JP3635775B2 - 農作業機の水平制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、トラクタなどの農作業機後部に装着された作業機の左右方向の傾きを制御するための農作業機と作業機の連結装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
トラクタ、例えば農業用トラクタと、作業機、例えば農耕用耕耘機の接続には2点リンク方式(以下2Pヒッチと呼ぶ)または3点リンク方式の連結装置(以下3Pヒッチと呼ぶ)を設けて作業機の左右方向の傾きを制御するとともに、ユニバーサルジョイントなどの動力伝達装置を備えたものがある。
また、トラクタ本機から作業機に動力を伝達するPTO軸は、トラクタ本機と作業機との間を伸縮、屈曲自在に、かつ回転動力を伝達しつつ接続している。作業機の交換、たとえばロータリ耕耘機から、代掻き機に取り替える場合には、トラクタ本機からロータリ耕耘機を取り外し、代掻き機を取り付けるので、これに伴いPTO軸も必ず取り外した後、再び取り付けなくてはならない。
PTO軸にはユニバーサルジョイント軸と該ジョイント軸を覆う安全装置であるジョイントカバーがあるが、ジョイントカバーは、作業機の交換時にはユニバーサルジョイント軸の取り外しに先立って取り外し、作業機の交換後は、ユニバーサルジョイント軸を取り付けた後に取り付けなくてはならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ジョイントカバーは、これを取り付けなくても、ユニバーサルジョイント軸をトラクタ本機と作業機の間を接続すれば、トラクタ本機と作業機の間で動力を伝達できるので、ジョイントカバーを取り付けないままトラクタを使用することが多かった。
そこで、本発明の課題は、安全装置として設けたジョイントカバーをユニバーサルジョイント軸に取り付けないままだと、作業車両と作業機を運転できないようにし、安全運転、安全操作が可能な作業車両を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。
すなわち、原動機を備えた農作業機本機2と該本機2に連結される作業機5と本機2内に設けた作業機5へのPTOクラッチと原動機動力を作業機5に伝達するPTO軸300とを備えた農作業機において、PTO軸300には、ジョイント軸307と該ジョイント軸307を覆うジョイントカバー310と該カバー310を取り付けた廻り止めチェーン320と該チェーン320の端部に取り付けたチェーンホルダ321を設け、農作業機本体2には、前記チェーンホルダ321を取付可能なPTOクラッチ作動制御用係止手段322と該作動制御用係止手段322に前記チェーンホルダ321が取付られるとPTOクラッチが作動可能になる構成を設けた農作業機である。
前記PTOクラッチが作動可能になる構成は、例えば図7のプッシュアーム324、リミットスイッチ325、図示しない油圧式PTOクラッチ操作電気回路など、図9のケーブル330、ケーブルアーム324a、図示しない油圧式PTOクラッチ電気回路などである。
本発明によれば、PTO軸300に設けたジョイントカバー310を農作業機本機側に取り付けないと安全手段(電気油圧式PTOクラッチ操作電気回路のリミットスイッチ325(図7、図8);トランスミッション内の油圧式PTOクラッチのオイル通路に設けたバルブ開閉用のケーブル330(図9、図10)など)が農作業機本機2と作業機5を運転できないようにし、安全運転、安全操作が可能となり、安全鑑定に合格させることができる。
【0007】
三点リンク方式の連結装置を用いる場合の作業機傾斜角度検出センサの出力は、一対のリンクの相対的移動量、すなわち作業機の農作業機本体に対する傾きを示すので、たとえば作業機を水平に制御する場合には、農作業機本体に設けられる農作業機本体の傾斜角度検出センサの読みと同じ大きさで反対方向の傾斜を作業機傾斜角度検出センサが出力するまで、一方のリンクを例えばリフトシリンダで上下動の制御をすればよい。
【0008】
【実施例】
本発明の実施の形態を図面とともに説明する。
図11ないし図16は本出願人の発明に係る特開昭63−116605号公報に記載されたトラクタと作業機の一例を示す図である。図11には自走式のトラクタ本機2の後部に2Pヒッチ3を設けた側面図を示し、図12は図11の2Pヒッチ3部分の斜視図、図13は図11の2Pヒッチ3部分の車体後方から見た図(一部断面図)、図14は図11の2Pヒッチ3部分の車体上方から見た図(一部断面図)をそれぞれ示す。また、図15には自走式のトラクタ本機2の後部に3Pヒッチ5を設けた側面図を示し、図16は図15の3Pヒッチ5部分の主要部の斜視図をそれぞれ示す。
【0009】
また、2Pヒッチ3を設けた場合の説明を図11〜図14で説明する。
2Pヒッチ3には作業機であるロータリ耕耘機5が装着されている。また、トラクタ本機2には本機2の左右方向の傾斜を検出する傾斜センサー44が設けられている。
【0010】
2Pヒッチ3は、トラクタ本機2の進行方向に対し垂直な平面内で軸13(図14)の回りに回動自在なブラケット10を備え、該ブラケット10に、左右一対の作業機牽引用ドラフトリンク11,11(図12)が連結されるようになっている。ブラケット10は基部10a(図14)と左右の取り付け部10b,10bとを平面視コ字形に成形したものであり、基部10aに穿設した円形穴10cをトラクタ本機のブラケット台12から後ろ向きに突設されている軸13に回動自在に嵌合させ、フランジ板14をボルト15で軸13の端面に取り付けている。そして、前記の左右取り付け部10b,10bの後端部には連結ピン16,16が設けられており、この連結ピン16、16にドラフトリンク11,11の先端部を連結する。
【0011】
トラクタ本機2は作業機昇降用のリフトアーム18,18を有し、該リフトアーム18,18の先端部に取り付けたリフトロッド19(図示例では左側)およびリフトシリンダ20(図示例では右側)が前記ドラフトリンク11,11の中間部に連結されている。
【0012】
リフトアーム18,18は、トラクタ本機2の機枠22(図13)の上部水平に設けた中空軸23(図12)に一体に取り付けられており、図示を省略した油圧シリンダで中空軸23を回動させることにより、リフトアーム18,18を上下に回動させるようになっている。
【0013】
この作業機昇降用の油圧シリンダ及び作業機昇降用の前記リフトシリンダ20は、ともにトラクタ本機2が具備する電気油圧式油圧装置25(図11)で駆動される。
【0014】
前記中空軸23の内部に回動軸30が中空軸23に対して回動自在に設けられており、この回動軸30の左右両突出端部にセンサーアーム31,31’がそれぞれ取り付けられている。前記リフトロッド19側(左側)のセンサーアーム31にはセンサーロッド32が、また前記リフトシリンダ20側(右側)のセンサーアーム31’にはシリンダ式のストロークセンサー33がそれぞれ取り付けられ、さらにこれらセンサーロッド32の下端部がトラクタ本機2の外側面に形成されている突起35に継手34によって連結されており、またストロークセンサー33の下端部が、前記ブラケット10の取り付け部10bの外側面に形成されている突起35’に継手34’によって連結されている。回動軸30にはセンサーアーム31の回動量を検出するセンサーアーム角センサ(図示を省略)が設けられており、このセンサーアーム角センサーの検出値に基づいて作業機の昇降制御が行われる。
【0015】
つぎに、図15および図16に示すトラクタ本機2に3Pヒッチを設けた場合の説明をする。ここで、図16にはトップリンク61の図示を省略している。
3Pヒッチ60は、1本のトップリンク61と左右一対のロワリンク62,62’を備え、前記リフトロッド19およびリフトシリンダ20がロワリンク62,62’の中間部62x,62x’に連結されている。作業機であるロータリ耕耘機5は、取り付け枠64の上端部をトップリンク61の後端部に連結するとともに、取り付け枠64の下端部をロワリンク62,62’の後端部62z,62z’に連結することにより、3Pヒッチ60に装着される。
【0016】
また、リフトアーム18,18’はトラクタ本機2の機枠2a(図15)の上部に水平に設けた中空軸23(図16)に一体に取り付けられており、図示を省略した油圧シリンダで中空軸23を回動させることにより、リフトアーム18,18’を上下に回動させて、それらの先端部に取り付けたリフトロッド19(図示例では左側)およびリフトシリンダ20(図示例では右側)を上下動させる。また、中空軸23の内部に回動軸30が中空軸23に対して回動自在に設けられており、この回動軸30の左右両突出端部にセンサーアーム31,31’がそれぞれ設けられている。前記リフトロッド19側(左側)のセンサーアーム31にはセンサーロッド32が、また前記リフトシリンダ20側(右側)のセンサーアーム31’にはシリンダ式のストロークセンサー33がそれぞれ取り付けられている。これらセンサーロッド32およびストロークセンサー33の下端部は左右のロワリンク62,62’の連結点P3,P3’にそれぞれ連結されている。
【0017】
従来例では、連結装置を3Pヒッチから2Pヒッチに切り替える際には、3Pヒッチのリフトロッド19およびリフトシリンダ20の下端部をロワリンク62,62’からドラフトリンク11,11’に付け替えるとともに、センサーロッド32およびストロークセンサー33の下端部をロワリンク62,62’の連結点P3,P3’から突起35,35’(図13)の連結点P2,P2’に付け替えていた。また、連結装置を2Pヒッチから3Pヒッチに切り替える際には、上記した付け替えを逆にしていた。
【0018】
しかし、本発明は、以下に説明する実施例のように、部品の交換点数をすくなくして、しかも作業機(ロータリ耕耘機)5の水平制御を容易にするものである。以下の図面において従来例と同一の部分には同一の番号を付し、その説明は省略した。また、本実施例の図面に示していない部材で図11〜図16に示したものと同一の部材については、同一番号を付した。
【0019】
図1(組み立て前)および図2(組み立て後)に本実施例のトラクタと作業機の連結装置の要部の斜視図を示す。なお、図1において、トップリンク61は図示していない。
【0020】
本実施例において、連結装置を2Pヒッチから3Pヒッチに切り替える際には、まず図12に示す本体2に回転自在に取り付けられたコ字形のブラケット10からドラフトリンク11、11’をとり外し、同時にセンサーアーム31,31’に取り付けられていたセンサーロッド32およびストロークセンサー33も取り外す。次に図1および図2に示すように3Pヒッチ用のロワリンク62,62’の前端部62y,62y’(図示では左側のみ示す)をトラクタ本機2の接続ピン2y,2y’(図示では左側のみ示す)にそれぞれ連結する。
【0021】
リフトロッド19およびリフトシリンダ20(図12参照)の下端部をドラフトリンク11,11からロワリンク62,62’の中間部62x,62x’に付け替えるとともに、3P用センサーロッド133,133’の下端部134,134’をロワリンク62,62’の連結点P3,P3’に取り付ける。ロワリンク62,62’の後端部62z,62z’には作業機(図示省略)を連結する。3P用センサー75はセンサー軸123に固着される。
【0022】
すなわち、センサー軸123はセンサーブラケット70に設けられたセンサー軸ガイド130により回動自在に軸支され断面L字状のセンサーブラケット70はその一辺70yに設けられたボルト穴70a,70aにボルト2b,2bを挿入し、本機(シリンダーケース)2の後部に設けたれたねじ穴2a,2aに螺着し、センサーブラケット70の他の一辺70xに設けられたボルト穴70b,70bにボルト10b,10bを挿入し、2Pブラケット10の上部に設けたれたねじ穴10a,10aに螺着し,センサーブラケット70を介して本機2と2P用のコ字形のブラケット10を固着して、3Pヒッチ使用時に2Pブラケット10が旋回するのを防止するとともに、断面L字状のセンサーブラケット70の一辺70xの側部に一体的に固着されているセンサー軸ガイド130の位置を規制する。
【0023】
センサー軸ガイド130により回動自在に軸支されたセンサー軸123の一端にはセンサーアーム131’が固着され、センサー軸123の他端側に可動アーム80を遊嵌し、さらにその外側の軸端にセンサーホールドヨーク76を嵌入し、センサー軸123に設けられたピン穴123aにピン77を挿入してセンサーホールドヨーク76とセンサー軸123を固着する。
【0024】
センサー軸123の一端に固着されたセンサーアーム131’の先端に3P用センサーロッド133’のセンサーアーム131’側の連結部135’を回動自在に連結する支承穴131a’を設けて、センサーアーム131’とセンサーロッド133’を接続し、ロワーリンク62’の移動量をセンサー軸123に伝達させる構成とする。
【0025】
センサー軸123のセンサーアーム131’と反対側に遊嵌する可動アーム80は、センサー軸123を貫挿するボス部80aの左右にへ字形のアーム80c,80dを持ち、ボス部80aの中心に設けられた軸受け穴80bに支承されてセンサー軸123上を回動することができる。
【0026】
へ字形の可動アーム80の一辺80cには,3P用センサーロッド133の連結部135を回動自在に連結する支承穴80eを設けて、これを接続し、ロワーリンク62の移動量を可動アーム80に伝達させる構成とする。
【0027】
センサー軸123の他端側に固着されたセンサーホールドヨーク76には3P用センサーの一例として回転型ポテンシオメーター75を用い、ビス78によりこれはヨーク76に固着され、ポテンシオメーター軸75aにはポテンシオメーター駆動ヨーク79が固着され、ポテンシオメーター駆動ヨーク79はへ字形の可動アーム80の他辺80dの端部に植設された駆動ピン80fの移動によって回動される。
【0028】
すなわち、3P用センサーである回転型ポテンシオメーター75の出力はロワーリンク62とロワーリンク62’の相対的移動量、すなわち作業機5のトラクタ本機2に対する傾きを示すので、たとえば作業機5を水平に制御する場合には、トラクタ本機2の傾斜センサー44(図11)の読みと同じ大きさで反対方向の傾斜を3P用センサー75が出力するまでリフトシリンダ20(図12)を制御すればよい。
【0029】
次に、本発明の他の実施例を図3のトラクタと作業機の連結装置の要部上面図に示す。
図3に示す実施例は、2Pヒッチ水平仕様機(図11)に3Pヒッチを装着する時に、本機2側のスロープセンサー201の代わりに作業機5側にスロープセンサ244を取り付けたものである。
【0030】
2Pヒッチ水平仕様機の水平制御は、トラクタ本機2に設けられた傾斜センサー44の出力をコネクタ44a,44bを通じてコントローラ200に入力し、また2Pブラケット10の回動をリンクロッド203、リンク202を介してスロープセンサー201に伝達し、その出力をコントローラ200に入力する。傾斜センサー44の出力は水平に対するトラクタ本機2の傾斜を示し、スロープセンサー201の出力は作業機5とトラクタ本機2との相対的傾斜を示すので、二つの出力をコントローラ200において演算することにより作業機5を水平制御するための制御信号を得ることができる。
【0031】
2Pヒッチ水平仕様機に3Pヒッチ作業機を装着した時は、3Pヒッチ作業機を装着用のロアリンク62,62’が、その前端部62y,62y’でトラクタ本機2側の部分に接続され、ロアリンク62,62’が2Pブラケット10に接続されないために、作業機5とトラクタ本機2との相対的傾斜を検出することができない。そのため、トラクタ本機2に設けられた傾斜センサー44の出力だけでは作業機5の水平制御は行えない。
【0032】
そこで、2Pヒッチ水平仕様機に3Pヒッチ作業機を装着し、これの水平制御を行う場合は、図1、図2に示す実施例のように作業機5とトラクタ本機2との相対的傾斜を検出する傾斜センサー(たとえば、図1に示す回転型ポテンシオメーター75を設け、その出力とトラクタ本機2に設けられた傾斜センサー44の出力とを演算して作業機5の傾斜を水平制御していた。
【0033】
しかし、図3に示す本実施例では作業機5に傾斜センサー244を設け、コントローラコネクタ44bとトラクタ本機2に設けられた傾斜センサー44の出力コネクタ44aとの接続を切り離し、傾斜センサー244の出力をコネクタ244aを介してコントローラコネクタ44bに接続し、作業機5の傾斜を直接にコントローラ44に入力し、コントローラ44の制御信号により図示しない電気油圧式油圧装置を介してリフトシリンダ20(図12)を駆動して作業機5を水平に制御するものである。
【0034】
このようにして作業機5に設けた傾斜センサー244の出力を用いて、直接に作業機5の傾斜を水平制御するようにしたので、コントローラ44は作業機5の傾斜センサー244の出力とトラクタ本機2に設けられた傾斜センサー44の出力とを演算するような複雑な構成を必要としなくなった。
【0035】
次に、図4ないし図8に示す実施例はトラクタ本機2から作業機5に動力を伝達するPTO軸300に関するものである。
PTO軸300はトラクタ本機2から作業機5に回転動力を伝達するものであるから、トラクタ本機2と作業機5との間を伸縮、屈曲自在に、かつ回転動力を伝達しつつ接続している。作業機5の交換、たとえばロータリ耕耘機から、代掻き機に取り替える場合には、トラクタ本機2からロータリ耕耘機を取り外し、代掻き機を取り付けるので、これに伴いPTO軸300も必ず取り外した後、再び取り付けなくてはならない。
【0036】
PTO軸300はヨークシャフト301、ジャーナルキッド302、スプラインヨーク303,305,ロックピン304,306などからなるユニバーサルジョイント軸307とジョイントカバー310とからなり、このうちユニバーサルジョイント軸307はトラクタ本機2と作業機5との間を接続して伸縮、屈曲自在に、かつ回転動力を伝達し、ジョイントカバー310はユニバーサルジョイント軸307が動力を伝達するための回転中にユニバーサルジョイント軸307に物体、人体などが接触しても巻き込まれることを防止する安全装置である。
【0037】
ユニバーサルジョイント軸307はトラクタ本機2と作業機5との間隔の変化に対応するためのスプラインヨーク303,305を持ち、スプライン(図示せず)に軸方向摺動可能で相対回転不能に遊嵌している。ユニバーサルジョイント軸307のヨーク部分であるヨークシャフト301、ジャーナルキッド302などはトラクタ本機2と作業機5との接続角度の変化に対応するものである。
【0038】
安全装置として設けたジョイントカバー310は、作業機5の交換時にはユニバーサルジョイント軸307の取り外しに先立って取り外し、作業機5の交換後は、ユニバーサルジョイント軸307を取り付けた後に取り付けなくてはならない。
【0039】
しかしながらジョイントカバー310は、これを取り付けなくても、ユニバーサルジョイント軸307をトラクタ本機2と作業機5の間を接続すれば、トラクタ本機2と作業機5の間で動力を伝達できるので、ジョイントカバー310を取り付けないままトラクタを使用することが多かった。
【0040】
本発明は安全装置として設けたジョイントカバー310を取り付けないと油圧式PTOクラッチ操作電気回路がオンにならないようにして、ジョイントカバー310を取り付けない場合にはトラクタ本機2と作業機5を運転できないようにし、安全運転、安全操作が可能で、安全鑑定に合格させることを目的とする。
【0041】
ジョイントカバー310はユニバーサルジョイント軸307の外側を覆い、かつ軸方向に摺動して伸縮自在なジョイントカバー外筒310aおよびジョイントカバー内筒310bからなり、その両端にジョイントブーツ311,311の一端を嵌着し、ジョイントブーツ311,311の他端はトラクタ本機2および作業機5の図示しないジョイントブーツ被嵌着部に嵌着する。
【0042】
このような構造によりジョイントカバー310は安全装置として作用するほかにユニバーサルジョイント軸307の防滴、防塵、潤滑油の漏洩防止の作用も具備する。
【0043】
ユニバーサルジョイント軸307の回転によってジョイントカバー310が連れ回りしないように、ジョイントカバー310に設けたチェーン留め金320aにチェーン320の一端を接続し、チェーン320の他端に設けたチェーンホルダ321をトラクタ本機2の一部、図示例ではトップリンクブラケット90に設けたフック322に接続することは従来例通りである。
【0044】
本発明では、フック322を図7に示すようトップリンクブラケット90にフック回動軸323を介して回動可能に取付け、フック322の他端を延長してリミットスイッチ325に対するプッシュアーム324となるよう構成する。フック回動軸323には図示しない渦巻きバネなどを巻回し、図示の場合には時計回り方向に付勢して、フック322にチェーンホルダ321を掛けない場合には、プッシュアーム324はリミットスイッチ325のプッシュロッド325aを押圧しないようにして、リミットスイッチ325をOFFし、図示しない油圧式PTOクラッチ操作電気回路をOFFし、ジョイントカバー310の廻り止めチェーン320を固定しないとPTO軸300が回らない構成にする。
【0045】
図5および図8に示すようにジョイントカバー310を取り付けた後、廻り止めチェーン320のチェーンホルダ321をフック322に掛けると、プッシュアーム324は反時計回りに回動して、プッシュアーム324がリミットスイッチ325のプッシュロッド325aを押圧し、リミットスイッチ325をONし、図示しない電気油圧式PTOクラッチ操作電気回路をONにしてPTO軸300を回転駆動することができるようにする。
【0046】
すなわち、本発明ではトラクタのトップリンクブラケット部90に設けたジョイントカバーの廻り止めチェーン320を掛けるフック322を利用してリミットスイッチ325を作動させ、リミットスイッチ325で電気油圧式PTOクラッチ操作電気回路をON、OFFし、ジョイントカバーの廻り止めチェーン320を固定しないとPTO軸300が廻らない構成にしたので、安全装置を正規に組付、操作しないと、PTO軸300を廻すことができないようになり、安全運転、操作の励行をうながすことができる効果がある。
【0047】
図9ないし図10に示す実施例は、図7ないし図8に示す実施例におけるリミットスイッチ325のON、OFFによる油圧式PTOクラッチ操作電気回路のON、OFFにかえて、フック322の他端をプッシュアーム324からケーブルアーム324aとし、ケーブル330を牽引することにより、図示しないトランスミッション内の油圧式PTOクラッチのオイル通路に設けたバルブを開閉して、ジョイントカバー310の廻り止めチェーン320を固定しないとPTO軸300が廻わらない構成としたので、上記と同等の効果をもたらすことができるものである。
【発明の効果】
本願発明によれば、安全装置を設けたジョイントカバー310をユニバーサルジョイント軸307に取り付けないままだと、作業車両と作業機5を運転できないようにし、安全運転、安全操作が可能な作業車両を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の3Pヒッチ連結装置の要部分解斜視図である。
【図2】 図1の3Pヒッチ連結装置の要部組立斜視図である。
【図3】 本発明の一実施例の3Pヒッチ連結装置の要部組立平面図である。
【図4】 トラクタと作業機の3Pヒッチ連結装置の連結装置のPTO軸を含む斜視図である。
【図5】 本発明の一実施例の連結装置の一部であるPTO軸の一部切り欠き組立平面図である。
【図6】 図5の回り止めチェーンとチェーン留め金とチェーンホルダーの斜視図である。
【図7】 図5のチェーン取付けフック付近の一部切り欠き側面図である。
【図8】 図7のチェーン取付けフックにチェーンホルダを掛けた状態を示すフック付近の一部切り欠き側面図である。
【図9】 図5のさらに別の実施例のチェーン取付けフック付近の一部切り欠き側面図である。
【図10】 図9のチェーン取付けフックにチェーンホルダを掛けた状態を示すフック付近の一部切り欠き側面図である。
【図11】 連結装置として2Pヒッチを設けたトラクタ本機と作業機の側面図である。
【図12】 図11の2Pヒッチの斜視図である。
【図13】 図11の2Pヒッチの一部省略背面図である。
【図14】 図11の2Pヒッチの主要部の平面図である。
【図15】 連結装置として3Pヒッチを設けたトラクタ本機と作業機の側面図である。
【図16】 図15の3Pヒッチの斜視図である。
【符合の説明】
1 農作業機 2 トラクタ本機
2a トラクタ本機ねじ穴 2b トラクタ本機への取付ボルト
2y、2y’トラクタ本機接続ピン 3 2Pヒッチ
5 作業機 10 ブラケット
10a ブラケット基部 10b ブラケット左右取付部
10c ブラケット基部円形穴 10d ブラケット上部ねじ穴
10e ブラケット取付ボルト 11、11 ドラフトリンク
12 ブラケット台 13 軸
14 フランジ板 15 ボルト
16 連結ピン 18 作業機昇降用リフトアーム
19 リフトロッド 20 リフトシリンダ
22 機枠 23 中空軸
25 電気油圧式油圧装置 30 回動軸
31、31’センサーアーム 32 センサーロッド
33 シリンダー式ストロークセンサー
34、34’継手 35、35’ブラケット部外面突起
44 傾斜センサー 44a、44b コネクタ
60 3Pヒッチ 61 トップリンク
62、62’ロワリンク 62x、62x’ロワリンク中間部
62y、62y’ロワリンク前端部 62z、62z’ロワリンク後端部
P3、P3’ ロワリンクのセンサーロッド連結点
64 作業機取付枠 66、66’ 取付片
70 センサーブラケット
70a、70b センサーブラケットボルト穴
70x センサーブラケット山形の一辺
70y センサーブラケット山形の他の辺
75 ポテンシオメーター(3P用センサー)
75a ポテンシオメーター軸 76 センサーホールドヨーク
77 センサーホールドヨーク固定ピン
78 ビス 79 ポテンシオメーター駆動ヨーク
80 可動アーム 80a 可動アームボス部
80b 可動アームボス部軸受け穴
80c 可動アームへ字形アーム一辺
80d 可動アームへ字形アーム他の一辺
80e 可動アーム端部のセンサーロッド連結支承穴
80f 可動アームに植設されたポテンシオメーター駆動ヨークを駆動するピン
90 トップリンクブラケット 123 センサー軸
130 センサー軸ガイド 131’センサーアーム
131a’センサーアームの3P用センサーロッド支承部
133、133’3P用センサーロッド
134、134’3P用センサーロッド下端のロワリンク側連結部
135 3P用センサーロッドの可動アーム側連結部
135’3P用センサーロッドのセンサーアーム側連結部
200 コントロラー 201 スロープセンサー
202 リンク 203 リンクロッド
244 作業機に設けた傾斜センサー
244a コネクタ 300 PTO軸
301 ヨークシャフト 302 ジャーナルキッド
303、305 スプラインヨーク 304、306 ロックピン
307 ユニバーサルジョイント軸 310 ジョイントカバー
310a ジョイントカバー外筒 310b ジョイントカバー内筒
311、311 ジョイントブーツ 320 回り止めチェーン
320a チェーン留め金 321 チェーンホルダー
322 フック 323 フック回動軸
324 プッシュアーム 324a ケーブルアーム
325 リミットスイッチ
325a リミットスイッチプッシュロッド
330 ケーブル
Claims (1)
- 原動機を備えた農作業機本機2と該本機2に連結される作業機5と本機2内に設けた作業機5へのPTOクラッチと原動機動力を作業機5に伝達するPTO軸300とを備えた農作業機において、
PTO軸300には、ジョイント軸307と該ジョイント軸307を覆うジョイントカバー310と該カバー310を取り付けた廻り止めチェーン320と該チェーン320の端部に取り付けたチェーンホルダ321を設け、
農作業機本体2には、前記チェーンホルダ321を取付可能なPTOクラッチ作動制御用係止手段322と該作動制御用係止手段322に前記チェーンホルダ321が取付られるとPTOクラッチが作動可能になる構成を設けたことを特徴とする農作業機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08551496A JP3635775B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 農作業機の水平制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08551496A JP3635775B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 農作業機の水平制御装置 |
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JPH09271205A JPH09271205A (ja) | 1997-10-21 |
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Family
ID=13861031
Family Applications (1)
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JP08551496A Expired - Fee Related JP3635775B2 (ja) | 1996-04-08 | 1996-04-08 | 農作業機の水平制御装置 |
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-
1996
- 1996-04-08 JP JP08551496A patent/JP3635775B2/ja not_active Expired - Fee Related
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