JP3635695B2 - 改版情報提供管理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はコンピュータソフトウェアや電子出版、電子マニュアル等の改版情報提供管理装置と情報処理装置に関する。
【0002】
コンピュータのソフトウェアは電子媒体で提供され運用に供されるが、ソフトウェアの特殊性から機能の追加、改善、作成ミス修正等のため提供後も常に新しい改版情報の提供が必要である。また、出版物は従来は紙による出版がほとんどであり改版時には全体を別の製品として提供され、提供済の出版物に対して改版情報を提供することは無かったが、一部バインダー形式での改版情報提供契約付の出版物も存在し、改版情報は紙媒体によって郵送等の手段で提供されていた。最近のマルチメディア化の時代になって電子出版、電子化されたマニュアルの提供も実現してきたので、今後は最新の情報によりメンテナンスされた電子出版物への要求も高まり、コンピュータソフトと同様の改版情報提供管理が必要になってきた。
【0003】
【従来の技術】
改版情報の配布の方法は媒体の郵送、手渡し、オンライン伝送等の様に形態はいろいろあるが、一旦、個別に受け取った改版情報の適用反映を、原情報を格納した利用者側の装置についてその装置の管理者の責任で行わなければならない。すなわち、提供情報の利用者という特定多数を相手にするため、原情報の種類、原情報の入手の時点、使用上の環境、改版情報の適用反映の経緯もそれぞれ違うので一律に適用できず、個々の状況に合わせて適用反映する必要がある。
【0004】
従って、従来は前述の紙のマニュアルについての改版と同様に、電子媒体の情報に対しても情報提供者の方から一方的に一律配布の方式で、予め登録された利用者に対して改版情報の提供が行われてきた。特にコンピュータソフトについては、改版情報すなわちプログラムの修正情報は適用反映の欠落を恐れ、必要と思われるすべての改版情報を累積して提供してきた。この中から利用者側の責任で未反映のものを選択して適用する方法をとってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、累積した改版情報の件数が多くなってくると、利用者側においては改版情報の原情報への適用反映に要する時間が長くなり運用の負担が多くなってきた。また、改版情報の提供者側にしても、改版情報の媒体コピー時間、必要とする媒体量ともに多くなり、運用の人件費等運用コストの負担が増える。改版情報の提供を回線を利用して行う場合については回線費用の増加についても問題になる。
【0006】
利用者の責任において情報の管理をこまめに行い、必要最低限の改版情報の提供を要求しても前に述べたように適用のもれがあると正しい改版が行われないため机上の管理のみでは難しい。
【0007】
このように、情報の増大に伴い、改版情報の適用のために必要な時間、費用の増大と改版情報の確実な適用の困難さの増大という問題があった。
本発明はこのような点にかんがみて、確実な改版、必要な情報のタイムリーな提供、提供側、適用側両方の時間、費用の削減を行うことができる改版情報提供管理を実現する手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は下記の如くに構成された改版情報提供管理装置と情報処理装置によって解決される。
【0009】
図1は、本発明の構成図である。
複数の利用者に対して提供する、プログラムまたはデータの改版の指示データを管理する前記改版情報提供管理装置11においては、改版の対象となるプログラムまたはデータの識別子、改版の指示データと、改版番号を有する改版情報を記憶する改版情報格納部3と、各利用者毎、プログラムまたはデータ毎にすでに適用されている改版情報の改版番号を入力する適用実績入力手段2と、前記適用実績入力手段2で入力された情報に基づいて、前記改版情報格納部3から各利用者毎に未適用の改版情報を抽出する改版情報抽出手段4とを備えて構成する。(請求項1)
また、装置内の複数のプログラムまたはデータについて改版を行う前記情報処理装置12においては、前記改版情報抽出手段により抽出された改版の対象となるプログラムまたはデータの識別子、改版の指示データと、改版番号を有する改版情報に基づいて、該当するプログラムまたはデータの更新を行う改版情報適用手段5と、前記改版情報に基づいて、プログラムまたはデータの更新に使用した改版情報の改版番号を、対象のプログラムまたはデータの識別子と対応させて、記憶する管理情報格納部6と、前記管理情報格納部6に基づいて、プログラムまたはデータに対する改版情報の適用実績を出力する適用実績出力手段1とを備えて構成する。(請求項2)
【0010】
【作用】
改版情報格納部3には改版の対象となるプログラムまたはデータの識別子、改版の指示データと、改版番号を有する改版情報を記憶するようにし、適用実績入力手段2では各利用者毎、プログラムまたはデータ毎にすでに適用されている改版情報の改版番号を入力し、改版情報抽出手段4は入力された情報に基づいて、前記改版情報格納部3から各利用者毎に未適用の改版情報を抽出する。(請求項1)
改版情報適用手段5は改版の対象となるプログラムまたはデータの識別子、改版の指示データと、改版番号を有する改版情報に基づいて、該当するプログラムまたはデータの更新を行い、管理情報格納部6には前記改版情報に基づいて、プログラムまたはデータの更新に使用した改版情報の改版番号を、対象のプログラムまたはデータの識別子と対応させて、記憶するするようになっている。適用実績出力手段1は前記管理情報格納部6に基づいて、プログラムまたはデータに対する改版情報の適用実績を出力し請求項1における適用実績入力手段の入力データとするようにしている。
【0011】
【実施例】
コンピュータユーザの情報処理装置を稼働させるのに必要なソフトウェアはオペレーティングシステム、各種処理プログラム、パッケージプログラム、ユティリティ、その他環境設定用のデータ等メーカあるいはソフトベンダが提供する製品とユーザ自身で開発したアプリケーションプログラム等から構成される。
【0012】
本実施例ではこれらの内メーカーが提供する製品について、製品の提供後発生した改版情報をその提供を受けた特定多数のユーザに効率よく提供する装置について説明する。図2は本発明の実施例の構成図を示す。
【0013】
最初に、ソフト提供管理の仕組みについて概要を説明する。
まずソフトウェア製品の構成について図3のソフトウェア製品の構成説明図に従い説明する。ユーザの情報処理システムを稼働させるのに必要なソフトウェアは複数の製品からなり、図中の製品A、製品B・・・と示したものである。括弧内のV/Lはバージョン、レベルを意味し、同じ製品、例えば、あるコンパイラ言語の製品でも内容の異なる幾つかの種類があることを示す。この製品Aについては図3に示すように複数の機能a、b、c・・・から構成される。例えば後に説明する図6にあるような翻訳機能とか入力機能がそれである。これらの機能は実際にメモリにローディングされて動作する単位である1以上のモジュールから構成される。図3にあるモジュール▲1▼とかモジュール▲2▼がこれである。製品B、製品Cについても同様である。
【0014】
次に、各製品毎に提供される改版情報の構成について述べる。図4の改版情報の構成説明図により説明する。ソフトウェア製品に対する改版情報の提供は2種類あり図中二重線で囲んで示した一括改版情報41と臨時改版情報43の2段階に階層化されている。一括改版情報41はある程度まとまりを持った規模の大きな修正、改版がある場合に提供される。すなわち、モジュール単位で内容を入れ換える等の程度の改版を含む。一括改版情報は同期して提供される改版情報のかたまりについてレベル番号を与えられる。改版レベルA42a 、改版レベルB42b 、・・・等がそれであり、提供の単位を表すことになる。
【0015】
改版レベルA42a は四角の一重線で囲んで示してあるように改版番号▲1▼、改版番号▲2▼、・・・で示したような複数のモジュールの修正から構成される。この改版番号▲1▼等が個別に提供されることはなく改版レベルA42a としてかたまりで提供される。ただし、契約された製品に関する改版情報に限られることは前提である。
【0016】
臨時改版情報43は改版レベル毎に次の改版レベルの提供を受けるまでの最新情報の提供を行うためのもので小規模ではあるが次の改版レベルを待たずに緊急に対処すべき内容の改版情報である。図4にあるように臨時改版情報43は改版番号a、改版番号b、・・・で示したものであり、プログラムステップの一部置き換えとか、ステップの削除等の修正の複数が含まれる。
【0017】
一括改版情報と臨時改版情報の関係は図5に絵として説明する図を示してある。図5において、一番下にあるものは製品X51を示しており製品の提供後、改版情報が順次提供されるときのベースとなっていることを示している。図では右方向に時間の経過を示し、上方向に改版が進むことを高さで示す。左から見てみると製品X51が提供された直後の改版情報は改版番号aの臨時改版情報54a が提供されていることを示している。ある程度時間が経過して行くうちにモジュール単位でまとめて修正が必要になった段階で一括改版(52a,52b,52c) が提供される。レベルA52a と番号付けられ、以後レベルB52b 、レベルC52c と一括改版情報が提供され、ユーザ毎の改版の適用状況がバラバラになったときもレベル番号で何処まで改版されているかを明確に管理できるようにする。すなわち、臨時改版情報の提供はあるユーザについて適用出来るものはそのユーザが適用済の一括改版レベルに対応したもののみが意味を持つ。図5の臨時改版(53a,53b,53c,53d) には改版番号a、b 、c 等が同じように配置されているが同じ番号(a,b, ・・) でも一括改版レベル毎に別物である。
【0018】
以上の様なソフト提供管理の仕組みに対して、本発明の実現方法について図2にある本発明の実施例の構成図に基づき説明する。
図2の構成は上半分は管理センタ11における構成であり、ソフト提供、改版情報提供を行う部分である。下半分はソフトの提供を受けるユーザにおける情報処理装置12の構成を示す。ユーザA12a について内容を示すが、ユーザB12b 、・・・のように複数のユーザが独立して情報処理システムの運用を行っているものとする。
【0019】
管理センタ11とユーザ12(a,b, ・・) の間は磁気テープの様な媒体(24a、24b)で情報の受渡しを行う。管理センタ11からの情報は改版情報24b であり、ユーザ12から管理センタ11への情報は改版適用実績情報24a である。
【0020】
ユーザ12がソフトの提供を初めて受けるときは管理センタ11からユーザ12に必要な各種ソフトがその時点での改版情報と共に媒体24b で提供され、プログラムライブラリ27に格納される。改版情報の適用は改版情報適用手段5を用いてプログラムライブラリ27に対して実行されるが、この時どの改版情報が適用されたかをユーザの情報処理装置12に設置してある管理情報格納部6に記録する。
【0021】
すなわち、上記に説明したようなソフトウェアの製品名、機能名、モジュール名で決まる対象とするプログラムについて一括改版のときは一括改版情報のかたまりを示す一括改版レベルと一括改版情報のかたまりの中のどの改版情報を適用したかを示す改版番号▲1▼、▲2▼・・・を記録する。臨時改版情報については修正の前提条件となる一括改版情報のレベルにあわせて改版番号a、b・・・を記録する。
【0022】
図6は適用実績格納部の構成説明図である。ここには管理センタ11における適用実績格納部23に格納されている情報の内1つのユーザ12についての適用実績情報の例を示している。ユーザ12側の管理情報格納部6に格納されている管理情報もここに見るような同じ形式で記録されている。
【0023】
具体的な例として図6の93年9月30日の適用内容を見てみると製品名コンパイラの翻訳XY機能の中のPRMRなるモジュールに対して一括改版のレベルAが適用されている。レベルAの一括改版情報の中の番号▲2▼が実際にプログラムの修正として実施適用されていることを示している。
【0024】
また、93年11月1日には同じ一括改版レベルAに対する臨時改版番号bの改版情報が適用実施されていることが記録されている。
この様にユーザ12のプログラムライブラリ27に修正適用された一括改版情報、臨時改版情報はこれらに対応して管理情報が管理情報格納部6に記録されることになる。
【0025】
改版情報の提供を受けるときは管理センタ11からの一連の改版情報の発生の通知を見てユーザ12の判断でユーザ12側から提供の依頼を行う。ユーザの情報処理装置12で稼働しているソフトウェアの状況は上記のように管理情報格納部6に保存されておりこれを適用実績収集手段1により媒体に記録し、これを添付して改版情報の提供依頼を行う。即ち実際に適用されている改版は一括改版情報のどのレベルまで、どの番号の改版が適用されているかを改版情報の提供依頼のときに明確に提示することができる。
【0026】
改版情報の提供依頼を受けた管理センタ21では、前記媒体に格納された改版適用の情報を適用実績蓄積手段2により適用実績格納部23に格納する。適用実績は上に述べたように図6にその内の一部の項目を示すような内容のものである。実際には多くのユーザについて同様な情報が受け入れられるのでユーザ名等の識別が項目として必要であり記録されているがここではユーザ毎にまとめられている状態の部分を内容として示す。上に述べたようにこれはユーザ12の管理情報格納部6の内容と対応しているのでここでは内容の説明は省略する。
【0027】
ここで、全ての製品について全ての種類の改版情報を蓄積したものが改版情報格納部3であるが、ユーザ12からの改版情報の提供依頼に対して提供すべき改版情報は必要十分なものとして選択する必要がある。改版情報抽出手段4は上記改版情報格納部3から適用実績格納部23中の該当するユーザ12の適用実績を参照してこれを行う。
【0028】
すなわち、改版情報格納部3にある全ての改版情報の中から改版情報抽出手段4を用いて、別途ユーザ管理ファイルに登録されている契約済の製品名と一致するもののうち、ユーザ12に適用実績のある最新の一括改版情報のレベル以降に適用すべき改版情報のみを抽出する。これが改版情報24b として媒体に格納されユーザ12に提供されることになる。
【0029】
このようにして、ユーザ12のシステムに実際提供されている改版情報を正確に把握し、必要且つ十分な情報のみを選択可能とし、提供側での処理量、媒体での提供する情報量、ユーザ12側での適用のための処理量すべてが少なくて済むことになる。従来の提供方法では課題のところで述べたようにその製品についていままで発行された改版情報をすべて提供していたので、製品の提供開始からの時間の経過とともに効率化の効果が顕著となる。
【0030】
従来の提供情報と本発明の実施例の提供情報の量的な違いの1例を図7に示す。
〔その他の実施例〕
管理センタ11とユーザ12との間で受け渡す改版情報24b 、改版適用実績情報24a を磁気テープ等の媒体を用いるとしたが、回線経由での受渡し等別の手段を使用することもできる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によればコンピュータソフトウェアや電子出版、電子マニュアル等の改版情報提供管理装置と情報処理装置に関して、確実な改版、必要な情報のタイムリーな提供、提供側、適用側双方の時間、費用の削減を行うことができる改版情報提供管理を実現する手段を提供することができるという著しい工業的効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成図
【図2】 本発明の実施例の構成図
【図3】 ソフトウェア製品の構成説明図
【図4】 改版情報の構成説明図
【図5】 一括改版情報と臨時改版情報説明図
【図6】 適用実績格納部の構成説明図
【図7】 実施例の効果の例
【符号の説明】
1 適用実績出力手段
2 適用実績入力手段、適用実績蓄積手段
3 改版情報格納部
4 改版情報抽出手段
5 改版情報適用手段
6 管理情報格納部
23 適用実績格納部
27 プログラムライブラリ

Claims (1)

  1. 複数の情報処理装置と前記情報処理装置が格納して利用するプログラムまたはデータの改版の指示データを管理する改版情報提供管理装置とからなり、
    前記改版情報提供管理装置の改版情報格納部には、改版の対象となるプログラムまたはデータの識別子、改版の指示データと、改版番号を有する改版情報を記憶し、
    前記改版情報提供管理装置から提供される前記改版情報に基づいて、前記各情報処理装置の改版情報適用手段は、該当するプログラムまたはデータの更新を行うとともに、改版管理情報格納部に前記更新に適用した改版情報の改版番号と対象のプログラムまたはデータの識別子とを対応させた改版管理情報を記憶し、
    前記情報処理装置からの改版要求に基づき前記改版情報提供管理装置は該要求した情報処理装置に格納されたプログラムまたはデータに未適用の改版情報を抽出して提供する改版情報提供管理システムであって、
    前記情報処理装置には、
    記改版管理情報格納部に記憶された改版管理情報に基づいてプログラムまたはデータに対する改版情報の適用実績情報を出力して前記改版要求とする改版適用実績情報出力手段と、
    前記改版情報提供管理装置には、
    記各情報処理装置から出力された改版情報の適用実績情報を前記改版要求として入力する適用実績情報入力手段と、
    前記適用実績情報入力手段で入力された改版情報の適用実績情報に基づいて前記改版情報格納部から前記各情報処理装置に未適用の改版情報を抽出する改版情報抽出手段と、
    を備えることを特徴とする改版情報提供管理システム。
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