JP3635336B2 - 包装用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器本体及びこれと嵌合する蓋体からなり、食材等を収納する包装用容器に関するものであり、特に、蓋体の嵌合が容易である包装用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の包装用容器として、容器本体と蓋体とをヒンジで連結し、このヒンジを軸として回動することにより、蓋体を容器本体に嵌合するものがある。前記包装用容器は合成樹脂シートをシート形成することにより一体に製造することができる。両者の嵌合は、例えば、容器本体の自由端部側に係止凸部を形成するとともに、蓋体の自由端部側の前記係止凸部と対応する位置にアンダーカットとなる係止凹部を形成し、ヒンジを介して蓋体を回動したときに、本体容器の係止凸部と蓋体の係止凹部とを相互に係止させることによって行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のこの種の包装用容器は、容器本体及び蓋体の自由端部側にそれぞれ形成された係止凸部と係止凹部とを係止させるものであり、薄肉のヒンジにおける曲率が一定せず、また、回動中心のヒンジから離れた位置で係止されるものであるから、嵌合時に係止凸部と係止凹部との間で位置ずれを生じ易く、蓋体の回動との一連の動作で両者を係止させることができないことがあった。即ち、位置ずれの場合の位置合わせ動作が必要となることがあり、特に、大量に包装作業を行なう工場等においては、作業能率の低下を招いていた。
【0004】
また、自由端部側だけで係止させるのであるから、ヒンジ側端部においては容器本体と蓋体との間で浮きが生じ、嵌合状態が不安定となることがあった。仮に、ヒンジ側端部において嵌合できる構成であっても、別途に手で押す作業を行なわないと嵌合しない。
【0005】
更に、自由端部側においても蓋体と容器本体とを嵌合するには、複数形成された係止凸部と係止凹部とをそれぞれ手で押す作業を必要としていた。
【0006】
そこで、本発明は、容器本体と蓋体とがヒンジを介して一体に連結されたものにおいて、ヒンジを軸とした蓋体の回動との一連の操作で容器本体との間で位置ずれを生ずることなく簡単、確実に、かつ、安定して蓋体を嵌合できる包装用容器を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された包装用容器は、収納部を有する容器本体と、一体に形成されたヒンジを介して前記容器本体の一側に回動自在に連結され、前記容器本体と開封自在に嵌合してその開口を覆う蓋体と、前記容器本体のヒンジ側端部に設けられた本体係止部と、前記蓋体のヒンジ側端部に設けられ、嵌合時に前記容器本体の本体係止部と係合する蓋体係止部とを具備し、前記ヒンジの幅が、一端側から他端側に向けて徐々に拡大形成されたものである。
【0008】
請求項2に記載された包装用容器は、請求項1に記載された容器本体の本体係止部及び蓋体の蓋体係止部のいずれか一方が、ヒンジに沿って直線凸状に形成され、それらのいずれか他方が、ヒンジに沿って直線凹状に形成されたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の包装用容器を図1乃至図7に基づいて説明する。
図において、包装用容器1は、容器本体2と蓋体11とをヒンジ21で連結し、このヒンジ21を軸として回動することにより、蓋体11を容器本体2に嵌合し、蓋閉じをするものであり、合成樹脂シート等で一体に成形されている。前記容器本体2は、上面に開口3を有する箱状に形成されており、開口3の周縁に沿って水平方向にフランジ4が突設されているとともに、周縁全体に断面略コ字状の山部5が立設されている。また、山部5の内周側には嵌合後、後述の蓋体11の山部13の上面が載置される載置面6を形成している。前記蓋体2の内部は、食材等を収納する収納部7となっている。山部5に設けられた複数箇所の円弧状の凹部は外気と連通するための通気孔5aとなるものである。なお、蓋体11はフランジ12の摘み部16を摘んで開封することができる。ヒンジ21の反対側である自由端側には両隅部及び中央部において、収納部7側に僅かに突出する所定長さの係止凸部8が設けられている。
【0011】
更に、ヒンジ21側の山部5にはその全長に沿って本発明の特徴とする本体係止部9が収納部7側に僅かに突出して直線状に設けられている。なお、これらの係止凸部8、本体係止部9はシート成形において同時に形成することができる。
【0012】
一方、蓋体11は周縁に沿って水平方向にフランジ12が突設されているとともに、周縁全体に断面略コ字状の山部13が立設されている。前記山部13は嵌合時に容器本体2の山部5と干渉しない内側に設けられており、前記フランジ12は嵌合時に前記容器本体2の山部5の先端面と当接するようになっている。前記山部13に設けられた複数の円弧状の凹部は外気と連通するための通気孔13aとなるものである。なお、この蓋体11において、フランジ12の両隅の摘み部16を摘んで開封することができる。
【0013】
自由端側の山部13の外周側に形成された傾斜面13bには、前記容器本体2の係止凸部8と対応する両隅部及び中央部において嵌合時に前記容器本体2の係止凸部8と係合する所定長さの係止凹部14が設けられている。
【0014】
更に、山部13におけるヒンジ21側にはその全長に至って本発明の特徴とする蓋体係止部15が直線状に設けられており、その蓋体係止部15は本体係止部9と係合可能な凹状に形成されている。これらの係止凸部8と係止凹部14、本体係止部9と蓋体係止部15とは弾性力によって簡単に開封可能に係合させることができる。
【0015】
次に、ヒンジ21は、容器本体2と蓋体11とを連結するものであり、容器本体2及び蓋体11と同一の肉厚で一体成形されている。但し、ヒンジ21のみ肉厚を相違させることもできる。
【0016】
次に、上記のように構成された本実施例の包装用容器の包装作業について説明する。
包装用容器1の容器本体2内に食材等の収納物を収納して包装するには、図1乃至図4に示すように、蓋体11を開放した状態で、包装者は図1における包装用容器1の左側面に対峙した姿勢で収納物を収納し、収納が完了したら、ヒンジ21を軸として蓋体11を回動して周縁部を容器本体2に嵌合させる。図5乃至図7は包装完了後の状態を示す。このとき、容器本体2及び蓋体11はヒンジ21に近い部分の本体係止部9と蓋体係止部15とが先に係合する。次いで、容器本体2及び蓋体11の自由端側の係止凸部8と係止凹部14とが係合して蓋閉じ作業が完了する。
【0017】
ここで、蓋閉じ作業においては、最初にヒンジ21に近い本体係止部9と蓋体係止部15とが嵌合し、これによってヒンジ21の曲率が定まるから、自由端側の係止凸部8と係止凹部14とを嵌合するときに、ヒンジ21から自由端側の係止凸部8と係止凹部14との距離が一定値に規制されるため、一連の回動動作で係止凸部8と係止凹部14とを円滑に嵌合させることができる。このため、蓋体11の回動時に係止凸部8と係止凹部14とを位置合わせする動作を省くことができる。
【0018】
また、蓋体係止部15及び本体係止部9は直線状に設けられているので、蓋体11を回動して閉じれば、他の力が一切係わることなく、蓋体係止部15は本体係止部9に自然に係合される。即ち、蓋体係止部15及び本体係止部9が曲線形状の隅部まで設けられていると、蓋体11を回動して閉じるときに、直線部分に比べて嵌合のゆとりがないため、隅部の蓋体係止部15が対応する隅部の本体係止部9の上部に載置し、別途強制的にこの隅部を手で押さえ付けなければならず、余分の手間、手数がかかることになる。しかし、蓋体係止部15及び本体係止部9が直線状に設けられていれば、その手間、手数を省くことができる。
【0019】
一方、包装用容器1を開封するには、摘み部16を摘んで引き離すことによって簡単に行なうことができる。
【0020】
このように、本実施例の包装用容器は、収納部7を有する容器本体2のヒンジ21側端部に本体係止部9を設けるとともに、一体に形成されたヒンジ21を介して前記容器本体2の一側に回動自在に連結されてその開口3を覆う蓋体11のヒンジ21側端部に、嵌合時に前記容器本体2の本体係止部9と係合する蓋体係止部15を設けたものである。
【0021】
したがって、包装における蓋閉じ操作は、最初にヒンジ21側の本体係止部9と蓋体係止部15とが係合することによって自由端側の位置が確定するから、従来のような容器本体2と蓋体11との間での位置合わせ作業が不要となり、操作性、作業効率が向上する。また、ヒンジ21に近い部分でも、係止するので安定した嵌合状態が得られる。
【0022】
次に、本発明の別の実施例の包装用容器を図8及び図9に基づいて説明する。
図において、ヒンジ21は一端側の幅が狭く形成され、他端側に向かうに従って連続的に拡大形成されたものとなっている。また、ヒンジ21の端部の幅が狭くなっている図8の右側における自由端側の容器本体2の係止凸部8aにおいては山部5と係止凸部8aとの間に傾斜側壁10が形成されている。その他の構成は、前述の実施例と同様である。
【0023】
本実施例はこのように構成されているから、包装者が図8において前述の実施例と反対の包装用容器1の右側面に対峙した姿勢で蓋体11を回動して閉じるときに、ヒンジ21の幅が狭くなっている右側端部から先に容器本体2の本体係止部9と蓋体11の蓋体係止部15とが係合し、以後その係合が幅の広くなっている左側端部に向かって波及する。したがって、一端側から順次容器本体2の本体係止部9と蓋体11の蓋体係止部15とが係止していくので嵌め易い。
【0024】
また、図8のヒンジ21の幅が狭くなっている右側の摘み部17を摘んで蓋体11を回動して閉じるときに、左側の摘み部18側に設けた係止凹部14はヒンジ21の幅が広い側にあるため、真上からではなく斜め横方向から挿入ぎみに容器本体2の係止凸部8に嵌合させることができる。このため、別途この摘み部18を手で押さえ付ける手間を省くことができ、一度に摘み部17及び摘み部18の嵌合を行なうことができる。
【0025】
更に、係止凸部8における山部5と係止凸部8との間に傾斜側壁10が形成されているので、図9に示すように、蓋体11が閉じた状態から載置面6の屈曲部10aを支点に容器本体2を下側に回動して開封するときに、前記屈曲部10aから係止凸部8aまでの距離が長くなるため、トルクが大きくなり、軽い力で容器本体2のフランジ4を摘んで回動し、係止を解除することができる。
【0026】
ところで、上記各実施例においては、容器本体2に凸状の本体係止部9を、蓋体11に凹状の蓋体係止部15を設けているが、逆に容器本体2に凹状の本体係止部9を、蓋体11に凸状の蓋体係止部15を設けてもよい。
【0027】
更に、容器本体2の本体係止部9及び蓋体11の蓋体係止部15は必ずしもヒンジ21に沿って全長に形成しなくてもよく、部分的に形成してもよい。また、容器本体2の本体係止部9及び蓋体11の蓋体係止部15の断面形状は全長に至って一定である必要はなく、長さ方向において凸部、凹部を交互に形成したものとしてもよい。
【0028】
そして、容器本体2の本体係止部9及び蓋体11の蓋体係止部15との係合は必ずしも凹凸嵌合とする手段に限られるものではない。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明の包装用容器は、収納部を有する容器本体のヒンジ側端部に本体係止部を設けるとともに、一体に形成されたヒンジを介して前記容器本体の一側に回動自在に連結されてその開口を覆う蓋体のヒンジ側端部に、嵌合時に前記容器本体の本体係止部と係合する蓋体係止部を設け、前記ヒンジの幅を、一端側から他端側に向けて徐々に拡大形成したものである。したがって、包装における蓋閉じ操作は、最初にヒンジ側の本体係止部と蓋体係止部とが係合することによって自由端側の係止位置が確定するから、容器本体と蓋体との間での位置合わせ作業が不要となり、操作性、作業効率が向上する。また、ヒンジに近い部分でも、係止するので安定した嵌合状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の包装用容器における嵌合前の状態を示す平面図である。
【図2】 図1の包装用容器の左側面図である。
【図3】 図1のA−A切断線による断面図である。
【図4】 図3のヒンジ部を示す要部断面図である。
【図5】 図1の包装用容器の嵌合後の状態を示す正面図である。
【図6】 図5のB−B切断線による断面図である。
【図7】 図6のヒンジ部を示す要部断面図である。
【図8】 本発明の別の実施例の包装用容器における嵌合前の状態を示す平面図である。
【図9】 図8の自由端側の係止部を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 包装用容器
2 容器本体
3 開口
7 収納部
9 本体係止部
11 蓋体
15 蓋体係止部
16、17、18 摘み部
21 ヒンジ
Claims (2)
- 収納部を有する容器本体と、
一体に形成されたヒンジを介して前記容器本体の一側に回動自在に連結され、前記容器本体と開封自在に嵌合してその開口を覆う蓋体と、
前記容器本体のヒンジ側端部に設けられた本体係止部と、
前記蓋体のヒンジ側端部に設けられ、嵌合時に前記容器本体の本体係止部と係合する蓋体係止部とを具備し、
前記ヒンジの幅は、一端側から他端側に向けて徐々に拡大形成されたことを特徴とする包装用容器。 - 前記容器本体の本体係止部及び蓋体の蓋体係止部のいずれか一方は、ヒンジに沿って直線凸状に形成され、それらのいずれか他方は、ヒンジに沿って直線凹状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載された包装用容器。
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