川乾源智达环保科技有限公司 移动式水产养殖污水处理系统

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006175424A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Facet Iberica Sa 乳化炭化水素/水分離装置
KR101149523B1 (ko) * 2009-12-12 2012-05-25 신강하이텍(주) 내부관 여과층 및 외부관 여과층으로 구성된 여과장치를 구비한 선박평형수 처리장치
CN108753450A (zh) * 2018-05-16 2018-11-06 新疆金兰植物蛋白有限公司 一种皂角分离塔及使用该装置用棉籽混合油制备棉籽精炼油的方法
CN108753450B (zh) * 2018-05-16 2023-08-22 新疆金兰植物蛋白有限公司 一种皂角分离塔及使用该装置用棉籽混合油制备棉籽精炼油的方法
CN113912158B (zh) * 2020-07-10 2023-03-21 中国石油化工股份有限公司 一种油水分离装置
CN113912158A (zh) * 2020-07-10 2022-01-11 中国石油化工股份有限公司 一种油水分离装置
CN114212907B (zh) * 2022-02-21 2022-04-26 深圳市九力信水处理科技有限公司 一种浓缩新能源铝电池生产用废水浓缩装置及其浓缩方法
CN114212907A (zh) * 2022-02-21 2022-03-22 深圳市九力信水处理科技有限公司 一种浓缩新能源铝电池生产用废水浓缩装置及其浓缩方法
CN114618189A (zh) * 2022-04-24 2022-06-14 北京石油化工学院 立式罐状油水两级三次分离设备
CN114618189B (zh) * 2022-04-24 2023-04-07 北京石油化工学院 立式罐状油水两级三次分离设备
CN115300941A (zh) * 2022-08-17 2022-11-08 青岛科技大学 一种从油水混合物中分离重油和轻油的方法
CN115300941B (zh) * 2022-08-17 2023-11-17 青岛科技大学 一种从油水混合物中分离重油和轻油的方法
CN115288102A (zh) * 2022-09-09 2022-11-04 张家港江苏科技大学产业技术研究院 一种海面油污收集分离装置
CN117164184A (zh) * 2023-11-03 2023-12-05 四川乾源智达环保科技有限公司 移动式水产养殖污水处理系统
CN117164184B (zh) * 2023-11-03 2024-01-02 四川乾源智达环保科技有限公司 移动式水产养殖污水处理系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK176468B1 (da) Kombineret afgasnings- og flotationstank
EA021685B1 (ru) Устройство и способ разделения фаз в многофазном потоке
JP3640070B2 (ja) 油水分離除去装置
JPH0326082B2 (ja)
US20080237152A1 (en) Cartridge separator for immiscible liquids
CN201415070Y (zh) 除油过滤器
WO1996002309A1 (en) Multi-stage method and apparatus for separating immiscible fluids
JP4151005B2 (ja) 油水分離装置並びに油水分離方法
JP2006198530A (ja) 油汚染土砂の油・土砂分離方法、及び油汚染土砂の油・土砂分離装置
JP2003024705A (ja) 油水分離方法並びにその装置
JPS62277109A (ja) 油水分離方法及びその装置
JPH05184809A (ja) 水中の汚染物を分離する装置
JP2004050145A (ja) 微細な浮遊物質を含むビルジ用油水分離装置
US6129839A (en) Separation system for immiscible liquids
US20030000895A1 (en) Method and apparatus for cleaning waste water
RU2477706C2 (ru) Способ удаления органических компонентов из их смеси с водой и устройство для его осуществления
JP2000061206A (ja) 油水分離装置および浄水装置
JPH0621521Y2 (ja) 油水分離装置
CA1178542A (en) Method and apparatus for oil-water separation by coalescence
JP2767768B2 (ja) 油水分離装置
JP6496931B2 (ja) 加工液処理システム
JP4635136B2 (ja) ドレン水の油水分離方法および油水分離装置
CA2642031A1 (en) Process and apparatus for separating immiscible liquids from aqueous fluids
JPH0353682Y2 (ja)
JP2664877B2 (ja) 油水分離装置