JP3631587B2 - 数値制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、数値制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
数値制御装置における各種設定操作やデータの入出力およびシステムソフトウェアのアップデート等の作業は、CRT/MDI等の表示装置付手動データ入力装置を使って行うのが一般的であるが、モーションコントローラ(モータ制御用の数値制御装置)等のなかには、CRT/MDI等が接続されていないものや、CRT/MDI等の取り付けを考慮していない設計のものもある。
【0003】
これらの数値制御装置においては、設定操作やメンテナンス作業を数値制御装置単体で行えるようにという配慮から、数値制御装置本体にロータリースイッチやプッシュスイッチを設け、両者のコンビネーション操作によって何種類かの簡単な作業を行えるようにしている。例えば、ロータリースイッチによって作業項目を選び、プッシュスイッチを押して数値制御装置に処理を実行させるといった具合である。
【0004】
しかし、既存のロータリースイッチの接点は16極が限界であり、選択できる作業項目もロータリースイッチの接点数による制限を受けてしまう。もし、これよりも多くの作業項目を選択できるようにしようとすれば、複数のロータリースイッチを配備して、それらのコンビネーションによって作業項目を選択する以外にないが、部品点数の増大やロータリースイッチを配備するためのスペースが問題になる。
【0005】
また、ネットワーク上に複数の数値制御装置を配備するような場合は、数値制御装置の各々にIDを設定してネットワーク上でのデータの衝突等を回避する必要があり、各数値制御装置毎にID設定用のロータリースイッチを設ける必要がある。IDの値はロータリースイッチの接点の位置により一義的に決まるので、定められたIDを保持する必要上、必ず、ID設定用のロータリースイッチは前述した項目選択用のロータリースイッチと独立させて設けなければならない。従って、ネットワーク上に配備する数値制御装置の場合、最低でも、作業項目を選択するためのロータリースイッチと、選択した項目の実行を数値制御装置に許可するためのプッシュスイッチ、および、ID設定用のロータリースイッチと、最低でも3個のスイッチが必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記従来技術の欠点を解消し、単一のスイッチのみで様々な種類の設定操作やメンテナンス作業を選択的に行うことのできる数値制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のセグメントで構成され、セグメントを選択的に表示して数字または文字を1文字表示する表示器と、スイッチとを備え、前記表示器に1文字ずつ循環的に表示させ、前記スイッチが操作されONになると、そのとき表示器に表示されている1文字に対応する項目の処理を行うことを特徴とする構成により前記課題を達成した。
【0008】
更に、前記表示器に1文字ずつ循環的に表示させ、前記スイッチが操作されONになる毎に、そのときの表示器の1文字に対応する項目を順次階層的に選択して絞り込み操作を行い、最終的に選択された項目の処理を行うことを特徴とする構成により、多数の項目、例えば、データ設定やメンテナンス処理を容易に選択できるようにした。
【0009】
前記表示器としては7セグメント表示器(例えば7セグメントLED等)を採用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明を適用した一実施形態の数値制御装置(モーションコントローラ)10の構成を概略で示すブロック図である。
【0011】
CPU11は数値制御装置10を全体的に制御するプロセッサであり、バス17を介してROM12やRAM13等に接続されている。ROM12には、少なくとも、CPU11の立ち上げに必要とされる最低限度の起動用プログラムが固定的に記録されており、数値制御装置10への電源投入によってこのプログラムが自動的に起動され、その後、FROM(フラッシュメモリ)15に格納されているシステムソフトウェア等がRAM13に読み込まれて数値制御装置10の立ち上げが完了し、以下、必要に応じて各種のアプリケーションプログラム等がFROM15からRAM13に読み込まれ、これらのプログラムに基くCPU11の処理が開始されるという構成である。当然、FROM15は、数値制御装置10の電源がオフにされても記憶状態が保持されるようになっている。
【0012】
また、CMOSメモリ14も一種の不揮発性メモリであり、このRAMにはシステムにとって重要な各種のパラメータ等が保存されている。CMOSメモリ14もバッテリバックアップされており電源OFFにされても記憶状態が保持される。
【0013】
インターフェイス18は外部記憶装置やCRT/MDI等の周辺機器を接続するためのインターフェイスであるが、モーションコントローラ等の数値制御装置10の場合、常時CRT/MDIが接続されているわけではない。
【0014】
7セグメントLED(表示器)2およびプッシュスイッチ(スイッチ)3は、CRT/MDI等の表示装置付手動データ入力装置に代えて簡単なデータ設定作業やメンテナンス作業を行うためのもので、各々、インターフェイス19およびインターフェイス20を介してバス17に接続されている。7セグメントLED2およびプッシュスイッチ3は、数値制御装置10の筐体に設けられた操作パネル1上に図2に示すようにして隣接して配備されている。このプッシュスイッチ3はネットワーク上に配備される数値制御装置10のID設定手段を兼ねる。従って、数値制御装置10に配備するスイッチはプッシュスイッチ3のみでよく、従来のような単数または複数のロータリースイッチは必要としない。
【0015】
メモリカード22はデータの移植やバックアップデータの保存に用いられるリムーバブルの記憶手段であり、インターフェイス21を介して数値制御装置10に着脱可能に取り付けられている。
【0016】
軸制御回路16はCPU11からの移動指令を受けて各軸のサーボモータMを駆動制御するためのものである。図1においては1軸分の軸制御回路とサーボモータを示しているが、制御対象となる機械の構造によってその数は異なる。
【0017】
図3はFROM15内におけるデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの登録状態を概念的に示す図である。つまり、ルートとなる第1階層には、7セグメントLED2によって表示可能な10種のアラビア数字“0”〜“9”に応じた10項目の選択肢が登録されており、更に、第2階層には、第1階層の項目の各々から派生する細分化された項目の選択肢が前記各項目の各々に対応して各10項目ずつ登録されている。以下、細分化の必要に応じ、更に、第3階層,第4階層,・・・と続くことになる。
【0018】
従って、階層がn階層あるとすれば、理論上、10n 個のデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムが登録できることになるが、実際に登録されているデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの数はこれよりも少ない。項目の内の幾つかのものが、実際のデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムを登録する手段としてではなく、選択モード切り替えのための手段として利用されているからである。
【0019】
図4に第1階層の項目の一例を部分的に示す。第1階層の項目は、一般に、選択モード切り替えのための手段であって、それ自体が実際のデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムを提供することはない。図5は第2階層の部分的な登録例、図6は第3階層の部分的な登録例である。
【0020】
選択肢毎の各項目の階層の数は、その選択肢が内包する選択的に実行したいデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの数によって決まることになる。
【0021】
例えば、図4に示す保守操作モード(図3のSUB3)の処理として10未満のデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラム(図3のSUB30〜SUB39)で足りるとするなら、少なくとも、保守操作モードのための階層に関しては、ルートから数えて2階層で足りることになる。実際は、保守操作モードの処理の内、図5に示すリストア処理(図3のSUB35)のように、リストア対象となるデータを細かく特定する必要のあるものもあるので、リストア処理に関しては、更に第3階層にまで選択肢が設定されている(図3のSUB350〜SUB359)。この例から明らかなように、実際に使用される階層は項目毎に異なっている場合がある。なお、保守操作モードに関する階層においてはSUB3とSUB35が選択モード切り替えのための手段として利用されており、実際にメンテナンス作業用アプリケーションプログラムを提供するのはSUB30〜SUB34とSUB36〜SUB38およびSUB350〜SUB358である。
【0022】
いずれにしても、CPU11によって実施させるべき処理を一義的に決めるためには、各項目の選択肢を最下層まで指定する必要があり、実際のデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムを提供するためのアドレス指定は、全て各ブランチの最下層に登録されている(SUB30〜SUB34,SUB36〜SUB38,SUB350〜SUB358等)。
【0023】
以下、図7および図8に示すシステムスタート時の立上げ処理を参照して本実施形態の処理動作を説明する。この段階では既に必要最小限度のシステムソフトウェアがRAM13に読み込まれているものとする。
【0024】
オペレータは、データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムを起動する必要がある場合には、プッシュスイッチ3を押したままシステムに電源を投入し(7セグメントLED2がアラビア数字“0”を表示するまで押し続ける)、また、通常の立上げ処理を行うのであれば、プッシュスイッチ3を操作せずにシステムに電源を投入するようにする。
【0025】
必要最小限度のシステムソフトウェアを読み込んで処理を開始したCPU11は、まず、プッシュスイッチ3が操作されているか否か、つまり、オペレータ側から簡単なデータ設定やメンテナンス作業等を行うための指令が入力されているか否かを判別する(ステップa1)。
【0026】
プッシュスイッチ3が操作されていなければ、データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムを起動する必要がないことを意味するので、CPU11は、FROM15に格納されている他のシステムソフトウェアを従来と同様にしてRAM13に読み込んで(ステップa23)、システムの立上げ処理を終了することになる。
【0027】
また、プッシュスイッチ3が操作されていた場合、CPU11は、ステップa2の処理に移行し、データ設定やメンテナンス作業等を行うためのアプリケーションプログラムを選択するための処理を開始する。
【0028】
プッシュスイッチ3が操作されていた場合、CPU11は、まず、文字ストリングスを記憶するレジスタ$(R)をヌルの状態にリセットし(ステップa2)、階層を記憶する指標iを1に、また、階層における項目番号を記憶する指標jを0に初期化する(ステップa3,ステップa4)。
【0029】
次いで、CPU11は、階層iで使用する文字点滅周期Ti(設定値)をタイマTにセットして計時を開始すると共に(ステップa5,ステップa6)、指標jに対応するアラビア数字“j”を7セグメントLED2に表示し(ステップa7)、タイマTの計時終了、もしくは、オペレータによるプッシュスイッチ3の操作を待つ待機状態に入る(ステップa8,ステップa9)。
【0030】
そして、オペレータがプッシュスイッチ3を操作せずにタイマTの計時が終了した場合、CPU11は、指標jの値が7セグメントLED2に表示可能な最大値“9”未満であるか否かを判別する(ステップa10)。
【0031】
そして、指標jの値が9未満であれば、CPU11は、指標jの値を1インクリメントし(ステップa11)、該指標jの値に基いてステップa5〜ステップa9の処理を前記と同様に繰り返し実行し、また、指標jの値が9に達していれば、指標jの値を0に初期化して(ステップa4)、前記と同様にしてステップa5〜ステップa9の処理を繰り返し実行する。
【0032】
従って、オペレータがプッシュスイッチ3を操作しない限り、7セグメントLED2には指標jの値に対応する“0”〜“9”のアラビア数字が周期Tiで循環的に点滅表示されることになる。
【0033】
なお、この実施形態では、文字表示周期Tiを階層i毎に設定して各階層における文字の表示周期を変化させることにより、選択操作を行っている階層をオペレータに確実に認識させるようにしているが、階層数が少ない場合、つまり、どの階層での選択操作を行っているかに関してオペレータの側に不用意な錯覚が生じないような場合には、i=1〜nの各階層の点滅周期Tiを全て同一の値としても構わない。無論、オペレータは、その時点で表示されているアラビア数字“j”の値を参照して操作を行うのであるから、周期Tiとしては、少なくとも、所望するアラビア数字“j”が表示されている間にオペレータがプッシュスイッチ3による選択操作を実施できる程度の時間、例えば、最低でも1秒前後の表示周期Tiが必要である。
【0034】
次に、オペレータは、7セグメントLED2におけるアラビア数字の表示周期を観察し、現在の操作環境、要するに、自分が現在どの階層での選択操作を行っているかを知り、循環的に表示されるアラビア数字“j”の値を参照してプッシュスイッチ3を操作し、各階層毎の項目番号を選択して、実行したい処理操作のアプリケーションプログラムの番号に相当する文字ストリングスをレジスタ$(R)の中に生成してゆく。
【0035】
前述のようにして7セグメントLED2に“0”〜“9”のアラビア数字が循環的に表示される間に、オペレータがプッシュスイッチ3を操作すると、CPU11はステップa9の判別処理でこの操作を検出し、指標jの値が9であるか否かを判別する(ステップa12)。
【0036】
なお、アラビア数字“9”は項目番号の中でも特別な値であり、第1階層においてはアプリケーションプログラムの選択操作を中止して通常の立上げ処理を実施するための番号、また、第2階層以降の階層においては、1階層ぶん上位階層に遡って選択操作をやり直すための番号として定められている。
【0037】
指標jが9以外の値であれば、CPU11は、指標jの現在値に対応する文字“j”、要するに、この段階で7セグメントLED2に表示されている文字“j”をレジスタ$(R)に文字ストリングスとして追加し(ステップa13)、文字ストリングス$(R)の現在値に対応する項目SUB〔$(R)〕をCMOSメモリ15から検索し(ステップa14)、この項目が実行プログラムであるか否か、つまり、データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムのアドレスを記憶した項目であるのか、それとも、選択モード切り替えのための項目であるのかを判別する(ステップa15)。
【0038】
ステップa15の判別結果が偽となった場合、つまり、この階層の項目が選択モード切り替えのためのものであった場合、この階層では、まだ、CPU11によって実施させるべき処理が一義的には決まらないということを意味する。例えば、図3の例で第1階層の“3”を選択したとしても、第1階層の“3”に対応する選択肢が第2階層においてSUB30〜SUB39まで存在するので、CPU11によって実施させるべき処理は第1階層においては一義的には決まらないということである。
【0039】
そこで、ステップa15の判別結果が偽となった場合、CPU11は、指標iの値が階層の最終値nに達しているか否かを判別し(ステップa21)、達していなければ、階層を記憶する指標iの値を1インクリメントし(ステップa22)、前述したステップa4〜ステップa15の処理を繰り返し実行して、オペレータに次の階層の項目番号を入力させる。
【0040】
なお、指標iの値が階層の最終値nに達しているにも関わらず文字ストリングス$(R)の現在値に対応するSUB〔$(R)〕のデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムが検出されない場合、文字ストリングス$(R)に最下位層のブランチまで指定しても実行対象となるアプリケーションプログラムに行き当たらないことを意味し、明らかに選択肢の登録ミスである。従って、この場合、CPU11は、タイマTに所定時間Txを設定して計時を開始し(ステップa24,ステップa25)、タイマTの計時が終了するまでの間、7セグメントLED2に英字の“A”(但し天頂部は平ら)を点滅表示してエラーの発生をオペレータに知らせ(ステップa26,ステップa27)、ステップa2の初期状態に復帰する。
【0041】
一方、ステップa4〜ステップa15およびステップa21とステップa22の繰り返し処理により、最終的に、オペレータが実施したい処理操作のアプリケーションプログラムの番号に相当する文字ストリングスがレジスタ$(R)の中に生成され、データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムのアドレスを記憶したSUB〔$(R)〕がFROM15から検索されてステップa15の判別結果が真となると、CPU11は、SUB〔$(R)〕に登録されたアドレス指定により、対応するデータ設定用アプリケーションプログラムなりメンテナンス作業用アプリケーションプログラムなりをFROM15からRAM13に読み込んで、このプログラムを起動させる(ステップa16)。
【0042】
メンテナンス作業用アプリケーションプログラムの一例を図9に示す。ここで取り上げるアプリケーションプログラムは、1階層目の項目指定で“3”を指定し、更に、2階層目の項目指定で“8”を指定して特定されるSUB〔$(R)〕=SUB38のアプリケーションプログラム、つまり、SRAMバックアップ処理である。
【0043】
SRAMバックアップ処理のアプリケーションプログラムを開始したCPU11は、まず、タイマTに待機許容時間Tx(6秒前後)を設定して計時を開始し(ステップb1,ステップb2)、指標jの現在値に対応するアラビア数字“j”、要するに、$(R)の文字ストリングスの最下位に位置する文字(この場合は“8”)を7セグメントLED2に点滅表示して、最終的な選択結果(但し、最下位の文字ストリングスの値のみを表示)をオペレータに知らせ(ステップb3)、同一文字の点滅表示を繰り返しながら、タイマTの計時終了、もしくは、オペレータによるプッシュスイッチ3の操作を待つ待機状態に入る(ステップb4,ステップb5,ステップb3)。
【0044】
もし、待機許容時間Txの間にプッシュスイッチ3の操作が検出されなければ、CPU11は、SRAMバックアップ処理の指令がオペレータによってキャンセルされたものと見做してSUB38のアプリケーションプログラムを自動的に終了し(ステップb4の判別結果が真)、ステップa17の処理に移行する。
【0045】
また、待機許容時間Txの間にプッシュスイッチ3の操作が検出された場合、CPU11は、当該アプリケーションプログラムの実行がオペレータによって認可されたものと見做し、SRAM14のパラメータを読み込んでメモリカード22に保存し(ステップb6)、その後、メモリカード22の内容とSRAM14の元データとを比較して、正常なバックアップが取れているか否かを判定する(ステップb7)。
【0046】
そして、正常なバックアップが取れていれば、CPU11は、SUB38のアプリケーションプログラムを終了し(ステップb7の判別結果が真)、ステップa17の処理に移行する。
【0047】
また、もし、正常なバックアップが取れていなければ、CPU11は、タイマTにTxを設定して計時を開始し(ステップb8,ステップb9)、タイマTの計時が終了するまでの間、7セグメントLED2にエラーの発生を示す英字の“A”を点滅表示してバックアップの失敗をオペレータに知らせた後(ステップb10,ステップb11)、SUB38のアプリケーションプログラムを終了してステップa17の処理に移行する。
【0048】
指定されたデータ設定用アプリケーションプログラムなりメンテナンス作業用アプリケーションプログラムなりを終了してステップa17の処理に移行したCPU11は、レジスタ$(R)の文字ストリングスの最下位に位置する1文字(SUB38の例によれば“8”)の記憶を消去し、再び、前記と同様にしてステップa4以降の処理を開始する。
【0049】
従って、この段階で、7セグメントLED2に循環的に表示されるアラビア数字“j”をプッシュスイッチ3の操作によって再選択すれば(ステップa4〜ステップa15参照)、先に実施したアプリケーションプログラムと同じ階層内の他のアプリケーションプログラムを実行したり(ステップa16参照)、または、先に実施したアプリケーションプログラムと同一のアプリケーションプログラムを再実行したり(ステップa16参照)することができる。なお、先の例ではレジスタ$(R)の文字ストリングス“38”から“8”が消去され、文字ストリングス“3”に続けて改めて“0”〜“8”の任意の数字を付け足すことができるので、SUB38と同一階層内のSUB30〜SUB38の任意の処理を選択的に実行させることができる。
【0050】
同一階層内の他のアプリケーションプログラムを続けて実行する場合、または、エラーの発生によって目的の処理が達成されない場合のリトライ処理を行うときには、この操作手順によって同一階層内のアプリケーションプログラムを選択または再選択するようにする。
【0051】
また、或る階層のアプリケーションプログラムを実行した後、システムを再起動せずに上位階層または系列の異なる他の処理を再選択して実行することも可能であり、その場合、オペレータは、7セグメントLED2上にアラビア数字“9”が表示されたことを確認してプッシュスイッチ3を操作するようにする。
【0052】
7セグメントLED2にアラビア数字“9”が表示されたときにプッシュスイッチ3を操作すると、CPU11は前記と同様にしてステップa9の判別処理でこの操作を検出し、指標jの値が9であるか否かを判別するが(ステップa12)、当然、この場合は指標jの値は9である。
【0053】
そこで、CPU11は、更に、指標iの値が1であるか否か、つまり、アラビア数字“9”が第1階層における選択操作で選択されたものであるか否かを判別する(ステップa18)。
【0054】
既に述べた通り、第1階層におけるアラビア数字“9”の選択はアプリケーションプログラムの選択操作を中止して通常の立上げ処理を実施するための番号であるから、ステップa18の判別結果が真となった場合、CPU11は、プッシュスイッチ3を操作せずにシステムに電源を投入した場合と同様、ステップa23の処理に移行して通常の立上げ処理を実施することになる。
【0055】
また、指標iの値が2以上であってステップa18の判別結果が偽となった場合、つまり、第2階層以降の階層でアラビア数字“9”が選択された場合には、CPU11は、システムを再起動せずに上位階層の他の処理を再選択するための処理を開始することになる。この場合、CPU11は、まず、レジスタ$(R)の文字ストリングスの最下位に位置する1文字の記憶を消去することにより1階層上位の階層で実施されたアラビア数字の選択操作を無効にすると共に(ステップa19)、階層を記憶する指標iの値を1ディクリメントして(ステップa20)、改めてステップa4以降の処理を開始し、1階層上位の階層での選択操作のやり直しを可能にする。
【0056】
一例として、最初に第1階層で“3”を第2階層で“8”を選択し、第2階層のSRAMバックアップ処理(SUB38)を実施してから第1階層に遡って別の処理、例えば、通常の立上げ処理を実施する場合について全体的な処理の流れを簡単に説明する。
【0057】
まず、SRAMバックアップ処理の起動時点におけるレジスタ$(R)の文字ストリングスの値は前述の通り“38”であり、これに対応するステップa16のSRAMバックアップ処理が完了すると、ステップa17の処理によってレジスタ$(R)の文字ストリングス“38”から“8”が消去され、レジスタ$(R)の文字ストリングスの値が“3”に変化して、再び、ステップa4以降の処理が開始される。いうまでもなく、このときの指標iの値は2である。
【0058】
そして、ここでプッシュスイッチ3によりアラビア数字“9”が選択されると、CPU11はステップa9の判別処理でこの操作を検出するが、この場合j=9であるからステップa12の判別結果は真となり、レジスタ$(R)に“9”が読み込まれることはなく(ステップa13の処理が実行されない)、レジスタ$(R)の値は、そのまま“3”に保持される。また、i=2であるから、ステップa18の判別結果は偽となり、ステップa19の処理によりレジスタ$(R)から再び最終桁の1文字である“3”が消去されてヌルの状態に初期化され、更に、階層を記憶する指標iの値がステップa20の処理によってi=1に変更される。
【0059】
次いで、再びステップa4以降の処理が開始されることになるが、指標iの値は1、また、レジスタ$(R)の値はヌルに初期化されているので、改めて第1階層から“0”〜“9”の任意のアラビア数字を選択して、第1階層における選択操作のやり直しをしたり、または、第1階層の別のアプリケーションプログラムを実行させたりすることが可能となる。
【0060】
ここで再び“9”を選択すれば、ステップa9,ステップa12,ステップa18の判別処理を経てステップa23の通常の立上げ処理が実行されることになる。
【0061】
つまり、この実施形態においては、システムを再起動させるような時間のかかる処理を行わなくても、先に実施したアプリケーションプログラムと同じ階層内の他のアプリケーションプログラムを続けて実行させたり、また、先に実施してエラーの発生したアプリケーションプログラムを再実行してエラーを解消したり、更には、上の階層に戻ってアプリケーションプログラムを再選択して実行させたり、メンテナンス作業終了後、システムを再起動せずにそのまま通常の立上げ処理を行ったりすることができるということである。
【0062】
データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの一例としてSRAMバックアップ処理(図9参照)を取り上げて説明したが、他のデータ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラム、例えば、装置番号設定モードSUB2のアプリケーションプログラムについても、図3に示すようなインデックスファイルに対し、前述のレジスタ$(R)によってアプリケーションプログラムのアドレスを指定することにより、SRAMバックアップ処理の場合と同様にして実施することができる(ステップa16)。
【0063】
【発明の効果】
本発明の数値制御装置によれば、文字を1文字ずつ表示する簡便な表示器と単一のスイッチのみによって数値制御装置に関する様々な種類の設定操作やメンテナンス作業の処理を選択的に行うことができる。また、処理項目選択用のスイッチとID設定用のスイッチとを共通化することができるので、スイッチ等の設定手段の部品点数が削減され、その設置スペースを節約することができる。
【0064】
また、スイッチの操作で階層的な選択作業を繰り返すことによって最終的な処理項目を選択するようにしているので、表示器に表示可能な文字の数やスイッチの接点数の制限を受けることなく、多数の処理項目の選択肢を簡単に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の数値制御装置の要部を示すブロック図である。
【図2】同数値制御装置上における表示器とスイッチの実装状態を簡単に示す図である。
【図3】データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの登録状態を概念的に示す図である。
【図4】データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの登録状態を示す図である(第1階層の部分的な登録例)。
【図5】データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの登録状態を示す図である(第2階層の部分的な登録例)。
【図6】データ設定用アプリケーションプログラムやメンテナンス作業用アプリケーションプログラムの登録状態を示す図である(第3階層の部分的な登録例)。
【図7】本実施形態の数値制御装置の処理動作の概要を示すフローチャートである。
【図8】数値制御装置の処理動作の概要を示すフローチャートの続きである。
【図9】メンテナンス作業用アプリケーションプログラムの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 操作パネル
2 7セグメントLED(表示器)
3 プッシュスイッチ(スイッチ)
10 数値制御装置(モーションコントローラ)
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 CMOSメモリ(不揮発性メモリ)
15 FROM(フラッシュメモリ)
16 軸制御回路
17 バス
18 インターフェイス
19 インターフェイス
20 インターフェイス
21 インターフェイス
22 メモリカード
Claims (4)
- 複数のセグメントで構成され、セグメントを選択的に表示して数字または文字を1文字表示する表示器と、スイッチとを備え、前記表示器に1文字ずつ循環的に表示させ、前記スイッチが操作されONになると、そのとき表示器に表示されている1文字に対応する項目の処理を行うことを特徴とする数値制御装置。
- 複数のセグメントで構成され、セグメントを選択的に表示して数字または文字を1文字表示する表示器と、スイッチとを備え、前記表示器に1文字ずつ循環的に表示させ、前記スイッチが操作されONになる毎に、そのときの表示器の1文字に対応する項目を順次階層的に選択して絞り込み操作を行い、最終的に選択された項目の処理を行うことを特徴とする数値制御装置。
- 前記処理は、データ設定またはメンテナンス処理である請求項1または請求項2記載の数値制御装置。
- 前記表示器が7セグメント表示器である請求項1,請求項2または請求項3記載の数値制御装置。
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