JPS5911798Y2 - 自動車用シ−ト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はワゴン型自動車、特に後部車室に多数の客席
を設けたキャンピングカー、マイクロバス等に使用され
る自動車用シートに関する。

キャンピング勿一等においては、後部車室を有効利用す
るよう、折畳みシートが複数設けられている。

すなわち走行時には多数の乗客を乗せる必要上、前後に
折畳みシートを複数列設する。

一方、所定場合に長時間駐車してキャンピングカーとし
て使用する場合には、折畳みシートのシートバックをシ
ートクッションと水平状となるよう、後方へ倒設する。

そして複数のシートクッションと、シートバックを並べ
て、後部車室内にベッドを備えることができる。

このような多用途の目的に使用される自動車用シートは
操作が簡単なことと、各々のシート取り付け位置におけ
る固定手段が確実に作動することが要求される。

従来の自動車用シートは車体のフロアパネル側に固定さ
れたロアーレールと、これにスライド自在に連結される
と共に、上側にシートバックを固着するアッパーレール
とからなるシートアジャスターにより支持されていた。

このシートアジャスターは一般に、ロアーレールの側壁
に列設された多数の位置決め孔と、アッパーレールに枢
着され、位置決め孔に係止される操作杆とからなる固定
手段を装着している。

これによりアッパーレール上のシートクッションは位置
決め孔の列設幅と等しい範囲内で固定可能となる。

通常この範囲は自動車用シートがもつとも乗客に利用さ
れる位置を中心に定められ、この範囲が座席位置として
使用される。

この座席位置の範囲での自動車用シートは乗客が着席す
ることにより使用に供されるが、この自動車用シートを
複数組み合せてベッドを形或する時には、シートクッシ
ョンは座席位置の範囲を越えて前方に押し出される。

これにより後方の自動車シートとの間にシートバックを
倒して、水平状にシートクッション、及びシートバック
を並べることができ、これと後側の自動車用シートのシ
ートクッションとを連続させれば水平なベッド面を形或
できる。

このように自動車用シートを使用する時は、シ一トアジ
ャスターの通常の固定手段はその固定作用を働らかすこ
とができない。

すなわち、ロアーレール上を前方にスライドしたアッパ
ーレールは座席位置より離脱し、アッパーレール上の操
作杆はロアーレール上の位置決め孔に係止されることな
く前方に移動してフリーな状態を保つ。

このような状態でアッパーレールと共にシートクッショ
ンが更に前方へスライドすると、ロアーレール上からシ
ートクッションの重心が外れ、シートクッションは傾む
き、場合によっては前方へ落下する。

このような危険を除去すると共に、複数の自動車シート
でベッド面を形戊することができるよう、この考案では
シートアジャスターに第２の固定手段を設けている。

この考案はシートバックの倒設時において、ベッド面形
或用の設定位置に達したアッパーレール上のシートクッ
ションがロアーレール上に固定されるよう構戊された自
動車用シートを提供することを目白勺とする。

この考案によれば、従来通りにシ一トアジャスタを使用
して所望の座席位置にシートクッションを固定できると
共に、シートバックを後方に倒設した場合にのみベッド
面を形或できる設定位置にシートバック及びシートクッ
ションを前後方向のずれなく固定でき、ベッド面形或操
作が簡単かつ確実に行なえる利点がある。

以下添付図面と共にこの考案を説明する。

第１図にはこの考案の適用された自動車シートの側面図
が示されている。

後部車室１のフロアパネル１１上には自動車用シートと
しての折畳シ一ト２の脚部３が固着されている。

脚部３はフロアパネル１１に固着された支柱部材４と、
この支柱部材の上に装着されたシ一トアジャスタ５とで
構威されている。

シートアジャスタ５のロアーレール５１は支柱部材４に
固着され、このロアーレール５１とスライド自在に連結
されたアッパーレール５２は上側に位置するシートクッ
ション６１に固着されている。

シートクッション６１にはその後方端にヒンジ板６２を
介してシートバツク６３が連結され、全体として座席部
６が構威されている。

シートアジャスタ５には第２図に示すように、ロアーレ
ール５１とアッパーレール５２とを所望の位置で固定す
るための固定手段Ｒが設けられている。

この固定手段Ｒはアッパーレール５２に枢着されると共
に、スプリング５４により係止方向（図中時計方向）に
引張力を付勢された操作杆５３と、ロアーレールの直立
壁５１１に穿設され、かつ水平方向、すなわちスライド
方向に列設された位置決め７Ｌ５１２とで構威されてい
る。

操作杆５３の一方端には位置決め孔５１２に係止される
係止突片５３１が形威され、この係止突片５３１は常時
スプリング５４により位置決め孔５１２に向け、すなわ
ち係止方向に向けて引張力が付勢されている。

このため、操作杆５３の他方端に設けられた把手部５３
２は支軸５３３を介してアッパーレール５２がら離脱す
る方向へ回動するよう付勢されている。

そしてアッパーレール５２上側のシートクッション６１
が乗客により座席として使用されている位置、すなわち
座席位置にある場合に、操作杆５３の係止突片５３１が
、これと対向する位置の位置決め孔５１２に係止される
。

更に乗客は操作杆の把手部５３１をアッパーレール５２
側に押圧操作することにより、係止突片５３１と位置決
め孔５１２の係止状態を解除させ、シートクッション６
１をスライドさせることができる。

この場合、位置決め孔５１２の列設された範囲でシート
クッション６１をスライドし、固定できるから、シート
クッション６１はこの範囲を座席位置として乗客を着席
させることができる。

一方、アッパーレール５２には第１図に示すように、そ
の後方端、すなわちヒンジ板６２の下側に、水平方向に
向けられた支軸５４により梃子片５５が枢着されている
。

この梃子片５５は一端に係止片５５１を、他端に突出ピ
ン５５２を設け、支軸５４を中心にスプリング５５３の
引張力で係止方向（図中反時計方向）に回動するよう付
勢されている。

この突出ピン５５２はシートバツク６３と一体的に回動
する係止杆６３２に係止されている。

この係止杆６３２はヒンジ板６２にヒンジピン６２１で
枢着された支柱６３１から、延出形或されたものであり
、シートバック６３が起立時、すなわち乗客により座席
として使用されている時に、ヒンジピン６２１より下側
に位置して、突出ピン５２２を係止する。

突出ピン５５２は常時係止方向に回動するよう付勢され
ているが、シートバック６３の起立時には係止杆６３２
により回動を阻止される。

ベッドとして使用するには、まずこの状態のシートクッ
ション６１とこれに連結されたシートバック６３を前方
へスライドさせ、座席位置を越えた位置でシートバック
６３を後方に水平状に倒設する（以下第４図参照）。

そしてシートバック６３の先端６３３と、この折畳シ一
ト２の後側に配備された自動車用シー｝２ａのシートク
ッション６１ ａとを所定の接続状態に位置させる。

この位置で係止杆６３２から開放された梃子片５５は係
止方向に回動され、この回動により、梃子片５５の一端
の係止片５５１はロアーレール５１に固定されたストツ
パ５６の固定孔５６１に係止される。

このストツパ５６は係止片５５１を介してシートバツク
６１及びこれに連結しているシートクッション６３を設
定位置に固定する。

これにより折畳シ一ト２は前後方向へのずれなく、後側
に配備した折畳シー｝２ａとの位置間隔をも確実に保ち
、全体としてベッドを形或することができる。

このように梃子片５５はシートバツク６３の倒設時にの
み係止片５５１をロアーレール側の固定孔５６１に係止
可能とする。

そしてこれ以外の時には梃子片５５は係止片５５１をス
トツパ５６より上方に維持するから、ストツパ５６との
対向位置、すなわち設定位置にあっても、シートアジャ
スタ−５は通常のスライド自在の状態に保たれる。

このように、折畳シ一ト２はシートバックの起立時にお
いて、スライド自在に、かつ座席位置の範囲で涸定可能
である。

そしてシートバツク６３を倒設した時は、前後の折畳み
シートはベッド面を形戒できる設定位置に、ストツパ５
６と梃子片５５からなる第２の固定手段により、確実に
固定される。

上述シートアジャスタ５の操作杆５３及び位置決め孔５
１２からなる固定手段Ｒは座席位置においてロアーレー
ル５１とアッパーレール５２が固定されればよく、上述
に限定されるものではなく、公知の固定手段が利用でき
る。

この考案は上述のごとく、通常のシートアジャスタに、
シートバックの倒設時のみ、設定位置でロアーレールと
アッパーレールとを固定させる第２の固定手段を設け、
これにより、シートクッションとシートバックを座席と
しても、またはベッドとしても使用できるような自動車
用シートを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の適用された折畳シ一トの側面図、第
２図は同上折畳シ一トで使用されるシ一トアジャスタの
一部切欠平面図、第３図は第２図のＸ−Ｘ線断面図、第
４図は同上折畳シ一トのベッド形或状態説明図である。 １１・・・・・・フロアパネル、２・・・・・・折畳シ
一ト、５・・・・・・シートアジャスタ、５１・・・・
・・ロアーレール、５２・・・・・・アッパーレール、
５５・・・・・・梃子片、５５１・・・・・・係止片、
５５２・・・・・・突出ピン、５６・・・・・・ストッ
パ、５６１・・・・・・固定孔、Ｒ・・・・・・固定手
段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に固着されたロアーレールと、これに対しスライド
   自在に、かつ所定座席位置範囲内で固定手段により固定
   されるアッパーレールとからなるシートアジャスタで支
   持された自動車用シートにおいて、上記アッパーレール
   には常時係止方向に付勢され、かつ係止片を一端に形威
   した梃子片を枢着し、上記ロアーレールにはアッパーレ
   ールが座席位置より前の設定位置にある時、上記係止片
   を係止可能とする固定孔を設け、上記梃子片には、シー
   トバック起立時にシートバックより延出する係止杆によ
   り係止される突出ピンを他端に設け、シートバックの倒
   設時にのみ係止片が固定孔に係止されるよう構威された
   自動車用シート。