JP3637556B2 - 扉用蝶番 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、扉を取付開口枠に開閉自在に取付ける扉用蝶番に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平9−317300号公報に示すように、一対の扉羽根を揺動自在に連結した蝶番本体と、一方の扉羽根が固定される固定用のブラケットを備え、扉羽根に形成した左右方向の長孔から固定ねじをブラケットの固定ねじ孔にねじ込んで扉羽根をブラケットに固定する扉用蝶番が知られている。
【0003】
この扉用蝶番であれば、固定ねじを弛めることでブラケットを左右方向に移動し、再び固定ねじを締付けることで扉羽根のブラケット固定位置を左右に調整できるから、扉を建付け調整できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の扉用蝶番を用いて扉を建付け調整するには他方の扉羽根を取付開口枠に固定すると共に、ブラケットを扉に固定し、一方の扉羽根をブラケットに仮固定し、この状態で扉を支持しながら一方の扉羽根をブラケットに対して左右に移動するので、その操作がやりづらい。例えば1人の作業者で扉を取付ける場合には一方の手で扉を支持し、他方の手で一方の扉羽根を移動するので、その操作が大変やりづらい。このために、扉の建付け調整作業がやりづらい。
【0005】
そこで本発明は、前述の課題を解決できるようにした扉用蝶番を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、蝶番本体4の一方の扉羽根1を取付用のブラケット5に左右移動可能に固定した扉用蝶番において、
前記一方の扉羽根1は開口窓11を有し、
前記取付用のブラケット5は横板20と縦板21を有し、
前記扉羽根1の開口窓11の左右中間にブラケット5の縦板21が位置し、この開口窓11の左右一方側部分と縦板21との間に工具挿入用の第1の空間部32を形成し、前記開口窓11の左右他方側部分と縦板21との間に工具挿入用の第2の空間部33を形成し、
この第1の空間部32は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右一方に移動する形状で、
第2の空間部33は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右他方に移動する形状である扉用蝶番である。
第2の発明は、蝶番本体4の一方の扉羽根1を取付用のブラケット5に左右移動可能に固定した扉用蝶番において、
前記一方の扉羽根1は、左右方向に離隔した第1開口窓11−1、第2開口窓11−2又は1つの開口窓11を有し、
前記取付用のブラケット5は、1つの下部開口窓25又は左右方向に離隔した第1下部開口窓25−1、第2下部開口窓25−2を有し
前記第2開口窓11−2と下部開口窓25の左右他側部又は前記開口窓11の左右一側部と第1下部開口窓25−1が重なり合って工具挿入用の第1の空間部32を形成し、
前記第1開口窓11−1と下部開口窓25の左右一側部又は前記開口窓11の左右他側部と第2下部開口窓25−2が重なり合って工具挿入用の第2の空間部33を形成し、
この第1の空間部32は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右一方に移動する形状で、
前記第2の空間部33は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右他方に移動する形状である扉用蝶番。
【0007】
【作用】
第1・第2の発明によれば、工具を第1の空間部32に挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右一方に移動し、工具を第2の空間部33に挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右他方に移動する。
【0008】
このようであるから、片手で工具を持って回転又は移動することで一方の扉羽根1をブラケット5に対して左右に移動でき、その操作がやり易く、扉の建付け調整を1人の作業者で容易に行なうことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1と図2に示すように、一方の扉羽根1と他方の扉羽根2を軸3で揺動自在に連結して蝶番本体4としてある。この一方の扉羽根1を取付用のブラケット5に固定して扉用蝶番としてある。前記ブラケット5が扉6の吊元側端面6aにビス7等で固着される。
【0010】
前記一方の扉羽根1の上下寄りに左右方向に長い固定用長孔10が形成され、上下中間の左右中間に開口窓11が形成され、上下中間の左右一端寄りに左右方向に長い調整用長孔12が形成してある。
【0011】
前記ブラケット5は横板20と縦板21で断面L字形状で、その横板20の上下寄りに固定ねじ孔22が形成され、上下中間に調整用ねじ孔23が形成されている。前記縦板21には扉羽根挿通用の開口部24が形成されている。
【0012】
扉6の吊元側端面6aにはブラケット取付用の凹部8が形成され、この凹部8は扉6の表裏面に開口していると共に、底部にねじ突出凹部9が形成されている。ブラケット5は凹部8に嵌め込まれてビス7等で固定される。
【0013】
前記一方の扉羽根1は扉羽根挿通用の開口部24内に左右移動自在に挿通され、この一方の扉羽根1は開口部24と接する部分を支点として前後に揺動可能に支持される。固定用長孔10から固定ねじ30を固定ねじ孔22にねじ込むと共に、調整用長孔12から調整ねじ31を調整ねじ孔23にねじ込んで一方の扉羽根1をブラケット5に固定する。
【0014】
前記一方の扉羽根1の開口窓11の左右中間にブラケット5の縦板21が位置し、この開口窓11の左右一方側部分と縦板21との間に矩形状の第1の空間部32を形成し、開口部11の左右他方側部分と縦板21との間に矩形状の第2の空間部33を形成する。
【0015】
固定ねじ30を弛めて第1の空間部32にマイナスドライバー等の先端部が矩形状の工具を挿入して回転することで縦板21と開口窓11の左右一端開口縁に接することによって一方の扉羽根1はブラケット5に対して左右一方(矢印A方向)に移動する。固定ねじ30を弛めて第2の空間部33に前述と同様の工具を挿入して回転することで縦板21と開口窓11の左右他端開口縁に接することによって一方の扉羽根1はブラケット5に対して左右他方(矢印B方向)に移動する。
【0016】
このようであるから、マイナスドライバー等の工具を片手で持って回転することで一方の扉羽根1をブラケット5に対して左右に移動でき、その操作が容易であるから、扉の建付け調整作業が容易である。
なお、扉羽根1の開口窓11に沿って縦板21を基準とする目盛34が符してあり、この目盛34で扉羽根1のブラケット5に対する左右方向の位置を知ることができる。
【0017】
また、調整ねじ31を締付けると一方の扉羽根1は縦板21の開口部24との接触部を支点として図2に矢印Cで示すように扉6の吊元側端面6aに接近する方向(前後一側方)に揺動し、調整ねじ31を弛めると一方の扉羽根1は図2に矢印Dで示すように扉6の吊元側端面6aと離れる方向(前後他側方)に揺動する。これによって扉羽根1のブラケット5への前後取付角度を変えることができる。
【0018】
次に他の実施の形態を説明する。
図3に示すように、開口窓11の縦板21と対向した左右の開口縁11aにV字状の切欠凹部13をそれぞれ形成する。このようにすれば、プラスドライバーを第1・第2の空間部32,33に挿入することで切欠凹部13に嵌まり込むので、プラスドライバーを回転することで扉羽根1がブラケット5に対して左右に移動する。
【0019】
図4に示すように、開口窓11の縦板21と対向した左右開口縁11aを縦板21と平行でなく斜めとして開口窓11を平行四辺形とする。このようにすればマイナスドライバーを第1・第2の空間部32,33に挿入して縦板21に沿って移動することで扉羽根1がブラケット5に対して左右に移動する。
【0020】
図5に示すように、開口窓11の縦板21と対向した左右開口縁11aをほぼV字形状として縦板21と平行でなく2つの斜めの部分を有する形状とする。このようにすればマイナスドライバーを第1・第2空間部32,33に挿入して縦板21に沿って移動することで扉羽根1がブラケット5に対して左右に移動する。
【0021】
図6に示すように、縦板21の端面に立上り片21aを形成し、扉羽根1を縦板21の端面に接すると共に、立上り片21aを開口窓11に挿入して第1・第2の空間部32,33を形成する。
【0022】
図7に示すように、扉羽根1を縦板21の端面に接して開口窓11と縦板21で第1・第2の空間部32,33を形成する。
この図6、図7に示す開口窓11の形状は矩形状に限らず前述の図3、図4、図5に示す形状でも良い。
【0023】
図8に示すように、縦板21の一部分を切り倒して横板20と連続させ、この切り倒した部分21bと横板20に亘って下部開口窓25を形成し、扉羽根1には第1開口窓11−1と第2開口窓11−2を左右方向に離隔して形成する。そして、図9に示すように第1開口窓11−1と下部開口窓25の左右一側部が重ね合うようにして第2の空間部33を形成し、第2開口部11−2と下部開口窓25の左右他側部が重ね合うようにして第1の空間部32とする。
【0024】
図10に示すように、縦板21の一部分を切り倒して横板20と連続させ、この切り倒した部分21bと横板20に亘って第1・第2下部開口窓25−1,25−2を左右方向に間隔を置いて形成し、図11に示すようにこの第1の下部開口窓25−1と扉羽根1に形成した開口窓11の左右一側部が重ね合うようにして第1の空間部32を形成し、第2の下部開口窓25−2と扉羽根1に形成した開口窓11の左右他側部が重ね合うようにして第3の空間部33を形成する。
【0025】
以上の各実施の形態ではブラケット5の調整用長孔12が左右一側で、縦板21が左右他側としたが、その調整用長孔12が左右他側で、縦板21が左右一側としても良い。
例えば、図12に示すようにブラケット5の縦板21が左右一側で、調整用長孔12が左右他側とし、扉羽根1の左右一側を縦板21の開口部24内に挿通する。この場合には調整用長孔12に調整ねじ31の頭部が挿通する大径部12aを形成する。
【0026】
また、以上の各実施の形態では扉羽根1のブラケット5への前後取付角度を変えることができるようにしたが、扉羽根1のブラケット5への前後取付角度を一定としても良い。
【0027】
【発明の効果】
請求項1、請求項2に係る発明によれば、工具を第1の空間部32に挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右一方に移動し、工具を第2の空間部33に挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右他方に移動する。
【0028】
このようであるから、片手で工具を持って回転又は移動することで一方の扉羽根1をブラケット5に対して左右に移動でき、その操作がやり易く、扉の建付け調整を1人の作業者で容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す扉用蝶番の正面図である。
【図2】図1のE−E断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す扉用蝶番の正面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態を示す扉用蝶番の正面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態を示す扉用蝶番の正面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態を示す第1・第2の空間部の斜視図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示す第1・第2の空間部の斜視図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態を示す第1・第2の空間部の斜視図である。
【図9】本発明の第7の実施の形態を示す第1・第2の空間部の平面図である。
【図10】本発明の第8の実施の形態を示す第1・第2の空間部の斜視図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態を示す第1・第2の空間部の平面図である。
【図12】本発明の第9の実施の形態を示す扉用蝶番の正面図である。
【符号の説明】
1…一方の扉羽根、2…他方の扉羽根、4…蝶番本体、5…ブラケット、6…扉、10…固定用長孔、11…開口窓、12…調整用長孔、20…横板、21…縦板、22…固定用ねじ孔、23…調整用ねじ孔、24…開口部、30…固定ねじ、31…調整ねじ、32…第1の空間部、33…第2の空間部。
Claims (2)
- 蝶番本体4の一方の扉羽根1を取付用のブラケット5に左右移動可能に固定した扉用蝶番において、
前記一方の扉羽根1は開口窓11を有し、
前記取付用のブラケット5は横板20と縦板21を有し、
前記扉羽根1の開口窓11の左右中間にブラケット5の縦板21が位置し、この開口窓11の左右一方側部分と縦板21との間に工具挿入用の第1の空間部32を形成し、前記開口窓11の左右他方側部分と縦板21との間に工具挿入用の第2の空間部33を形成し、
この第1の空間部32は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右一方に移動する形状で、
第2の空間部33は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右他方に移動する形状である扉用蝶番。 - 蝶番本体4の一方の扉羽根1を取付用のブラケット5に左右移動可能に固定した扉用蝶番において、
前記一方の扉羽根1は、左右方向に離隔した第1開口窓11−1、第2開口窓11−2又は1つの開口窓11を有し、
前記取付用のブラケット5は、1つの下部開口窓25又は左右方向に離隔した第1下部開口窓25−1、第2下部開口窓25−2を有し
前記第2開口窓11−2と下部開口窓25の左右他側部又は前記開口窓11の左右一側部と第1下部開口窓25−1が重なり合って工具挿入用の第1の空間部32を形成し、
前記第1開口窓11−1と下部開口窓25の左右一側部又は前記開口窓11の左右他側部と第2下部開口窓25−2が重なり合って工具挿入用の第2の空間部33を形成し、
この第1の空間部32は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右一方に移動する形状で、
前記第2の空間部33は、工具を挿入して回転又は移動することでブラケット5に対して扉羽根1が左右他方に移動する形状である扉用蝶番。
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1998
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