JP3635309B2 - 両開き可能なルーフボックス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は両開き可能なルーフボックス、特に、車輛の屋根上に載置される両開き可能なルーフボックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の屋根上に載置せしめるようにした開閉可能なルーフボックスとしては例えば特開平2−189248号公報に示されたものや、図18に示すものが知られている。
【0003】
図18において、1はルーフボックスのボディ、2はカバー、3はルーフボックスのボディ1の一側または両側に設けたダンパーを示し、このダンパー3の基部4の下端は上記ボディ1の左側に回動自在に枢支され、可動ロッド5の先端が上記カバー2の右側に枢支され、上記ダンパー3の押圧力によって上記カバー2がボディ1の一端を基点として上方に傾動し、開かれるようにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、このような従来のルーフボックスでは、開閉方向(開閉部)が1つしかなく、例えば、助手席側に開閉部があるルーフボックスを駐車場屋根の高さなどの制限により、これを運転席側に取り付けた場合、運転席側からは開閉できないという不便がある。
【0005】
従って、図19の閉状態からカバー2を図18とは反対側に、即ち左側を開くようにした場合には右側の場合とカバー2の回動支点が異なるようになり、図20に示すようにダンパー3による力は斜め上方に向かうAに示す方向となる。このA方向の力によりカバー2はその上昇の際右方向にずれるようになり、従ってその後上記カバー2を閉じたときボディ1に合致しないようになる欠点があった。
【0006】
本発明は上記の欠点を除くようにしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の両開き可能なルーフボックスは、ボディと、カバーと、伸縮自在なダンパーと、上記カバーの中央部に設けた上記ダンパーの一端を回動自在に枢支する取付部と、上記ボディの左右部分に形成した上記ダンパーの他端を回動自在に枢支する取付部とより成ることを特徴とする。
【0008】
本発明の両開き可能なルーフボックスは、上記ボディの左右部分に形成された取付部の一方に枢支したダンパーの一端を上記取付部の他方に移動自在ならしめるため上記取付部の一方と他方間に移動路が形成されている。
【0009】
本発明の両開き可能なルーフボックスは、更に、上記ボディの両端上部とカバーの両端下部間を夫々釈放自在に連結する一方及び他方の係合部材と、この係合部材を上記ボディ及びカバーの何れか一方に鎖錠する鎖錠手段とを有し、上記係合部材が、夫々上記ボディとカバーの一方に連結された取付金具と、他方に係合される係合金具と、これら両金具を互いに回動自在に枢支する枢支ピンとより成ることを特徴とする。
【0010】
上記鎖錠手段は、上記ボディとカバーの他方に摺動自在に設けられた差し込みバーと、この差し込みバーを摺動せしめるキーシリンダーと、上記係合部材の係合金具に形成した上記差し込みバーと係合するバー受けとより成る。
【0011】
上記係合部材は、複数であり、上記バー及びキーシリンダーがこれら係合部材に共通である。
【0012】
上記係合金具は、上記ボディとカバーの他方の上縁に嵌合支持される部分を有する。
【0013】
【実施例】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【0014】
図1は本発明の両開き可能なルーフボックスの正面図を示す。
【0015】
本発明においては図2及び図3に示すようにダンパー3の基部4の下端を回動自在に枢支する取付部6a,6bをボディ1の左側及び右側に夫々設ける。
【0016】
上記取付部6a,6bの夫々は、例えば上記ボディ1の内側面に突出せしめた耳部と、この耳部に形成した孔と、この孔に挿通される枢支ピンとにより構成し、この枢支ピンを上記ダンパー3の基部4に形成した孔に挿通せしめるようにする。
【0017】
本発明の両開き可能なルーフボックスは上記のような構成でるから、駐車場屋根の高さ等の制限により右側を開閉したい場合には図2に示すようにダンパー3の基部4の下端を上記ボディ1の左側の取付部6aに取り付け、左側を開閉する場合には上記取付部6aから上記基部4を取り外し、図3に示すように上記取付部6bに取り付ける。
【0018】
図4は本発明の他の実施例を示し、上記ボディ1の上記取付部6a,6b間に上記ダンパー3の基部4の下端の移動路となるレールまたは溝7を設け、上記ダンパー3の基部4の下端を取付部6a,6b間で移動自在ならしめる。
【0019】
例えば、上記取付部6a,6bの耳部を互いに連接されるよう延長せしめてレールまたは溝7が形成されるようにする。
【0020】
本発明の上記他の実施例によれば、開口方向を変更する場合にダンパー3の基部4を取付部6aから取り外し取付部6bに付け変える必要がなく、レールまたは溝7に沿って移動し、取付部6b部分に移動せしめることができ、容易に開口方向を変更することができる。
【0021】
なお、本発明の両開き可能ならしめる左右のヒンジ構造は図5及び図6に示すように、ボディ1の両端上部とカバー2の両端下部間を夫々一方及び他方の係合部材16によって釈放自在に連結せしめ、カバー2の一方の側を開く場合には一方の係合部材16の係合を解除し、他方の係合部材16を支点としてカバー2を回動して開閉できるようにする。
【0022】
また、上記係合部材16をボディ1及びカバー2の何れか一方、例えば、ボディ1に鎖錠する鎖錠手段を設ける。
【0023】
この鎖錠手段は、図7及び図8に示すようにボディ1の一端上部内面に摺動自在に横架したロッド17と、このロッド17の上下方向の移動を規制するガイド(図示せず)と、上記ロッド17に沿って間隙を介して平行に延びる差し込みバー18と、キーシリンダー19と、鍵杆20と、一端を枢支ピン21aを介して上記ロッド17に回動自在に枢支し、他端を枢支ピン21bを介して上記キーシリンダー19の鍵杆20の先端に回動自在に枢支したリンク22とにより構成する。
【0024】
また、上記係合部材16は上記カバー2の下部内面に取り付けた取付金具23と、一端下部が上記取付金具23の下端に枢支ピン24を介して回動自在に枢支され、他端下部内面に上記鎖錠手段の差し込みバー18が差し込まれるバー受け25を有し、中間部が上記ボディ1の上縁26に嵌合支持されるよう断面がコ字状に形成された係合金具27とにより構成する。
【0025】
本発明のヒンジ構造は上記のような構成であるから、例えば図6に示すようにカバー2の一方、例えば右側を開く場合には図8に示すように右側の係合部材16に対応する鎖錠手段のキーシリンダー19を反時計方向に回動し、鍵杆20及びリンク22を介してロッド17を左方向に摺動せしめて上記差し込みバー18を上記バー受け25内から引き出し、カバー2の右端を持ち上げれば、カバー2はその左端に設けた他方の係合部材16の上記枢支ピン24を中心に回動するようになる。
【0026】
同様にしてカバー2の左側を開く場合には、左側の係合部材16に対応する鎖錠手段を解除して行えば上記と同様にして左側を開くことができる。
【0027】
また、図9及び図10に示すように、上記鎖錠手段の差し込みバー18の代わりに突出ピン28を用い、上記バー受け25に上記ロッド17に平行に延びる溝29を形成せしめ、この溝29内に上記突出ピン28が差し込まれるようにしてもよい。
【0028】
上記他のヒンジ構造によれば、係合部材16の係合金具27の中間部がボディ1の上縁26上に支持されるので、カバー2の開閉支点となった場合に極めて安定であるが、図11及び図12に示すように、上記係合金具27を平板状とし、ボディ1の上縁26に嵌合されるコ字状部分を省略せしめてもよい。
【0029】
また、図13に示すように、上記一方及び他方の係合部材16をカバー2の下部内面に長手方向に互いに離間して複数設け、これら各係合部材16のバー受け25に差し込まれる差し込みバー18を有するロッド17を共通のキーシリンダー19の操作により、同時に摺動操作できるようにしてもよい。図14〜図17は図4に示す実施例において開口方向を反時計方向開きから時計方向開きに変える場合を示し、この場合には先ず図14に示すようにボディ1の右側上面にカバー2の右側下面を係合部材によって枢支し、次いで図15及び図16に示すようにカバー2を手で持ち上げながらダンパー3の基部4をレールまたは溝7に沿って左方位置より右方位置に向かって移動し、図17に示すようにダンパー3の基部4がレールまたは溝7の最右端に達した状態とすれば開口方向の変更が達成される。
【0030】
【発明の効果】
上記のように本発明の両開き可能なルーフボックスによれば、極めて簡単な構成によってカバーを確実に両開きできるようになる大きな利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の両開き可能なルーフボックスの正面図である。
【図2】 本発明の両開き可能なルーフボックスの右側開蓋状態を示す縦断側面図である。
【図3】 本発明の両開き可能なルーフボックスの左側開蓋状態を示す縦断側面図である。
【図4】 本発明の他の実施例を示す両開き可能なルーフボックスの右側開蓋状態を示す縦断側面図である。
【図5】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の説明用縦断側面図である。
【図6】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の説明用縦断側面図である。
【図7】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の拡大縦断側面図である。
【図8】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の拡大斜視図である。
【図9】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の拡大縦断側面図である。
【図10】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の拡大正面図である。
【図11】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の拡大縦断側面図である。
【図12】 本発明の両開き可能なルーフボックスにおける係合部材の拡大正面図である。
【図13】 本発明の両開き可能なルーフボックスの他の実施例におけるボディ部分の平面図である。
【図14】 図4に示す本発明の両開き可能なルーフボックスの実施例において開口方向を変える場合の説明図である。
【図15】 図4に示す本発明の両開き可能なルーフボックスの実施例において開口方向を変える場合の説明図である。
【図16】 図4に示す本発明の両開き可能なルーフボックスの実施例において開口方向を変える場合の説明図である。
【図17】 図4に示す本発明の両開き可能なルーフボックスの実施例において開口方向を変える場合の説明図である。
【図18】 従来の両開き可能なルーフボックスの右側開蓋状態を示す側面図である。
【図19】 従来の両開き可能なルーフボックスの閉蓋状態を示す側面図である。
【図20】 従来の両開き可能なルーフボックスの左側開蓋状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ボディ
2 カバー
3 ダンパー
4 基部
5 可動ロッド
6a 取付部
6b 取付部
7 レールまたは溝
16 係合部材
17 ロッド
18 差し込みバー
19 キーシリンダー
20 鍵杆
21a 枢支ピン
21b 枢支ピン
22 リンク
23 取付金具
24 枢支ピン
25 バー受け
26 上縁
27 係合金具
28 突出ピン
29 溝
Claims (6)
- ボディと、カバーと、伸縮自在なダンパーと、上記カバーの中央部に設けた上記ダンパーの一端を回動自在に枢支する取付部と、上記ボディの左右部分に形成した上記ダンパーの他端を回動自在に枢支する取付部とより成ることを特徴とする両開き可能なルーフボックス。
- 上記ボディの左右部分に形成された取付部の一方に枢支したダンパーの一端を上記取付部の他方に移動自在ならしめるため上記取付部の一方と他方間にレールまたは溝が形成されていることを特徴とする両開き可能なルーフボックス。
- 更に、上記ボディの両端上部とカバーの両端下部間を夫々釈放自在に連結する一方及び他方の係合部材と、この係合部材を上記ボディ及びカバーの何れか一方に鎖錠する鎖錠手段とを有し、上記係合部材が、夫々上記ボディとカバーの一方に連結された取付金具と、他方に係合される係合金具と、これら両金具を互いに回動自在に枢支する枢支ピンとより成ることを特徴とする請求項1または2記載の両開き可能なルーフボックス。
- 上記鎖錠手段が、上記ボディとカバーの他方に摺動自在に設けられた差し込みバーと、この差し込みバーを摺動せしめるキーシリンダーと、上記係合部材の係合金具に形成した上記差し込みバーと係合するバー受けとより成ることを特徴とする請求項3記載の両開き可能なルーフボックス。
- 上記係合部材が複数であり、上記差し込みバー及びキーシリンダーがこれら係合部材に共通である請求項4記載の両開き可能なルーフボックス。
- 上記係合金具が上記ボディとカバーの他方の上縁に嵌合支持される部分を有する請求項3,4または5記載の両開き可能なルーフボックス。
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