JP3636324B2 - 駐車装置改造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願に係る発明は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図19は垂直循環式駐車装置の構造図である。
【0003】
垂直循環式駐車装置は、建築構造体(塔屋)に取り付けられた上スプロケット102と、下スプロケット103とを備え、これら両スプロケット102,103の間に主務チェーン104が掛け渡されている。この主務チェーン104は複数のリンクが連結されることによって構成されているが、このうちのいくつかのリンクには、自動車を格納するケージ108aが吊り下げられている。ここでは、ケージが吊り下げられるリンクをケージアタッチメントリンクと呼ぶ。そして、モータ等の駆動源によって上スプロケット102を回転させることにより、ケージ108aを移動させることができるようになっている。
【0004】
図19の垂直循環式駐車装置は、12台のケージ108aを備えている。これらケージ108aはすべて同一の大きさであり、高さ略160cmである。このケージ108aの大きさは、普通車用の大きさである。よって、この垂直循環式駐車装置にハイルーフ車を駐車させることはできない。
【0005】
一方、普通車用のケージ108aのみを備えた既設の垂直循環式駐車装置を、ハイルーフ車が駐車できるように改造する試みがある。例えば、4リンク間隔で普通車用ケージを取り付けていた主務チェーンを、少なくとも一部において5リンク間隔でハイルーフ車用ケージを取り付けた主務チェーンに交換するという試みである(例えば、特許文献1参照)。この技術を用いると、図19のような構成の垂直循環式駐車装置を図20のような垂直循環式駐車装置に改造することができる。
【0006】
図20の垂直循環式駐車装置は、3台の普通車用ケージ108aと7台のハイルーフ車用ケージ108bとを備えている。普通車用ケージ108aは主務チェーン104おいて4リンク間隔で取り付けられ、ハイルーフ車用ケージ108bは主務チェーン104において5リンク間隔で取り付けられている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001-193301号公報(第3−4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図19のような垂直循環式駐車装置を図20のような垂直循環式駐車装置に改造すると、次のような問題が生ずる。
【0009】
図19、図20において、符号Bは、乗り入れ面を示す。図19の状態であれば、自動車の乗り降りのためにどのケージが最下位置(乗り入れ位置)に達しても、ケージの車両載置面Uと乗り入れ面Bとは同一高さである。
【0010】
ところが、図20のように改造すると、最下位置(乗り入れ位置)に来るケージが普通車用ケージ108aである場合は、従来どおりにケージの車両載置面Uと乗り入れ面Bとは同一高さとなるが、最下位置(乗り入れ位置)に来るケージがハイルーフ車用ケージ108bであるときには、ケージの車両載置面Uが乗り入れ面Bよりも下がってしまうのである。
【0011】
ケージの種類によるこの段差の問題は、例えば図21に示すような、乗り入れ面Bとケージの車両載置面Uの高さとを円滑に接続するための可動式のスロープ150を設けることにより解消するかに考えがちである。図21のスロープ150は、支点150aを中心として角度を変更できるようになっており、ハイルーフ車用ケージ108bが最下位置(乗り入れ位置)に来たときには図21(a)の状態をとり、普通車用ケージ108aが最下位置(乗り入れ位置)に来たときには図21(b)の状態をとるのである。しかしかかる構造を採用しても、スロープ150の前後端において急激な角度が生じ、ここを車両が通過しようとすると、車両の底部の接触(いわゆる「腹こすり」)を起こす。
【0012】
本願発明は、普通車用ケージのみを有する既設の垂直循環式駐車装置を、ハイルーフ車用ケージを含む垂直循環式駐車装置に改造しても、乗り入れ面の段差の問題を生ずることのない、駐車装置改造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この出願発明に係る駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、を具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、Yの値がXの値よりも大きく、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、(Y−X)の値が、((P×N)/2)の値に略等しく、
該下スプロケットの高さ位置を、(Y−X)の値に略等しい長さ分だけ上方に変更する(請求項1)。
【0014】
かかる改造方法によれば、主務チェーンの全長が短縮される。そして、これに応じて下スプロケットの高さ位置を変更させることができる。そして、下スプロケットの高さ位置に変更が生じた分だけ、より高さの高いケージを吊り下げることができる。そして、そのようにしても、乗り入れ位置に来たケージの車両載置面を、乗り入れ面と略同じ高さに保つことができる。
【0015】
また上記課題を解決するために、この出願発明に係る他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、を具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、Yの値がXの値よりも大きく、該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとしたとき、(Y−X)の値が、Sの値に略等しい(請求項2)。
【0016】
また上記方法において、該垂直循環式駐車装置が、該駆動源の駆動力を該上スプロケットに伝達するための伝達装置と、該駆動源と該伝達装置と該上スプロケットとがその上に取り付けられた基台とを備え、該基台が該建築構造体に取り付けられ、該基台の該建築構造体に対する高さ位置を上昇させることにより、該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させるようにしてもよい(請求項3)。
【0017】
かかる改造方法によれば、上下のスプロケットの高さ位置が変更され、その変更が生じた分だけ、より高さの高いケージを吊り下げることができる。そして、そのようにしても、乗り入れ位置に来たケージの車両載置面を、乗り入れ面と略同じ高さに保つことができる。
【0018】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るさらに他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、を具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、Yの値がXの値よりも大きく、該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離が(((P×N)/2)+S)に略等しく、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+S)の値に略等しい(請求項4)。
【0019】
かかる改造方法によれば、主務チェーンの全長が短縮され、上下のスプロケットの高さ位置が変更される。そして、これに応じてより高さの高いケージを吊り下げることができる。そして、そのようにしても、乗り入れ位置に来たケージの車両載置面を、乗り入れ面と略同じ高さに保つことができる。
【0020】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るさらに他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を下降させ、該下降距離をTとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+T)の値に略等しい(請求項5)。
【0021】
かかる改造方法によれば、主務チェーンの全長が短縮され、乗り入れ面の前端が下降される。そして、これに応じてより高さの高いケージを吊り下げることができる。そして、そのようにしても、乗り入れ位置に来たケージの車両載置面を、乗り入れ面と略同じ高さに保つことができる。
【0022】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るさらに他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を下降させ、該上昇距離をSとし、該下降距離をTとしたとき、(Y−X)の値が、(S+T)の値に略等しい(請求項6)。
【0023】
かかる改造方法によれば、上下のスプロケットの高さ位置が変更され、乗り入れ面の前端が下降される。そして、これに応じてより高さの高いケージを吊り下げることができる。そして、そのようにしても、乗り入れ位置に来たケージの車両載置面を、乗り入れ面と略同じ高さに保つことができる。
【0024】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るさらに他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を下降させ、該下降距離をTとし、該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離が(((P×N)/2)+S)に略等しく、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+S+T)の値に略等しい(請求項7)。
【0025】
かかる改造方法によれば、主務チェーンの全長が短縮され、上下のスプロケットの高さ位置が変更され、乗り入れ面の前端が下降される。そして、これに応じてより高さの高いケージを吊り下げることができる。そして、そのようにしても、乗り入れ位置に来たケージの車両載置面を、乗り入れ面と略同じ高さに保つことができる。
【0026】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るさらに他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を上昇させ、該上昇距離をVとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)−V)の値に略等しい(請求項8)。
【0027】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るさらに他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を上昇させ、該上スプロケットと該下スプロケットの上昇距離をSとし、該乗り入れ面の前端の上昇距離をVとしたとき、(Y−X)の値が、(S−V)の値に略等しい(請求項9)。
【0028】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るさらに他の駐車装置改造方法は、垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を上昇させ、該乗り入れ面の前端の上昇距離をVとし、該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離が(((P×N)/2)+S)に略等しく、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+S−V)の値に略等しい(請求項10)。
【0030】
【発明の実施の形態】
この出願発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0031】
まず図1〜7を参照しつつ、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離の変更分を、リンク本数の変更によって相殺し、これによりケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する発明の実施形態を説明する。
【0032】
図1は、本願発明の一実施形態たる駐車装置改造方法を適用しようとする、既設の垂直循環式駐車装置Aの概略外観図である。垂直循環式駐車装置Aの建築構造体は、鉄骨構造物たる塔屋1である。
【0033】
この塔屋1の上部に上スプロケット2が取り付けられ、塔屋1の下部には下スプロケット3が取り付けられている。上スプロケット2と下スプロケット3には、主務チェーン4が掛け渡されている。さらに塔屋1の上部には、駆動源たるモータ5が取り付けられている。
【0034】
モータ5と上スプロケット2とはギア機構によって連結されており、モータ5を回転駆動させることにより上スプロケット2が回転し、ひいては主務チェーン4の全体が上スプロケット2と下スプロケット3に掛け渡された状態で回転するようになっている。なお、符号6,7は、モータ5と上スプロケット2とを連結するためのギア機構が収納されるギアボックスである。また、前方のギアボックス7と後方のギアボックス7とは、シャフト9により連結されている。
【0035】
図1では、主務チェーン4に吊り下げられて最下位置(乗り入れ位置)に来たケージ8aと、乗り入れ面Bとが示されている。ケージ8aが乗り入れ位置に来ると、ケージ8aの車両載置面Uが、乗り入れ面Bと、略同一の高さになる。
【0036】
この垂直循環式駐車装置Aの主務チェーン4には、他にも複数のケージが吊り下げられているのであるが、図1では省略されている。
【0037】
図2は、図1の垂直循環式駐車装置Aにおける、上スプロケット2、下スプロケット3、主務チェーン4、ケージ8aの結合構造を示す側面図である。この図(図2)において、塔屋1、モータ5等は省略されている。
【0038】
図2からわかるように、主務チェーン4は複数のリンク4a,4bがエンドレスに連結されることによって構成されている。リンクの総本数は48本である。この主務チェーン4には、高さ160cmの普通車用ケージ8aが12台吊り下げられている。普通車用ケージ8aは、主務チェーン4に対して4リンク間隔で取り付けられている。主務チェーンには、4リンクおきに、T字型のリンク4bが、配されている。このT字型のリンク4bを、以下、「ケージアタッチメントリンク4b」と呼ぶ。ケージアタッチメントリンク4b以外のリンク4aには、ケージアタッチメントリンク4bのような張り出し部分はない。
【0039】
図2において、符号Bは乗り入れ面を示す。ケージ8aが最下位置(乗り入れ位置)に来たとき、そのケージ8aの車両載置面Uの高さは、この乗り入れ面Bの高さに略一致する。
【0040】
図2の普通車用ケージ8aは、その高さが略160cmしかないので、普通車を格納することはできても、ハイルーフ車を格納することができない。
【0041】
そこで、ハイルーフ車を格納できるようにするために、垂直循環式駐車装置Aに、次のような改造を施す。
【0042】
まず、何台かの既設の普通車用ケージ8aを撤去する。そして、主務チェーン4において、撤去した普通車用ケージ8aを吊り下げていたケージアタッチメントリンク4bを含むリンク列(4本の連続したリンク部分)を、別のリンク列に交換する。この新たなリンク列は5本の連続したリンクから成り、これにもケージアタッチメントリンク4bが含まれている。
【0043】
図3は、リンク列の外観図である。図3の(a)は、撤去した普通車用ケージ8aを吊り下げていたケージアタッチメントリンク4bを含む、4本の連続したリンク列の外観図である。図3の(b)は、新たにハイルーフ車用ケージ8bを吊り下げるケージアタッチメントリンク4bを含む、5本の連続したリンク列の外観図である。
【0044】
主務チェーン4から、図3(a)のようなリンク列を取り外し、その替わりとして新しい図3(b)のようなリンク列を取り付けても良いし、取り外したリンク列(図3(a)のようなリンク列)に対して、オフセットリンク(図3(b)における最も右側のリンクのような構造のリンク)を1本加えることによって、図3(b)のような5本構造のリンク列とし、これを主務チェーン4に取り付けるようにしてもよい。
【0045】
そして主務チェーン4に取り付けられたこの新たなリンク列のケージアタッチメントリンク4bに、ハイルーフ車用ケージ8bを吊り下げる。そして必要であれば、主務チェーン4からの他のリンクやケージの撤去や交換を施し、さらに、後述する補助部材を追加する施工等を施し、主務チェーン4の総リンク数が、元の状態よりも1本少なくなるようにする。
【0046】
図4は、図2の構造に対して上記のような改造を施した後の装置構造を示す構造図である。
【0047】
図2の構造と図4の構造にはいくつかの相違がある。この相違する部分が、改造に係る部分であるので、以下、図2の構造と図4の構造の相違を説明する。
【0048】
まず、図2の構造では、12台の普通車用ケージ8aのみを備えていたのに対して、図4の構造では、4台の普通車用ケージ8aと、6台のハイルーフ車用ケージ8bとを備えている。図2の普通車用ケージ8aも、図4の普通車用ケージ8aも、その高さは略160cmである。図4のハイルーフ車用ケージ8bの高さは略180cmである。
【0049】
また、図2の構造では、12台の普通車用ケージ8aの全てが、4リンク間隔で主務チェーン4に取り付けられているのに対して、図4の構造では、4台の普通車用ケージ8aは4リンク間隔で取り付けられ、6台のハイルーフ車用ケージ8bは5リンク間隔で取り付けられている。なお、普通車用ケージ8aとハイルーフ車用ケージ8bとが隣接するところでは、5リンクの間隔が設けられている。
【0050】
また、図2の構造では、12台の普通車用ケージ8aは、T字型のケージアタッチメントリンク4bにその頂部を直接取り付けられているのに対して、図4の構造では、4台の普通車用ケージ8aは、T字型のケージアタッチメントリンク4bに、ピッチ略20cmの補助部材19を介して取り付けられている。
【0051】
また、図2の構造では、主務チェーン4は総数48本のリンクで構成されているのに対して、図4の構造では、主務チェーン4は総数47本のリンクで構成されている。なお、図2の構造における主務チェーン4のピッチ(リンクの長さ)と、図4の構造における主務チェーン4のピッチ(リンクの長さ)とは同じである。
【0052】
また、図2の構造における下スプロケット3の高さ位置(塔屋1や乗り入れ面Bに対する高さ位置)よりも、図4の構造における下スプロケット3の高さ位置(塔屋1や乗り入れ面Bに対する高さ位置)の方が、略20cm高くなっている。これは、上スプロケット2の位置が、図2の構造における位置と、図4の構造における位置とで変更がないのに、上記したように、主務チューン4を構成するピッチ略40cmのリンクの総数が48本から47本に変更(減少)されたことに起因する。
【0053】
以上が、図2の構造と図4の構造との間の主な相違である。
【0054】
図2の構造から図4の構造に改造するに際し、主務チェーン4のピッチ(リンク長さ)を変更させなかったのは、改造に際し、既設の部材をなるべく利用できるようにするためである。例えばスプロケット2,3は、高価な部材であり、しかも主務チェーンに比べて変形の少ない部材であるから、なるべく既設のものを残した方が安価に改造できる。また、ピッチを変更させるとなると、ギアボックス6,7等の交換も必要となり、改造工事が大がかりとなる。
【0055】
また、特に、上スプロケット2を交換するとなると、既設の上スプロケット2の取り外しだけでも相当大がかりな工事を伴うので改造コストを著しく上昇させてしまうところ、上スプロケット2を取り外す必要がなければ、それだけ改造コストを低減させることができるからである。また、主務チェーン4のピッチの変更が無ければ、既設の主務チェーン4のリンクのなるべく多くの部分を改造後にそのまま利用することもできる。
【0056】
図2の構造から図4の構造に改造するに際しては、上スプロケット2の位置は変化させていない。垂直循環駐車装置の建築構造体(塔屋1)において、上スプロケット2を上方に変位させるだけのスペースがないような場合に、この方法(上スプロケット2の位置を変化させないで垂直循環駐車装置を改造する方法)は特に有効である。
【0057】
図5は、下スプロケット3の支持構造を示す側面図である。鉄骨21は塔屋1を構成する部材の一部であり、この鉄骨21に支柱22が固定されている。支柱22の頂部には2本の棒状体23が固定されており、棒状体23の頂部には頭部23aが形成されている。
【0058】
一方、下スプロケット3の軸3aは、支持部材25に設けられた軸受けに軸支されている。この支持部材25は支柱22に対しては垂直方向に変位可能に設けられている。支持部材25は被案内部材25aを備えており、支柱22は案内部材22aを備えている。被案内部材25aが案内部材22aに案内されることによって、支持部材25は支柱22に対して垂直方向に円滑に変位できるようになっている。
【0059】
下スプロケット3は、主務チェーン4によって上スプロケット2から吊り下げられた状態にあるので、上スプロケット2の高さ位置、主務チェーン4の長さ等によって、その高さ位置が決定される。頭部23aと支持部材25との間にはコイルバネ24が配されている。このコイルバネ24は、支持部材25の位置を安定させて、下スプロケット3の振動を防止すること等を目的として配されている。
【0060】
図5の構造から理解されるように、主務チェーン4の長さが多少変更されても、それに対応できるように、下スプロケット3はその高さ位置を比較的容易に変更できるようになっている。上記の改造においては、上スプロケット2の高さ位置は変更させずに、下スプロケット3の高さ位置を約20cm変更させている。
【0061】
図6は、改造前後における、乗り入れ位置におけるケージの高さを比較するための図であり、(a)は改造前のケージ等を、(b)は改造後のケージ等を示す。図6において乗り入れ面Bは、(a)と(b)とで同一高さに表されている。
【0062】
図6の(a)と(b)とを比較すると、下スプロケット3の軸3aの位置は、改造前より改造後の方が、略20cm高くなっている。(a)においては、ケージアタッチメントリンク4bの両端のピンの中心を通る直線Lと、普通自動車用ケージ8aの車両載置面Uとの距離を、Xで表している。(b)においては、ケージアタッチメントリンク4bの両端のピンの中心を通る直線Lと、ハイルーフ車用ケージ8bの車両載置面Uとの距離を、Yで表している。(Y−X)の値は略20cmである。
【0063】
(a)に示されるように、改造前の構造において、普通自動車用ケージ8aが最下位置(乗入位置)に来たときは、ケージの車両載置面Uの高さ位置が、乗り入れ面Bの高さと略同一に保たれている。
【0064】
(b)を見ると理解できるように、改造後の構造において、ハイルーフ車用ケージ8bが最下位置(乗入位置)に来ても、ケージの車両載置面Uの高さ位置は、乗り入れ面Bの高さと略同一に保たれている。これは主務チェーン4において、ピッチ略40cmのリンクの総本数が48本から47本へと1本だけ減少したことにより、下スプロケット3の高さ位置(塔屋1や乗り入れ面Bに対する高さ位置)が略20cmだけ上昇し、かつ、ケージが高さ略160cmの普通車用ケージ8aから高さ略180cmのハイルーフ車用ケージ8bへと変更されたことによる。
【0065】
改造後の構造(図4や図6(b)の構造)において、仮に、普通車用ケージ8a(図6(b)では図示せず)が最下位置(乗入位置)に来た場合も、ケージの車両載置面Uは乗り入れ面Bと同一高さに保たれるはずである。なぜなら、ケージ高さは普通車用ケージ8aとハイルーフ車用ケージ8bとで略20cmの違いはあるが、普通車用ケージ8aは略20cmの補助部材19を介してケージアタッチメントリンク4bに吊り下げられているからである。
【0066】
このように、改造後の構造(図4の構造)の垂直循環式駐車装置においては、ハイルーフ車用ケージ8bが最下位置(乗入位置)に来た場合であっても、普通車用ケージ8aが最下位置(乗入位置)に来た場合であっても、ケージの車両載置面Uは、改造前の乗り入れ面Bと同一高さに保たれる。よって、改造後に、乗り入れ面Bとケージの車両載置面Uとの間の段差が生ずるという問題を解消できる。
【0067】
以上、本願発明の一実施形態を説明した。
【0068】
なお、上記した実施形態の改造方法では、改造後に普通車用ケージ8aとハイルーフ車用ケージ8bとを混在させるようにしたが、すべてハイルーフ車用ケージ8bとすることもできる。
【0069】
また、上記した実施形態の改造方法では、T字型のチェーンアタッチメントリンク4bを示したが、チェーンアタッチメントリンクの構造は、このような構造や形状に限定されるものではない。例えば、図7のように、主務チェーン30を構成する通常のリンク31と、2本の補助部材32とで構成され、リンク31の両端のピン31aに補助部材32の基部が取り付けられ、2本の補助部材32の先端がケージを支える支点33となるように構成されていてもよい。
【0070】
また、上記した実施形態の改造方法では、主務チェーン4において、リンクの総本数を1本だけ減少させるように改造したが、さらに多くの本数を減少させるようにしてもよい。例えば総本数48本のリンクで構成されていた主務チェーンを、総本数46本のリンクで構成されるように改造してもよい。この場合は、下スプロケット3の高さ位置が略40cm上がる。よって、高さ略160cmのケージを高さ略200cmのケージに変えることができる。
【0071】
また、例えば、リンク総本数減少により下スプロケット3の高さ位置を略20cm上げ、高さ略160cmのケージを高さ略170cmのケージに変え、その高さ略170cmのケージを長さ略10cmの補助部材によってケージアタッチメントリンク4bに吊り下げるようにすることもできる。
【0072】
また、例えば、リンク総本数減少により下スプロケット3の高さ位置を略20cm上げ、高さ略160cmのケージを高さ略170cmのケージに変え、補助部材を使用することなく、T字型のケージアタッチメントリンクを、張り出し長さが略10cm長いもの(別のT字型ケージアタッチメントリンク)に変更するように改造することもできる。
【0073】
要は、リンク総本数減少によって主務チェーンの全長が短くなるのであるが、最下位置(乗り入れ位置)にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から、そのケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、主務チェーン長さの短縮分の2分の1だけ、長くなるように改造すればよいのである。最下位置(乗り入れ位置)にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から、そのケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離の変更は、ケージの高さが変更されただけではなく、ケージアタッチメントリンクの張り出し長さの変更、ケージアタッチメントリンクとケージとの間に補助部材の長さの変更、該補助部材の追加、該補助部材の撤去等が併せてなされたような場合にも生ずる。
【0074】
なお、主務チェーンのリンクのピッチがPであり、主務チェーンのリンク総本数の減少がN本であり、ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置(乗り入れ位置)にあるときの、ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線からこのケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離の変化(改造による該距離の増加)が(Y−X)であるときに満たすべき、「(Y−X)=((P×N)/2)」という関係は、厳密なものでなくてもよい。例えば、主務チェーンの全長が新品のときよりも略4cm伸びてしまっているような既設の垂直循環式駐車装置の改造に際し、ピッチ略40cmのリンクを1本減少させることによって下スプロケットの高さ位置を上げるとともに、ケージを高さ略160cmのものから略178cmのものに変更するようにしてもよい。そうすると、主務チェーンの伸びによる位置ずれを解消することもできる。
【0075】
また、上記実施形態では、普通車用ケージをハイルーフ車用ケージに交換する場合について述べたが、本願発明はこれに限らず、既設のケージを高さの異なる別のケージに交換するような垂直循環式駐車装置の改造に広く適用できる。例えば、普通車用ケージを重量車用ケージに交換するような改造であって、この重量車用ケージが元の普通車用ケージと高さが異なるような場合にも適用できる。重量車用ケージは一般に、普通車用ケージよりも大型で重く、高さがより高い場合が多い。既設の垂直循環式駐車装置において、元のケージを高さのより高いケージに交換すれば、ケージの総台数が減少することが多いが、そのことと相まって、重量車用ケージへ交換しても、駐車装置における強度の問題を生じさせない。
【0076】
以上、図1〜7を参照しつつ、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離の変更分を、リンク本数の変更によって相殺し、これによりケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する発明の実施形態を説明した。
【0077】
次に図8〜17を参照しつつ、最下位置(乗り入れ位置)にあるケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離の変更分だけ、上スプロケットと下スプロケットの高さを変更することによって、ケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する発明の実施形態を説明する。
【0078】
まず、図8〜14に基づき、ケージの取り付けリンク間隔を変更することなく、ケージの高さを変更し、ケージの車両載置面と垂直循環式駐車装置の乗り入れ面との段差が生じた場合について説明する。
【0079】
図8は、本願発明の実施形態たる駐車装置改造方法を適用しようとする、既設の垂直循環式駐車装置A40の概略外観図である。垂直循環式駐車装置A40は図1の垂直循環式駐車装置Aとほぼ同様に構成されている。
【0080】
すなわち、垂直循環式駐車装置A40においても、鉄骨構造物たる塔屋41の上部に上スプロケット42が取り付けられ、塔屋41の下部には下スプロケット43が取り付けられており、上スプロケット42と下スプロケット43には、主務チェーン44が掛け渡されている。上スプロケット42は、塔屋41の上部に取り付けられた駆動源たるモータ45とギア機構によって連結されており、モータ45を回転駆動させることにより上スプロケット42が回転し、ひいては主務チェーン44の全体が上スプロケット42と下スプロケット43に掛け渡された状態で回転する。
【0081】
図8では、主務チェーン44に吊り下げられて最下位置(乗り入れ位置)に来たケージ48aと、乗り入れ面B40とが示されている。ケージ48aが乗り入れ位置に来ると、ケージ48aの車両載置面U40が、乗り入れ面B40と、略同一の高さになる。垂直循環式駐車装置A40の主務チェーン44には、他にも複数のケージが吊り下げられているのであるが、図8では省略されている。
【0082】
図9は、垂直循環式駐車装置A40における上スプロケット42周辺の構造を示す斜観図である。符号46,47は、モータ45と上スプロケット42とを連結するためのギア機構が収納されるギアボックスである。モータ45の回転はギヤボックス46とギヤボックス47とを介して上スプロケット42に伝達される。ギヤボックス46とギヤボックス47はともに、減速器としての機能も果たす。前方のギアボックス47と後方のギアボックス47とは、シャフト49により連結されており、前方の上スプロケット42と後方の上スプロケット42とが同方向に等速で回転できるようになっている。
【0083】
モータ45、ギヤボックス46、ギヤボックス47は、すべて、基台C40の上に取り付けられている。上スプロケット42はギヤボックス47に取り付けられているのであるから、上スプロケット42もギヤボックス47を介して基台C40上に取り付けられている。基台C40は、ボルトE1とナットE2とにより、塔屋41を構成する鉄骨フレーム41aに固定されている。
【0084】
図10は、図8の垂直循環式駐車装置A40における、上スプロケット42、下スプロケット43、主務チェーン44、ケージ48aの結合構造を示す側面図である。この図(図10)において、塔屋41、モータ45等は省略されている。
【0085】
図10からわかるように、主務チェーン44は複数のリンク44a,44bがエンドレスに連結されることによって構成されている。リンクの総本数は48本である。この主務チェーン44には、高さ160cmのケージ48aが12台吊り下げられている。ケージ48aは、主務チェーン44に対して4リンク間隔で取り付けられている。主務チェーン44には、4リンクおきに、T字型のリンクであるケージアタッチメントリンク44bが配されている。リンク44a、44bのピッチは、略44cmである。
【0086】
図10において、符号B40は乗り入れ面を示す。ケージ48aが最下位置(乗り入れ位置)に来たとき、そのケージ48aの車両載置面U40の高さは、この乗り入れ面B40の高さに略一致する。
【0087】
図10のケージ48aの高さは略160cmであるが、より大きな車輌を格納することができるようにするには、例えば高さが略170cmのケージに交換すればよい。リンク44a、44bのピッチが略44cmであり、ケージアタッチメントリンク44bが主務チェーン44において4リンク間隔で配されているのであるから、ケージ48aの取り付け間隔は略176cmである。よって、主務チェーン44のリンク構造に何らの変更を加えなくても、高さ略160cmのケージ48aを、高さ略170cmのケージに交換することができる。そこで、12台のケージ48aのすべてを、高さ略170cmのケージに交換する。
【0088】
図11は、垂直循環式駐車装置A40において、高さ略160cmである12台のケージ48aのすべてを、高さ略170cmのケージ48bに交換したときの図である。この図から理解できるように、主務チェーン44の最下位置(乗り入れ位置)にあるケージ48bの車両載置面U40の高さ位置は、乗り入れ面B40の高さ位置よりも低くなる。その段差は略10cmである。
【0089】
この段差を解消するために、垂直循環式駐車装置A40に、図12に示すような手順で改造を施す。図12は、上スプロケット42の鉄骨フレーム41aに対する高さを略10cm分だけ上方に変更する手順を、(a)から(d)によって説明するための、基台C40周辺の側面図である。
【0090】
基台C40は、図12(a)に示すように、鉄骨フレーム41a上に当接しており、鉄骨フレーム41aに対してボルトE1とナットE2で固定されている。
【0091】
ケージ48bの車両載置面U40と乗り入れ面B40との間の略10cmの段差を解消するには、まず、基台C40の側面に、ブラケット51を取り付ける。ブラケット51は、基台C40に対して、ボルトとナットで取り付けても良いし、溶接してもよい。図12では、2個のブラケット51のみが表れているが、ブラケット51は、基台C40の4箇所の角部の全てに取り付ける。そして、ブラケット51と鉄骨フレーム41aとの間に、油圧ジャッキ52を配置する。図12(b)は、基台C40にブラケット51を取り付け、油圧ジャッキ52を配置したときの状態を示す。
【0092】
次に、4台の油圧ジャッキ52を同時に起動させて、基台C40を鉄骨フレーム41aから浮上させる。図13はこのときの状態を示す斜観図である。
【0093】
浮上距離は10cmより若干大きい程度である。そして、基台C40と鉄骨フレーム41aとの間に高さ略10cmのスペーサ53を配置する。図12(c)は、基台C40を鉄骨フレーム41aから浮上させ、両者の隙間にスペーサ53を配置したときの状態を示す。
【0094】
次に、油圧ジャッキ52を元の状態に戻すと、基台C40の底面がスペーサ53に当接し、基台C40の荷重がスペーサ53に作用する。そして、基台C40と鉄骨フレーム41aとを、スペーサ53を介して、ボルトE1とナットE2で固定する。ボルトE1は必要に応じて元のものよりも長いものを使用してもよい。そして油圧ジャッキ52を取り除く。図12(d)は、基台C40と鉄骨フレーム41aとがスペーサ53を介してボルトE1とナットE2で固定されたときの状態を示す。なお、ブラケット51は、基台C40に取り付けたままにしておいても良いし、取り外しても良い。
【0095】
以上の図12(a)〜(d)の手順により、基台C40の鉄骨フレーム41aに対する高さ位置は、略10cm上方に変更された。図12(a)〜(d)に示す手順による基台C40の鉄骨フレーム41aに対する移動は、上スプロケット42と下スプロケット43とから、主務チェーン44やケージを取り外してから行っても良いし、上スプロケット42と下スプロケット43とに主務チェーン44を掛け渡した状態のままで行ってもよい。さらに、ケージを主務チェーン44に取り付けたままで行っても良い。
【0096】
垂直循環式駐車装置A40の下スプロケット43も、その塔屋41に対する取り付け構造は、垂直循環式駐車装置Aの下スプロケット3と同様である。すなわち、図5に示すような取り付け構造である。そのため、下スプロケット43は主務チェーン44によって上方に引き上げられても、ある程度は柔軟にその高さ位置を変動させることができる。よって、上スプロケット42と下スプロケット43とに主務チェーン44を掛け渡した状態のままで、上スプロケット42の高さ位置を上方に移動させると、下スプロケット43はそれに追従する。なお、棒状体23は必要に応じて元のものよりも長いものに交換してもよい。
【0097】
以上のようにして、上スプロケット42と下スプロケット43との、鉄骨フレーム41aに対する高さ位置を、上方に略10cmだけ変更させることにより、図11に示されるケージ48bの車両載置面U40と乗り入れ面B40との段差が解消される。図14は、上スプロケット42と下スプロケット43の高さ位置の変更により、該段差が解消されたときの状態を示す図である。
【0098】
以上、図8〜14に基づき、ケージの取り付けリンク間隔を変更することなく、ケージの高さを変更し、ケージの車両載置面と垂直循環式駐車装置の乗り入れ面との段差が生じた場合について説明した。
【0099】
次に、ケージの取り付けリンク間隔、および、ケージの高さを変更した場合について説明する。
【0100】
図15は、リンクピッチが略40cmの主務チェーン64に、高さ略160cmのケージ68aが4リンク間隔で取り付けられた既設の垂直循環式駐車装置の図である。この垂直循環式駐車装置に対して、ケージを高さの異なるものに変更し、さらに、ケージの取り付けリンク間隔を変更する。
【0101】
図16は変更後の垂直循環式駐車装置の図である。図16の垂直循環式駐車装置においては、リンクピッチが略40cmの主務チェーン64に、高さ略170cmの新たなケージ68bが5リンク間隔で取り付けられている。主務チェーンの総リンク数に関しては、図15のときの状態からの変更はない。このような変更を施した場合にも、ケージの車両載置面U60と垂直循環式駐車装置の乗り入れ面B60との間に段差が生ずる。すなわち、図15の状態であれば、主務チェーン64の最下位置(乗り入れ位置)にあるケージ68aの車両載置面U60の高さ位置は、乗り入れ面B60の高さ位置に一致していたところ、図16の状態に変更されることにより、主務チェーン64の最下位置(乗り入れ位置)にあるケージ68bの車両載置面U60の高さ位置は、乗り入れ面B60の高さ位置よりも低くなり、略10cmの段差が生じている。このような場合にも、図12(a)〜(d)を参照しつつ説明したような手順により、上スプロケット62と下スプロケット63との高さ位置を鉄骨フレームに対して略10cmだけ上方に変更すれば、該段差を解消することができる。
【0102】
以上、図15、図16に基づき、ケージの取り付けリンク間隔、および、ケージの高さを変更した場合について説明した。
【0103】
次に、ケージの取り付けリンク間隔、ケージの高さ、および、ケージアタッチメントリンクの張り出し長さを変更した場合について説明する。
【0104】
前述したとおり、図15は、リンクピッチが略40cmの主務チェーン64に、高さ略160cmのケージ68aが4リンク間隔で取り付けられた既設の垂直循環式駐車装置の図である。この垂直循環式駐車装置に対して、ケージを高さの異なるものに変更し、ケージの取り付けリンク間隔を変更し、さらに、ケージアタッチメントリンクの張り出し長さを変更する。
【0105】
図17は変更後の垂直循環式駐車装置の図である。図17の垂直循環式駐車装置においては、リンクピッチが略40cmの主務チェーン64に、高さ略165cmの新たなケージ68cが5リンク間隔で取り付けられている。ケージアタッチメントリンクに関しては、元のケージアタッチメントリンク64b(図15参照)から、張り出し長さが略5cm長い新たなケージアタッチメントリンク64cに変更されている。主務チェーンの総リンク数に関しては、図15のときの状態からの変更はない。このような変更を施した場合にも、ケージの車両載置面U60と垂直循環式駐車装置の乗り入れ面B60との間に段差が生ずる。すなわち、図15の状態であれば、主務チェーン64の最下位置(乗り入れ位置)にあるケージ68aの車両載置面U60の高さ位置は、乗り入れ面B60の高さ位置に一致していたところ、図17の状態に変更されることにより、主務チェーン64の最下位置(乗り入れ位置)にあるケージ68cの車両載置面U60の高さ位置は、乗り入れ面B60の高さ位置よりも低くなり、略10cmの段差が生じている。このような場合にも、図12(a)〜(d)を参照しつつ説明したような手順により、上スプロケット62と下スプロケット63との高さ位置を鉄骨フレームに対して略10cmだけ上方に変更すれば、該段差を解消することができる。
【0106】
図15と図17とに基づき、ケージの取り付けリンク間隔、ケージの高さ、および、ケージアタッチメントリンクの張り出し長さを変更した場合について説明した。
【0107】
以上、図8〜17を参照しつつ、最下位置(乗り入れ位置)にあるケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離の変更分だけ、上スプロケットと下スプロケットの高さを変更することによって、ケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する発明の実施形態を説明した。
【0108】
該実施形態では、ケージの高さが変更される場合、ケージの高さが変更され、かつ、ケージの取り付けリンク間隔が変更される場合、および、ケージの高さが変更され、ケージの取り付けリンク間隔が変更され、かつ、ケージアタッチメントリンクの張り出し長さが変更される場合を示したが、要は、最下位置(乗り入れ位置)にあるケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から、そのケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離の変更に応じて、上スプロケットと下スプロケットの鉄骨フレームに対する高さ位置を変更させるようにすればよいのである。最下位置(乗り入れ位置)にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から、そのケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離の変更は、ケージの高さが変更されただけではなく、ケージアタッチメントリンクの張り出し長さの変更、ケージアタッチメントリンクとケージとの間に補助部材の長さの変更、該補助部材の追加、該補助部材の撤去等が併せてなされた場合にも生ずる。
【0109】
また、最下位置(乗り入れ位置)にあるケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離の変更分が、上スプロケットと該下スプロケットの移動距離に等しいという関係は、厳密なものでなくてもよい。例えば、主務チェーンの全長が新品のときよりも略2cm伸びてしまっているような既設の垂直循環式駐車装置の改造に際し、ケージを高さ略160cmのものから略169cmのものに変更し、上スプロケットと下スプロケットの鉄骨フレームに対する高さ位置を略10cmだけ上方に変更させるようにしてもよい。そうすると、主務チェーンの伸びによる位置ずれを解消することもできる。
【0110】
上記では、図1〜7を参照しつつ、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離の変更分を、リンク本数の変更によって相殺し、これによりケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する駐車装置改造方法(第1の改造方法)を説明した。また、図8〜17を参照しつつ、最下位置(乗り入れ位置)にあるケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離の変更分だけ、上スプロケットと下スプロケットの高さを変更することによって、ケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する駐車装置改造方法(第2の改造方法)を説明した。これらの改造方法(第1の改造方法と第2の改造方法)とを組み合わせることによって、ケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する駐車装置改造方法(第3の改造方法)を構成することもできる。
【0111】
すなわち、既設の垂直循環式駐車装置に対して、ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換することなどにより、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離が変更されたとき、主務チェーンのリンクの総本数を減少させ、かつ、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置を上昇させるという改造を施すのである。この改造において、主務チェーンにおける最下位置にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離がXからYに変更され、ピッチがPであるリンクの総本数がN本減少され、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置が距離Sだけ上昇されたとする。このとき、(Y−X)の値と(((P×N)/2)+S)の値とが略等しくなるようにする。そうすると、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差は生じない。
【0112】
図18は、垂直循環式駐車装置の乗り入れ面B80近傍における縦断面図である。この垂直循環式駐車装置は、図1や図8の垂直循環式駐車装置A,A40と同様に構成されている。図18(a)に示すように、その乗り入れ面B80の前部は他の部分(前部以外の部分)とは別の部材90によって構成されている。該部材90の上面は、乗り入れ面B80の後部側上面と同一平面上にあり、乗り入れ面B80は全体が平面状である。そして、乗り入れ面B80は、最下位置(乗り入れ位置)にあるケージ88の車輌載置面U80と、略同一の高さ位置にある。この前部部材90は脚部90aを備えた鋼板である。前部部材90の基端はヒンジ90bによって固定されている。よって、脚部90aを短くまたは長くすることにより前部部材90は傾斜し、乗り入れ面B80の前端が下降または上昇する。図18(b)では、脚部を短くすることにより乗り入れ面B80の前端が距離Tだけ下降した状態が示されている。図18(c)では、脚部を長くすることにより乗り入れ面B80の前端が距離Vだけ上昇した状態が示されている。なお、乗り入れ面の前端を下降または上昇させるためには、乗り入れ面の前部を傾斜させてもよいが、乗り入れ面の全体を傾斜させるようにしてもよい。要は、乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、その前端が下降または上昇すればよいのである。
【0113】
このようにして乗り入れ面の前端を下降または上昇させる方法を、上記した第1の改造方法、第2の改造方法、または、第3の改造方法と組み合わせることによって、ケージの車両載置面と乗り入れ面との段差を解消する駐車装置改造方法を構成することもできる。
【0114】
つまり、乗り入れ面の前端を下降させる方法を、上記した第1の改造方法、第2の改造方法、または、第3の改造方法と組み合わせることによって、ケージ等の交換に伴って生ずる、車両載置面と乗り入れ面とのより大きな段差を解消することができる。
【0115】
また、ケージ等の交換に伴って生ずる車両載置面と乗り入れ面との段差を、上記した第1の改造方法、第2の改造方法、または、第3の改造方法のみでほぼ解消することができたとしても、わずかに段差が生じてしまう場合がある。このわずかな段差を、乗り入れ面の前端を下降または上昇させることにより解消することができる。つまり、乗り入れ面の前端を下降または上昇させる方法を、該段差解消のための微調整として用いることができるのである。
【0116】
乗り入れ面の前端を下降させる方法と第1の改造方法とを組み合わせることによる駐車装置改造方法とは、既設の垂直循環式駐車装置に対して、ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換することなどにより、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離が変更されたとき、主務チェーンのリンクの総本数を減少させ、かつ、乗り入れ面の前端を下降させるという改造である。この改造において、主務チェーンにおける最下位置にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離がXからYに変更され、ピッチがPであるリンクの総本数がN本減少され、乗り入れ面の前端が距離Tだけ下降されたとする。このとき、(Y−X)の値と(((P×N)/2)+T)の値とが略等しくなるようにする。そうすると、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差は生じない。下降距離Tの値をあまり大きくすると、車輌が乗り入れ面と車輌載置面との間を移行するときに、車輌の底面の乗り入れ面への接触、いわゆる腹こすりを起こす。下降距離Tの値は、腹こすりが生じない程度の大きさにするのが望ましい。
【0117】
乗り入れ面の前端を上昇させる方法と第1の改造方法とを組み合わせることによる駐車装置改造方法とは、既設の垂直循環式駐車装置に対して、ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換することなどにより、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離が変更されたとき、主務チェーンのリンクの総本数を減少させ、かつ、乗り入れ面の前端を上昇させるという改造である。この改造において、主務チェーンにおける最下位置にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離がXからYに変更され、ピッチがPであるリンクの総本数がN本減少され、乗り入れ面の前端が距離Vだけ上昇されたとする。このとき、(Y−X)の値と(((P×N)/2)−V)の値とが略等しくなるようにする。そうすると、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差は生じない。上昇距離Vの値をあまり大きくすると、車輌が乗り入れ面と車輌載置面との間を移行するときに、車輌の底面の乗り入れ面への接触、いわゆる腹こすりを起こす。上昇距離Vの値は、腹こすりが生じない程度の大きさにするのが望ましい。
【0118】
また、乗り入れ面の前端を下降させる方法と第2の改造方法とを組み合わせることによる駐車装置改造方法とは、既設の垂直循環式駐車装置に対して、ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換することなどにより、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離が変更されたとき、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、かつ、乗り入れ面の前端を下降させるという改造である。この改造において、主務チェーンにおける最下位置にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離がXからYに変更され、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置が距離Sだけ上昇され、乗り入れ面の前端が距離Tだけ下降されたとする。このとき、(Y−X)の値と(S+T)の値とが略等しくなるようにする。そうすると、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差は生じない。
【0119】
また、乗り入れ面の前端を上昇させる方法と第2の改造方法とを組み合わせることによる駐車装置改造方法とは、既設の垂直循環式駐車装置に対して、ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換することなどにより、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離が変更されたとき、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、かつ、乗り入れ面の前端を上昇させるという改造である。この改造において、主務チェーンにおける最下位置にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離がXからYに変更され、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置が距離Sだけ上昇され、乗り入れ面の前端が距離Vだけ上昇されたとする。このとき、(Y−X)の値と(S−V)の値とが略等しくなるようにする。そうすると、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差は生じない。
【0120】
また、乗り入れ面の前端を下降させる方法と第3の改造方法とを組み合わせることによる駐車装置改造方法とは、既設の垂直循環式駐車装置に対して、ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換することなどにより、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離が変更されたとき、主務チェーンのリンクの総本数を減少させ、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、かつ、乗り入れ面の前端を下降させるという改造である。この改造において、主務チェーンにおける最下位置にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離がXからYに変更され、ピッチがPであるリンクの総本数がN本減少され、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置が距離Sだけ上昇され、乗り入れ面の前端が距離Tだけ下降されたとする。このとき、(Y−X)の値と(((P×N)/2)+S+T)の値とが略等しくなるようにする。そうすると、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差は生じない。
【0121】
また、乗り入れ面の前端を上昇させる方法と第3の改造方法とを組み合わせることによる駐車装置改造方法とは、既設の垂直循環式駐車装置に対して、ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換することなどにより、最下位置(乗り入れ位置)にあるときのケージのケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージの車両載置面までの距離が変更されたとき、主務チェーンのリンクの総本数を減少させ、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、かつ、乗り入れ面の前端を上昇させるという改造である。この改造において、主務チェーンにおける最下位置にあるケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離がXからYに変更され、ピッチがPであるリンクの総本数がN本減少され、上スプロケットと下スプロケットの建築構造体に対する高さ位置が距離Sだけ上昇され、乗り入れ面の前端が距離Vだけ上昇されたとする。このとき、(Y−X)の値と(((P×N)/2)+S−V)の値とが略等しくなるようにする。そうすると、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差は生じない。
【0122】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0123】
すなわち、既設の垂直循環式駐車装置に改造を施しても、ケージの車両載置面と乗り入れ面との間に段差が生ずることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態たる駐車装置改造方法を適用しようとする、既設の垂直循環式駐車装置の概略外観図である。
【図2】図1の垂直循環式駐車装置における、上スプロケット、下スプロケット、主務チェーン、ケージの結合構造を示す側面図である。
【図3】リンク列の外観図であり、(a)は撤去した普通車用ケージを吊り下げていたケージアタッチメントリンクを含む4本の連続したリンク列の外観図であり、(b)は新たにハイルーフ車用ケージを吊り下げるケージアタッチメントリンクを含む5本の連続したリンク列の外観図である。
【図4】改造を施した後の装置構造を示す構造図である。
【図5】下スプロケットの支持構造を示す側面図である。
【図6】改造前後における、乗り入れ位置におけるケージの高さを比較するための図であり、(a)は改造前のケージ等を、(b)は改造後のケージ等を示す。
【図7】チェーンアタッチメントリンクの構造の一例を示す側面図である。
【図8】本願発明の実施形態たる駐車装置改造方法を適用しようとする、既設の垂直循環式駐車装置の概略外観図である。
【図9】図8の垂直循環式駐車装置における上スプロケット周辺の構造を示す斜観図である。
【図10】図8の垂直循環式駐車装置における、上スプロケット、下スプロケット、主務チェーン、ケージの結合構造を示す側面図である。
【図11】高さ略160cmである12台のケージのすべてを、高さ略170cmのケージに交換したときの垂直循環式駐車装置の側面図である。
【図12】上スプロケットの鉄骨フレームに対する高さを略10cm分だけ上方に変更する手順を、(a)から(d)によって説明するための、基台周辺の側面図である。
【図13】油圧ジャッキで基台を鉄骨フレームから浮上させたときの状態を示す、上スプロケット周辺の斜観図である。
【図14】上スプロケットと下スプロケットの高さ位置の変更によりケージの車両載置面と乗り入れ面との段差が解消された、垂直循環式駐車装置の側面図である。
【図15】本願発明の実施形態たる駐車装置改造方法を適用しようとする、既設の垂直循環式駐車装置の側面図である。
【図16】図15の垂直循環駐車装置に対して、本願発明の実施形態たる駐車装置改造方法を適用した後の、垂直循環式駐車装置の側面図である。
【図17】図15の垂直循環駐車装置に対して、本願発明の実施形態たる駐車装置改造方法を適用した後の、垂直循環式駐車装置の側面図である。
【図18】垂直循環式駐車装置の乗り入れ面近傍の縦断面図である。
【図19】垂直循環式駐車装置の構造図である。
【図20】図19の垂直循環式駐車装置に、従来の改造方法を施して得られた垂直循環式駐車装置の構造図である。
【図21】ケージの種類による段差を解消するための構造図である。
【符号の説明】
A,A40 垂直循環式駐車装置
1,41 塔屋
2,42 上スプロケット
3,43 下スプロケット
4,44,64 主務チェーン
5,45 モータ
8a 普通車用ケージ
8b ハイルーフ車用ケージ
48a,48b,68a,68b,68c,88 ケージ
U,U40,U60,U80 車両載置面
B,B40,B60,B80 乗り入れ面
Claims (10)
- 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、を具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、
Yの値がXの値よりも大きく、
該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、(Y−X)の値が、((P×N)/2)の値に略等しく、
該下スプロケットの高さ位置を、(Y−X)の値に略等しい長さ分だけ上方に変更する、駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、を具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、
Yの値がXの値よりも大きく、
該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとしたとき、(Y−X)の値が、Sの値に略等しい、駐車装置改造方法。 - 該垂直循環式駐車装置が、該駆動源の駆動力を該上スプロケットに伝達するための伝達装置と、該駆動源と該伝達装置と該上スプロケットとがその上に取り付けられた基台とを備え、
該基台が該建築構造体に取り付けられ、
該基台の該建築構造体に対する高さ位置を上昇させることにより、該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させる、請求項2記載の駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、を具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、
該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、
Yの値がXの値よりも大きく、
該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離が(((P×N)/2)+S)に略等しく、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+S)の値に略等しい、駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、
該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を下降させ、
該下降距離をTとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+T)の値に略等しい、駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、
該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を下降させ、
該上昇距離をSとし、該下降距離をTとしたとき、(Y−X)の値が、(S+T)の値に略等しい、駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、
該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、
該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を下降させ、
該下降距離をTとし、該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離が(((P×N)/2)+S)に略等しく、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+S+T)の値に略等しい、駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、
該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位 置を上昇させ、
該上昇距離をVとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)−V)の値に略等しい、駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、
該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を上昇させ、
該上スプロケットと該下スプロケットの上昇距離をSとし、該乗り入れ面の前端の上昇距離をVとしたとき、(Y−X)の値が、(S−V)の値に略等しい、駐車装置改造方法。 - 垂直循環式駐車装置を改造する駐車装置改造方法であって、
該垂直循環式駐車装置は、建築構造体に取り付けられた上スプロケットと、下スプロケットと、該上スプロケットと該下スプロケットとの間に掛け渡された主務チェーンと、該上スプロケットを回転させるための駆動源と、乗り入れ面とを具備し、
該主務チェーンは複数のリンクを連結して構成され、
該複数のリンクのうちの少なくとも一のリンクは、ケージが吊下されるケージアタッチメントリンクであり、このケージアタッチメントリンクに自動車を格納するためのケージが吊り下げられ、
該乗り入れ面は、該主務チェーンにおける最下位置にある該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられた該ケージに車輌が乗り入れるための面であり、
該駐車装置改造方法は、該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられているケージを高さの異なる別のケージに交換し、
該ケージアタッチメントリンクが主務チェーンにおける最下位置にあるとき、該ケージアタッチメントリンクの両端のピンの中心を通る直線から該ケージアタッチメントリンクに吊り下げられたケージの車両載置面までの距離が、該交換の前後で、XからYに変更され、
該主務チェーンのリンクの総本数をN本減少させ、
該上スプロケットと該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置を上昇させ、
該乗り入れ面の一部または全体を傾斜させることにより、該乗り入れ面の前端の高さ位置を上昇させ、
該乗り入れ面の前端の上昇距離をVとし、該上スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離をSとし、該主務チェーンのリンクのピッチをPとしたとき、該下スプロケットの該建築構造体に対する高さ位置の上昇距離が(((P×N)/2)+S)に略等しく、(Y−X)の値が、(((P×N)/2)+S−V)の値に略等しい、駐車装置改造方法。
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