JP3635719B2 - 水なし平版印刷版原版 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は水なし平版印刷版原版およびこの水なし平版印刷版原版を選択的に露光、現像してなる水なし平版印刷版に関するものであり、さらに詳しくは画像再現性の著しく向上しかつ耐刷性も優れた水なし平版印刷版原版およびこの水なし平版印刷版原版を選択的に露光、現像してなる水なし平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、シリコーンゴムやフッ素樹脂をインキ反発層として使用し、湿し水を用いずに平版印刷を行うための印刷版、とりわけ選択的に露光、現像してなる感光性平版印刷版原版が種々提案されている。
【0003】
このような水なし平版印刷とは、画線部と非画線部とを基本的にほぼ同一平面に存在させ、画線部をインキ受容性、非画線部をインキ反発層としてインキの付着性の差異を利用して、画線部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷をする平版印刷方法において、非画線部がシリコーンゴム、含フッ素化合物などのインキ反発性を有する物質からなり、湿し水を用いずに印刷可能であるような印刷方法を意味する。
【0004】
例えば、ポジ型水なし平版印刷版原版としては、特公昭54−26923号公報、特公昭56−23150号公報などに支持体上に光重合性感光層とインキ反発層であるシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版原版、また特公平3−56622号公報、特開昭61−153655号公報などに支持体上に光二量化型感光層とインキ反発層であるシリコーンゴム層とが積層された水なし平版印刷版原版が提案されている。ネガ型水なし平版印刷版原版としては、特公昭61−54222号公報などに、支持体上に1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸クロリドとフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂の部分エステル化物を多官能イソシアネートで架橋した光剥離性感光層、およびその上にインキ反発層としてのシリコーンゴム層を積層した水なし平版印刷版原版が提案されている。
【0005】
これらの水なし平版印刷版は、通常ポジフィルムもしくはネガフィルムを通して、活性光線により露光される。そして、その後、現像処理されることにより、画線部に対応したシリコーンゴム層のみが剥ぎ取られて感光層が露出し、インキ着肉性の画線部となる。
【0006】
フッ素樹脂をインキ反発層に用いる感光性平版印刷版原版としては、特開平2−254449号公報、特開平2−85855号公報などには、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレートを用いたフッ素樹脂をインキ反発層とする水なし平版印刷版が開示されている。
【0007】
ところで、上記で説明した水なし平版印刷版の内、ポジ型水なし平版印刷版原版の感光層に用いられる光反応性化合物としては、多くの提案がなされている。特公昭54−26923号公報、特開平5−281714号公報などには、特定のアミノ基含有モノマを用いることにより高感度な水なし平版印刷版が得られる方法が開示されているが、芳香族性のアミノ基含有モノマは感光層全体を硬くてもろいものにするため、大量の印刷を行うには耐刷性が不十分であり、芳香族を含まない従来の脂肪族性のアミノ基含有モノマは感光層を柔軟にはするが、感度が芳香族性のアミノ基含有モノマより著しく劣っており、画像再現性の点で問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする問題】
本発明はかかる従来技術の諸欠点を改良するために創案されたもので、特定の構造を有するアミノ基含有モノマを用いることにより、画像再現性に優れ、なおかつ大量の印刷を行う場合にも十分な耐刷性を有する水なし平版印刷版を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、以下の水なし平版印刷版原版およびこの水なし平版印刷版原版を選択的に露光、現像してなる水なし平版印刷版によって達成される。すなわち、
(1)支持体上に感光層およびインキ反発層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原版において、該感光層が光重合型感光層であり、以下の( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物を含有していることを特徴とする水なし平版印刷版原版。
【0010】
( i )下記一般式(I)で示される構造
【化3】
(式中、XおよびYはホウ素、置換あるいは非置換の炭素、窒素、置換あるいは非置換のアルミニウム、置換あるいは非置換のケイ素、置換あるいは非置換のリン、置換あるいは非置換の硫黄、置換あるいは非置換のチタン、置換あるいは非置換のクロム、置換あるいは非置換のマンガン、置換あるいは非置換の鉄、置換あるいは非置換のニッケル、置換あるいは非置換の銅、置換あるいは非置換の亜鉛、置換あるいは非置換のパラジウム、置換あるいは非置換のスズ、置換あるいは非置換の白金、置換あるいは非置換の鉛の群より選ばれる少なくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。L1、L2は酸素を含む連結基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
( ii )アミノ基構造
( iii )エチレン性不飽和結合
(2)支持体上に感光層およびインキ反発層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原版において、該感光層が光重合型感光層であり、以下の( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物を含有していることを特徴とする水なし平版印刷版原版。
【0011】
( i )下記一般式(II)で示される構造
【化4】
(式中、X、Y、L1、L2は一般式(I)と同じである。L3、L4はL1、L2と同じである。R1は炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、鉄、銅、ニッケル、クロム、チタンの群から選ばれる少なくとも一種である。)
( ii )アミノ基構造
( iii )エチレン性不飽和結合
(3)一般式(I)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物が、水酸基構造を少なくとも一つ有することを特徴とする(1)記載の水なし平版印刷版原版。
【0012】
(4)一般式(II)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物が、水酸基構造を少なくとも一つ有することを特徴とする(2)記載の水なし平版印刷版原版。
【0013】
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版を選択的に露光、現像してなる水なし平版印刷版。
【0014】
すなわち、特定の構造を有するアミノ基含有モノマを使用することにより、画像再現性と耐刷性の両方に優れた水なし平版印刷版を提供することが可能となる。
【0015】
以下に本発明について更に具体的に説明する。
【0016】
本発明に用いられる支持体としては、通常の水なし平版印刷版で用いられているもの、あるいは提案されているものであればいずれでもよい。すなわち通常の平版印刷機にセットできるたわみ性と印刷時に加わる荷重に耐えるものであれば十分である。
【0017】
例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、鋼などの金属板、およびクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、及び鉄などがメッキあるいは蒸着された金属板、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのようなプラスチックフィルムないしはシート、クロロプレンゴム、NBRのようなゴム弾性を有する支持体、あるいはかかるゴム弾性を有する物質を貼り付けた支持体、もしくは紙、樹脂コート紙、アルミニウムなどの金属箔が貼られた紙などが挙げられるがこれらに限定されない。これらの支持体上にはハレーション防止その他の物質をコーティングして支持体として用いることも可能である。
【0018】
これらの内、好ましいのは金属板あるいはプラスチックフィルムであり、とりわけアルミニウムを主として用いた金属板が好ましい。このような金属板はそのまま用いるか、アルカリ水溶液等による脱脂処理等によりプレーン化して使用する。もしくは機械的方法、電解エッチング法等により砂目形状を形成させてもよい。この際、砂目形状を形成させる前に脱脂処理を行うことは任意である。機械的方法としては、例えばポール研磨法、ブラシ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法等が挙げられる。機械的研磨方法において用いられる研磨材としては、アルミナ、シリコーンカーバイド、ボロンカーバイド、ダイヤモンド、砂けい石、花こう石、石灰石、人造エメリー、綱球、鉄片、アランダム、バミストン、酸化マグネシウム等が挙げられ、所望の粒径のものが用いられる。電解エッチング法としては、リン酸、硫酸、過塩素酸、塩酸、硝酸、ピロリン酸、フッ酸等を含む溶液を用いてエッチングする方法が挙げられる。粗面化された金属板の製造にあたっては、金属板の組成等に応じて上記の各種方法を適宜選択して使用することができる。上記の各種方法は、単独あるいは二種以上組み合わせて用いることができる。
【0019】
電解エッチング法は、上記の酸を単独あるいは二種以上混合した浴で行われる。これらの中で好ましいのは、硫酸、リン酸、塩酸、硝酸を単独あるいは二種以上混合した浴である。これにアルコール、無水酢酸、不飽和カルボン酸等の有機物や重クロム酸カリウム、過酸化水素等の無機物、ゼラチンやデンプン等のコロイド質類、更にグリセリン、その他の粘性物質、および界面活性剤等を添加剤として浴に加えることも任意である。これらの添加剤は単独または二種以上組み合わせて使用してもよい。電解エッチング浴は水に上記の酸類および必要に応じて上記添加剤を加えて調製する。
【0020】
電解エッチングの際、浴温度は5〜80℃の範囲で行うことが好ましく、10〜50℃の範囲で行うことがより好ましい。電流密度は5〜300A/dm2 の範囲が好ましく、10〜200A/dm2 の範囲がより好ましい。
【0021】
更に、上記の脱脂処理、砂目形状形成等を行った後、1〜10%メタケイ酸ナトリウム水溶液に温度60〜90℃で20〜90秒間浸し、更にpH7.5〜9.5で温度10〜90℃の水に10〜90秒浸し、水洗、乾燥して支持体として用いることもできる。
【0022】
本発明の水なし平版印刷版原版において、支持体と感光層との接着は、画像再現性、耐刷性などの基本的な版性能にとって非常に重要であるので、好ましくは支持体に感光層を塗布する前に、感光層と支持体との十分な接着性を得るために支持体にプライマ層を設けるのがよい。また、ハレーション防止や染色性の点からも、プライマ層を設けることが好ましい。
【0023】
プライマ層としては、例えば、特開昭60−22903号公報に提案されている種々の感光性ポリマを露光して硬化せしめたもの、特開平4−322181号公報に提案されているメタクリル系含リンモノマを露光して硬化せしめたもの、特開平2−7049号公報に提案されているメタクリル系エポキシ化合物を露光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公報に提案されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−133151号公報に提案されているゼラチンを硬化せしめて膜にしたもの、特開平1−282270号公報や特開平2−21072号公報に提案されているウレタン樹脂を用いたものなどが挙げられる。この他にも、尿素樹脂類、フェノール樹脂類、ベンゾグアナミン樹脂類、メラニン樹脂類、フェノキシ樹脂類、ジアゾ樹脂類、セルロースおよびその誘導体類、キチン、キトサン、ミルクカゼイン、大豆タンパク質、アルブミンなどを硬化せしめて膜にしたものも有効である。
【0024】
更に、プライマ層を柔軟化させる目的で、前記プライマ層にガラス転移温度(Tg)が室温以下であるポリマおよびコポリマを添加することも可能である。ガラス転移温度Tg(glass transition temperature)とは、無定型高分子材料の物性がガラス状態からゴム状態に(またはその逆に)変化する転移点(温度)のことを言う。転移点を中心とする比較的狭い温度領域においては、弾性率、膨張率、熱含量、屈折率、拡散係数、誘電率などの諸性質も大きく変化する。そのため、ガラス転移温度の測定は体積(比容)−温度曲線、熱分析(DSC、DTAなど)による熱含量測定、屈折率、こわさのような物質全体としての性質を測定するものと、力学的(動的粘弾性など)および誘電的損失正接、NMRスペクトルのような分子運動を反映する量を測定するものとがある。慣習的にはデイラトメータ(dilatometer)を用いて、試料の体積を温度を挙げながら測定し、体積(比容)−温度曲線の勾配が急に変化する点として決定される。
【0025】
このようなガラス転移温度(Tg)が室温以下であるポリマおよびコポリマとしては、後述の感光層で述べる次のようなものが挙げられるが、これらに限定されない。
(1)ビニルポリマ類
(a)ポリオレフィン類
(b)ポリスチレン類
(c)アクリル酸エステルポリマおよびメタクリル酸エステルポリマ
(2)未加硫ゴム
(3)ポリオキシド類(ポリエーテル類)
(4)ポリエステル類
(5)ポリウレタン類
(6)ポリアミド類
これらのガラス転移温度(Tg)が室温以下であるポリマおよびコポリマの添加割合は任意であり、フィルム層を形成できる範囲であれば、添加剤だけでプライマ層を形成してもよい。また、これらのプライマ層には、ポリマのフィルム形成能を向上させるために適当な架橋剤を適当量加えてもよい。更に必要に応じ、染料、pH指示薬、露光焼き出し剤、フォトクロ化合物、光重合開始剤、熱重合開始剤、接着助剤(例えば、重合性モノマ、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニアカップリング剤、ボロンカップリング剤など)、酸化チタンや炭酸カルシウム、酸化亜鉛のような白色顔料や黄色顔料、シリカ粒子、界面活性剤などの添加剤を適当量加えることも可能である。また、公知の硬化触媒を適当量加えることは任意である。
【0026】
プライマ層の厚さは乾燥後の膜厚として0.1〜100μm、好ましくは0.3〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmが選ばれる。薄すぎると支持体表面の形態欠陥および化学的悪影響の遮断効果が劣り、一方厚すぎると経済的に不利になるので上記の範囲が好ましい。
【0027】
プライマ層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、好ましくは上記のポリマあるいはコポリマ、または光重合や熱重合組成物の一種もしくは二種以上を100重量部、必要に応じて適当な架橋剤を0〜100重量部、染料や顔料、フォトクロ化合物、接着助剤、界面活性剤などの添加剤を必要に応じてそれぞれ0〜100重量部、公知の触媒を0〜10重量部加えることにより設けるのがよい。
【0028】
次に本発明に用いられる感光層について説明する。
【0029】
本発明の感光層は、光重合型感光層であり、以下の(1)( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物を含有、あるいは(2)( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物を含有していることを最大の特徴としている。
【0030】
(1)( i )下記一般式(I)で示される構造
【化5】
(式中、XおよびYはホウ素、置換あるいは非置換の炭素、窒素、置換あるいは非置換のアルミニウム、置換あるいは非置換のケイ素、置換あるいは非置換のリン、置換あるいは非置換の硫黄、置換あるいは非置換のチタン、置換あるいは非置換のクロム、置換あるいは非置換のマンガン、置換あるいは非置換の鉄、置換あるいは非置換のニッケル、置換あるいは非置換の銅、置換あるいは非置換の亜鉛、置換あるいは非置換のパラジウム、置換あるいは非置換のスズ、置換あるいは非置換の白金、置換あるいは非置換の鉛の群より選ばれる少なくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。L1、L2は酸素を含む連結基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
(1)( ii )アミノ基構造
(1)( iii )エチレン性不飽和結合
【0031】
(2)( i )下記一般式(II)で示される構造
【化6】
(式中、X、Y、L1、L2は一般式(I)と同じである。L3、L4はL1、L2と同じである。R1は炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、鉄、銅、ニッケル、クロム、チタンの群から選ばれる少なくとも一種である。)
(2)( ii )アミノ基構造
(2)( iii )エチレン性不飽和結合
【0032】
(1)( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物の具体例としては、例えば以下の一般式(III)で示されるジアミン化合物とグリシジルメタクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸クロリド、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルとの反応生成物が挙げられるが、これらに限定されず、モノアミン化合物やポリアミン化合物と上記の化合物との反応生成物などでもよく、これら以外のものでも(1)( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物であれば何でもよい。
【0033】
【化7】
(式中、X、Y、L1、L2は一般式(I)と同じである。L5、L6は連結基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜20の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜20の置換あるいは非置換のアリール基、ホウ素、窒素、酸素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カルシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、セリウム、パラジウム、カドミウム、スズ、白金、水銀、鉛の群から選ばれる少なくとも一種を含んでおり、鎖中にエステル結合、ウレタン結合、ウレア結合、アミド結合、カーボネート結合の群から選ばれる少なくとも一種を含んでいてもよい。e、fは連結基の有無を示しており、0または1であり、同一でも異なっていてもよい。)
【0034】
また、(2)( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物の具体例としては、例えば以下の一般式(IV)で示されるジアミン化合物とグリシジルメタクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸クロリド、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルとの反応生成物が挙げられるが、これらに限定されず、モノアミン化合物やポリアミン化合物と上記化合物との反応生成物などでもよく、これら以外のものでも(2)( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物であれば何でもよい。
【0035】
【化8】
(式中、X、Y、L1、L2は一般式(I)と同じである。L3、L4はL1、L2と同じである。L5、L6、e、fは一般式( III )と同じである。)
【0036】
一般式(I)で示される構造の具体例ならびに一般式(II)で示される構造の具体例としては、例えば以下に示される構造が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
【化9】
これらの(1)( i )〜(iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物、あるいは(2)( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物を単独、あるいは二種以上用いることにより、画像再現性に優れかつ耐刷性にも優れた水なし平版印刷版となりうる。これらの化合物の中でとりわけ好ましいのは、水酸基構造を少なくとも一つ含んだ化合物である。水酸基構造を有することにより、後述する上層のインキ反発層との接着を良好にし、更に画像再現性を優れたものにする。
【0038】
これらの重合可能な化合物は、バインダポリマが感光層の形態保持機能を有する範囲で多いほど上層のインキ反発層や下層の支持体あるいはプライマ層との接着が良好となるので、バインダポリマが感光層の形態保持機能を有する範囲でできるだけ多く感光層中に含まれるのがよい。
【0039】
これらの重合可能な化合物は、上層のインキ反発層や下層の支持体あるいはプライマ層との接着を更に良好とするために、有機シリル基を有することも好ましい。このような有機シリル基は、大別して加水分解性の活性シリル基と非加水分解性のシリル基に分類できる。
【0040】
第一の加水分解性の活性シリル基とは、加水分解によりシラノール基などの高反応性が再生するアルコキシシリル基、アセトキシシリル基、オキシムシリル基などのシリル基とトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基などのように加水分解によってアルコール性水酸基が再生するものが挙げられる。
【0041】
アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ビニルジメトキシシリル基、ビニルジエトキシシリル基、アリルジメトキシシリル基、アリルジエトキシシリル基、3−メタクリルオキシプロピルジメトキシシリル基、3−メタクリルオキシプロピルエトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、ジビニルメトキシシリル基、ジビニルエトキシシリル基、ジアリルメトキシシリル基、ジアリルエトキシシリル基、3−メタクリルオキシプロピルメチルメトキシシリル基、3−メタクリルオキシプロピルメチルエトキシシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
アセトキシシリル基の具体例としては、トリアセトキシシリル基、メチルジアセトキシシリル基、エチルジアセトキシシリル基、ジメチルアセトキシシリル基、ジエチルアセトキシシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
オキシムシリル基の具体例としては、トリス(メチルエチルケトオキシム)シリル基、メチルジ(メチルエチルケトオキシム)シリル基、エチルジ(メチルエチルケトオキシム)シリル基、ビニルジ(メチルエチルケトオキシム)シリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
第二の非加水分解性のシリル基としては非反応性のシリル基を意味し、アルキルシリル基やアリルシリル基などが挙げられる。
【0045】
また、上記の重合可能な化合物とは別に、少量にポリジメチルシロキサン、シリコーン樹脂、公知の各種変性ポリジメチルシロキサン、シリコーンアクリレートやシリコーンメタクリレートなどのシリコーン化合物を添加することも可能である。特に、シリコーンアクリレートやシリコーンメタクリレートの少量添加は感度調整の点から有効である。
【0046】
シリコーンアクリレートやシリコーンメタクリレートの具体例としては、1,3−ビス(3−メタクリルオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−メタクリルオキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、α,ω−メタクリルオキシプロピルポリジメチルシロキサンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
本発明に用いられる感光層中には、上記に述べてきた特定の構造および機能を果たす重合可能な化合物の他に、感度調整などの目的から公知のモノマまたはオリゴマを添加することができる。
【0048】
このようなモノマまたはオリゴマの具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
【0049】
アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、イソアミルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ブトキシエチルアルコール、エトキシエチレングリコール、メトキシエチレングリコール、メトキシプロピレングリコール、フェノキシエタノール、フェノキシジエチレングリコール、テトラヒドロフルフリルアルコールなど)のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル。カルボン酸類(酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸など)とアクリル酸グリシジルまたはメタクリル酸グリシジルとの付加物。アミノ基含有モノマ、例えば特公昭54−26923号公報、特開平5−281714号公報、特開平6−67411号公報などに記載されているモノマなど。
【0050】
本発明の感光層においては、形態保持機能やモノマを光重合に適した分散状態にする役割として、バインダポリマの添加が好ましい。このようなバインダポリマとしては、有機溶媒可能でかつフィルム形成能のあるものであればいずれも使用可能であるが、好ましくはそのガラス転移温度(Tg)が20℃以下のポリマおよびコポリマ、さらに好ましくは、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下のポリマおよびコポリマを挙げることができる。モノマの光重合反応をスムーズにする点から、バインダポリマ中にはエチレン性不飽和結合は存在しない方がよい。ここで、ガラス転移点Tg(glass transition Temperature)とは、上述のプライマ層の部分で述べたものと同じである。
【0051】
以下にバインダポリマとなり得る代表的なポリマ類について具体的に述べるが、これらに限定されず、これ以外のものでもよい。
【0052】
(1)ビニルポリマ類
以下に示すような単量体およびそれらの誘導体から得られるポリマ、およびコポリマ。
【0053】
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−アクリロキシエチル水素フタレート、2−メタクリロキシエチル水素フタレート、2−アクリロキシエチル水素サクシネート、2−メタクリロキシエチル水素サクシネート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルトルエン、イソブテン、3−メチル−1−ブテン、ブチルビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、メチルビニルケトン、ニトロエチレン、α−シアノアクリル酸メチル、ビニリデンシアニド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、グリセリンやトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多官能アルコールにエチレンオキシドを付加させた後、アクリレート化あるいはメタクリレート化したもの、およびこれらの誘導体を重合、共重合させて得られるポリマ、コポリマをバインダポリマとして使用できる。
【0054】
ガラス転移温度が20℃以下のビニル系ポリマの具体例としては、例えば次に示すようなポリマが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
(a)ポリオレフィン類
例えばポリ(1−ブテン)、ポリ(5−シクロヘキシル−1−ペンテン)、ポリ(1−デセン)、ポリ(1,1−ジクロロエチレン)、ポリ(1,1−ジメチルブテン)、ポリ(1,1−ジメチルプロペン)、ポリ(1−ドデセン)、ポリエチレン、ポリ(1−ヘプテン)、ポリ(1−ヘキセン)、ポリメチレン、ポリ(6−メチル−1−ヘプテン)、ポリ(5−メチル−1−ヘキセン)、ポリ(2−メチルプロペン)、ポリ(1−ノネン)、ポリ(1−オクテン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(5−フェニル−1−ペンテン)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等。
【0056】
また、ポリ(ビニルブチルエーテル)ポリ(ビニルエチルエーテル)、ポリ(ビニルイソブチルエーテル)、ポリ(ビニルメチルエーテル)等。
【0057】
(b)ポリスチレン類
ガラス転移温度20℃以下のポリスチレン誘導体としては、例えばポリ[4−{(2−ブトキシエトキシ)メチル}スチレン]、ポリ(4−デシルスチレン)、ポリ(4−ドデシルスチレン)、ポリ[4−(2−エトキシエトキシメチル)スチレン]、ポリ[4−(1−エチルヘキシロキシメチル)スチレン]、ポリ[4−(ヘキシロキシメチル)スチレン]、ポリ(4−ヘキシルスチレン)、ポリ(4−ノニルスチレン)、ポリ[4−(オクチロキシメチル)スチレン]、ポリ(4−オクチルスチレン)、ポリ(4−テトラデシルスチレン)等が挙げられる。
(c)アクリル酸エステルポリマおよびメタクリル酸エステルポリマ
ガラス転移温度20℃以下のポリアクリレート類としては、例えばポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(sec−ブチルアクリレート)、ポリ(tert−ブチルアクリレート)、ポリ[3−(2−シアノエチルチオ)エチルアクリレート]、ポリ[3−(2−シアノエチルチオ)プロピルアクリレート]、ポリ[2−(シアノメチルチオ)エチルアクリレート]、ポリ[6−(シアノメチルチオ)ヘキシルアクリレート]、ポリ[2−(3−シアノプロピルチオ)エチルアクリレート]、ポリ(2−エトキシエチルアクリレート)、ポリ(3−エトキシプロピルアクリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(2−エチルブチルアクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ポリ(5−エチル−2−ノニルアクリレート)、ポリ(2−エチルチオエチルアクリレート)、ポリ(3−エチルチオプロピルアクリレート)、ポリ(ヘプチルアクリレート)、ポリ(2−ヘプチルアクリレート)、ポリ(ヘキシルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(2−メトキシエチルアクリレート)、ポリ(3−メトキシプロピルアクリレート)、ポリ(2−メチル−7−エチル−4−ウンデシルアクリレート)、ポリ(2−メチルペンチルアクリレート)、ポリ(4−メチル−2−ペンチルアクリレート)、ポリ(4−メチルチオブチルアクリレート)、ポリ(2−メチルチオエチルアクリレート)、ポリ(3−メチルチオプロピルアクリレート)、ポリ(ノニルアクリレート)、ポリ(オクチルアクリレート)、ポリ(2−オクチルアクリレート)、ポリ(3−ペンチルアクリレート)、ポリ(プロピルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート)等が代表例として挙げられる。
【0058】
ガラス転移温度20℃以下のポリメタクリレート類としては、例えばポリ(デシルメタクリレート)、ポリ(ドデシルメタクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(オクチルメタクリレート)、ポリ(テトラデシルメタクリレート)、ポリ(n−ヘキシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)等が挙げられる。
【0059】
(2)未加硫ゴム
天然ゴム(NR)やブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルより選ばれた単独重合体または共重合体であり、例えば、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン(NR)、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン(CR)、ポリネオプレン、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、アクリロニトリル共重合体(ANM)、イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、カルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などが挙げられる。
【0060】
これらの他に、ガラス転移温度20℃以下のゴム類の具体例としては、例えばポリ(1,3−ブタジエン)、ポリ(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、ポリ(2−デシル−1,3−ブタジエン)、ポリ(2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン)、ポリ(2−エチル−1,3−ブタジエン)、ポリ(2−ヘプチル−1,3−ブタジエン)、ポリ(2−イソプロピル−1,3−ブタジエン)、ポリ(2−メチル−1,3−ブタジエン)、クロロスルホン化ポリエチレン等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0061】
また、これらゴム類の変性物、例えばエポキシ化、塩素化、カルボキシル化等の通常行われる変性を行ったゴム類や、他のポリマ類とのブレンド物もまたバインダポリマとして使用できる。
【0062】
(3)ポリオキシド類(ポリエーテル類)
トリオキサン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、2,3−エポキシブタン、3,4−エポキシブタン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロヘプタン、エポキシシクロオクタン、スチレンオキシド、2−フェニル−1,2−エポキシプロパン、テトラメチルエチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、1,4−ジクロロ−2,3−エポキシブタン、2,3−エポキシプロピオンアルデヒド、2,3−エポキシ−2−メチルプロピオンアルデヒド、2,3−エポキシジエチルアセタールなどの開環重合により、ポリマ、コポリマもまたバインダポリマとして使用可能である。
【0063】
ガラス転移温度20℃以下のポリオキシド類の具体例としては、例えばポリアセトアルデヒド、ポリ(ブタジエンオキシド)、ポリ(1−ブテンオキシド)、ポリ(ドデセンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(イソブテンオキシド)、ポリホルムアルデヒド、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(テトラメチレンオキシド)、ポリ(トリメチレンオキシド)等が挙げられる。
【0064】
(4)ポリエステル類
以下に示すような多価アルコールと多価カルボン酸の重縮合により得られるポリエステル、多価アルコールと多価カルボン酸無水物の重合により得られるポリエステル、ラクトンの開環重合などにより得られるポリエステル、およびこれら多価アルコール、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、およびラクトンの混合物より得られるポリエステル等もバインダポリマとして使用可能である。
【0065】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、p−キシリレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等。
【0066】
多価カルボン酸および多価カルボン酸無水物としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸等。
【0067】
ラクトンとしては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等。
【0068】
ポリ(オキシジエチレンピメレート)、ポリ(オキシジエチレンプロピルマロネート)、ポリ(オキシジエチレンセバケート)、ポリ(オキシジエチレンスベレート)、ポリ(オキシジエチレンスクシネート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンセバケート)、ポリ(トリメチレンアジペート)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
(5)ポリウレタン類
以下に示すポリイソシアネート類と多価アルコールより得られるポリウレタンもまたバインダポリマとして使用できる。多価アルコールとしては上記ポリエステルの項で述べた多価アルコール類および下記の多価アルコール類、これら多価アルコールとポリエステルの項で述べた多価カルボン酸の重縮合で得られる両端が水酸基であるような縮合系ポリエステルポリオール、上記ラクトン類より得られる重合ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、プロピレンオキシドやテトラヒドロフランの開環重合やエポキシ樹脂の変性で得られるポリエーテルポリオール、あるいは水酸基を有するアクリル(あるいはメタクリル)単量体とアクリル(あるいはメタクリル)酸エステルとの共重合体であるアクリルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどが使用可能である。
【0070】
イソシアネート類としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トルイレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリジンイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水素化キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート(MXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIあるいはHMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、(別名2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート)、水素化MDI(H12MDI)(別名4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート))、水素化TDI(HTDI)(別名メチルシクロヘキサン2,4(2,6)ジイソシアネート)、水素化XDI(H6XDI)(別名1,3− (イソシアナートメチル)シクロヘキサン)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジフェニルエーテルイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等やポリイソシアネート類の多価アルコールアダクト体、あるいはポリイソシアネート類の重合体が挙げられる。
【0071】
上記ポリエステルの項で述べたもの以外の代表的な多価アルコール類としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、テトラヒドロフラン−エチレンオキシド共重合体、テトラヒドロフラン−プロピレンオキシド共重合体等を、また、ポリエステルジオールとしてはポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリヘキサメチレンネオペンチルアジペート、ポリエチレンヘキサメチレンアジペート等を、また、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンアジペート、ソルビトール、メチルグルコジット、シュクローズ等を挙げることができる。
【0072】
また、種々の含リンポリオール、ハロゲン含有ポリオールなどもポリオールとして使用できる。
【0073】
さらに、分岐したポリウレタン樹脂や水酸基等の種々の官能基を有するポリウレタン樹脂もまたバインダポリマとして利用可能である。
【0074】
これらの他、ポリ(テトラメチレンヘキサメチレン−ウレタン)、ポリ(1,4−(2−ブテン)ヘキサメチレン−ウレタン)、ポリ(1,4−(2−ブチン)ヘキサメチレン−ウレタン)等も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0075】
(6)ポリアミド類
従来提案されているポリアミド類もまたバインダポリマとして使用できる。基本的な組成としては、次に示すモノマ類のコポリマである。
【0076】
ε−カプロラクタム、ω−カプロラクタム、ω−アミノウンデカン酸、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ビス−アミノシクロヘキシルメタン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジグリコール類、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカン二酸など。
【0077】
さらに詳しく説明すると、ポリアミドは一般に水溶性ポリアミドとアルコール可溶性ポリアミドに分類される。水溶性ポリアミドとしては、例えば特開昭48−72250号公報に示されるような3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどを共重合することによって得られるスルホン酸基またはスルホネート基を含有するポリアミド、特開昭49−43465号公報に示されているような分子中にエーテル結合を持つジカルボン酸、ジアミン、あるいは環状アミドの内いずれか1種類を共重合して得られるところのエーテル結合を有するポリアミド、特開昭50−7605号公報に示されているようなN,N’−ジ(γ−アミノプロピル)ピペラジン等を共重合して得られる塩基性窒素を含有するポリアミドおよびこれらのポリアミドをアクリル酸等で四級化したポリアミド、特開昭55−74537号公報で提案されている分子量150〜1500のポリエーテルセグメントを含有する共重合ポリアミド、およびα−(N,N’−ジアルキルアミノ)−ε−カプロラクタムとε−カプロラクタムの開環共重合で得られるところのポリアミド等が挙げられる。
【0078】
分子量150〜1500のポリエーテルセグメントを含有する共重合ポリアミドとしては、末端にアミノ基を有しポリエーテルセグメント部分の分子量が150〜1500であるポリオキシエチレンと脂肪族ジカルボン酸またはジアミンとからなる構成単位を30〜70重量%含有するところの共重合ポリアミドが挙げられる。
【0079】
またアルコール可溶性ポリアミドとしては、二塩基酸脂肪酸とジアミン、ω−アミノ酸、ラクタムあるいはこれらの誘導体から公知の方法によって合成される線状ポリアミドが挙げられ、ホモポリマだけでなくコポリマ、ブロックポリマ等も使用できる。代表的な例としては、ナイロン3、4、5、6、8、11、12、13、66、610、6/10、13/13、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からのポリアミド、トリメチルヘキサメチレンジアミンあるいはイソホロンジアミンとアジピン酸からのポリアミド、ε−カプロラクタム/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミン/4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン共重合体ポリアミド、ε−カプロラクタム/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミン/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン共重合体ポリアミド、ε−カプロラクタム/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミン/イソホロンジアミン共重合体ポリアミド、あるいはこれらの成分を含むポリアミド、それらのN−メチロール、N−アルコキシメチル誘導体等も使用できる。
【0080】
以上のようなポリアミドを単独または混合してバインダポリマとして用いることができる。
【0081】
また、これらのバインダポリマと共用、あるいは単独で以下のようなポリマも使用することが可能である。
【0082】
クロトン酸系化合物共重合体、マレイン酸系化合物共重合体、ロジン変性などの部分エステル化マレイン系、酸性セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、部分アセタール化ポリビニルアルコール、尿素樹脂類、フェノール樹脂類、ベンゾグアナミン樹脂類、ジアゾ樹脂類、セルロースおよびその誘導体、キチン、キトサン、ミルクカゼイン、ゼラチン、大豆タンパク質、アルブミンなど。
【0083】
これらのバインダポリマとなりうるポリマは単独で用いてもよいし、また数種のポリマを混合して用いてもよい。
【0084】
これらバインダポリマの中ではポリウレタン、ポリエステル、ビニル系ポリマ、未加硫ゴムなどが好ましい。これらのバインダポリマの使用量は感光層が画像再現性を有する範囲であれば基本的にはどのような割合でもよい。
【0085】
また、本発明の感光層は光重合性であるので、光開始剤や光増感剤、光増感助剤を添加することが好ましい。具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンなどのベンゾイン誘導体、フルオレノン類、キサントン類、N−メチルアクリドンやN−ブチルアクリドンおよびこれらの誘導体のようなアクリドン類、ベンゾフェノンや4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンおよびこれらの誘導体のようなベンゾフェノン類、2−クロロチオキサントンや2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンおよびこれらの誘導体のようなチオキサントン類などが挙げられるが、これらに限定されず、これ以外のものでも光重合に関与できるものであればどのようなものでもよい。
【0086】
本発明の感光層には、必要に応じて染料や顔料、pH指示薬、界面活性剤、重合禁止剤、有機酸、無機酸、光酸発生剤などの各種添加剤を加えることも可能である。これらの中で、例えば重合禁止剤の具体例としては、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチルクレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール、フェノチアジン、テンポールなどが挙げられるが、これらに限定されず、これ以外のものでも重合禁止の効果、とりわけ暗反応による重合禁止の効果を有するものであればどのようなものでもよい。また、染料の具体例としては、トリフェニルメタン系塩基性染料、すなわちカラーインデックス記載のBasic Blue(ベーシック・ブルー)1,5,7,8,11,15,26、Basic Violet(ベーシック・バイオレット)1(メチルバイオレット),2,3(クリスタルバイオレット),4,23、Basic Green(ベーシック・グリーン)1,4(マラカイトグリーン)などが挙げられるが、これらに限定されず、他の塩基性染料や中性染料、あるいは酸性染料でもよい。また、後述のインキ反発層との接着に寄与するような公知の触媒、例えばジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジラウレート、テトラメトキシチタンなどの金属触媒やこれら以外の触媒を感光層中に添加することも好ましい。
【0087】
感光層中の各成分の配合割合については、本発明の特徴である良好な画像再現性を忠実に再現するため、バインダポリマを100重量部に対して一般式(I)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物、あるいは一般式(II)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物を5〜10000重量部、公知のアミノ基含有モノマあるいは非アミン系モノマを各々0〜10000重量部、光開始剤や光増感剤、光増感助剤を0.1〜10000重量部、各種添加剤を各々0〜10000重量部加えることにより設けるのがよく、とりわけ本発明の特徴を十分に発揮させるためには、一般式(I)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物、あるいは一般式(II)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物が感光層の全モノマ成分の中で最も多く使用されることが好ましい。とりわけ、一般式(I)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合、水酸基構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物、あるいは一般式(II)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合、水酸基構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物が感光層の全モノマ成分の中で最も多く使用されることが好ましい。
【0088】
感光層の膜厚としては、0.1〜100μm、好ましくは0.2〜50μm、より好ましくは0.5〜30μmである。薄すぎると塗布時にピンホールなどの欠点が生じやすくなり、厚すぎると経済的に不利になる。
【0089】
次に、本発明に用いられるインキ反発層について説明する。
【0090】
インキ反発層としては、例えばシリコーンゴムを用いたもの、フッ素樹脂を用いたものが挙げられるが、これらに限定されず、水なし平版印刷版に使用可能とされている公知のインキ反発層であれば何でもよい。これらの中では、材料の簡便さなどからシリコーンゴムが好ましい。
【0091】
インキ反発層としてシリコーンゴムを用いる場合、シリコーンゴム層は、通常下記一般式(V)のような繰り返し単位を有する分子量数千〜数十万の線状有機ポリシロキサンを主成分とするものである。
【0092】
【化10】
(式中、nは2以上の整数、R2、R3は炭素数1〜50の置換あるいは非置換のアルキル基、炭素数2〜50の置換あるいは非置換のアルケニル基、炭素数4〜50の置換あるいは非置換のアリール基の群から選ばれる少なくとも一種であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R2、R3の全体の40%以上がビニル、フェニル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化フェニルであり、全体の60%以上がメチル基であるものが好ましい。)
このような線状有機ポリシロキサンには、通常以下の一般式(VI)に示すような架橋剤を添加することにより架橋させる。
【0093】
R4m SiM4-m (VI)
(式中、mは0〜2の整数であり、R4はアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらの組み合わされた基を示し、それらはハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、チオール基などの官能基を置換基として有していてもよい。Mは水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトオキシム基、アミド基、アミノオキシ基、アミノ基、グリシジル基、メタクリル基、アリル基、ビニル基などを有するアセトキシシラン、ケトオキシムシラン、アルコキシシランアミノシラン、アミドシランなどが挙げられるが、これらに限定されない。)
これらは通常線状有機ポリシロキサンとして末端が水酸基であるものと組み合わせて、各々脱酢酸型、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミン型、脱アミド型などのシリコーンゴムとなる。
【0094】
このような縮合型の架橋を行うシリコーンゴムには、スズ、亜鉛、鉛、カルシウム、マンガンなどの金属カルボン酸塩、例えばラウリル酸ジブチルスズ、スズ(II)オクテート、ナフテン酸塩、あるいは塩化白金酸のような触媒、あるいはこれ以外に知られている公知の触媒を添加してもよい。
【0095】
また、ラジカル開始剤により、線状有機ポリシロキサンを硬化させてシリコーンゴムとすることも可能である。この際、公知のラジカル開始剤を適当量加えることは任意である。
【0096】
また、SiH基と−CH=CH−基との付加反応によって架橋させた付加型シリコーンゴム層も有用である。ここで用いる付加型シリコーンゴム層は多価ハイドロジェン有機ポリシロキサンと、1分子に2個以上の−CH=CH−結合を有するポリシロキサン化合物との反応によって得られるもので、望ましくは以下の成分:
(1)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(望ましくはビニル基)を少なくとも2個有する有機シロキサン
(2)1分子中に少なくともSiH結合を2個有する有機ポリシロキサン
(3)付加触媒
からなる組成物を架橋硬化したものである。成分(1)のアルケニル基は分子鎖末端、中間のいずれにあってもよい。アルケニル基以外の基としては、置換もしくは非置換のアルキル基、アリール基などが挙げられるがこれらに限定されない。成分(1)には水酸基を微量含有させてもよい。成分(2)は成分(1)と反応してシリコーンゴム層を形成するが、感光層に対する接着性の付与の役割も果たす。成分(2)の水酸基は分子鎖末端、中間のいずれにあってもい。水素以外の有機基としては成分(1)と同様のものから選ばれる。成分(1)と成分(2)の有機基はインキ反発性向上の点で、総じて基数の60%以上がメチル基であることが好ましい。成分(1)および成分(2)の分子構造は直鎖状、環状、分岐状いずれでもよく、どちらか少なくとも一方の分子量が1000を越えることがゴム物性の面で好ましく、さらに成分(1)の分子量が1000を越えることが好ましい。
【0097】
成分(1)としては、α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン、両末端メチル基のメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体などが例示され、成分(2)としては、両末端水酸基のポリジメチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリメチルハイドロジェンシロキサン、両末端メチル基のメチルポリメチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサンなどが例示されるが、これらに限定されず、他のものでもよい。成分(3)の付加触媒は公知のものの中から任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望ましく、白金単体、塩化白金、オレフィン配位白金等が例示される。これらの組成物の硬化速度を制御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサンなどのビニル基含有有機ポリシロキサン、炭素−炭素三重結合のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの架橋抑制剤を適当量添加することも可能である。
これらの組成物の他に、アルケニルトリアルコキシシランなどの公知の接着付与剤を添加することや、縮合型シリコーンゴム層の組成物である水酸基含有有機ポリシロキサン、末端がトリメチルシリル基であるジメチルポリシロキサンよりなるシリコーンオイル、末端がトリメチルシリル基であるジメチルポリシロキサン、加水分解性官能基含有シラン(もしくはシロキサン)を添加してもよい。また、ゴム強度を向上させるために、シリカなどの公知の充填剤を添加してもよい。
【0098】
シリコーンゴム層の形成方法としては、上記に述べた方法、あるいはそれ以外の方法が挙げられるが、本発明に使用されるモノマ、とりわけ水酸基含有のモノマとの接着反応を最大限有効に生かすためには、縮合型の架橋を行うシリコーンゴムで形成されたものが好ましい。縮合型の架橋を行うシリコーンゴムを用いると、シリコーンゴム中の架橋剤の一部が水酸基含有モノマと接着反応を起こし、この接着反応を起こしたモノマが光反応をすることにより、シリコーンゴム層と感光層が強固に接着する。
【0099】
シリコーンゴム層の厚さは約0.5〜100μm、好ましくは約0.5〜10μmが適当であり、薄すぎる場合には耐刷性およびインキ反発性の点で問題を生じることがあり、一方厚すぎる場合には経済的に不利であるばかりでなく、現像時に未露光部のシリコーンゴム層を除去しにくくなり、画像再現性の低下をもたらす。
【0100】
シリコーンゴム層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、縮合型の架橋を行うシリコーンゴム層の場合には、線状有機ポリシロキサンを100重量部、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能基含有ケイ素化合物を0.1〜100重量部、必要に応じて公知の触媒を0〜50重量部加えた組成で設けるのがよい。付加型シリコーンゴム層の場合には、1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(望ましくはビニル基)を少なくとも2個有する有機ポリシロキサンを100重量部、1分子中に少なくともSiH結合を2個有する有機ポリシロキサンを0.1〜100重量部、必要に応じて付加触媒を0〜50重量部加えた組成で設けるのがよい。
【0101】
インキ反発層としてフッ素樹脂を用いる場合、フッ素樹脂としては例えば以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
(1)パーフルオロアルキルメタクリレートとヒドロキシ基を有するアクリルモノマ、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合樹脂。
【0103】
(2)パーフルオロアルキルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合樹脂。
【0104】
(3)パーフルオロアルキルメタクリレートとメタクリル酸との共重合樹脂。
【0105】
(4)パーフルオロアルキルメタクリレートと無水マレイン酸との共重合樹脂。
このようなフッ素樹脂が、活性水素官能基と活性水素と反応しうる官能基の両方を有する場合、あるいは活性水素官能基を有するフッ素樹脂と活性水素と反応しうる官能基を有するフッ素樹脂を混合して用いる場合には、架橋剤を使用してもよい。
【0106】
フッ素樹脂層の厚さは約0.5〜100μm、好ましくは約0.5〜10μmが適当であり、薄すぎる場合には耐刷性およびインキ反発性の点で問題を生じることがあり、一方厚すぎる場合は経済的に不利であるばかりでなく、現像時に未露光部のフッ素樹脂層を除去しにくくなり、画像再現性の低下をもたらす。
【0107】
フッ素樹脂層中の各成分の配合割合については特に限定されないが、上記のフッ素樹脂が全体の60〜100重量%になるようにするのが好ましく、より好ましくは全体の80〜98重量%になるようにするのがよい。
【0108】
以上説明したようにして構成された水なし平版印刷版原版においては、表面のインキ反発層保護の目的および露光工程でのフィルムの真空密着性を改善するために、インキ反発層の表面にプレーンまたは凹凸処理した薄い保護フィルムをラミネートまたは薄いプラスチックシート状物を塗布または転写して保護層とすることもできる。保護フィルム、保護層は露光工程において有用であるが、現像工程においては、剥離または溶解によって除去され、印刷工程においては不必要なものである。
【0109】
有用な保護フィルムは紫外線透過性を有し、100μm以下、好ましくは10μm以下の厚みを有するもので、その代表例として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、セロファンなどを挙げることができる。これら保護フィルムの表面はフィルムとの密着性を改良するために凹凸加工を施すことができる。また、保護フィルムの代わりにコーティング等の手法で保護層を形成させてもよい。
【0110】
本発明で用いられる水なし平版印刷版は、例えば次のようにして製造される。まず必要に応じて各種粗面化処理をした支持体の上に、リバースロールコータ、エアナイフコータ、メーヤバーコータなどの通常のコータ、あるいはホエラのような回転塗布装置を用い感光層を構成すべき組成物溶液を塗布、乾燥および必要に応じて熱キュアを行う。なお、必要に応じて前述したように支持体と感光層の間に同様の方法でプライマ層を設けた後、感光層を設けてもよい。感光層を設けた後、必要に応じて該感光層の上に同様な方法で接着層を塗布、乾燥後、インキ反発層を形成しうる溶液を感光層上または接着層上に同様の方法で塗布し、通常60〜130℃の温度で数分間湿熱処理して、十分に硬化せしめてインキ反発層を形成する。必要ならば、保護層をさらに塗布するか保護フィルムを該インキ反発層上にラミネータなどを用いてカバーする。
【0111】
このようにして製造された水なし平版印刷版原版は、例えば、光透過性保護フィルムの場合はそのまま、あるいは剥いで、光透過性の劣るフィルムの場合は剥いでから真空密着されたポジフィルムを通して活性光線で露光される。この露光工程で用いられる光源は、紫外線を豊富に発生するものであり、水銀灯、カーボナーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を使うことができる。
【0112】
次いで、保護フィルムがある時は剥いでから版面を現像液を含んだ現像用パットでこすると未露光部のインキ反発層、あるいは場合によってはその下の感光層が除去され、感光層あるいはプライマ層表面が露出しインキ受容部となる。
【0113】
本発明において用いられる現像液としては、水なし平版印刷版において通常提案されているものが使用できる。例えば、水、水に下記の極性溶剤を添加したもの、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE,G,H(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレンなど)あるいはハロゲン化炭化水素類(トリクレンなど)に下記の極性溶剤または極性溶剤と水を添加したもの、あるいは極性溶剤単独が好ましいが、これらに限定されない。
【0114】
アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2−メトキシエタノール、カルビトールモノエチルエーテル、カルビトールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等。)
エーテル類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジオキサン等。)
ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等。)
エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート等。)
その他(トリエチルフォスフェート等。)
上記現像液にアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤や両性イオン界面活性剤等種々の界面活性剤、およびアルカリ剤等を添加したものも使用することができる。アルカリ剤としては、例えば炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム等の無機アルカリ剤、あるいはモノ、ジ、またはトリエチルアミン、モノまたはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ、ジ、またはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン等の有機アミン化合物等が挙げられる。また、クリスタルバイオレット、アストラゾンレッドなどの染料や発色剤等を現像液に加えて現像と同時に画線部の染色あるいは発色を行うこともできる。あるいは現像後の版を染色液に浸漬することにより後処理として染色することもできる。
【0115】
現像方法としては、手による現像でも公知の現像装置による現像でもよいが、好ましくは前処理部と現像部、および後処理部がこの順に設けられている現像装置を用いるのがよい。現像装置の具体例としては、東レ(株)製のTWL−1160、TWL−650などの現像装置、あるいは特開平4−2265号、特開平5−2272号、特開平5−6000号公報などに開示されている現像装置を挙げることができる。また、これらの現像装置を適当に組み合わせて使用することもできる。
【0116】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0117】
合成例1
下記式(VII)で示される構造を有するエポメート(油化シェルエポキシ(株)製)50gとグリシジルメタクリレート105gを70℃で8時間反応させて一般式(I)および一般式(II)で示される構造を有し、かつアミノ基構造、エチレン性不飽和結合、水酸基を有するモノマを合成した。最終的にできた化合物の構造を式(VIII)に示す。
【0118】
【化11】
【化12】
合成例2
合成例1の式(VII)で示される構造を有するエポメート(油化シェルエポキシ(株)製)50gに、アクリル酸クロリド33gとグリシジルメタクリレート52gの混合液を0℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、40℃で2時間反応させ、さらに70℃で6時間反応させ、一般式(I)および一般式(II)で示される構造を有し、かつアミノ基構造、エチレン性不飽和結合、水酸基を有するモノマを合成した。最終的にできた化合物(二種類の混合物)の構造を式 (IX)に示す。
【0119】
【化13】
合成例3
合成例1において、式(VII)で示される構造のジアミンを下記式(X)で示される構造を有するジアミンに変更する以外はすべて合成例1と同様にして一般式(I)で示される構造を有し、かつアミノ基構造、エチレン性不飽和結合、水酸基を有するモノマを合成した。最終的にできた化合物の構造を式(XI)に示す。
【0120】
【化14】
【化15】
合成例4
合成例2において、式(VII)で示される構造のジアミンを下記式(X)で示される構造を有するジアミンに変更する以外はすべて合成例1と同様にして一般式(I)で示される構造を有し、かつアミノ基構造、エチレン性不飽和結合、水酸基を有するモノマを合成した。最終的にできた化合物(二種類の混合物)の構造を式(XII)に示す。
【0121】
【化16】
実施例1
厚さ0.30mmのアルミ板(住友軽金属(株)製)を3%水酸化カリウム水溶液に浸して脱脂し、水洗、乾燥して支持体を得た。
【0122】
こうして得られた支持体の上に、下記のプライマ組成物を塗布し、190℃、100秒熱処理して6μmのプライマ層を設けた。
【0123】
次いで、上記プライマ層上に下記の組成物よりなる感光液を塗布し、115℃、60秒熱処理して2μmの感光層を設けた。
【0124】
次いで、上記感光層上に下記の組成物よりなるシリコーンゴム組成物を乾燥窒素気流下で塗布し、110℃、160秒で熱処理して3μmのシリコーンゴム層を設けた。
【0125】
上記のようにして得られた積層板に、厚さ10μmの片面マット化ポリエチレンフィルム”ルミラー”(東レ(株)製)をマット化されていない面がシリコーンゴム層と接するようにしてカレンダーローラを用いてラミネートして保護層とし、光重合型水なし平版印刷版原版を得た。
【0126】
画像評価は600線/インチ1〜99%の網点を有するポジフィルムと光学濃度差0.15であるグレースケール(G/S)、およびモデルごみ(繊維屑、フィルム屑など)、モデルフィルムエッジを貼り込み用のポリエステルフィルム上に貼り込み、ヌアーク社製 FT261V UNDS ULTRA−PLUS FIIPTOP PLATEMAKER真空露光機を用いて、30秒間真空密着した後、30カウント露光した。
【0127】
露光後、保護層であるポリエチレンフィルム”ルミラー”(東レ(株)製)を剥がし、自動現像装置TWL−1160(東レ(株)製)を用い、液温度40℃の前処理液PP−F(東レ(株)製)を用い、現像液には水を用い、染色液にはPA−1(東レ(株)製)を用いて現像を行い、水なし平版印刷版を得た。
【0128】
このようにして得た水なし平版印刷版を、オフセット印刷機(小森スプリント4色機)に取り付け、大日本インキ化学工業(株)製”ドライオカラー”墨、藍、紅、黄インキを用いて上質紙に印刷を行い画像再現性および耐刷のテストを行った。
【0129】
現像の評価結果並びに耐刷性の評価結果を表1に示す。表1においてGS感度は数値が6〜8の間が適性範囲であり、この間から外れていると感度が鈍いあるいは敏感すぎて好ましくない。また、表1におけるフィルムエッジ飛びおよびゴミ飛びは、短時間で飛ぶ方が好ましく、時間がかかる程感度が鈍く、作業性が劣ることを意味する。表1における網点再現性は1〜99に近い程フィルムに忠実な画像再現性を有していることを意味し、1あるいは99から数値が離れるほどシャドウ部分あるいはハイライト部分の画像再現性が劣っていると言える。表1における耐刷性とは、上述の方法で印刷した場合において画像に忠実な印刷物が印刷できうる枚数を示しており、当然ながら枚数が多いほど耐刷性に優れている。表1の結果より、良好な画像再現性と耐刷性を示した。
【0130】
実施例2〜4
実施例1において、感光層中に用いられている合成例1で合成した化合物を合成例2〜4で合成した化合物に変更する以外はすべて実施例1と同様にして水なし平版印刷版原版を得て、実施例1と同様にして現像、耐刷テストを行い、評価した。現像の評価結果並びに耐刷性の評価結果は表1に示す通りであり、良好な画像再現性と耐刷性を示した。
【0131】
比較例1
実施例において、感光層を以下に示す組成に変更する以外はすべて実施例1と同様にして水なし平版印刷版を得て、実施例1と同様にして現像、耐刷テストを行い、評価した。現像の評価結果並びに耐刷性の評価結果は表1に示す通りであり、満足な画像再現性、耐刷性は得られなかった。
【0132】
比較例2
実施例において、感光層を以下に示す組成に変更する以外はすべて実施例1と同様にして水なし平版印刷版を得て、実施例1と同様にして現像、耐刷テストを行い、評価した。現像の評価結果並びに耐刷性の評価結果は表1に示す通りであり、満足な画像再現性、耐刷性は得られなかった。
【0133】
【表1】
【0134】
【発明の効果】
本発明の水なし平版印刷版原版は、感光層中に特定の構造を有する重合可能な化合物を含有しているので、耐刷性に優れ、画像再現性にも優れている。とりわけ、高精細印刷物を印刷する際に有利となる。
Claims (5)
- 支持体上に感光層およびインキ反発層をこの順に積層してなる水なし平版印刷版原版において、該感光層が光重合型感光層であり、以下の( i )〜( iii )に示す構造を少なくとも一つずつ含んだ化合物を含有していることを特徴とする水なし平版印刷版原版。
( i )下記一般式(I)で示される構造
( ii )アミノ基構造
( iii )エチレン性不飽和結合 - 一般式(I)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物が、水酸基構造を少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1記載の水なし平版印刷版原版。
- 一般式(II)で示される構造、アミノ基構造、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つずつ含んだ化合物が、水酸基構造を少なくとも一つ有することを特徴とする請求項2記載の水なし平版印刷版原版。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版を選択的に露光、現像してなる水なし平版印刷版。
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