JP3639020B2 - Fm−cwレーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波信号を変調信号により周波数変調(FM変調)して送信し、目標物体からの反射信号を受信し、送信信号の一部を分岐することにより受信機の局部発振信号源として周波数変換するFM−CW(Frequency Modulation Continuous Wave)レーダ装置(周波数変調連続波レーダ装置)に関し、特に自動車に搭載することにより目標物との相対速度および距離などを計測して衝突を防止するのに用いて好適なFM−CWレーダ装置に関する。
【0002】
近年、自動車の保有台数の増加に伴い、自動車の衝突などによる事故も年々増加の傾向にある。このため、自動車の衝突事故を減らすために、衝突を事前に運転手に知らせるための車間距離監視システムなどの安全装置を、安価に装着する必要がある。
【0003】
【従来の技術】
従来、目標物体との相対速度と距離とを計測できるレーダ方式として、FM−CWレーダ方式が使用されている。このレーダ方式は、簡単な信号処理回路により目標物体との相対速度および距離を計測でき、また、送受信機を簡単に構成できることから、特に小型化・低価格化が要求される車載用衝突防止レーダとして用いられている。
【0004】
図6は従来のFM−CWレーダ装置の原理構成を示す図である。
FM−CWレーダ装置は、変調信号を発生する変調信号発生器1と、この変調信号によって周波数が変調された信号を発生する発振器2と、この発振器2の出力に接続され発振出力を目標物体へ向けて送信する送信アンテナ3と、目標物体によって反射された反射信号を受ける受信アンテナ4と、この受信アンテナ4で受信した受信信号を発振器2の出力の一部を分岐して受けた発振信号と混合して周波数変換する周波数変換器5とによって構成される。
【0005】
変調信号発生器1はたとえば数百Hzの三角波の変調信号を発生する。発振器2では、たとえば数十GHzを中心として変調信号によってFM変調された信号が発生され、このFM変調波が送信アンテナ3から送信される。目標物体からの反射信号は受信アンテナ4で受信され、周波数変換器5に入力される。周波数変換器5では、発振器2のFM変調波を局部発振信号として受信信号をFM検波する。このとき、目標物体からの反射信号は、レーダと目標物体との間の距離に応じて、また、レーダと目標物体との相対速度によるドップラシフトに応じて、送信信号との周波数のずれ(ビート)を起こし、ビート信号を発生する。このビート信号の周波数成分は、距離に依存する距離周波数と相対速度に依存する速度周波数との周波数のずれで表され、この周波数のずれから目標物体との距離および相対速度を測定することができる。
【0006】
ここで、相対速度がゼロの場合における目標物体との距離の計測と、相対速度の計測とについて説明する。
図7はFM−CWレーダ装置により距離を計測する原理説明図である。
【0007】
この図において、(A)は送・受信周波数の時間変化を示しており、この中で、実線は送信波、破線は受信波を示している。また、f0 は送信中心周波数、Tは変調波の周期、ΔΩは変調幅、そして、frは距離に依存する距離周波数を表している。(B)は周波数変換器5によって周波数変換されたビート周波数fbの時間変化を示し、(C)はビート信号の実際の波形の例を示している。
【0008】
送信波の周波数が時間的に三角波状に変化しているときに、目標物体で反射して戻ってきた受信波はその目標物体までの距離に相当した遅延があるので、送信波よりも遅延の分だけ時間的に遅れることになる。ここで、送信波と受信波との差分がビート信号となるので、ビート周波数fbは台形状の周波数変化をする。このビート周波数がそのまま目標物体との距離と相関関係がある周波数成分となる。ここで、距離に依存する距離周波数frは、
【0009】
【数1】
fr=(4ΔΩT/c)R ・・・(1)
で表される。ここに、Rは目標物体までの距離、cは光速である。この式から、距離周波数fr、変調幅ΔΩ、変調波の周期T、および光速cが既知であるので、目標物体までの距離Rを求めることができる。
【0010】
図8はFM−CWレーダ装置により相対速度を計測する原理説明図である。
この図において、(A)は送・受信周波数の時間変化を示し、(B)はビート周波数fbの時間変化を示し、(C)はビート信号の実際の波形の例を示している。
【0011】
目標物体との相対速度は、ドップラー周波数成分としてレーダのビート周波数に変換される。目標物体が近づいて来る場合には高い方に、遠ざかる場合には低い方にビート周波数がシフトする。そのシフト量は、上記のように相対速度がゼロの場合は、ビート周波数が台形状に変化するときの台形の高さが一定であったが、相対速度が変化する場合は、送信周波数を三角波状に変化させている関係上、周波数を上げているときと、周波数を下げているときとでは、ビート周波数はそれぞれ、fr−fd,fr+fdという周波数変化成分で表される。ここで、fdは速度に依存する速度周波数であり、
【0012】
【数2】
fd=(2f0 /c)v ・・・(2)
で表される。ここに、vは目標物体との相対速度である。
【0013】
ビート周波数fbを表す式fr±fdと、それぞれの距離周波数frおよび速度周波数fdの式とから、距離成分および速度成分を分離して、目標物体までの距離Rおよび目標物体との相対速度vを求めることができる。このように、FM−CWレーダ方式は、目標物体との距離Rおよび相対速度vを同時に計測することができるのである。
【0014】
いま、車載用レーダとして、この方式を用いる場合、計測距離は高々100m、相対速度は100km/h程度であるから、十分な距離計測制度を確保するためには、変調波の周期をT=1×10-3s程度、変調幅をΔΩ=100MHz程度とし、また、十分な相対速度測定精度を確保するためには、送信周波数帯としてミリ波帯を使用しなければならない。たとえば、変調波の周期をT=1.33×10-3s、変調幅をΔΩ=75MHz、送信周波数f0 を60GHzとすると、距離分解能は、1mとなり、速度分解能は、6.75km/hとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のFM−CWレーダ装置では、送信波を作っている発振器は電圧制御型発振器によって実現されている。電圧制御型発振器は、この入出力特性を図9に示したように、理想的には、入力電圧(変調信号の三角波電圧)に対する出力周波数が破線で示したように直線的に変化する。しかし、実際の電圧制御型発振器の入出力特性は、図示の実線で示したように、入力電圧の低い側で変調感度が高く、入力電圧が高くなると変調感度が低くなるというような非線形性を有している。しかも、入力される三角波電圧の変化幅(変調幅ΔΩ)は非常に大きい(100MHz程度)ため、出力周波数の低い側および高い側で非線形性の影響を受けることになる。したがって、発振される周波数の変化はきれいな三角形にはならず、変調幅の端の方で変化する。この変化は、距離に依存する距離周波数frと相対速度に依存する速度周波数fdとを検出するときの誤差要因となり、測定精度を劣化させるという問題があった。特に、速度分解能(6.75km/h)は、通常でも最高相対速度(100km/h)の15分の1程度の分解能しか持っていないので、誤差の発生により精度がさらに劣化するという問題点があった。
【0016】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ミリ波帯の電圧対発振周波数特性が多少悪い発振器でも安価で相対速度計測精度をあまり劣化させないようなFM−CWレーダ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
図1は上記目的を達成する本発明の原理構成図である。
本発明のFM−CWレーダ装置は、三角波の変調信号を発生する変調信号発生手段11と、変調信号の振幅を可変制御する変調振幅可変手段12と、振幅が可変制御された変調信号によりFM変調された信号を発振する電圧制御発振手段13と、FM変調波の一部を分岐する方向性結合手段14と、FM変調波を目標物体に向けて送信する送信アンテナ15と、目標物体によって反射された信号を受信する受信アンテナ16と、方向性結合手段14によって分岐された信号を局部発振信号源とし受信した信号をFM検波する周波数変換手段17と、FM検波された信号から目標物体との距離および相対速度の情報を求める信号処理手段18と、求められた情報を表示する表示手段19とから構成される。すなわち、本発明のFM−CWレーダ装置は、変調信号発生手段11と電圧制御発振手段13との間に、新たに変調振幅可変手段12を挿入したことを特徴としている。
【0018】
変調信号の振幅を可変制御できるようにし、計測精度を相対速度重視とするか通常通りとするかによって変調信号の振幅を変更する。これにより、変調信号の振幅を制限すると、電圧制御発振手段13の入出力特性の線形な領域のみを使用した計測を行うことができ、計測精度の高い相対速度を得ることができるようになり、また、変調信号の振幅を制限しなければ、非線形領域をも使用した今まで通りの計測を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概略について図面を参照して説明する。
図1は本発明のFM−CWレーダ装置の原理的な構成を示すブロック図である。
【0020】
本発明のFM−CWレーダ装置は、FM変調するための三角波信号を発生するための変調信号発生手段11と、この変調信号発生手段11で発生された三角波信号の振幅を可変制御する変調振幅可変手段12と、レーダで出力されるミリ波帯のFM変調された信号を発生する電圧制御発振手段13と、この電圧制御発振手段13からの信号を分岐する方向性結合手段14と、電圧制御発振手段13から出力されたFM変調された信号を空間に効率的に放出する送信アンテナ15と、目標物体から反射して来た信号を効率的に受信する受信アンテナ16と、方向性結合手段14によって分岐された電圧制御発振手段13の信号と受信アンテナ16によって受信された信号とを混合して目標物体と本FM−CWレーダ装置との相対速度情報と距離情報とを含む信号成分を発生させる周波数変換手段17と、この周波数変換手段17からの相対速度情報と距離情報とを含む信号成分から相対速度情報および距離情報を取り出して表示に必要なデータを出力する信号処理手段18と、この信号処理手段18から出力されたデータを表示する表示手段19とから構成される。ここで、方向性結合手段14によって分岐された電圧制御発振手段13の信号は周波数変換手段17における局部発振信号源として使用される。
【0021】
変調信号発生手段11と電圧制御発振手段13との間に挿入された変調振幅可変手段12は、変調信号発生手段11で発生された三角波信号に対して、振幅制御を行わない通常のレーダモードと、振幅制御を行う高精度測定モードとの2つの動作モードを有している。したがって、変調振幅可変手段12は、通常のレーダモードでは、入力された三角波信号を振幅制御することなく出力し、高精度測定モードでは、三角波信号の振幅を電圧制御発振手段13の入力電圧対出力周波数特性の線形領域に制限して出力する。電圧制御発振手段13は、変調振幅可変手段12からの信号に対して、通常のレーダモードでは、距離および相対速度の必要分解能を満足させるのに必要な周波数偏移を生じさせ、高精度測定モードにおいては、通常のレーダモードよりも周波数偏移が小さい信号を発生させる。この出力信号は送信アンテナ15を介して空間に放出される。
【0022】
放出された出力信号は、目標物体にぶつかり、そしてレーダと目標物体との相対速度に対応するドップラ周波数シフトとその目標物体までの距離に相応した遅延時間に起因する周波数差を伴って受信アンテナ16にて受信される。周波数変換手段17では、受信された信号は電圧制御発振手段13からの出力信号の一部と混合され、目標物体との相対速度に対応するドップラ周波数シフトとその目標物体までの距離に相応した遅延時間に起因する周波数成分を含む信号が出力される。信号処理手段18では、周波数変換手段17からの、通常のレーダモードでの出力信号を使用して目標物体までの距離情報を検出し、高精度測定モードでの出力信号を使用して目標物体との相対速度情報を検出するようにする。これにより、電圧制御発振手段13の入力電圧対出力周波数特性の線形性が良くなくても、高精度の相対速度の計測をすることができる。
【0023】
次に、本発明の実施の形態を、車間距離監視システムに適用した場合を例にして説明する。
図2は本発明のFM−CWレーダ装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【0024】
図示のFM−CWレーダ装置は、送信系として、変調信号発生器21と、変調振幅を可変制御する可変利得増幅器(VGA:Variable Gain Amplifier )22と、電圧制御発振器(VCO:Voltage-Controlled Oscillator )23と、方向性結合器24と、送信アンテナ25とを備え、受信系として、受信アンテナ26と、周波数変換器27とを備え、信号処理系として、信号処理部28と、表示部29と、計測モード切換部30とを備えて構成されている。信号処理部28は、周波数変換器27の出力信号を受けるローパスフィルタ28aと、アナログ・ディジタル変換器(A/D)28bと、距離および速度の計算を専用に行うディジタルシグナルプロセッサ(DSP)28cと、このディジタルシグナルプロセッサ28cからの距離データおよび速度データを表示用のデータにして表示部29に渡すプロセッサ(CPU)28dとから構成されている。
【0025】
ここで、変調信号発生器21はFM変調するための三角波信号を発生するものである。可変利得増幅器22は計測モード切換部30から通常のレーダモードにするか高精度測定モードにするかの指示に応じて利得が切り換えられ、変調信号発生器21からの三角波信号の振幅を2段階に可変する。電圧制御発振器23はレーダで出力されるミリ波帯のFM変調された信号を発生する。方向性結合器24は電圧制御発振器23からの信号を、送信アンテナ25の他、周波数変換器27における局部発振信号源の局部発振波として取り出すものである。送信アンテナ25はたとえば自動車の前または後ろのバンパに取り付けられて方向性結合器24から出力された信号を自動車の前方または後方へ向けて放出する。受信アンテナ26もたとえば自動車の前または後ろのバンパに取り付けられて自動車の前方または後方を走行する自動車から反射して来た信号を受信する。周波数変換器27は方向性結合器24からの信号と受信アンテナ26によって受信された信号とを混合して、自車と前後を走行している車との距離情報と相対速度情報とを含む信号成分を発生する。
【0026】
信号処理部28では、ローパスフィルタ28aにて周波数変換器27より出力された信号を透過して距離および相対速度の計算に不要な高周波成分を除去し、透過してきたアナログ信号をアナログ・ディジタル変換器28bでディジタル信号に変換し、ディジタルシグナルプロセッサ28cでは計測モード切換部30の指示に応じた計測モードでの距離および相対速度の計算をし、プロセッサ28dがディジタルシグナルプロセッサ28cからの距離データおよび速度データを表示用のデータとして表示部29へ出力する。表示部29はたとえば自動車内のダッシュボードに設けられて信号処理部28より出力された距離および相対速度の計測データを表示する。
【0027】
計測モード切換部30はたとえば自動車内のダッシュボードに設けられて自車と前方または後方を走行している車との高精度な相対速度を知りたいときに計測モードを通常のレーダモードから高精度測定モードを指示する手動のスイッチとするか、または変調信号発生器21からの三角波信号に同期して所定周期毎または各周期毎に計測モードを通常のレーダモードと高精度測定モードとに交互に切り換えるための指示信号を出力する回路とすることができるが、ここでは後者の計測モードの自動切り換えを行う回路として説明する。
【0028】
上記構成のFM−CWレーダ装置の動作を、図3に示した要部波形図を参照して説明する。
まず、FM変調するために変調信号発生器21にて三角波信号が図3(A)に示したように発生され、この三角波信号は可変利得増幅器22に入力される。ここで、計測モード切換部30からの指示により、計測モードをたとえば2周期の期間は通常のレーダモード、1周期の期間は高精度測定モードとしてこれらを交互に切り換えるとした場合、可変利得増幅器22は通常のレーダモードでFM−CWレーダ装置に要求される距離分解能を実現するのに必要な変調幅を確保することができる利得、たとえば利得1に制御され、高精度測定モードでは1より小さい利得に制御される。このときの可変利得増幅器22の利得の変化を図3(B)に示す。電圧制御発振器23の入力電圧対出力周波数特性は、図9に示したように一般的に破線で表した直線ではなく、実線で表したような特性を有しており、中心付近はほぼ直線であるが、変調周波数の両端では直線から大きく外れている。したがって、高精度測定モードにおける可変利得増幅器22の利得は、変調幅が電圧制御発振器23の入力電圧対出力周波数特性の中心付近における線形部分に入るような値に制御される。可変利得増幅器22の出力信号は、図3(C)に示したように、通常のレーダモードで電圧の変化幅の大きい三角波信号となり、高精度測定モードでは電圧の変化幅の小さい三角波信号となっている。このようにして振幅が制御された可変利得増幅器22からの信号を電圧制御発振器23の電圧制御入力端子に入力すると、電圧制御発振器23は三角波の入力電圧に応じた周波数の信号、すなわち、レーダで出力されるミリ波帯のFM変調された信号を発生する。この信号は、図3(D)に示したように、通常のレーダモードの区間では電圧制御発振器23の入力電圧対出力周波数特性の非線形性により、変調幅の両端における周波数の増減方向が変化する付近において、三角波の波形が鈍った形で周波数が変化し、一方、高精度測定モードの区間では変調幅が電圧制御発振器23の入力電圧対出力周波数特性のほぼ線形性の領域にあるので、三角波状に周波数が変化している。そして、このような出力信号は送信アンテナ25より空間に放出される。
【0029】
放出された信号は目標物体である前方または後方を走行している自動車にぶつかり、その一部が目標物体によって反射されて戻ってくると、受信アンテナ26によって効率よく受信される。受信信号は、目標物体と本FM−CWレーダ装置との距離情報と相対速度情報とを含む信号成分を含んでおり、周波数変換器27に入力される。周波数変換器27では、受信信号は電圧制御発振器23の出力の一部と混合され、ビート信号に変換されて信号処理部28に送られる。信号処理部28では、ローパスフィルタ28aにて周波数変換器27からのビート信号を透過し、アナログ・ディジタル変換器28bでアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタルシグナルプロセッサ28cで距離および速度の計算をし、求められた距離データおよび速度データをプロセッサ28dに渡し、プロセッサ28dではこれら距離データおよび速度データを表示用のデータにして表示部29へ出力する。
【0030】
この信号処理部28では、電圧制御発振器23で発生されたFM変調信号を基本として信号処理を行うため、復調波が三角波の形状から離れている場合に処理誤差を発生することになる。このことから、通常のレーダモードでは、処理信号の誤差が発生することになる。しかし、高精度測定モードでは、FM変調波も三角波形状をしており、周波数変換器27で復調される信号も三角波形状をしているので、誤差の少ない相対速度検出が可能となり、従来のFM−CWレーダ装置よりも測定精度が高い相対速度の測定を行うことができる。ただし、精度の高い相対速度の測定を行う高精度測定モードでは、周波数変調幅が狭くなるので、距離を計測する際の測距精度が低下することになるので、精度の高い相対速度の測定を必要としないときは、通常のレーダモードに戻される。
【0031】
図4は変調振幅可変手段の別の実施の形態を示すブロック図である。
変調振幅可変手段の別の実施の形態である変調振幅可変部40は可動接点で変調信号を受けるリレー41と、このリレー41の固定接点に接続された減衰器42,43と、これら減衰器42,43の出力を固定接点で受け可動接点より振幅が制御された変調信号を出力するリレー44とによって構成される。また、変調振幅可変部40は計測モードに応じてリレー41および44のリレー接点を同時に切り換える制御端子45を有している。
【0032】
2つの減衰器42,43において、たとえば減衰器42は変調信号発生器21からの変調信号の変調幅を通常のレーダモード時の変調幅、すなわち、FM−CWレーダが要求する距離および相対速度分解能を実現するのに必要な変調幅に減衰させる値に設定されており、減衰器43は高精度測定モード時の変調幅までさらに減衰させる値に設定されている。したがって、図示のリレー41,44の制御位置では、通常のレーダモード時の接続位置を示しており、制御端子45に計測モード切り換え指令を受けると、リレー41,44の各可動接点が制御されて高精度測定モードに切り換わり、変調信号は減衰器43による減衰を受けることになる。
【0033】
図5は本発明のFM−CWレーダ装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
図示のFM−CWレーダ装置は、送信系として、変調信号発生器51と、変調振幅可変部52と、電圧制御発振器53と、方向性結合器54と、送信アンテナ55とを備え、受信系として、受信アンテナ56と、周波数変換器57とを備え、信号処理系として、信号処理部58と、表示部59とを備えて構成されている。信号処理部58は、周波数変換器57の出力信号を受けるローパスフィルタ58aと、アナログ・ディジタル変換器58bと、距離および速度の計算を行うディジタルシグナルプロセッサ58cと、このディジタルシグナルプロセッサ58cからの距離データおよび速度データを基に計測モードを切り換えるかどうかの判断を行い結果を変調振幅可変部52およびディジタルシグナルプロセッサ58cへ通知するプロセッサ58dと、計測モードを切り換えるための条件データが保持されている読取り専用メモリ(ROM)58eとから構成されている。なお、ここでは条件データを保持している記憶手段は読取り専用メモリ58eを使用しているがランダムアクセスメモリでもよい。
【0034】
ここで、信号処理部58は、目標物体である自動車との車間距離が十分にあり、かつその自動車との相対速度があまり変化しないような比較的衝突の危険性が少ない環境にある場合と、たとえば車間距離は十分にあってもマイナスの相対速度が大きい、すなわち、対象の自動車と急速に接近しているような緊急時のような場合とに応じて計測モードを自動切り換えするよう構成されている。特に、通常のレーダモードで計測しているときに、相対速度が接近する方向に急に大きくなるような場合は、もともと相対速度の計測値が信頼性のある値でないので、本当に接近しているのか、精度誤差に起因するエラーを含んでいて計算上大きくなっているのかが判断できない。このような場合には、計測モードを通常のレーダモードから高精度測定モードに切り換えて、高精度の相対速度を求める必要がある。
【0035】
プロセッサ58dでは、ディジタルシグナルプロセッサ58cから渡された距離データおよび速度データを分析し、読取り専用メモリ58eに格納されている切り換え判断の基準となるデータを読み出して分析結果と比較する。たとえば、プロセッサ58dは車間距離が読取り専用メモリ58eに設定されている基準の距離より近づいているかどうかを調べ、近づいていれば、たとえば図示しない警報装置を起動するようにしたり、ブレーキ動作に移行させるような制御を行う。また、プロセッサ58dは車間距離が大きくても、マイナスの相対速度が大きいような場合には、車間距離に対する相対速度の値を読取り専用メモリ58eから読み出して判断基準を満たすようなときには、変調振幅可変部52に対して変調幅を小さく制御し、ディジタルシグナルプロセッサ58cに対しては計測モードが高精度測定モードにあることを通知する切換信号を出力する。この高精度測定モードによる計測の結果、得られた距離および相対速度データは、プロセッサ58dにおいて読取り専用メモリ58eに設定されている判断基準データと比較され、所定の判断基準を満たしていると判断されると、そのときの距離および相対速度のデータが表示部59へ渡されて表示されるとともに、図示しないたとえば警報装置、ブレーキ制御装置などに警報信号が出力される。
【0036】
このように信号処理部58では、計測モード切り換えの判断となる各種データを保存しておき、通常のレーダモード時に計測された距離および相対速度のデータを保存データと比較して、所定の判断基準を満たす場合に計測モードを高精度測定モードに切り換えて精度の高い相対速度を得るようにする。ここで得られた計測精度の高い相対速度は表示部59にて表示される。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち請求項1記載の発明では、変調信号発生手段と電圧制御発振手段との間に、新たに変調振幅可変手段を挿入するように構成した。これにより、電圧制御発振手段の変調幅を、通常FM−CWレーダが要求する距離および相対速度分解能を実現するのに必要な変調幅と、この変調幅より狭くして電圧制御発振手段の入力電圧対出力周波数特性の直線性の良い領域で変調を行うことができる変調幅とに切り換えることができるので、特に、変調幅を狭くした場合には、電圧制御発振手段の入力電圧対出力周波数特性の非線形性による相対速度計測の計測誤差を低減することができ、レーダ装置の速度表示の確度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFM−CWレーダ装置の原理的な構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のFM−CWレーダ装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】FM−CWレーダ装置の動作を説明するための要部波形図である。
【図4】変調振幅可変手段の別の実施の形態を示すブロック図である。
【図5】本発明のFM−CWレーダ装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】従来のFM−CWレーダ装置の原理構成を示す図である。
【図7】FM−CWレーダ装置により距離を計測する原理説明図である。
【図8】FM−CWレーダ装置により相対速度を計測する原理説明図である。
【図9】電圧制御型発振器の入出力特性を示す図である。
【符号の説明】
11 変調信号発生手段
12 変調振幅可変手段
13 電圧制御発振手段
14 方向性結合手段
15 送信アンテナ
16 受信アンテナ
17 周波数変換手段
18 信号処理手段
19 表示手段

Claims (4)

  1. 変調信号発生手段からの変調信号により電圧制御発振手段にて高周波信号を周波数変調した信号を送信し、目標物体からの反射信号を受信し、送信した信号の一部を分岐して受信機の局部発振信号源として受信信号を周波数変換し、信号処理手段にて目標物体との距離および相対速度を計測するFM−CWレーダ装置において、
    前記変調信号の振幅を前記電圧制御発振手段の入力電圧対出力周波数特性の線形領域に制限する変調振幅可変手段を備え
    前記信号処理手段は、前記変調振幅可変手段の振幅制御の有無を切り換えるための判断基準となるデータを格納する記憶手段と、計測された距離および相対速度のデータを前記判断基準となるデータと比較して振幅制御の有無の切り換えの判断を行うモード切換判断手段とを有することを特徴とするFM−CWレーダ装置。
  2. 前記変調振幅可変手段の振幅制御を所定の周期で行うことを特徴とする請求項1記載のFM−CWレーダ装置。
  3. 前記変調振幅可変手段は、可変利得増幅器よりなることを特徴とする請求項1記載のFM−CWレーダ装置。
  4. 前記変調振幅可変手段は、減衰値の異なる2つの減衰器と、振幅制限の有無に応じて前記変調信号が通過する減衰器を切り換えるリレーとを有することを特徴とする請求項1記載のFM−CWレーダ装置。
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