JP3631774B2 - 熱可塑性合成樹脂板の折曲成形装置 - Google Patents

熱可塑性合成樹脂板の折曲成形装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は複数枚の熱可塑性合成樹脂板を順次直線に沿って直角に折り曲げるための連続折曲成形方法と、その折曲成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
商品の展示棚などにおいて、各種の商品を種類別に仕分けるために塩化ビニールやアクリル樹脂等からなる合成樹脂製の仕切板が多用されている。その基本構造は矩形状の合成樹脂板を所定の部分から直角に折り曲げたL字状断面を有する板材からなり、使用に際しては展示棚に一方の折曲部を載置すると共に、他方の折曲部を起立状態として、隣合う仕切板間に同一種類の商品を展示する。かかる仕切板は専用の折曲治具を使用して、手作業によって一個一個を製作しているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記仕切板は多少でも損傷すると商品の見栄えが低下するため、その売場全体の仕切板を新しいものと交換することが多い。特に、アクリル板からなる仕切板は、塩化ビニール製の仕切板に比べると高コストではあるが、優れた物性(耐熱性、耐環境性、強度等)と高透明度で且つ外観的に優れているため、生鮮食品、高級雑貨、貴金属類などの売場に多く使用されており、その仕上がりは商品の評価を左右しかねない。
【0004】
しかして、上述の手作業による製作では一人の作業員が一日に製作できる数量は2000〜3000個に過ぎず、生産能率が低い上にコスト高につながり、コストを上げることなしには高精度の製作が期待できない。
【0005】
本発明はかかる課題を解消するためになされたものであり、その目的は生産能率を向上させると共に、均質で高品質の仕切板を低コストで製造する効率的な成形方法と成形装置を開発することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の複数枚の熱可塑性合成樹脂板を順次供給しながら折曲線に沿って加熱すると共に機械的に順次折り曲げて排出する熱可塑性合成樹脂板の折曲成形装置であって、積層された複数枚の熱可塑性合成樹脂板から一枚ずつをピックアップして直線的な合成樹脂板給送路に順次移載する合成樹脂板移載手段と、前記移載手段により移載された熱可塑性合成樹脂板を前記給送路に沿って間欠的に積極給送する給送路の路巾方向に所定の間隔をおいて配置された複数の搬送ロール対を備えた搬送手段を有する搬送部と、前記給送路内の給送方向に延設された直線状の加熱手段を有する加熱部と、前記加熱手段を断続的に作動させる加熱部作動手段と、前記給送路の下流側端部に設置され、給送される熱可塑性合成樹脂板を加熱線に沿って順次直角に折曲げ固定する折曲成形部と、前記給送路の延長上に前記搬送ロール対と同一平面を有し、複数対が列設される合成樹脂板載置ロール対と、前記折曲成形部により折曲成形された熱可塑性合成樹脂板を所定の姿勢で受入れ、同姿勢で機外に排出する排出シュートとを備え、前記折曲成形部が、前記直線状の加熱手段の延長線上の軸線回りを回動する折曲手段と、同折曲手段を所定の折曲角度に回動させる回動手段と、折り曲げられた形態を固定する冷却手段とを有する折曲・冷却手段を備えてなる熱可塑性合成樹脂板の折曲成形装置により解消される。
【0007】
すなわち、複数枚の熱可塑性合成樹脂板から一枚ずつをピックアップして、同合成樹脂板の給送路に順次移載するとともに、前記給送路の搬送手段を前記合成樹脂板の移載に同調させて間欠的に駆動する。前記合成樹脂板の給送中に、前記給送路内の前記加熱手段により所定の折曲線に沿って同合成樹脂板を下面から多段階に加熱する。折曲温度に達した前記合成樹脂板を前記折曲手段により前記折曲線に沿って所定角度に順次折曲げ、冷却手段により冷却固定する。折り曲げられた合成樹脂板は順次排出シュートにより機外に排出される。
【0008】
本発明は、特にアクリル樹脂板の折曲成形に好適であり、前記合成樹脂板の給送中に、同合成樹脂板の側面を直線上に案内すると共に、前記加熱手段を挟んでその上面を押圧すると共に、前記加熱手段を搬送手段の間欠的な駆動の間に作動させる。また、好適には前記折曲手段は合成樹脂板を一旦所定の角度以上に折り曲げたのち、所定の曲げ角度に戻して冷却固定する。
【0009】
そして、好適には前記搬送部は前記移載手段による熱可塑性合成樹脂板の移載時は停止し、同移載終了後に駆動が開始されるように制御され、前記加熱手段はヒートバーからなり、その加熱面にフッ素樹脂膜を有しており、上記加熱作動手段は前記ヒートバーの昇降シリンダーであり、前記搬送手段の駆動時には前記合成樹脂板の下方で待機し、同搬送手段の停止時に合成樹脂板の下面に当接する位置まで上昇するように構成される。
【0010】
また、前記折曲成形部は上記給送路の延長上に多数の搬送ロール対と同一平面を有し、複数対が列設される合成樹脂板載置ロール対と、上記ヒートバーの延長線上の軸線回りを回動する折曲手段と、同折曲手段を所定の折曲角度に回動させる回動手段と、折り曲げられた形態を固定する冷却手段とを備えており、前記折曲手段は前記合成樹脂板の折曲線の下方に近接し、且つ同折曲線に平行な軸線を中心として回動する櫛歯状に配列された複数の折曲アームを有してなり、前記冷却手段は前記折曲アーム同士の基端を連結すると共に外部コンプレッサーに連結されたパイプ材からなり、同パイプ材は直線状に配列された多数のエア吹出孔を有している。そして、前記回動手段は前記折曲アームを所定の折曲角度以上に一旦回動させたのち、所定の折曲角度まで戻すようにする。
【0011】
【作用】
移載手段により多段に積層された合成樹脂板を、上段から順次樹脂板給送路に移載する。給送路に移載された合成樹脂板は、次の合成樹脂板が移載される部位を離れるまで次段の加熱部に順次搬送される。各加熱部に合成樹脂板が到達すると、給送路の搬送手段はそのたびに一時停止し、同時に加熱部作動手段が作動して、本発明の上記直線状の加熱手段である、例えば上記ヒートバーを上昇させ、所定の加熱時間だけヒートバーの上面各段の加熱部にある合成樹脂板を折曲線に沿って加熱したのち、ヒートバーが下降する。ここで、搬送手段が再起動して次段の加熱部に合成樹脂板が到達するまで駆動を継続する。
【0012】
このとき、同時に折曲部にも合成樹脂板が順次到達する。この到達時に、上記搬送手段が停止する。このときの駆動タイミングは搬送手段の起動・停止に同調している。折曲部に合成樹脂板が到達すると、例えば折曲アームからなる折曲手段が冷却パイプ材を中心に水平状態から略垂直状態に回動し始める。この回動は、所定の設定角度より僅かに大きく回動させ、合成樹脂板を折曲線に沿って一旦設定角度以上に折り曲げる。この折曲角度は、通常、設定角度+(5〜10)°の範囲である。
【0013】
これは、熱可塑性合成樹脂を通常の加熱条件によって加熱する場合には、数%の弾性部分が残存することが普通であるため、成形後の弾性的な復元や、歪みとして内部に残ったりする特性を利用すると共に、正確な折曲角度を確保するためである。即ち、例えば90°に折り曲げられた折曲製品の形状を維持しようとするには、原形に復帰可能な角度(90°より約+5〜+10°程度)まで過度に折り曲げる。このとき、合成樹脂板の折曲線に沿った部分の加熱状態は、前述の戻りを発生する状態となっている。そのため、合成樹脂板の折曲力を開放すると90°以下に戻ろうとする。この復元時に90°の位置で前記復元を止めるように支持すると共に強制的な冷却をなせば、直角に正確に折り曲げられた合成樹脂板が成形できる。
【0014】
一方、折曲げアームの高速性を確保するため電動モータにより駆動する場合には、電動モータは高速回転時において急停止をさせることは難しい。折曲角度どおりに停止時期を設定したときには、同角度で電動モータを正確に停止させることは不可能に近いが、前記樹脂板の戻りを考慮するとき多少のオーバーランを見込むことは可能である。しかし、前記オーバーランを戻して正確に90°の回転位置で停止させることも、同じく電動モータの制御するだけでは極めて難しい。本発明では、合成樹脂板を一旦90°以上に折り曲げた直後に折曲アームを逆方向に回動させる。この間に、一旦90°以上に折り曲げた合成樹脂板Pを原形に戻る挙動に任せるが、その動きがなされる前に折曲アーム62aの位置を90°に固定させておき、前記合成樹脂板Pの原形への戻りを90°で正確に停止させるものである。
【0015】
そのため、電動モータによる逆転停止動作が正確になされる必要があるため、物理的に折曲げアームを所定の角度で強制停止させる方法を採用し、逆転停止時における停止誤差を吸収させると共に高精度の位置決めを行う。本発明では、例えば電動モータの逆転停止と同時にストライカーを作動し、ストライカーを折曲アーム作動部材の一部に係合させて位置決めする手法を採用している。この場合、前記ストライカーの先端を円錐形としておけば、係合部との間に多少のずれがあっても同係合部に強制的に係合して確実な位置決めを行う。こうして、均一な折曲角度を得る。
【0016】
かくて、合成樹脂板が所定角度を正確に折り曲げられると、冷却パイプ材から冷却エアが吹き出て、合成樹脂板の折曲部の背面側を積極的に冷却し、折曲形状を固定する。この冷却が終了すると、折曲手段が元位置まで逆転して戻り、同時に搬送手段が駆動され、折曲成形が終了した前記合成樹脂板を次段の排出シュートまで移送する。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例により具体的に説明する。図1は本発明に係る熱可塑性合成樹脂板の製造装置全体の構成例を示す正面図、図2は同装置の平面図である。本発明に係る熱可塑性合成樹脂板の折曲成形装置は、複数枚の同合成樹脂板を直線給送路上に順次供給しながら折曲線に沿って直線的に且つ段階的に加熱すると共に、適温に達した時点で同折曲線に沿って機械的に順次折り曲げて、連続的に機外に排出するものである。
【0018】
そのため前記実施例によると、積層された複数枚の熱可塑性合成樹脂板Pから一枚ずつをピックアップして直線的な合成樹脂板給送路2の所定位置に順次移載する合成樹脂板移載部1と、前記移載部1により移載された熱可塑性合成樹脂板Pを前記給送路2に沿って間欠的に積極搬送する搬送手段3と、前記給送路2内に延設され、同合成樹脂板Pを折曲線に沿って直線的に加熱するための直線状の加熱部4と、前記加熱部4の加熱手段41を間欠的に作動させる加熱作動手段5と、前記給送路2の下流側端部に設置され、搬送される熱可塑性合成樹脂板Pを折曲線に沿って順次直角に折り曲げるための折曲成形部6と、同折曲成形部6により折曲成形された熱可塑性合成樹脂板Pを所定の姿勢で受入れ、同姿勢を保持したまま機外に排出する排出シュート7とを備えている。
【0019】
図3は上記移載部1の主要部を示しており、同移載部1は積層された複数枚の熱可塑性合成樹脂板Pを上部から一枚ずつ所定の時間毎に順次取上げ、上記給送路2の入口に順次移載する移載手段を備えている。この移載のための手段としては、例えばシリンダーにより前記合成樹脂板Pの側面を順次水平方向に押し出す方法や、或いは同合成樹脂板Pの上面を圧接状態で平行に配設した2本の送出しロールを上方から押圧しながら間欠的に駆動して最上部の合成樹脂板Pを順次下段の合成樹脂板Pを滑らせながら水平に送り出す方法等が考えられるが、本実施例では図3に示すごとく吸着パッド11を使用して最上部の合成樹脂板Pを確実に吸着し、これを給送路2の入口における所定の部位に移載する方法を採用している。
【0020】
即ち、図3において前記吸着パッド11は例えば合成ゴムからなり、伸縮構造を有するパイプ材11aを介してアーム12の先端に直角に支持されており、前記パイプ材11aはスプリング11bにより常に伸長方向に付勢されている。前記アーム12の基端はガイドロッド12aを有するエアシリンダー13により水平に支持され、同エアシリンダー13が作動することにより前記吸着パッド11を所定の距離昇降させる。また、同エアシリンダー13は上記給送路2の側部に平行して配設されたロッドレスシリンダー14により前記給送路2に沿って合成樹脂板Pの積層部15と給送路2の入口との間を往復動する。前記パイプ材11aは図示せぬ真空ポンプに連結され、前記合成樹脂板Pの吸着時には前記真空ポンプが作動し、同合成樹脂板Pの離脱時には外気を導入するように制御している。
【0021】
図1及び図2において、合成樹脂板Pの積層部15は積載板15aが電動モータ15bにより昇降可能に支持され、同電動モータ15bは予め設定された最上段の合成樹脂板Pの到達位置に設置された光電式等の図示せぬセンサーからの信号を受けて停止し、所定の時間が経過したのちに再起動する。即ち、最上段の合成樹脂板Pが前記吸着パッド11により吸着されて、給送路2の入口における所定の部位に同合成樹脂板Pが移載される間に、前記電動モータ15bが作動して次回の合成樹脂板Pを前記到達位置まで上昇させる。
【0022】
また、本実施例では前記吸着パッド11の吸引力や合成樹脂板Pの静電気等にによる影響から2枚が同時に持ち上げられることを防止するため、合成樹脂板Pの搬送方向の前方に位置する図示せぬフレームには下段の合成樹脂板Pの前端面に対応する部位に弾性材料からなる図示せぬストッパーが取り付けられる。
【0023】
合成樹脂板Pの給送路2としてはコンベアベルトを採用することも考えたが、コンベアベルトで多数の合成樹脂板Pを並列状態で同一平面上を搬送することは困難であり、そのため別に合成樹脂板Pを載置して水平面内を案内するガイド板が必要になり、合成樹脂板Pに摺接痕が残る虞れがある。そこで、本実施例では合成樹脂板Pの搬送手段3として、図1〜図3に示すごとく多数の搬送ロール対31と、これを同期的に駆動する駆動モータ32と、同駆動モータ32からの動力を伝達するチェーンやタイミングベルト33とが採用される。即ち、図2に示すごとく路巾方向に所定の間隔をおいて配置された一対の搬送ロール対31を搬送路上に多数対設置して形成される。これら多数の搬送ロール対31は駆動モータ32によりチェーンやタイミングベルト33を介して同期駆動される。
【0024】
前記給送路2は、その入口の所定の位置から所定の長さにわたる部分に加熱部4を有し、同加熱部4の下流側に隣接する部分には折曲成形部6を備えている。
前記加熱部4は、上記搬送ロール対31の間に形成される所定の間隙に配置され、同加熱部4の全長にわたって延設されるヒートバー41と、同ヒートバー41の図示せぬ温度制御装置とからなる。本実施例にあっては、この加熱部4の長さは通常の仕様に適合する大きさの仕切板であれば同時に5枚を並べるに十分な長さに設定されている。具体的には、前記ヒートバー41の長さは2mで、その巾は12mmの長尺なバー材が使用され、順次間欠的に搬送される合成樹脂板Pの停止時に同ヒートバー41の上面が同合成樹脂板Pの下面に当接して直接加熱する。そのため、本実施例では前記ヒートバー41を複数本の図示を省略したエアシリンダーに支持させ、合成樹脂板Pの搬送時はヒートバー41を搬送ロール対31の上面より下方に下げておき、加熱時のみ図示せぬエアシリンダーを作動して搬送ロール対31の上面と同一高さまで競り上がるようにしている。この作動タイミングは、搬送されてくる合成樹脂板Pの到達位置に対応して設置される図示せぬリミットスイッチにより感知し、駆動モータ32の駆動を停止させると同時に、前記エアシリンダーを作動させるようにしている。ところでヒートバー41は、その直線性を維持させることが困難であるため、L字形断面を有する直線状の図示せぬ金属フレームにベークライト等の断熱性台座を介して固定保持される。更に、ヒートバー41の合成樹脂板Pとの接触面には図示を省略した耐熱性のフッ素樹脂テープが貼着されており、合成樹脂板Pの加熱面を保護すると共に、均一な加熱を行い、優美な成形品を得るようにしている。
【0025】
吸着パッド11により給送路2の所定位置に移載された合成樹脂板Pは、搬送手段3の多数の搬送ロール対31により停止と搬送とを繰り返しながら前方へと移動すると共に、ヒートバー41により同一折曲線上を断続的に加熱される。このとき、合成樹脂板Pの側面を規制するものがない場合は多数の搬送ロール対31の上面を直線的に移動するという保障がない。そこで、本実施例ではヒートバー41と合成樹脂板Pとの位置関係を維持し、合成樹脂板Pの同一部分のみを加熱するために給送路2の左右側部に互いに平行な直線状の加熱部ガイド21を設けている。
【0026】
このガイド21は直線性を確保するため、図4に示すごとく断面がL形の型材からなり、前記給送路2の左右側方に立設した支柱部22の間に架設された支持フレーム材23に左右一対のブラケット24を介して長手方向の複数箇所でそれぞれ支持される。そのため、ガイド21の長手方向には所定の間隔をおいて上下に長い複数のネジ孔21aが形成されている。前記支柱部22は基部22dに螺入される支柱本体22aと、同支柱本体22aに摺嵌され、前記支持フレーム材23の左右端部を支持するための外観が略T字状をなすフレーム端支持部材22bと、同フレーム端支持部材22bを下方に付勢するスプリング22cとを備えている。前記支柱本体22aの上下端部にはネジが切られており、下端ネジ部22a′の上端に隣接してフランジ22a−1が形成されている。また、前記支柱本体22aの上部ネジ部22a−2にはダブルナット22a−3が取り付けられ、同ダブルナット22a−3と前記フレーム端支持部材22bとの間に前記スプリング22cが介装されている。前記フレーム端支持部材22bのフレーム端支持部22b′は前記支持フレーム材23の左右端部が嵌合する嵌合孔を有している。
【0027】
一方、前記ブラケット24は前記支持フレーム材23に摺動自在に嵌着される嵌着部24aと同嵌着部24aから下方に突出するガイド支持部24bとからなり、前記嵌着部24aの上面には第1ネジ孔24a′が内部まで貫通して形成されており、また前記ガイド支持部23bには第2ネジ孔24b′が形成されている。上記ガイド21は前記第2ネジ孔24b′と同ガイド21のネジ孔21aとにボルト25をねじ込み、ブラケット24に支持される。そして、ブラケット24の嵌着部24aに形成された第1ネジ孔24a′に図示せぬボルトをねじ込むことにより同ブラケット24が支持フレーム材23の所望位置に固定される。
【0028】
上述の構成により、ガイド21の下限位置は基部22dに対する前記支柱本体22aのねじ込み量を調節することにより設定され、前記フレーム材23の下方への弾力はダブルナット22a−3の位置を調整することにより調節される。また、左右一対のガイド21間の間隔は嵌着部24aの第1ネジ孔24a′にねじ込まれているボルトを緩め、ブラケット24を前記支持フレーム材23に沿って摺動させることにより所望の間隔に調整される。こうして、左右のガイド21を取り付けることにより、合成樹脂板Pの搬送時における蛇行が防止でき、加熱幅が広くなったり、加熱効率を低下させることがない。
【0029】
ところで、一般的に熱可塑性合成樹脂板を片面から直線状に加熱すると、表裏に熱膨張差が生じて加熱側に突出する反りが発生する。この現象は特にアクリル板を棒ヒーターで加熱する場合に激しい。上述のごとくヒートバー41による接触加熱の場合、その加熱部を挟んで両側が反ることにより浮いてしまい、搬送時の姿勢が一定せず加熱ムラが生じてしまう。そこで、接触加熱時は強制的に反りを押さえ、常に合成樹脂板Pの折曲線上にヒートバー41を均一に密着させるようにしなければならない。本発明にあっては、合成樹脂板Pを間欠的に搬送しながら断続的に加熱するため、前記反りをコロにより抑えるようにしている。
【0030】
図4は本実施例による反り抑え機構を示しており、同図によれば上記ガイド21の支持機構と同様の支持機構をもって反り抑え部材26を支持している。即ち、同反り抑え部材26は断面L字形の長尺の板材本体26aと、同板材本体26aの長手方向に所定の間隔をおいて列設された多数のコロ26bとからなり、同反り抑え部材26は上記支持フレーム材23を共用し、上述の構造を備えたブラケット24にボルト25を使って固定する。従って、同反り抑え部材26も上記ガイド21と同様に、その下限位置が基部22dに対する前記支柱本体22aのねじ込み量を調節することにより設定され、その下方への弾力もダブルナット22a−3の位置を調整することにより調節される。また、折曲成形製品の寸法に対応すべく、ヒートバー41を挟む左右一対の反り抑え部材26間の間隔を嵌着部24aの第1ネジ孔24a′にねじ込まれているボルトを緩め、ブラケット24を前記支持フレーム材23に沿って摺動させることにより所望の間隔に調整する。
【0031】
前述のごとく反り抑え部材26は、その下限位置、即ち合成樹脂板Pを押圧する高さが調整可能とされると共に、その下方への弾力も調節可能である。前記下限位置と搬送ロール対31の上面との間の間隔は、本発明装置による折曲成形に大きな影響を与える。つまり、搬送ロール対31の上面と反り抑え部材26のコロ26aの下面との間の距離(以下、クリアランスという。)は、成形しようとする合成樹脂板Pの厚さにほぼ等しく設定すれば良好な結果が得られる。板厚以上にすると、圧力が少ないばかりでなく加熱効率が低下する。実測によれば、前記クリアランスを板厚以上に設定すると、ヒートバー41の接触面の裏面側では4〜5℃の温度低下がある。一方、前記クリアランスを板厚以下に設定すると、前記温度低下は少なくなるが、ややヒーター跡が多くなる。前記コロ26aは上述した支柱部22のスプリング22cにより合成樹脂板Pを弾圧するようにされており、もし合成樹脂板Pの板厚よりクリアランスを小さく設定すると押圧力は高くなっていく。
【0032】
表1は、2mmのアクリル樹脂からなる合成樹脂板Pを使用して、クリアランスを変化させたときの影響を示す。成形条件はヒートバー温度を180℃として、10秒に1個の成形を行った。
【0033】
【表1】
Figure 0003631774
【0034】
表1から、上記クリアランスは使用される合成樹脂板Pの板厚に設定したとき良好な結果が得られることがわかる。また、ヒートバー41を挟む左右のコロ26aの押圧部における温度差を小さくすることも、好ましい結果を得るための条件となる。
【0035】
また、コロ26aとヒートバー41と間の距離も、本発明の折曲成形に大きな影響を与えることが分かった。表2は前記距離を変化させたときの影響を示す。
【0036】
この表からコロ26aの位置はヒートバー41と干渉しない範囲でヒートバー41に出来るかぎり近づけることが好ましいことが理解できる。成形条件は、板厚2mm、クリアランス2mm、ヒーター180℃であり、10秒に1個を成形した。但し、表2において中央とはヒートバー41の設置位置をいう。
【0037】
【表2】
Figure 0003631774
【0038】
表2から、コロ26aの位置は出来る限りヒートバー寄りにし、安全を考えてヒーターから10mm程度ずらした位置が適切であるといえる。
【0039】
次に、ヒートバー41の温度と加熱時間との影響についてみると、ヒートバー41の温度は、合成樹脂板Pの溶融温度Tg以上であれば、特に限定されない。しかし、加熱樹脂の温度には限界があるため、その範囲に入るように、ヒーター温度と加熱時間を決めなければならない。また、合成樹脂板に貼着されている保護紙の燃焼温度以上は不適である。例えば、アクリル樹脂製の板材の場合には、溶融温度TGがおよそ100℃であるから、ヒーター温度は120〜240℃、樹脂温度も同じく120℃〜240℃ぐらいが適当であり、好ましくはヒーター温度を170℃〜210℃とする。
【0040】
ヒートバー41にアクリル樹脂板を接触加熱する場合、ヒーター温度と板厚によって加熱時間を定めなければならない。また、本発明はバッチ式で断続的に加熱するため、加熱トータル時間をバッチで分割し、移動時の温度低下を考慮して数秒間を割増しされなくてはならない。例えば、板厚が2mmの場合、ヒーター温度を180℃とすると30秒で成形が可能となる。5段階加熱によるバッチ式の場合には、30÷5=6秒だから、8秒を要する径40秒の加熱となる。
【0041】
同一条件(角度、加熱、冷却時間等)でヒーター温度を変えた結果を示す。
【0042】
板厚2mm 加熱8秒×5、冷却5秒(10秒に1個の成形)
【0043】
【表3】
Figure 0003631774
【0044】
さて、本発明が上述のごとくバッチ式加熱を採用する理由は次のとおりである。既述したように、アクリル樹脂製仕切板は塩化ビニール製に比べて高コストではあるが、優れた物性(耐熱性、耐環境性、強度等)と、優美な外観がセールスポイントである。そして、優美な外観を保つために、加工前の板材に保護紙を貼着させておき、加工時にも保護紙を貼ったまま、ヒートバー41に接触させて加熱する。しかし、その加熱部には僅かながらヒーター跡が残る。また、折り曲げたとき、加熱部の保護紙が破れるが、その保護紙の一部が付着して剥がし難くなることがある。一方、ヒートバー41の長さを長くして連続的に加熱していくと効率は向上する。しかし、ヒーターに接触しながら移動する接触移動式では 前記保護紙に関する欠陥が発生しやすい。これはヒートバー41が加熱部に圧着することと摺接状態が持続されるためである。他方では、合成樹脂板Pの反りや加熱ムラを少なくするために板抑えが必要である。その外にも、ヒートバー41の加熱面に添着されたフッ素系樹脂テープの磨耗が生じやすい。
【0045】
従って、加熱効率には多少劣るが、手加工に近い外観と安定性が実現化できるため、多段階のバッチ式加熱を採用するものである。バッチ式加熱では、折曲げと冷却に必要な時間を適合しやすく、多様な条件設定が容易である。なお、1バッチ加熱時間よりも折曲げ冷却時間を長くしないように設定することが必要であり、万一にも合致しないときは加熱後に後続の合成樹脂板Pが所定時間待機せざるを得ず、その間に後続の合成樹脂板Pが冷却されてしまう。
これをまとめると、表4のようになる。
【0046】
【表4】
Figure 0003631774
【0047】
以上の加熱部4の下流側端部には、所定の折曲げ温度に加熱されて搬送されてくる熱可塑性合成樹脂板Pを折曲線に沿って順次直角に折り曲げるための本発明の重要な構成部をなす折曲成形部6が連続して設置されている。この折曲成形部6は、上記給送路2の延長上に多数の搬送ロール対31と同一平面を構成し、図5に示すごとく複数対が列設される合成樹脂板載置ロール対61と、上記ヒートバー41の延長線上の軸線を中心に回動する折曲手段62と、同折曲手段62を略90°回動させる回動手段63と、折り曲げられた形態を固定する冷却手段64とを備えている。
【0048】
前記合成樹脂板載置ロール対61は、上記搬送ロール対31とほぼ同一の構造を有し、図1及び図2に示す例ではヒートバー41の延長線上で左右に分割された8組のロール対61からなる。これらの合成樹脂板載置ロール対61のうち合成樹脂板Pの搬送方向の前後に配置された2組及び1組のロール対61により挟まれる6組の隣合うロール対61の間隙を、同間隙を結ぶ直線回りを上記折曲手段62が回動可能に設置される。そのため、同折曲手段62は図8に示すごとく全体が櫛状をなしており、その5本の櫛歯部分が折曲アーム62aであり、同折曲アーム62aの基端を連結する部分が冷却手段64の一部をなすパイプ材64aからなる。
【0049】
なお、図1及び図2に示す実施例によれば、合成樹脂板Pの一側縁部を位置決め支持する縁部支持ガイド68が、前記折曲手段62の回動側と反対側の合成樹脂板端縁を当接して案内すると共に同側面を支持する部位に延設されている。この縁部支持ガイドは合成樹脂板Pの一側縁部を側面から支持して、同合成樹脂板Pの折曲時に同板Pが側方にずれることを防止するものであり、この縁部支持ガイド68によって合成樹脂板Pの合成樹脂板載置ロール対61上における載置形態を安定させる。
【0050】
更にまた同実施例によると、前記縁部支持ガイド68に加えて、合成樹脂板Pの折曲谷線に沿った内側に延設される折曲部板押え部材69を備えている。この折曲部板押え部材69の構成は加熱部4の上記反り抑え部材26と同様の構成を備えており板材本体69aの長手方向に所定の間隔をおいて多数のコロ69bが直線上に列設されている。この折曲部板押え部材69は、合成樹脂板Pの折曲時に同板Pが折曲線に沿って合成樹脂板載置ロール対61から浮き上がることを防止する機能を有するものであり、特に折曲時初期に合成樹脂板Pを折曲線に沿って合成樹脂板載置ロール対61に押し付けておき成形効率を向上させるものである。
【0051】
上記折曲アーム62aは図9に示すごとく背面側にリブを有する略T字状断面形状の金属製杆材からなる。これは、同アーム62aの強度と押圧面の平滑性とを確保すること、及び所定の面積をもって合成樹脂板Pの背面の一部を押圧させるためである。ところで、合成樹脂板Pを加熱された折曲線に沿って前述した複数の折曲アーム62aにより同時に折り曲げようとすると、折曲成形品が巾方向の両端部が外側に反り返ることが分かった。前記折曲アーム62aを採用することを前提とすると、同アーム62aの横巾が隣合う上記ロール対61の間の間隙以上にすることが不可能であるため、同間隙以下の巾をもって前記反り返りを防止すべく種々の検討を重ねた結果、合成樹脂板Pの両端部を押圧する前記折曲アーム62aの押圧面を他の折曲アーム62aより突出させると好結果の得られることが判明した。本実施例では上述のごとく同一構成を有する複数の折曲アーム62aのうち端部に位置する折曲アーム62aの押圧面の一部に合成樹脂片からなるスペーサ62bを貼着一体化している。同スペーサ62bの貼着位置は基端部寄りであれば所期の目的が達成される。
【0052】
一方、前記折曲アーム62a間を連結する上記パイプ材64aには合成樹脂板Pの加熱部を下面から冷却するためのエア吹出孔64a′が同一直線上に多数形成されており、同パイプ材64aの端部は回転管継手等を介して機外の図示せぬコンプレッサーに接続されている。ところで、エアを直接成形品に当てると上記保護紙が剥がれてしまうため、弧状断面を有する鉄板64bを合成樹脂板Pの折曲部の下方に沿って図示せぬフレームに固定し、同鉄板64bの内面に直接エアを吹き付け同内面により保護紙に沿ったエア流として、保護紙が剥がれない角度で前記折曲部にエアを当てるようにしている。
【0053】
図5は本実施例に適用される上記折曲アーム62aの回動手段63の一例をモデル的に示したもので、同回動手段63は図示せぬフレームに固着されたブラケット64に駆動部本体63aを枢支しており、同駆動部本体63aには図示せぬ電動モータが内蔵されている。同電動モータの出力軸端は駆動部本体63aの外面から突出され、同出力軸端に後述するストライカー66の第2作動用金具63bが固着されている。前記駆動部本体63aには上記折曲アーム62aの回動用作動ロッド65が上下動可能に挿入されている。同作動ロッド65は前記電動モータと、例えばラックとピニオンの如き動力伝達機構をもって駆動部本体63aに支持されて上下に移動する。そして、前記作動ロッド65の上端は前記折曲アーム62aの基端部背面から突出する枢支部62cに枢着され、また同作動ロッド65の下端には前記電動モータの正転及び逆転・停止用の第1及び第2リミットスイッチ67a,67bを作動する第1作動用金具65aが取り付けられている。
【0054】
前記第1及び第2リミットスイッチ67a,67bは、図10に拡大して示すごとく前記第1作動金具65aの移動範囲内に所定の間隔をおいてフレームに固設されている。また、上記駆動部本体63aの第2作動用金具63bに対応する部位には第3リミットスイッチ67cが固着されている。更に、前記第1作動用金具65aの背面の移動範囲内で駆動部本体63aにストライカー66が略水平に取り付けられている。このストライカー66は先端が円錐形に形成された金属棒からなり、その基端がエアシリンダー66aのロッド端に取り付けられ、前記第3リミットスイッチ67cからの信号を受けて所定の時期に作動を繰り返す。そして、前記第1作動用金具65aの背面(図10の右側)の一部には前記ストライカー66の先端が係合する位置決め孔65a′が形成されている。
【0055】
かかる構成において、給送路2を次段の加熱部まで合成樹脂板Pが搬送されると、図示せぬリミットスイッチが入り給送路2に列設された全ロール対31が停止し、同時にエアシリンダー42が作動してヒートバー41を上昇させ、所定の時間ヒートバー41の上面を各段の合成樹脂板Pの折曲線に沿って加熱したのち、図示せぬ加熱タイマーが切れると共にヒートバー41が下降する。ここで、駆動モータ32が再起動して前記リミットスイッチからの信号が送られてくるまで搬送ロール対31の駆動を継続する。
【0056】
このとき、合成樹脂板載置ロール対61は前記駆動モータ32とは独立した別個の駆動モータにより駆動されるが、折曲部6においても個別にリミットスイッチが設置されており、合成樹脂板Pが合成樹脂板載置ロール対61の所定の載置部位に到達したとき、上記駆動モータ32の停止時間と同一の時間を停止する。このときの駆動タイミングは前記電動モータ32の起動・停止と同調している。
【0057】
合成樹脂板載置ロール対61が停止すると、折曲部6の作動が開始する。即ち第1リミットスイッチ67aが作動して駆動部本体63aに内蔵された図示せぬ電動モータが回転して作動ロッド65が上方に移動すると、同作動ロッド65の上端に枢着された複数の略水平状態にある折曲アーム62aが枢支部62a′を押されてパイプ材64aの軸心を中心に上方に回動し始める。同作動ロッド65が所定の距離を上動すると、下端の第1作動用金具65aが第2リミットスイッチ67bを作動して前記電動モータを停止させると同時に逆転させる。この停止時に、折曲アーム62aは水平状態から90°を僅かに越える角度まで回動され、合成樹脂板Pを折曲線に沿って一旦直角以上に折り曲げる。この折曲角度は、通常、90°+(5〜10)°の範囲である。
【0058】
このように本発明では折曲アーム62aを一旦90°以上に回動させて、初期段階において合成樹脂板Pの折曲角度を一旦直角以上に折り曲げる理由は、次のとおりである。
通常、熱可塑性樹脂は所定の温度に加熱して外力を加えると塑性変形する。しかしながら、同樹脂の全体を完全に熱可塑状態することは容易なことではなく、加熱条件によって数%の弾性部分が残存することが普通である。そのため、成形後に弾性的に復元したり、歪みとして内部に残ったりする。本発明においても、折曲線に沿って十分な加熱がなされていない場合には、同樹脂板Pをたとえ正確に90°折り曲げたとしても弾性的に原形に戻ろうとして、直角の折曲製品を得ることができない。そこで、90°に折り曲げられた折曲製品の形状を維持しようとするには、90°となった時点で十分に冷却してしまう方法と、弾性的な戻りを考慮して90°より余分に曲げてから冷却固定する方法とのいずれかを採用することが考えられる。
【0059】
本発明では、合成樹脂の上記特性を踏まえると共に、効率的な冷却による形態固定を行う手法を採用している。そのため、最初の折曲操作により上述のごとく原形に復帰可能な限界角度(90°より約+5〜+10°程度)まで過度に折り曲げる。このとき、合成樹脂板Pの折曲線に沿った部分の加熱状態は、前述の戻りを発生する状態とされている。そのため、合成樹脂板Pの折曲力を開放すると90°以下に戻ろうとする。この復元時に90°の位置で前記復元を止めるように支持すると共に強制的な冷却をなせば、直角に正確に折り曲げられた合成樹脂板Pが成形できる。
【0060】
ところで、折曲げアーム62aは高速性を確保するため電動モータにより駆動するが、電動モータは高速回転時にリミットスイッチからの信号を受けて即座に停止させることは難しい。したがって、上述のごとく折曲アーム62aによる合成樹脂板Pの折曲角度を90°に設定したときには、同角度で電動モータを正確に停止させることは不可能に近いが、前記樹脂板Pの戻りを考慮するとき多少のオーバーランを見込むことが可能となり、電動モータの停止位置に高精度が要求されることがなくなる。しかし、前記オーバーランを戻して正確に90°とするには同じく電動モータを制御することは極めて難しい。本発明では、上述の樹脂成形時における特性を利用すると同時に、電動モータによる停止位置を確保して、折曲げ精度を高める手法を採用している。
【0061】
即ち、本発明にあっては第2リミットスイッチ67bを作動させてから所定の時間が経過したのちに電動モータの駆動を停止させると同時に逆転信号を与え、同電動モータを逆転させることにより、合成樹脂板Pを一旦90°以上に折り曲げた直後に折曲アーム62aを逆方向に回動させる。この間に、一旦90°以上に折り曲げた合成樹脂板Pを原形に戻る挙動に任せるが、その動きがなされる前に折曲アーム62aの位置を90°に固定させておき、前記合成樹脂板Pの原形への戻りを90°で正確に停止させるものである。
【0062】
そのため、電動モータによる逆転停止動作が正確になされる必要があるが、上述のごとく実現が難しい。そのため、逆転停止時における停止誤差を吸収させると共に高精度の位置決めを行おうとするには、物理的に折曲げアーム62aを所定の角度で強制停止させる方法が確実であると考え、本発明では電動モータの逆転停止時には、第2作動用金具63bにより第3リミットスイッチ67cをONしてストライカー66を作動し、同 ストライカー66の先端を作動ロッド65の下端に取り付けられた第1作動用金具65aの位置決め孔65a′に係合させて位置決めする手法を採用している。この場合、前記位置決め孔65a′の位置がストライカー66の先端位置と多少ずれていても、ストライカー66の先端が円錐形とされているため、前記位置決め孔65a′に係合するとき同孔65a′に強制的に係合して確実な位置決めを可能にする。こうして、均一な折曲角度が得られる。
【0063】
かくて、合成樹脂板Pが正確に90°に折り曲げられると、図示せぬコンプレッサーが作動してパイプ材64aのエア吹出孔64a′から冷却エアが吹き出され、弧状断面を有する鉄板64bの円弧面を通って、合成樹脂板Pの折曲部の背面側を積極的に所定時間冷却して折曲形状を固定する。この冷却が終了すると、折曲アーム62aが元の位置まで逆転して戻り、同時に合成樹脂板載置ロール対61が駆動され、折曲成形が終了した前記合成樹脂板Pを次段の排出シュート7まで移送する。
【0064】
この排出シュート7は、図1及び図2に示すごとく前記合成樹脂板載置ロール対61の出口端に入口を連続的にもつケージ状の容器からなり、同シュート7の底部は折曲成形品の全体が確実に載置されたことがセンサーで検知されると、自動的に片側に開くステンレス製の開閉部材71により構成されている。本実施例によれば、前記排出シュート7の製品収容幅は合成樹脂板の折曲げ幅に対応すべく幅方向(図2の上下方向)に摺動して位置の調整を可能にした仕切り板72が設けられており、また図11に概略で示すごとく直角に折り曲げられた合成樹脂板Pが排出シュート7の開閉部材71に移送されると、同板Pの折曲部側で開閉部材71の片側から下方に開く片開きに構成されている。このような片開きとすることにより、合成樹脂板Pは開閉部材71を滑落しながら同図(b)に示すような姿勢で常に落下するようになる。落下する合成樹脂板Pは落下姿勢のまま下方に待機する台車8に順次積み重ねられて収容される。そのため、台車8の積載面は略逆V字断面を有している。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなごとく本発明によれば、例えば断面L字形をした合成樹脂製仕切り板を人手を要することなく、自動的に且つ能率的に折曲成形することが可能となり、生産効率が向上するばかりでなく、高品質の製品が連続的に製造できるものである。特に、本発明では合成樹脂板の加熱線に沿って断続的な搬送と共に多段階に加熱して、その折曲部分において一旦所定の角度以上に折り曲げたのち、設定角度まで弾性変形の特性を利用して戻し、その角度で正確に位置決めした上で冷却固定するため、必要な加熱時間を確保して加熱部と折曲部とを連動させることが可能となるばかりでなく、極めて折曲精度の高い均質な製品が安定して得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の折曲成形装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】同装置の平面図である。
【図3】同装置における合成樹脂板の移載手段の主要部を示す部分正面図である。
【図4】同装置における給送部の略半部を示す断面図である。
【図5】同装置の折曲部の概略構成例を示す側面図である。
【図6】同折曲部による折曲作動時の作動例を示す側面図である。
【図7】同折曲部による折曲固定時の作動例を示す側面図である。
【図8】同折曲部の折曲手段の一例を示す全体構成図である。
【図9】同折曲手段としての折曲アームの形状例を示す断面図である
【図10】同折曲部による折曲固定時におけるストライカー作動時の説明図である。
【符号の説明】
1 (熱可塑性)合成樹脂板移載手段
11 吸着パッド
11a パイプ材
11b スプリング
12 アーム
12a ガイドロッド
13 エアシリンダー
14 ロッドレスシリンダー
15 積層部
15a 積載板
15b 電動モータ
2 合成樹脂板給送路
21 加熱部ガイド
21a ネジ孔
22 支柱部
22a 支柱本体
22a−1 フランジ
22a−2 上部ネジ部
22a−3 ダブルナット
22b フレーム端支持部材
22b′ フレーム端支持部
22c スプリング
23 フレーム材
24 ブラケット
24a 嵌着部
24a′ 第1ネジ孔
24b ガイド支持部
24b′ 第2ネジ孔
25 ボルト
26 反り抑え部材
26a 板材本体
3 合成樹脂板搬送手段
31 搬送ロール対
32 駆動モータ
33 (チェーンやタイミングベルトの)伝動手段
4 合成樹脂板加熱部
41 ヒートバー
42 エアシリンダー
5 加熱部作動手段
6 折曲成形部
61 合成樹脂板載置ロール対
62a 折曲アーム
62b スペーサ
62c 枢支部
63 回動手段
63a 駆動部本体
63b 第2作動用金具
64 冷却手段
64a パイプ材
64a′ エア吹出孔
64b 鉄板
65 回動用作動ロッド
65a 第1作動用金具
66 ストライカー
66a エアシリンダー
67a,67b,67c 第1〜第3リミットスイッチ
68 縁部支持ガイド
69 折曲部板押え部材
69a 板材本体
69b コロ
7 排出シュート
71 開閉部材
8 台車
P 合成樹脂板

Claims (1)

  1. 複数枚の熱可塑性合成樹脂板を順次供給しながら折曲線に沿って加熱すると共に機械的に順次折り曲げて排出する熱可塑性合成樹脂板の折曲成形装置であって、 積層された複数枚の熱可塑性合成樹脂板から一枚ずつをピックアップして直線的な合成樹脂板給送路に順次移載する合成樹脂板移載手段と、
    前記移載手段により移載された熱可塑性合成樹脂板を前記給送路に沿って間欠的に積極給送する給送路の路巾方向に所定の間隔をおいて配置された複数の搬送ロール対を備えた搬送手段を有する搬送部と、
    前記給送路内の給送方向に延設された直線状の加熱手段を有する加熱部と、
    前記加熱手段を断続的に作動させる加熱部作動手段と、
    前記給送路の下流側端部に設置され、給送される熱可塑性合成樹脂板を加熱線に沿って順次直角に折曲げ固定する折曲成形部と、
    前記給送路の延長上に前記搬送ロール対と同一平面を有し、複数対が列設される合成樹脂板載置ロール対と、
    前記折曲成形部により折曲成形された熱可塑性合成樹脂板を所定の姿勢で受入れ、同姿勢で機外に排出する排出シュートと、
    を備え、
    前記折曲成形部が、前記直線状の加熱手段の延長線上の軸線回りを回動する折曲手段と、同折曲手段を所定の折曲角度に回動させる回動手段と、折り曲げられた形態を固定する冷却手段とを有する折曲・冷却手段を備えてなる、
    熱可塑性合成樹脂板の折曲成形装置。
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