JP3637285B2 - 電子部品本体への取付板取付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品本体への取付板取付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば合成樹脂製の摺動型物や回転つまみ等に金属薄板製の摺動子を取り付けたものを、摺接パターンを設けた基板上に回転又はスライド自在に配置し、前記摺動型物や回転つまみ等を回転又はスライドすることで摺動子を摺接パターンに摺接させてその出力を変化させる電子部品(可変抵抗器やスイッチ)が利用されている。
【0003】
そして従来、摺動型物等に摺動子を効率良く取り付けていくには、まず帯状の薄板を引き出しながら順次プレス加工することによって前記薄板に連結部で連結された状態の摺動子を連続して形成して行き、次に切断用受け治具と切断用移動治具からなるプレス金型を使用することで前記連結部を切り離して一つずつの単品とし、単品とした摺動子に設けた小孔に別途成形しておいた摺動型物等に設けた小突起を挿入し、小突起の先端をカシメして潰すことで摺動型物等に摺動子を固定していた。ここで切断用受け治具と切断用移動治具による薄板を切断する手法とは、図6に示されているように、薄板100の上下面に金属製の切断用移動治具120と金属製の切断用受け治具110とを対向させ、切断用受け治具110の上面111を薄板100の受面として切断用移動治具120の側面121を固定している切断用受け冶具110の側面113,113に薄板100を貫通してスライドさせることによって図6(b)に示すように所定の薄板100の箇所を切断することである。
【0004】
しかしながら上記従来の摺動型物等への摺動子の取り付け方法において以下のような問題点があった。
▲1▼単品とした摺動子を摺動型物等に別途用意した摺動子取付手段によって取り付ける場合、単品の摺動子が薄板からなる軽量な小片であるため、摺動型物等への取付位置が若干ずれて摺動型物等に取り付けられてしまい、摺動型物等に摺動子が固定される強度が低下する問題がある。
【0005】
▲2▼従って摺動子を摺動型物等に取り付ける方法として、薄板に連結したままの摺動子に摺動型物等を取り付けた後に摺動子を薄板から切り離すのが、摺動子の取付精度や製造効率上は好適である。しかしながら摺動子を摺動型物等の摺動子取付面からはみ出さないようにする場合、摺動子に摺動型物等を取り付けた状態では連結部は摺動型物等の摺動子取付面上に位置しなければならないので、連結部をその上下から切断するための切断用受け治具を配置することはできなかった。
【0006】
▲3▼また帯状の薄板に形成した摺動子の連結部を切断する方法として切断用受け治具と切断用移動治具からなるプレス金型によるものがあるが、各摺動子のピッチ間隔が狭い場合、それらプレス金型は高価でコストがかかってしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、組立精度及び組立効率が向上でき、製造設備の低コスト化が図れる電子部品本体への取付板取付方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため本発明にかかる電子部品本体への取付板取付方法は、薄板を順次プレス加工していくことによって前記薄板に連結部で連結された状態の取付板を連続して形成していく工程と、前記薄板に連結したままの取付板にそれぞれ電子部品本体を取り付けていく工程と、電子部品本体を取り付けた取付板の薄板への連結部を、前記電子部品本体の取付板を取り付ける面の連結部に対向する部分に設けた逃げ部に切断用受け治具を伴わないで切断用移動治具を入り込ませることによって電子部品本体上で切断して取付板を取り付けた電子部品本体を単品で取り出す工程と、を具備することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる電子部品本体(以下この実施形態では「回転型物」という)50への取付板(以下この実施形態では「摺動子」という)20の取付方法を示す斜視図である。同図に示すように本発明においては薄板10と回転型物50とを用意する。
【0015】
即ち同図において薄板10は帯状の金属板からなり、プレス加工することによってその中に二本の連結部41,41で連結された状態の摺動子20,20,…を連続して形成している。なお薄板10側には送り用の孔11が設けられている。
【0016】
ここで摺動子20は略円板状であり、その中央に略長方形状の挿通孔21を設け、またその周囲3箇所に貫通する係止孔23を設け、さらにその外周と中央近傍とにそれぞれ摺動冊子26,29を下側に向けて突出するように設けて構成されている。摺動冊子26は両持ちの円弧状であってその中央に下方向に突出する摺接部27を設け、一方摺動冊子29は二本の片持ちの円弧状であってその先端にそれぞれ摺接部31を設けて構成されている。
【0017】
図2は前記係止孔23と下記する回転型物50の係止突起57とを示す図である。同図に示すように係止孔23は、その周囲を回転型物50に向かって拡がりをもつ(内径が拡大する)テーパ面(即ち錐形状面)28にするとともに、係止孔23をまたぐように通過する一本のスリット24を設けて構成されている。なおテーパ面28の突出方向は回転型物50側の面とは反対側の面方向である。係止孔23の内周辺25の内径は、下記する係止突起57の外径よりも少し小さく形成されている。
【0018】
図1に戻って連結部41,41は容易に切断できるように細く形成されている。
【0019】
一方回転型物50は、合成樹脂を略柱状に成形して構成されており、その下面は取付面(以下この実施形態では「摺動子取付面」と言う)51になっている。この摺動子取付面51の中央からは軸53が突出しており、軸53の根元部分には横断面が略長方形状で前記摺動子20の挿通孔21に嵌合する寸法の基部55が設けられている。摺動子取付面51上の前記摺動子20の各係止孔23に対向する位置三箇所には円柱状の係止突起57が設けられており、また前記摺動子20の連結部41,41に対向する位置二箇所には凹状の逃げ部43,43が設けられている。なお回転型物50の下部外周からは図示しない他の部材に当接することで回転型物50の回転を規制するストッパー部59が突出している。
【0020】
次にこの回転型物50への摺動子20の取り付け方法を説明する。まず図1において、帯状の薄板10を図示しないプレス機によって順次プレス加工していくことで薄板10の中に連結部41,41で連結された状態の摺動子20,20,…を連続して形成していく(工程1)。
【0021】
次に前記薄板10に連結したままの摺動子20に回転型物50を取り付けていく(工程2)。摺動子20への回転型物50の取り付けは、摺動子20上に回転型物50の摺動子取付面51を当接し、その際回転型物50の軸53及び基部55を摺動子20の挿通孔21に挿入すると同時に、回転型物50の係止突起57を摺動子20の係止孔23に圧入する。
【0022】
図3は係止突起57を係止孔23に圧入した状態を示す図である。同図に示すように係止突起57の外周には係止孔23の内周辺25が強く係合しており、しかも係止孔23の内周辺25は回転型物50に向かって広がりを持つテーパ面28の先端に設けられているので摺動子20が回転型物50から離れる方向に対して強く係合し、たとえ係止突起57の先端を熱カシメしなくても、摺動子20が回転型物50から外れる恐れはない。特にこの係止孔23には係止孔23をまたぐスリット24が設けられているのでテーパ面28の部分の弾性が大きく、係止突起57を挿入する際に広がり易く、また係止突起57を引き抜こうとすると内周辺25が係止突起57の外周面に食いつき易くなるので効果的である。
【0023】
次に図1に戻って薄板10の下側からその連結部41,41を切断用移動治具によって切断する(工程3)。即ち本発明においては図4に示すように、回転型物50の下面に位置する連結部41を図6に示すような金属製の切断用受け冶具110を使用しないで金属製の切断用移動治具70を用いて回転型物50の摺動子取付面51を切断用の受け台として切断する。これによって回転型物50への摺動子20の取り付けが完了し、図5に示す状態となる。
【0024】
なお上記実施形態では連結部41の切断を回転型物50の上で行なったが、回転型物50の外側で行なっても良い。即ち例えば図7に示すように、連結部41で接続された摺動子20にそれぞれ回転型物50を取り付けた後、連結部41の各回転型物50からはみ出した部分に金属製の切断用移動治具70を突入してこれを切断するようにしても良い。
【0025】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記実施形態では図4に示す切断用移動治具70の先端が鋭角にとがっているが、平面状、曲面状であっても良い。また上記実施形態では電子部品本体として回転型物を用い、取付板として摺動子を用いたが、他の各種構造の回転型物(回転つまみを含む)、摺動型物、さらにその他の電子部品本体を用いても良い。取付板も摺動子に限定されず、電子部品本体に取り付ける薄板状の取付板であれば、クリックバネ等の他の各種取付板であっても良い。また電子部品本体に設ける係止突起の形状・数や、取付板に設ける係止孔の形状・数や、係止孔周囲のテーパ面の形状や、スリットの形状・本数についても、種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば以下のような優れた効果を有する。▲1▼電子部品本体を取り付けた取付板の薄板への連結部を切断用受け治具を伴わないで切断用移動治具によって切断して取付板を取り付けた電子部品本体を単品で取り出すようにしたので、取付板の電子部品本体への取付精度が高まり、更に組立効率が向上し、製造設備の低コスト化が図れる。更に電子部品本体の取付板取付面からはみ出ないように取付板を取り付ける際、連結部を電子部品本体上に設けても切断用移動治具だけで切断できるため、その連結部の切断が可能となる。
【0027】
▲2▼電子部品本体の取付板を取り付ける面の連結部に対向する部分に、連結部を切断する切断用移動治具が入り込む逃げ部を設けたので、連結部の切断が容易になるばかりか、電子部品本体を傷つけることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる回転型物(電子部品本体)50への摺動子(取付板)20の取付方法を示す斜視図である。
【図2】係止孔23と係止突起57とを示す図である。
【図3】係止突起57を係止孔23に圧入した状態を示す図である。
【図4】切断用移動治具70によって連結部41を切断する方法の要部概略拡大断面図である。
【図5】回転型物50へ摺動子20を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】切断用受け治具と切断用移動治具による薄板の切断手法を示す図である。
【図7】切断用移動治具70によって連結部41を切断する他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
10 薄板
20 摺動子(取付板)
21 挿通孔
23 係止孔
24 スリット
25 内周辺
26,29 摺動冊子
27,31 摺接部
28 テーパ面
41 連結部
43 逃げ部
50 回転型物(電子部品本体)
51 取付面(摺動子取付面)
53 軸
55 基部
57 係止突起
70 切断用移動治具
Claims (1)
- 薄板を順次プレス加工していくことによって前記薄板に連結部で連結された状態の取付板を連続して形成していく工程と、
前記薄板に連結したままの取付板にそれぞれ電子部品本体を取り付けていく工程と、
電子部品本体を取り付けた取付板の薄板への連結部を、前記電子部品本体の取付板を取り付ける面の連結部に対向する部分に設けた逃げ部に切断用受け治具を伴わないで切断用移動治具を入り込ませることによって電子部品本体上で切断して取付板を取り付けた電子部品本体を単品で取り出す工程と、
を具備することを特徴とする電子部品本体への取付板取付方法。
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