JP3637587B2 - 部品の搬送装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定形部品のうち、特にカード状の電子部品等を搬送するのに用いて最適な部品の搬送装置と部品の搬送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カード状の電子部品等を搬送する方法としては、(1)ウォーキングビームのカード保持部が上昇し、固定部からカードを受け取り、前進して次の固定保持部に搬送し、再び下降してカードの移載を行い、その後、初期位置まで戻ると言う動作を行って、カードを間欠的に搬送するウォーキング搬送形式と、(2)ベルトコンベアを用いて直接搬送するベルトコンベア搬送形式とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記搬送形式のうち、(1)のウォーキング搬送形式は、構造が複雑になるのと、カードの上下測定をする場所の制約が大になり、コストも高くなると言う問題点があった。
また、カード搬送時にウォーキング側から固定側に移す場合、カードの自重だけで行うため、位置が少しでもずれると移載されないと言う問題点があった。
一方、(2)のベルトコンベア搬送形式は、搬送されるカードの位置安定性の確保が困難であり、かつカードの下面はベルトコンベアに密着された状態で搬送されるため、カードの上面を測定したり、あるいは印刷したりすることはできるが、ベルトベルトコンベアに載せたままの状態でカードの下面を測定したり、あるいは印刷したりすることはできないと言う問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は簡単な構造で、ベルトコンベア上にセットしたままの状態で部品の上下面を測定したり、上下面に印刷を施したりすることができるようにした部品の搬送装置及び方法を提供することにある。
さらに、他の目的は、以下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、部品の搬送装置としては次の技術手段を講じたことを特徴とする。
すなわち、定形の部品をコンベアにて搬送する部品の搬送装置において、前記部品を受け入れて保持するための凹所と、この凹所内の底面に上下に貫通している開口とを設けてなる保持具を、前記コンベアの一側より定高さかつ略水平方向に突出された状態にして前記コンベアに取り付けるとともに、前記コンベア上に複数設け、隣接し合う保持具同士により、この隣接し合う保持具間にも、前記各保持具に形成されている前記凹所とは別に前記凹所と略同じ構造の凹所を形成している構成としたものである。
【0006】
また、本発明は上記目的を達成するために、部品の搬送方法としては次の技術手段を講じたことを特徴とする。
すなわち、定形の部品をコンベアにて搬送する部品の搬送方法において、底面上下に貫通し開口した凹所を有する保持具を前記コンベアに、このコンベアの一側より定高さかつ略水平方向に突出された状態にして取り付け、前記凹所内に位置決め保持された前記部品の表裏面が外部より見えるようにして搬送するとともに、前記保持具を前記コンベア上に複数設け、隣接し合う保持具同士により、この隣接し合う保持具間にも、前記各保持具に形成されている前記凹所とは別に前記凹所と略同じ構造の凹所を形成し、各凹所に前記部品を収納させて搬送するようにした。
【0007】
以上の構成によれば、部品を位置決めて搬送する保持具の底面に上下に貫通している開口を設けているので、この開口を通して部品の下面を測定したり、下面に印刷を施したりすることができる。したがって、部品の上下面の測定、あるいは上下面への印刷等を効率よく行うことが可能となる。
また、保持具を介して取り付けるので、この保持具をコンベア用チェーン等に単列に取り付けて搬送することができるので、設備の省スペース化が可能になる。同時に、この搬送過程で行われる部品の検査測定や印刷等の作業機器を効率よく付設したり、一括管理することも容易になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形態は、本発明の好適な具体例であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0009】
図1乃至図4は本発明の好ましい実施の一形態例として示すもので、図1は図2のA−A線に沿う概略拡大断面図、図2は本発明に係る搬送装置の要部構成を示す側面図、図3は本発明に係る搬送装置の要部構成を一部破断して図2の矢印B方向より見て示す側面図、図4は本発明に係る搬送装置の要部構成の上面図である。
【0010】
図1乃至図4において、この搬送装置は、カードの反りや厚さの測定を上下にで行える構造にしたものであって、大きくはコンベア用のチェーン1と、このチェーン1を駆動するための駆動部2と、制御部3(図6参照)と、チェーンガイド部4と、保持具5等で構成されている。
【0011】
さらに詳述すると、チェーン1は、複数の鎖駒をピンで順次連結してなるニードルブッシュチェーンであり、単列でエンドレス状につながれ、駆動スプロケット6とアイドルスプロケット7の外側を回って掛け渡されている。なお、図2及び図3では、前側の駆動系だけしか示していないが、後ろ側にも、駆動スプロケット6及びアイドルスプロケット7に対応して一対のアイドルスプロケットが設けられている。そのチェーン1は前側の駆動スプロケット6およびアイドルスプロケット7と後側のアイドルスプロケットの外側を回って連続して配設されており、これらのスプロケットの案内でエンドレス状に回転する構造になっている。
【0012】
また、チェーン1上には保持具5が等間隔で複数取り付けられている。その保持具5は、ホルダー8と、プラテン9とで構成されている。このうち、ホルダー8はブラケット10及びボルト11を介してチェーン1に固定して取り付けられており、一端側は下側に略90度折り曲げられ、その折り曲げられた部分8aにローラ12を取り付けている。
一方、プラテン9は、全体が略平板状に形成されており、一端側がボルト13を介してホルダー8上に固定され、他端側がチェーン1に対し定高さ位置で略水平方向に大きく突出された状態になっている。さらに、そのプラテン9の突出している先端側において、ホルダー8の延長上側に位置する部分がカードC(図1及び図4参照)を受け入れるための凹所14に形成されている。この凹所14の底面は先端側から連続して切り欠かれており、この切り欠きによって上下に貫通した開口15が作られた状態になっている。また、凹所14を形成している左右の外側にも段部14aが形成されている。
【0013】
そして、この保持具5は、チェーン1上に等間隔で取り付けられると、隣り合う保持具5の段部14a同士で、プラテン9内に形成されている凹所14と同じ凹所(14)を形成した状態になる。すなわち、図4に示すように、チェーン1に沿って、プラテン9内及びプラテン9とプラテン9との間に凹所(14)がピッチPで繰り返し形成される。なお、図4において、符号14はプラテン9内に形成されている凹所で、符号(14)はプラテン9とプラテン9との間にあって段部14aと14aとで形成された凹所をそれぞれ示している。この凹所14及び(14)は、この凹所14及び(14)内にカードCが落とし込まれて位置決めされた状態で装着されると、上下に貫通した開口15を有していることによって、上下方向より確認することができるとともに、先端側も欠かれていることによって、この先端側からもカードCの側面を確認することができる。すなわち、このプラテン9の構造では、上下の開口を利用して上下方向よりカードCの確認や印刷等ができるとともに、前側(先端側)の切り欠きを利用してカードCの反りや厚み等の測定を行うことができる。
【0014】
チェーンガイド部4は、チェーン1の上側周回部における前後中間の部分を下側から支えるとともにX方向を位置決めする第1のガイド部4Aと、その上側周回部分に移動されて来る保持部5のローラ12を受け入れ、Y方向を位置決めする第2のガイド部4Bとで構成されている。
【0015】
駆動部2は、ベース15に固定して取り付けられているACサーボモータ16を備えている。このサーボモータ16の回転軸16Aには、ベース15に軸受フレーム23A,23B及び軸受17を介して回転可能に取り付けられている回転軸18がカップリング19を介して一体回転可能に連結されている。さらに、回転軸18には、上記駆動スプロケット6が一体回転可能に取り付けられているとともに、駆動スプロケット6に隣接してトルクリミッタ20が取り付けられている。加えて、回転軸18の一端には回転子21が一体回転可能に取り付けられている。この回転子21は、この回転子21と隣接してベース15に取り付けられているセンサ22によって検出され、このセンサ22の出力より回転軸18の回転数が検出できる構造になっている。
そして、駆動部2において、ACサーボモータ16が回転されると、このサーボモータ16の回転軸16Aとカップリング19を介して接続されている回転軸18が回転されるとともに、この回転軸18と一体に回転する駆動スプロケット6によってチェーン1が送られる。また、これと同時に、ベース15に軸受フレーム24A,24Bを介して取り付けられている軸25に、軸受26を介して回転自在に取り付けられているアイドルスプロケット7及び図示せぬ後側のアイドルスプロケットも回転され、これによりチェーン1が一方向に回転送りされる構造になっている。
【0016】
また、この形態例の構造において、チェーン1と一体に移動されるプラテン9が通る経路の上下の位置(検査測定位置)には図1と図2に示す如くセンサ28A,28Bが設けられ、プラテン9の前端と対向する位置(同じく検査測定位置)にはセンタ28Cが設けられている。この3つのセンサ28A〜28Cのうち、センサ28A,28Bは凹所14及び(14)内に配置されたカードCの上面と下面とを測定するもので、センサ28Cは同じく凹所14及び(14)内に配置されたカードCの反りや厚み等を検出するようになっている。
【0017】
制御部3は、ACサーボモータ16の回転を制御するものである。この制御部、は、図6にその回路構成をブロック図で示しているように、CPUユニット3a,出力ユニット3d,入力ユニット3eを有している。また、出力ユニット3d及び入力ユニット3eには、センサ22の測定値を演算し、この結果に基づいてACサーボモータ16の回転を駆動回路31を介して制御するモータコントローラ32が接続されている。
【0018】
次に、このように構成されている搬送装置の動作を説明する。まず、コンベアは、供給位置で、チェーン1に取り付けられた保持具5におけるプラテン9の凹所14内及びプラテン9間の凹所(14)内にカードCが供給されると始動操作され、制御部3のコントロールによりACサーボモータ16が動作されて、駆動スプロケット6を回転させる。すると、チェーン1が駆動され、カードCを例えば1ピッチPだけ搬送して位置決めする。
なお、ここでのカードCの搬送位置決めは、制御部3の指示と回転子21の回転数をセンサ22が検知し、制御部3に送信して所定距離(ここでは1ピッチP分)移動するように制御することによってなされる。
そして、所定量だけ移動されると、検査測定位置において、凹所14及び(14)内に配置されたカードCの上面と下面がセンサ28A,28Bにより測定されるとともに、カードCの反りや厚み等がセンサ28Cにより検出され、これによってカードCの良品、不良品の選別等が行われる。
【0019】
したがって、この形態例における搬送装置によれば、チェーン1により搬送される保持具5におけるプラテン9に形成した凹所14または(14)の底面に上下に貫通している開口15を前面側より連続して設け、この凹所14または(14)内にカードCを配置して搬送するので、この開口15を通して部品の下面も測定することができ、上下面及び前面側より反りや厚みを測定したりすることができる。また、カードCの上下面に印刷等を施すような場合でも簡単に行うことができる。
さらに、単列のチェーン1で搬送するので、省スペース化とコストダウンを図ることができる。
【0020】
なお、上記形態例では、搬送コンベアとして単列のチェーン1を用いた場合について説明したが、必ずしも単列のチェーンでなくても良く、例えばスチールベルトの一側に保持具5を取り付け、チェーン1の場合と同様にしてスチールベルトにプラテン9を同じ間隔で取り付け、さらにX,Y方向の位置決めを行うベルトガイドを施した構造等にしても差し支えないものである。
また、チェーンの両側より相反する方向にプラテン9を突出させて設けた構造にしても差し支えないものである。
さらに、カードCを取り扱う場合について説明したが、カードに限ることなく、広く一般の部品等を搬送する場合にも適用できるものである。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、部品を位置決めて搬送する保持具の底面に上下に貫通している開口を設けているので、この開口を通して部品の下面を測定したり、下面に印刷を施したりすることができる。したがって、部品の上下面の測定、あるいは上下面への印刷等を簡単に行うことができる。
また、保持具を介して取り付けるので、この保持具をコンベア用チェーン等に単列に取り付けて搬送することができるので、省スペース化とコストダウンを図ることができる等の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のA−A線に沿う概略拡大断面図である。
【図2】本発明装置の要部構成を示す側面図である。
【図3】本発明装置の要部構成を、その一部を破断して図2の矢印B方向より見て示す側面図である。
【図4】本発明装置の要部構成を示す上面図である。
【図5】本発明装置で使用しているプラテン単体の斜視図である。
【図6】本発明装置における制御部の回路構成ブロック図である。
【符号の説明】
1 チェーン
2 駆動部
3 制御部
4 チェーンガイド部
5 保持具
9 プラテン
14,(14) 凹所
14a 段部
15 開口
C カード(部品)
28A,28B,28C 検査測定用センサ

Claims (6)

  1. 定形の部品をコンベアにて搬送する部品の搬送装置において、
    前記部品を受け入れて保持するための凹所と、この凹所内の底面に上下に貫通している開口とを設けてなる保持具を、前記コンベアの一側より定高さかつ略水平方向に突出された状態にして前記コンベアに取り付けるとともに、前記コンベア上に複数設け、隣接し合う保持具同士により、この隣接し合う保持具間にも、前記各保持具に形成されている前記凹所とは別に前記凹所と略同じ構造の凹所を形成していることを特徴とする部品の搬送装置。
  2. 前記搬送装置は、前記保持具が搬送される経路の上側または下側、あるいは上下の両側に前記部品を測定するための手段を有している請求項1に記載の部品の搬送装置。
  3. 前記搬送装置は、前記保持具が搬送される経路の上または下側に、前記部品上に印字をするための手段を有している請求項1に記載の部品の搬送装置。
  4. 定形の部品をコンベアにて搬送する部品の搬送方法において、
    底面上下に貫通し開口した凹所を有する保持具を前記コンベアに、このコンベアの一側より定高さかつ略水平方向に突出された状態にして取り付け、前記凹所内に位置決め保持された前記部品の表裏面が外部より見えるようにして搬送するとともに、前記保持具を前記コンベア上に複数設け、隣接し合う保持具同士により、この隣接し合う保持具間にも、前記各保持具に形成されている前記凹所とは別に前記凹所と略同じ構造の凹所を形成し、各凹所に前記部品を収納させて搬送することを特徴とする部品の搬送方法。
  5. 前記部品がカードである請求項に記載の部品の搬送方法。
  6. 前記コンベアは単列チェーン型のコンベアである請求項に記載の部品の搬送方法。
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