JP3639760B2 - 高電圧発生装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

高電圧発生装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧発生装置及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用している画像形成装置には、高電圧発生装置が備えられており、用紙などに対する画像形成プロセスには欠かせない存在となっている。この高電圧発生装置内には、例えば帯電高圧電源、現像高圧電源、転写高圧電源、定着高圧電源等、各種モジュール化された電源が存在する。
【0003】
これらの各高圧モジュールは、画像形成装置の構成に応じて異なった仕様を有しており、例えば直流電源に交流電源を重畳したものや、直流マイナス電源に直流プラス電源を重畳したもの等様々に構成され、規定電圧や規定電流、定電流制御方式や定電圧制御方式、単一値出力や多段階値制御出力、また負荷条件等についても様々な仕様がある。
【0004】
この中でも、様々な条件下において一定の電圧や電流を出力できるように定電圧制御回路や定電流制御回路を用いることは必要不可欠となっている。
【0005】
通常、定電圧制御回路には電圧検出回路が、定電流制御回路には電流検出回路が設けられている。しかし、定電圧制御回路に電圧検出回路及び電流検出回路の双方を設け、電流値をモニタしながら定電圧制御を行う場合がある。また、定電圧制御回路及び定電流制御回路、あるいは電圧検出回路と電流検出回路の双方を設け、定電流制御動作を行ったときの電圧値をモニタし、その電圧値を用いて演算処理を施して定電圧制御動作を行うという手法も考えられている。
【0006】
これは、定電圧制御のみでバイアス印加を行うと、転写ローラ等の抵抗値は環境特に湿度によって大きく変わるので、転写電流が変動して転写不良を生じやすくなるためである。また、定電流制御のみでバイアス印加を行うと、転写ローラ上を通過する転写材の大きさ(幅)が小さい場合、転写ローラ上に転写材の存在する領域及び転写材の存在しない領域の双方が転写バイアスの出力負荷として扱われ、転写材の存在しない領域の方が転写材の存在する領域よりもインピーダンスが低くなるため、転写材の存在しない領域に電流が流れ、転写材の存在する領域は電流不足により転写不良を生じやすいという問題があるためである。
【0007】
図7はこのような従来の定電圧制御方式を採用した高電圧発生装置113の概略構成を示す回路図である(従来例1)。
【0008】
同図に示すように、この高電圧発生装置は、高電圧を発生する昇圧トランスT101と、昇圧トランスT101を駆動するスイッチング部105と、昇圧トランスT101のスイッチング状態を制御する定電圧制御部104と、昇圧トランスT101の出力電圧を整流・平滑する整流部107と、負荷112を流れる負荷電流値を検出する電流検出部111と、クロック信号(CLK101)を出力するクロック発生器102と、コントローラ101とから構成されている。
【0009】
コントローラ101は、定電圧制御部104と電流検出部111に接続されており、定電圧値可変PWM信号を定電圧制御部104に送信することにより、高電圧印加部の制御電圧をコントロールする。また、電流検出部111が検出した負荷電流値をA/Dポートからアナログ信号として入力してモニタしている。
【0010】
上記コントローラ101の出力信号により、定電圧制御部104は所定の電圧をスイッチング部105に供給する。スイッチング部105は、その入力電圧において、昇圧トランスT101をスイッチング駆動する。そして、スイッチング駆動された昇圧トランスT101は、高電圧を生成する。この高電圧は、整流部107により平滑・整流された後に、高電圧印加部に出力される。高電圧印加部は、負荷112に接続されており、負荷112に流れる電流は電流検出部111により検出される。
【0011】
整流部107により生成された出力電圧は、整流部107内に設けられている電圧検出部109により絶えずモニタされており、高電圧の出力電圧が低電圧の検出信号レベルに変換される。この電圧検出部109内の抵抗R108と抵抗R109の分圧により得られる検出電圧は、後述の比較演算増幅器IC102の反転入力端子が仮想接地されているので、高電圧印加部の電圧の分圧値を直接に示す(検出電圧=高電圧印加部の電圧×R109/(R108+R109))。
【0012】
また、図8に示すように、電圧検出部109を流れる電流経路と負荷電流経路と分離し、後述の負荷電流検出部111が負荷電流のみを検出できることを可能としている。
【0013】
また、抵抗R108及びR109は、定電圧制御部104内の比較演算増幅器IC101に接続されており、その検出電圧は、比較演算増幅器IC101によりモニタされる。
【0014】
定電圧制御部104は、コントローラ101により送信された定電圧値可変PWM信号に従い、比較演算増幅器IC101に入力すべき閾値電圧を高精度に生成し、上記電圧検出部109の検出電圧と比較演算し、トランジスタQ101を制御駆動する。この制御駆動されるトランジスタQ101は、電流を増幅してスイッチイング部105へ電源を供給する。
【0015】
電流検出部111は、負荷112に流れる負荷電流値を検出し、コントローラ101へ送信する。
【0016】
比較演算増幅器IC102は、非反転入力端子が接地されており、反転入力端子を仮想接地としている。このため、トランスT101の一端はこの反転入力端子に接続されることによって仮想接地され、図8に示す経路で負荷電流が流れる。
【0017】
したがって、比較演算増幅器IC102の出力端子には、負荷電流値×(抵抗R110の値)で示される電圧信号が負荷電流として検出される。例えば、負荷電流の検出用抵抗R110の値が200KΩ、負荷電流が10μAである場合、検出値は2.0Vを示す。
【0018】
コンデンサC106は、上記トランスT101の一端を交流的に接地し、図8に示す負荷電流経路(直流経路)と切り分ける役割を担っている。そして、比較演算増幅器IC102の反転入力端子に電圧検出部109が接続されている。
【0019】
なお、Vccの電源電圧が抵抗R101を介して入力される定電圧制御部104において、D105はダイオード、C101,C107はコンデンサ、R102,R103,R111,R112は抵抗、Q104は基準電圧Vrefが入力されるトランジスタである。また、スイッチング部105において、Q102は昇圧トランスT101の入力巻線N101,N102に接続されたスイッチングトランジスタ、D106はダイオード、C102はコンデンサ、R104は抵抗であり、整流部107において、D101は整流用のダイオード、C104は平滑用のコンデンサであり、電流検出部111におけるC108はコンデンサである。
【0020】
次に、負バイアス電源に正バイアス電源を重畳して、正負どちらの出力も可能としている高電圧発生装置114を図9に示す(従来例2)。この従来例2は、上述の従来例1に用いられている電圧検出部109と電流検出部111を適用し、正負出力可能なバイアス電源に対しても、同様の効果が得られるように追加構成したものである。
【0021】
同図において、高電圧制御回路はスイッチング部105と整流部107からなる正バイアス生成部と、スイッチング部106と整流部108からなる負バイアス生成部を構成している。そして、負バイアス生成部を追加することにより、ダイオードD104、D108及び抵抗R113からなる電圧下限リミッタ回路部110と、電流検出部111にクランプダイオードD103が新たに追加構成される。他の回路部は図7の回路と同様に機能する。
【0022】
なお、クロック発生器102は正,負バイアス用のクロック信号(CLK101,102)を出力する。また、スイッチング部106はスイッチング部105と同様、トランスT102と接続されたスイッチングトランジスタQ103、ダイオードD107、コンデンサC103及び抵抗R105から構成され、整流部108も整流部107と同様、整流用のダイオードD102、平滑用のコンデンサC105及び抵抗R107から構成されている。
【0023】
コントローラ101は、クロック発生器102に対してON/OFF信号を送信し、スイッチング部106を駆動するクロック信号(CLK102)をアクティブにするかあるいは停止することにより、負バイアス出力のON/OFFを制御している。
【0024】
電圧下限リミッタ回路部110は、負バイアス出力時において、正バイアスの定電圧制御部104及び電流検出部111にマイナスの電圧が印加されることによる誤動作が発生しないように機能する。また、負バイアス出力時においては、電流検出部111を流れる電流ループが逆方向となり、クランプダイオードD103は、この逆方向の電流ループのバイパス導通路として機能する。この負バイアス電源を内包した場合においても、上記のように構成することにより、従来例1と同様の効果を得ることが可能となる。
【0025】
また、上述の従来例1及び2において、コントローラ101は、所望の直流電流(積分平均値)が負荷112に流れるように定電圧制御部104に送信するデータを順次可変させることにより、高電圧印加部の定電圧値をシフトさせて行き、そのときの負荷電流値を電流検出部111によりモニタする。そして、所望の負荷電流値に一致するまでこの操作を繰り返す。これにより、周囲環境等により変動する負荷112に対し、所望の電流値を流すことのできる定電圧制御方式の高電圧発生装置を実現することが可能となる。
【0026】
このように、反転入力端子を仮想接地した構成の電流検出部111を用い、整流部107内の電圧検出部109をその仮想接地端子に接続したので、電流検出部111は負荷電流のみを高精度に検出することが可能である。
【0027】
また、電圧検出部109は、高電圧印加部と接地電位(仮想接地部)に接続されるので、抵抗R108及びR109は、高電圧印加部の電位を高精度に検出することも可能となる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の高電圧発生装置にあっては、画像形成装置に用いられた場合、図10に示すように他の高電圧発生装置(高圧電源)から流れ込み電流が流れ、回路が誤動作を生じる場合がある。この流れ込み電流の交流成分は、コンデンサC104及びコンデンサC106を介して流れ、直流成分は抵抗R108、R109及び抵抗R110を介して流れ込む。
【0029】
上記の抵抗R110は、自らの出力電流をモニタしており、上述のような流れ込み電流が自らの出力電流値よりも大きい場合には、電流検出用の抵抗R110に通常と逆方向の電流が流れ、比較演算増幅器IC102の反転入力端子を接地電位に保持することができなくなる。
【0030】
図11は従来の電流検出回路部の動作電圧を示す図で有り、(a)はスタンバイ時における比較演算増幅器IC102の各端子電圧の具体例を示している。演算増幅器IC102は正常に動作し、各端子とも0Vに保持されている。
【0031】
図11の(b)は電流検出シーケンス時における比較演算増幅器IC102の各端子電圧の具体例を示している。比較演算増幅器IC102は正常に動作し、負荷電流が比較演算増幅器IC102の出力端子から検出される。抵抗R109の一端は0Vに保持されるので、図10に示す電圧検出部109も正常に動作する。
【0032】
図11の(c)は他高圧電流の流れ込み時における比較演算増幅器IC102の各端子電圧の具体例を示している。他高圧電流の流れ込み電流値が自らの出力電流より多いため、負荷電流検出用の抵抗R110には通常と逆方向の電流が流れ、比較演算増幅器IC102の反転入力端子の電位が浮いてしまう。
【0033】
そして、上記の図11の(c)の状態では、コントローラ101による電流検出は行っていないため、電流検出値が実際の負荷電流と異なることに関しては問題はない。しかし、電圧検出部が誤った値に変動するため、高電圧印加部の定電圧値を一定に保持できないという現象が生じる。
【0034】
つまり、比較演算増幅器IC102の反転入力端子が接地電位から変動すると、図10に示す電圧検出部109の一端の電圧が変動するため、高電圧印加部電圧の帰還値にも変動が生じる。したがって、同一の高電圧印加電圧に対して検出電圧値が変動するので、高電圧印加部電圧値を一定に保持することができなくなるという問題点があった。
【0035】
また、コンデンサC106に外部からの交流電流が多量に流れ込む場合、かなり大きな容量値のコンデンサを使用しなければ、同様に比較演算増幅器IC102の反転入力端子を接地電位に保持できなくなるといった現象が生じる。これは、コンデンサC106に交流の電流が流れ込むことにより発生する電圧効果が電流検出部111に対し無視できない大きさになるためである。
【0036】
また、従来例2における逆バイアス出力時に動作する電圧下限リミッタ回路部110は、図12に示すように、0.2〜0.3V程度の電圧域で動作するため、比較演算増幅器IC101の入力部を低い電圧値で制御動作させること、つまり高電圧印加部を低い出力電圧値に設定することが困難であるという問題を抱えていた。
【0037】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、環境等による負荷変動が生じても、コストアップすることなく、簡素且つ最適な構成で高精度に負荷電流を供給することができ、また他の高電圧発生装置の電流が流れ込んできた場合においてもその性能を維持でき、数V程度からの出力電圧をコントロール可能な高電圧発生装置を提供することを目的としている。
【0038】
また、定電圧制御方式と定電流制御方式の両方を、ハードウェアあるいはソフトウェアを用いて採用し、且つ電流・電圧を高精度に検出できる高電圧発生装置を提供することを目的としている。
【0039】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、高電圧発生装置画像形成装置、次の(1)ないし(7)のとおりに構成する
(1)スイッチング駆動される昇圧トランスと、
該昇圧トランスから出力された脈流電圧を整流する整流手段と、
整流された直流出力電圧を検出する電圧検出手段と、
一方の入力には前記電圧検出手段が接続され、他方の入力には所定のオフセット電位が与えられるとともに、前記一方の入力と出力とが抵抗を介して接続された比較演算増幅器を有し、前記直流出力電圧の印加により負荷に流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、
前記電圧検出手段を直接接地することなく、前記電流検出手段を介して接地する構成とし、前記抵抗に流れる電流が正負のいずれであっても、前記比較演算増幅器の前記一方の入力が略所定のオフセット電位を維持するようにした高電圧発生装置。
(2)電圧検出手段の出力値が所定の値となるように昇圧トランスのスイッチング駆動を制御する手段を有する前記(1)記載の高電圧発生装置。
(3)電流検出手段の出力値が所望の値になるように前記所定の値を可変制御するモードと、電流検出手段の出力値が所望の値になったときの前記所定の値を固定して定電圧制御するモードとを有する前記(2)記載の高電圧発生装置。
(4)電流検出手段の出力値が所定の値となるように昇圧トランスのスイッチング駆動を制御する手段を有する前記(1)記載の高電圧発生装置。
(5)電圧検出手段の出力値が所望の値となるように前記所定の値を可変制御するモードと、電圧検出手段の出力値が所望の値になったときの前記所定の値を固定して定電流制御するモードとを有する前記(4)記載の高電圧発生装置。
(6)スイッチング駆動される第1昇圧トランスと、
該第1昇圧トランスから出力された脈流電圧を整流する第1整流手段と、
スイッチング駆動される第2昇圧トランスと、
該第2昇圧トランスから出力された脈流電圧を整流する第2整流手段とを有し、
正負どちらの高圧出力をも出力可能とした前記(1)ないし(5)の何れかに記載の高電圧発生装置。
(7)前記(1)ないし(6)の何れかに記載の高電圧発生装置を備えた画像形成装置。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、電子写真方式を採用する画像形成装置に用いられる高電圧発生装置において、昇圧トランスと、前記昇圧トランスを駆動するスイッチング手段と、前記昇圧トランスにより出力される脈流電圧の整流及び平滑を行い直流出力電圧を生成する整流手段と、前記整流回路により生成される直流出力電圧を検出する電圧検出手段と、前記直流出力電圧が印加される負荷に流れる電流を検出する電流検出手段とを有し、前記電圧検出手段は直接に対接地電位に接続されず、上記電流検出手段に接続され、且つ前記電圧検出手段と前記電流検出手段の接続部は、少なくとも零より大きい電圧を一定に保持するように動作する。
【0049】
また本発明によれば、上記電圧検出手段と上記スイッチング手段との間に接続され、上記電圧検出手段の出力値が所定の電圧値となるように上記スイッチング手段を制御駆動する第1の制御手段を有する。
【0050】
また、本発明によれば、上記電流検出手段と上記第1の制御手段との間に接続され、上記電流検出手段の出力値に従い、前記電圧検出手段の出力が所定の値となるように第1の制御手段に対し制御を行う第2の制御手段を有する。
【0051】
また本発明によれば、上記電流検出手段と上記スイッチング手段との間に接続され、上記電流検出手段の出力値が所定の電流値となるように上記スイッチング手段を制御駆動する第3の制御手段を有する。
【0052】
また本発明によれば、上記電圧検出手段と上記第3の制御手段との間に接続され、上記電圧検出手段の出力値に従い、前記電流検出手段の出力が所定の値となるように第3の制御手段に対し制御を行う第4の制御手段を有する。
【0053】
以下、本発明の実施例を図面について説明する。
【0054】
(第1の実施例)
図1は本発明の第1の実施例による高電圧発生装置13の概略構成を示す回路図である。
【0055】
本実施例の高電圧発生装置13は、高電圧を発生する昇圧トランスT1と、昇圧トランスT1を駆動するスイッチング部5と、昇圧トランスT1のスイッチング状態を制御する定電圧制御部4と、昇圧トランスT1の出力電圧を整流・平滑する整流部7と、負荷12を流れる負荷電流値を検出する電流検出部(電流検出手段)11と、クロック信号(CLK1)を出力するクロック発生器2と、コントローラ(制御手段)1とから構成されている。コントローラ1は、定電圧制御部4と電流検出部11とに接続されている。
【0056】
まず、高電圧の出力状態について、概要を説明する。コントローラ1は、定電圧値可変PWM信号を定電圧制御部4に送信することにより、高電圧印加部の制御電圧をコントロールする。また、電流検出部11が検出した負荷電流値をA/Dポートを用い、アナログ信号としてモニタしている。
【0057】
上記コントローラ1の信号により、定電圧制御部4は所定の電圧をスイッチング部(スイッチング手段)5に供給する。スイッチング部5は、この所定のクロック、入力電圧において、昇圧トランスT1をスイッチング駆動する。スイッチング駆動された昇圧トランスT1は、高電圧を生成する。この高電圧は、整流部7により平滑・整流された後に、高電圧印加部に出力される。高電圧印加部は、負荷12に接続されており、流れる電流は電流検出部11により検出される。
【0058】
また、コントローラ1は、所望の直流電流(積分平均値)が負荷12に流れるように定電圧制御部4に送信するデータを順次可変させることにより、高電圧印加部の定電圧値をシフトさせて行き、そのときの負荷電流値を電流検出部11によりモニタする。そして、所望の負荷電流値に一致するまでこの操作を繰り返す。この操作により一意的に定まる定電圧可変PWM信号の値において、高電圧発生装置13を定電圧動作させる。
【0059】
次に、各ブロックについて、詳細に説明する。
【0060】
スイッチング部5は、抵抗R4、スイッチングトランジスタQ2、コンデンサC2及びダイオードD6より構成されており、クロック発生器2、昇圧トランスT1及び定電圧制御部4に接続されている。抵抗R4は、トランジスタQ2の静電破壊の防止のために設けられている。
【0061】
所定の周波数及びデューティのクロック信号がクロック発生器2よりトランジスタQ2のゲートに入力されると、トランジスタQ2は昇圧トランスT1をスイッチング駆動する。昇圧トランスT1の入力巻線N1及びN2とダイオードD6は、スナバ回路を構成しており、トランジスタQ2のドレイン電圧が入力電圧(トランジスタQ1のエミッタ電圧)の2倍となる電圧でダイオードD6が導通し、トランジスタQ2のドレイン電圧を上記の2倍となる電圧でクランプする。昇圧トランスT1の入力巻線N1及びN2は、バイファイラ巻きとされており、密結合している。またコンデンサC2は、トランジスタQ1のエミッタ電圧の平滑を行い、この平滑された電圧が昇圧トランスT1に供給される。
【0062】
昇圧トランスT1は、上記のスイッチング部5により所定の入力電圧でスイッチング駆動され、入力電圧を昇圧し、所定の脈流波形の高電圧を発生させる。この昇圧トランスT1の出力側には整流部7が接続されており、整流部7は昇圧トランスT1によって発生した脈流波形の高電圧を整流・平滑し、直流の高電圧を生成する。
【0063】
上記整流部7は、高圧整流用のダイオードD1、高圧平滑用のコンデンサC4、抵抗R8及びR9より構成されている。この整流部7の出力側は高電圧印加部に接続されており、画像形成装置内の駆動回路から電源を得て動作する負荷12に対して高電圧を出力する。
【0064】
したがって、整流部7により生成された直流の高電圧は、高電圧印加部を介して負荷12に出力される。また、コンデンサC4は接地電位に接続されているので、他の高電圧電源からの流れ込み交流電流が発生する場合には、このコンデンサC4を介して接地へと電流が流れるため、従来の図10に示すように電流検出部11内のコンデンサC6端の電位を変動させることはない。
【0065】
また、整流部7により生成された出力電圧は、整流部7内に設けられている電圧検出部(電圧検出手段)9により絶えずモニタされており、高電圧の出力電圧が低電圧の検出信号レベルに変換される。電圧検出部9は、昇圧トランスT1と高圧整流用のダイオードD1とにより高圧平滑用のコンデンサC4に充電される電荷の放電を行うブリーダ抵抗器の機能を兼ねている。
【0066】
上記電圧検出部9内の抵抗R8と抵抗R9の分圧により得られる検出電圧は、後述する比較演算増幅器IC2の反転入力端子が非反転入力端子と同電位に固定制御されるので、高電圧印加部電圧及び反転入力端子電圧により一意的に定まる値{検出電圧=(高電圧印加部電圧×R9+反転入力端子電圧×R8)/(R8+R9)}を示す。また、図2に示すように、電圧検出部9を流れる電流経路と負荷電流経路とを分離し、負荷電流検出部11が負荷電流のみを検出できることを可能としている。
【0067】
また、抵抗R8及びR9は、定電圧制御部4内の比較演算増幅器IC1に接続されており、その検出電圧は比較演算増幅器IC1によりモニタされる。
【0068】
電源電圧Vccが抵抗R1を介して入力される定電圧制御部4は、シリーズレギュレータ動作を行うトランジスタQ1及び抵抗R2と、上記検出電圧をモニタしている比較演算増幅器IC1と、比較演算増幅器IC1の位相補正を行うコンデンサC1と、コントローラ1からの定電圧値可変PWM信号を基準電圧Vrefのクロック信号に変換するトランジスタQ4及び抵抗R11と、この基準電圧化されたクロック信号を整流してPWM信号をアナログDC信号に変換するローパスフィルタ(抵抗R3及びコンデンサC7)とから構成され、スイッチング部5に接続されている。D5はダイオード、R12は抵抗である。
【0069】
上記定電圧制御部4は、コントローラ1により送信された定電圧値可変PWM信号に従い、比較演算増幅器IC1に入力すべき閾値電圧を高精度に生成し、上記電圧検出部9の検出電圧と比較演算する。比較演算増幅器IC1の直接の制御対象はトランジスタQ1のベースであり、「高電圧印加部の電圧値」が「定電圧値可変PWM信号に応じて一意的に定まる電圧値」となるようにトランジスタQ1を制御駆動する。この制御駆動されるトランジスタQ1は、電流を増幅して、スイッチング部5へ電源を供給する。
【0070】
電流検出部11は、上述の比較演算増幅器IC2、抵抗R10、コンデンサC6、コンデンサC8、及び抵抗R15,R16からなるオフセット電位設定部14により構成され、コントローラ1と整流回路7に接続されている。そして、負荷12に流れる負荷電流値を検出し、コントローラ1へその電流値検出値信号を送信する。コンデンサC6は、比較演算増幅器IC2の反転入力端子のインピーダンスを下げる役目を担っており、ノイズの重畳を防止する。またコンデンサC8は、比較演算増幅器IC2のゲインを下げ、発振防止として機能する。
【0071】
比較演算増幅器IC2は、非反転入力端子にオフセット電位設定部14が接続されており、所定の値{Vref×R16/(R15+R16)}の電圧が入力される。したがって、反転入力端子は、非反転入力端子と同一電位となるように制御動作する。電圧検出部9の一端は、その反転入力端子に接続されることにより、上記の所定の値{Vref×R16/(R15+R16)}に制御維持される。
【0072】
また、負荷電流は図2に示す経路で流れるので、抵抗R10の両端には負荷電流値×(R10)の値で示される電圧信号が負荷電流として検出される。例えば、負荷電流の検出用抵抗R10の値が200KΩ、負荷電流が10μAである場合、抵抗R10端には2.0Vの電圧が発生する。また例えば、Vref=5V,R15=10KΩ、R16=4.7KΩとすると、比較演算増幅器IC2の入力端子電圧は、1.60V{=5V×4.7KΩ/(10KΩ+4.7KΩ)}となるので、比較演算増幅器IC2の出力端子には、1.60V+2.0Vより、3.60Vが検出される。
【0073】
つまり、比較演算増幅器IC2は初期値として1.60Vを出力し、電流が流れた量だけその電圧を上昇させることにより負荷電流を検出することを可能とする。以下、この1.60VをIC2オフセット電位と呼ぶことにする。
【0074】
上記のIC2オフセット電位を初期値として保持することにより、他高圧電流の流れ込み時において発生する、電圧検出部9の変動を除去することができる。この反転入力端子にオフセット電位を与えた場合の様子を従来例の図11と対比して、図3に示す。
【0075】
図3の(a)はスタンバイ時における比較演算増幅器IC2の各端子電圧を示している。比較演算増幅器IC2は正常に動作し、各端子とも1.60Vに保持される。
【0076】
図3の(b)は電流検出シーケンス時における比較演算増幅器IC2の各端子電圧を示している。比較演算増幅器IC2は正常に動作し、負荷電流が比較演算増幅器IC2に出力端子から検出される。抵抗R9の一端は1.60Vに保持されるので、電圧検出部9も正常に動作する。
【0077】
図3の(c)は他高圧電流の流れ込み時における比較演算増幅器IC2の各端子電圧を示している。他高圧電流の流れ込み電流が自らの出力電流より多いため負荷電流検出用の抵抗R10には通常{図3の(b)}と逆方向の電流が流れ、抵抗R10端には通常とは逆方向の電圧降下0.72Vが発生する。しかし、比較演算増幅器IC2の入力端子は1.60Vであるので、単純に0.72V電圧降下し、比較演算増幅器IC2の出力端子は0.88Vを示す。
【0078】
したがって、本実施例の高電圧発生装置13は、他高電圧電流の流れ込み時においても、抵抗R9の一端が1.60Vに固定保持されるので、従来と異なり、電圧検出部9も正常に動作させることが可能となる。
【0079】
このように、本実施例によれば、比較演算増幅器IC2は非反転入力端子に所定の値{Vref×R16/(R15+R16)}の電圧が入力され、反転入力端子が同一電圧となるように制御動作するので、図7に示す従来の高電圧発生装置と異なり、他高圧電流の流れ込みが生じた場合においても、比較演算増幅器IC2の反転増幅端子を一定に保持することができ、周囲環境等により変動する負荷12に対し、所望の電流値を流すことのできる安定した定電圧制御方式の高電圧発生装置を実現することが可能となる。
【0080】
また、IC2オフセット電位値は、自らの出力電流と発生する流れ込み電流の値に応じて適宜変更すれば良く、コントローラ1によって制御することも容易に可能となる。
【0081】
更に、負荷電流及び負荷電圧双方の検出制御手段を有しているので、電流リミッタ、電圧リミッタとして動作させることも容易に可能となる。また、従来と比較して、部品点数の増加もほとんどなく、低コストにて上述の機能を実現することが可能となる。したがって、従来と比較して、高精度で最適な負荷電流値を供給できる高電圧発生装置を、一層安定した定電圧制御回路として提供することが可能となる。
【0082】
更に、このように構成された高電圧発生装置13を画像形成装置に採用することにより、例えば転写電流の変動による転写不良等の動作不良を防止でき、画像形成装置内の各ユニットを適切に動作させることが可能になる。
【0083】
なお、本実施例においては、整流部7の構成を便宜的に片整流タイプとしているが、倍電圧整流やそれ以上の倍電圧整流でも構わない。また、制御手段としてオペアンプ(演算増幅器)を用いているが、同様に機能する、他の比較演算手段でも構わない。またバイファイラ巻の昇圧トランスを用いているが、単巻の入力巻線を内包する他の昇圧トランスでも構わない。
【0084】
(第2の実施例)
次に、本発明の第2の実施例について、図4を参照して説明する。図4は本実施例による高電圧発生装置15の概略構成を示す回路図である。
【0085】
本実施例の構成は、負バイアス電源に正バイアス電源を重畳して、正負どちらの出力も可能としている電源において、上述の第1の実施例に用いられている電圧検出部9と電流検出部11を適用し、正負出力可能なバイアス電源に対しても、同様の効果が得られるように再構成したものである。
【0086】
同図において、高電圧制御回路は、正バイアス生成部と負バイアス生成部を構成している。正バイアス生成部は、高電圧を発生する昇圧トランスT1と、昇圧トランスT1を駆動するスイッチング部5と、昇圧トランスT1のスイッチング状態を制御する定電圧制御部4と、昇圧トランスT1の出力電圧を整流・平滑する整流部7と、負荷12を流れる負荷電流値を検出する電流検出部11と、クロック信号(CLK1,CLK2)を出力するクロック発生器2と、コントローラ1とから構成されている。また、コントローラ1は、定電圧制御部4と電流検出部11とクロック発生器2に接続されている。
【0087】
負バイアス生成部は、出力電圧を制御しない構成となっており、高電圧を発生する昇圧トランスT2と、昇圧トランスT2を駆動するスイッチング部6と、昇圧トランスT2の出力を整流する整流部8とから構成されている。さらに、電圧下限リミッタ回路部10と、クランプダイオードD3が追加構成されている。
【0088】
まず、高電圧の出力状態について、概要を説明する。コントローラ1は、定電圧値可変PWM信号を定電圧制御部4に送信することにより、正バイアス出力時における高電圧印加部の制御電圧をコントロールする。また、電流検出部11が検出した負荷電流値をA/Dポートを用い、アナログ信号としてモニタしている。クロック発生器2に対しては、ON/OFF信号を送信し、スイッチング部5あるいはスイッチング部6を駆動するクロック信号をアクティブにするかあるいは停止することにより、負バイアス出力のON/OFFを制御している。
【0089】
また、コントローラ1は、所望の直流電流(積分平均値)が負荷12に流れるように定電圧制御部4に送信するデータを順次可変させることにより、高電圧印加部の定電圧値をシフトさせて行き、そのときの負荷電流値を電流検出部9によりモニタする。そして、所望の負荷電流値に一致するまでこの操作を繰り返す。この操作により一意的に定まる定電圧可変PWM信号の値において、高電圧発生装置15を定電圧動作させる。
【0090】
電圧下限リミッタ回路部10は、負バイアス出力時において、正バイアスの定電圧制御部4及び電流検出部11にマイナスの電圧が印加されることによる誤動作が発生しないように機能する。負バイアス出力時においては、電流検出部11を流れる電流ループが逆方向となり、クランプダイオードD3は、この逆方向の電流ループのバイパス導通路として機能する。この負バイアス電源を内包した場合においても、上記のように構成することにより、正バイアスについては、第1の実施例と同様の効果を得ることが可能となる。
【0091】
但し、高電圧印加部の電圧は、図5に示すように、整流部8内の抵抗R7を介する経路で電流が流れるように印加されるので、高抵抗値の抵抗R7には高電圧の電圧降下が発生する。つまり、抵抗R6の両端に発生する電圧は、接地点を0Vの基準として、高電圧印加部には正電位の高電圧が、抵抗R6と抵抗R7との接続点には負電位の高電圧がそれぞれ発生するように分圧される。例えば、負荷RL=100MΩ、R7=10MΩ、高電圧印加部電圧=1000Vとすると、抵抗R6と抵抗R7との接続点電位は約−100Vとなり、抵抗R6両端には約1100Vの電位差が発生することになる。
【0092】
次に、負バイアス生成部について説明する。スイッチング部6、昇圧トランスT2及び整流部8が追加構成され、正バイアス生成部のスイッチング部5、昇圧トランスT1及び整流回路7と同様に機能し、抵抗R7の両端に高電圧の負バイアスが生成される。
【0093】
負バイアス出力時において、電圧検出部9は高電圧印加部の電圧を分圧した値を検出するので、その値はマイナス電圧となる。このマイナス電圧が比較演算増幅器IC1に入力されると、比較演算増幅器IC1は誤動作を起こし、トランジスタQ1を駆動してしまう。このため、負バイアス出力時に、電圧検出部9の検出電圧がマイナス電位にならないように、電圧下限リミッタ回路部10は機能する。なお、正バイアス出力時にはオープン状態となる。
【0094】
また、負バイアス出力時において、負荷電流は図5に示す電流と逆方向に流れるため、比較演算増幅器IC2の反転入力端子は、比較演算増幅器IC2の出力端子よりプラスの電位となり、非反転入力端子よりも高電位となる。したがって、比較演算増幅器IC2は0Vを出力し、反転入力端子の電位は負荷電流が多く流れるほど上昇する。この反転入力端子の電位上昇を抑制し、比較演算増幅器IC2を保護するために、ダイオードD3は電圧リミッタとして機能する。なお、、正バイアス出力時にはオープン状態となる。
【0095】
また、電圧検出部9は、高電圧印加部と比較演算増幅器IC2の反転入力端子とに接続されているので、負バイアス生成回路内の抵抗R7に発生する電圧降下値や電流検出部11の検出値に関係なく、高電圧印加部の電位を一定に保持することが可能となる。
【0096】
したがって、本実施例高電圧発生装置15は、第1の実施例と同様に、他高電圧電流の流れ込み時においても、抵抗R9の一端が所定のIC2オフセット電圧に固定保持されるので、電圧検出部9も正常に動作させることを可能としている。
【0097】
また、本実施例の高電圧発生装置15は、IC2オフセット電位を設定しているので、高電圧印加部の出力電圧に対する定電圧値可変PWM信号もオフセット値を示す。図12は例としてIC2オフセット電位が1.60Vの場合を示している。したがって、電圧下限リミッタ回路部10のクランプ電圧に影響を受けず、定電圧制御動作をさせることが可能となる。つまり、高電圧印加部の出力電圧を数V程度から制御出力することが可能となる。
【0098】
このように、本実施例によれば、比較演算増幅器IC2は非反転入力端子に所定の値{Vref×R16/(R15+R16)}の電圧が入力され、反転入力端子が同一電圧となるように制御動作するので、図9に示す従来の高電圧発生装置と異なり、他高圧電流の流れ込みが生じた場合においても、比較演算増幅器IC2の反転増幅端子を一定に保持することができ、周囲環境等により変動する負荷12に対し、所望の電流値を流すことのできる安定した定電圧制御方式の高電圧発生装置を実現することが可能となる。また、IC2オフセット電位値は、自らの出力電流と発生する流れ込み電流の値に応じて適宜変更すれば良く、コントローラ1によって制御することも容易に可能となる。
【0099】
また、負荷電流及び負荷電圧双方の検出制御手段を有しているので、電流リミッタ、電圧リミッタとして動作させることも容易に可能となる。また、従来と比較して、部品点数の増加もほとんどなく、低コストにて、上述の機能を実現することができる。したがって、従来と比較して、高精度で最適な負荷電流値を供給できる高電圧発生装置15を一層安定した定電圧制御回路として提供することが可能となる。
【0100】
更に、このように構成された高電圧発生装置15を画像形成装置に採用することにより、例えば転写電流の変動による転写不良等の動作不良を防止でき、画像形成装置内の各ユニットを適切に動作させることが可能になるという効果が得られる。
【0101】
なお、本実施例においては、整流部の構成を便宜的に片整流タイプとしているが、倍電圧整流やそれ以上の倍電圧整流でも構わない。また制御手段としてオペアンプを用いているが、同様に機能する、他の比較演算手段でも構わない。またバイファイラ巻の昇圧トランスを用いているが、単巻の入力巻線を内包する他の昇圧トランスでも構わない。
【0102】
(第3の実施例)
次に、本発明の第3の実施例について、図6を参照して説明する。図6は本実施例による高電圧発生装置17の概略構成を示す回路図である。
【0103】
本実施例の構成は、負バイアス電源に正バイアス電源を重畳して、正負どちらの出力も可能としている上述の第2の実施例に用いられている電源において、電圧検出部19の出力(電圧値検出信号)をコントローラ1に、電流検出部21の出力(電流値検出信号)を比較演算増幅器IC1に入力するように接続を変更して構成したものである。
【0104】
本実施例では、高電圧出力の制御のために定電流制御部16が構成され、高電圧発生装置17は定電流制御回路として動作する。すなわち、コントローラ1は、所望の直流電流が負荷12に流れるように、定電流制御部16に定電流値可変PWM信号を送信する。そして、所望の直流電流が流れるときの電圧値検出信号(積分平均値)を記憶しておき、電圧検出部19の検出電圧値が記憶した値と一致するように、定電流制御部16に送信するデータを順次可変させ、高電圧発生装置17を定電流動作させる。上述の変更内容以外は、前述の第2の実施例と同様に機能するので、説明は省略する。
【0105】
上記電流検出部21によって検出された負荷電流値は、定電流制御部16内の比較演算増幅器IC1に入力されており、その検出電流は比較演算増幅器IC1によりモニタされる。
【0106】
定電流制御部16は、コントローラ1から送信された定電流値可変PWM信号に従い、比較演算増幅器IC1に入力すべき閾値電圧を高精度に生成し、上記電流検出部21の検出電流と比較演算する。比較演算増幅器IC1の直接の制御対象はトランジスタQ1のベースであり、「負荷12を流れる電流値」が「定電流値可変PWM信号に応じて一意的に定まる電流値」となるようにトランジスタQ1を制御駆動する。この制御駆動されるトランジスタQ1は、電流を増幅してスイッチング部5へ電源を供給する。
【0107】
電流検出部21は、図4の電流検出部11と同様、比較演算増幅器IC2、抵抗器R10、コンデンサC6、コンデンサC8、及びオフセット電位設定部14により構成され、コントローラ1、整流部7に接続されている。そして、負荷12に流れる負荷電流値を検出し、比較演算増幅器IC1へ送信する。この電流検出部21内の比較演算増幅器IC2は、第1の実施例及び第2の実施例と同様にIC2オフセット電位を初期値として保持するので、他高圧電流の流れ込み時において発生する、電流検出部19の変動を除去することができる。
【0108】
したがって、本実施例によれば、外部からの高電圧電流の流れ込みが発生した場合においても定電流制御を維持でき、周囲環境等により変動する負荷12に対し、所望の電流値を流すことのできる定電流制御方式の高電圧発生装置を実現することが可能となる。また、IC2オフセット電位値は、自らの出力電流と発生する流れ込み電流の値に応じて適宜変更すれば良く、コントローラ1によって制御することも容易に可能となる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、他装置からの高圧電流の流れ込みが生じた場合においても、安定した定電圧制御を行うことが可能となる。また、オフセット電位値は自らの出力電流と発生する流れ込み電流の値に応じて適宜変更すれば良く、コントローラによって制御することも容易に可能となる。
【0110】
また、負荷電流及び負荷電圧双方の検出制御手段を有するようにしたので、電流リミッタ、電圧リミッタとして動作させることも容易に可能となる。また、従来と比較して、部品点数の増加もほとんどなく、低コストにて、上述の機能が可能となる。したがって、従来と比較して、高精度で最適な負荷電流値を供給できる高電圧発生装置を、一層安定した定電流制御回路として提供することが可能となる。
【0111】
更に、このように構成される高電圧発生装置を画像形成装置に採用することにより、例えば転写電流の変動による転写不良等の動作不良を防止でき、画像形成装置内の各ユニットを適切に動作させることが可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例の概略構成を示す回路図
【図2】 第1の実施例の負荷電流経路を示す説明図
【図3】 実施例の電流検出回路部の動作電圧を示す説明図
【図4】 本発明の第2の実施例の概略構成を示す回路図
【図5】 第2の実施例の負荷電流経路を示す説明図
【図6】 本発明の第3の実施例の概略構成を示す回路図
【図7】 従来例1の概略構成を示す回路図
【図8】 従来例1の負荷電流経路を示す説明図
【図9】 従来例2の概略構成を示す回路図
【図10】 従来例1の流れ込み電流経路を示す説明図
【図11】 従来例の電流検出回路部の動作電圧を示す説明図
【図12】 定電圧値可変PWM信号と高電圧印加部の対比を示す説明図
【符号の説明】
1 コントローラ
2 クロック発生器
4 定電圧制御部
5 スイッチング部
6 スイッチング部
7 整流部
8 整流部
9 電圧検出部
10 電圧下限リミッタ回路部
11 電流検出部
12 負荷
13 高電圧発生装置
14 オフセット電位設定部
15 高電圧発生装置
16 定電流制御部
17 高電圧発生装置
19 電圧検出部
21 電流検出部
T1 昇圧トランス
T2 昇圧トランス
Q2 スイッチングトランジスタ
Q3 スイッチングトランジスタ

Claims (7)

  1. イッチング駆動される昇圧トランスと、
    該昇圧トランスから出力された脈流電圧を整流する整流手段と、
    整流された直流出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    一方の入力には前記電圧検出手段が接続され、他方の入力には所定のオフセット電位が与えられるとともに、前記一方の入力と出力とが抵抗を介して接続された比較演算増幅器を有し、前記直流出力電圧の印加により負荷に流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、
    前記電圧検出手段を直接接地することなく、前記電流検出手段を介して接地する構成とし、前記抵抗に流れる電流が正負のいずれであっても、前記比較演算増幅器の前記一方の入力が略所定のオフセット電位を維持するようにしたことを特徴とする高電圧発生装置。
  2. 電圧検出手段の出力値が所定の値となるように昇圧トランスのスイッチング駆動を制御する手段を有することを特徴とする請求項1記載の高電圧発生装置。
  3. 電流検出手段の出力値が所望の値になるように前記所定の値を可変制御するモードと、電流検出手段の出力値が所望の値になったときの前記所定の値を固定して定電圧制御するモードとを有することを特徴とする請求項2記載の高電圧発生装置。
  4. 電流検出手段の出力値が所定の値となるように昇圧トランスのスイッチング駆動を制御する手段を有することを特徴とする請求項1記載の高電圧発生装置。
  5. 電圧検出手段の出力値が所望の値となるように前記所定の値を可変制御するモードと、電圧検出手段の出力値が所望の値になったときの前記所定の値を固定して定電流制御するモードとを有することを特徴とする請求項4記載の高電圧発生装置。
  6. スイッチング駆動される第1昇圧トランスと、
    該第1昇圧トランスから出力された脈流電圧を整流する第1整流手段と、
    スイッチング駆動される第2昇圧トランスと、
    該第2昇圧トランスから出力された脈流電圧を整流する第2整流手段とを有し、
    正負どちらの高圧出力をも出力可能としたことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の高電圧発生装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか記載の高電圧発生装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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