JP3638825B2 - 集塵機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は集塵機に関し、タンクと本体が分割可能な集塵機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記の集塵機の一例が実開昭60−151471号公報に記載されている。この集塵機はタンクと本体が分割可能である。タンクは上部が開放された底付の筒状で側面に吸引ホース取付口が設けられている。本体には空気吸込用のファンとそのファンを回転させるモータが取り付けられている。また本体は全体として前記タンクの開放された上部を塞ぐ形状であり、タンクの上縁に本体の下縁がセットされることでタンクに蓋をする。
この種の集塵機では、タンク内に塵が溜まる度にタンク内の塵を捨てなければならない。この作業に際して塵が周囲に散乱しないように、塵を安価なビニール袋内にためてビニール袋ごと捨てる工夫がなされている。このためには、あらかじめタンク内にビニール袋をセットしておけるようにする必要がある。
このための一つの工夫にタンクを底付筒状の下部タンクと筒状の上部タンクに分割し、両タンクの周状の境界間にビニール袋の上縁を挟み込むとともに、上部タンクの側面に吸引ホース取付口を設けたものが知られている。この構造は、ビニール袋がセットしやすい反面、塵の収容容量を確保するためには吸引ホース取付口を高い位置に設ける必要があり、吸引ホースを作業者が引っ張ったときに集塵機が転倒しやすいという問題がある。またタンクを2体にわけて製作することから製作コストが高価になるという問題がある。
かかる問題を解決するために、吸引ホース取付口のところに開口を設けた専用のビニール袋を用いる工夫がされている。この技術では、安価に市販されている通常のビニール袋が使えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の集塵機の上記問題点を解決するものであり、通常のビニール袋が使用できること、タンクが一体に製作できること、塵の収容容量を確保するために吸引ホース取付口の位置を高く設定する必要がないことの3要件を同時に満たすことができる集塵機を開発するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の集塵機は、タンクと本体に分割可能な集塵機であり、タンクは上部が開放された底付の筒状で側面に吸引ホース取付口が設けられており、本体には空気吸込用のファンとそのファンを回転させるモータが取り付けられていてタンクの開放された上部を塞ぐ形状であり、タンクの内壁の吸引ホース取付口の周囲にビニール袋固定用ホルダが付加され、そのビニール袋固定用ホルダは、中央がタンク内壁面に密着した状態で固定される一方、その下端と左右両端はタンク内壁面から離れた状態とされ、その左右両端にはそれぞれタンク内壁面に向かって突出する押え部が設けられており、ビニール袋固定用ホルダをタンク内壁面に固定する際に前記押え部をタンク内壁面に当接する状態としてからビニール袋固定用ホルダの中央をタンク内壁面に向かって押えつけてビニール袋固定用ホルダの左右両端をタンク内側に弾性変形させることで前記押え部がタンク内壁面に付勢された状態で当接しており、上縁が開口したビニール袋が、ビニール袋固定用ホルダの下方より当該ビニール袋固定用ホルダとタンク内壁面との間に差し込まれ前記押え部によってタンク内壁面に固定され、かつ、ビニール袋の上縁のうち吸引ホース取付口以外の部分はタンク上縁と本体との間に挟まれることで、タンクに固定可能となっていることを特徴とする。
【0005】
この集塵機によると、上縁が開口したビニール袋をタンクにセットする際は、吸引ホース取付口ではビニール袋固定用ホルダの下方よりビニール袋の上縁を差し込み、ビニール袋固定用ホルダとタンク内壁面との間で固定し、吸引ホース取付口以外の部分では本体とタンクとの間にビニール袋の上縁を挟み込むことにより、上縁が開口したビニール袋をタンクにセットすることができる。
このため、本発明の集塵機では、吸引ホース取付口のところに開口を設けた専用のビニール袋を用いることなく、安価に市販されている通常のビニール袋を使うことができる。また、ビニール袋をタンクにセットする際は、ビニール袋固定用ホルダの下端と左右両端がタンク内壁面から離れた状態となっているため、ビニール袋固定用ホルダとタンク内壁面との間にビニール袋を容易に差し込み、押え部によってセットすることができる。
また、ビニール袋固定用ホルダにビニール袋を固定させて本体とタンクとの間にビニール袋の上縁を挟み込むことができるので、下部タンクと上部タンクに分割して、両タンクの周状の境界間にビニール袋の上縁を挟み込む必要がない。よって、タンクを一体で製作することができ、集塵機製作コストが高価にならない。
さらに、タンクが一体で製作できるので、従来の集塵機のように塵の収容容量を確保するため、吸引ホース取付口を高い位置に設ける必要がない。したがって、吸引ホース取付口の位置が高いために作業中に集塵機が転倒しやすくなるという問題が解決される。
なお、ビニール袋固定用ホルダの上辺にはストッパが設けられ、ビニール袋がビニール袋固定用ホルダに固定されるときは前記ストッパによってそのビニール袋の上縁を位置決めすることが好ましい。ストッパによってビニール袋が所定の位置に位置決めされるため、ビニール袋をタンクにより容易にセットすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は請求項1に記載された発明を具体化した集塵機の断面図を示している。図2は図1の別の側面の外観及び半断面を示している。図1、2に示すように、本発明の集塵機はタンク50と本体2とフィルタ30を主な構成部品としている。
【0007】
まず、タンク50について図1、図2を用いて説明する。タンク50は、図1に示すように、上部が開放された底付の筒状のタンク本体58を有し、そのタンク本体58に設けられた吸引ホース取付部52と、ノズルフック56と、キャスタ54と、フック60(図2参照)と、ビニール袋固定用ホルダー70を備える。
【0008】
タンク本体58の側面には、吸引ホース取付部52が設けられている。吸引ホース取付部52は、タンク本体58の外側面に取付けられるホース取付部53と、ホース取付部53にその一端が接続され、その他端がタンク本体58内部に伸びるインナーノズル72とから構成される。ホース取付部53には図示されていない吸引ホースが取り付けられ、この吸引ホースに吸引された空気は、インナーノズル72を通ってタンク本体58内部に吐出される。インナーノズル72の先端開口部は、インナーノズル72から流れ出る空気流が、下方に向かって(図1参照)、なおかつ、斜めに向かって(図3参照)流れ出るように形成されている。
また、タンク本体58の外側面には、ノズルフック56が取付けられている。ノズルフック56が取付けられる位置は、集塵作業中又はタンク本体58と本体2との着脱時等に邪魔にならない位置となっている。このノズルフック56には、狭い場所等の集塵作業をより効率的に行なう時に使用することができるノズル(吸引ホースの先端に着脱可能)が取り付けられる。
さらに、タンク本体58の外側面には、図2に示すようにフック60が取付けられている。このフック60は、その端部60aが後述する本体2のタンク蓋部5と係合し、本体2を下側(タンク本体58側)に押さえつけることによって、本体2をタンク本体58に定着させる役目をする。
タンク本体58の底部には、キャスタ54が着脱可能に取り付けられている。このキャスタ54により、集塵作業中又は作業前後に容易に集塵機を移動させることができる。
【0009】
次に、タンク本体58の内壁に取付けられるビニール袋固定用ホルダ70について、図1、図3、図4及び図5を用いて説明する。ここで、図3はビニール袋固定用ホルダ70を図1の図面左方から見た一部破断側面図を示しており、ハッチングで示されたビニール袋7が取り付けられた状態を示す。図4はビニール袋固定用ホルダ70とインナーノズル72とがタンク本体58の内壁に取り付けられた状態を示す。図5は図3のIV−IV断面を示す。
【0010】
ビニール袋固定用ホルダ70は、弾性のある合成樹脂板から形成され、図3に示すようにそのほぼ中央に貫通孔73が設けられる中央部70eと、中央部70eの上方に形成される取付片70dと、中央部70eの左側に形成される左部押え片70aと、中央部70eの下方に形成される下部片70bと、中央部70eの右側に形成される右部押え片70cとを有する。
中央部70eの中央には、インナーノズル72が貫通する貫通孔73が形成されると共に、その貫通孔73の周辺にはビスを差し込むためのビス穴が形成される。また、取付片70dには、ビスを差し込むためのビス穴(図示省略)が形成される。
右部押え片70cには、図5に示すようにタンク本体58の内壁面側に突出した押え部70fが形成されている。また、同様に左部押え片70aにも同様の押え部70gが形成される(図3参照)。
下部片70bは、図4に示すようにビニール袋固定用ホルダ70がタンク本体58の内壁に固定された状態で、タンク本体58の内壁面から所定の距離Bだけ離れた距離となるように、タンク本体58の内側に屈曲した形状で形成されている(図1参照)。
また、取付片70dと左部押え片70aの境界線上の切れ目にはストッパ71aが形成され、取付片70dと右部押え片70cの境界線上の切れ目にはストッパ71cが形成される。
【0011】
このように形成されるビニール袋固定用ホルダ70は、以下の手順によりタンク本体58の内壁に固定される。
まず、ビニール袋固定用ホルダ70の貫通孔73にインナーノズル72を貫通させる。次に、ビニール袋固定用ホルダ70の取付片70d及び中央部70eをタンク本体58の内壁面側に押えつける。取付片70d及び中央部70eをタンク本体58の内壁面側に押えつけると、まず右部押え片70cの押え部70f及び左部押え片70aの押え部70gが、タンク本体58の内壁に当接する。押え部70f及び押え部70gがタンク本体58の内壁面に当接した後、さらに取付片70d及び中央部70eをタンク本体58の内壁面側に押えつけ、取付片70d及び中央部70eがタンク本体58の内壁面に密着した状態でビニール袋固定用ホルダ70がタンク本体58にビスで固定される。
このため、図4、図5に示すようにビニール袋固定用ホルダ70がタンク本体58の内壁に固定された状態では、右部押え片70cはタンク本体58の内壁面から所定の距離Cだけ離れた状態で、また、左部押え片70aはタンク本体58の内壁面から所定の距離Aだけ離れた状態となる(本実施の形態では、A=C)。ここで、ビニール袋固定用ホルダ70は弾性を有する合成樹脂板で形成されているため、左部押え片70a及び右部押え片70cは、距離A又は距離Cの分だけタンク本体58内壁面側に付勢された状態となる。
【0012】
次に、タンク本体58に取付けられるフィルタ30について、図1を用いて説明する。フィルタ30は、トッププレート34と、ボトムプレート38と、トッププレート34とボトムプレート38の間に挟着される濾過部材36を備える。
トッププレート34は、図1に示すようにリング状の合成樹脂板により形成される。トッププレート34の外縁にはセットプレート32が固定される。このセットプレート32は、図1に示すようにその外縁に鉤状部32aが設けられており、この鉤状部32aがタンク本体58の上縁に係合する。
ボトムプレート38は、トッププレート34に比してその直径が小さい略円盤状の合成樹脂板により形成される。このボトムプレート38の中央には、図1に示すように上方に突出した凸部38aが設けられている。
上述したトッププレート34とボトムプレート38の間には、濾過部材36が挟着される。濾過部材36は、通常良く用いられる濾材(ろ紙又はろ布)を、折り曲げて波形にして使用される。
また、本実施の形態では、ボトムプレート38の直径を、トッププレート34の直径より小さくしている。このため、トッププレート34とボトムプレート38に固定された濾過部材36は、図1に示すように上方に向かって広がる略円錐台形状を有することとなる。
上述したように構成されるフィルタ30は、図1に示すようにセットプレート32の上外縁に設けた鉤状部32aが、タンク本体58の上縁に係合することにより、タンク本体58に対して組み付けられる。なお、タンク本体58とフィルタ30を組み付けた状態では、セットプレート32の上外縁がタンク本体58の上縁に係合するため、フィルタ30はタンク本体58内に収容されることとなる。
【0013】
次に、本体2について図1を用いて説明する。本体2は、図1に示すように、モータケース3と、タンク蓋部5と、ガードリング12を備える。
モータケース3のほぼ中央にはモータ4が配設されている。そのモータ4の回転軸には、第1ファン10と第2ファン6とが取り付けられている。第1ファン10と第2ファン6との間には、モータケース3に固定されたガイドプレート8が配設される。ガイドプレート8はモータケース3に固定されているため、第1ファン10と第2ファン6がモータ4の回転により回転しても、ガイドプレート8は回転しないようになっている。また、モータケース3には、前記第1ファン10及び第2ファン6が回転することによりモータケース3内に吸引した空気の通り道である通風路14が形成されている。
また、モータケース3の底部には、ガードリング12が取付けられている。ガードリング12には、モータケース3内部に空気を吸引するための吸引孔12aが形成されている。
さらに、モータケース3には、タンク本体58の開放された上部を塞ぐためのタンク蓋部5が取付けられる。このタンク蓋部5の端縁は、フィルタ30の上端部(セットプレート32の鉤状部32a)と係合する係合部5aが形成されている。
【0014】
上述したように構成される本体2は、図1に示すように、タンク蓋部5の端縁に設けられた係合部5aがフィルタ32の上端部(セットプレート32の鉤状部32a)と係合した状態でタンク本体58に支持される。そして、図2に示すように、タンク本体58に設けたフック60の端部60aが本体2のタンク蓋部5と係合し、タンク蓋部5を下側(タンク本体58側)に押さえつけることによって、本体2とタンク本体58が固定される。したがって、フィルタ30は、本体2とタンク本体58の間に挟まれて保持される。
なお、本体2とタンク本体58が固定された状態では、図1に示すように本体2のガードリング12やモータケース3の一部(第1ファン10及び第2ファン6等が収納された部分)は、フィルタ30のトッププレート34の開口部内に入り込み、ボトムプレート38及び濾過部材36に囲まれた空間内に収容される。なお、本体2のタンク蓋部5に形成された係合部5aとセットプレート32の鉤状部32aの間にはシール18が配され、本体2とタンク本体58とが密閉状態に保持される。
【0015】
以上のように構成される集塵機にビニール袋7を取り付ける際の手順について図3を用いて説明する。
まず、タンク本体58の底面に沿ってビニール袋7を位置させ、そのビニール袋7の上縁開口部を、タンク本体58の内壁に固定されているビニール袋固定用ホルダ70の下方から下部片70bとタンク本体58の間に差しこむ。そして、ビニール袋7を下部片70bとタンク本体58の間に差しこんだまま、ビニール袋7の上縁開口部を上方に引き上げると、ビニール袋7は左部押え片70aとタンク本体58の間及び右部押え片70cとタンク本体58の間に入り込みながら引き上げられる。
この際、前述したように左部押え片70a及び右部押え片70cはタンク本体58の内壁面側に付勢されているため、左部押え片70aの押え部70g及び右部押え片70cの押え部70fによりビニール袋7がタンク本体58の内壁面に固定される。
そして、ビニール袋7の上縁開口部が、ビニール袋固定用ホルダ70のストッパ71a及びストッパ71cに当接する状態(図3の状態)となるまで、ビニール袋7をタンク本体58の上縁側に引き上げる。引き上げられたビニール袋7の上縁開口部は、タンク本体58の外側に折り曲げられる。ここで、本実施の形態の集塵機では、ストッパ71a及びストッパ71cを形成する位置を、市販されているビニール袋7の上縁開口部の長さに併せて、タンク本体58にビニール袋7をセットしたときに、ビニール袋固定用ホルダ70とタンク本体58の上縁との間にあるビニール袋7がたるまないような位置とされている。したがって、ビニール袋7をストッパ71a及び71cに当接するまで引き上げると、ストッパ71aとタンク本体58の上縁部59までの間のビニール袋7がたるまず、また、ストッパ71cとタンク本体58の上縁部59までのビニール袋7がたるむことはない。
そして、タンク本体58の上縁部59とフィルタ30(セットプレート32の鉤状部32a)の間にビニール袋7の上縁開口部を挟んだ状態で、タンク50と本体2を固定する。これにより、タンク本体58の内部にビニール袋7がセットされる。
このように本実施の形態におけるビニール袋固定用ホルダ70は、下部片70b、左部押え片70a、及び右部押え片70cに隙間が形成されているため、ビニール袋7を容易にタンク本体58にセットすることができる。
また、ストッパ71a及びストッパ71cにより、ビニール袋7を所定の位置に位置決めすることができるので、ビニール袋7を容易にタンク本体58にセットすることができる。
【0016】
次に、上述のようにビニール袋7がセットされた集塵機に集塵する際の動作について説明する。
まず、タンク本体58のホース取付部53に吸引ホースを取り付け、モータ4を回転させると、モータ4の回転軸に取付けられた第1ファン10と第2ファン6が回転し、塵を含んだ空気が吸引ホース内に吸引される。
吸引ホース内に吸引された空気は、タンク本体58のホース取付部53を介してインナーノズル72からタンク本体58内に吹出される。ここで、タンク58内に吹出される空気は、インナーノズル72の先端開口部より斜め下方向に吹出されているため、直接フィルタ30の濾過部材36に向かって吹出される場合に比して、濾過部材36の全周から均一に濾過部材36の内側に吸引される。この際、濾過部材30により空気中の塵が取り除かれる。濾過部材36により取り除かれた塵は、その一部が濾過部材36の外側の表面に付着・堆積し、他は濾過部材36から剥がれ、タンク本体58にセットされたビニール袋7の底に溜められる。
濾過部材36により塵が取り除かれた空気は、ガードリング12に設けられた吸引口12aからモータケース3内に吸引される。この際、ボトムプレート38の凸部38aにより、濾過部材36によって塵がろ過された空気は、前記ガードリング12の吸引口12aからモータケース3内に流れ易くなっている。
モータケース3内に吸引された空気は、図1の経路16で示すように、第1ファン10、ガイドプレート8、第2ファン6の順番にそれらのフィン間を経て上方へ流れ、通風路14を通って機外に吐出される。
【0017】
なお、モータ4を回転させると、タンク本体58内の気圧は、集塵機外の気圧(大気圧)に対して低くなる。しかしながら、集塵機は本体2とフィルタ30の上外縁との間にシール18が配され、本体2とタンク本体58とが密閉状態に保持されているので、タンク本体58にセットされたビニール袋7がフィルタ30に張り付くような状態にはならない。すなわち、本体2とタンク本体58とが密閉状態に保持されているので、仮にビニール袋7が気密にタンク本体58にセットされていたとしても、タンク本体58内にセットされたビニール袋7の内側の気圧と、ビニール袋7の外側(ビニール袋7とタンク本体58との間)の気圧とが等圧になり、ビニール袋7がフィルタ30に張り付くような状態にはならない。
また、タンク本体58にセットされたビニール袋7は、ビニール袋固定用ホルダ70のストッパ71a、71cとタンク本体58上縁の間がたるんでいないため、ビニール袋7とタンク本体58との間に塵が入り込むことを有効に防止することができる。
さらに、本実施の形態の集塵機は、従来のようにタンク本体58を二つに分割していないため、吸引ホースを取付ける吸引ホース取付部52の位置を高くする必要が無い。このため、集塵作業中等に集塵機を移動するときに、吸引ホースを作業者が引っ張っても、集塵機が転倒しにくくなる。すなわち、この種の集塵機では、モータ4等の重量物が配設されている本体2が上方にあるため、上方に重心があることが多い。したがって、吸引ホースを作業者が引っ張ったときに、吸引ホース取付け口が高い位置にあると、集塵機のバランスが崩れ転倒する場合があるが、本実施の形態の集塵機では吸引ホース取付部52を低くすることができるのでこのような問題が発生しない。
【0018】
次に、集塵機に溜まった塵を捨てる際の手順について説明する。
まず、タンク本体58に取付けられたフック60を操作し、タンク本体58と本体2との間の固定状態を解除し、本体2をタンク本体58から取り外す。タンク本体58から取り外された本体2は、底部に設けられたガードリング12側から床面に置かれる。
次に、タンク本体58にフィルタ30を収容した状態で、作業者はトッププレート34の開口部からボトムプレート38及び濾過部材36に囲まれた空間内に手を差し込み、濾過部材36に振動を与えて濾過部材36に堆積した塵をタンク本体58内のビニール袋7に落とす。
この際、濾過部材36は、上方が広がるようにボトムプレート38及びトッププレート34に固定されているため、作業者はトッププレート34の開口部からボトムプレート38及び濾過部材36に囲まれた空間内に手が差し込み易く、塵落とし作業を容易に行うことができる。
濾過部材36に堆積した塵が落とされた後、フィルタ30をタンク本体58から取り外す。そしてビニール袋固定用ホルダ70からビニール袋7を取り外して、タンク本体58外に塵の溜まったビニール袋7を取り出し、ビニール袋7を捨てれば良い。
したがって、タンク本体58内に溜まった塵を捨てる際に、空気中に塵等がまうことが無く、清潔に作業を行うことができる。また、タンク本体58から取り外されるフィルタ30の濾過部材36表面に堆積していた塵は既にタンク本体58内のビニール袋7内に落とされているので、フィルタ30をタンク本体58から取り外してもフィルタ30の濾過部材36から塵が落ちることがなく、集塵機の周囲が汚れることはない。
【0019】
以上、詳述したように本実施の形態の集塵機では、ビニール袋7をタンクにセットする際は、吸引ホース取付部52近辺はビニール袋固定用ホルダ70にビニール袋7を固定し、それ以外の部分は本体2(フィルタ30)とタンク50との間にビニール袋7の上縁を挟み込むことにより、ビニール袋7をタンク50にセットする。このため、本発明の集塵機では、吸引ホース取付口のところに開口を設けた専用のビニール袋7を用いることなく、安価に市販されている通常のビニール袋7を使うことができる。
また、本実施の形態の集塵機では、ビニール袋固定用ホルダ70にビニール袋7を固定させて本体2とタンク50との間にビニール袋7の上縁を挟み込むことができるので、従来の集塵機のようにタンク本体を下部タンクと上部タンクに分割して、両タンクの周状の境界間にビニール袋7の上縁を挟み込む必要がない。よって、タンク50を一体で製作することができ、集塵機製作コストが高価にならない。
さらに、本実施の形態の集塵機では、タンク50が一体で製作できるので、タンク50を上部タンクと下部タンクとに分割した場合に比して、吸引ホース取付口を高い位置に設ける必要がない。したがって、吸引ホース取付口の位置が高いために作業中に集塵機が転倒しやすくなるという問題が解決される。
なお、本実施の形態におけるビニール袋固定用ホルダ70は、下部片70bとタンク本体58、左部押え片70aとタンク本体58、及び右部押え片70cとタンク本体58の夫々の間に隙間が形成されているため、ビニール袋7を容易にビニール袋固定用ホルダ70とタンク本体58の間にセットすることができる。また、タンク本体58にセットされたビニール袋7は、ビニール袋固定用ホルダ70のストッパ71a、71cにより、ストッパ71a、71cとタンク本体58上縁の間のビニール袋7がたるんでいない状態でビニール袋7がセットされるため、ビニール袋7とタンク本体58との間に塵が入り込むことを有効に防止することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0021】
本発明の集塵機によると、第1にタンクの内壁の吸引ホース取付口の周囲にビニール袋固定用ホルダが付加されていることから、そのビニール袋固定用ホルダに安価に市販されている通常のビニール袋を固定させることができる。よって専用のビニール袋を用いなくても良い。また、ビニール袋固定用ホルダの下端と左右両端がタンク内壁面から離れた状態となっているため、ビニール袋固定用ホルダとタンク内壁面との間にビニール袋を容易に差し込むことができる。
【0022】
また、第2にビニール袋固定用ホルダにビニール袋を固定させて本体とタンクとの間にビニール袋の上縁を挟み込むことができるので、タンクを下部タンクと上部タンクに分割し、両タンクの周状の境界間にビニール袋の上縁を挟み込む必要がない。よって、タンクが一体で製作できるので、集塵機製作コストが高価にならずにすむ。
【0023】
そして、第3にタンクが一体で製作できるので、タンクを上部タンクと下部タンクに分割した場合と比して、吸引ホース取付口の位置を高く設定する必要がない。同時に吸引ホース取付口の位置を高く設定する必要がないので、吸引ホース取付口の位置が高いために作業中に集塵機が転倒しやすくなるという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した集塵機の一例を縦断面で示す。
【図2】図1とは別の側面から見た集塵機を一部の断面を破断して示す。
【図3】ビニール袋を取りつけたタンクの一部破断側面図を示す。
【図4】ビニール袋固定用ホルダをタンク内壁の吸引ホース取付口の周囲に固定させた状態の模式図を示す。
【図5】図2中IVから見たビニール袋固定用ホルダの一部断面図を示す。
【符号の説明】
2 ・・本体
30・・フィルタ
50・・タンク
52・・吸引ホース取付部
70・・ビニール袋固定ホルダ
Claims (2)
- タンクと本体に分割可能な集塵機であり、タンクは上部が開放された底付の筒状で側面に吸引ホース取付口が設けられており、本体には空気吸込用のファンとそのファンを回転させるモータが取り付けられていてタンクの開放された上部を塞ぐ形状であり、タンクの内壁の吸引ホース取付口の周囲にビニール袋固定用ホルダが付加され、そのビニール袋固定用ホルダは、中央がタンク内壁面に密着した状態で固定される一方、その下端と左右両端はタンク内壁面から離れた状態とされ、その左右両端にはそれぞれタンク内壁面に向かって突出する押え部が設けられており、ビニール袋固定用ホルダをタンク内壁面に固定する際に前記押え部をタンク内壁面に当接する状態としてからビニール袋固定用ホルダの中央をタンク内壁面に向かって押えつけてビニール袋固定用ホルダの左右両端をタンク内側に弾性変形させることで前記押え部がタンク内壁面に付勢された状態で当接しており、上縁が開口したビニール袋が、ビニール袋固定用ホルダの下方より当該ビニール袋固定用ホルダとタンク内壁面との間に差し込まれ前記押え部によってタンク内壁面に固定され、かつ、ビニール袋の上縁のうち吸引ホース取付口以外の部分はタンク上縁と本体との間に挟まれることで、タンクに固定可能となっていることを特徴とする集塵機。
- ビニール袋固定用ホルダの上辺にはストッパが設けられ、ビニール袋がビニール袋固定用ホルダに固定されるときは前記ストッパによってそのビニール袋の上縁を位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の集塵機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23826999A JP3638825B2 (ja) | 1999-08-25 | 1999-08-25 | 集塵機 |
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