JP3633360B2 - 周波数選定機能を備えた車載通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定された場所に設定された基地局と、移動する車両に設置された車載通信装置との間で、無線により通信を行う路車間通信システムに係り、特に異なる複数の無線周波数を用いて通信を行う通信方式を用いた路車間通信システムの車載通信装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
安全性の向上、輸送効率の向上、および快適性の向上を目指したサービスを実現するため、道路と車両を一体のシステムとした高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の開発が進められている。このシステムでは、路上に設置する基地局と車両に搭載する移動局との間で行う路車間通信、移動局間で行う車車間通信により、これらのサービスを実現しようとしている。
【0003】
この高度道路交通システムにおける通信方式の一例としては、社団法人 電波産業会にて定められた標準規格「有料道路自動料金収受システム標準規格ARIB STD−T55 1.0版」(平成9年11月27日策定)が知られている。
前記標準規格は通信領域を限定したスポット通信による路車間通信方式を定めたものであり、基地局から移動局への通信(以下、下り通信)と移動局から基地局への通信(以下、上り通信)に異なる周波数を用い、通信フレームをスロットと呼ばれる固定長の区間に時分割した同期式時分割通信方式であるスロッテドアロハ方式を採用している。
【0004】
また、上り通信用と下り通信用に異なる周波数を用いると同時に、隣接した基地局同士の干渉を防止するため、上り下り通信用の各無線周波数として、それぞれ2つの異なる周波数、合わせて4つの周波数を用いることが規定されている。図2に各周波数の割り当てを示す。周波数f1、f2を下り通信に、周波数f3、f4を上り通信で使用し、周波数f1とf3をペアで、周波数f2とf4をペアで組み合わせて使用する。つまり、ある基地局の通信圏内では下り通信に周波数f1(以下、下りチャネルA)、上り通信に周波数f3(以下、上りチャネルA)を用いる(以下、モードA)。モードAで運用する基地局に隣接する他の基地局では、下り通信に周波数f2(以下、下りチャネルB)、上り通信に周波数f4(以下、上りチャネルB)を用いる(以下、モードB)。
【0005】
スロッテドアロハ方式の通信フレームは、通信スロットと制御スロットに大別され、通信スロットには複数の移動局との交信が可能なように、路車間でのデータ交換を行うためのメッセージデータスロット(MDS:Message Data Slot)が複数配置される。また制御スロットには、基地局が送信する通信フレームの構成情報、通信スロットの使用状況などを格納するフレームコントロールメッセージスロット(FCMS: Frame Control Message Slot)と、移動局が基地局に通信スロットの割当てを要求するためのアクチベーションスロット(ACTS:Activation Slot)からなる。FCMはスロットの期間の基準信号でもあり、移動局との通信を行わない場合でも、常時周期的に発信される信号である。
【0006】
上記技術による運用の一例を図3に示す。同図において、301は道路、302は道路上に設置されたガントリ、303、304はガントリに取り付けられた基地局のアンテナ、305はアンテナ303の通信領域、306はアンテナ304の通信領域、307は地上に設置された基地局装置、308は車両、309は車両に搭載された車載通信装置である。アンテナ303と304は隣接して設置されているため、お互いの混信を防止するために、異なる無線周波数で運用され、この場合はアンテナ303はモードA、アンテナ304はモードBで運用されている。
【0007】
車両308がアンテナ303の通信領域305に進入する際に、車載通信装置309は通信に先立ち、基地局の通信領域に進入したことを検知するとともに、基地局の運用する無線周波数のモードを知る必要がある。
そのため、複数の受信手段を具備し、各無線周波数について受信した電界のレベル(受信レベル)を計測し、受信レベルの最も大きな無線周波数のアンテナに応答するシステムが考案されている。このような装置の一例としては、特開平7−325996号等が上げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、運用される周波数の数に応じた複数の受信手段が必要となる。だが通信装置のコストなどを考慮すると、必要以上の無線回路を持たないほうが望ましい。
だが、単一の受信手段のみの場合には、送信されていない無線周波数についても、一旦は受信状態で待機しFCMの検出を試みるため、周波数の選定の為の時間が長くなり、その間に車両が相当距離移動してしまい、そのため車両の移動速度が高速な場合には通信領域に留まる時間が減少し、基地局との通信が完了する以前に通信領域外に出てしまうという問題も生ずる。
本発明の目的は、コストの上昇を招くことなく、無線周波数を決定するまでの時間の高速化を図った車載通信装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、所定の検出時間毎に受信するチャネルを切替えながらFCMの受信を待機する際に、検出期間を基地局の制御信号の送信周期の整数分の一以外の時間であって、FCMを検出するまでの時間が短くなるような値に設定することによって、周波数の判定時間を高速化することができる。
請求項2の発明によれば、基地局の制御信号を受信時の受信レベルがある一定レベルであること確認することによって、誤った周波数を選定することがなく、選定した基地局と確実な交信が可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車車間通信方式の一実施例を図を参照しながら説明する。まず、本発明の車載通信装置と路側装置が通信するための通信フォーマットについて予め説明する。
【0011】
図4は路車間の通信のフォーマットを示す図である。同図は路車間の通信を、1フレームを3スロットで構成した場合の例である。同図の構成の場合、前記路車間通信方式によって、スロット1の下りチャネルはフレーム制御スロット(FCMS)に、スロット3の上りチャネルはリンク要求スロット(ACTS)に、スロット2はデータ交換のための通信スロット(MDS)に利用されている。FCMSに続くスロットの数は、基地局毎に変更可能で図に示した例は、2スロットの場合の例である。また各スロットの時間長は、全て同一の時間長に設定されている。したがって1フレームの時間長は、スロット時間長の整数倍となる。
【0012】
この通信フレームを使って路車間通信を行う移動局は、自局に割当てられた通信スロットの位置を判別するために、基地局が送信する通信フレームとの同期が必要になる。このために前記路車間通信方式では、フレーム制御スロットのフレーム制御信号FCMC(FFrame Control Message Channel)には他のスロットに配置される信号MDC(Message Data Channel)、ACKC(Acknowledge Channel)、ACTC(Activation Channel)とは異なる同期信号パターンを多重し、通信フレームの時間基準としてフレーム制御スロットの位置が識別できるようにしている。また、フレーム制御信号FCMCには、基地局が運用する無線チャネル、FCMSの後に続くスロットの数、自局に割当てられたスロット位置などのフレーム構成情報が多重されているので、移動局は通信フレームの再生が可能になる。
【0013】
更に、基地局が発信するFCM信号は、路側機毎に異なる周期で送信されている。通信フレームの構成例を図5、及び図6に示す。図5はFCM信号が図4に示した例のように3スロット周期で送信されている場合の例である。同図の場合FCM信号の送信周期(以下Tsと呼ぶ)は3スロットとなる。
【0014】
一方、図6は1フレームが9スロットで構成されている場合である。しかも2つのアンテナから交互にFCM信号が送信されている場合(時分割と呼ぶ)の例である。これは、走行レーンに沿って2つのアンテナが連続して設置する場合に、アンテナ間の干渉を防ぐために時分割を行うものである。この場合には、1フレームは9スロットで構成されるものの、FCM信号が送信される周期Tsは18スロットとなる。
基地局は、予め決められた複数の周期の中から、そのうちの何れかの周期でFCM信号を送信する。ただし、基地局の送信周期が運用途中に変更されることは無く、それぞれの基地局自身は特定の周期にて送信を行う。
【0015】
さて、上記した無線通信フォーマットに準じた場合を例にとって、本発明の車載通信装置の一実施例を図1に示す。同図において101、102はアンテナ、103は無線受信部、104は受信した信号の復調部、105は受信信号の電界レベルを検出する受信レベル検出部、106は発振器、107は発振器を制御する周波数制御部、108は送信データを変調する変調部、109は無線送信部、110は通信制御部である。
【0016】
周波数制御部107は発振器106の発振周波数を制御することによってい、受信部103の受信チャネル、送信部109の送信チャネルを切り替える。基地局からの無線信号はアンテナ101で受信され、受信部103で所望のチャネルの信号が取り出される。さらに、復調部104でデジタルデータに変換され、受信データとして信号処理部110に入力される。同時に、受信レベル検出部105で受信した信号の電界強度が計測され、同じく信号処理部110に入力される。送信データは変調部108で変調され、送信部109から送信チャネルの無線周波数で送信される。
【0017】
次に図7を用いて、図1の車載通信装置における受信部103の構成を説明する。同図において701、704は増幅器、702は周波数変換器、703はバンドパスフィルタである。
基地局から送信された信号を車載通信装置が受信する場合、アンテナで受信された信号は増幅器701で増幅された後、周波数変換器702で中間周波数に変換される。変換された信号はバンドパスフィルタ703で必要な周波数成分のみが取り出され、増幅器704で増幅された後、復調部あるいは受信レベル検出部に送られる。外部に設けた発振器から周波数変換器702に入力する周波数を変更することによって、バンドパスフィルタ703を通過する無線周波数を変更することができ、それによって受信するチャネルを選択する。
ここで、バンドパスフィルタ703の受信特性は図8に示すように設定されている。外部の発振器から周波数変換器702に入力する周波数を変更することによって、チャネルAあるいはチャネルBを選択して受信出来る。
【0018】
次に図9を用いて、図1の車載通信装置における通信制御部の周波数選定動作について説明する。まず選定動作に先立って、周波数制御部107の制御により、受信するチャネルを下りチャネルAに設定する(処理901)。受信チャネルを下りチャネルAに設定した状態でFCMCの受信を待つ。受信待ちの状態中にFCMを受信できた場合には、待機動作を終了して処理903へ、予め決められた検出期間の時間長(以下Trと呼ぶ)だけ待って、FCMの受信ができなかった場合には処理904へ分岐する(処理902)。処理904へ分岐した場合には受信するチャネルを切り替える。現在の設定が下りチャネルAであれば下りチャネルBに、現在の設定が下りチャネルBであれば下りチャネルAに設定する。受信チャネルの設定後、再度処理902の処理を行う。
車載通信装置が基地局の通信領域外にいる場合には、FCMCを受信することのが無いので、上記のように受信するチャネルを所定時間長Tr毎に切り替えながら、FCMCの受信を待ち続けることになる。
受信チャネルの検出期間Trは、少なくともFCM信号が送出されている期間は受信し続ける必要がある為、1スロットの時間長以上である必要がある。
【0019】
車両が基地局の通信領域に進入すると、上記の処理902の分岐処理にてFCMを受信し、処理903に分岐する。処理903へ分岐した場合は現在設定中の受信チャネルに決定し周波数の判定処理を処理を終了し、以後は決定したチャネルにて基地局からの信号を受信し、交信を行う。
上記の例では、処理901における初期の受信チャネル設定を、Aチャネルに設定したが、これはBチャネルであっても良いのはもちろんである。
【0020】
さて、上記の実施例において、基地局がFCM信号を送信する周期の最大(以下Tsmaxと呼ぶ)が18スロット周期であった場合を想定する。この場合に、18スロット周期に送信されるFCM信号を受信するために、検出期間TrをFCM信号の送信周期より長く、例えば19スロットに設定したとする。FCM送信周期に対して、より長い時間間隔で受信チャネルを切替えるため、基地局の送信周波数に一致した場合には確実に受信できることは明らかである。だが、上記の設定でFCMの送信周期Tsが短い基地局の通信領域に進入した場合には、FCMを受信するまでの時間が長くなる。
【0021】
図10に、FCM信号の送信周期Tsが3スロット、車載機の受信チャネルの検出期間Trが19であった場合の例を示す。同図において111から118は基地局が送信するFCM信号、119は図1に示す車載機において通信制御部110から周波数制御部107への受信チャネルを指示する制御信号である。基地局から車載通信装置への送信周波数はAチャネルで行われている。同図に示す様に、車両が基地局の通信領域に進入した際に、基地局の送信無線周波数とは異なるBチャネルに設定されていた場合には、次にAチャネルに切替えるまでの間、FCM信号111から117は受信することが出来ない。19スロット後に受信チャネルをAチャネルに切替えた後のFCM信号118を、ようやく受信することができる。つまり8回目のFCM信号でようやく受信するため、周波数の判定処理のために8フレーム分の時間を費やすことになり、それまでの7フレーム分の時間が無駄になる。
【0022】
そこで検出期間Trを、基地局のFCM信号の送信周期の最大値Tsmax以下に設定することによって、検出時間の短縮を図る。
ところが検出期間Trを、基地局のFCM信号の送出周期の整数分の一の時間長に設定した場合には、信号を受信できなくなる場合が発生する。
【0023】
図11は、基地局のFCM信号の送出周期Tsが18スロットの場合に、検出期間Trを送出周期Tsの1/2の時間である9スロットに設定した場合の例である。同図において121、122は基地局が送信するFCM信号、123は図1に示す車載機において通信制御部110から周波数制御部107への受信チャネルを指示する制御信号である。基地局から車載通信装置への送信周波数はAチャネルで行われている。同図に示す様に、車両が基地局の通信領域に進入した際に、Bチャネルに設定されていた場合には、FCM信号121は受信することができない。検出期間Tr後に一旦はAチャネルに設定して、FCM信号の受信を待機するものの、次のFCM信号122が送信される時点では、受信チャネルは再度Bチャネルに設定されている。これが繰り返されるために、永久にFCM信号を受信することが出来ない。
前述のごとく検出期間Trが、基地局のFCM信号の送出周期Tsの偶数分の一の時間の場合、基地局がFCM信号を送信する時点においては、毎回別のチャネルを受信することになるため、車載装置はFCM信号を受信することが出来ない。
【0024】
図12は、基地局のFCM信号の送出周期Tsが18スロットの場合に、検出期間Trを送出周期Tsの1/3の時間である6スロットに設定した場合の例である。同図において131、132は基地局が送信するFCM信号、133は図1に示す車載機において通信制御部110から周波数制御部107への受信チャネルを指示する制御信号である。基地局から車載通信装置への送信周波数はBチャネルで行われている。また、基地局からのFCM信号の送信開始と、車載通信装置の受信チャネルの切替えがほぼ同時に行われた場合を示している。
【0025】
同図に示す様に、車両が基地局の通信領域に進入した際に、Aチャネルに設定されているため、FCM信号131は受信することができない。次のFCM信号122が送信されるまでの間に、受信チャネルは一旦Bチャネルに設定された後、Aチャネルに設定、更にBチャネルに設定される。FCM信号122が送信される時点では、Bチャネルに設定されているものの、FCM信号の送信と、受信チャネルの切替えがほぼ同時に発生しているため、車載装置はFCM信号の前半部分を正確に受信することができない。なぜならば、周波数制御部107が受信チャネルの変更のため、発振器106の発振周波数を変更しようとした場合、発振周波数は瞬間的には切り替わらずに、ある程度の時間経過した後に目的の周波数で安定して発振を開始する。従って、切替え中の期間は周波数変換器702には意図しない周波数の信号が入力されているため、その間は基地局から無線によって送信される信号を正しく受信することができない。よって、FCM信号の送信と、受信チャネルの切替えがほぼ同時に発生た場合には、発振器106の発振周波数が切り替わり安定するまでは受信できずに、FCM信号の前半部分は正しく復調することが出来ないのである。次のFCM信号の時点でも、信号の送信と同時に受信チャネルの切替えが発生するため正しく受信することができない。これが繰り返されるために、永久にFCM信号を受信することが出来ない。
【0026】
上記の説明は、FCM信号の送信とほぼ同時に、受信チャネルの切替えを行った場合の例について説明したが、FCM信号の送信中に受信チャネルの切替えが発生した場合にも、毎回FCM信号の送信と受信チャネルの切替えが重なるため、FCM信号を受信できない。前述のごとく検出期間Trが、基地局のFCM信号の送出周期Tsの奇数分の一の時間の場合、基地局がFCM信号を送信と受信チャネルの切替えが一致した場合には、車載装置はFCM信号を受信することが出来ない。
【0027】
以上説明したごとく、車載通信装置の受信チャネルの検出期間Trを、基地局のFCM信号の送出周期Tsの整数分の一に設定した場合には、FCM信号を受信できなくなるため、それ以外の時間長に設定する。基地局の取りうるFCM信号の送出周期が複数ある場合には、それら何れの周期に対しても、検出期間Trがそれらの整数分の一にならないように設定する。それによって、基地局が何れの周期でFCM信号を送信していた場合でも、車載通信装置はFCM信号を受信できる。
【0028】
そこで、基地局のFCM信号送信周波数が複数個、Ts(1)、Ts(2)...Ts(n)まであり、そのうちの最大がTsmaxであった場合に、車載通信装置の受信チャネルの検出期間Trを、
(1スロット相当の時間) < Tr < Tsmax
を満たすと同時に、
Tr≠Ts(x)/m
ただし、
x:1からnまでの整数、
m:1以上の整数
の関係を満たす時間長に設定する。
【0029】
例えば図12に示した例で、受信チャネルの検出期間Trを6スロットから、わずかにずらしただけでは、FCM信号の送出と受信チャネルの切替えのタイミングが徐々にずれるため、それらが一致しなくなり受信できるまでに相当の時間を要する。
そのため、上記の条件を満たした上で、さらに基地局のFCM信号の送信周期Ts(1)..Ts(n)の何れに対しても、FCMを検出し基地局の周波数を判定できるまでの時間が短縮出来るような値に、受信チャネルの検出期間Trを設定する。
【0030】
図13、図14、および図15に、前述の条件を満たすように検出期間Trを設定した場合の例を示す。基地局のFCM信号の送出周期として、3スロット、あるいは18スロットのいずれかを取りうる場合に、受信チャネルの検出期間Trを6.5スロットに設定することによって、FCM信号の検出時間の短縮を図った場合の例である。
【0031】
さて、図13はFCM信号の送出周期が3スロットの場合の例である。同図において141から145は基地局が送信するFCM信号、146は受信チャネルを指示する制御信号である。基地局から車載通信装置への送信周波数はAチャネルで行われている。車載通信装置が、受信チャネルを切替えながら待機し、基地局の通信領域に進入した際、その進入した時点では、Bチャネルを受信中であり、FCM信号143が送信されている途中で、受信チャネルをAチャネルに切替える。そのため、FCM信号141から143までを受信することができないが、4つめのFCM信号144を受信出来る。もちろん、基地局への進入時にAチャネルにて受信待機中であれば即座に受信できることは言うまでもなく、最長でも4つ目のFCM信号の受信が可能である。
【0032】
次に図14は、FCM信号の送出周期が18スロットの場合の例である。同図において151から153は基地局が送信するFCM信号、154は受信チャネルを指示する制御信号である。基地局から車載通信装置への送信周波数はAチャネルで行われている。車載通信装置が基地局の通信領域に進入した際には、Bチャネルを受信中であるため、FCM信号151を受信することができない。2つめのFCM信号152の時点でも、Bチャネルを受信中のため、FCM信号152を受信できない。3つめのFCM信号では、Aチャネルにて受信中のため、受信することが出来る。
【0033】
図15は、前述と同様にFCM信号の送出周期が18スロットの場合の例であるが、FCM信号の送出と、受信チャネルの切替えタイミングが図14の例とは異なる場合である。同図において161から163は基地局が送信するFCM信号、164は受信チャネルを指示する制御信号である。基地局から車載通信装置への送信周波数はAチャネルで行われている。車載通信装置が基地局の通信領域に進入した際には、Bチャネルを受信中であるため、FCM信号151を受信することができない。2つめのFCM信号152の時点では、Aチャネルに切り替わっているため、FCM信号162を受信出来る。もちろん、基地局への進入時にAチャネルにて受信待機中であれば即座に受信できることは言うまでもなく、FCMの送出周期が18スロットの場合であっても、最長でも3つ目のFCM信号を受信することが可能である。
【0034】
以上のことから、本実施例によれば、通信に必要な機器以上の機器を必要とすることなく、基地局の運用する無線周波数の判定の為の時間を短縮することが出来る。
【0035】
また、無線周波数が3つ以上でも同様にして、受信するチャネルを順次切替えることによって無線周波数の判定が可能である。
【0036】
次に図16を用いて、図1の車載通信装置における通信制御部の周波数選定動作の他の実施例を説明する。本実施例はFCM信号の受信時に、受信した信号のレベルがある一定値以上であることを確認することによって、より確実な周波数の判定を行うものである。運用時の状況は図3に示すように、異なる無線周波数の基地局が、隣接する走行車線上に設けられている。そのため、車両が走行している車線ではなく隣の車線上に設けられた基地局からのFCM信号を受信してしまう恐れがある。そこで、確実な判定を行うために、FCM信号の受信時に、受信レベル検出部105における受信レベルがある一定値以上であることを確認するのである。
【0037】
次に同図に示した判定動作について説明する。まず選定動作に先立って、周波数制御部107の制御により、受信するチャネルを下りチャネルAに設定する(処理171)。受信チャネルを下りチャネルAに設定した状態でFCMCの受信があったか否かを確認する。受信があった場合には受信時の受信レベル検出部105より出力される受信レベルを保存して処理173へ、受信がなければ処理174へ分岐する(処理172)。処理173では、処理172で保存したFCM受信時の受信レベルが、予め定められた規定値以上か否か確認を行う。既定値以上であれば処理176へ、以下であれば処理174へ分岐する(処理173)。処理174では、前回受信チャネルの設定を行ってから所定の検出期間Trが経過したかを確認する。その結果、検出期間Trだけ経過していない場合は、処理172に戻る。また、検出期間Tr経過していた場合には処理175に分岐する(処理174)。処理175では受信するチャネルを切り替える。現在の設定が下りチャネルAであれば下りチャネルBに、現在の設定が下りチャネルBであれば下りチャネルAに設定する。受信チャネルの設定後処理172に戻る(処理175)。
【0038】
車載通信装置が基地局の通信領域外にいる場合には、FCMCを受信することのが無いので、受信するチャネルを検出期間Tr毎に切り替えながら、FCMCの受信を待ち続けることになる。
車両が基地局の通信領域に進入し、規定値以上の受信レベルにてFCM信号を受信できた場合、上記の処理173の分岐処理にて受信レベルを確認し、処理176に分岐する。処理176へ分岐した場合は現在設定中の受信チャネルに決定し周波数の判定処理を処理を終了し、以後は決定したチャネルにて基地局からの信号を受信し、交信を行う。
【0039】
上記した実施例では、FCM信号の受信時に、受信した信号のレベルがある一定値以上であることを確認するため、隣接する基地局からのFCM信号を誤って選択することが無いため、より確実な周波数の判定が行われる。 また、処理171における初期の受信チャネル設定が、AチャネルであってもBチャネルであっても良いのはもちろんである。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信に必要な機器以上の機器を必要とすることなく、基地局の運用する無線周波数の判定の時間を高速化出来る。
また基地局の信号を受信時の受信レベルがある一定レベルであること確認することによって、基地局の運用する無線周波数を正しく判断できる、車載通信装置が実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載通信装置の一実施例を示す構成図。
【図2】路車間通信方式で用いる無線周波数を示す図。
【図3】路車間通信の運用例を示す図。
【図4】路車間通信の通信フォーマットの一例を示す図。
【図5】FCM信号の送信周期の一例を示す図。
【図6】FCM信号の送信周期の一例を示す図。
【図7】本発明の車載通信装置の受信部の構成図。
【図8】受信部のバンドパスフィルタの特性を示す図。
【図9】本発明の車載通信装置の動作のフローチャート。
【図10】周波数の判定動作の一例を示す図。
【図11】周波数の判定ができない場合の一例を示す図。
【図12】周波数の判定ができない場合の他の例を示す図。
【図13】周波数の判定動作の一例を示す図。
【図14】周波数の判定動作の一例を示す図。
【図15】周波数の判定動作の一例を示す図。
【図16】本発明の車載通信装置の動作のフローチャート。
【符号の説明】
101、102…アンテナ、
103…受信部、
104…復調部、
105…受信レベル検出部、
106…発振器、
107…周波数制御部、
108…変調部、
109…送信部、
701、704…増幅器、
702…周波数変換器、
703…バンドパスフィルタ。
Claims (2)
- 通信制御情報を含むフレーム制御スロットと、これに後続して配置されるデータ交換用の通信スロットからなる通信フレームを用い、
基地局から車両に搭載する移動局への、フレーム制御スロットにおける制御情報の送信と、通信スロットにおけるデータ送信を、指定された複数の中の一つの無線周波数帯を用いて行い、
指定された複数の送信周期の中から基地局毎に選択した周期にて、連続して制御情報を送信する通信方式において、
基地局が送信する通信制御情報を、前記複数の無線周波数帯から選択して受信し、認識する通信制御部を備え、
前記通信制御部は、予め定められた検出期間毎に受信する無線周波数帯を繰り返し切替え、基地局からの制御情報を受信し認識した後は、受信時の設定無線周波数にて以後の基地局からの通信を受信する車載通信装置であって、
前記検出期間を、前記フレーム制御スロットの時間長よりも長く、かつ、前記基地局の制御情報の送信周期の最大値よりも短く、
さらに、前記基地局の制御情報の複数の送信周期の何れの時間長に対しても、その整数分の一以外の時間長に設定することを特徴とする車載通信装置。 - 請求項1に記載の車載通信装置において、
受信した電波の電界強度を検知する手段を備え、基地局からの制御情報を受信し認識した際の受信レベルが、予め定められた値以上であった場合に、以後の基地局からの通信を制御情報受信時の設定無線周波数にて受信することを特徴とする車載通信装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP11181199A JP3633360B2 (ja) | 1999-04-20 | 1999-04-20 | 周波数選定機能を備えた車載通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP11181199A JP3633360B2 (ja) | 1999-04-20 | 1999-04-20 | 周波数選定機能を備えた車載通信装置 |
Publications (2)
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JP3633360B2 true JP3633360B2 (ja) | 2005-03-30 |
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