JP3637343B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は染毛剤組成物に関するもので、耐光性および染め上がり優れている染毛剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、染毛剤としては酸化染料中間体を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤よりなる二剤型の酸化染毛剤が広く利用されている。この染毛剤は無色の低分子の酸化染料中間体を毛髪中に浸透させ、髪の中で酸化重合を行なわせることにより色素を生成させ毛髪を染着するものである。これらの染毛剤は要望に応じた種々の色調に毛髪を染毛することができ、しかも、その染毛力も優れているので非常に便利なものであり、広く利用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記酸化染毛剤を用いた場合、日光により退色がみられること、および染毛したことが第三者にわかるような不自然な染め上がりとなるという欠点があった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決し、耐光性および染め上がりに優れた染毛剤組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】
すなわち、本発明の趣旨は、(a)N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンまたはその塩、(b)p−フェニレンジアミンまたはその塩、および(c)p−メチルアミノフェノールまたはその塩からなることを特徴とする染毛剤組成物にある。
【0006】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
【0007】
本発明において(a)群成分として使用されるのは、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンおよびその塩である。(a)群成分の配合量は0.01〜15重量%であり、0.01重量%よりも少ないと十分な染毛効果が得られず、15重量%を越えても、その効果は変わらず経済的ではない。
なお、配合量の下限については、0.1重量%が好ましく、0.1重量%以上配合することにより、より優れた染毛効果が得られる。上限については、10重量%が好ましく、10重量%を越えた場合は染毛効果の上昇は少なくなる。
【0008】
(a)群成分と共に、(b)群成分として、p−フェニレンジアミンまたはその塩を含有することにより、耐光性および染め上がりを向上させることができる。(b)群成分の配合量は0.01〜10重量%であり、0.01重量%よりも少ないと十分な耐光性および染め上がりが得られず、10重量%を越えても、その効果は変わらず経済的ではない。なお、配合量の下限については、0.1重量%が好ましく、0.1重量%以上配合することにより、より優れた耐光性および染め上がりが得られる。上限については、5重量%が好ましく、5重量%を越えた場合は耐光性および染め上がりの上昇は少なくなる。
【0009】
さらに(c)群成分として、p−メチルアミノフェノールまたはその塩を含有することにより、耐光性および染め上がりを向上させることができる。その配合量は0.01〜10重量%であり、0.01重量%よりも少ないと十分な耐光性および染め上がりが得られず、10重量%を越えても、その効果は変わらず経済的ではない。なお、配合量の下限については、0.1重量%が好ましく、0.1重量%以上配合することにより、より優れた耐光性および染め上がりが得られる。上限については、5重量%が好ましく、5重量%を越えた場合は耐光性および染め上がりの上昇は少なくなる。なお、(a)〜(c)群成分の塩としては、例えば、有機酸の塩あるいは無機酸の塩、すなわち、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等が挙げられる。
【0010】
(a)群成分、(b)群成分および(c)群成分の重量比はa:b:c=1:0.01〜0.5:0.01〜5であると、より優れた耐光性および染め上がりが得られる。さらにa:b:c=1:0.02〜0.3:0.01〜5の範囲が耐光性および染め上がりの点でさらに好ましく、a:b:c=1:0.03〜0.18:0.01〜5の範囲が耐光性および染め上がりの点でより一層好ましい。
【0011】
さらに、(d)群成分として高級アルコールおよび/または炭化水素を加えると、安定性、染毛操作性(例えば毛髪への塗布のしやすさ、垂れ落ちない、混合操作の容易さなど)、染色性および堅牢性の点で優れた効果が得られる。その配合量は3〜30重量%であり、3重量%よりも少ないと十分な安定性、染毛操作性、染色性および堅牢性が得られず、30重量%を越えても、その効果は変わらず経済的ではない。なお、配合量の下限については、5重量%が好ましく、5重量%以上配合することにより、より優れた安定性、染毛操作性、染色性および堅牢性の効果が得られる。上限については、20重量%が好ましく、20重量%を越えた場合は安定性、染毛操作性、染色性および堅牢性の効果の上昇は少なくなる。
【0012】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、2−オクチルドデカノールなどが挙げられる。これらの中でも特に安定性の点から直鎖高級飽和アルコールであるラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。
【0013】
炭化水素としては、例えば、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、プリスタンなどが挙げられる。
【0014】
さらに(e)群成分として次に挙げる界面活性剤を少なくとも1種以上加えると染色性及び堅牢性の点で優れた効果が得られる。例えば、アニオン性界面活性剤としては次のものが挙げられる。
【0015】
1.硫酸エステル塩1−1)アルキル硫酸エステル塩ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムなど1−2)アルキル及びアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩ポリオキシエチレン(以下、POEと略す。)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリルエーテル硫酸アンモニウム、POEアルキルエーテル硫酸ナトリウム、POEアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸ジエタノールアミン、POEアルキルエーテル硫酸アンモニウムなど1−3)高級脂肪酸エステル塩の硫酸エステル塩硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウムなど1−4)高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩1−5)硫酸化油硫酸化ヒマシ油など2.リン酸エステル塩POEラウリルエーテルリン酸、POEオレイルエーテルリン酸、POEセチルエーテルリン酸、POEステアリルエーテルリン酸、POEアルキルエーテルリン酸、POEアルキルフェニルエーテルリン酸、およびその塩(ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩)など3.スルホン酸塩3−1)α−オレフィンスルホン酸塩3−2)高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩3−3)高級脂肪酸アミドのスルホン酸塩ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルロチルタウリンナトリウムなど3−4)アルキルベンゼンスルホン酸塩ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなど3−5)スルホコハク酸塩スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、POEスルホコハク酸二ナトリウム、POEスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸POEラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウムなど4.カルボン酸塩4−1)高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどN−アシルグルタミン酸塩4−2)脂肪酸石鹸オレイン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸などのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩あるいはアンモニウム塩
【0016】
また、非イオン性界面活性剤としては次のものが挙げられる。
1.POEアルキルエーテルPOEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテルなど2.POEアルキルアリルエーテルPOEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテルなど3.POEソルビタン脂肪酸エステルモノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタンなど4.POEグリセリルモノ脂肪酸エステルモノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリンなど5.POEソルビトール脂肪酸エステルテトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウなど6.ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油など7.POE脂肪酸エステルモノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコールなど8.高級脂肪酸グリセリンエステル親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリンなど9.ソルビタン脂肪酸エステルモノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタンなど10.ラノリン誘導体POEラノリン、POEラノリンアルコール、POEソルビトールラノリンなど11.アルキロールアミドラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドなど12.POE脂肪酸アミドPOEステアリン酸アミドなど13.ショ糖脂肪酸エステル14.アルキルアミンオキシドジメチルラウリルアミンオキシドなど
【0017】
また、両性界面活性剤としてはカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型などが挙げられ、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ウンデシノイル−カルボキシメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム液、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルN−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液等が挙げられる。
【0018】
また、カチオン性界面活性剤としては、下記(1)式に示す一般式で表されるものが用いられる。
例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどが挙げられる。
【0019】
【化1】
(1)式中、R1,R2,R3,R4の1〜2個は直鎖または分枝鎖の炭素数8〜20の長鎖アルキル基、または長鎖ヒドロキシアルキル基を示し、残余は炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示し、Xはハロゲン原子または炭素数1〜2のアルキル硫酸基を示す。
【0020】
その配合量は、0.01〜40重量%であり、0.01重量%よりも少ないと十分な染色性および堅牢性が得られず、40重量%を越えても、その効果は変わらず経済的ではない。なお、配合量の下限については、0.1重量%が好ましく、0.1重量%以上配合することにより、より優れた染色性および堅牢性が得られる。上限については、30重量%が好ましく、30重量%を越えた場合は染色性および堅牢性の上昇は少なくなる。特に、アニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を用いると染色性、堅牢性の点でより優れた効果が得られる。また、(d)群成分と(e)群成分の重量比はd:e=1:0.1〜10であると、より優れた染色性と堅牢性が得られる。
【0021】
その他の酸化染料中間体としては、パラフェニレンジアミン類、パラトルイレンジアミン類、アミノフェノール類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類等およびそれらの塩類が挙げられる。その配合量は例えば、染毛剤組成物の全重量に対して0.01〜10重量%程度である。また、カップラーとして、ピロガロール、カテコール、メタフェニレンジアミン等を配合することができる。また、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行,薬事日報社)に収載されたものを用いることができる。更に、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の保湿剤、亜硫酸塩、アスコルビン酸等の安定剤、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等の増粘剤、アンモニア、アルカノールアミン等のアルカリ剤、香料などを必要に応じて適宜、配合することができる。
【0022】
一方、酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素等を含有し、また、フェナセチン、EDTA等の安定剤、界面活性剤、油脂類、高級アルコール、酸、pH調整剤、香料などを必要に応じて適宜、配合することができる。
【0023】
この染毛剤を使用する場合は、染毛処理の直前に染毛剤組成物と酸化剤とを混合して染毛液を調製し、毛髪に塗布する。剤型は液状、クリーム、ゲル、ペーストなどが挙げられるが、これらの中でもクリーム状のものが、染毛時の毛髪への付着性がよく、染色性および堅牢性の点で好ましい。また、徐染性タイプとすれば、2〜数回染毛操作を繰り返すことにより、人に気づかれずに徐々に白髪を目立たなくさせることができる。
【0024】
【実施例】
<比較例1〜3>
【0025】
【表1】
【0026】
精製水で100%にする。
【0027】
<評価方法>10名のパネラーから採取した毛束を、上記の染毛剤組成剤と酸化剤を1:1で混合した染毛液で染色し、耐光性および染め上がりについて下記の基準により評価し、最も多い評価を表1に示した。
1.耐光性染色毛を日光に60日間曝露し、該処理を行わない染色毛を対照として下記の基準で評価した。
○…均一に、自然な黒褐色に染まる。
△…ややむらに、褐色に染まる。
×…むらに、灰褐色に染まる。
2.染め上がり
○…光沢のある自然な、まろやかな染め上がり
△…やや光沢のない不自然な、まろやかさに欠ける染め上がり
×…光沢のない不自然な、まろやかさに欠ける染め上がり
【0030】
精製水で100%にする。比較例1〜3と同様に染毛すると、優れた耐光性(○の評価)および染め上がり(○の評価)が得られた。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明の染毛剤組成物は、耐光性および染め上がりに優れている。
Claims (1)
- (a)N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミンまたはその塩、
(b)p−フェニレンジアミンまたはその塩、および
(c)p−メチルアミノフェノールまたはその塩
からなることを特徴とする染毛剤組成物。
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