JP3634108B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は感光体上に形成した複数色のトナー像を中間転写ベルトに重ね合わせ、中間転写ベルト上で重ね合わせたトナー像を転写紙に転写する画像形成装置、特に2色以上からなる画像の印刷効率の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置では、図8のフローチャートに示すようにスタート信号が発生した後、まず転送する画像が1色で構成された画像かそれとも2色以上からなる画像かをコマンド等から判別する(ステップS61)。
【0003】
1色で構成された画像の場合は、各色のトナー像を重ね合わせる必要がないため位置合わせ用マークを基準にする必要がなく、直ちに画像読取部又はホスト装置から画像データの転送を開始する。この画像データを基にレーザ書込部で感光体上に静電潜像を形成する。現像器は感光体上に形成した静電潜像を基にトナー像を形成する。形成したトナー像を中間転写ベルトに転写して、書き込みプロセスを実行する(ステップS62)。また、感光体上に画像形成が終わったら、感光体上に予め定めたパターン画像を書いて(ステップS63)、濃度センサで感光体表面のパターン画像の濃度を読むことにより、適正な濃度で画像が描かれているか否かを検査する(ステップS64)。濃度に重大な障害がない場合は(ステップS65)、中間転写ベルトに転写したトナー像の先端部に合わせて給紙を開始し(ステップS66)、中間転写ベルトからトナー像を転写紙に転写することにより印刷を行なう(ステップS67)。
【0004】
2色以上で構成された画像を印刷する場合は、各色をずれなく重ねる必要があるために基準が必要となる。そのため、中間転写ベルトに位置合わせ用マークを設け、中間転写ベルト上の位置合わせ用マークをマーク検出センサを用いて検出し(ステップS69)、この位置合わせ用マークの検出信号を基準にして画像読取部又はホスト装置から画像データの転送を開始する。この画像データを基にレーザ書込部で感光体に静電潜像を形成する。現像器は感光体上に形成した静電潜像を基にトナー像を形成する。感光体上に形成されたトナー像を中間転写べルトに転写して、書き込みプロセスを実行する(ステップS70)。例えば、2色で構成された画像の場合は中間転写ベルトを2回転し、3色で構成された画像の場合は中間転写ベルトを3回転し、4色で構成された画像の場合は中間転写ベルトを4回転して位置合わせ用マークの検出信号を基に画像を構成する各色のトナー像を中間転写ベルト上に重ね合わせている。
【0005】
感光体上にトナー像を形成したら(ステップS71)、形成したトナー像と同じ色の予め定めたパターン画像を感光体上に書いて、濃度センサで感光体表面の濃度を読むことにより(ステップS72)、適正な濃度で画像が描かれているか否かを調べる。画像を構成している全ての色のトナー像の転写が完了したら(ステップS74)、中間転写ベルトに転写された画像の先端部に合わせて転写紙の給紙を開始し(ステップS75)、中間転写ベルト上の画像を転写紙に転写する(ステップS76)。
【0006】
上記のようにして2色以上で構成された画像を印刷する場合であって、中間転写ベルトに1画像分のトナー像しか重ね合わせない場合は、1色で構成された画像を印刷する場合に比べて印刷処理速度が大幅に遅くなる場合がある。これは、中間転写ベルトは、A3サイズ等の転写紙の最大サイズに合わせてあるので、例えばA5サイズ等の小さな転写紙に転写する際、図9(a)に示す1色で構成された画像を中間転写ベルトに転写する場合に比べて図9(b)に示すように画像を形成しない部分が多く発生するからであり、中間転写ベルト及び感光体を空回しする必要があるからである。
【0007】
これに対して、例えば特開平4−175774号公報に掲載されたカラー画像形成装置では、形成するカラー画像の大きさに応じて外部入力装置から入力した1画面又は2画面の画像と中間転写ベルトの1回転とを対応させてトナー像を形成し、このトナー像の形成を複数回行なうことにより、複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成している。すなわち、位置合わせ用マークの検出信号を基準として複数の画像を中間転写ベルト上に転写することにより2色以上で構成された画像を印刷する場合の印刷速度を速くしている。ここで、位置合わせ用マークから中間転写ベルト上の各トナー像の先端部までは時間管理されているので、複数の色のトナー像を重ね合わせても、色ずれが発生することを防止できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−175774号公報に掲載されたカラー画像形成装置等では、1画面目が1色から構成されている画像の場合、位置合わせ用マークを基準とした処理を行なっていないので、位置合わせ用マーク位置と中間転写ベルト上のトナー像の先端部位置との関係が分からない。次ぎの画像が2色以上で構成された画像の場合、1画面目の画像を転写紙に転写終了した後に、中間転写ベルトが1周して、次ぎのマークを検出するのを待って、次ぎの画像を中間転写ベルト上に転写しなければならなかった。このため、中間転写ベルトを空回しする必要があり、その分印刷速度が遅くなっていた。
【0009】
この発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、印刷処理効率、特に2色以上で構成された画像の印刷処理効率を高めることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る画像形成装置は、位置合わせ用マークを有する中間転写ベルトに、中間転写ベルトのサイズに収まる1つまたは複数の画像のトナー像を画像サイズにより定まる間隔で感光体から転写し、各画像ごとに転写紙に転写する画像形成装置において、1色で構成された複数の画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合は、位置合わせ用マークを基準とせずに直ちに感光体にトナー像を形成して中間転写ベルトに転写し、2色以上で構成された複数の画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合は、位置合わせ用マークの位置を基準として感光体にトナー像を形成して各画像ごとに各色のトナー像を重ね合わせて中間転写ベルトに転写し、1色で構成された画像のトナー像に続けて2色以上で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合は、位置合わせ用マークを基準とせずに直ちに感光体に1色で構成された画像のトナー像を形成して中間転写ベルトに転写するとともに、1色で構成された画像のトナー像の先端位置と位置合わせ用マークの位置との位置関係を記憶し記憶した位置関係を基に感光体に2色以上で構成された画像のトナー像を形成して1色で構成された画像のトナー像に並べて中間転写ベルトに転写する。
【0012】
さらに、1色で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に2色以上で構成された画像のトナー像を転写する場合は、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像の転写を終了すると、1色で構成された画像を転写紙に転写する。
【0013】
さらに、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、1色で構成された画像のトナー像を位置合わせ用マークの位置を基準として転写する。
【0014】
さらに、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像の転写を終了すると、1色で構成された画像を転写紙に転写する。
【0015】
さらに、感光体上に形成したトナー像を中間転写体に転写する前に、トナー像と同色の予め定めたパターン画像を感光体上に形成してパターン画像の濃度を読み込むことによりトナー像の濃度を検査する濃度検査を、2つめ以降の画像に対しては以前の画像に含まれないトナー色のみについて行う。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の画像形成装置は、中間転写ベルトの長さと転写する画像のサイズにより定まる数のトナー像を中間転写ベルトに転写し、中間転写ベルトに転写したトナー像を転写紙に転写するものである。特に、1色で構成された画像に続いて2色以上で構成された画像を転写する場合等の印刷効率を高めるものである。
【0017】
画像形成装置は、例えばレーザ書込部、感光体、現像器、中間転写ベルト、マーク検出センサ、濃度センサ、給紙部、定着部、画像形成制御部及び濃度検査部を有する。
【0018】
レーザ書込部は、画像形成制御部からの制御に応じて感光体表面に静電潜像を形成する。現像器は感光体上の静電潜像を基にトナー像を形成するものであり、例えばM(マゼンタ),C(シアン),Y(黄色)及びBK(黒色)の各色のトナーを保持する。中間転写ベルトは、例えばA4サイズ等の基準となる画像サイズの少なくとも2倍の長さを有し、例えば2色以上で構成された画像を印刷する場合は画像を形成する各色のトナー像を重ねて転写し、その画像を転写紙に転写するまで保持する。また、中間転写ベルトは表面に位置合わせ用マークを備える。マーク検出センサは中間転写ベルト表面の位置合わせ用マークを検出し、その位置合わせ用マークの検出信号を出力する。感光体上に潜像形成が終わった後にレーザ書込部が感光体上に描いたパターン画像の濃度を検出し、その濃度を示す信号を出力する。定着部は中間転写ベルトから転写紙に転写したトナー像を転写紙に定着する。
【0019】
画像形成制御部はレーザ書込部による感光体上の静電潜像形成等を制御する部分である。画像形成制御部は、例えば1色で構成された複数の画像を印刷する場合は、画像サイズにより定まる一定周期で各トナー像を中間転写ベルトに転写するようにレーザ書込部を制御する。さらに、画像形成制御部は、2色以上で構成された複数の画像を印刷する場合は、位置合わせ用マークの検出を基準として中間転写ベルトの長さと転写する画像のサイズにより定まる数のトナー像を並べて各画像のトナー像を重ね合わせるようにレーザ書込部を制御する。さらに、画像形成制御部は、1色で構成された画像のトナー像に続いて2色以上で構成された画像のトナー像を印刷する場合は、1色で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写し、中間転写ベルトに転写したトナー像の先端位置と位置合わせ用マークとの関係を基に1色で構成された画像のトナー像に並べて2色以上で構成された画像の各色のトナー像を重ね合わせるようにレーザ書込部を制御する。このように制御することにより、中間転写ベルトの長さと画像サイズに応じた数のトナー像を並べて中間転写ベルト上に形成することができ、中間転写ベルトで複数の画像を保持することにより、中間転写ベルトを空転させる必要がなくなり、印刷効率を高めることができる。
【0020】
濃度検査部は、画像を感光体上に形成したら、各色毎に感光体上に予め定めたパターン画像を書いて、濃度センサで感光体表面の濃度を読むことにより、適正な濃度で画像が描かれているか否かを調べる。濃度検査部は、感光体上に形成した画像の各色の濃度検査を行なう部分であり、特に1色で構成された画像に続いて2色以上で構成された画像を転写する場合において、2色以上で構成された画像については1色で構成された画像の色以外の色に対して濃度検査を行なう。これは、中間転写ベルトに並べて転写したトナー像間では濃度の差は少ないので、一旦検査した色に関しては検査を行なわないようにして、濃度検査の工数を少なくするものである。
【0021】
さらに、1色で構成された画像に続いて2色以上で構成された画像を転写する場合は、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像の転写を完了すると、1色で構成されたトナー像を転写紙に転写するようにして、1色で構成された画像の印刷が2色以上で構成された画像の処理に伴って遅くなることを防止する。
【0022】
さらに、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、1色で構成された画像のトナー像を位置合わせ用マークの位置を基準として転写して、2色以上で構成された画像に続いて2色以上で構成された画像を印刷する場合であっても1色で構成された画像を印刷する場合であっても迅速に処理できるようにする。
【0023】
さらに、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像の転写を終了すると、1色で構成された画像を転写紙に転写して、1色で構成された画像の印刷が2色以上で構成された画像の形成処理に伴って遅くなることを防止するようにしても良い。
【0024】
【実施例】
図1はこの発明の一実施例の画像形成装置の構成図である。図に示すように、画像形成装置は、レーザ書込部1、ミラー2、感光体3、帯電チャージャ4、現像器5、中間転写ベルト6、マーク検出センサ7、濃度センサ8、給紙部9、定着部10及び排紙部11を有する。また、画像形成装置は、電装系として、図2に示すように画像読取部21、画像処理部22、セレクタ23、入力制御部24、主制御部25、画像形成制御部26、位置関係記憶部27及び濃度検査部28を有する。
【0025】
レーザ書込部1は、画像形成制御部25からの制御に応じて感光体3表面にレーザ光を照射し、静電潜像を形成する。また、レーザ書込部1は感光体3上に潜像形成が終わった後に形成した静電潜像と同じ色の予め定めたパターン画像を描く。ミラー2はレーザ書込部1からのレーザ光を感光体3に向けて反射する。感光体3は、まず帯電チャージャ4によって生じるコロナ電流によって表面を一様に高電位に帯電する。したがって、この面にレーザ書込部1の発するレーザ光が照射されると、その光の強度に応じて帯電電位が変化し、レーザ光の照射の有無に応じた電位分布が感光体3上に形成される。現像器5は、感光体3上の静電潜像を基にトナー像を形成するものであり、例えばM(マゼンタ),C(シアン),Y(黄色)及びBK(黒色)の各色のトナーを保持する。
【0026】
中間転写ベルト6は、例えばA4サイズ等の基準となる画像サイズの少なくとも2倍の長さを有し、例えば2色以上で構成された画像を印刷する場合は画像を形成する各色のトナー像を重ねて転写し、その画像を転写紙に転写するまで保持する。また、中間転写ベルト6は、図3に示すように表面に位置合わせ用マーク61を備える。マーク検出センサ7は、中間転写ベルト6表面の位置合わせ用マーク61を検出し、その位置合わせ用マーク61の検出信号を出力する。濃度センサ8は、感光体3上に潜像形成が終わった後にレーザ書込部1が感光体3上に描いたパターン画像の濃度を検出し、その濃度を示す信号を出力する。給紙部9は中間転写ベルト6に転写したトナー像の先端部に合わせて転写紙を供給する。定着部10は中間転写ベルト6から転写紙に転写したトナー像を転写紙に定着する。排紙部11は定着部10で画像を定着した後の転写紙を排紙する。
【0027】
画像読取部21は、原稿画像の主走査方向1ラインのR(赤色),G(緑色),B(青色)の各色の成分を検出し、その色成分を示す信号を出力する。画像処理部22は、画像読取部21が原稿から読み取った画像データに対して画像処理を行なう部分であり、画像読取部21から読み込んだR(赤色),G(緑色),B(青色)の各色の画像データをC(シアン),M(マゼンタ),Y(黄色),BK(黒色)の各色の画像データに変換する。セレクタ23は変換したC,M,Y,BKのいずれか一色を選択する。入力制御部24は画像読取部21の読み取りタイミング等を制御する。主制御部25は装置全体の動作を制御する。
【0028】
画像形成制御部26はレーザ書込部1による感光体3上の静電潜像形成等を制御する部分である。画像形成制御部26は、例えば1色で構成された複数の画像を印刷する場合は画像サイズにより定まる一定周期で各トナー像を中間転写ベルト6に転写するようにレーザ書込部1を制御し、中間転写ベルト6に転写したトナー像の位置と位置合わせ用マーク61の位置との位置関係を位置関係記憶部27に記憶する。さらに、画像形成制御部26は、2色以上で構成された複数の画像を印刷する場合は位置合わせ用マーク61の検出を基準として中間転写ベルト6の長さと転写する画像のサイズにより定まる数のトナー像を予め定めた一定間隔をおいて続けて各画像のトナー像を重ね合わせるようにレーザ書込部1を制御する。さらに、画像形成制御部26は、1色で構成された画像のトナー像に続いて2色以上で構成された画像のトナー像を印刷する場合は、1色で構成された画像のトナー像を中間転写ベルト6に転写し、位置関係記憶部27に記憶した中間転写ベルト6上のトナー像の先端位置と位置合わせ用のマーク61との関係を基に1色で構成された画像のトナー像に並べて2色以上で構成された画像の各色のトナー像を重ね合わせるようにレーザ書込部1を制御する。さらに、画像形成制御部26は、レーザ書込部1が画像を感光体3上に形成したら、各色毎に予め定めたパターン画像を感光体3上に描くように制御する。
【0029】
濃度検査部28は、濃度センサ8が出力したパターン画像の濃度信号を基に感光体3上に形成した画像の各色の濃度検査を行なう部分であり、特に1色で構成された画像に続いて2色以上で構成された画像を転写する場合において、2色以上で構成された画像については1色で構成された画像の色以外の色に対して濃度検査を行なう。
【0030】
上記構成の画像形成装置で、1色で構成された画像又は2色以上で構成された画像を印刷する場合の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。ここで、説明を簡単にするために1色で構成された画像と2色以上で構成された画像とは混ざらないものとする。また、中間転写ベルト6はA4サイズの画像を2画像保持できるものとし、形成する画像サイズはA3サイズ又はA4サイズとする。
【0031】
スタート信号が発生した後、主制御部25は、まず印刷するために転送する画像が1色で構成された画像かそれとも2色以上で構成された画像かをコマンド等から判別する(ステップS1)。
【0032】
1色で構成された画像の場合は、トナー像を重ね合わせる必要がないため位置合わせ用マーク61を基準にしてトナー像を転写する必要がなく、直ちに画像読取部21から画像データの転送を開始し、画像データを基にレーザ書込部1で感光体3上に静電潜像を形成する。現像器5は感光体3上に形成した静電潜像を基にトナー像を形成する。感光体3はトナー像を中間転写ベルト6に転写して、書き込みプロセスを実行する。また、レーザ書込部1は、感光体3上に画像形成が終わったら、形成したトナー像と同色のパターン画像を感光体3表面に描く。濃度センサ8は感光体3表面に描いたパターン画像の濃度を読むことにより、適正な濃度で画像が描かれているか否かを検査する(ステップS2)。ここで、画像形成制御部26は位置合わせ用マーク61の位置に対する中間転写ベルト6上に形成したトナー像の先端位置及び形成したトナー像のサイズを位置関係記憶部27に記憶する(ステップS3)。その後、給紙部9は、この位置合わせ用マーク61の位置と中間転写ベルト6上に形成したトナー像の先端位置との位置関係を基に中間転写ベルト6に転写したトナー像の先端部に合わせて給紙を開始し(ステップS4)、中間転写ベルト6からトナー像を転写紙に転写することにより印刷を行なう(ステップS5)。その後、次ぎの画像がある場合は(ステップS6)、上記処理(ステップS2〜S5)を繰り返す。
【0033】
2色以上で構成された画像を印刷する場合は、各色のトナー像をずれなく重ね合わせるための基準が必要となり、位置合わせ用マーク61の位置をこの基準として用いる。形成する画像のサイズが大きい場合(形成する画像サイズが、例えばA3サイズの場合)は(ステップS7)、位置合わせ用マーク61を検出したら(ステップS8)、上記で説明したように書き込みプロセス及び濃度検査処理を実行する(ステップS9)。形成する画像のサイズが大きい場合は、中間転写ベルト6上に複数の画像を形成することができないため、次ぎの画像の処理を行なわずに、位置合わせ用マーク61の位置を基準として画像を構成する全ての色のトナー像の転写を終了したら(ステップS10)、給紙部9は位置合わせ用マーク61位置を基準として転写紙の給紙を開始し(ステップS11)、中間転写ベルト6からトナー像を転写紙に転写する(ステップS12)。その後、次ぎの画像がある場合は(ステップS13)、上記処理(ステップS8〜S12)を繰り返す。
【0034】
2色以上で構成された画像を印刷する場合であって、形成する画像のサイズが大きくない場合(形成する画像サイズが、例えばA4サイズの場合)は(ステップS7)は、中間転写ベルト6に複数の画像を形成できる。以後、中間転写ベルト6上に転写する画像のうち1つ目の画像を1画面目の画像といい、2つ目の画像を2画面目の画像という。マーク検出センサ7が、中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61を検出したら(ステップS14)、上記で説明したようにして1画面目の画像の書き込みプロセス及び濃度検査処理を実行する(ステップS15)。1画面目の画像の書き込みプロセス及び濃度検査処理が終わると、検出した位置合わせ用マーク61及び書き込んだトナー像のサイズを基準として2画面目の画像の先端部の位置を特定し(ステップS16)、同様にして2画面目の画像の書き込みプロセス及び濃度検査処理を実行する(ステップS17)。このようにして画像を構成する全ての色に対するトナー像を中間転写ベルト6に転写したら(ステップS18)、中間転写ベルト6に転写した画像の先端部に合わせて転写紙の給紙を開始し(ステップS19)、中間転写ベルト6上の画像を転写紙に転写する(ステップS20)。その後、次ぎの画像がある場合は(ステップS21)、上記処理(ステップS14〜S20)を繰り返す。このように、複数の画像を中間転写ベルト6に転写することにより、中間転写ベルト6の空回りの時間をなくし、転写紙の給紙待ち時間を少なくし、2色以上で構成された画像の印刷効率を高めることができる。ここで、中間転写ベルト6に最大2画像を転写する場合について説明したが、中間転写ベルト6と画像の大きさに応じて、図5に示すように3画面を中間転写ベルト6に転写するようにしても良い。ここで、図では印刷するトナー像62a,62b,62cとパターン画像31a,31b,31cとの位置関係を表すためにパターン画像31a,31b,31cを中間転写ベルト6上に描いているが、実際は感光体3上に描く。また、中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61は実際には1箇所にしかないが、位置合わせ用マーク61を検出してから次ぎの位置袷用のマークを検出する間を表すために2箇所に位置合わせようマークを描いている。
【0035】
次ぎに、1色で構成された画像を1画面目に転写した後に、次ぎの画像を転写する場合の動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。ここで、説明を簡単にするために、転写する画像を合計で2画像とする。
【0036】
1色で構成された画像を1画面目に転写した後に、主制御部25は次ぎの画像が1色で構成された画像か又は2色以上で構成された画像かを調べる。2色以上で構成された画像の場合であって(ステップS31)、画像のサイズが大きい場合(形成する画像のサイズが、例えばA3サイズの場合)は(ステップS32)、既に説明したように次ぎの画像を中間転写ベルト6に並べて転写することができないので、1色で構成された画像を転写紙に転写した後に、中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61の検出を基準にして書き込み及び濃度検査処理を行なう(ステップS33,S34)。画像を構成する全ての色のトナー像を中間転写ベルト6に転写すると(ステップS35)、主制御部25は中間転写ベルト6上の画像の先端位置を特定し、給紙タイミングを調整し、給紙部9に転写紙の給紙を指示する(ステップS39)。給紙部9は主制御部25からの指示を受けると転写紙の給紙を開始し(ステップS40)、中間転写ベルト6はトナー像を転写紙に転写して印刷処理を行なう(ステップS41)。
【0037】
1色で構成された画像を1画面目に転写した後の画像が2色以上で構成された画像の場合であって(ステップS31)、画像のサイズが大きくない場合(形成する画像のサイズが、例えばA4サイズの場合)は(ステップS32)、1色で構成された画像に並べて、2色以上で構成された画像を中間転写ベルト6に転写するために、位置関係記憶部27に記憶した中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61の位置と1画面目の画像の先端部の位置との関係を基に、中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61と形成するトナー像との位置関係を特定する(ステップS36)。画像形成制御部26は特定した中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61との位置関係を基準にして次ぎの画像の書き込み及び濃度検査処理を行なう(ステップS37)。画像を構成する全ての色のトナー像を中間転写ベルト6に転写すると(ステップS38)、既に説明したように中間転写ベルト6上の画像の先端部の位置を特定し、給紙タイミングを調整して(ステップS39)、転写紙の給紙を開始し(ステップS40)、中間転写ベルト6上のトナー像を転写紙に転写する(ステップS41)。このように、1画面目の画像が位置合わせ用マーク61を基準にして中間転写ベルト6に転写されていない場合であっても、2画面目の画像を1画面目の画像に並べて転写することができ、中間転写ベルト6を空回しする必要がなく、印刷効率を高めることができる。
【0038】
1色で構成された画像を1画面目に転写した後の画像が1色で構成された画像の場合は(ステップS31)、既に説明したように直ちに書き込み及び濃度検査を行ない(ステップS42)、位置合わせ用マーク61との位置関係を記憶した後に、給紙タイミングを調整して(ステップS39)、転写紙を給紙し(ステップS40)、転写紙に画像を印刷する(ステップS41)。
【0039】
次ぎに、上記濃度検査処理について、図7のフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0040】
既に説明したように書き込みプロセスを行なった後(ステップS51)、1画面目の画像場合は(ステップS52)、感光体3上に形成したトナー像と同色のパターン画像を感光体3上に形成し(ステップS54)、形成したパターン画像の濃度を濃度センサ8で読み取り(ステップS55)、濃度検査部28でパターン画像の濃度を基に形成したトナー像の濃度が適正か否かを検査する(ステップS56)。これに対して、書き込みプロセスを行なった画像が1画面目の画像でない場合は感光体3上に形成したトナー像と同色のトナー像が中間転写ベルト6に転写した1画面目の画像のトナー像の中にあるか否かを調べ、中間転写ベルト6に転写した1画面目の画像のトナー像の中に同色のトナー像がない場合は(ステップS53)、上記のように濃度検査(ステップS54〜S56)を行ない、中間転写ベルト6に転写した1画面目の画像のトナー像の中に同色のトナー像がある場合は濃度検査を行なわないようにする。中間転写ベルト6に複数の画像を並べて転写する場合の2画面目の画像については1画面目の画像で既に検査した色と同じ色の濃度検査を行なっても結果が同じために、このように濃度検査を行なわないようにすることにより、処理工数を少なくし、処理時間を短縮することができると共に、トナーの消費量を少なくすることができる。
【0041】
なお、上記実施例では1画面目の画像として1色で構成された画像を中間転写ベルト6に転写し、2画面目の画像として2色以上で構成された画像を中間転写ベルト6に転写する場合において、記録紙の搬送タイミングについては説明していないが、1画面目の画像のトナー像を中間転写ベルト6に転写した後は1画面目の画像に対してのトナー像の重ね合わせは行なわれないため、2画面目の画像を形成する各色のトナー像の重ね合わせの完了を待たずに、1画面目の画像に対して転写紙の搬送を開始して、1画面目の画像の転写紙への転写を行なうようにしても良い。これにより、2画面目の画像を構成する各色のトナー像を中間転写ベルト6に転写完了する前に1画面目の画像を転写紙に転写することができ、1画面目の画像の印刷を迅速に行なうことができると共に、次ぎの画像を1画面目の画像があった場所に転写することができるので、次ぎの画像の処理を早めることができる。
【0042】
また、上記とは逆に1画面目の画像として2色以上で構成された画像のトナー像を中間転写ベルト6に転写し、2画面目の画像として1色で構成された画像のトナー像を中間転写ベルト6に転写する場合において、2画面目の画像のトナー像を中間転写ベルト6に転写した後は2画面目の画像に対してのトナー像の重ね合わせを行なわれないため、1画面目の画像を形成する各色のトナー像の重ね合わせの完了を待たずに、2画面目の画像に対して転写紙の搬送を開始して、2画面目の画像の転写紙への転写を行なうようにしても良い。
【0043】
さらに、1画面目の画像のトナー像として2色以上で構成された画像のトナー像を中間転写ベルト6に転写した後は、1画面目の画像のトナー像が中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61を基準として転写されているので、2画面目の画像が1色で構成された画像であっても、中間転写ベルト6上の位置合わせ用マーク61を基準として転写するようにしても良い。これにより、画像を中間転写ベルト6に転写する際のタイミング調整が容易になる。
【0044】
また、上記実施例では画像読取部21で原稿から画像を読み取るようにしたが、ホスト装置(不図示)等から画像データを受信するようにしても良い。
【0045】
【発明の効果】
この発明によれば、1色で構成された複数の画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合や、1色で構成された画像のトナー像に続けて2色以上で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合に、感光体及び中間転写ベルトを空転させる必要がなく、印刷効率を高めることができる。
【0047】
さらに、1色で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に2色以上で構成された画像のトナー像を転写する場合は、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像の転写を終了すると、1色で構成された画像を転写紙に転写するので、2色以上で構成された画像の各色のトナー像の転写完了を待たずに1色で構成されたトナー像を転写紙に転写することができ、印刷効率を向上することができる。
【0048】
さらに、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、1色で構成された画像のトナー像を位置合わせ用マークの位置を基準として転写するので、画像先端部の検出を容易にでき、処理を迅速に行なうことができる。
【0049】
さらに、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像の転写を終了すると、1色で構成された画像を転写紙に転写するので、1色で構成された画像の印刷処理を迅速に行なうことができる。
【0050】
さらに、感光体上に形成したトナー像を中間転写体に転写する前に、トナー像と同色の予め定めたパターン画像を感光体上に形成してパターン画像の濃度を読み込むことによりトナー像の濃度を検査する濃度検査を、2つめ以降の画像に対しては以前の画像に含まれないトナー色のみについて行うので、濃度検査の工数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】電装系の構成図である。
【図3】中間転写ベルト上の位置合わせ用マーク位置を表す斜視図である。
【図4】1色の画像又は2色以上の画像を混ぜないで印刷するフローチャートである。
【図5】3画像を並べた場合の中間転写ベルト上の画像の配置図である。
【図6】1色の画像を転写した後に次ぎの画像を転写するフローチャートである。
【図7】書き込みプロセス及び濃度検査処理を表すフローチャートである。
【図8】従来の画像形成装置の動作をあらわすフローチャートである。
【図9】従来の中間転写ベルト上の画像の配置図である。
【符号の説明】
1 レーザ書込部
26 画像形成制御部
27 位置関係記憶部
28 濃度検査部
3 感光体
31 パターン画像
5 現像器
6 中間転写ベルト
61 位置合わせ用マーク
62 トナー像
7 マーク検出センサ
8 濃度センサ

Claims (5)

  1. 位置合わせ用マークを有する中間転写ベルトに、中間転写ベルトのサイズに収まる1つまたは複数の画像のトナー像を画像サイズにより定まる間隔で感光体から転写し、各画像ごとに転写紙に転写する画像形成装置において、
    1色で構成された複数の画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合は、位置合わせ用マークを基準とせずに直ちに感光体にトナー像を形成して中間転写ベルトに転写し、
    2色以上で構成された複数の画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合は、位置合わせ用マークの位置を基準として感光体にトナー像を形成して各画像ごとに各色のトナー像を重ね合わせて中間転写ベルトに転写し、
    1色で構成された画像のトナー像に続けて2色以上で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する場合は、位置合わせ用マークを基準とせずに直ちに感光体に1色で構成された画像のトナー像を形成して中間転写ベルトに転写するとともに、1色で構成された画像のトナー像の先端位置と位置合わせ用マークの位置との位置関係を記憶し記憶した位置関係を基に感光体に2色以上で構成された画像のトナー像を形成して1色で構成された画像のトナー像に並べて中間転写ベルトに転写することを特徴とする画像形成装置。
  2. 1色で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に続けて2色以上で構成された画像のトナー像を転写する場合は、2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を転写すると、1色で構成された画像を転写紙に転写する請求項1記載の画像形成装置。
  3. 2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に続けて1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、位置合わせ用マークの位置と2色以上で構成された画像の大きさを基準として1色で構成された画像のトナー像を中間転写ベルトに転写する請求項1記載の画像形成装置。
  4. 2色以上で構成された画像の1色目のトナー像を中間転写ベルトに転写した後に続けて1色で構成された画像のトナー像を転写する場合は、1色で構成された画像のトナー像を転写すると、1色で構成された画像を転写紙に転写する請求項3記載の画像形成装置。
  5. 感光体上に形成したトナー像を中間転写体に転写する前に、トナー像と同色の予め定めたパターン画像を感光体上に形成してパターン画像の濃度を読み込むことによりトナー像の濃度を検査する濃度検査を、2つめ以降の画像に対しては以前の画像に含まれないトナー色のみについて行う請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
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