JP3635890B2 - 自動車用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車室内に前後方向にロングスライド可能にシートを設けた自動車用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図10に示すように、セパレート式のフロントシート1の後ろにベンチシート2を設け、このフロントシート1を前後方向に摺動可能に設けるとともに、ベンチシート2を車室内の車幅方向の両端側に形成された両ホイールハウス3,4の間までロングスライド可能に設けた自動車用シートが知られている(特開平9−39615号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような自動車用シートにあっては、ベンチシート2を両ホイールハウス3,4の間までロングスライド可能に設けているが、ホイールハウス3,4があることによりベンチシート2の車幅方向の長さを長く確保することができなかった。このため、ベンチシート2に3人掛けすることができないという問題があった。
【0004】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、ロングスライド可能であって3人掛けをすることのできる自動車用シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、自動車の車室内に前後方向に摺動可能にシートが設置されるとともに、このシートが車幅方向の両端側に形成された両ホイールハウスの間を摺動可能となっている自動車用シートにおいて、
前記シートのシート座部は、ホイールハウスと重なる位置までの車幅方向の幅を有し、
このシート座部を、ホイールハウスと重なり合う位置に位置する外側シート座部と、両ホイールハウスの間に位置する内側シート座部とに分割し、
前記外側シート座部を、内側シート座部にリンク部材を介して結合するとともに、前記ホイールハウスの上方位置の高さ位置まで移動可能にし、
前記外側シート座部を前記上方位置の高さ位置まで移動させて、内側シート座部を両ホイールハウスの間へ移動可能にしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、前記リンク部材は、前記内側シート座部に対し外側シート座部が上方へ回動展開されるヒンジ部を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、前記ヒンジ部は、ほぼ鉛直方向に沿って延設されるガイドレールに摺動可能に設けられ、
前記外側シート座部が非展開状態にあるとき、ヒンジ部は内側シート座部の表面より下方に位置され、
前記外側シート座部が回動展開される際に、前記ヒンジ部が内側シート座部の表面よりも上方に位置するように前記ガイドレールに沿って上方へ摺動移動されることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、前記外側シート座部が非展開状態にあるとき、外側シート座部に設けた係止部と内側シート座部に設けた第1被係止部とを係止することにより外側シート座部が内側シート座部に固定され、
外側シート座部を回動展開したとき、前記係止部がホイールハウス上に設けられた第2被係止部に係止することにより外側シート座部がホイールハウスに固定されることを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、前記第2被係止部は、シートのスライドピッチと同じ等間隔毎に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、前記リンク部材は、前記内側シート座部に一端が軸支された第1リンクアームと、前記外側シート座部に一端が軸支され他端が第1リンクアームの他端に軸支された第2リンクアームとを備え、
第1リンクアームと第2リンクアームとを互いに拡開する方向に付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、前記リンク部材は、前記第1リンクアームの一端または第2リンクアームの一端に設けた係合部材と、
前記内側シート座部または外側シート座部に設けられ前記係合部材に設けた係合部に係合して第1リンクアームおよび第2リンクアームの拡開を止めるストッパ部材とからなる保持機構を備えていることを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、前記第1リンクアームと第2リンクアームに跨って、両者の拡開方向への回動を規制する規制部材を設けたことを特徴とする。
【0013】
【作用】
請求項1の発明によれば、シート座部は、ホイールハウスと重なる位置までの車幅方向の幅を有するので、3人掛けすることができる。しかも、シート座部を、ホイールハウスと重なり合う位置に位置する外側シート座部と、両ホイールハウスの間に位置する内側シート座部とに分割し、前記外側シート座部を、内側シート座部にリンク部材を介して結合するとともに、前記ホイールハウスの上方位置の高さ位置まで移動可能にし、前記外側シート座部を前記上方位置の高さ位置まで移動させて、内側シート座部を両ホイールハウスの間へ移動可能にしたものであるから、外側シート座部をホイールハウスの上方位置まで移動させることができ、これにより、シートを両ホイールハウスの間に摺動移動させることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、リンク部材は、内側シート座部に対し外側シート座部が上方へ回動展開とされるヒンジ部を備えているので、内側シート座部に対する外側シート座部の回動展開を簡単に行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、ヒンジ部はほぼ鉛直方向に沿って延設されるガイドレールに摺動可能に設けられているので、外側シート座部を上方へ移動させることが容易なものとなり、また、外側シート座部が非展開状態にあるとき、ヒンジ部は内側シート座部の表面より下方に位置されているのでヒンジ部が邪魔になって着座感覚を阻害してしまうことがない。さらに、ヒンジ部をガイドレールに沿って上方へ摺動移動させて内側シート座部の表面よりも上方に位置させ、この後、外側シート座部を回動展開せることにより、外側シート座部をさらに高い位置へ移動させてホイールハウスの上方位置へ移動させることができ、このため、ガイドレールの長さを短くすることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、外側シート座部が非展開状態にあるとき、外側シート座部に設けた係止部と内側シート座部に設けた第1被係止部とを係止することにより外側シート座部が内側シート座部に固定されるので、外側シート座部が車両の振動によりガタついてしまうことが防止される。また、外側シート座部を回動展開したとき、前記係止部がホイールハウス上に設けられた第2被係止部に係止することにより外側シート座部がホイールハウスに固定されるので、この外側シート座部をアームレストとして使用した場合にこの外側シート座部が車両の振動によりガタついてしまうことが防止される。
【0017】
請求項5の発明によれば、第2被係止部は、シートのスライドピッチと同じ等間隔毎に設けられているものであるから、シートの前後方向のスライド移動に合わせて外側シート座部をホイールハウスに固定することができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、リンク部材は、内側シート座部に一端が軸支された第1リンクアームと、外側シート座部に一端が軸支され他端が第1リンクアームの他端に軸支された第2リンクアームとを備え、第1リンクアームと第2リンクアームとを互いに拡開する方向に付勢する弾性部材を設けたものであるから、外側シート座部をほぼ鉛直方向へ確実に上昇させることができ、しかも、弾性部材の付勢力によって上昇させるものであるから、その移動操作は簡単なものとなる。
【0019】
請求項7の発明によれば、リンク部材は、第1リンクアームの一端または第2リンクアームの一端に設けた係合部材と、内側シート座部または外側シート座部に設けられ係合部材に設けた係合部に係合して第1リンクアームおよび第2リンクアームの拡開を止めるストッパ部材とからなる保持機構を備えているものであるから、外側シート座部を所定の上方位置へ移動させて保持することができる。
【0020】
請求項8の発明によれば、第1リンクアームと第2リンクアームに跨って、両者の拡開方向への回動を規制する規制部材を設けたものであるから、外側シート座部を所定の高さ位置まで上昇させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる自動車用シートの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1ないし図3において、10,10は自動車の車室11内に設けられた後部シートであり、この後部シート10,10は、車幅方向の両端側に形成された両ホイールハウス12(片側は図示せず)の間をスライドレール13…に沿って摺動可能となっている。
【0023】
後部シート10は、シート座部20と背もたれ21とを備えており、シート座部20は、内側シート座部22と、この内側シート座部22の車幅方向の一側面側に設けられた外側シート座部23,23とに分割されている。内側シート座部22は両ホイールハウス12の間の位置に位置し、外側シート座部23,23はホイールハウス12と重なり合う位置に位置している。
【0024】
内側シート座部22は、フレーム(図示せず)とこのフレームに取り付けられたシートクッション部材24とから構成され、図4および図5に示すように、前後方向に延びたフレームの側板30の前後には、保持板部31,31が形成され、この保持板部31,31には上下方向に延びたガイドレール32,32が取り付けられている。ガイドレール32,32にはアーム部材40,40が取り付けられており、このアーム部材40,40の一端には上方に延びた連結部41,41が形成されている。
【0025】
アーム部材40,40はガイドレール32,32に沿って上下動自在となっており、ガイドレール32,32の下部にはストッパ33,33が形成され、アーム部材40,40のガイドレール32,32からの脱落が防止されている。
【0026】
側板30の前端には、外側シート座部23へ延びたアーム部34が形成され、このアーム部34の先端には係合孔(図示せず)を有する係合部35が設けられている。他の内側シート座部22も同様な構成となっているのでその説明は省略する。
【0027】
外側シート座部23は、フレーム(図示せず)とこのフレームに取り付けられたシートクッション部材50とから構成され、前後方向に延びたフレームの側板51の前後には、上下方向に延びた保持板部52,52が取り付けられている。この保持板部52,52の上部には、ヒンジ部53,53が形成され、このヒンジ部53,53にはアーム部材40,40の連結部41,41の上端部が接続されている。この接続により、外側シート座部23は、図6に示すように、アーム部材40,40とともにガイドレール32,32に沿って上下動可能となっている。また、ヒンジ部53,53により外側シート座部23は反時計方向へ回動展開可能となっている。そして、ガイドレール32と、アーム部材40と、ヒンジ部53と、保持板部52とでリンク部材が構成される。
【0028】
ヒンジ部53,53は、アーム部材40,40が最下方位置(ストッパ33,33によって係止される図5に示す位置)に移動されているとき、内側シート座部22の表面22aより下方に位置するようになっており、これにより乗員の腰掛の邪魔になってしまうことが防止される。また、アーム部材40,40がガイドレールに沿って最上方位置(図6に示す位置)に移動されたとき、内側シート座部22の表面22aより上方に位置するようになっている。
【0029】
アーム部材40,40が最下方位置に移動されているときは、内側シート座部22の表面22aと外側シート座部23の表面23aとがほぼ同一高さになるように設定されている。
【0030】
外側シート座部23は、図7に示すように、ヒンジ部53,53を中心にして回動展開するものであり、この回動展開により外側シート座部23はさらに高い位置へ移動する。すなわち、外側シート座部23はホイールハウス12の上に載置できる高さ位置へ移動することになる。このため、ガイドレール32,32の長さが短じかくても、ホイールハウス12,12の上に載せる高さ位置へ移動させることができることになる。
【0031】
側板51の前端には、取付部55が形成され、この取付部55にはレバー56が取り付けられており、このレバー56の先端には、内側シート座部23に設けた係合部35の係合孔35Aに係合するフック部56Aが形成され、図4に示すように、レバー56のフック部56Aを係合部35の係合孔35Aに係合させて、矢印P1方向へ回動させると、その係合がロックされて外側シート座部23は内側シート座部22に固定される。そして、レバー56を矢印P2方向に回動させると、そのロックが解除されて、フック部56Aが係合孔35Aから外れるようになっている。
【0032】
他の外側シート座部23も上記と同様な構成になっており、外側シート座部23と内側シート座部22とが同様な構成で接続されているので、その説明は省略する。
【0033】
各ホイールハウス12の上面には、図1に示すように、前後方向に沿って後部シート10のスライドピッチと等ピッチでリング57が設けられており、図7に示すように、このリング57にはレバー56のフック部56Aが係合するようになっている。そして、レバー56を矢印P1(図4参照)方向へ回動させると、その係合がロックされ、レバー56を矢印P2方向へ回動させるとそのロックが解除されるようになっている。
【0034】
次に、この自動車用シートの使用方法について説明する。
【0035】
先ず、後部シート10,10を3人掛けとして使用する場合には、図1に示すように、後部シート10,10を両ホイールハウス12に挟み込まれる位置より前方へ移動させておくとともに、外側シート座部23を図5に示すようにガイドレール32,32に沿って最下方に位置に移動させておく。この移動により、これらシート座部22,22,23,23は、ホイールハウスと重なる位置まで設けられた状態となるとともに、各シート座部22,22,23,23の上面の高さはほぼ同一となり、これらシート座部22,22,23,23に3人掛けができることとなる。
【0036】
そして、レバー56のフック部56Aを係合部35の係合孔35Aに係合させ、このレバー56を矢印P1方向へ回動させてその係合をロックさせれば、外側シート座部23,23は内側シート座部22,22に固定され、車両の振動によって各外側シート座部23はガタついてしまうことが防止される。
【0037】
後部シート10,10を両ホイールハウス12の間に移動させる場合には、レバー56を矢印P2方向へ回動させてそのロックを解除し、図6に示すように、外側シート座部23,23をガイドレール32,32に沿って上方へ移動させる。この後、外側シート座部23,23を図7に示すようにヒンジ部53,53を中心にして回動展開させてホイールハウス12,12の上に載せる高さ位置へ移動させる。外側シート座部23,23の回動展開は、ヒンジ部53,53により簡単に行うことができる。
【0038】
外側シート座部23,23の回動展開により、後部シート10,10を両ホイールハウス12の間へ移動させていくことができる。すなわち、後部シート10,10のロングスライドが可能となる。
【0039】
そして、後部シート10,10を後方の所望位置まで摺動移動させていく。この際、外側シート座部23,23をホイールハウス12,12の上に載せながら移動させていく。
【0040】
後部シート10,10を所望位置まで摺動移動させたら、レバー56のフック部56Aをリング57の孔57Aに係合させてレバー56を矢印P1方向へ回動させる。この回動によりその係合がロックされ、外側シート座部23,23はホイールハウス12,12に固定さる。リング57は、後部シート10,10のスライドピッチと等ピッチで設けられているので、レバー56によるロックを確実に行うことができる。固定された外側シート座部23,23はアームレストとして使用できることになる。
【0041】
このように、外側シート座部23を図5に示すようにガイドレール32,32の最下方位置に移動させておくことにより、後部シート10,10を3人掛けとして使用することができ、外側シート座部23を図7に示す位置へ回動展開することにより、後部シート10,10をロングスライドさせることができる。
【0042】
[第2実施形態]
図8および図9は第2実施形態を示したものであり、60,70は内側シート座部22と外側シート座部23とを連結したリンク機構である。
【0043】
リンク機構60,70は、内側シート座部22のフレームの側板30に一端が軸支された第1リンクアーム61,71と、外側シート座部23のフレームの側板51に一端が軸支され他端が第1リンクアーム61,71の他端に軸支された第2リンクアーム62,72と、第2リンクアーム62,72の一端に固定された係合板63,73と、第1リンクアーム61,71に取り付けられた円弧状のガイド部材64,74と、第1リンクアーム61,71と第2リンクアーム62,72を互いに拡開する方向に付勢するスプリング65,75とを備えている。
【0044】
ガイド部材64,74には、円弧状のガイド溝64A,74Aが形成され、このガイド溝64A,74Aには第2リンクアーム62,72に設けたピン62P,72Pがガイド溝64A,74Aに沿って移動可能に挿入されている。
【0045】
係合板63,73には、凹部63A,63B,73A,73Bが形成され、この凹部63A,73Aには、外側シート座部23の側板51に軸支した棒状の係止部材66,76の一端が係合している。
【0046】
係止部材66,76の他端部にはワイヤWが接続され、このワイヤWはレバー80の一端に接続されている。レバー80の他端は側板51に軸支され、レバー80は矢印Q1方向へ回動可能となっている。なお、ワイヤWはロッド等別の伝達機構を適用してもよい。
【0047】
レバー80が図8に示す実線位置にあるとき、係止部材66,76はワイヤWにより時計方向へ回動できないようになっている。このため、図8に示すように、係止部材66,76が係合板63,73の凹部63A,73Aに係合しているとき、第1リンクアーム61,71および第2リンクアーム62,72はスプリング65,75の付勢力により拡開せずに、この状態にロックされている。そして、係合板63,73と係止部材66,76とで保持機構が構成される。
【0048】
レバー80を鎖線位置まで回動させると、係止部材66,76がワイヤWによって反時計方向へ回動し、係止部材66,76による係合板63,73の凹部63A,73Aへの係合が解除される。この解除により、第1リンクアーム61,71および第2リンクアーム62,72はスプリング65,75の付勢力により拡開していき、この拡開とともに外側シート座部23は上昇されていく。
【0049】
この上昇移動量は、ガイド部材64,74のガイド溝64A,74Aと、ガイド溝64A,74Aに挿入されているピン62P,72Pとによって規制される。つまり、図9に示すように、ピン62P,72Pがガイド溝64A,74Aの上端部64a,74aに当接する位置まで、外側シート座部23は上昇される。そして、この位置まで外側シート座部23が上昇すると、係止部材66,76が係合板63,73の凹部63B,73Bに係合する。この係合により、図9に示す位置に外側シート座部23がロックされることになる。
【0050】
このように、レバー80によって係止部材66,76の凹部63A,73の係合を解除すれば、スプリング65,75の付勢力によって自動的に外側シート座部23が確実に上昇させることができ、また、外側シート座部23は所定の高さ位置まで上昇すると固定されるので、その操作は至って簡単なものとなる。
【0051】
この外側シート座部23をもとの状態に戻す場合には、レバー80をQ1方向へ回動させて、係止部材66,76による係合板63,73の凹部63B,73Bへの係合を解除させ、スプリング65,75の付勢力に抗して外側シート座部23を上から押し下げていく。この押し下げにより、外側シート座部23は図8に示す位置に戻る。
【0052】
この第2実施形態も第1実施形態と同様に、3人掛けとして使用する場合には、外側シート座部23を図8に示す位置に固定するものであり、後部シート10,10をロングスライドさせて使用する場合には、図9に示す位置に上昇させるものである。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、シート座部は、ホイールハウスと重なる位置までの車幅方向の幅を有するので、3人掛けすることができる。しかも、シート座部を、ホイールハウスと重なり合う位置に位置する外側シート座部と、両ホイールハウスの間に位置する内側シート座部とに分割し、前記外側シート座部を、内側シート座部にリンク部材を介して結合するとともに、前記ホイールハウスの上方位置の高さ位置まで移動可能にし、前記外側シート座部を前記上方位置の高さ位置まで移動させて、内側シート座部を両ホイールハウスの間へ移動可能にしたものであるから、外側シート座部をホイールハウスの上方位置まで移動させることができ、これにより、シートを両ホイールハウスの間に摺動移動させることができる。
【0054】
請求項2の発明によれば、リンク部材は、内側シート座部に対し外側シート座部が上方へ回動展開とされるヒンジ部を備えているので、内側シート座部に対する外側シート座部の回動展開を簡単に行うことができる。
【0055】
請求項3の発明によれば、ヒンジ部はほぼ鉛直方向に沿って延設されるガイドレールに摺動可能に設けられているので、外側シート座部を上方へ移動させることが容易なものとなり、また、外側シート座部が非展開状態にあるとき、ヒンジ部は内側シート座部の表面より下方に位置されているのでヒンジ部が邪魔になって着座感覚を阻害してしまうことがない。さらに、ヒンジ部をガイドレールに沿って上方へ摺動移動させて内側シート座部の表面よりも上方に位置させ、この後、外側シート座部を回動展開せることにより、外側シート座部をさらに高い位置へ移動させてホイールハウスの上方位置へ移動させることができ、このため、ガイドレールの長さを短くすることができる。
【0056】
請求項4の発明によれば、外側シート座部が非展開状態にあるとき、外側シート座部に設けた係止部と内側シート座部に設けた第1被係止部とを係止することにより外側シート座部が内側シート座部に固定されるので、外側シート座部が車両の振動によりガタついてしまうことが防止される。また、外側シート座部を回動展開したとき、前記係止部がホイールハウス上に設けられた第2被係止部に係止することにより外側シート座部がホイールハウスに固定されるので、この外側シート座部をアームレストとして使用した場合にこの外側シート座部が車両の振動によりガタついてしまうことが防止される。
【0057】
請求項5の発明によれば、第2被係止部は、シートのスライドピッチと同じ等間隔毎に設けられているものであるから、シートの前後方向のスライド移動に合わせて外側シート座部をホイールハウスに固定することができる。
【0058】
請求項6の発明によれば、リンク部材は、内側シート座部に一端が軸支された第1リンクアームと、外側シート座部に一端が軸支され他端が第1リンクアームの他端に軸支された第2リンクアームとを備え、第1リンクアームと第2リンクアームとを互いに拡開する方向に付勢する弾性部材を設けたものであるから、外側シート座部をほぼ鉛直方向へ確実に上昇させることができ、しかも、弾性部材の付勢力によって上昇させるものであるから、その移動操作は簡単なものとなる。
【0059】
請求項7の発明によれば、リンク部材は、第1リンクアームの一端または第2リンクアームの一端に設けた係合部材と、内側シート座部または外側シート座部に設けられ係合部材に設けた係合部に係合して第1リンクアームおよび第2リンクアームの拡開を止めるストッパ部材とからなる保持機構を備えているものであるから、外側シート座部を所定の上方位置へ移動させて保持することができる。
【0060】
請求項8の発明によれば、第1リンクアームと第2リンクアームに跨って、両者の拡開方向への回動を規制する規制部材を設けたものであるから、外側シート座部を所定の高さ位置まで上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る自動車用シートを後部シートに適用した自動車の車室内を示した斜視図である。
【図2】図1の後部シートを示した平面図である。
【図3】後部シートのスライド移動距離を示した説明図である。
【図4】レバーによる外側シート座部のロックを示した説明図である。
【図5】内側シート座部と外側シート座部との結合状態を示した説明図である。
【図6】外側シート座部を上昇させた状態を示した説明図である。
【図7】外側シート座部を回動展開させた状態を示した説明図である。
【図8】第2実施形態の構成を示した概略説明図である。
【図9】外側シート座部を上昇させたときの状態を示した説明図である。
【図10】従来の自動車用シートを示した説明図である。
【符号の説明】
10 後部シート(シート)
11 車室内
12 ホイールハウス
20 シート座部
22 内側シート座部
23 外側シート座部
32 ガイドレール
40 アーム部材
52 保持板部
53 ヒンジ部
Claims (8)
- 自動車の車室内に前後方向に摺動可能にシートが設置されるとともに、このシートが車幅方向の両端側に形成された両ホイールハウスの間を摺動可能となっている自動車用シートにおいて、
前記シートのシート座部は、ホイールハウスと重なる位置までの車幅方向の幅を有し、
このシート座部を、ホイールハウスと重なり合う位置に位置する外側シート座部と、両ホイールハウスの間に位置する内側シート座部とに分割し、
前記外側シート座部を、内側シート座部にリンク部材を介して結合するとともに、前記ホイールハウスの上方位置の高さ位置まで移動可能にし、
前記外側シート座部を前記上方位置の高さ位置まで移動させて、内側シート座部を両ホイールハウスの間へ移動可能にしたことを特徴とする自動車用シート。 - 前記リンク部材は、前記内側シート座部に対し外側シート座部が上方へ回動展開されるヒンジ部を備えていることを特徴とする請求項1の自動車用シート。
- 前記ヒンジ部は、ほぼ鉛直方向に沿って延設されるガイドレールに摺動可能に設けられ、
前記外側シート座部が非展開状態にあるとき、ヒンジ部は内側シート座部の表面より下方に位置され、
前記外側シート座部が回動展開される際に、前記ヒンジ部が内側シート座部の表面よりも上方に位置するように前記ガイドレールに沿って上方へ摺動移動されることを特徴とする請求項2の自動車用シート。 - 前記外側シート座部が非展開状態にあるとき、外側シート座部に設けた係止部と内側シート座部に設けた第1被係止部とを係止することにより外側シート座部が内側シート座部に固定され、
外側シート座部を回動展開したとき、前記係止部がホイールハウス上に設けられた第2被係止部に係止することにより外側シート座部がホイールハウスに固定されることを特徴とする請求項2または請求項3の自動車用シート。 - 前記第2被係止部は、シートのスライドピッチと同じ等間隔毎に設けられていることを特徴とする請求項4の自動車用シート。
- 前記リンク部材は、前記内側シート座部に一端が軸支された第1リンクアームと、前記外側シート座部に一端が軸支され他端が第1リンクアームの他端に軸支された第2リンクアームとを備え、
第1リンクアームと第2リンクアームとを互いに拡開する方向に付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1の自動車用シート。 - 前記リンク部材は、前記第1リンクアームの一端または第2リンクアームの一端に設けた係合部材と、
前記内側シート座部または外側シート座部に設けられ前記係合部材に設けた係合部に係合して第1リンクアームおよび第2リンクアームの拡開を止めるストッパ部材とからなる保持機構を備えていることを特徴とする請求項6の自動車用シート。 - 前記第1リンクアームと第2リンクアームに跨って、両者の拡開方向への回動を規制する規制部材を設けたことを特徴とする請求項6または請求項7の自動車用シート。
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