JP3620824B2 - 多連式電磁給水弁装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水道水等の給水配管ライン等(以下、ラインという。)に設置して、パイロット弁でパイロット弁座を開閉することにより、ダイヤフラム弁を連動させて主弁座の開閉を行うパイロット方式の電磁給水弁に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、全自動洗濯機等には、例えば、洗濯(脱水)槽に大流量の水を給水させる電磁給水弁Aと、濯ぎ洗いの為に中流量程度の水を給水させる電磁給水弁Bと、を一体化させた横連設型2連式のパイロット弁方式の電磁給水弁装置(図8参照)等が、搭載されているものがある。
又、例えば、洗濯(脱水)槽に大流量の水を給水させる電磁給水弁Aと、濯ぎ洗いの為に中流量程度の水を給水させる電磁給水弁Bと、洗剤やリンス剤等の溶解の為に小流量程度の水を給水させる電磁給水弁Cと、を一体化させた集合型3連式のパイロット弁方式の電磁給水弁装置(図9参照)等が、搭載されているものがある。
【0003】
前記のような各種の従来装置等には、1つの流入口(例えば、ねじ継手の呼びPT3/4、口径の呼び20というように、業界では給水ホース等のねじ接続や口径等を規格化している。流入口には異物(例えば、虫、砂、鉄屑等)混入防止の60メッシュ程度の金属フィルタや、流量制御用の弾性部材(例えば、NBR)のフローシート等を組み込むことが多い。)と、1つの流入管路と、複数の流入室(流出管路の外周部)と、複数の弁座(流出管路の端面部の外周部肉厚を薄くした部分)と、複数の流出管路と、複数の流出口とを有する樹脂成形部材(例えば、ポリプロピレン樹脂)で一体成形した弁本体に、各々の弁座を各々閉鎖するように複数のダイヤフラム弁(弁体)を設置し、該弁本体に各々の該ダイヤフラム弁のダイヤフラムの液密パッキン部を押圧するように樹脂成形部材(例えば、ナイロン樹脂)のガイドケース(内部を一次背圧室という。)を各々押止め、各々の該ガイドケースの内周には該ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスが閉鎖されるように、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質プランジャシート(弁体)が固定された磁性部材のプランジャ(可動鉄心)と、該プランジャを常時弾発付勢しているコイルスプリング(例えば、ステンレス鋼線)を各々収納し、各々の該ガイドケースの外周には銅線(例えば、エナメル線)を円筒状のボビン(例えば、ナイロン樹脂)に巻いて端子片(例えば、ファストン端子#250)やリード線に接続したソレノイドを各々設置して構成された一次背圧室配設常閉形のものが知られている。
【0004】
各々の該ダイヤフラム弁は、例えば、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質ダイヤフラムに設けられた少なくとも一個の小穴と一個の中穴に、樹脂成形部材(例えば、ポリアセタール樹脂)の硬質ディスクの片面に設けられた少なくとも一個の小突起と一個の中突起を嵌挿することにより結合していて、該ダイヤフラム弁の外周部には該小突起が飛び出ていて、流入室と一次背圧室を貫通するサイド・オリフィス(小孔)を備え、該ダイヤフラム弁の中央部には該中突起が飛び出ていて、一次背圧室と背圧室流出口を貫通するパイロット・オリフィス(中孔)を備えている。
【0005】
さて、単体のパイロット弁方式の電磁給水弁と同様に、該従来装置等にある複数の該ソレノイドの何れか(複数可)に電流を流し(通常は交流100Vの電圧を印加)励磁すると、該ソレノイドの内側に設置された該ガイドケース内の略中央部に該プランジャが吸引されて、該パイロット・オリフィスを閉鎖していた該プランジャシートが離れる。すると、流入室の流体は該サイド・オリフィスから該一次背圧室に流入し、該パイロット・オリフィス、該背圧室流出口を通り、該流出管路、該流出口に流出する。この通路が開通されると、流入室の流体の圧力で該ダイヤフラム弁が該弁座から浮遊し、流体の大部分は、該流入口、該流入管路、該流入室、該弁座、該流出管路、該流出口の主流路を通り流出する。
【0006】
次に、該ソレノイドに電流を流すのを止め消磁すると、該コイルスプリングにより該プランジャが定位に復旧し、該プランジャシートが該パイロット・オリフィスを閉鎖する。すると、該サイド・オリフィスから該一次背圧室に流入している流体は行き場を無くして、流体圧の上昇により該主弁座から浮遊していた該ダイヤフラム弁を該主弁座に押圧するようになる。そして、該主弁座が該ダイヤフラム弁で急閉鎖されて止水される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、該従来装置は単体のパイロット弁方式の電磁給水弁を横連設型2連式又は集合型3連式等にしているので、当然ながら全自動洗濯機等の本体への平面的設置スペースは単体のパイロット弁方式の電磁給水弁の約2〜3倍を必要とされるという問題点がある。
又、集合型3連式の従来装置等においては、流入口から離れた位置にある電磁給水弁について、低流量吐水時に止水不良等の障害が発生する可能性があるという問題点がある。
【0008】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、全自動洗濯機等の本体への平面的設置スペースは単体のパイロット弁方式の電磁給水弁と同等であり、奥行的設置スペースが確保できるようであれば、全自動洗濯機等の本体小型化に有利で、低流量吐水時の止水不良等の障害が発生しない多連式電磁給水弁装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の多連式電磁給水弁装置は、一つの流入口と、該流入口の管方向に複数の流出管路と、複数の流出口と、を有する弁本体に、複数のソレノイドを設置してなる縦連設型多連式電磁給水弁装置であって、流入口の中心線の一片側に複数の流出管路を有し、流入口の中心線の他片側に1つの流入管路を有し、1つの流出管路の外周部の該流入管路と交わる部分に1つの流入管路開口部を有する多連式電磁給水弁装置において、低流量吐水時の止水不良等の障害を無くすために、水の流れを整流(乱流等を少なくする。)及び減勢(流動抵抗を増加させる。)する効果を期待した整流減勢手段として、該流入管路開口部を除く該流出管路の外周部に螺旋状斜面路(水を弁座に誘導しやすくする。)を設けたことを特徴とする。
【0010】
或いは、一つの流入口と、該流入口の管方向に複数の流出管路と、複数の流出口と、を有する弁本体に、複数のソレノイドを設置してなる縦連設型多連式電磁給水弁装置であって、流入口の中心線の一片側に複数の流出管路を有し、流入口の中心線の他片側に1つの流入管路を有し、1つの流出管路の外周部の該流入管路と交わる部分に1つの流入管路開口部を有する多連式電磁給水弁装置において、低流量吐水時の止水不良等の障害を無くすために、水の流れを整流(乱流等を少なくする。)及び減勢(流動抵抗を増加させる。)する効果を期待した整流減勢手段として、該流入管路開口部を除く該流出管路の外周部に螺旋状階段路(水を弁座に誘導しやすくする。)を設けたことを特徴とする。
【0011】
或いは、一つの流入口と、該流入口の管方向に複数の流出管路と、複数の流出口と、を有する弁本体に、複数のソレノイドを設置してなる縦連設型多連式電磁給水弁装置であって、流入口の中心線の一片側に複数の流出管路を有し、流入口の中心線の他片側に1つの流入管路を有し、1つの流出管路の外周部の該流入管路と交わる部分に1つの流入管路開口部を有する多連式電磁給水弁装置において、低流量吐水時の止水不良等の障害を無くすために、水の流れを整流(乱流等を少なくする。)及び減勢(流動抵抗を増加させる。)する効果を期待した整流減勢手段として、該流入管路開口部を除く該流出管路の外周部に複数の仕切壁(リブ)を設け、該仕切壁高を螺旋状階段壁に変えたことを特徴とする。
【0013】
前記整流減勢手段は、縦連設型多連式電磁給水弁装置の流入口から離れた位置の流出管路の外周部に限らず、流入口に近い位置の流出管路の外周部並びに該従来装置(単体のパイロット弁方式の電磁給水弁をはじめ、横連設型2連式又は集合型3連式のパイロット弁方式の電磁給水弁等)の流出管路の外周部にもそのまま使用できるものである。
螺旋状斜面路、螺旋状階段路、螺旋状階段壁(仕切壁)は、順に高さを変える必要はなく、一部分に高さが同じところがあったとしても、全体で高低が確保され略螺旋状高と見なすことができれば、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの組合せ、改変等を施し得るのはもちろんである。
【0014】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第一実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置10−1の平面図である。図2は本発明の第一実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置10−1用弁本体17−1の平面図である。
本発明の第一実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置10−1は、一つの流入口11と該流入口11の管方向に複数の流出管路14(流出管路14の端面部の外周部肉厚を薄くした部分が弁座15を有する弁本体17−1に、複数のソレノイド47を設置してなる。
詳しくは、流入口11の中心線19の一片側に複数の流出管路14(弁座15を有し、流入口の中心線19の他片側に1つの流入管路12を有し、1つの流出管路14(弁座15の外周部の該流入管路12と交わる部分に1つの流入管路開口部22を有する。
【0015】
図3は本発明の第二実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置10−2用弁本体17−2の平面図である。
本発明の第二実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置10−2は、一つの流入口11と該流入口11の管方向に複数の流出管路14(流出管路14の端面部の外周部肉厚を薄くした部分が弁座15を有する弁本体17−2に、複数のソレノイド47を設置してなる。
詳しくは、流入口11の中心線19上に複数の流出管路14(弁座15を有し、流入口11の中心線19の両側に2つの流入管路12を有し、1つの流出管路14(弁座15の外周部の該流入管路12と交わる部分に2つの流入管路開口部22を有する。
【0016】
図4は本発明の第一実施例の縦連設型3連式電磁給水弁装置20の平面図である。
本発明の第一実施例の縦連設型3連式電磁給水弁装置20は、一つの流入口11と該流入口11の管方向に複数の流出管路14(流出管路14の端面部の外周部肉厚を薄くした部分が弁座15を有する弁本体23に、複数のソレノイド47を設置してなる。
詳しくは、流入口11の中心線19の一片側に複数の流出管路14(弁座15を有し、流入口11の中心線19の他片側に1つの流入管路12を有し、1つの流出管路14(弁座15の外周部の該流入管路12と交わる部分に1つの流入管路開口部22を有する。
【0017】
図5は本発明の第一実施例の螺旋状斜面路25を有する流出管路14の外周部の拡大斜視図(一部透視図)である。図6は本発明の第二実施例の螺旋状階段路29を有する流出管路14の外周部の拡大斜視図(一部透視図)である。図7は本発明の第三実施例の螺旋状階段壁とした仕切壁26を有する流出管路14の外周部の拡大斜視図(一部透視図)である。
細部においては、低流量吐水時の止水不良等の障害を無くすために、水の流れを整流及び減勢する効果を期待した整流減勢手段として、流出管路14の外周部に螺旋状斜面路25を設けた。該螺旋状斜面路25は順に該斜面路の高さを変える必要はなく、一部分に高さが同じところ(平路)があったとしても、全体で高低が確保され略螺旋状高と見なすことができれば良い。
或いは、流出管路14の外周部を螺旋状階段路29を設けた。該螺旋状階段路29は順に該階段路の高さを変える必要はなく、一部分に高さが同じところがあったとしても、全体で高低が確保され略螺旋状高と見なすことができれば良い。
又は、流出管路14の外周部に複数の仕切壁26を設け、該仕切壁26の高さを螺旋状階段壁に変えた。該螺旋状階段壁は順に該仕切壁26の高さを変える必要はなく、前後の該仕切壁26の高さと同じところがあったとしても、全体で高低が確保され略螺旋状高と見なすことができれば良い。
このようにすることにより、流入口11から離れた位置にある電磁給水弁について、低流量吐水時の止水不良等の障害を無くすことができた。
前記整流減勢手段は、縦連設型多連式電磁給水弁装置の流入口から離れた位置の流出管路14の外周部に限らず、流入口に近い位置の流出管路14の外周部にもそのまま使用できるものである。
【0018】
以上、本発明の好適な実施の形態について種々の組合せ等を述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定されるものでなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの組合せ、改変等を施し得るのはもちろんである。
パイロット弁方式の電磁式給水弁には、本発明の第一実施例の一次背圧室配設常閉形の他に、二次背圧室配設常閉形、二次背圧室配設常開形、二次背圧室配設自己保持形等があり、各々応用が可能である。
前記整流減勢手段は、縦連設型多連式電磁給水弁装置に限らず、該従来装置(単体のパイロット弁方式の電磁給水弁をはじめ、横連設型2連式又は集合型3連式のパイロット弁方式の電磁給水弁等)の流出管路の外周部にもそのまま使用できるものである。
又、電磁直動弁等に使用しても良い。
【0019】
【発明の効果】
本発明の多連式電磁給水弁装置においては水の流れを整流及び減勢する効果を期待した整流減勢手段として、流出管路の外周部に螺旋状斜面路、螺旋状階段路、螺旋状階段壁(仕切壁)を設けることにより、流入口から離れた位置にある電磁給水弁について、低流量吐水時の止水不良等の障害を無くすことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置の平面図である。
【図2】本発明の第一実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置用弁本体の平面図である。
【図3】本発明の第二実施例の縦連設型2連式電磁給水弁装置用弁本体の平面図である。
【図4】本発明の第一実施例の縦連設型3連式電磁給水弁装置の平面図である。
【図5】本発明の第一実施例の螺旋状斜面路を有する流出管路の外周部の拡大斜視図(一部透視図)である。
【図6】本発明の第二実施例の螺旋状階段路を有する流出管路の外周部の拡大斜視図(一部透視図)である。
【図7】本発明の第三実施例の螺旋状階段壁とした仕切壁を有する流出管路の外周部の拡大斜視図(一部透視図)である。
【図8】横連設型2連式の従来装置の平面図である。
【図9】集合型3連式の従来装置の平面図である。
【符号の説明】
10…縦連設型2連式電磁給水弁装置、11…流入口、12…流入管路、13…流入室、14…流出管路、15…弁座、16…流出口、17…弁本体、18…ダイヤフラム弁、19…中心線、20…縦連設型3連式電磁給水弁装置、22…流入管路開口部、23…弁本体25…螺旋状斜面路、26…仕切壁、27…パイロット・オリフィス、28…サイド・オリフィス、29…螺旋状階段路、30…ダイヤフラム、33…液密パッキン部、40…ガイドケース、41…プランジャシート、42…プランジャ、43…コイルスプリング、44…銅線、45…円筒状のボビン、46…端子片、47…ソレノイド、48…鉄心、49…ヨークA、50…ヨークB、51…ポールピース

Claims (3)

  1. 一つの流入口と、該流入口の管方向に複数の流出管路と、複数の流出口と、を有する弁本体に、複数のソレノイドを設置してなる縦連設型多連式電磁給水弁装置であって、流入口の中心線の一片側に複数の流出管路を有し、流入口の中心線の他片側に1つの流入管路を有し、1つの流出管路の外周部の該流入管路と交わる部分に1つの流入管路開口部を有する多連式電磁給水弁装置において、該流入管路開口部を除く該流出管路の外周部に螺旋状斜面路を設けたことを特徴とする多連式電磁給水弁装置。
  2. 一つの流入口と、該流入口の管方向に複数の流出管路と、複数の流出口と、を有する弁本体に、複数のソレノイドを設置してなる縦連設型多連式電磁給水弁装置であって、流入口の中心線の一片側に複数の流出管路を有し、流入口の中心線の他片側に1つの流入管路を有し、1つの流出管路の外周部の該流入管路と交わる部分に1つの流入管路開口部を有する多連式電磁給水弁装置において、該流入管路開口部を除く該流出管路の外周部に螺旋状階段路を設けたことを特徴とする多連式電磁給水弁装置。
  3. 一つの流入口と、該流入口の管方向に複数の流出管路と、複数の流出口と、を有する弁本体に、複数のソレノイドを設置してなる縦連設型多連式電磁給水弁装置であって、流入口の中心線の一片側に複数の流出管路を有し、流入口の中心線の他片側に1つの流入管路を有し、1つの流出管路の外周部の該流入管路と交わる部分に1つの流入管路開口部を有する多連式電磁給水弁装置において、該流入管路開口部を除く該流出管路の外周部に複数の仕切壁を設け、該仕切壁高を螺旋状階段壁に変えたことを特徴とする多連式電磁給水弁装置。
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