JP3639335B2 - クラスタ間通信命令を実行する情報システムで用いられるクラスタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複数のクラスタと、それらのクラスタを接続する複数の記憶装置とで構成されて、クラスタ間通信命令を実行する情報システムで用いられるクラスタに関し、特に、情報処理システムの信頼性と処理能力の向上を実現するクラスタ間通信命令を実行する情報システムで用いられるクラスタに関する。
【0002】
複数のクラスタと、それらのクラスタを接続する複数のシステム記憶装置とで構成される情報処理システムがある。このような情報処理システムでは、各クラスタが、相手先のクラスタに対して特定の処理の実行を指示して、その処理に対する応答を受け取っていくクラスタ間通信命令を発行していくことになる。情報処理システムの信頼性と処理能力の向上を実現するためには、このクラスタ間通信命令を適切に制御していく必要がある。
【0003】
【従来の技術】
図8に、クラスタ間通信命令を実行する情報処理システムのシステム構成を図示する。
【0004】
図中、1は複数用意されるクラスタであって、複数のCPUや複数の入出力制御装置(CHP)や記憶制御装置(MCU)を備えて、規定のデータ処理を実行するもの、2は複数用意されるシステム記憶装置であって、クラスタ1間を接続するものである。
【0005】
このような構成を採る情報処理システムでは、各クラスタ1が、システム記憶装置2を介して、相手先のクラスタ1に対して特定の処理の実行を指示して、その処理に対する応答を受け取っていくクラスタ間通信命令を発行していくことになる。例えば、他クラスタ1の状態をセンスして、障害が発生するときには、その障害発生のクラスタ1を再立ち上げしていくためのクラスタ間通信命令を発行していくのである。
【0006】
このクラスタ間通信命令は、具体的には、図9に示すように、発行元クラスタ1が、マスタとして用意される特定のシステム記憶装置2に対してプライオリティの獲得要求を発行し、この発行に応答してシステム記憶装置2からプライオリティの認可が返信されると、続いて、そのシステム記憶装置2を介して宛先クラスタ1に転送データを送信し、最後に、宛先クラスタ1からそのシステム記憶装置2を介してデータ送信に対してのステータス情報を受け取っていくことで実行されることになる。ここで、マスタとして用意される特定のシステム記憶装置2を使ってクラスタ間通信命令を実行する構成を採るのは、処理の整合性を保つ必要があるからである。
【0007】
従来では、このクラスタ間通信命令を実行するために、クラスタ1とシステム記憶装置2との間に、クラスタ1とシステム記憶装置2との間のデータ転送用のデータバスとは別に、クラスタ間通信命令専用のデータバスを設ける構成を採っていた。
【0008】
そして、何らかの理由で、クラスタ間通信命令が異常終了すると、マスタのシステム記憶装置2を固定として扱っていることに対応させて、そのクラスタ間通信命令の実行に使用していた専用データバスを構成制御から切り離し、別のデータ転送路をクラスタ間通信命令のデータ転送路とするという制御方法を採っていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、クラスタ1とシステム記憶装置2との間に、クラスタ1とシステム記憶装置2との間のデータ転送用のデータバスとは別に、クラスタ間通信命令専用のデータバスを設ける構成を採っていると、データバスの物量が大きくなってしまうという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明者は、平成6年3月18日出願の特願平6-48802号で、クラスタ1とシステム記憶装置2との間のデータ転送用のデータバスと、クラスタ間通信命令用のデータバスとを共通にできるようにするバス制御方式の発明を開示した。
【0011】
しかしながら、この構成に従って、マスタとして用意されるシステム記憶装置2との間のデータバスを獲得してクラスタ間通信命令を実行するときにあって、クラスタ間通信命令が異常終了するときに、従来技術のように、その失敗したクラスタ間通信命令に使用していたデータバスを構成制御から切り離す構成を採っていると、そのデータバスに接続されるシステム記憶装置2を使用する他のデータ転送も同時に実行不可能になってしまうという問題点がでる。
【0012】
しかも、その切り離したシステム記憶装置2に対して処理を開始していた後続のクラスタ間通信命令も、処理の途中で、クラスタ間通信命令のデータ転送経路が別のものに切り換えられてしまうことから、異常終了するという状況を招くことになる。
【0013】
これから、データ転送能力が低下することで、情報処理システムの信頼性が低下するとともに、処理能力が低下するという問題点がでることになる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、複数のクラスタと、それらのクラスタを接続する複数の記憶装置とで構成される情報処理システムにあって、情報処理システムの信頼性と処理能力の向上を実現する新たなクラスタ間通信命令制御技術の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明のクラスタは、複数のクラスタと、該クラスタ間のデータ転送を制御する複数の記憶装置と、該クラスタと該記憶装置との間を接続してクラスタ間通信命令のデータ転送と他のデータ転送とで共通に使用されるデータバスとを備える情報処理システムで用いられるときにあって、(1)クラスタ間通信命令を発行する場合に、記憶装置から送られてくる制御信号に従って、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を特定する第1の特定手段と、(2)第1の特定手段の特定した記憶装置に対して、クラスタ間通信命令を発行する発行手段と、(3)発行手段の発行したクラスタ間通信命令についての応答が返信されてこない場合に、記憶装置から送られてくる制御信号に従って、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を特定する第2の特定手段と、(4)発行手段の発行したクラスタ間通信命令の発行先である記憶装置と、第2の特定手段の特定した記憶装置とが一致するのか否かを判断する判断手段と、(5)判断手段が記憶装置の一致を判断する場合に、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を変更する変更手段と、(6)判断手段が記憶装置の不一致を判断する場合に、クラスタ間通信命令のリトライを実行するリトライ手段とを備えるように構成する。
【0018】
【作用】
本発明では、CPUがクラスタ間通信命令を発行すると、第1の特定手段がクラスタ間通信命令に使用する記憶装置を特定するので、発行手段は、第1の特定手段の特定した記憶装置に対して、クラスタ間通信命令を発行する。
このクラスタ間通信命令の発行を受けて、第2の特定手段は、発行手段の発行したクラスタ間通信命令についての応答が返信されてこない場合に、記憶装置から送られてくる制御信号に従って、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を特定し、これを受けて、判断手段は、発行手段の発行したクラスタ間通信命令の発行先である記憶装置と、第2の特定手段の特定した記憶装置とが一致するのか否かを判断する。
この判断結果を受けて、判断手段が記憶装置の一致を判断すると、変更手段は、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を変更する。一方、判断手段が記憶装置の不一致を判断すると、リトライ手段は、クラスタ間通信命令のリトライを実行する。
このようにして、本発明では、クラスタと記憶装置との間を接続するデータバスを、クラスタ間通信命令のデータ転送と、他のデータ転送とで共通に使用する構成を採るときにあって、クラスタが、クラスタ間通信命令のデータ転送路を他のデータ転送路を変更することなく動的に変更可能とするとともに、クラスタ間通信命令のデータ転送路の変更によるクラスタ間通信命令の中断を検出する機能を備える構成を採って、その要因によるクラスタ間通信命令の中断であるときには、クラスタ間通信命令をリトライしていく構成を採るものであることから、クラスタ間通信命令のデータ転送路の変更の妥当性の向上が可能となり、データ転送能力の低下が回避されて、情報処理システムの信頼性と処理能力を大きく向上できるようになる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例に従って本発明を詳細に説明する。
本発明の実施例の説明に入る前に、図1を使って、本発明の概要について説明する。
図1中、1は図8に示した情報処理システムを構成するクラスタ、2は図8に示した情報処理システムを構成するシステム記憶装置である。なお、本発明では、システム記憶装置2を用いることに限られるものではないのであって、クラスタ1間のデータ転送を制御する記憶装置が用意されればよい。
各クラスタ1は、従来技術と同様に、複数のCPU3と、複数の入出力制御装置4と、記憶制御装置5とを備え、そして、この記憶制御装置5は、従来技術と同様に、クラスタ間通信命令を制御するコントロール手段6と、システム記憶装置2との間のインタフェース処理を実行するムーバ手段7とを備える。
本発明では、クラスタ1とシステム記憶装置2との間を接続するデータバスを、クラスタ間通信命令のデータ転送と、他のデータ転送とで共通に使用する構成を採るとともに、CPU3上で走行して、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を動的に変更する動的変更手段8を備える構成を採る。
そして、記憶制御装置5が、発行手段9と、認識手段10と、記憶手段11と、検出手段12と、指示手段13とを備える構成を採る。
この発行手段9は、動的変更手段8に対して、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2の変更を指示する。認識手段10は、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を認識する。記憶手段11は、クラスタ間通信命令発行先のシステム記憶装置2を記憶する。検出手段12は、記憶手段11の記憶するシステム記憶装置2と、認識手段10の認識するシステム記憶装置2とが一致するのか否かを検出する。指示手段13は、クラスタ間通信命令のリトライを指示する。
このように構成される本発明では、CPU3がクラスタ間通信命令を発行すると、認識手段10が、マスタとして用意されるクラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を認識するので、コントロール手段6は、その認識手段10の認識するシステム記憶装置2を指定してクラスタ間通信命令を発行する。このとき、記憶手段11は、そのクラスタ間通信命令発行先のシステム記憶装置2を記憶する。
続いて、コントロール手段6は、記憶手段11の記憶するシステム記憶装置2からの応答を監視していくことで、発行したクラスタ間通信命令に対しての応答を受け取る。このとき、規定時間内に、発行したクラスタ間通信命令に対しての応答が送られてこないことが起こると、検出手段12は、記憶装置11に記憶されるクラスタ間通信命令発行先のシステム記憶装置2と、その時点で認識手段10の認識するシステム記憶装置2とが一致するのか否かを検出する。
この検出結果を受けて、発行手段9は、検出手段12が2つのシステム記憶装置2の一致を検出するときには、クラスタ間通信命令の実行不可能を判断して、動的変更手段8に対して、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2の変更を指示する。
一方、この検出結果を受けて、指示手段13は、検出手段12が2つのシステム記憶装置2の不一致を検出するときには、先行する命令により動的変更手段8が起動されることでクラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2が変更されたことを判断して、クラスタ間通信命令のリトライを指示する。
このようにして、本発明では、クラスタ1とシステム記憶装置2との間を接続するデータバスを、クラスタ間通信命令のデータ転送と、他のデータ転送とで共通に使用する構成を採るときにあって、クラスタ間通信命令のデータ転送路を他のデータ転送路を変更することなく動的に変更可能とするとともに、クラスタ間通信命令を制御するコントロール手段6が、クラスタ間通信命令のデータ転送路の変更によるクラスタ間通信命令の中断を検出する機能を備える構成を採って、その要因によるクラスタ間通信命令の中断であるときには、クラスタ間通信命令をリトライしていく構成を採るものであることから、クラスタ間通信命令のデータ転送路の変更の妥当性の向上が可能となり、データ転送能力の低下が 回避されて、情報処理システムの信頼性と処理能力を大きく向上できるようになる。
次に、本発明の実施例について説明する。
図2に、本発明を具備する情報処理システムのシステム構成を図示する。図中、図1で説明したものと同じものについては同一の記号で示してある。
【0024】
この図に示すように、システム記憶装置2がm台用意されるときには、各クラスタ1の備える記憶制御装置5は、各システム記憶装置2との間に、「SSU DATA BUS OUT」と「SSU DATA BUS IN」との対で示されるm個のデータバスを備えて、このデータバスを使って、システム記憶装置2との間で、クラスタ間通信命令のデータ転送や、その他のデータ転送を実行することになる。すなわち、本発明の場合には、クラスタ1とシステム記憶装置2との間を接続するデータバスを、クラスタ間通信命令のデータ転送と、他のデータ転送とで共通に使用する構成を採るものである。
【0025】
また、この図に示すように、各クラスタ1の備える記憶制御装置5は、クラスタ間通信命令(GSIGP)を制御するGSIGP制御回路20と、クラスタ1とシステム記憶装置2との間のデータバス制御を実行するムーバ21とを備えることになる。このGSIGP制御回路20とムーバ21との間には、「GSIGP DATA BUS OUT」と「GSIGP DATA BUS IN」との対で示されデータバスが備えられることになる。
【0026】
図3に、各クラスタ1の備える記憶制御装置5の装置構成の一実施例を図示する。
この図に示すように、記憶制御装置5は、GSIGP制御回路20及びムーバ21を備える他に、選択回路22と、リクエストコード解析回路23と、フローフラグ24と、レジスタック25と、タイマ26と、ACKコード生成回路27と、STAコード生成回路28と、選択回路29とを備える構成を採る。
【0027】
この選択回路22は、クラスタ1内に備えられる複数のCPU3の発行するリクエスト要求のプライオリティをとって、その1つを選択する。リクエストコード解析回路23は、選択回路22の選択するリクエスト要求を解析することで、発行されたリクエスト要求がクラスタ間通信命令に係るものであるのか、その他の通信命令に係るものであるのかを判断する。フローフラグ24は、クラスタ間通信命令の処理フローを示す数ビットのフラグコードであり、クラスタ間通信命令における処理フローの逐次性を保証するために用意される。
【0028】
レジスタック25は、クラスタ間通信命令における各種転送データを保持するレジスタ群である。タイマ26は、クラスタ間通信命令の処理時間を監視する。ACKコード生成回路27は、クラスタ間通信命令が受け付けられた旨のACKコードを生成する。STAコード生成回路28は、クラスタ間通信命令に対してのステータスコードを生成する。選択回路29は、ACKコード生成回路27の生成するACKコードか、STAコード生成回路28の生成するステータスコードの内のいずれか一方を選択して、リクエスト要求発行元のCPU3に送出する。
【0029】
図4に、GSIGP制御回路20とムーバ21との間で遣り取りされる制御信号を図示する。
図中、Aで示される制御信号は、クラスタ1とシステム記憶装置2との間に設けられるデータバスを制御するために用意される制御信号であり、GSIGP制御回路20からムーバ21に発行されるクラスタ間通信命令に用いるデータバスの確保要求信号(SSU PASS CUT REQ)と、ムーバ21からGSIGP制御回路20に発行されるクラスタ間通信命令に用いるデータバスの確保完了信号(SSU PASS CUT COMP)と、ムーバ21からGSIGP制御回路20に発行されるクラスタ間通信命令のデータ転送の終了信号(SEND REQ TERM)と、ムーバ21からGSIGP制御回路20に発行されるクラスタ間通信命令のデータ転送の有効・無効信号(SEND REQ ERR)とからなる。
【0030】
また、Bで示される制御信号は、クラスタ間通信命令のデータ転送路の認識のために用意される制御信号であり、GSIGP制御回路20からムーバ21に発行されるクラスタ間通信命令に用いるデータ転送路のID信号(GSIGP PATH ID)と、ムーバ21からGSIGP制御回路20に発行されるシステム記憶装置2の接続有無信号(SSU CONNECT ID)と、ムーバ21からGSIGP制御回路20に発行されるマスタとなるシステム記憶装置2のID信号(SSU MASTER ID)とからなる。
【0031】
この「SSU CONNECT ID」という制御信号は、システム記憶装置2の接続有無を表示する信号であって、情報処理システムの構成制御情報から生成されることになる。また、この「SSU MASTER ID」という制御信号は、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2がどれであるのかを表示する信号であって、図1に示した動的変更手段8の設定情報を受けて、システム記憶装置2自身の状態を変化させることにより生成されるものであり、ムーバ21を介しGSIGP制御回路20に通知される。なお、この動的変更手段8は、オペレーティングシステムの中に構築され、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2に対して、マスタである旨のフラグ設定を実行する機能を持つものである。
【0032】
GSIGP制御回路20は、この「SSU CONNECT ID」及び「SSU MASTER ID」という制御信号を使うことで、クラスタ間通信命令の発行時に、どのシステム記憶装置2に対して、そのクラスタ間通信命令を発行すればよいのかを検出できるようになるとともに、発行したクラスタ間通信命令の異常終了時に、そのクラスタ間通信命令の発行先のシステム記憶装置2と、現在、マスタとして設定されているシステム記憶装置2とが一致するのか否かを検出できるようになる。
【0033】
すなわち、本発明では、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を従来のように固定のものとして扱うのではなくて、動的変更手段8に従って動的に変更可能にする構成を採るものであることから、従来技術の構成のままだと、GSIGP制御回路20は、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2がどれであるのかを認識することができない。これから、新たに「SSU CONNECT ID」及び「SSU MASTER ID」という制御信号を設けることで、GSIGP制御回路20がこれを知ることができるようにするのである。
【0034】
SSU0とSSU1という2つのシステム記憶装置2が用いられる例で説明するならば、GSIGP制御回路20は、図5に示すように、「SSU CONNECT ID」という制御信号が、SSU0の接続を表示するとともに、SSU1の非接続を表示し、「SSU MASTER ID」という制御信号が、SSU0がマスタである旨を表示しているときには、SSU0を指定してクラスタ間通信命令を発行する。そして、「SSU CONNECT ID」という制御信号が、SSU0,1の接続を表示し、「SSU MASTER ID」という制御信号が、SSU0がマスタである旨を表示しているときには、SSU0を指定してクラスタ間通信命令を発行する。
【0035】
そして、「SSU CONNECT ID」という制御信号が、SSU1の接続を表示するとともに、SSU0の非接続を表示し、「SSU MASTER ID」という制御信号が、SSU1がマスタである旨を表示しているときには、SSU1を指定してクラスタ間通信命令を発行する。そして、「SSU CONNECT ID」という制御信号が、SSU0,1の接続を表示し、「SSU MASTER ID」という制御信号が、SSU1がマスタである旨を表示しているときには、SSU1を指定してクラスタ間通信命令を発行する。
【0036】
要するに、GSIGP制御回路20は、ムーバ21から送られてくる「SSU CONNECT ID」及び「SSU MASTER ID」という制御信号を参照して、マスタとして設定されていて、かつ、接続されていることが保証されているシステム記憶装置2をクラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2として認識するのである。
【0037】
次に、このように構成される実施例の動作処理について、図6及び図7を参照しつつ詳細に説明する。
リクエストコード解析回路23によりリクエスト要求がクラスタ間通信命令に係るものであることが判断されることで起動されると、GSIGP制御回路20は、先ず最初に、ムーバ21から送られてくる「SSU CONNECT ID」及び「SSU MASTER ID」という制御信号を参照することで、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を特定する。
【0038】
続いて、上述した制御信号Aを構成する「SSU PASS CUT REQ」及び「SSU PASS CUT COMP」という制御信号を使って、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2との間のデータバスを獲得する。続いて、この獲得したデータバスを使って、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2に対してプライオリティを発行する。続いて、そのシステム記憶装置2からプライオリティの認可が返信されるとくると、その旨をACKコード生成回路27に通知する。
【0039】
この通知を受け取ると、ACKコード生成回路27は、プライオリティ認可のACKコードを生成してクラスタ間通信命令発行元のCPU3に送出し、これを受けて、そのCPU3が転送データの送信要求を発行してくるので、GSIGP制御回路20は、再び、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2との間のデータバスを獲得して、そのデータバスを使って転送要求のあるデータをそのシステム記憶装置2に転送する。続いて、GSIGP制御回路20は、クラスタ間通信命令発行先のシステム記憶装置2からの応答の監視に入って、タイマ26の設定する制限時間内に応答が返信されてくる場合には、クラスタ間通信命令の正常終了を判断して、その旨をSTAコード生成回路28に通知する。この通知を受け取ると、STAコード生成回路28は、宛先クラスタより送出されたSTA DATAをクラスタ間通信命令発行元のCPU3に送出する。
【0040】
一方、GSIGP制御回路20は、タイマ26の設定する制限時間内に、クラスタ間通信命令発行先のシステム記憶装置2から応答が返信されてこないことを判断すると、「SSU CONNECT ID」及び「SSU MASTER ID」という制御信号を参照することで、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を特定して、その特定したシステム記憶装置2と、クラスタ間通信命令発行先のシステム記憶装置2とが一致するのか否かを判断する。この判断により、両者が一致することを判断するときには、クラスタ間通信命令に使用するデータ転送路が変更されていないにもかかわらず、クラスタ間通信命令が異常終了したことから、動的変更手段8の起動を指示するステタースコードの作成をSTAコード生成回路28に通知する。この通知を受け取ると、STAコード生成回路28は、動的変更手段8の起動を指示するステタースコードを生成して、クラスタ間通信命令発行元のCPU3に送出し、これを受けて、CPU3は、動的変更手段8を起動することで、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を別のものに設定する。
【0041】
また、図6に示すように、クラスタ間通信命令の発行先のシステム記憶装置2がSSU1で、異常終了時点で特定したクラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2が無となるときには、GSIGP転送経路の再設定を行う必要があるため、両者が一致した場合と同様に、CPU3を介して動的変更手段8を起動することで、クラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2を別のものに設定する。
【0042】
一方、GSIGP制御回路20は、クラスタ間通信命令の発行時点で特定したシステム記憶装置2と、クラスタ間通信命令の異常終了時点で特定したシステム記憶装置2とが一致しないことを判断するときには、異常終了の原因が、先行するクラスタ間通信命令により動的変更手段8が起動されることで、クラスタ間通信命令に使用するデータ転送路が変更されてしまったことにあると判断して、クラスタ間通信命令のリトライを指示するステータスコード(リトライを指示することになるバスビジーのようなステータスコードでもよい)の作成をSTAコード生成回路28に通知する。この通知を受け取る、STAコード生成回路28は、クラスタ間通信命令のリトライを指示するステータスコードを生成して、クラスタ間通信命令発行元のCPU3に送出し、これを受けて、CPU3は、クラスタ間通信命令のリトライを実行する。
【0043】
すなわち、図7に示すように、クラスタ間通信命令の発行先のシステム記憶装置2がSSU0で、異常終了時点で特定したクラスタ間通信命令に使用するシステム記憶装置2がSSU1となるときには、CPU3に対して、クラスタ間通信命令のリトライを指示するのである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、複数のクラスタと、それらのクラスタを接続する複数の記憶装置とで構成される情報処理システムにおいて、クラスタと記憶装置との間を接続するデータバスを、クラスタ間通信命令のデータ転送と、他のデータ転送とで共通に使用する構成を採るときにあって、クラスタが、クラスタ間通信命令のデータ転送路を他のデータ転送路を変更することなく動的に変更可能とするとともに、クラスタ間通信命令のデータ転送路の変更によるクラスタ間通信命令の中断を検出する機能を備える構成を採って、その要因によるクラスタ間通信命令の中断であるときには、クラスタ間通信命令をリトライしていく構成を採るものであることから、クラスタ間通信命令のデータ転送路の変更の妥当性の向上が可能となり、データ転送能力の低下が回避されて、情報処理システムの信頼性と処理能力を大きく向上できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の概要構成を示す図である。
【図2】本発明を具備する情報処理システムのシステム構成図である。
【図3】記憶制御装置の装置構成の一実施例である。
【図4】GSIGP制御回路とムーバとの間の制御信号の説明図である。
【図5】クラスタ間通信命令に使用するデータ転送路の説明図である。
【図6】実施例の動作処理説明図である。
【図7】実施例の動作処理説明図である。
【図8】本発明の適用される情報処理システムの説明図である。
【図9】クラスタ間通信命令の処理手順の説明図である。
【符号の説明】
1 クラスタ
2 システム記憶装置
3 CPU
4 入出力制御装置
5 記憶制御装置
6 コントロール手段
7 ムーバ手段
8 動的変更手段
9 発行手段
10 認識手段
11 記憶手段
12 検出手段
13 指示手段
Claims (1)
- 複数のクラスタと、該クラスタ間のデータ転送を制御する複数の記憶装置と、該クラスタと該記憶装置との間を接続してクラスタ間通信命令のデータ転送と他のデータ転送とで共通に使用されるデータバスとを備える情報処理システムで用いられるクラスタであって、
クラスタ間通信命令を発行する場合に、記憶装置から送られてくる制御信号に従って、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を特定する第1の特定手段と、
上記特定した記憶装置に対して、クラスタ間通信命令を発行する発行手段と、
上記発行したクラスタ間通信命令についての応答が返信されてこない場合に、記憶装置から送られてくる制御信号に従って、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を特定する第2の特定手段と、
上記発行したクラスタ間通信命令の発行先である記憶装置と、上記第2の特定手段の特定した記憶装置とが一致するのか否かを判断する判断手段と、
上記判断手段が記憶装置の一致を判断する場合に、クラスタ間通信命令に使用する記憶装置を変更する変更手段と、
上記判断手段が記憶装置の不一致を判断する場合に、クラスタ間通信命令のリトライを実行するリトライ手段とを備えることを、
特徴とするクラスタ間通信命令を実行する情報システムで用いられるクラスタ。
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