JP2001288054A

JP2001288054A - 染毛剤

Info

Publication number: JP2001288054A
Application number: JP2000107179A
Authority: JP
Inventors: So Miyabe; 創宮部; Kenichi Matsunaga; 賢一松永
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2000-04-07
Filing date: 2000-04-07
Publication date: 2001-10-16
Also published as: EP1142560A2; EP1142560A3

Abstract

(57)【要約】【課題】アニオン基剤がカチオン性直接染料の毛髪へ
の染着を阻害することがなく、染色力に優れた２剤式染
毛剤の提供。【解決手段】アルカリ化剤を含有する第１剤と、酸化
剤を含有する第２剤からなる染毛剤において、第１剤
が、(A)アルカリ化剤、(B)カチオン性直接染料、(C)ノ
ニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、更に、(E)ア
ニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー、脂肪酸及び
脂肪酸塩から選ばれるアニオン基剤の含有量が、(B)カ
チオン性直接染料の含有量に対して、次の関係「アニオ
ン基剤のイオン活量濃度／カチオン性直接染料のイオン
活量濃度≦８」（イオン活量濃度とは、「モル濃度×イ
オン価数」を意味する。）を有するものである染毛剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カチオン性直接染
料を用いた２剤式染毛剤において、アニオン基剤がカチ
オン性直接染料の毛髪への染着を阻害することがなく、
染色力に優れた染毛剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】アルカリ性のpHで酸化剤を活性化させ、
メラニン色素を酸化分解して毛髪を脱色する毛髪脱色用
組成物中に、直接染料を添加した形式の２剤式染毛剤が
知られている。この染毛剤は、特に暗い色の毛髪を施術
する場合、脱色作用を持たない染毛剤に比べて、染毛前
後の色合いの変化が分かりやすいという特長を有する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この染毛剤では、使用
直前に２つの剤を混合するので、混合がしやすいこと、
及びこれらを混合したときに毛髪になじみやす粘度を有
することが必要である。そこで、増粘のため、脂肪酸を
用いた石けんゲルやアニオン性ポリマーが使用され、ま
た直接染料の溶解を助けるため、アニオン性界面活性剤
も使用されている。

【０００４】しかしながら、上記脂肪酸、アニオン性ポ
リマー、アニオン性界面活性剤等のアニオン基剤は、直
接染料としてカチオン性染料を用いた場合には、カチオ
ン性染料の毛髪への染着を阻害し、染毛力を低下させる
という問題があった。そこで、本発明は、カチオン性直
接染料を用いた２剤式染毛剤において、アニオン基剤が
カチオン性直接染料の毛髪への染着を阻害することがな
く、染色力に優れた染毛剤の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、アニオン
基剤の含有量とカチオン性直接染料の含有量とが、一定
の関係となるような条件でこれらを用いれば、上記問題
を回避できることを見出した。

【０００６】本発明は、アルカリ化剤を含有する第１剤
と、酸化剤を含有する第２剤からなる染毛剤において、
第１剤が、(A)アルカリ化剤、(B)カチオン性直接染料、
(C)ノニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、更に、
(E)アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー、脂肪
酸及び脂肪酸塩から選ばれるアニオン基剤の含有量が、
(B)カチオン性直接染料の含有量に対して、次の関係
「アニオン基剤のイオン活量濃度／カチオン性直接染料
のイオン活量濃度≦８」（イオン活量濃度とは、「モル
濃度×イオン価数」を意味する。）を有するものである
染毛剤を提供するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明では、第１剤中の(E)アニ
オン基剤と(B)カチオン性直接染料のイオン活量濃度の
比率(E)／(B)（以下、「イオン活量濃度比」という）
が、８以下となるようにすることにより、アニオン基剤
によるカチオン性染料の染着阻害を回避するものである
が、更に当該比率が６以下となるようにすることがより
好ましい。

【０００８】第１剤に配合する(E)アニオン基剤として
は、アニオン性界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリ
ウム等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン
ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エス
テル塩、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム等の
N-アシル化グルタミン酸塩、N-アシル化サルコシン酸
塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルエー
テルスルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩
等が挙げられる。また、アニオン性ポリマーとして、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマ
ー、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びこれらの誘
導体が挙げられる。また、脂肪酸及び脂肪酸塩として、
オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸及びこれらの塩が挙げ
られる。

【０００９】(E)アニオン基剤は、１種以上を用いるこ
とができ、イオン活量濃度比が８以下となるように配合
される。

【００１０】第１剤に配合する(B)カチオン性直接染
料、すなわち４級窒素を含む直接染料としては、従来公
知のすべてのカチオン性直接染料、例えばベーシックブ
ルー７（C.I.42595）、ベーシックブルー26（C.I.4404
5）、ベーシックブルー93、ベーシックブルー99（C.I.5
6059）、ベーシックブルー117、ベーシックバイオレッ
ト10（C.I.45170）、ベーシックバイオレット14（C.I.4
2515）、ベーシックブラウン16（C.I.12250）、ベーシ
ックブラウン17（C.I.12251）、ベーシックレッド２
（C.I.50240）、ベーシックレッド22（C.I.11055）、ベ
ーシックレッド76（C.I.12245）、ベーシックレッド118
（C.I.12251:1）、ベーシックイエロー57（C.I.1271
9）、ベーシックイエロー21（C.I.48060）、ベーシック
イエロー28（C.I.48054）；特公昭58-2204号公報、特開
平9-118832号公報等に記載されている芳香環の側鎖に４
級化窒素原子を含有するカチオン性直接染料、特開平10
-182378号公報等に記載されている非局在化してもよい
４級化窒素原子を含有し、かつアゾ結合、メチン結合又
はアザメチン結合を含有するカチオン性直接染料等が挙
げられる。

【００１１】第１剤に配合する(B)カチオン性直接染料
は、１種以上を用いることができ、その含有量は、イオ
ン活量濃度比が８以下となることを前提として、0.01〜
10重量％、特に0.05〜５重量％が好ましい。

【００１２】第１剤に配合する(A)アルカリ剤として
は、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン等
のアルカノールアミン、炭酸グアニジン等のグアニジウ
ム塩、アンモニアなどが挙げられ、なかでもアルカノー
ルアミン、特にモノエタノールアミンが好ましい。これ
らのアルカリ剤は、１種以上を用いることができ、その
含有量は、第１剤と第２剤を混合した全組成中の0.1〜1
0重量％、更に0.5〜５重量％、特に１〜３重量％の範囲
が、十分な染毛効果の点、及び頭皮への刺激低減の点で
好ましい。

【００１３】第１剤に配合する(C)ノニオン性界面活性
剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、
ポリオキシアルキレンフェニルエーテル、モノ−又はジ
アルキルアルカノールアミド又はそのアルキレンオキシ
ド付加物、アルキルポリグリコシド、アルキルアミンオ
キサイド、モノグリセリド等が挙げられ、なかでもポリ
オキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。これら
のノニオン性界面活性剤は、１種以上を用いることがで
き、その含有量は、１〜60重量％、更に５〜50重量％、
特に10〜40重量％の範囲が好ましい。

【００１４】本発明の染毛剤は(D)水を含有し、その含
有量は、20重量％以上が好ましい。

【００１５】第２剤に配合する酸化剤としては、過酸化
水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭酸塩、アルカリ金属
過酸塩（過臭酸塩、過硫酸塩、過ホウ酸塩）等が挙げら
れ、特に過酸化水素が好ましい。酸化剤の使用量は、例
えば過酸化水素の場合、１〜12重量％の範囲が、十分な
脱色・染毛効果、及び頭皮の刺激低減の点で好ましい。

【００１６】また、本発明の染毛剤には、酸化染料を配
合することができる。酸化染料としては、通常酸化型染
毛剤に用いられるプレカーサー及びカップラーを用いる
ことができる。

【００１７】本発明の染毛剤には、上記成分以外に、通
常化粧品分野で用いられる成分を加えることができる。
このような任意成分としては、天然又は合成の高分子化
合物、油脂、炭化水素、高級アルコール、一価又は多価
アルコール、シリコーン誘導体、アミンオキサイド、ア
ミノ酸誘導体、蛋白誘導体、防腐剤、金属封鎖剤、酸化
防止剤、過酸化水素の安定化剤、植物抽出物、ビタミン
類、顔料、紫外線吸収剤、香料等が挙げられる。

【００１８】本発明の染毛剤は、使用段階で第１剤と第
２剤を２：１〜１：３（重量比）の比率で混合して使用
されることが好ましい。これらの第１剤及び第２剤は通
常の方法に従って、液状、乳液状、クリーム状、ゲル
状、ペースト状、ムース状等の剤形とすることができ、
エアゾール形態とすることもできる。

【００１９】本発明の染毛剤のpHは、使用段階で８〜1
2、特に8.5〜11の範囲が好ましい。pHが８未満では本発
明の効果が十分に得られず、12を超えると頭皮への刺激
が強く、実用上不適当である。

【００２０】本発明の染毛剤を用いて染毛処理するに
は、例えば本発明の染毛剤を15〜45℃の温度で毛髪に適
用し、１〜50分間、好ましくは３〜30分間の作用時間を
おいて毛髪を洗浄した後、乾燥すればよい。

【００２１】

【実施例】実施例１、２及び比較例１表１に示す染毛剤を調製し、その染色性を評価した。

【００２２】（評価方法）ドイツ人の茶色の毛髪で長さ
15cm、重さ20gの毛束を４つ作り、これらのうち３つに
それぞれ実施例１，２、比較例１に示した染毛剤（１剤
と２剤の混合重量比は１：１）20gを十分ゆきわたるよ
うに塗布した。これらを30℃恒温槽中で20分間静置後、
毛束を40℃の温水ですすぎ、シャンプー、リンス処理
後、乾燥させた。10名のパネラーにより、下記基準に従
い、これらの毛束の赤みを未処理の毛束と比較評価し、
その合計点を示した。

【００２３】（評価基準）強く赤みが感じられる。・・・・・３点やや強く赤みが感じられる。・・・２点少し赤みが感じられる。・・・・・１点ほとんど赤みが感じられない。・・０点

【００２４】

【表１】

【００２５】実施例３以下の染毛剤を調製した（第１剤と第２剤を同重量ずつ
混合して使用）。（組成）（重量％）・第１剤下記構造式の橙色染料 0.6 28重量％アンモニア水 5 モノエタノールアミン 2 オレイルアルコール 5 オレイン酸 3 ポリオキシエチレン(30)オレオセチルエーテル 7 ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル 8 ポリオキシエチレン(3.5)デシルエーテル（ヘンケル社製，Mergital BL309） 22 マーコート100（40重量％水溶液） 7.5 エデト酸四ナトリウム 0.1 香料適量塩化アンモニウム pH10に調整する量水バランス（イオン活量濃度比＝０）

【００２６】

【化１】

【００２７】・第２剤 35重量％過酸化水素水 17.1 メチルパラベン 0.1 リン酸 pH3.5に調整する量水バランス

【００２８】実施例４以下の染毛剤を調製した（第１剤と第２剤を同重量ずつ
混合して使用）。（組成）（重量％）・第１剤下記構造式の黄色染料 0.5 パラフェニレンジアミン 0.4 レゾルシン 0.35 28重量％アンモニア水 5 モノエタノールアミン 2 セタノール 3 ポリオキシエチレン(30)オレオセチルエーテル 4.2 ポリオキシエチレン(12)ラウリルエーテル 4.8 ポリオキシエチレン(3.5)デシルエーテル（ヘンケル社製，Mergital BL309） 13.2 マーコート100（40重量％水溶液） 7.5 亜硫酸ナトリウム 0.5 アスコルビン酸 0.5 エデト酸四ナトリウム 0.1 香料適量塩化アンモニウム pH10に調整する量水バランス（イオン活量濃度比＝０）

【００２９】

【化２】

【００３０】・第２剤 35重量％過酸化水素水 17.1 メチルパラベン 0.1 リン酸 pH3.5に調整する量水バランス

【００３１】

【発明の効果】本発明の染毛剤は、アニオン基剤がカチ
オン性直接染料の毛髪への染着を阻害することがなく、
染色力に優れた２剤式染毛剤である。

フロントページの続きＦターム(参考） 4C083 AB082 AB282 AB332 AB352 AB412 AC072 AC182 AC242 AC472 AC482 AC532 AC542 AC552 AC692 AC782 AD132 AD642 BB04 BB24 BB34 BB43 CC36 DD06 DD23 EE07 EE26

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アルカリ化剤を含有する第１剤と、酸化
剤を含有する第２剤からなる染毛剤において、第１剤
が、(A)アルカリ化剤、(B)カチオン性直接染料、(C)ノ
ニオン性界面活性剤、及び(D)水を含有し、更に、(E)ア
ニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー、脂肪酸及び
脂肪酸塩から選ばれるアニオン基剤の含有量が、(B)カ
チオン性直接染料の含有量に対して、次の関係「アニオ
ン基剤のイオン活量濃度／カチオン性直接染料のイオン
活量濃度≦８」（イオン活量濃度とは、「モル濃度×イ
オン価数」を意味する。）を有するものである染毛剤。