JP7338522B2 - 乗物用シート - Google Patents

乗物用シート Download PDF

Info

Publication number
JP7338522B2
JP7338522B2 JP2020044270A JP2020044270A JP7338522B2 JP 7338522 B2 JP7338522 B2 JP 7338522B2 JP 2020044270 A JP2020044270 A JP 2020044270A JP 2020044270 A JP2020044270 A JP 2020044270A JP 7338522 B2 JP7338522 B2 JP 7338522B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
vehicle seat
link
hinge pin
back frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020044270A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021142947A (ja
Inventor
裕弥 赤井
征人 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2020044270A priority Critical patent/JP7338522B2/ja
Publication of JP2021142947A publication Critical patent/JP2021142947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7338522B2 publication Critical patent/JP7338522B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

本開示は、乗物用シートに関する。
車両等に配置される乗物用シートには、シートバックの後方への出入りを可能にするためにシートバックを大きく前倒しするウォークイン機構が設けられる。ウォークイン機構は、シートバックを前倒しすると共に、スライド装置のロックを解除してシートクッションを前方へ移動可能にする。
ウォークイン機構は、シートバックの前倒し時に、スライド装置のロックを解除するための作動リンクを有する(特許文献1参照)。この作動リンクは、バックフレームと共に回転することで、伝達部材を介して、スライド装置のロックを解除する。
特許第5794162号
上述の作動リンクは、バックフレームに組み付けられたヒンジピンによって支持されている。具体的には、作動リンクに挿通させたヒンジピンにプッシュナットを取り付けることによって作動リンクの脱落を防止している。
このような作動リンクの支持機構では、プッシュナットを取り付けるための工具が必要である。また、プッシュナットの押し込み量によって、作動リンクの位置及び摺動抵抗が変化するため、押し込み量(つまりクリアランス)の管理が必要である。そのため、作動リンクの組み付け時の工数増加が避けられない。また、プッシュナットの押し込み量の管理が適切でないと、品質が低下する。
本開示の一局面は、ウォークイン機構の製造コストを低減しつつ品質を向上できる乗物用シートを提供することを目的としている。
本開示の一態様は、シートクッション(2)と、シートクッション(2)に対してシート前後方向に揺動可能なシートバック(3)と、シートバック(3)を支持するバックフレーム(5)と、シートクッション(2)をシート前後方向にスライドさせるように構成されたスライド装置(7)と、バックフレーム(5)を前倒しさせるように構成されたウォークイン機構(9)と、を備える乗物用シート(1)である。
スライド装置(7)は、シートクッション(2)に取り付けられた可動レール(71A)と、可動レール(71A)をスライド可能に支持する固定レール(72A)と、可動レール(71A)のスライドを規制するロック状態と、可動レール(71A)のスライドを許容する解除状態とに変位するように構成されたスライドロック(73A)とを有する。
ウォークイン機構(9)は、スライドロック(73A)に連結された伝達部材(95)と、バックフレーム(5)の前倒しに連動して回転することで伝達部材(95)を介してスライドロック(73A)を解除状態に変位させるように構成された作動リンク(96)と、作動リンク(96)を回転可能に支持するヒンジピン(97)と、を有する。
ヒンジピン(97)は、先端部(97A)と、根元部(97B)と、ヒンジピン(97)の軸方向において先端部(97A)と根元部(97B)との間に配置されると共に、先端部(97A)及び根元部(97B)よりも周方向の少なくとも一部が径方向に凹んだ溝部(97C)と、を有する。作動リンク(96)は、ヒンジピン(97)が挿通される開口部(96A)を有する。開口部(96A)は、先端部(97A)が挿入可能な挿入部(961)と、挿入部(961)に連通すると共に、作動リンク(96)の回転時に溝部(97C)に摺動する内面を有する摺動部(962)と、を有する。
このような構成によれば、作動リンク(96)において、ヒンジピン(97)の先端部(97A)を開口部(96A)の挿入部(961)に挿入し、開口部(96A)内でヒンジピン(97)を相対的に動かすことで摺動部(962)に溝部(97C)を配置することができる。溝部(97C)は、先端部(97A)及び根元部(97B)よりも径が小さいため、先端部(97A)及び根元部(97B)が摺動部(962)の周辺部と重なることで作動リンク(96)の脱落が防止される。したがって、プッシュナットを用いることなく、作動リンク(96)を組み付けることができるため、部品点数が低減されると共に、プッシュナット用の工具が不要となる。
さらに、摺動部(962)に溝部(97C)が配置されることによって作動リンク(96)の回転軸と平行な方向の移動が規制される。そのため、作動リンク(96)の組み付け時のクリアランス調整が容易になる。その結果、作動リンク(96)の組み付け工数が低減されると共に、ウォークイン機構(9)の品質が向上する。
本開示の一態様では、ウォークイン機構(9)は、溝部(97C)に摺動部(962)の内面を押し当てる向きに作動リンク(96)を付勢する弾性体(98)をさらに有してもよい。このような構成によれば、作動リンク(96)の回転が安定する。その結果、的確にスライド装置(7)のロックを解除することができる。
本開示の一態様では、弾性体(98)は、テンションスプリングであってもよい。このような構成によれば、弾性体(98)の配置が容易になるため、ウォークイン機構(9)の設計自由度が向上する。
本開示の一態様では、弾性体(98)は、スライドロック(73A)を解除状態に変位させる方向とは逆向きに作動リンク(96)を付勢してもよい。このような構成によれば、バックフレーム(5)を前倒し状態から復帰させる際に、部品点数を増やすことなく、作動リンク(96)を的確に初期位置に戻す機能を追加できる。
本開示の一態様では、ウォークイン機構(9)は、バックフレーム(5)をシート前方に揺動する向きに付勢するスパイラルスプリング(92)をさらに有してもよい。作動リンク(96)は、シート幅方向において、スパイラルスプリング(92)とバックフレーム(5)との間に配置されてもよい。このような構成によれば、乗物用シート(1)のシート幅方向の寸法を低減することができる。
本開示の一態様では、開口部(96A)は、L字状であってもよい。このような構成によれば、作動リンク(96)をヒンジピン(97)に組み付ける際に作動リンク(96)が動く領域を小さくできる。その結果、組み付け時の作動リンク(96)と他の部品との干渉を避けることができる。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
図1は、実施形態の乗物用シートを示す模式的な斜視図である。 図2は、図1の乗物用シートにおけるスライド装置、リクライニング装置、及びウォークイン機構の模式的な斜視図である。 図3は、図2のスライド装置の模式的な斜視図である。 図4は、図2のウォークイン機構の模式的な分解斜視図である。 図5は、図2のウォークイン機構の作動リンクを示す模式的な平面図である。 図6は、通常状態における図2のウォークイン機構を示す模式的な側面図である。 図7は、前倒し状態における図2のウォークイン機構を示す模式的な側面図である。 図8は、作動リンクの組み付け時の一工程を示す模式的な側面図である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す乗物用シート1は、シートクッション2と、シートバック3と、クッションフレーム4と、バックフレーム5と、スライド装置7と、リクライニング装置8と、ウォークイン機構9とを備える。
乗物用シート1は、乗用車の座席シートとして使用される。なお、以下の説明及び各図面における方向は、乗物用シート1を乗物(つまり乗用車)に組み付けた状態における方向を意味する。本実施形態では、シート幅方向は、乗物の左右方向に一致し、シート前方は、乗物の前方に一致する。
シートクッション2は、着席者の臀部を支持するための部位である。シートバック3は、着席者の背部を支持するための部位である。シートバック3は、シートクッション2に対してシート前後方向に揺動可能である。クッションフレーム4は、シートクッション2を支持する。
バックフレーム5は、シートバック3を支持すると共に、シートバック3と共にシート前後方向に揺動可能である。バックフレーム5は、上下方向に延伸すると共に、シート幅方向に互いに離間して配置された左サイドフレーム51及び右サイドフレーム52を有する。
<スライド装置>
スライド装置7は、シートクッション2及びシートバック3をシート前後方向にスライドさせるように構成されている。
スライド装置7は、図2に示すように、第1可動レール71Aと、第2可動レール71Bと、第1固定レール72Aと、第2固定レール72Bと、第1スライドロック73Aと、第2スライドロック73Bとを有する。
第1可動レール71A及び第2可動レール71Bは、それぞれ、シート前後方向に延伸すると共に、クッションフレーム4を介してシートクッション2に取り付けられている。第1可動レール71A及び第2可動レール71Bは、シート幅方向に互いに離間して配置されている。
第1固定レール72A及び第2固定レール72Bは、それぞれ、シート前後方向(つまり可動レール71A,71Bのスライド方向)に延伸すると共に、乗物のフロアに固定されている。
第1固定レール72Aは、第1可動レール71Aをシート前後方向にスライド可能に支持している。第2固定レール72Bは、第2可動レール71Bをシート前後方向にスライド可能に支持している。
第1スライドロック73Aは、図2に示す第1可動レール71Aのスライドを規制するロック状態と、図3に示す第1可動レール71Aのスライドを許容する解除状態とに変位するように構成されている。
具体的には、第1スライドロック73Aは、ロックリンク731と、コイルバネ732とを有する。ロック状態では、第1可動レール71A内に配置されたロックスプリング(図示省略)が第1固定レール72Aに係合することで第1可動レール71Aがロックされる。ロック状態では、ロックリンク731は、ロックスプリングの第1固定レール72Aへの係合を阻害しないロック位置に存在する。
解除状態では、ロックリンク731はロックスプリングを下方に押圧する解除位置に存在する。ロックリンク731が回転によってロック位置から解除位置に移動することで、ロックスプリングの第1固定レール72Aへの係合が解除される。
ロックリンク731は、後述するウォークイン機構9の伝達部材95によるシート後方への引張力によってロック位置から解除位置に回転する。また、ロックリンク731は、コイルバネ732によって、ロック位置に向けて付勢されている。そのため、伝達部材95による引張力がなくなると、ロックリンク731は、解除位置からロック位置に回転移動する。
第2スライドロック73Bは、第1スライドロック73Aと同様の機構によって、第2可動レール71Bのスライドを規制するロック状態と、第2可動レール71Bのスライドを許容する解除状態とに変位するように構成されている。
<リクライニング装置>
リクライニング装置8は、図2に示すように、第1リクライナ8Aと、第2リクライナ8Bと、連結ロッド8Cとを有する。
第1リクライナ8A及び第2リクライナ8Bは、それぞれ、バックフレーム5をクッションフレーム4に対してシート前後方向に揺動可能に連結している。第1リクライナ8Aは、左サイドフレーム51の下方に配置されている。第2リクライナ8Bは、右サイドフレーム52の下方に配置されている。
連結ロッド8Cは、第1リクライナ8Aと第2リクライナ8Bをシート幅方向に連結している。連結ロッド8Cの右端部は、第2リクライナ8Bを貫通している。連結ロッド8Cの左端部は、後述するヒンジピン97と連結されている。つまり、連結ロッド8Cは、ヒンジピン97を介して、第1リクライナ8Aと第2リクライナ8Bとを連結している。
<ウォークイン機構>
ウォークイン機構9は、バックフレーム5をクッションフレーム4に対する揺動により前倒しさせるように構成されている。ウォークイン機構9によるバックフレーム5の前倒しでは、リクライニング装置8による揺動の範囲よりもシート前方にバックフレーム5が揺動する。
図4に示すように、ウォークイン機構9は、取付ブラケット91と、スパイラルスプリング92と、当接ブラケット93と、伝達部材95(図2参照)と、作動リンク96と、ヒンジピン97と、弾性体98と、取付バネ99とを有する。
(取付ブラケット)
取付ブラケット91は、第1締結具94A及び第2締結具94Bによってクッションフレーム4に固定された板状の部材である。
取付ブラケット91は、左サイドフレーム51のシート幅方向外側(つまり左方)に配置されている。また、取付ブラケット91の右面には、第1リクライナ8Aが取り付けられている。取付ブラケット91は、第1係合部91Aと、第2係合部91Bと、軸部91Cとを有する。
第1係合部91Aは、後述するスパイラルスプリング92の第2端部92Bが係合する部位である。第2係合部91Bは、後述する弾性体98の第2端部98Bが係合する部位である。第1係合部91A及び第2係合部91Bは、それぞれ、左サイドフレーム51よりも左方に突出している。
軸部91Cは、後述するヒンジピン97が挿通される中空部を有する。軸部91Cは、ヒンジピン97が軸部91Cに対して相対回転しない形状を有する。換言すれば、取付ブラケット91は、軸部91Cを介してヒンジピン97と共に、左サイドフレーム51に対し相対的に回転する。
(スパイラルスプリング)
スパイラルスプリング92は、バックフレーム5をシート前方に揺動する向きに付勢する。スパイラルスプリング92は、巻回の外側の端部である第1端部92Aと、巻回の内側の端部である第2端部92Bとを有する。
スパイラルスプリング92は、左方向から視て、第2端部92Bから第1端部92Aに向かって時計回りに帯状体が巻回されることで構成されている。スパイラルスプリング92の巻回中心軸は、バックフレーム5の揺動中心軸と一致している。
第1端部92Aは、後述する当接ブラケット93にシート後方から当接するように係合している。第2端部92Bは、取付ブラケット91の第1係合部91Aにシート前方から当接するように係合している。
(当接ブラケット)
当接ブラケット93は、左サイドフレーム51に固定されている。当接ブラケット93は、取付ブラケット91よりも上方に配置され、左サイドフレーム51から左方に突出している。当接ブラケット93には、スパイラルスプリング92の第1端部92Aが係合される。
(伝達部材)
伝達部材95は、図2に示すように、後述する作動リンク96と、第1スライドロック73A及び第2スライドロック73Bとに連結されたケーブルである。
伝達部材95は、ワイヤ95Aと、カバー95Bとを有する。ワイヤ95Aは、作動リンク96から第1スライドロック73A及び第2スライドロック73Bに、第1スライドロック73A及び第2スライドロック73Bを解除状態に変位させる力を伝達する。
カバー95Bは、ワイヤ95Aを被覆するチューブである。カバー95Bは、カバー95Bの内部を軸方向に移動可能なようにワイヤ95Aを保持している。カバー95Bは、クッションフレーム4に固定されている。
(作動リンク)
図5に示す作動リンク96は、バックフレーム5の前倒しに連動して回転することで伝達部材95を介して第1スライドロック73A及び第2スライドロック73Bを解除状態に変位させるように構成されている。
作動リンク96は、後述するヒンジピン97によって、バックフレーム5と共に揺動するように支持されている。作動リンク96は、シート幅方向において、スパイラルスプリング92とバックフレーム5(つまり左サイドフレーム51)との間に配置されている。作動リンク96は、開口部96Aと、被当接部96Bと、取付部96Cと、係合穴96Dとを有する。
開口部96Aには、ヒンジピン97が挿通される。開口部96Aは、挿入部961と、摺動部962とを有する。開口部96Aは、挿入部961と摺動部962とによって構成されたL字状である。
挿入部961は、ヒンジピン97の先端部97Aが挿入可能な形状を有する。挿入部961は、作動リンク96の組み付け時にヒンジピン97が挿通される部位である。挿入部961は、作動リンク96がバックフレーム5に組み付けられた状態で摺動部962よりも下方に配置されている。
摺動部962は、挿入部961に連通すると共に、作動リンク96の回転時にヒンジピン97の溝部97Cに摺動する内面を有する。摺動部962は、乗物用シート1の使用時にヒンジピン97が配置される部位である。
被当接部96Bは、当接ブラケット93が当接する部位である。当接ブラケット93は、被当接部96Bにシート後方から当接することで、バックフレーム5の前倒し時に被当接部96Bをシート前方に押す。
取付部96Cは、伝達部材95のワイヤ95Aが取り付けられる部位である。係合穴96Dは、後述する弾性体98の第1端部98Aが係合される貫通孔である。取付部96C及び係合穴96Dは、作動リンク96がバックフレーム5に組み付けられた状態で開口部96Aよりも下方に配置されている。
(ヒンジピン)
図4に示すヒンジピン97は、作動リンク96を回転可能に支持している。ヒンジピン97は、第1リクライナ8A、取付ブラケット91、及び作動リンク96をシート幅方向に貫通するように配置されている。
ヒンジピン97は、先端部97Aと、根元部97Bと、溝部97Cと、連結部97Dとを有する。
先端部97Aは、ヒンジピン97の左端を構成している。根元部97Bは、先端部97Aよりも左方に配置されている。本実施形態では、先端部97Aの横断面形状と根元部97Bの横断面形状とは同一である。先端部97A及び根元部97Bの横断面形状は、2つの対向する円弧を2つの直線で連結した形状(図6参照)である。
根元部97Bは、第1リクライナ8Aと、取付ブラケット91の軸部91Cとに挿通されている。根元部97Bは、取付ブラケット91及びクッションフレーム4に対し回転しない。つまり、根元部97Bは、クッションフレーム4に対するバックフレーム5の揺動軸部を構成している。
溝部97Cは、ヒンジピン97の軸方向において先端部97Aと根元部97Bとの間に配置されている。溝部97Cは、先端部97A及び根元部97Bよりも周方向の少なくとも一部が径方向に凹んだ部位である。
本実施形態では、溝部97Cの横断面形状は、円形である。そのため、溝部97Cは、先端部97A及び根元部97Bよりも周方向の全体が径方向に凹んでいる。溝部97Cは、横断面形状が一様な棒の軸方向の一部を径方向に削ることで形成される。
溝部97Cのヒンジピン97の軸方向における幅は、作動リンク96の開口部96Aの周辺部位の厚みに合わせて設定される。つまり、溝部97Cの幅は、上記周辺部位が溝部97Cに入り込める大きさとされる。溝部97Cは、開口部96Aの摺動部962内で作動リンク96に対し相対的に軸回転する。
連結部97Dは、根元部97Bの右側に連結され、ヒンジピン97の右端を構成している。連結部97Dは、連結ロッド8Cの左端が挿入される凹部を有する。連結部97Dは、左サイドフレーム51よりもシート幅方向内側(つまり右方)に配置される。
(弾性体)
弾性体98は、ヒンジピン97の溝部97Cに摺動部962の内面を押し当てる向きに作動リンク96を付勢するテンションスプリングである。弾性体98は、ヒンジピン97及び摺動部962よりも下方に配置されている。
弾性体98は、第1端部98Aと、第2端部98Bとを有する。第1端部98Aは、作動リンク96の係合穴96Dに取り付けられている。第2端部98Bは、取付ブラケット91の第2係合部91Bに取り付けられている。弾性体98は、作動リンク96の位置に関わらず、自然長よりも伸長した状態(つまり収縮力が発生する状態)を維持するように配置されている。
図6に示すように、第1端部98Aは、第2端部98Bよりも上方かつシート後方の位置で、作動リンク96と共に回転する。これにより、作動リンク96の位置に関わらず、弾性体98は、摺動部962を上方かつシート後方から溝部97Cに押し当てるように構成されている。
また、第1端部98Aは、シート幅方向から視て、第2端部98Bの係合点と、作動リンク96の回転軸P(つまりヒンジピン97の中心軸)とを結んだ仮想直線Lよりもシート後方に位置している。
これにより、弾性体98は、取付部96Cがシート前方に移動する向きに作動リンク96を付勢している。つまり、弾性体98は、第1スライドロック73A及び第2スライドロック73Bを解除状態に変位させる方向とは逆向きに作動リンク96を付勢している。
(取付バネ)
取付バネ99は、ヒンジピン97の先端部97Aに巻回されている。取付バネ99の外側の端部99Aは、第1係合部91Aに係合している。
<ウォークイン機構の動作>
ウォークイン機構9は、バックフレーム5を図6に示す通常状態から、図7に示す前倒し状態に揺動させる。
図6の通常状態では、スパイラルスプリング92が当接ブラケット93によって圧縮されている。そのため、スパイラルスプリング92によって、当接ブラケット93が固定されたバックフレーム5がシート前方に付勢されている。
バックフレーム5の前倒しを規制するロック機構(図示省略)が解除されると、バックフレーム5は、スパイラルスプリング92の弾性力によって、通常状態から図7に示す前倒し状態まで前倒しされる。
バックフレーム5の前倒しによって、バックフレーム5に固定された当接ブラケット93もシート前方に移動する。これにより、作動リンク96の被当接部96Bが当接ブラケット93によってシート前方に押され、取付部96Cがシート後方に移動する向きに作動リンク96が回転する。このとき、作動リンク96は、摺動部962の内面がヒンジピン97の溝部97Cの外周面に摺動することで回転する。
取付部96Cのシート後方への移動によって、取付部96Cに取り付けられた伝達部材95のワイヤ95Aがシート後方に引っ張られる。その結果、第1スライドロック73A及び第2スライドロック73Bが解除状態に変位し、第1可動レール71A及び第2可動レール71Bがスライド可能となる。
バックフレーム5を前倒し状態から通常状態まで起こすと、弾性体98の付勢力によって作動リンク96が前倒し時とは逆向きに回転し、取付部96Cがシート前方に移動する。これにより、伝達部材95のワイヤ95Aの引張が解除され、第1スライドロック73A及び第2スライドロック73Bがロック状態に変位する。
<作動リンクの組み付け>
作動リンク96は、取付ブラケット91及びヒンジピン97が取り付けられたバックフレーム5に対し、以下の手順で組み付けられる。
まず、図8に示すように、開口部96Aの挿入部961にヒンジピン97の先端部97Aを挿入し、挿入部961にヒンジピン97の溝部97Cを配置する。次に、作動リンク96を回転させながらヒンジピン97に対し移動させることで、開口部96A内で溝部97Cを摺動部962に向けて移動させる。
溝部97Cが摺動部962の内面に下方から当接した時点で、作動リンク96の移動を停止する。この状態で、弾性体98を作動リンク96及び取付ブラケット91に取り付けることで、作動リンク96の組み付けが完了する。
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)作動リンク96において、ヒンジピン97の先端部97Aを開口部96Aの挿入部961に挿入し、開口部96A内でヒンジピン97を相対的に動かすことで摺動部962に溝部97Cを配置することができる。溝部97Cは、先端部97A及び根元部97Bよりも径が小さいため、先端部97A及び根元部97Bが摺動部962の周辺部と重なることで作動リンク96の脱落が防止される。したがって、プッシュナットを用いることなく、作動リンク96を組み付けることができるため、部品点数が低減されると共に、プッシュナット用の工具が不要となる。
(1b)摺動部962に溝部97Cが配置されることによって作動リンク96の回転軸と平行な方向の移動が規制される。そのため、作動リンク96の組み付け時のクリアランス調整が容易になる。その結果、作動リンク96の組み付け工数が低減されると共に、ウォークイン機構9の品質が向上する。
(1c)弾性体98によって溝部97Cに摺動部962の内面を押し当てることで、作動リンク96の回転が安定する。その結果、的確にスライド装置7のロックを解除することができる。
(1d)弾性体98としてテンションスプリングを用いることで、弾性体98の配置が容易になるため、ウォークイン機構9の設計自由度が向上する。
(1e)弾性体98によって前倒し時とは逆向きに作動リンク96を付勢することで、バックフレーム5を前倒し状態から復帰させる際に、部品点数を増やすことなく、作動リンク96を初期位置に的確に戻す機能を追加できる。
(1f)作動リンク96がシート幅方向においてスパイラルスプリング92とバックフレーム5との間に配置されることで、乗物用シート1のシート幅方向の寸法を低減することができる。
(1g)開口部96AがL字状であることで、作動リンク96をヒンジピン97に組み付ける際に作動リンク96が動く領域を小さくできる。その結果、組み付け時の作動リンク96と他の部品との干渉を避けることができる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態の乗物用シート1において、開口部96Aは、必ずしもL字状でなくてもよい。例えば、開口部96Aは、挿入部961の中間部に摺動部962が連結されたT字状であってもよい。
(2b)上記実施形態の乗物用シート1において、弾性体98は、必ずしもテンションスプリングでなくてもよい。また、弾性体98は、必ずしもスライドロック73A,73Bを解除状態に変位させる方向とは逆向きに作動リンク96を付勢しなくてもよい。例えば、ウォークイン機構9は、弾性体98とは別に、作動リンク96を逆向きに付勢する補助弾性体を有してもよい。
さらに、弾性体98は、ヒンジピン97及び摺動部962よりも上方に配置されてもよい。この場合、摺動部962は、溝部97Cが上方から押し付けられる内面を有するように構成される。
また、ウォークイン機構9は、必ずしも弾性体98を有しなくてもよい。例えば、作動リンク96の自重によって摺動部962が溝部97Cに押し当てられる場合には、弾性体98は省略できる。
(2c)上記実施形態の乗物用シート1において、スパイラルスプリング92は、作動リンク96よりもシート幅方向外側に配置されてもよい。また、スパイラルスプリング92は、左サイドフレーム51よりもシート幅方向内側に配置されてもよい。
(2d)上記実施形態の乗物用シート1において、ウォークイン機構9は、バックフレーム5の右側に設けられてもよいし、バックフレーム5の左右両側に1つずつ設けられてもよい。
(2e)上記実施形態の乗物用シート1は、乗用車以外の自動車に用いられるシートや、自動車以外の例えば、鉄道車両、船舶、航空機等の乗物に用いられるシートにも適用できる。
(2f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…乗物用シート、2…シートクッション、3…シートバック、
4…クッションフレーム、5…バックフレーム、7…スライド装置、
8…リクライニング装置、9…ウォークイン機構、51…左サイドフレーム、
71A,71B…可動レール、72A,72B…固定レール、
73A,73B…スライドロック、91…取付ブラケット、91A,91B…係合部、
91C…軸部、92…スパイラルスプリング、93…当接ブラケット、
94A,94B…締結具、95…伝達部材、95A…ワイヤ、95B…カバー、
96…作動リンク、96A…開口部、96B…被当接部、96C…取付部、
96D…係合穴、97…ヒンジピン、97A…先端部、97B…根元部、
97C…溝部、97D…連結部、98…弾性体、961…挿入部、962…摺動部。

Claims (6)

  1. シートクッションと、
    前記シートクッションに対してシート前後方向に揺動可能なシートバックと、
    前記シートバックを支持するバックフレームと、
    前記シートクッションをシート前後方向にスライドさせるように構成されたスライド装置と、
    前記バックフレームを前倒しさせるように構成されたウォークイン機構と、
    を備え、
    前記スライド装置は、
    前記シートクッションに取り付けられた可動レールと、
    前記可動レールをスライド可能に支持する固定レールと、
    前記可動レールのスライドを規制するロック状態と、前記可動レールのスライドを許容する解除状態とに変位するように構成されたスライドロックと、
    を有し、
    前記ウォークイン機構は、
    前記スライドロックに連結された伝達部材と、
    前記バックフレームの前倒しに連動して回転することで前記伝達部材を介して前記スライドロックを前記解除状態に変位させるように構成された作動リンクと、
    前記作動リンクを回転可能に支持するヒンジピンと、
    を有し、
    前記ヒンジピンは、
    先端部と、
    根元部と、
    前記ヒンジピンの軸方向において前記先端部と前記根元部との間に配置されると共に、前記先端部及び前記根元部よりも周方向の少なくとも一部が径方向に凹んだ溝部と、
    を有し、
    前記作動リンクは、前記ヒンジピンが挿通される開口部を有し、
    前記開口部は、
    前記先端部が挿入可能な挿入部と、
    前記挿入部に連通すると共に、前記作動リンクの回転時に前記溝部に摺動する内面を有する摺動部と、
    を有する、乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の乗物用シートであって、
    前記ウォークイン機構は、前記溝部に前記摺動部の前記内面を押し当てる向きに前記作動リンクを付勢する弾性体をさらに有する、乗物用シート。
  3. 請求項2に記載の乗物用シートであって、
    前記弾性体は、テンションスプリングである、乗物用シート。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の乗物用シートであって、
    前記弾性体は、前記スライドロックを前記解除状態に変位させる方向とは逆向きに前記作動リンクを付勢する、乗物用シート。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用シートであって、
    前記ウォークイン機構は、前記バックフレームをシート前方に揺動する向きに付勢するスパイラルスプリングをさらに有し、
    前記作動リンクは、シート幅方向において、前記スパイラルスプリングと前記バックフレームとの間に配置される、乗物用シート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の乗物用シートであって、
    前記開口部は、L字状である、乗物用シート。
JP2020044270A 2020-03-13 2020-03-13 乗物用シート Active JP7338522B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020044270A JP7338522B2 (ja) 2020-03-13 2020-03-13 乗物用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020044270A JP7338522B2 (ja) 2020-03-13 2020-03-13 乗物用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021142947A JP2021142947A (ja) 2021-09-24
JP7338522B2 true JP7338522B2 (ja) 2023-09-05

Family

ID=77765881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020044270A Active JP7338522B2 (ja) 2020-03-13 2020-03-13 乗物用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7338522B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062859A (ja) 2006-09-08 2008-03-21 T S Tec Kk 車両用シート
JP2010022471A (ja) 2008-07-16 2010-02-04 Aisin Seiki Co Ltd 車両用シートリクライニング装置
US20110127818A1 (en) 2009-12-01 2011-06-02 Toyota Motor Engineering & Manufacturing Seat assembly having dual actuated locking mechanism
JP2011245991A (ja) 2010-05-27 2011-12-08 Shiroki Corp 座席シート
JP2014083952A (ja) 2012-10-23 2014-05-12 Toyota Boshoku Corp 車両用シート

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008062859A (ja) 2006-09-08 2008-03-21 T S Tec Kk 車両用シート
JP2010022471A (ja) 2008-07-16 2010-02-04 Aisin Seiki Co Ltd 車両用シートリクライニング装置
US20110127818A1 (en) 2009-12-01 2011-06-02 Toyota Motor Engineering & Manufacturing Seat assembly having dual actuated locking mechanism
JP2011245991A (ja) 2010-05-27 2011-12-08 Shiroki Corp 座席シート
JP2014083952A (ja) 2012-10-23 2014-05-12 Toyota Boshoku Corp 車両用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021142947A (ja) 2021-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6149235A (en) Rotary-cam type reclining device
JP4534828B2 (ja) 車両用シート装置
CA2280340C (en) Seatback latch mechanism with locking pin
CA2673192C (en) Disc recliner assembly with biased synchronization
US8141930B2 (en) Vehicle seat
US7188905B2 (en) Reclining device for vehicle seats
CA2452001C (en) Tip easy entry and fold flat recliner assembly
US6902236B2 (en) Seat assembly with displaceable seat back recliner pivot
JP2001171407A (ja) 平坦折り畳み式車両シート
JP3711473B2 (ja) 手動6方向シート調節組立体
WO2019174038A1 (en) Headrest assembly
WO2018076223A1 (en) Headrest assembly and seat for motor vehicle
JP7443957B2 (ja) 乗物用シート
US20040113478A1 (en) Vehicle seat recliner having a sliding pawl
JP7338522B2 (ja) 乗物用シート
KR100559464B1 (ko) 자동차용 시트의 리클라이닝장치
JPH11208325A (ja) ウォークイン機構付きシートリクライニング装置
JP7447518B2 (ja) 乗物用シート
US20240025308A1 (en) Seatback-folding device for emergency escape for vehicles
JP3635890B2 (ja) 自動車用シート
CN212950263U (zh) 用于座椅的靠背枢转配件和用于车辆的座椅
EP1241044B1 (en) Seat structure for a vehicle
JPH0585237A (ja) 自動車のシート構造
JP3563305B2 (ja) 車両用ヒンジ付きシートのロック構造
KR100534257B1 (ko) 자동차용 보관형시트 홀더

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230807

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7338522

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151