JP3635637B2 - 洗濯機等の多連式電磁給水弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水等の給水配管ライン等(以下、ラインという。)に設置して、プランジャに連結されたパイロット弁(弁体)でダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスを開閉することにより、ダイヤフラム弁を連動させて主弁座の開閉を行う洗濯機等のパイロット弁方式の電磁給水弁に係るものであり、詳しくは2連式、3連式、4連式等の多連式電磁給水弁において、毎分500cc未満の微少流量の給水を担当する電磁給水弁ユニットの給水の信頼性向上、微少流量用流量調節部品の機能維持の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、全自動洗濯機等には、例えば、洗濯(脱水)槽に大流量(例えば、毎分30L)の水を給水させる電磁給水弁ユニットEと、濯ぎ洗いの為に中流量程度(例えば、毎分15L)の水を給水させる電磁給水弁ユニットFと、を一体化させた横連設型2連式のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁(図3参照)等が、搭載されているものがある。
又、例えば、洗濯(脱水)槽に大流量(例えば、毎分30L)の水を給水させる電磁給水弁ユニットEと、濯ぎ洗いの為に中流量程度(例えば、毎分15L)の水を給水させる電磁給水弁ユニットFと、洗剤やリンス剤等の溶解の為に小流量程度(例えば、毎分8L)の水を給水させる電磁給水弁ユニットGと、を一体化させた集合型3連式のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁(不図示)等が、搭載されているものがある。
【0003】
前記のような各種の多連式電磁給水弁には、1つの流入口(例えば、ねじ継手の呼びPT3/4、口径の呼び20というように、業界では給水ホース等のねじ接続や口径等を規格化している。流入口には異物(例えば、虫、砂、鉄屑等)混入防止の60メッシュ程度の網目が粗い湾曲形メッシュフィルタ(例えば、ステンレス鋼線)や、全流量(大流量〜小流量)制御用の流量調節部品(流量制御用の弾性部材(例えば、NBR)の環状ディスク(フローシート)、該環状ディスクの支持材であるカラーやカップ等を組み込むことが多い。)と、1つの流入管路と、複数(2連式であれば2つ、3連式であれば3つ、4連式であれば4つ、以下、同じ。)の流入室(流出管路の外周部)と、複数の主弁座(流出管路の端面部の外周部肉厚を薄くした部分)と、複数の流出管路と、複数の流出口とを有する樹脂成形部材(例えば、ポリプロピレン樹脂)で一体成形した弁本体に、各々の弁座を各々閉鎖するように複数のダイヤフラム弁(弁体)を設置し、該弁本体に各々の該ダイヤフラム弁のダイヤフラムの液密パッキン部を押圧するように樹脂成形部材(例えば、ナイロン樹脂)のガイドケース(内部を一次背圧室という。)を各々押止め、各々の該ガイドケースの内周には該ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスが閉鎖されるように、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質パイロット弁(弁体)が固定された磁性部材のプランジャ(可動鉄心)と、該プランジャを常時弾発付勢しているコイルスプリング(例えば、ステンレス鋼線)を各々収納し、各々の該ガイドケースの外周部にはマグネット・ワイヤと呼ばれる銅線(例えば、エナメル線)を円筒状のボビン(例えば、ナイロン樹脂)に巻いて端子片(例えば、ファストン端子#250)やリード線(電線)に接続(例えば、半田付け、ヒュージング、スポット溶接、レーザ溶接)し、電気絶縁材(例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の接着シール材等で、他の材質の防水対策材、防湿対策材、結露対策材用等のものも含む。)で封止し、ヨークで囲繞したソレノイド(コイル)を各々設置して構成された一次背圧室配設常閉形のものが知られている。
【0004】
細部において、例えば、2連式の多連式電磁給水弁においては、例えば、実公昭62−29073号公報等で開示されているように、大流量用貫通孔と中流量用貫通孔とを備え、流入管路内の管路を隔てるような複合型流量調節部品等を配設されているものもある。
【0005】
又、前記2連式の多連式電磁給水弁においては、前記のように流入口の内周部に全流量制御用の流量調節部品を配設する場合が一般的だが、例えば、実開昭56−136685号公報、登録実用新案第3021488号公報等で開示されているように、流出管路又は流出口の内周部に小流量〜微少流量用流量調節部品を配設する場合もある。
【0006】
流入管路は、該流入口の水を流入室に誘導する通路であるが、流入管路内でキャビテーションを発生しやすくする(ダイヤフラム弁を主弁座から浮遊させる水撃圧を確保する)ために、管路を長くすることが多い。又、該全流量制御用流量調整部品で水の流れが乱流になってしまうので、キャビテーションをより発生しやすくするためには一度整流させることが必要であり、流入管路内に整流羽根(例えば、*字状)を設ける場合が多い。
【0007】
各々の流入室は、弁本体の内壁と流出管路の外周部とに囲まれた室をいい、ダイヤフラム弁に水の圧力を伝播させる機能がある。通常、該流入管路内で発生したキャビテーションは各々の該流入室で消失されている。
【0008】
各々の主弁座は、流出管路(各々の流入室内の管路をいう。)の端面部(入口部)である。止水性能の向上のために、ダイヤフラム弁が食い込みやすくなる形状になっている。
【0009】
各々の流出口は、流出管路の出口部であるが、弁本体外周部の管路をいう。各々の該流出口の外周部には、給水ホース等の抜け止め用に、環状の凸部(リブ)等がある。
【0010】
各々の該ダイヤフラム弁は、例えば、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質ダイヤフラムに設けられた少なくとも一個の小穴と一個の中穴に、樹脂成形部材(例えば、ポリアセタール樹脂)の硬質ディスクの片面に設けられた少なくとも一個の小突起と一個の中突起部(円筒形)を嵌挿することにより結合(例えば、登録実用新案第3010806号公報等で開示されているように、複数の小穴と小突起を設けて嵌挿結合させても良い。)していて、該ダイヤフラム弁の外周部には該小突起が飛び出ていて、流入室と一次背圧室(ガイドケース内部)を貫通するサイド・オリフィス(小孔、ブリード孔ともいう。)を備え、該ダイヤフラム弁の中央部には該中突起部が飛び出ていて、略中央部には一次背圧室と背圧室流出口(中突起部内周部)を貫通するパイロット・オリフィス(中孔)を備えている。又該中突起部外周部には通水時の水の流れを整流する整流羽根等が設けられている。
【0011】
さて、単体のパイロット弁方式の電磁給水弁と同様に、該多連式電磁給水弁にある複数の該ソレノイドの何れか(複数可)に電流を流し(通常は交流100Vの電圧を印加するが、交流100Vの電圧を全波整流した電圧や、直流電圧を印加しても良い。)励磁すると、該ソレノイドの内側に設置された該ガイドケース内の略中央部に該プランジャが吸引されて、該パイロット・オリフィスを閉鎖していた該パイロット弁が離れる。
すると、流入室の流体は該サイド・オリフィスから該一次背圧室に流入し、該パイロット・オリフィス、該背圧室流出口を通り、該流出管路、該流出口に流出する。この通路が開通されると、流入室の流体の圧力で該ダイヤフラム弁が該弁座から浮遊し、流体の大部分は、該流入口、該流入管路、該流入室、該弁座、該流出管路、該流出口の主流路を通り流出する。
【0012】
次に、該ソレノイドに電流を流すのを止め消磁すると、該コイルスプリングにより該プランジャが定位に復旧し、該パイロット弁が該パイロット・オリフィスを閉鎖する。すると、該サイド・オリフィスから該一次背圧室に流入している流体は行き場を無くして、流体圧の上昇により該主弁座から浮遊していた該ダイヤフラム弁を該主弁座に押圧するようになる。そして、該主弁座が該ダイヤフラム弁で急閉鎖されて止水される。
【0013】
さて、最近の全自動乾燥洗濯機等には、例えば、洗濯(脱水)槽に大流量の水を給水させる電磁給水弁ユニットEと、濯ぎ洗いの為に中流量程度の水を給水させる電磁給水弁ユニットFと、洗剤やリンス剤等の溶解の為に小流量程度の水を給水させる電磁給水弁ユニットGと、例えば、乾燥工程時に温風送風と同時に噴霧させるための毎分500cc未満の微少流量程度の水を給水させる電磁給水弁ユニットと、を一体化させたパイロット弁方式の多連(2連、3連、4連等)式電磁給水弁の開発要望が多くなっている。
【0014】
大流量の電磁給水弁ユニットEは、流入口に全流量制御用流量調節部品等が配設されているので、特に別途流量調節部品等を配設しなくてもよいが、微少流量の電磁給水弁ユニットにおいては、前記(例えば、実開昭56−136685号公報、登録実用新案第3021488号公報等で開示されている技術)のように、各ユニットの流出管路又は流出口の内周部に、微少流量用流量調節部品等を配設する必要がある。中流量の電磁給水弁ユニットF、小流量の電磁給水弁ユニットGにおいては、必要により中流量〜小流量用流量調節部品等を各ユニットF〜Gの流出管路又は流出口の内周部等に配設すると良い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、毎分500cc以上の大流量から小流量においては、異物が流れてきても、各電磁給水弁ユニットE〜Gの流出口の内周部に設けられた各々流量調節部品の付着することは少ないが、微少流量においては、異物が流れにくく、毎分500cc未満の微少流量の給水を担当する電磁給水弁ユニットの流出口の内周部に設けられた微少流量用流量調節部品等に堆積する可能性が高いという問題点がある。
【0016】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、毎分500cc未満の微少流量の給水を担当する電磁給水弁ユニットの微少流量の給水信頼性、微少流量用流量調節部品の機能維持が期待できる洗濯機等の多連式電磁給水弁を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の洗濯機等の多連式電磁給水弁は、網目が粗い(例えば、20〜70メッシュ程度)湾曲形メッシュフィルタ(例えば、ステンレス鋼線、鉄線、銅線、アルミニウム線、合金線、樹脂線、或いはゴムメッシュフィルタ、樹脂メッシュフィルタ、不織紙フィルタ、不織布フィルタ、セルローズ繊維フィルタ、活性炭繊維フィルタ、ガラス繊維フィルタ、多孔質スポンジ等でも良いし、又ステンレス鋼線等と前記フィルタとの複合フィルタ等であっても良い。)と全流量制御用の流量調節部品(例えば、カラー、環状ディスク等からなる。又、通水抵抗の多い多孔質スポンジ、多孔質グラファイト、多孔質セラミック、多孔性カーボン、多孔性無機物質等でも良い。)とを設けた流入口、流入管路、複数の流入室、複数の主弁座、複数の流出管路、複数の流出口、を一体成形した弁本体に、各々の該主弁座を閉鎖するように、軟質ダイヤフラムと硬質ディスクとからなり中突起部とサイド・オリフィスとを有するダイヤフラム弁A(大流量から小流量程度の給水を担当する電磁給水弁ユニット用のダイヤフラム弁)、又は、複数(例えば、八個)の貫通孔を有する軟質ダイヤフラムと複数(例えば、八個)の貫通孔を有する硬質ディスクと両者の間に挟着される網目が細かい(例えば、80〜120メッシュ程度)金属製平網(例えば、ステンレス鋼線、銅線、アルミニウム線)とからなり中突起部を有する(サイド・オリフィスは有って無くても良い。)ダイヤフラム弁B(微少流量の給水を担当する電磁給水弁ユニット用のダイヤフラム弁)、を設置し、該弁本体に各々の該ダイヤフラム弁A又はダイヤフラム弁Bのダイヤフラムの液密パッキン部を押圧するように各々のガイドケースを押止め、各々の該ガイドケースの内周部には該ダイヤフラム弁A又はダイヤフラム弁Bの中突起部の略中央に設けられたパイロット・オリフィスが閉鎖されるように、パイロット弁が固定されたプランジャと、該プランジャを常時弾発付勢しているコイルスプリングを収納し、各々の該ガイドケースの外周部には各々のソレノイドを設置して構成された複合型のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁であって、少なくとも1つの該主弁座にはダイヤフラム弁Bを設置し、該ダイヤフラム弁Bの中突起部の外周部に水密パッキンを環装して微少流量用流量調節部品(例えば、カップ、環状ディスク等からなる。従来品で良い。振動音防止等にはカップの外周部に水密パッキン等を環装しても良い。又、通水抵抗の多い多孔質スポンジ、多孔質グラファイト、多孔質セラミック、多孔性カーボン、多孔性無機物質等でも良い。)と共に当該主弁座の流出管路の内周部に挿入し、該ダイヤフラム弁Bの当該主弁座の開閉を無効とさせたパイロット弁直動方式の電磁給水弁をユニットH(微少流量の給水を担当する電磁給水弁ユニットH。以下、ユニットHという。)とし、他の該主弁座にダイヤフラム弁A(従来品)を設置したパイロット弁方式の電磁給水弁をユニットP(大流量から小流量程度の給水を担当する電磁給水弁ユニットE〜G。以下、ユニットPという。)とし、これらユニット(ユニットHとユニットP)を任意に(例えば、2連式、3連式、4連式とするために)組み合わせた(例えば、ユニットH+ユニットP、ユニットH+ユニットP+ユニットP、ユニットH+ユニットH+ユニットP、ユニットH+ユニットP+ユニットP+ユニットP、ユニットH+ユニットH+ユニットP+ユニットP、ユニットH+ユニットH+ユニットH+ユニットP)ことを特徴とする。
【0018】
細部においては、毎分500cc未満の微少流量の給水を担当する該主弁座には該ダイヤフラム弁Bを設置し、該ダイヤフラム弁Bの中突起部の外周部に水密パッキンを環装して微少流量用流量調節部品と共に当該主弁座の流出管路の内周部に挿入し、該ダイヤフラム弁Bの当該主弁座の開閉を無効とさせたパイロット弁直動方式の電磁給水弁をユニットHとし、毎分500cc以上の流量(流出口の口径等により大流量から小流量にコントロールできる。)の給水を担当する該主弁座に該ダイヤフラム弁Aを設置したパイロット弁方式の電磁給水弁をユニットPとしたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施例の洗濯機等の多連式電磁給水弁10のダイヤフラム弁Bを搭載するパイロット弁直動方式の電磁給水弁ユニット(ユニットH)の閉弁時における断面図(図3のB−B断面図)であり、図2は本発明の一実施例の洗濯機等の多連式電磁給水弁10のダイヤフラム弁Bを搭載するパイロット弁直動方式の電磁給水弁ユニット(ユニットH)の開弁時における断面図(図3のB−B断面図)である。
図4は本発明の一実施例の洗濯機等の多連式電磁給水弁10のダイヤフラム弁Aを搭載する従来のパイロット弁方式の電磁給水弁ユニット(ユニットP)の閉弁時における断面図(図5のA−A断面図)である。
【0020】
本発明の一実施例の洗濯機等の多連式電磁給水弁10においては、図3(図5)の弁本体17の流入口11に、全流量の異物(例えば、虫、砂、鉄屑等)混入防止用20〜70メッシュ程度(本一実施例においては60メッシュ)の流入口用湾曲形メッシュフィルタ(例えば、ステンレス鋼線、鉄線、銅線、アルミニウム線、合金線、樹脂線)50、全流量制御用の流量調節部品57(例えば、カラー51、環状ディスク52等からなる。又、通水抵抗の多い多孔質スポンジ、多孔質グラファイト、多孔質セラミック、多孔性カーボン、多孔性無機物質等でも良い。)を設けてある。
メッシュフィルタ50は、例えば、ゴムメッシュフィルタ、樹脂メッシュフィルタ、不織紙フィルタ、不織布フィルタ、セルローズ繊維フィルタ、活性炭繊維フィルタ、ガラス繊維フィルタ、多孔質スポンジ等と置換しても良いし、又メッシュフィルタ50と前記フィルタとの複合フィルタ等であっても良い。
又、例えば、特開平2−266179号公報等で開示されているように、二重の湾曲形メッシュフィルタ等を配設しても良い。
【0021】
先ず、図1及び図2の図面を参照して説明する。図1及び図2は従来の弁本体17(従来品:合成樹脂製でも真鍮製でも良い。)のうち、水が流入する流入口11、流入管路12、ダイヤフラム弁B30−2に水の圧力を伝播させる流入室13−2、主弁座15−2、流出管路14−2、水が流出する流出口16−2が断面としてあらわしたものである。該主弁座15−2を閉鎖するようにダイヤフラム弁B30−2を設置し、該弁本体17に該ダイヤフラム弁B30−2の液密パッキン部33−2を押圧するようにガイドケース40−2(従来品)を押止め、該ガイドケース40−2の内周部には該ダイヤフラム弁B30−2のパイロット・オリフィス31−2が閉鎖されるように、パイロット弁(弁体)41−2(従来品)が固定されたプランジャ42−2(従来品)と、該プランジャ42−2を常時弾発付勢しているコイルスプリング43−2(従来品)を収納し、該ガイドケース40−2の外周部には銅線44−2を円筒状のボビン45−2に巻いて端子片46−2に接続したソレノイド47−2(従来品)を設置したものである。
【0022】
ダイヤフラム弁B30−2は、少なくとも一個(本一実施例においては八個)のダイヤフラム・オリフィス(貫通孔)22と一個の中穴を設けた、例えば、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質ダイヤフラム21−2と、少なくとも一個(本一実施例においては八個)のディスク・オリフィス(貫通孔)26と一個の中突起部27−2を設けた、例えば、合成樹脂成形部材(例えば、ポリアセタール樹脂)の硬質ディスク25−2と、両者の間に、微細異物混入防止用80〜120メッシュ程度(本一実施例においては100メッシュ)の金属製平網(例えば、ステンレス鋼線、鉄線、銅線、アルミニウム線、合金線)29を挟着し、該軟質ダイヤフラム21−2の中穴に硬質ディスク25−2の中突起部27−2を嵌挿することにより結合させたものである。該中突起部27−2の略中央部には、例えば、直径0.7mmのパイロット・オリフィス(貫通孔)31−2を備えた。(従来品のダイヤフラム弁A30−1に有るサイド・オリフィス35は有って無くても良い。)
【0023】
無機質である金属製平網29は、例えば、ゴムメッシュフィルタ、樹脂メッシュフィルタ、不織紙フィルタ、不織布フィルタ、繊維フィルタ、ガラス繊維フィルタ等と置換しても良いし、又金属製平網29と前記フィルタとの複合フィルタ等であっても良い。
但し、フィルタを形成している成分に有機質等が存在すると、異物、固形物、スケール堆積物、ぬめり、水垢、糊状皮膜等により、早めに目詰まりを起こす可能性があるので、注意が必要である。
【0024】
必要であれば、前記フィルタに、銀及び/又は銅の鍍金、塗布、被覆(コーティング)加工等の抗菌処理等をすることにより、抗菌性が向上し、異物、固形物、スケール堆積物、ぬめり、水垢、糊状皮膜等が付着(成長)しにくくすることが可能である。
【0025】
所定の通水量が毎分500cc以上の流量の水が給水されないように、該中突起部27−2の外周部には水密パッキン(例えば、Oリング)28を環装して該流出管路14−2の内周部に挿入し、該主弁座15−2の開閉を無効とさせた。
又、不図示ではあるが、該ダイヤフラム弁B30−2の浮遊防止に、該ガイドケース40−2と該ダイヤフラム弁B30−2とを常時弾発付勢させるコイルスプリングを入れても良い。
【0026】
又、流出管路14−2の内周部に微少流量用の流量調節部品56−2(例えば、カップ54−2、環状ディスク55−2等からなる。従来品で良い。振動音防止等にはカップ54−2の外周部に水密パッキン等を環装しても良い。又、通水抵抗の多い多孔質スポンジ、多孔質グラファイト、多孔質セラミック、多孔性カーボン、多孔性無機物質等でも良い。)を設けた。又、流出管路14−2の内周部でなく、流出口16−2の内周部に設けても良い。
又、不図示ではあるが、流出口16−2の内周部には、該微少流量用流量調節部品56−2の飛び出し等を防止するために、支持材58等を挿入(圧入)しても良いし、該弁本体17に一体成形しておいても良い。
【0027】
さて、作用として、該ソレノイド47−2に交流電流を流す(通常は交流100Vの電圧を印加し励磁する。)と、該ソレノイド47−2の内側に設置された該ガイドケース40−2内の略中央部に該プランジャ42−2が吸引されて、該パイロット・オリフィス(弁座)31−2を閉鎖していた該パイロット弁(弁体)41−2が離れる。
そして、流入室13−2の水はダイヤフラム・オリフィス22と金属製平網29とディスク・オリフィス26とを通り背圧室34−2に流入し、該パイロット・オリフィス31−2を通り、該流出管路14−2、該流出口16−2に流出する。このときの流量は毎分500cc未満の微少流量である。
【0028】
次に、該ソレノイド47−2に交流電流を流すのを止める(通常は交流100Vの電圧を停電し消磁する。)と、該コイルスプリング43−2により該プランジャ42−2が定位に復帰し、該パイロット弁41−2が該パイロット・オリフィス31−2を閉鎖して止水される。
【0029】
次に、図4の図面を参照して説明する。図4は従来の弁本体17(従来品:合成樹脂製でも真鍮製でも良い。)のうち、水が流入する流入口11、流入管路12、ダイヤフラム弁A30−1に水の圧力を伝播させる流入室13−1、主弁座15−1、流出管路14−1、水が流出する流出口16−1が断面としてあらわしたものである。該主弁座15−1を閉鎖するようにダイヤフラム弁A30−1を設置し、該弁本体17に該ダイヤフラム弁A30−1の液密パッキン部33−1を押圧するようにガイドケース40−1(従来品)を押止め、該ガイドケース40−1の内周部には該ダイヤフラム弁A30−1のパイロット・オリフィス31−1が閉鎖されるように、パイロット弁(弁体)41−1(従来品)が固定されたプランジャ42−1(従来品)と、該プランジャ42−1を常時弾発付勢しているコイルスプリング43−1(従来品)を収納し、該ガイドケース40−1の外周部には銅線44−1を円筒状のボビン45−1に巻いて端子片46−1に接続したソレノイド47−1(従来品)を設置したものである。
【0030】
ダイヤフラム弁A30−1は、例えば、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質ダイヤフラム21−1に設けられた少なくとも一個の小穴と一個の中穴に、樹脂成形部材(例えば、ポリアセタール樹脂)の硬質ディスク25−1の片面に設けられた少なくとも一個の小突起と一個の中突起部27−1を嵌挿することにより結合していて、該ダイヤフラム弁A30−1の外周部には該小突起が飛び出ていて、流入室と一次背圧室を貫通するサイド・オリフィス(小孔)35を備え、該ダイヤフラム弁A30−1の中央部には該中突起部27−1が飛び出ていて、略中央部には一次背圧室34−1と背圧室流出口を貫通する例えば、直径0.7mmのパイロット・オリフィス(中孔)31−1を備えている従来品である。
【0031】
但し、パイロット・オリフィス31−1の直径が0.7mm以下の従来品を使用すると、異物、固形物、スケール堆積物、ぬめり、水垢、糊状皮膜等により、目詰まりを起こす可能性があるので、注意が必要である。
必要であれば、軟質ダイヤフラム21−1や硬質ディスク25−1に、銀及び/又は銅の鍍金、塗布、被覆(コーティング)加工等の抗菌処理等をすることにより、抗菌性が向上し、異物、固形物、スケール堆積物、ぬめり、水垢、糊状皮膜等が付着(成長)しにくくすることが可能である。
【0032】
必要により、流出管路14−1の内周部に流量制御用の流量調節部品56−1(例えば、カップ54−1、環状ディスク55−1等からなる。従来品で良い。振動音防止等にはカップ54−1の外周部に水密パッキン等を環装しても良い。)を設けても良い。又、流出管路14−1の内周部でなく、流出口16−1の内周部に設けても良い。
又、不図示ではあるが、流出口16−1の内周部には、該流量調節部品56−1の飛び出し等を防止するために、支持材58等を挿入(圧入)しても良いし、該弁本体17に一体成形しておいても良い。
【0033】
さて、作用として、該ソレノイド47−1に交流電流を流す(通常は交流100Vの電圧を印加し励磁する。)と、該ソレノイド47−1の内側に設置された該ガイドケース40−1内の略中央部に該プランジャ42−1が吸引されて、該パイロット・オリフィス(弁座)31−1を閉鎖していた該パイロット弁(弁体)41−1が離れる。
そして、流入室13−1の水はサイド・オリフィス35を通り背圧室34−1に流入し、該パイロット・オリフィス31−1を通り、該流出管路14−1、該流出口16−1に流出する。このときの流量は毎分500cc以上の流量(該流出口16−1の口径等により大流量から小流量にコントロールできる。)である。
【0034】
次に、該ソレノイド47−1に交流電流を流すのを止める(通常は交流100Vの電圧を停電し消磁する。)と、該コイルスプリング43−1により該プランジャ42−1が定位に復帰し、該パイロット弁41−1が該パイロット・オリフィス31−1を閉鎖して止水される。
【0035】
本発明の一実施例の洗濯機等の多連式電磁給水弁10においては、従来の弁本体17、ガイドケース40(40−1、40−2)、パイロット弁41(41−1、41−2)、プランジャ42(42−1、42−2)、ソレノイド47(47−1、47−2)等がそのまま流用でき、ダイヤフラム弁B30−2に設けられた金属製平網29により、微少流量用流量調節部品56−2が微細異物、微細固形物、スケール堆積物、ぬめり、水垢、糊状皮膜等による目詰まりを起こす可能性が低くなり、所定の通水量が毎分500cc未満の微少流量の給水信頼性、流量調節部品56や全自動乾燥洗濯機等の乾燥機構部等に設けられる噴霧口の機能維持が期待できる。
そして、洗濯機等の電気制御系のハードウェア(印刷配線基板)及び/又はソフトウェア(制御マイコン等)を変更することなく、容易に従来弁との置換若しくは部品(ダイヤフラム弁B30−2等)交換による改善が可能である。
【0036】
以上、本発明の好適な実施の形態について述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定されるものでなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの組合せ、改変等を施し得るのはもちろんである。
例えば、本発明の一実施例の洗濯機等の多連式電磁給水弁10においては、常閉型としたが常開型としても良い。
又、例えば、ソレノイド47(47−1、47−2)には、通常は、例えば、交流対地電圧300V以下で周波数50Hz又は60Hzの一般用低圧の単相交流電源等を印加するが、該単相交流電源を全波整流した電圧や、該単相交流電源をAC−DC変換した直流電圧等を印加しても良い。
本発明においては、説明の一部に、銀及び/又は銅という表現を採用したが、例えば、抗菌性金属添着合成樹脂、銅銀合金、銅合金、抗菌性金属添着金属等も含まれるものとする。又抗菌性金属においては銀、銅等が有り、添着、添加、含有、コーティング、メッキ、蒸着等の処理加工方法を問わないものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明の洗濯機等の多連式電磁給水弁においては、毎分500cc未満の微少流量の給水を担当する電磁給水弁ユニット(ユニットH)の微少流量の給水信頼性、微少流量用流量調節部品の機能維持が期待できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁のダイヤフラム弁Bを搭載するパイロット弁直動方式の電磁給水弁ユニットの閉弁時における断面図(図3のB−B断面図)である。
【図2】本発明の一実施例のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁のダイヤフラム弁Bを搭載するパイロット弁直動方式の電磁給水弁ユニットの開弁時における断面図(図3のB−B断面図)である。
【図3】従来及び本発明の一実施例のパイロット弁方式の多連(2連)式電磁給水弁の平面図であり、図1及び図2に係わるB−B断面位置を示す参考図である。
【図4】本発明の一実施例のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁のダイヤフラム弁Aを搭載する従来のパイロット弁方式の電磁給水弁ユニットの閉弁時における断面図(図5のA−A断面図)である。
【図5】従来及び本発明の一実施例のパイロット弁方式の多連(2連)式電磁給水弁の平面図であり、図4に係わるA−A断面位置を示す参考図である。
【符号の説明】
10…一実施例の多連(2連)式電磁給水弁、11…流入口、12…流入管路、13…流入室、14…流出管路、15…主弁座、16…流出口、17…弁本体、20…内壁、30…ダイヤフラム弁(弁体)、33…液密パッキン部、35…サイド・オリフィス、40…ガイドケース、41…パイロット弁(弁体)、42…プランジャ、43…コイルスプリング、44…銅線、45…円筒状のボビン、46…端子片、47…ソレノイド、50…流入口用湾曲形メッシュフィルタ、51…カラー、52…環状ディスク(フローシート)、54…カップ、55…環状ディスク(フローシート)、56−1…流出管路/流出口用の中流量〜小流量制御用流量調節部品、56−2…流出管路/流出口用の微少流量用流量調節部品、57…流入口用の全流量制御用流量調節部品、58…支持材
Claims (2)
- 網目が粗い湾曲形メッシュフィルタ50と全流量制御用の流量調節部品57(51と52の組合せ)とを設けた流入口11、流入管路12、複数の流入室13、複数の主弁座15、複数の流出管路14、複数の流出口16、を一体成形した弁本体17に、各々の該主弁座15を閉鎖するように、軟質ダイヤフラム21−1と硬質ディスク25−1とからなり中突起部27−1とサイド・オリフィス35とを有するダイヤフラム弁A30−1、又は、複数の貫通孔22を有する軟質ダイヤフラム21−2と複数の貫通孔26を有する硬質ディスク25−2と両者の間に挟着される網目が細かい金属製平網29とからなり中突起部27−2を有するダイヤフラム弁B30−2、を設置し、該弁本体17に各々の該ダイヤフラム弁A30−1又はダイヤフラム弁B30−2のダイヤフラム21の液密パッキン部33を押圧するように各々のガイドケース40を押止め、各々の該ガイドケース40の内周部には該ダイヤフラム弁A30−1又はダイヤフラム弁B30−2の中突起部27の略中央に設けられたパイロット・オリフィス31が閉鎖されるように、パイロット弁41が固定されたプランジャ42と、該プランジャ42を常時弾発付勢しているコイルスプリング43を収納し、各々の該ガイドケース40の外周部には各々のソレノイド47を設置して構成された複合型のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁であって、少なくとも1つの主弁座15−2にはダイヤフラム弁B30−2を設置し、該ダイヤフラム弁B30−2の中突起部27−2の外周部に水密パッキン28を環装して微少流量用流量調節部品56−2と共に当該主弁座15−2の流出管路14−2の内周部に挿入し、該ダイヤフラム弁B30−2の当該主弁座15−2の開閉を無効とさせたパイロット弁直動方式の電磁給水弁をユニットHとし、他の該主弁座15−1にダイヤフラム弁A30−1を設置したパイロット弁方式の電磁給水弁をユニットPとし、これらユニットH及びPを組み合わせたことを特徴とする洗濯機等の多連式電磁給水弁。
- 網目が粗い湾曲形メッシュフィルタ50と全流量制御用の流量調節部品57(51と52の組合せ)とを設けた流入口11、流入管路12、複数の流入室13、複数の主弁座15、複数の流出管路14、複数の流出口16、を一体成形した弁本体17に、各々の該主弁座15を閉鎖するように、軟質ダイヤフラム21−1と硬質ディスク25−1とからなり中突起部27−1とサイド・オリフィス35とを有するダイヤフラム弁A30−1、又は、複数の貫通孔22を有する軟質ダイヤフラム21−2と複数の貫通孔26を有する硬質ディスク25−2と両者の間に挟着される網目が細かい金属製平網29とからなり中突起部27−2を有するダイヤフラム弁B30−2、を設置し、該弁本体17に各々の該ダイヤフラム弁A30−1又はダイヤフラム弁B30−2のダイヤフラム21の液密パッキン部33を押圧するように各々のガイドケース40を押止め、各々の該ガイドケース40の内周部には該ダイヤフラム弁A30−1又はダイヤフラム弁B30−2の中突起部27の略中央に設けられたパイロット・オリフィス31が閉鎖されるように、パイロット弁41が固定されたプランジャ42と、該プランジャ42を常時弾発付勢しているコイルスプリング43を収納し、各々の該ガイドケース40の外周部には各々のソレノイド47を設置して構成された複合型のパイロット弁方式の多連式電磁給水弁であって、毎分500cc未満の微少流量の給水を担当する主弁座15−2にはダイヤフラム弁B30−2を設置し、該ダイヤフラム弁B30−2の中突起部27−2の外周部に水密パッキン28を環装して微少流量用流量調節部品56−2と共に当該主弁座15−2の流出管路14−2の内周部に挿入し、該ダイヤフラム弁B30−2の当該主弁座15−2の開閉を無効とさせたパイロット弁直動方式の電磁給水弁をユニットHとし、毎分500cc以上の流量の給水を担当する該主弁座15−1にダイヤフラム弁A30−1を設置したパイロット弁方式の電磁給水弁をユニットPとし、これらユニットH及びPを組み合わせたことを特徴とする洗濯機等の多連式電磁給水弁。
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