JP3637745B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エバポレータとヒータコアとを同一ユニット内に上下に備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両用空調装置は、車室内あるいは車室外の空気を選択的に取り入れるインテークユニットと、インテークユニットからの空気を冷却するクーラユニットと、クーラユニットからの空気を加熱するヒータユニットという3つのユニットから構成される。従来構造の車両用空調装置として、例えば特開平9−95120号公報に記載されているように、クーラユニットを構成するエバポレータと、ヒータユニットを構成するヒータコアとが車高方向に配置されるいわゆる縦置きユニットの概略縦断面図を図10に示す。
【0003】
図10において、ユニットの側壁に形成された空気導入口3の上方には仕切壁30が設けられ、仕切壁30の下方にはエバポレータ1が配置され、上方にはヒータコア2が配置されている。エバポレータ1とヒータコア2は通路31を介して連通され、ヒータコア2の側方にはバイパス通路33の通路面積を可変とするようにpq間を回動可能なエアミックスドア32が設けられている。ヒータコア2およびバイパス通路33の上方にはエアミックスチャンバ34が設けられて、エアミックスチャンバ34は吹出口を介して車室内に連通されている。
【0004】
このような縦置きユニットにおいては、ブロワ(インテークユニット)より送出された空気は、エバポレータ1を通過して冷却され、冷却された空気は所定の温度となるように開度調整されたエアミックスドア32によってヒータコア2側とバイパス通路33側とに配分される。ヒータコア2側を通過した温風とバイパス通路33側を通過した冷風はエアミックスチャンバ34で混合されて所定温度の調和空気となり、吹出口より車室内へ送風される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の車両用空調装置においては、冷房,暖房の設定に関わりなく、縦置きユニット内に導入された空気は全てエバポレータに流通される。したがって、例えば冬季の暖房や窓晴らし等とくに空気の冷却や除湿が必要ない場合には、エバポレータが単なる空気抵抗体となり、その結果、エバポレータ1を通過した全ての空気がヒータコア2を通過するフルホット時の空気流量は、全ての空気がヒータコア2をバイパスするフルクール時の空気流量に比べ約30%減少する。
【0006】
本発明の目的は、冷房や除湿が不要な場合に、車室内へ送出される空気流量の減少を防止することができる車両用空調装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 一実施の形態を示す図1を参照して説明すると、請求項1の発明は、車高方向に上下に配置されるヒータコア2とコンプレッサ作動により通過する空気の温度を調整するエバポレータ1とを同一ユニットU内に備える車両用空調装置に適用される。そして、空気導入口3を介してユニットU内のヒータコア2とエバポレータ1の間の通路に導入された空気を、エバポレータ1を通過してユニットU外へ送出される空気とエバポレータ1を通過せずにユニットU外へ送出される空気とに配分するように、エバポレータ1の導入空気の流れ方向に対する上流側であって、ヒータコア2とエバポレータ1の間の通路に開度調整可能な切換手段4,40を備えることにより上記目的は達成される。
(2) 請求項2の発明は、エバポレータ1を通過した空気を、ヒータコア2を通過する空気とバイパスする空気とに配分するように、ヒータコア2の導入空気の流れ方向に対する上流側または下流側に開度調整可能なエアミックス手段7,70を備え、ヒータコア2を通過した空気とヒータコア2をバイパスした空気とを混合するように、ヒータコアの下流側にミックスチャンバ9,90を備えたものである。
(3) 請求項3の発明は、コンプレッサ停止時に、切換手段4,40は車室内へ送出される空気が所定温度となるように開度調整され、かつ、エアミックス手段7,70はエバポレータ1を通過した一部の空気がヒータコア2をバイパスするように開度調整されるものである。
(4) 請求項4の発明は、コンプレッサ作動時に、切換手段4,40はユニットU内に導入された空気がエバポレータ1を通過するように開度調整され、かつ、エアミックス手段7,70は車室内へ送出される空気が所定温度となるようにヒータコア2を通過する空気とヒータコア2をバイパスする空気との配分比が調整されるものである。
(5) 請求項5の発明は、図4に示すように、ヒータコア2を通過する空気の温度を調整するようにヒータコア2に流入する温水を調整するバルブ20を備え、コンプレッサ停止時に、ユニットU内に導入された空気の全量がエバポレータ1をバイパスしてヒータコア2を通過するように、切換手段4,40とエアミックス手段7,70とを開度調整するものである。
(6) 請求項6の発明は、ヒータコア2が、エバポレータ1の上方で離間して配置され、ユニットU内に空気を導入する空気導入口3が、ヒータコア2とエバポレータ1の間に配置され、切換手段4は、切換ドア4であり、その切換ドア4が、空気導入口3のヒータコア側端縁とエバポレータ側端縁との間を横切って移動するように配置され、エバポレータ1の下方には、エバポレータ1を通過し下方へ流れる空気を上方のヒータコア2方向へ導くような略J字状通路6が配置されて、切換ドア4が空気導入口3のヒータコア側端縁にあるときは、ユニットU内に導入された空気の全量がエバポレータ1を通過し、略J字状通路6を通過してヒータコア2方向に導かれ、切換ドア4が空気導入口3のエバポレータ側端縁にあるときは、ユニットU内に導入された空気の全量がエバポレータ1をバイパスし、ヒータコア2方向に導かれるものである。
【0008】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、空調ユニット内に切換手段を設けユニット内の空気の一部がエバポレータを通過せずにユニット外へ送出されるようにしたので、エバポレータ通過による圧力損失が低減され空気流量の低下を防止することができる。とくに、請求項4の発明によれば、コンプレッサ作動時にユニット内に導入された空気がエバポレータを通過するように切換手段が調整されるので、従来のいわゆるリヒートエアミックス構造にも容易に変更することができる。また、請求項5の発明によれば、ヒータコアに温水調整用のバルブを設け、コンプレッサ停止時の温度調整をバルブ開度で行うようにしたので、温度調整のために空気をエバポレータに配分する必要がなく車室内への吹出流量を増加することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係わる空調ユニットの概略縦断面図である。図1(a)に示すように、空調ユニットはエバポレータ1とヒータコア2が車高方向の上下に配置される縦置きユニットUで構成され、この縦置きユニットUは車室内前方のインストルメントパネルの下方という狭小の空間に設置されるため、その全体形状はコンパクトになっている。
【0011】
図1(a)において、縦置きユニットUの車両方向前側(図1の左側)中段の側面には、不図示の内外気切換ドアとブロワとを有するインテークユニットに連通される空気導入口3が開口され、空気導入口3の上方および下方にはヒータコア2とエバポレータ1とがそれぞれ略平行に配置されている。ヒータコア2の前側端部およびエバポレータ1の前側端部は縦置きユニットUの前側内壁に接合され、ヒータコア2とエバポレータ1の間には、エバポレータ1の後部(図1の右側)上角部の回転軸4aを中心として、空気導入口3のエバポレータ1側端縁(図1のa位置)とヒータコア2側端縁(図1のb位置)間を回動可能な切換ドア4が設けられている。エバポレータ1の下方から後方,上方にかけては略J字型の空気通路5が形成され、ヒータコア2の後方にはバイパス通路6が形成されている。バイパス通路6の下方部入口には、ヒータコア2の後部下角部の回転軸7aを中心として、ヒータコア2側への通路を閉じる位置(図1のc位置)とバイパス通路6を閉じる位置(図1のd位置)間を回動可能なエアミックスドア7が設けられている。ヒータコア2の上方には、縦置きユニットUの前側内壁から延設して上方に膨出された曲線断面形状を有する仕切壁8が設けられ、仕切壁8はヒータコア2を通過した空気をバイパス通路6の上方のエアミックスチャンバ9に導く。エアミックスチャンバ9の上方には、各々開閉自在のドア10a〜12aを有するフット口10,デフロスト口11,ベント口12の吹出口が開口され、各吹出口10〜12は不図示のダクトを介して車室内の所定の位置に連通されている。
【0012】
ヒータコア2にはエンジン冷却水が流通される導管13が取り付けられ、不図示のエンジンやラジエータとともに温水式暖房装置が構成されている。また、エバポレータ1には冷媒が流通される導管14が取り付けられ、不図示のコンプレッサやコンデンサとともに周知の冷房サイクルが構成されている。
【0013】
図1(b)に示すように、エアミックスドア7および切換ドア4はドア駆動用のアクチュエータ15,16でそれぞれ回動され、アクチュエータ15,16のドア開度は制御回路17により制御される。制御回路17にはドア開度の演算に必要な各種信号を入力する入力回路18が接続される。ここで、入力回路18としては、オートエアコンスイッチ,コンプレッサオンスイッチ,温度設定スイッチなどの各種スイッチや日射量センサ,外気温センサ,車室内温度センサなどの各種センサが含まれる。エアミックスドア7および切換ドア4の各開度は、コンプレッサ作動時および停止時に応じて以下のように決定される。
【0014】
(1)コンプレッサ作動時
入力回路18からコンプレッサ作動の信号が入力されると、制御回路17でエアミックスドア7および切換ドア4の各開度が演算され、アクチュエータ15,16に出力信号が出力される。そして、切換ドア4は図1のb位置に固定され、エアミックスドア7は設定温度に応じてcd間の所定位置(例えば図1のe位置)に制御される。
【0015】
このような空調ユニットU内に流通される空気の流れについて、コンプレッサ作動時の空調システム概念図である図2を用いて説明する。図2に示すように、ブロワ19から送出された空気は空気導入口3を通過して縦置きユニットU内に導入される。空気導入口3の上方は切換ドア4によって塞がれているので、ユニットU内に流入された空気は全て下方のエバポレータ1に流通されて冷却空気となり、冷却空気は空気通路5に導入される。空気通路5内に導入された冷却空気はエアミックスドア7によって分配され、一部はヒータコア2を通過して温風となり、残りは冷風のままバイパス通路6に導入される。この温風と冷風はエアミックスチャンバ9で混合されて所定温度の調和空気となり、所定の吹出口10〜12より車室内へ送風される。
【0016】
(2)コンプレッサ停止時
次に、冬季の暖房等の場合でコンプレッサが停止された場合におけるエアミックスドア7および切換ドア4の各開度について説明する。入力回路18からコンプレッサ停止の信号が入力されると、制御回路17でエアミックスドア7および切換ドア5の各開度が演算され、アクチュエータ15,16に出力信号が出力される。そして、エアミックスドアは図1のc位置に固定され、切換ドアは設定温度に応じて図1のab間の所定位置(例えば図1のf位置)に制御される。
【0017】
このような空調ユニットU内に流通される空気の流れについて、コンプレッサ停止時の空調システム概念図である図3を用いて説明する。図3に示すように、ブロワ19から送出された空気は空気導入口3を通過して縦置きユニットU内に導入される。ユニットU内に流入された空気は切換ドア4の開度に応じて配分され、一部は上方のヒータコア2を通過して加熱空気となり、残りは下方のエバポレータ1を通過して空気通路5に導入される。なお、このときコンプレッサは停止しているのでエバポレータ1での熱交換は行われない。エアミックスドア7によって空気通路5とヒータコア2との間は塞がれているので、空気通路5に導入された空気はすべてバイパス通路6を通過してエアミックスチャンバ9に導入される。そして、エアミックスチャンバ9でヒータコア2を通過した加熱空気と混合されて所定温度の調和空気となり、所定の吹出口10〜12より車室内へ送風される。
【0018】
また、強制換気すなわちコンプレッサとヒータがともに停止されブロワのみ作動される状態、およびフルホットの状態においては、切換ドア4は図1のa位置に固定され、縦置きユニットU内へ導入された空気はすべてエバポレータ1をバイパスしてヒータコア2を通過し、所定の吹出口10〜12より車室内へ送風される。
【0019】
以上のように第1の実施の形態においては、縦置きユニットU内に回動可能な切換ドア4およびエアミックスドア7を設けてエバポレータを通過する空気量を調整するようにしたので、コンプレッサ作動時には空気の冷却,除湿が可能であるとともに、コンプレッサ停止時にはエバポレータ1を通過する空気流量を少なくすることで、空気の圧力損失が低減され、車室内へ送風される空気流量の低下を防止することができる。また、このことから車室内への空気流量の低下を補うために大型のブロワ等を用いる必要もなく、従来のユニット形状の大幅な変更によるコスト上昇を伴わずに空気流量の低下を防止することができる。さらに、強制換気時およびフルホット時にはユニットU内に導入された空気のすべてがエバポレータ1をバイパスするので、エバポレータ1の通過の際に生じるかび臭さ等の異臭の発生を防止することができ、快適な空調環境を保つことができる。
【0020】
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係わる縦置きユニットの縦断面図であり、図1と同一の箇所には同一の符号を付して相違点を主に説明する。図4において、ヒータコア2に接続された導管13には開度調整可能なウォーターバルブ20が設けられている。ウォーターバルブ20には、図4(b)に示すように、開度調整用のアクチュエータ21が接続され、アクチュエータ21にはウォータバルブ20の開度を制御する制御回路17が接続されている。このような第2の実施の形態において、切換ドア4,エアミックスドア7およびウォーターバルブ20の各開度は、コンプレッサ作動時および停止時で次のように決定される。
【0021】
(1)コンプレッサ作動時
コンプレッサ作動時においては、第1の実施の形態と同様、切換ドア4はb位置に固定され、エアミックスドア7は設定温度に応じてcd間の所定の位置に制御される。また、導管13内に所定量のエンジン冷却水が流通されるように、ウォーターバルブ20は一定開度に固定される。このような第2の実施の形態におけるコンプレッサ作動時の縦置きユニットU内の空気の流れは、図2に示した第1の実施の形態における空気の流れと同様になる。
【0022】
(2)コンプレッサ停止時
コンプレッサ停止時においては、切換ドア4とエアミックスドア7はa位置とc位置にそれぞれ固定され、ウォーターバルブ20は設定温度に応じて所定の開度に制御される。このような縦置きユニットU内に導入された空気は、空調システム概念図である図5に示すように、切換ドア4によってエバポレータ1の入口が塞がれているので全てヒータコア2を通過する。ヒータコア2を通過する際には、エンジン冷却水の流量を調節するウォーターバルブ20の開度に応じて熱交換され所定の空気温度となって所定の吹出口10〜12から車室内へ送出される。
【0023】
このように第2の実施の形態においては、ヒータコア2の導管13にバルブ20を設け、導管13内のエンジン冷却水の流量を設定温度に応じて調整可能にしたので、コンプレッサ停止時に温度調整のために空気をエバポレータ1に分配する必要がなく、第1の実施の形態の強制換気のときと同様に、圧力損失による空気流量の低下を防止することができ、エバポレータ1通過による悪臭発生を防止することができる。
【0024】
−第3の実施の形態−
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は本発明の第3の実施の形態に係わる縦置きユニットの縦断面図であり、図1と同一の箇所には同一の符号を付して相違点を主に説明する。図6において、エアミックスドア70はヒータコア2の後部(図6の右側)上角部の回転軸70aを中心として、ヒータコア2の下流出口を閉じる位置(図6のg位置)とバイパス通路6を閉じる位置(図6のh位置)間を回動可能に配置され、エアミックスチャンバ90はエアミックスドア70の上方(下流側)に設けられている。このような第3の実施の形態において、切換ドア4,エアミックスドア70の各開度は、コンプレッサ作動時および停止時で次のように決定される。
【0025】
(1)コンプレッサ作動時
コンプレッサ作動時においては、第1の実施の形態と同様、切換ドア4はb位置に固定され、エアミックスドア70はヒータコア2を通過する空気とバイパスする空気とを設定温度に応じた適正に配分するようにgh間の所定の位置に制御される。したがって、このような第3の実施の形態におけるコンプレッサ作動時の縦置きユニット内の空気の流れは、図2に示した第1の実施の形態における空気の流れと基本的には同様となる。
【0026】
(2)コンプレッサ停止時
コンプレッサ停止時においては、切換ドア4はa位置に固定され、エアミックスドア70は設定温度に応じてgh間の所定の位置(例えばi位置)に制御される。このような縦置きユニットU内に導入された空気は、空調システム概念図である図7に示すように、切換ドア4によってエバポレータ1の入口が塞がれているのでエバポレータ1を全く通過することなく、エアミックスドア70の開度に応じてヒータコア2またはバイパス通路6へ導入される。ヒータコア2を通過した加熱空気とバイパス通路6を通過した空気は、エアミックスチャンバ90で混合されて所定温度の調和空気となり、所定の吹出口10〜12より車室内へ送風される。
【0027】
このように第3の実施の形態においては、ヒータコア2の下流側にエアミックスドア70を設けたので、コンプレッサ停止時に温度調整のために空気をエバポレータ1に分配する必要がない。これによって、第1の実施の形態の強制換気のときと同様に、圧力損失による空気流量の低下を防止することができ、エバポレータ通過による悪臭発生を防止することができるとともに、さらに第2の実施の形態のようにバルブ20を別途設ける必要がない。
【0028】
−第4の実施の形態−
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図8は本発明の第4の実施の形態に係わる縦置きユニットの縦断面図であり、第3の実施の形態で用いた図6と同一の箇所には同一の符号を付して相違点を主に説明する。図8において、エバポレータ1とヒータコア2の間には、切換ドア4に代えて、例えば特開平5−141764号公報に記載されているような公知のフィルム状ダンパ40が設けられている。そして、本実施の形態では、フィルム状ダンパ40は、エバポレータ1の前後上角部およびヒータコア2の前側(図8の左側)下角部に設けられた計3箇所のローラ式部材40a〜40cによって支持され、少なくとも1箇所のローラ式部材(例えば40a)に取り付けられた不図示のアクチュエータによってローラ式部材40a〜40cは回動され、それに伴いフィルム状ダンパ40も回動される。これによって、フィルム状ダンパに設けられた開口部41(例えば図8の点線部)の位置が移動され、空気導入口3からユニットU内に導入された空気の送出方向が制御される。
【0029】
このような第4の実施の形態においては、ユニットU内に導入された空気の全量が、コンプレッサ作動時にエバポレータ1を通過するようにフィルム状ダンパ40を回動制御し、コンプレッサ停止時にエバポレータ1をバイパスするようにフィルム状ダンパ40を回動制御することで、ユニットU内を通過する空気の流れは第3の実施の形態と同様になる。
【0030】
しかしながら第4の実施の形態においては、ユニットU内に導入された空気の全量がエバポレータ1を通過またはバイパスする制御に加え、例えば開口部41を図9(a)のように移動することでユニットU内に導入された空気の一部がエバポレータ1を通過し残りがバイパスするというような制御も可能である。また、例えば開口部41を図9(b)のように移動することでユニットU内に導入された空気の全量がエバポレータ1をバイパスしかつバイパス通路6へ送出される空気の割合を少なくするような制御も可能である。これらによって、エアミックスドア70の開度調整だけではなし得ないさらに微妙な温度調整が可能となる。
【0031】
なお、上記実施の形態において、コンプレッサの作動はオートスイッチの操作によってもよいしマニュアルスイッチの操作によってもよい。また、エバポレータ1の導管14内を通過する冷媒量を調整可能にするように、可変コンプレッサを設けたり、導管14に冷媒量の調整バルブを設けたりしてもよい。これによって、エバポレータ1の冷却能力を可変とすることができるので、コンプレッサ作動時であってもユニット内空気を全量エバポレータ1に流さなくてもよく、圧力損失が低減される。さらにこれらのバルブ制御は、例えばフルクールのときにはウォーターバルブ20を閉じるというようにエアミックスドア7の開度に連動するようにしてもよい。さらにまた、空気通路5の形状,バイパス通路6の形状やエアミックスチャンバ9,90の形状等は上記実施の形態に限定されるものではなく、ヒータコア2とエバポレータ1とが縦置きに配置されているものならば同様に適用できる。また、とくに第4の実施の形態において、フィルム状ダンパ40の形状は略三角状としたがこれに限らず、例えば一端がローラ式部材40bに支持され中間のローラ式部材40aを介して他端がローラ式部材40cに支持されて、ローラ式部材40b,40cの回動によってフィルム状ダンパ40を巻き取るようにしてもよい。さらに、ローラ式部材40a〜40cは3箇所に限ったものではなく、さらにまた、エアミックスドア7,70の代わりにフィルム状ダンパ40を用いてもよい。また、吹出口10〜12についても上記実施の形態に限定されるものではなく、例えばフレッシュベント口があってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係わる空調ユニットの概略縦断面図。
【図2】第1の実施の形態に係わるエアコン作動時の空調システム概念図。
【図3】第1の実施の形態に係わるエアコン停止時の空調システム概念図。
【図4】第2の実施の形態に係わる空調ユニットの概略縦断面図。
【図5】第2の実施の形態に係わるエアコン停止時の空調システム概念図。
【図6】第3の実施の形態に係わる空調ユニットの概略縦断面図。
【図7】第3の実施の形態に係わるエアコン停止時の空調システム概念図。
【図8】第4の実施の形態に係わる空調ユニットの概略縦断面図。
【図9】第4の実施の形態に係わるフィルム状ダンパの動作を説明する図。
【図10】従来の技術に係わる空調ユニットの概略縦断面図。
【符号の説明】
U 縦置きユニット
1 エバポレータ
2 ヒータコア
4 切換ドア
7,70 エアミックスドア
9,90 エアミックスチャンバ
20 ウォーターバルブ
40 フィルム状ダンパ

Claims (6)

  1. 車高方向に上下に配置されるヒータコアとコンプレッサ作動により通過する空気の温度を調整するエバポレータとを同一ユニット内に備える車両用空調装置において、
    空気導入口を介して前記ユニット内の前記ヒータコアと前記エバポレータの間の通路に導入された空気を、前記エバポレータを通過して前記ユニット外へ送出される空気と前記エバポレータを通過せずに前記ユニット外へ送出される空気とに配分するように、前記エバポレータの導入空気の流れ方向に対する上流側であって、前記ヒータコアと前記エバポレータの間の通路に開度調整可能な切換手段を備えたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記エバポレータを通過した空気を、前記ヒータコアを通過する空気とバイパスする空気とに配分するように、前記ヒータコアの導入空気の流れ方向に対する上流側または下流側に開度調整可能なエアミックス手段を備え、前記ヒータコアを通過した空気と前記ヒータコアをバイパスした空気とを混合するように、前記ヒータコアの下流側にミックスチャンバを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. コンプレッサ停止時に、前記切換手段は車室内へ送出される空気が所定温度となるように開度調整され、かつ、前記エアミックス手段は前記エバポレータを通過した一部の空気が前記ヒータコアをバイパスするように開度調整されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. コンプレッサ作動時に、前記切換手段は前記ユニット内に導入された空気が前記エバポレータを通過するように開度調整され、かつ、前記エアミックス手段は車室内へ送出される空気が所定温度となるように前記ヒータコアを通過する空気と前記ヒータコアをバイパスする空気との配分比が調整されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  5. 前記ヒータコアを通過する空気の温度を調整するように前記ヒータコアに流入する温水を調整するバルブを備え、コンプレッサ停止時に、前記ユニット内に導入された空気の全量が前記エバポレータをバイパスして前記ヒータコアを通過するように、前記切換手段と前記エアミックス手段とが開度調整されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  6. 前記ヒータコアは、前記エバポレータの上方で離間して配置され、
    前記ユニット内に空気を導入する空気導入口は、前記ヒータコアと前記エバポレータの間に配置され、
    前記切換手段は、切換ドアであり、該切換ドアは、前記空気導入口のヒータコア側端縁とエバポレータ側端縁との間を横切って移動するように配置され、
    前記エバポレータの下方には、前記エバポレータを通過し下方へ流れる空気を上方の前記ヒータコア方向へ導くような略J字状通路が配置されて、
    前記切換ドアが前記空気導入口のヒータコア側端縁にあるときは、前記ユニット内に導入された空気の全量は前記エバポレータを通過し、前記略J字状通路を通過して前記ヒータコア方向に導かれ、前記切換ドアが前記空気導入口のエバポレータ側端縁にあるときは、前記ユニット内に導入された空気の全量は前記エバポレータをバイパスし、前記ヒータコア方向に導かれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
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